JP2005305836A - 光記録材料及び光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光の照射により情報の記録を行う光記録媒体及びそれに用いられる光記録材料に関する。
光記録媒体としてはすでに、CD−R(追記型CD)やDVD−R(追記型DVD)等の光記録ディスクが広く普及している。近年、この光記録媒体には、記録密度のさらなる高密度化が求められており、かかる要求に応えるべく、記録・再生光の短波長化が進められている。かかる高密度記録媒体としては、650nmで記録再生が行えるDVD−R、DVD+Rなどがある。
また、このような光記録媒体においては、高密度化とともに高速化が求められており、14m/sec(4倍速に相当)以上の高速への対応が要求されている。そして、このような高密度/高速記録媒体の記録層に用いる光記録材料として、シアニン色素やキレート化合物が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開2003−231359号公報
特開2003−237240号公報
特開2003−246148号公報
特開2003−246149号公報
特開平9−39394号公報
ところで、記録速度の高速化を図る場合には、より感度の高い色素を用いることが望まれるが、通常は、色素の高感度化にともなって、再生信号の時間方向の揺らぎ(ジッター)が増加して記録特性が低下したり、耐光性の低下が生じる傾向がある。また、低速及び高速記録の両方の記録特性を優れたものとすることが困難となる場合があった。
そして、例えば、上記特許文献1に記載された光記録媒体では、十分な耐光性が得られず、また、上記特許文献2に記載された光記録媒体では、低速及び高速記録の両方の記録特性を優れたものとすることが困難であるといった問題が生じることを本発明者らは見出した。
このように、従来の光記録材料を用いた光記録媒体では、低速及び高速記録のいずれの場合においても優れた記録特性を得るとともに、十分な耐光性を得ることが困難であった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低速及び高速記録のいずれの場合においても優れた記録特性が得ることができ、且つ、十分な耐光性を得ることができる光記録媒体用の光記録材料、及び光記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のキレート化合物と特定のアニオンとを組み合わせて用いた光記録材料であれば、上記目的を達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、下記一般式(1)で表されるアゾ化合物及び金属からなるキレート化合物と、下記一般式(2)で表されるカチオンと、を含有することを特徴とする光記録材料を提供する。
[式中、Xは1以上の活性水素原子を有し、置換基を有していてもよい官能基を示し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は、置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。また、R1とR2、R2とR3、又は、R3とR4は互いに連結して環を形成していてもよい。]
[式中、Lは下記一般式(2a)で表される2価の連結基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくは置換基を有していてもよいベンジル基、又は互いに連結して3〜6員環を形成する基を示し、R9及びR10はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくは置換基を有していてもよいベンジル基、又は互いに連結して3〜6員環を形成する基を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基を示し、Q1及びQ2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を構成する原子群を示す。但し、R7、R8、R9及びR10のうちの少なくとも1つはメチル基でない基を示し、下記一般式(2a)で表される2価の連結基は置換基を有していてもよい。
]
かかる光記録材料によれば、上記特定のキレート化合物と上記特定のカチオンとを組み合わせて用いることにより、低速及び高速記録のいずれの場合においても優れた記録特性を得ることができ、且つ、十分な耐光性を得ることができる。かかる効果は、上記特定のキレート化合物及び上記特定のカチオンのいずれか一方のみを用いた場合には十分に得られず、これらを組み合わせることによってはじめて得られるものである。
また、本発明の光記録材料において、上記R5及び上記R6がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましい。
かかる条件を満たすキレート化合物を含む光記録材料であれば、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。
更に、本発明の光記録材料において、上記R7及び上記R8のうちの少なくとも一方と、上記R9及び上記R10のうちの少なくとも一方とが置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましい。
かかる条件を満たすカチオンを含む光記録材料であれば、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。
また更に、本発明の光記録材料において、上記キレート化合物の含有割合が、上記カチオン及び上記キレート化合物の合計量を基準として10〜70モル%であることが好ましい。
