JP2005298891A - 金属微粒子の製造方法とその含有組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属ナノロッドのアスペクト比を容易に制御することができ、目的のアスペクト比を有する金属ナノロッドを効率よく製造することができる方法を提供する。
【手段】 界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、酸またはアルカリを添加した環境下で金属微粒子を製造することによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とし、あるいは、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
【選択図】 図1
【手段】 界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、酸またはアルカリを添加した環境下で金属微粒子を製造することによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とし、あるいは、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属微粒子、特にナノサイズのロッド状金属微粒子(金属ナノロッド)の製造方法において、金属微粒子のアスペクト比を容易に制御することができる製造方法とこの方法によって製造した金属微粒子を含有する組成物に関する。
金属ナノロッドは、その光吸収特性を利用した光フィルター材料、近赤外線吸収材料、着色剤、化粧品、また導電性を利用した導電材料や配線材料、電磁波シールド材料などの広範な用途での利用が期待されている。この金属ナノロッドを製造する方法として、電解法、化学還元法、光還元法、超音波照射法などが従来知られている。
電解法は、例えば、界面活性剤を添加した電解液に金板の陽極と白金板の陰極を用いて定電流を通じて金微粒子を製造する方法であり、陽極から生じた金イオンが陰極で還元されて金微粒子になり、これが界面活性剤の作用でロッド状の成長してナノサイズの金ナノロッドになる。電解法では、銀板を電解液に浸漬し、この浸漬面積を変えるとロッド長さが影響を受けることが報告されている(非特許文献1)。しかし、銀の溶出量や溶出速度は銀板の表面状態によって異なるため、銀板の浸漬面積を調整しても金属ナノロッドのアスペクト比を十分に制御するのは難しい。
化学還元法は、例えば、塩化金酸水溶液に還元剤を添加して塩化金酸を還元して金ナノ粒子を生成させ、この「種粒子」を塩化金酸水溶液に移し、液中で成長させることによって金ナノロッドを製造する方法である(非特許文献2)。この方法では成長反応槽に移す種粒子の量を変えることによってロッド長さを制御することができるが、種粒子を生成させる反応槽とこれを成長させる反応槽とが必要であり、製造工程の操作が煩わしい。
光還元法は、塩化金酸水溶液に紫外線を照射して液中の塩化金酸を還元して金微粒子を製造する方法である(非特許文献3)。この光還元法は化学還元法のような2槽を用いる必要がなく、また光照射時間によってロッド長さを制御できるが、反応時間が遅いと云う問題がある。
「Langmuir」1999年、15号、701〜709頁 「J.Phys.Chem.B」2001年、105号、4065頁〜4067頁 「J. Am.Chem.Soc.」2002年、124号、14316頁〜14318頁
「Langmuir」1999年、15号、701〜709頁 「J.Phys.Chem.B」2001年、105号、4065頁〜4067頁 「J. Am.Chem.Soc.」2002年、124号、14316頁〜14318頁
本発明は金属微粒子を製造する従来方法における上記課題を解決したものであり、金属ナノロッドを製造する際に、金属微粒子のアスペクト比を容易に制御することができる製造方法とこの方法によって製造した金属微粒子を含有する組成物を提供する。
(1)界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、酸またはアルカリを添加した環境下で金属微粒子を製造することによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
(2)酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸の何れか、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の何れかを用いる上記(1)に記載する金属微粒子の製造方法。
(3)界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
(4)界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元する方法が化学還元、電気化学的還元、光還元、または化学還元と光照射を組み合わせた何れかの方法であって、ナノサイズのロッド状金属微粒子(金属ナノロッドと云う)を製造する方法である上記(1)〜(3)の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
(5)化学式(1)(2)(3)で示される界面活性剤の1種または2種以上を添加した水溶液を電解液として用いる電気化学的還元法によって金属微粒子を製造する方法において、酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、またはアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくする上記(1)または(2)の製造方法。
CH3(CH2)n N+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(1)
