JP2005289244A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヨーレート検出手段のゲイン低下の如き異常に起因して挙動制御の必要度合が低いにも拘らず挙動制御の必要度合が高いと判定され、不必要な挙動制御が実行される虞れを確実に低減する。
【解決手段】運転者の運転操作に基づき車輌の目標ヨーレートYrtが演算され(S60)、車輌の目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrとの偏差ΔYrが演算され(S70)、ヨーレート偏差ΔYrの絶対値が制御実行判定しきい値Thよりも大きいときには(S80)、ヨーレート偏差ΔYrの大きさを低減するための各車輪の目標制動圧Ptiが演算され(S90)、各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御される(S100)。制御実行判定しきい値Thは検出されたヨーレートYrの絶対値が基準値Yroよりも大きく且つ車速Vが基準値Vo未満であるときには標準値Thoよりも大きくされる(S20、30、50)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車輌の挙動制御装置に係り、更に詳細には車輌のヨーレートを検出し、検出された車輌のヨーレートを使用して車輌の挙動を安定化させる挙動制御装置に係る。
自動車等の車輌の挙動制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、ヨーレートセンサにより検出された車輌のヨーレート等に基づき車輌の挙動制御の必要度合を判定し、該必要度合が高いときには車輌挙動の安定化制御を行う車輌の挙動制御装置であって、ヨーレートセンサの故障の虞れがあるときにはヨーレートセンサが正常であるときに比して挙動制御量を低減するよう構成された車輌の挙動制御装置が従来より知られている。
上記先の提案にかかる挙動制御装置によれば、ヨーレートセンサの故障の虞れがあるときにはヨーレートセンサが正常であるときに比して挙動制御量が低減されるので、ヨーレートセンサに故障の虞れがあるときにも、車輌の挙動をできるだけ安定化させつつ、ヨーレートセンサの故障時に於ける車輌の旋回挙動の急変を確実に防止することができる。
特開平10−16744号公報
上述の如き従来の挙動制御装置に於いては、ヨーレートセンサの故障の虞れがあるときにはヨーレートセンサが正常であるときに比して挙動制御量が低減されるが、例えば車輌の目標ヨーレートとヨーレートセンサの検出値との偏差に基づく挙動制御の必要度合の判定に際しヨーレートセンサの検出値がそのまま使用されるので、ヨーレートセンサに異常が生じた場合に挙動制御の必要度合の判定が不適切に行われ、不必要な挙動制御が実行される虞れがある。
一般に、ヨーレートセンサに断線やショートの如き故障が生じると、ヨーレートセンサの出力が変化しなくなるので、これらの異常を容易に判定することができる。またヨーレートセンサに過大ゲインの異常が生じると、例えば車輌の直進走行時の如く車輌のヨーレートの大きさが大きくならない状況に於いてもヨーレートセンサの出力が高い値になるので、この異常も比較的容易に判定することができる。
これに対し、ヨーレートセンサにゲイン低下の異常が生じた場合には、ヨーレートセンサの出力が低くなるが、ヨーレートセンサの出力が低いことが車輌の走行状況によるのかヨーレートセンサにゲイン低下によるのかの判別が困難であり、従ってヨーレートセンサにゲイン低下の異常が生じたことを正確に判定することは困難である。
そのため上述の如き従来の挙動制御装置に於いては、特にヨーレートセンサにゲイン低下の異常が生じた場合に挙動制御の必要度合が低いにも拘らず挙動制御の必要度合が高いと判定され、不必要な挙動制御が実行される虞れがあり、この虞れはヨーレートセンサの出力が高く、車輌の実際のヨーレートとヨーレートセンサの検出値との差が大きいほど高い。
本発明は、ヨーレートセンサの検出値等に基づき車輌の挙動制御の必要度合を判定し、該必要度合が高いときには車輌挙動の安定化制御を行うよう構成された従来の挙動制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、ヨーレート検出手段にゲイン低下の如き異常が生じてもその判定が困難であること及びその場合には挙動制御の必要度合があると誤判定される虞れがあることに着目することにより、ヨーレート検出手段のゲイン低下の如き異常に起因して挙動制御の必要度合が低いにも拘らず挙動制御の必要度合が高いと判定され、不必要な挙動制御が実行される虞れを確実に低減することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、運転者の運転操作に基づき車輌の目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算手段と、前記目標ヨーレートと前記ヨーレート検出手段によるヨーレート検出値との偏差の大きさが制御開始判定しきい値よりも大きくなったときに車輌挙動の安定化制御を開始する車輌の挙動制御装置に於いて、前記ヨーレート検出値の大きさが大きいときには前記ヨーレート検出値の大きさが小さいときに比して、前記制御開始判定しきい値を大きくし、若しくは前記ヨーレート検出値の大きさを大きく補正し、若しくは前記ヨーレート偏差の大きさを小さく補正する制御開始判定制御手段を有することを特徴とする車輌の挙動制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制御開始判定制御手段は車速が低いときには車速が高いときに比して前記制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制御開始判定制御手段は前記ヨーレート検出手段の構造に基づき予め想定された前記ヨーレート検出手段のゲイン低下度合及び前記ヨーレート検出値の大きさに基づき前記制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記制御開始判定制御手段は前記ヨーレート検出値の大きさがその基準値よりも大きいときに前記制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(請求項4の構成)。