キレート化合物を上記の割合で含有する光記録材料であれば、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。
本発明はまた、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体であって、上記一般式(1)で表されるアゾ化合物及び金属からなるキレート化合物と、上記一般式(2)で表されるカチオンと、を含有する記録層を備えることを特徴とする光記録媒体を提供する。
かかる光記録媒体は、その記録層に上記特定のキレート化合物と上記特定のカチオンとを組み合わせて用いていることにより、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。かかる効果は、上記特定のキレート化合物及び上記特定のカチオンのいずれか一方のみを用いた場合には十分に得られず、これらを組み合わせることによってはじめて得られるものである。
また、本発明の光記録媒体において、上記R5及び上記R6がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましい。
かかる条件を満たすキレート化合物を含む記録層を備える光記録媒体であれば、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。
更に、本発明の光記録媒体において、上記R7及び上記R8のうちの少なくとも一方と、上記R9及び上記R10のうちの少なくとも一方とが置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましい。
かかる条件を満たすカチオンを含む記録層を備える光記録媒体であれば、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。
また更に、本発明の光記録媒体において、上記キレート化合物の含有割合が、上記カチオン及び上記キレート化合物の合計量を基準として10〜70モル%であることが好ましい。
キレート化合物を上記の割合で含有する記録層を備える光記録媒体であれば、低速及び高速記録のいずれの場合においてもより優れた記録特性を得ることができ、且つ、より十分な耐光性を得ることができる。
本発明によれば、低速及び高速記録のいずれの場合においても優れた記録特性を得ることができ、且つ、十分な耐光性を得ることができる光記録媒体用の光記録材料、及び光記録媒体を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(光記録材料)
本発明の光記録材料は、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、上記一般式(1)で表されるアゾ化合物及び金属からなるキレート化合物と、上記一般式(2)で表されるカチオンと、を含有するものである。
本発明の光記録材料は、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、上記一般式(1)で表されるアゾ化合物及び金属からなるキレート化合物と、上記一般式(2)で表されるカチオンと、を含有するものである。
上記一般式(1)で表されるアゾ化合物において、式(1)中のXは、1以上の活性水素原子を有し、置換基を有していてもよい官能基を示す。かかる官能基としては、例えば、水酸基(−OH)、チオール基(−SH)、アミノ基(−NH2)、カルボキシ基(−COOH)、アミド基(−CONH2)、スルホンアミド基(−SO2NH2)及びスルホ基(−SO3H)などが挙げられる。また、上記置換基としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アミド基、アミノ基、アルケニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、チオシアノ基、アルキルチオ基、アルキルアゾメチン基、アラルキル基などが挙げられる。これらのなかでも、アルキル基、スルホン基(−SO2−R;Rは置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す)、アシル基(−CO−R;Rは置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す)が好ましい。スルホン基及びアシル基のRがアルキル基である場合、当該アルキル基の炭素数は1〜6であることが好ましい。
また、上記一般式(1)中のR1〜R6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は、置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。また、R1とR2、R2とR3、又は、R3とR4は互いに連結して環を形成していてもよい。
これらのうち、アルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルチオオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルカルバモイル基等における「アルキル」とは、いかなるアルキルであっても良く、直鎖状、分岐状又は環状であっても良い。また、炭素数は1〜30であることが好ましい。また、上記アルケニル基は上記のアルキルに不飽和二重結合を導入した基を意味する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の一級アルキル基、イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基、ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。更に、これら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