〔CH3(CH2)n〕4N+Br- (nは1〜15の整数) …(2)
〔CH3(CH2)n〕2N+(CH3)2Br- (nは7〜17の整数) …(3)
(6) 化学還元と光照射を組み合わせた方法によって金属微粒子を製造する方法において、酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくし、またはアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくする上記(1)または(2)の製造方法。
(7) 還元剤としてアスコルビン酸、クエン酸、またはその塩、塩酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン化合物、コハク酸あるいはその塩、またはアミン類を添加した金属イオン水溶液に、さらに酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸の何れか、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の何れか添加する上記(6)の製造方法。
(8)金属イオンを含む水溶液の液温を高くすることによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、または液温を低くすることによって金属微粒子のアスペクト比を大きくする上記(3)または(4)の製造方法。
(9)上記(1)〜(8)の何れかの製造方法によって製造された金属微粒子を含有する金属微粒子含有組成物。
(10)上記(9)の組成物によって形成されたコーティング組成物、塗膜、透明被膜、またはフィルム。
(11)上記(1)〜(8)の何れかに記載する方法によって製造された金属微粒子を含む光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収材、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカ、またはナノ導波路。
(2)酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸の何れか、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の何れかを用いる上記(1)に記載する金属微粒子の製造方法。
(3)界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
(4)界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元する方法が化学還元、電気化学的還元、光還元、または化学還元と光照射を組み合わせた何れかの方法であって、ナノサイズのロッド状金属微粒子(金属ナノロッドと云う)を製造する方法である上記(1)〜(3)の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
(5)化学式(1)(2)(3)で示される界面活性剤の1種または2種以上を添加した水溶液を電解液として用いる電気化学的還元法によって金属微粒子を製造する方法において、酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、またはアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくする上記(1)または(2)の製造方法。
CH3(CH2)n N+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(1)
〔CH3(CH2)n〕4N+Br- (nは1〜15の整数) …(2)
〔CH3(CH2)n〕2N+(CH3)2Br- (nは7〜17の整数) …(3)
(6) 化学還元と光照射を組み合わせた方法によって金属微粒子を製造する方法において、酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくし、またはアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくする上記(1)または(2)の製造方法。
(7) 還元剤としてアスコルビン酸、クエン酸、またはその塩、塩酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン化合物、コハク酸あるいはその塩、またはアミン類を添加した金属イオン水溶液に、さらに酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸の何れか、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の何れか添加する上記(6)の製造方法。
(8)金属イオンを含む水溶液の液温を高くすることによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、または液温を低くすることによって金属微粒子のアスペクト比を大きくする上記(3)または(4)の製造方法。
(9)上記(1)〜(8)の何れかの製造方法によって製造された金属微粒子を含有する金属微粒子含有組成物。
(10)上記(9)の組成物によって形成されたコーティング組成物、塗膜、透明被膜、またはフィルム。
(11)上記(1)〜(8)の何れかに記載する方法によって製造された金属微粒子を含む光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収材、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカ、またはナノ導波路。
〔具体的な説明〕