一般に、ヨーレート検出手段にゲイン低下の如き異常が生じた場合に於けるヨーレート検出手段の検出誤差、即ち車輌の実際のヨーレートとヨーレート検出手段の検出値との差は車輌の実際のヨーレートの大きさが大きくなるほど大きく、従ってヨーレート検出手段の検出値の大きさが大きいほど大きいので、挙動制御の必要度合が誤判定される虞れも車輌の実際のヨーレート及びヨーレート検出手段の検出値の大きさが大きいほど高い。
上記請求項1の構成によれば、ヨーレート検出手段によるヨーレート検出値の大きさが大きいときにはヨーレート検出値の大きさが小さいときに比して、制御開始判定しきい値が大きくされ、若しくはヨーレート検出値の大きさが大きく補正され、若しくはヨーレート偏差の大きさが小さく補正されるので、ヨーレート検出手段によるヨーレート検出値の大きさが大きく、目標ヨーレートとヨーレート検出値との偏差の大きさが大きいときには、ヨーレート偏差の大きさが制御開始判定しきい値よりも大きいと判定され難くなり、これによりヨーレート検出手段にゲイン低下の如き異常が生じた場合に挙動制御の必要度合があると誤判定される虞れを確実に低減することができる。
また一般に、車速が低いときには車速が高いときに比して運転者により操舵操作される際の操舵角の大きさが大きくなり、従って目標ヨーレート及びヨーレート検出値が大きくなってそれらの偏差の大きさが大きくなるので、車速が低いときには車速が高いときに比してヨーレート検出手段にゲイン低下の如き異常が生じた場合に挙動制御の必要度合があると誤判定される虞れが高くなる。
上記請求項2の構成によれば、車速が低いときには車速が高いときに比して制御開始判定しきい値が大きくされるので、車速に拘らず制御開始判定しきい値が一定である場合に比して、ヨーレート検出手段にゲイン低下の如き異常が生じた場合に挙動制御の必要度合があると誤判定される虞れを確実に低減することができる。
また上記請求項3の構成によれば、ヨーレート検出手段の構造に基づき予め想定されたヨーレート検出手段のゲイン低下度合及びヨーレート検出値の大きさに基づき制御開始判定しきい値が大きくされるので、制御開始判定しきい値がヨーレート検出値の大きさのみに基づいて大きくされる場合に比して、ヨーレート検出手段のゲイン低下に起因するヨーレート検出手段の検出誤差に応じて適正に制御開始判定しきい値を大きくすることができる。
また上記請求項4の構成によれば、ヨーレート検出値の大きさがその基準値よりも大きいときに制御開始判定しきい値が大きくされるので、ヨーレート検出手段の検出誤差が小さいときに制御開始判定しきい値が不必要に大きくされることを防止しつつ、ヨーレート検出手段の検出誤差が大きいときに制御開始判定しきい値を確実に大きくすることができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、制御開始判定制御手段はヨーレート検出値の大きさがヨーレート検出手段の過大ゲインに起因する異常に大きい値ではないことを判定する異常判定手段を含み、異常判定手段によりヨーレート検出値の大きさが異常に大きい値ではないと判定される状況に於いて、ヨーレート検出値の大きさが大きいときにはヨーレート検出値の大きさが小さいときに比して、制御開始判定しきい値を大きくし、若しくはヨーレート検出値の大きさを大きくし、若しくはヨーレート偏差の大きさを低減補正するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、車輌挙動の安定化制御は目標ヨーレートとヨーレート検出値との偏差の大きさが小さくなるよう、少なくとも前記ヨーレート偏差に基づいて各車輪の制駆動力若しくは後輪の舵角を制御する安定化制御であるよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、車輌挙動の安定化制御は車輌のドリフトアウト状態を低減する安定化制御であるよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、制御開始判定制御手段はヨーレート検出値の大きさが大きいほど制御開始判定しきい値が大きくなるよう、ヨーレート検出値の大きさが小さいときに比して制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、制御開始判定制御手段は車速がその基準値よりも低いときに制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、制御開始判定制御手段は車速が低いほど制御開始判定しきい値が大きくなるよう、車速が低いときには車速が高いときに比して制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、制御開始判定制御手段は車速が低いときには車速が高いときに比してヨーレート検出値の大きさを大きく補正するよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、制御開始判定制御手段は車速が低いときには車速が高いときに比してヨーレート偏差の大きさを小さく補正するよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、制御開始判定制御手段はヨーレート検出手段の構造に基づき予め想定されたヨーレート検出手段のゲイン低下度合及びヨーレート検出値の大きさに基づきヨーレート検出値の大きさを大きく補正するよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、制御開始判定制御手段はヨーレート検出手段の構造に基づき予め想定されたヨーレート検出手段のゲイン低下度合及びヨーレート検出値の大きさに基づきヨーレート偏差の大きさを小さく補正するよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、ヨーレート検出値をYrとし、予め想定されたヨーレート検出手段のゲイン低下度合をR%とし、制御開始判定しきい値の標準値をThoとして、制御開始判定制御手段は下記の式1に従って制御開始判定しきい値を大きくするよう構成される(好ましい態様11)。
Th=Tho+|Yr|×R/(100−R) ……(1)
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4の構成に於いて、制御開始判定制御手段はヨーレート検出値の大きさ及び車速が予め設定された所定の範囲内にあるときに制御開始判定しきい値を大きくし、若しくはヨーレート検出値の大きさを大きく補正し、若しくはヨーレート偏差の大きさを小さく補正するよう構成される(好ましい態様12)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は本発明による車輌の挙動制御装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介して操舵される。
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FL、24FR、24RL、24RRの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置30により制御される。
車輪10FL〜10RRにはそれぞれ対応する車輪のホイールシリンダ24FL〜24RR内の圧力を各車輪の制動圧Pi(i=fl、fr、rl、rr)として検出する圧力センサ32FL〜32RRが設けられ、マスタシリンダ28にはマスタシリンダ圧力Pmを検出する圧力センサ36が設けられている。
電子制御装置30にはヨーレートセンサ38より車輌のヨーレートYrを示す信号、横加速度センサ40より車輌の横加速度Gyを示す信号、操舵角センサ42より操舵角θを示す信号、車速センサ44より車速Vを示す信号が入力される。尚ヨーレートセンサ38、横加速度センサ40及び操舵角センサ42は車輌の左旋回方向を正として横加速度等を検出する。
尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置30はそれぞれ例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいる。
電子制御装置30は、車輌の横加速度Gy、操舵角θ、車速Vに基づき後述の如く車輌の目標ヨーレートYrtを演算し、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrとの偏差ΔYrを車輌のドリフトアウト状態の程度を示す値として演算し、ヨーレート偏差ΔYrの大きさが制御実行判定しきい値Thよりも大きいときにヨーレート偏差ΔYrの大きさを低減するための各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御することにより車輌のドリフトアウト状態の程度を低減し車輌の挙動を安定化させる。
特に電子制御装置30は、ヨーレート検出値Yrの大きさが過大ゲインの異常を判定するための基準値Yr1(正の定数)以下である状況にて、ヨーレート検出値Yrの大きさが基準値Yro(Yr1よりも小さい正の定数)よりも大きく且つ車速Vが基準値Vo(正の定数)未満であるときには、ヨーレートセンサ38の構造に基づいて予め想定されたヨーレートセンサ38のゲイン低下率R(正の定数で単位は%)及びヨーレート検出値Yrの大きさに基づいて制御実行判定しきい値Thをその標準値Tho(正の定数)よりも大きくする。
次に図2に示されたフローチャートを参照して実施例1に於ける挙動制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いてはヨーレートセンサ38により検出された車輌のヨーレートYrを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては検出されたヨーレートYrの絶対値が基準値Yr1以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはヨーレートセンサ38に過大ゲインの異常が生じていると考えられるので、そのまま図2に示されたときのルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
ステップ30に於いては検出されたヨーレートYrの絶対値が基準値Yroよりも大きいか否かの判別、即ちヨーレートセンサ38にゲイン低下の異常が生じていれば挙動制御の必要度合が高いと誤判定される虞れが高い状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