複素環残基としては、インドリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、カルボニル基の炭素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールカルボニル基としては、カルボニル基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルオキシカルボニル基としては、オキシカルボニル基の酸素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基としては、オキシカルボニル基の酸素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルスルホニル基としては、スルホニル基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールスルホニル基としては、スルホニル基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルチオキシ基としては、硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールチオキシ基としては、硫黄原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルオキシ基としては、酸素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールオキシ基としては、酸素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルアミノ基としては、窒素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールアミノ基としては、窒素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルカルボニルアミノ基としては、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールカルボニルアミノ基としては、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アルキルカルバモイル基としては、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素原子、置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基としては上述のものを挙げることができる。
アリールカルバモイル基としては、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素原子、置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基としては上述のものを挙げることができる。
アラルキル基としては、置換基を有していてもよいベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基等が挙げられる。
上述のような構成を有する上記一般式(1)で表されるアゾ化合物において、本発明の効果をより十分に得る観点から、上記R5及び上記R6がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましい。
本発明におけるキレート化合物は、上述のアゾ化合物が金属に配位して形成される金属キレート化合物であり、アゾ系色素、アゾ系染料等とも呼ばれるものである。
かかるキレート化合物を構成する金属(中心金属)としては、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Ru、Fe、Pd、Pt、Al等の遷移金属が挙げられる。また、V、Mo、Wを、それぞれその酸化物イオンである、VO2+、VO3+、MoO2+、MoO3+、WO3+等として有していてもよい。これらの中でも、VO2+、VO3+、Co、Ni及びCuが好ましい。
キレート化合物は、通常、上記のようなアゾ化合物を3座配位子として、金属との間に配位結合を形成している。なお、アゾ化合物は活性水素を有する置換基を有しており、通常、その活性水素が脱離して3座配位子となる。
キレート化合物は、全体として中性の場合もあるし、アニオン又はカチオンとなる場合もある。キレート化合物がアニオンである場合、その対カチオンとの塩を形成する。この対カチオンとしては、Na+、Li+、K+等の金属カチオンや、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等が挙げられる。あるいは、上記一般式(2)で表されるカチオンを対カチオンとして塩を形成してもよい。
本発明においては、キレート化合物はアニオンであることが好ましく、上記一般式(2)で表されるカチオンを対カチオンとして塩を形成していることが好ましい。これにより、本発明の効果がより十分に発現されることとなる。
キレート化合物の具体例としては、表1〜表5に示す化合物A1〜A32が挙げられ、これらを単独または複数組み合わせて用いられる。なお、表1〜表5に示すキレート化合物においては、中心金属の元素1個に対してアゾ化合物2個が配位している。これらキレート化合物は、公知の方法に従って合成して得ることができる(例えば、古川,Anal.Chim.Acta.,140,p.289,1982年等参照)。
本発明の光記録材料を構成する上記一般式(2)で表されるカチオンは、トリメチンシアニン色素ともいわれる色素のカチオンである。なお、上記一般式(2)中のLは、上記一般式(2a)で表される、トリメチン鎖ともいわれる連結基である。