本発明の製造方法は、液中の金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、酸またはアルカリを添加した環境下で金属微粒子の製造を促すことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法であり、また、液中の金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法である。
本発明の製造方法は、液中の金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、酸またはアルカリを添加した環境下で金属微粒子の製造を促すことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法であり、また、液中の金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法である。
本発明の製造方法において、酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸などを用いることができ、またアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などを用いることができる。
本発明の製造方法は、水溶液中で金属イオンを還元する方法として、化学還元法、電気化学的還元法、光還元法、または化学還元と光照射を組み合わせた方法の何れの方法においても適用することができる。
具体的には、酸またはアルカリを添加して金属微粒子のアスペクト比を制御する製造方法としては、例えば、電気化学的還元法において、電解液に酸またはアルカリを添加して定電流を通じることによって金属ナノロッドのアスペクト比を制御することができる。
電気化学的還元法は、陽極から溶出する金属イオンを陰極で還元して金属微粒子を製造する方法であり、例えば、以下の化学式(1)(2)(3)で示される界面活性剤の1種または2種以上を添加した水溶液を電解液として用いることによって、効率よく金属ナノロッドを製造することができる。また、ケトン類を併用することによって金属ナノロッドの生成を安定化することができる。本発明の製造方法は、例えば上記水溶液に酸またはアルカリを添加して電解を行う。
CH3(CH2)n N+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(1)
〔CH3(CH2)n〕4N+Br- (nは1〜15の整数) …(2)
〔CH3(CH2)n〕2N+(CH3)2Br- (nは7〜17の整数) …(3)
CH3(CH2)n N+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(1)
〔CH3(CH2)n〕4N+Br- (nは1〜15の整数) …(2)
〔CH3(CH2)n〕2N+(CH3)2Br- (nは7〜17の整数) …(3)
上記化学式(1)で示される代表的な界面活性剤はヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド〔CTAB:CH3(CH2)15N+(CH3)3Br-〕である。上記化学式(2)で示される代表的な界面活性剤はテトラブチルアンモニウムブロミド〔TC4AB〕などである。また、上記化学式(3)で示される代表的な界面活性剤はジドデシルジメチルアンモニウムブロミド〔DDAB:〔(CH2)11CH3〕2N+(CH3)2Br-〕である。
次に、化学還元と光照射を組み合わせた方法としては、界面活性剤を含む金属塩水溶液に還元剤を添加した溶液を反応溶液として用い、これに紫外線を照射して金属ナノロッドを製造する方法が知られている。この反応溶液に酸またはアルカリを添加した後に紫外線を照射することによって金属ナノロッドのアスペクト比を制御することができる。
化学還元と光照射を組み合わせた上記方法において、還元剤として、好ましくは、アスコルビン酸、クエン酸、またはその塩、塩酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン化合物、コハク酸あるいはその塩、またはアミン類などの還元力が比較的弱い還元剤が適当である。これらの還元剤を添加した金属イオン水溶液に、さらに酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸などを添加し、またはアルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などを添加した溶液を反応溶液として用いる。
具体的には、紫外線照射を利用して金属ナノロッドを製造する方法において、例えば、上記化学式(1)(2)(3)で示される界面活性剤の1種または2種以上を含む水溶液に金属塩を添加したものを反応溶液として用い、これにアスコルビン酸などの還元剤を添加して化学還元を行う。アスコルビン酸を添加すると反応溶液は還元反応によって透明になる。なお、上記反応溶液にはアセトンなどのケトン類を添加することによって金属ナノロッドの生成反応を安定化することができる。また、硝酸銀、塩化銀、臭化銀などの銀塩を添加することによって金属ナノロッドの軸方向の成長を促すことができる。
本発明の製造方法は、上記還元剤を添加した反応溶液に紫外線を照射して金属ナノロッドを製造する際に、還元剤を添加して透明になった反応溶液に硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸などを添加し、またはアルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などを添加し、これに紫外線を照射することによって、金属ナノロッドのアスペクト比を制御する。紫外線の照射時間は数分程度で良い。また紫外線照射後に必要に応じて暗所に静置しても良い。