上記一般式(2)で表されるカチオンにおいては、本発明の効果をより十分に得る観点から、上記R7及び上記R8のうちの少なくとも一方と、上記R9及び上記R10のうちの少なくとも一方とが置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましい。
上記一般式(2)で表されるカチオンの具体例としては、表6〜表11に示す化合物T1〜T67が挙げられ、これらを単独または複数組み合わせて用いられる。これらのトリメチンシアニン色素カチオンは、公知の方法で合成して得ることができる。
光記録材料は、通常、これらカチオンの電荷を中和する対アニオンを含有する。この対アニオンとしては、例えば、ClO4 −、I−、BF4 −、PF6 −及びSbF6 −等の1価の陰イオンが挙げられる。あるいは、上述したキレート化合物がアニオンである場合には、これを対アニオンとして塩を形成してもよい。なお、本発明においては、上述したようにキレート化合物がアニオンであり、これを上記カチオンの対イオンとして塩を形成していることが好ましい。これにより、本発明の効果がより十分に発現されることとなる。
本発明の光記録材料においては、上記キレート化合物の含有割合が、上記カチオン及びキレート化合物の合計量を基準として10〜70モル%であることが好ましく、15〜50モル%であることがより好ましく、20〜30モル%であることが特に好ましい。この含有割合が10モル%未満であると耐光性が十分でなくなる傾向にあり、70モル%を超えると特に高速記録された光記録媒体においてジッターが増大する傾向にある。
このような比率で上記カチオン及びキレート化合物を含有する光記録材料は、上記カチオン及びその対アニオンからなる塩に、キレート化合物を混合した混合物とするか、又は、キレート化合物がアニオンである場合には、トリメチンシアニン色素カチオンとキレート化合物アニオンからなる塩(一体型塩)を形成させて得ることができる。あるいは、この混合物と一体型塩とを共存させてもよい。なお、本発明の効果をより十分に得る観点から、本発明の光記録材料は、上記一体型塩を含んでいることが好ましい。
以上のような光記録材料は、以下に説明するような本発明の光記録媒体の記録層を形成させるために、好適に用いることができる。
(光記録媒体)
図1は本発明の光記録媒体に係る光記録ディスクの好適な一実施形態を示す部分断面図である。図1に示した光記録ディスク1は、基板2上に、記録層3、反射層4、保護層5、基板6がこの順で密着して設けられた積層構造を有する。光記録ディスク1は、追記型光記録ディスクであり、630〜685nmの短波長の光による記録・再生が可能なものである。
図1は本発明の光記録媒体に係る光記録ディスクの好適な一実施形態を示す部分断面図である。図1に示した光記録ディスク1は、基板2上に、記録層3、反射層4、保護層5、基板6がこの順で密着して設けられた積層構造を有する。光記録ディスク1は、追記型光記録ディスクであり、630〜685nmの短波長の光による記録・再生が可能なものである。
基板2と基板6とは、直径が64〜200mm程度、厚さが各0.6mm程度のディスク状のものである。基板2の裏面側(基板6の側)からの記録及び再生が行われる。そのため、少なくとも基板2は記録光及び再生光に対して実質的に透明であることが好ましく、より具体的には、基板2の記録光及び再生光に対する透過率が88%以上であることが好ましい。かかる基板2の材料としては、透過率に関する上記条件を満たす樹脂又はガラスが好ましく、中でも、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモルファスポリエチレン、TPX、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂が特に好ましい。一方、基板6の材料には特に制限はないが、例えば、基板2と同じ材料を用いることができる。
また、基板2の記録層3形成面には、トラッキング用のグルーブ23が凹部として形成されている。グルーブ23は、スパイラル状の連続型グルーブであることが好ましく、その深さは0.1〜0.25μm、幅は0.20〜0.50μm、グルーブピッチは0.6〜1.0μmであることが好ましい。グルーブをこのような構成とすることにより、グルーブの反射レベルを低下させることなく良好なトラッキング信号を得ることができる。グルーブ23は、上記樹脂を用いて射出成形等により基板2を成形する際に同時に形成可能であるが、基板2の製造後に2P法等によりグルーブ23を有する樹脂層を形成し、基板2とこの樹脂層との複合基板としてもよい。
記録層3は、上記本発明の光記録材料を用いて形成されたものである。記録層3は、上記本発明の光記録材料を溶媒に溶解又は分散させた混合液を基板2上に塗布し、塗膜から溶媒を除去する等して形成させることができる。混合液の溶媒としては、アルコール系溶媒(ケトアルコール系、エチレングリコールモノアルキルエーテル系等のアルコキシアルコール系を含む。)、脂肪族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒等が挙げられ、これらの中でもアルコール系溶媒及び脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、アルコキシアルコール系、ケトアルコール系などが好ましい。アルコキシアルコール系溶媒は、アルコキシ部分の炭素原子数が1〜4であることが好ましく、かつアルコール部分の炭素原子数が1〜5、さらには2〜5であることが好ましく、総炭素原子数が3〜7であることが好ましい。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)やエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ、エトキシエタノールともいう)やブチルセロソルブ、2−イソプロポキシ−1−エタノール等のエチレングリコールモノアルキルエーテル(セロソルブ)系や1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。ケトアルコール系としてはジアセトンアルコール等が挙げられる。さらには2,2,
3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素化アルコールも用いることができる。
3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素化アルコールも用いることができる。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、ジメチルシクロヘキサン、n−オクタン、iso−プロピルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサンなどが好ましく、なかでもエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどが好ましい。
また、ケトン系溶媒としてはシクロヘキサノンなどが挙げられる。
本発明では、特にエチレングリコールモノアルキルエーテル系等のアルコキシアルコール系が好ましく、中でもエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−ブタノール等が好ましい。溶媒は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上の混合溶媒であってもよい。例えばエチレングリコールモノエチルエーテルと1−メトキシ−2−ブタノールとの混合溶媒が好適に使用される。
また、混合液は、上記成分の他にも、適宜、バインダー、分散剤、安定剤などを含有してもよい。
混合液の塗布方法としては、スピンコーティング法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などが挙げられ、これらの中でもスピンコート法が好ましい。
このようにして形成される記録層3の厚さは、50〜200nmとすることが好ましい。特に70〜150nmとすると、変調度と反射率とのバランスが良くなるため、より好ましい。この範囲外では、反射率が低下して、再生を行うことが困難となる傾向にある。また、グルーブ23の上部に位置する記録層3の膜厚が200nmを超えると、変調度と反射率とのバランスが悪化する傾向にある。
記録層3の記録光及び再生光に対する消衰係数(複素屈折率の虚部k)は、0〜0.20であることが好ましい。消衰係数が0.20を超えると十分な反射率が得られない傾向にある。また、記録層3の屈折率(複素屈折率の実部n)は1.8以上であることが好ましい。屈折率が1.8未満の場合、信号の変調度が小さくなる傾向にある。なお、屈折率の上限は特に制限されないが、有機色素の合成上の都合から、通常2.6程度である。
記録層3の消衰係数及び屈折率は以下の手順に従い求めることができる。先ず、所定の透明基板上に記録層を40〜100nm程度に設けて測定用サンプルを作製し、次いで、この測定用サンプルの基板を通しての反射率あるいは記録層側からの反射率を測定することによって求められる。この場合、反射率は、記録・再生光の波長を用いて鏡面反射(5°程度)にて測定する。さらに、サンプルの透過率を測定する。そして、これらの測定値から、例えば共立全書「光学」、石黒浩三、第168〜178ページに記載の方法に準じ、消衰係数及び屈折率を算出することができる。
記録層3上には、反射層4が記録層3に密着して設けられる。反射層4は、高反射率の金属又は合金を用いて蒸着、スパッタ等を行うことにより形成可能である。金属及び合金としては、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、AgCuなどが挙げられる。このようにして形成される反射層4の厚さは10〜300nmであることが好ましい。
反射層4上には、保護層5が反射層4に密着して設けられる。保護層5は層状であってもシート状であってもよく、例えば、紫外線硬化樹脂などの材料を含む塗布液を反射層4
上に塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより形成可能である。塗布の際には、スピンコート法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などが適用可能である。このようにして形成される保護層5の厚さは0.5〜100μmであることが好ましい。
上に塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより形成可能である。塗布の際には、スピンコート法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などが適用可能である。このようにして形成される保護層5の厚さは0.5〜100μmであることが好ましい。
保護層5上には、基板6が保護層5に密着して設けられる。基板6は基板2と同じ材質及び厚さであってもよい。また、選択した保護層5の材質に接着性が乏しい場合には、基板6と保護層5との間に接着層を適宜設けてもよい。
上記構成を有する光記録ディスク1に記録又は追記を行う際には、所定波長を有する記録光を、基板2の裏面からパルス状に照射し、照射部の光反射率を変化させる。このとき、色素として上記カチオン及びキレート化合物を特定の比率で含有する記録層3が設けられた光記録ディスク1によれば、短波長の記録・再生光により高速回転で情報の記録・再生を行う場合であっても、耐光性及び記録再生特性を高水準でバランスよく達成することができる。