酸またはアルカリを添加する場合、例えば、電気化学的還元法と、化学還元および光照射を組み合わせた方法とではその傾向が異なり、電気化学的還元法においては所定の添加量の範囲内で酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、または、所定の添加量の範囲内でアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくすることができる。一方、化学還元と光照射を組み合わせた方法においては、所定の添加量の範囲内で酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくし、または、所定の添加量の範囲内でアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくすることができる。なお、上記所定の添加量の範囲は酸、アルカリの種類や他の添加物の量によって異なる。
本発明の製造方法において、液温を調整して還元反応を行うことによって金属ナノロッドのアスペクト比を制御する方法としては、例えば、電気化学的還元法においては電解液の液温を所定の範囲に維持して電解反応を進め、あるいは化学還元法や光還元法、または化学還元と光照射を組み合わせた方法においては、反応溶液の液温を所定の範囲に維持して反応を進めることによって金属ナノロッドのアスペクト比を制御することができる。
具体的には、例えば、界面活性剤を含む金属塩水溶液に還元剤を添加した溶液を反応溶液として用い、これに紫外線を照射して金属ナノロッドを製造する方法において、還元剤添加して透明になった反応溶液の液温を所定範囲に維持して紫外線を照射することによって金属ナノロッドのアスペクト比を制御する。
液温を調整する上記製造方法においては、液温を高くすることによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、または、液温を低くすることによって金属微粒子のアスペクト比を大きくすることができる。具体的には、界面活性剤の析出する温度よりも液温が高いほどアスペクト比が小さくなり、球状微粒子の生成量が多くなる。一方、析出温度付近ではアスペクト比が大きくなる。さらに、液温が界面活性剤の析出温度よりも低くなると金属ナノロッドの生成量が少なくなる。例えば、CTABの場合には、析出温度が約25℃であり、従って、液温の上限は40℃〜60℃が適当であり、下限は26℃〜30℃が適当である。
本発明の製造方法によれば、金属ナノロッドのアスペクト比を容易に制御することができ、目的のアスペクト比を有する金属ナノロッドを効率よく製造することができる。本発明の範囲はこのような方法によって製造した金属ナノロッドを含有する組成物を含む。
上記金属ナノロッドを含有する組成物によって形成されたコーティング組成物、塗膜、透明被膜、またはフィルムを得ることができる。また、本発明の方法によって製造された金属微粒子は、これを含む光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収材、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカ、またはナノ導波路として利用することができる。
以下に本発明を実施例によって具体的に示す。
(A液)濃度480mmol/lのCTAB水溶液405mlに濃度24mmol/lの塩化金酸水溶液34ml、アセトン6ml、シクロヘキサノン0.7ml、および10mmol/lの硝酸銀水溶液25mlを加えて反応溶液とした。この反応溶液に濃度40mmol/lのアスコルビン酸水溶液33mlを添加して化学還元を行った。アスコルビン酸水溶液を添加した直後に反応溶液はオレンジ色から透明な溶液に変化した。透明になった溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
(B液)A液と同一条件で調製し、かつ化学還元を行った反応溶液に市販濃度(約60%)の硝酸を150μl添加し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
(C液)A液と同一条件で調製し、かつ化学還元を行った反応溶液に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を2.5ml添加し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
(B液)A液と同一条件で調製し、かつ化学還元を行った反応溶液に市販濃度(約60%)の硝酸を150μl添加し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
(C液)A液と同一条件で調製し、かつ化学還元を行った反応溶液に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を2.5ml添加し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
A液、B液、C液の吸光スペクトルを図1に示した。図示するように、A液に比べて硝酸を添加したB液の吸光ピークは長波長側にシフトしており、金ナノロットのアスペクト比がA液の4.7(長軸42.3nm)からB液の5.0(長軸45.0nm)に大きくなったことを示している。また、水酸化ナトリウム水溶液を添加したC液の吸光ピークは短波長側にシフトしており金ナノロッドのアスペクト比が3.0(長軸27.0nm)と小さくなったことを示している。
(A液)濃度480mmol/lのCTAB水溶液405mlに濃度24mmol/lの塩化金酸水溶液34ml、アセトン6ml、シクロヘキサノン0.7ml、および10mmol/lの硝酸銀水溶液25mlを加えて反応溶液とした。この反応溶液に濃度40mmol/lのアスコルビン酸水溶液33mlを添加して化学還元を行った。アスコルビン酸水溶液を添加した直後に反応溶液はオレンジ色から透明な溶液に変化した。透明になった溶液を40℃に保持し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