なお、上記実施形態では、記録層として1層の記録層3を備える光記録ディスクについて説明したが、記録層を複数設け、各層に同一又は異なる色素を含有させてもよい。これにより、波長が同一又は異なる複数の記録・再生光により情報の記録・再生を行うことができる。この場合、各波長の記録・再生光に対して半透明である反射膜を各々の記録層上に設けてもよい。
こうして得られる光記録ディスク1は、2枚の光記録ディスク1同士を、または、1枚の光記録ディスク1と、光記録ディスク1とは層構造の異なるもう1枚の光記録ディスクとを、光入射面を外側にして貼り合わせ、用いることができる。
図2は、上述した貼り合わせの態様に係る光記録ディスクの好適な実施形態を示す部分断面図である。図2に示した光記録ディスク10は、基板12、記録層13、反射層14、保護層15、接着剤層50、保護層25、反射層24、記録層23、基板22がこの順で積層された構造を有する。すなわち、光記録ディスク10は、図1に示した光記録ディスク1と同様の構造の光記録ディスク2枚を、それぞれの保護層同士が接着剤層50を挟んで対向するように貼り合わせた構成を有するものである。この光記録ディスク10はDVD規格に対応した追記型デジタルビデオディスクであり、波長650nmの短波長の光で記録・再生を行うものである。
接着剤層50は、ホットメルト接着剤、紫外線硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、粘着型接着剤などが用いられ、それぞれにあった方法、例えば、ロールコーター法や、スクリーン印刷法、スピンコート法などが挙げられる。DVD−Rの場合、作業性や生産性、ディスク特性などから総合的に判断して紫外線硬化接着剤を用い、スクリーン印刷法やスピンコート法が用いられる。接着剤層50の厚さは10から200μm程度であることが好ましい。
基板12及び22、記録層13及び23、反射層14及び24、並びに保護層15及び25は図1に示した光記録ディスク1と同様の材料、方法で形成される。基板12及び22それぞれの厚さは0.6mm程度であることが好ましい。基板12の記録層13形成面及び基板22の記録層24形成面にはそれぞれグルーブ123及び223が形成される。このグルーブ123及び223は、深さが60〜200nm、幅が0.2〜0.5μm、グルーブピッチが0.6〜1.0μmであることが好ましい。また、記録層13及び23それぞれの厚さは50〜300nmであることが好ましく、その650nmの光に対する複素屈折率はn=1.8〜2.6、k=0.00〜0.10であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)を水2mlとエタノール20mlに溶解させ、0〜5℃で撹拌しながら、水15mlに溶解させた亜硝酸ナトリウム0.69g(10mmol)を徐々に加えジアゾ化を行い、ジアゾニウム塩を得た。
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)を水2mlとエタノール20mlに溶解させ、0〜5℃で撹拌しながら、水15mlに溶解させた亜硝酸ナトリウム0.69g(10mmol)を徐々に加えジアゾ化を行い、ジアゾニウム塩を得た。
次に、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)を、酢酸ナトリウム4.1g(50mmol)、及び尿素0.6g(10mmol)とともにメタノール100mL中に溶解させ、その溶液に上記ジアゾニウム塩を徐々に加えカップリングを行った。反応終了後、吸引濾過を行い、得られた結晶を酢酸で洗浄し、真空乾燥させることにより、表1に示したキレート化合物A1を構成するアゾ化合物2.17g(8.2mmol)得た。なお、このときの反応スキームは、下記化学式(A)で表すことができる。
さらに、上記アゾ化合物1.05g(4mmol)に水酸化ナトリウム0.20gと水10gとメタノール20gとを加え、酢酸コバルト0.5g(2mmol)と共に95℃にて16時間反応させた。反応終了後、吸引濾過を行い、得られた結晶を真空乾燥した。このようにして、上記アゾ化合物がコバルトに配位してなるキレート化合物A1を0.92g(1.53mmol)得た。
得られたキレート化合物A1の構造解析の結果を以下に示す。
ESI−MS:705(negative)
1H−NMR(CDCl3):6.5(d,2H),7.0(t,2H),7.2(d,4H),7.4(s,2H),7.5(d,2H),7.6(t,4H),7.7(s,4H)
ESI−MS:705(negative)
1H−NMR(CDCl3):6.5(d,2H),7.0(t,2H),7.2(d,4H),7.4(s,2H),7.5(d,2H),7.6(t,4H),7.7(s,4H)
(合成例2)
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて1−アミノナフタレン−2−オール1.59g(10mmol)を使用し、酢酸コバルト0.5g(2mmol)に代えて酢酸クロム0.49g(2mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A9を得た。
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて1−アミノナフタレン−2−オール1.59g(10mmol)を使用し、酢酸コバルト0.5g(2mmol)に代えて酢酸クロム0.49g(2mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A9を得た。
(合成例3)
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて1−アミノ−4−ジエチルアミノ−フェノール1.80g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて1−フェニル−5−ピラゾロン1.60g(10mmol)を使用し、酢酸コバルト0.5g(2mmol)に代えてチタンイソプロポキシド0.56g(2mmol)を使用し、水10gとメタノール20gとに代えてメタノール30gを使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A13を得た。
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて1−アミノ−4−ジエチルアミノ−フェノール1.80g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて1−フェニル−5−ピラゾロン1.60g(10mmol)を使用し、酢酸コバルト0.5g(2mmol)に代えてチタンイソプロポキシド0.56g(2mmol)を使用し、水10gとメタノール20gとに代えてメタノール30gを使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A13を得た。
(合成例4)
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて2−アミノ−4、6−ジニトロ−フェノール1.99g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン1.74g(10mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A22を得た。
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて2−アミノ−4、6−ジニトロ−フェノール1.99g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン1.74g(10mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A22を得た。
(合成例5)
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて2−アミノ−4−ニトロフェノール1.54g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて3−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−5−ピラゾロン2.19g(10mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A25を得た。
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えて2−アミノ−4−ニトロフェノール1.54g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて3−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−5−ピラゾロン2.19g(10mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A25を得た。
(合成例6)
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えてN−(2−アミノ−5−ジメチルアミノ−フェニル)−トリフルオロ−メタンスルホンアミド2.83g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて2−ベンジル−5−イソプロピル−2,4−ジヒドロ−3−ピラゾロン2.16g(10mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A31を得た。
2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54g(10mmol)に代えてN−(2−アミノ−5−ジメチルアミノ−フェニル)−トリフルオロ−メタンスルホンアミド2.83g(10mmol)を使用し、1−メチル−5−ピラゾロン0.98g(10mmol)に代えて2−ベンジル−5−イソプロピル−2,4−ジヒドロ−3−ピラゾロン2.16g(10mmol)を使用した以外は合成例1と同様にして、表1に示したキレート化合物A31を得た。
(実施例1)
トリメチンシアニン色素カチオンと、キレート化合物とを、表12に示す組み合わせ及び比率で混合して、光記録材料を得た。この光記録材料を、その含有量が1.0重量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解した混合液を調製し、これを一方面上にプリグルーブ(深さ0.16μm、幅0.30μm、グルーブピッチ0.74μm)が形成されたポリカーボネート樹脂基板上に塗布し、乾燥させて記録層(厚さ130nm)を形成した。次いで、この記録層上に、スパッタ法によりAg反射層(厚さ85nm)を形成し、さらに、Ag反射層上に紫外線硬化型のアクリル樹脂からなる透明な保護層(厚さ5μm)を形成して積層構造体を得た。さらに、もう一枚のダミー基板を、保護層が内側となるように接着剤で貼りあわせて、図1に示す光記録ディスク1と同様の構成を有する光記録ディスクを作製した。なお、光記録材料に用いたトリメチンシアニン色素カチオンのNo.はそれぞれ表6〜表11に示すNo.とその化学構造に対応するものである。また、キレート化合物は、上記合成例により合成したものである。