(B液)A液と同一条件で調製し、かつ化学還元を行った反応溶液を26℃に保持し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
(B液)A液と同一条件で調製し、かつ化学還元を行った反応溶液を26℃に保持し、溶液の上部から10mW/cm2以下の高圧水銀ランプの紫外線を5分間直接照射した。
A液、B液の吸光スペクトルを図2に示した。図示するように、溶液温度が高いA液に比べて溶液温度が低いB液の吸光ピークは長波長側にシフトしており、金ナノロッドのアスペクト比がA液の4.6(長軸41.4nm)からB液の5.3(長軸47.7nm)に大きくなったことを示している。
水1リットルに界面活性剤およびアセトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、市販濃度(約60%)の硝酸、あるいは1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて表に示す組成の電解液A、B、Cを調整した。これに3.0mol/lの硝酸銀水溶液を80μ/minの割合で添加しながら、アノードを金板、カソード板をステンレス板(SUS304板)とし、5.0mAで4時間定電流電解を行った。電解後のA液、B液、C液の吸光スペクトルを図3に示した。図示するように、A液に比べて硝酸を添加したB液の吸光ピークは短波長側にシフトしており、金ナノロッドのアスペクト比がA液の5.5(長軸49.5nm)からB液の4.8(長軸43.2nm)に小さくなったことを示している。また、水酸化ナトリウム水溶液を添加したC液の吸光ピークは長波長側にシフトしており金ナノロッドのアスペクト比は5.8(長軸52.2nm)に大きくなったことを示している。
Claims (11)
- 界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、酸またはアルカリを添加した環境下で金属微粒子を製造することによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
- 酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸の何れか、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の何れかを用いる請求項1に記載する金属微粒子の製造方法。
- 界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元して金属微粒子を製造する方法において、液温を調整して還元反応を行うことによって金属微粒子のアスペクト比を制御することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
- 界面活性剤を含む水溶液中で金属イオンを還元する方法が化学還元、電気化学的還元、光還元、または化学還元と光照射を組み合わせた何れかの方法であって、ナノサイズのロッド状金属微粒子(金属ナノロッドと云う)を製造する方法である請求項1〜3の何れかに記載する金属微粒子の製造方法。
- 化学式(1)(2)(3)で示される界面活性剤の1種または2種以上を添加した水溶液を電解液として用いる電気化学的還元法によって金属微粒子を製造する方法において、酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、またはアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくする請求項1または2の製造方法。
CH3(CH2)n N+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(1)
〔CH3(CH2)n〕4N+Br- (nは1〜15の整数) …(2)
〔CH3(CH2)n〕2N+(CH3)2Br- (nは7〜17の整数) …(3)
- 化学還元と光照射を組み合わせた方法によって金属微粒子を製造する方法において、酸を添加することによって金属微粒子のアスペクト比を大きくし、またはアルカリを添加することによって金属微粒子のアスペクト比を小さくする請求項1または2の製造方法。
- 還元剤としてアスコルビン酸、クエン酸、またはその塩、塩酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン化合物、コハク酸あるいはその塩、またはアミン類を添加した金属イオン水溶液に、さらに酸として硝酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸の何れか、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の何れか添加する請求項6の製造方法。
- 金属イオンを含む水溶液の液温を高くすることによって金属微粒子のアスペクト比を小さくし、または液温を低くすることによって金属微粒子のアスペクト比を大きくする請求項3または4の製造方法。
- 請求項1〜8の何れかの製造方法によって製造された金属微粒子を含有する金属微粒子含有組成物。
- 請求項9の組成物によって形成されたコーティング組成物、塗膜、透明被膜、またはフィルム。
- 請求項1〜8の何れかに記載する方法によって製造された金属微粒子を含む光学フィルター材料、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、化粧品、近赤外線吸収材、偽造防止インク、電磁波シールド材、表面増強蛍光センサー、生体マーカ、またはナノ導波路。
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