トリメチンシアニン色素カチオンと、キレート化合物とを、表12に示す組み合わせ及び比率で混合して、光記録材料を得た。この光記録材料を、その含有量が1.0重量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解した混合液を調製し、これを一方面上にプリグルーブ(深さ0.16μm、幅0.30μm、グルーブピッチ0.74μm)が形成されたポリカーボネート樹脂基板上に塗布し、乾燥させて記録層(厚さ130nm)を形成した。次いで、この記録層上に、スパッタ法によりAg反射層(厚さ85nm)を形成し、さらに、Ag反射層上に紫外線硬化型のアクリル樹脂からなる透明な保護層(厚さ5μm)を形成して積層構造体を得た。さらに、もう一枚のダミー基板を、保護層が内側となるように接着剤で貼りあわせて、図1に示す光記録ディスク1と同様の構成を有する光記録ディスクを作製した。なお、光記録材料に用いたトリメチンシアニン色素カチオンのNo.はそれぞれ表6〜表11に示すNo.とその化学構造に対応するものである。また、キレート化合物は、上記合成例により合成したものである。
得られた光記録ディスクに対し、波長655nmのレーザー光を用いて線速3.5m/s(等倍速に相当)又は28.0m/s(8倍速に相当)で信号を記録し、次いで波長650nmのレーザー光を用いて線速3.5m/sで再生したときのジッターを測定した。なお、このとき、レンズ開口NAは0.60とした。さらに、得られた光記録ディスクを5万ルックスのキセノンランプ((株)島津製作所社製キセノンフェードメーター)で80時間照射(光暴露)し、照射後の光記録ディスクについても上記と同様にしてジッターを測定して、その耐光性を評価した。評価結果を表13に示す。
(実施例2〜6及び比較例1〜2)
光記録材料として、トリメチンシアニン色素カチオンと、キレート化合物とを、表12にそれぞれ示す組み合わせ及び比率で混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして、光記録ディスクの作製及びその評価を行った。評価結果を表13にまとめて示す。なお、比較例1においては、トリメチンシアニン色素カチオンとして上記一般式(2)中のR7〜R8が全てメチル基である、下記化学式(3)で表される比較化合物を用いた。
光記録材料として、トリメチンシアニン色素カチオンと、キレート化合物とを、表12にそれぞれ示す組み合わせ及び比率で混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして、光記録ディスクの作製及びその評価を行った。評価結果を表13にまとめて示す。なお、比較例1においては、トリメチンシアニン色素カチオンとして上記一般式(2)中のR7〜R8が全てメチル基である、下記化学式(3)で表される比較化合物を用いた。
表13に示した結果から明らかなように、実施例1〜6によれば、比較例1〜2と比較して、低速及び高速記録のいずれの場合においてもジッターが低く抑えられ、且つ、耐光性に優れることが確認された。したがって、本発明によれば、低速及び高速記録のいずれの場合においても優れた記録特性を得ることができ、且つ、十分な耐光性を得ることができる光記録材料及び光記録媒体を提供できることが確認された。
1,10…光記録ディスク、2,6,12,22…基板、3,13,23…記録層、4,14,24…反射層、5,15,25…保護層、23,123,223…グルーブ、50…接着剤層。
Claims (8)
- 光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、
下記一般式(1)で表されるアゾ化合物及び金属からなるキレート化合物と、
下記一般式(2)で表されるカチオンと、を含有することを特徴とする光記録材料。
- 前記R5及び前記R6がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、置換基を有していてもよいベンジル基であることを特徴とする請求項1記載の光記録材料。
- 前記R7及び前記R8のうちの少なくとも一方と、前記R9及び前記R10のうちの少なくとも一方とが置換基を有していてもよいベンジル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録材料。
- 前記キレート化合物の含有割合が、前記カチオン及び前記キレート化合物の合計量を基準として10〜70モル%であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の光記録材料。
- 光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体であって、
下記一般式(1)で表されるアゾ化合物及び金属からなるキレート化合物と、
下記一般式(2)で表されるカチオンと、を含有する記録層を備えることを特徴とする光記録媒体。
- 前記R5及び前記R6がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、置換基を有していてもよいベンジル基であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記R7及び前記R8のうちの少なくとも一方と、前記R9及び前記R10のうちの少なくとも一方とが置換基を有していてもよいベンジル基であることを特徴とする請求項5又は6記載の光記録媒体。
- 前記キレート化合物の含有割合が、前記カチオン及び前記キレート化合物の合計量を基準として10〜70モル%であることを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の光記録媒体。
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