ステップ40に於いては車速Vが基準値Vo未満であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50に於いて制御実行判定しきい値Thが標準値Thoに設定され、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いて制御実行判定しきい値Thが下記の式2に従って演算される。尚下記の式2に於けるヨーレートセンサ38のゲイン低下率R(%)はヨーレートセンサ38の構造に基づいて予め設定された値(1よりも大きく100よりも小さい正の定数)である。
Th=Tho+|Yr|×R/(100−R) ……(2)
ステップ70に於いてはスタビリティファクタをKhとし、ステアリングギヤ比をNとし、車輌のホイールベースをLとして、車速V、操舵角θ、車輌の横加速度Gyに基づき下記式3に従って車輌の目標ヨーレートYrtが演算され、ステップ80に於いては車輌の目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrとの偏差ΔYr(=Yrt−Yr)が演算される。尚車輌の目標ヨーレートYrtは当技術分野に於いて公知の任意の要領にて演算されてよい。
Yrt=(θ×V)/(N×L)−Kh×Gy×V ……(3)
ステップ90に於いてはヨーレート偏差ΔYrの絶対値が制御実行判定しきい値Thよりも大きいか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたときのルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ100へ進む。
ステップ100に於いては例えば車輌を減速させると共に車輌に旋回補助方向のヨーモーメントを付与してヨーレート偏差ΔYrの大きさを低減するための各車輪の目標制動圧Ptiが当技術分野に於いて公知の要領にてヨーレート偏差ΔYr及びマスタシリンダ圧力Pm(又は制御の基準車輪の制動圧)に基づいて演算され、ステップ110に於いては各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御される。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ70に於いて運転者の運転操作に基づき車輌の目標ヨーレートYrtが演算され、ステップ80に於いて車輌の目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrとの偏差ΔYrが演算され、ヨーレート偏差ΔYrの絶対値が制御実行判定しきい値Thよりも大きいときにはステップ90に於いて肯定判別が行われ、ステップ100に於いてヨーレート偏差ΔYrの大きさを低減するための各車輪の目標制動圧Ptiが演算され、ステップ110に於いて各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御され、これにより車輌のドリフトアウト状態が低減されることによって車輌の旋回挙動が安定化される。
この場合検出されたヨーレートYrの絶対値が基準値Yroよりも大きく且つ車速Vが基準値Vo未満であるときには、即ちゲイン低下に起因するヨーレートセンサ38の検出誤差が大きくなる虞れがあるときには、ステップ60に於いて制御実行判定しきい値Thが上記式2に従って演算されることにより標準値Thoよりも大きくされるので、ヨーレートセンサ38にゲイン低下の異常が生じた場合にも挙動制御の必要度合があると誤判定される虞れを確実に低減することができる。
例えば図7はヨーレートセンサ38が正常である場合のヨーレート検出値Yrn、ヨーレートセンサのゲインが低下した場合のヨーレート検出値Yrg、目標ヨーレートYrtの変化の一例を示すグラフである。特に図7の例は、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrnとの偏差は制御実行判定しきい値Thの標準値Thoを越えないが、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrgとの偏差は制御実行判定しきい値Thの標準値Thoを越える例である。
図7に於いて、ヨーレートセンサ38が正常である場合のヨーレート検出値Yrnとヨーレートセンサ38のゲインが低下した場合のヨーレート検出値Yrgとの間には下記の式4の関係があるので、ヨーレート検出値Yrnとヨーレート検出値Yrgとの差、即ちヨーレート検出値Yrnに対するヨーレート検出値Yrgの低下量は下記の式5にて表される。ヨーレートセンサ38のゲインが低下した場合にその影響を受けることなく目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrとの偏差ΔYrの絶対値が制御実行判定しきい値Thを越えているか否かを判定するためには、制御実行判定しきい値Thを|Yrg|×R/(100−R)増大させればよいことが解る。
(R/100)×Yrn+Yrg=Yrn ……(4)
Yrn−Yrg={R/(100−R)}Yrg ……(5)
図示の実施例1によれば、ヨーレートYrの絶対値が基準値Yroよりも大きく且つ車速Vが基準値Vo未満であるときには、ステップ60に於いて制御実行判定しきい値Thが上記式2に従って演算されることにより、ゲイン低下率R(正の定数で単位は%)及びヨーレート検出値Yrの大きさに基づいて大きくされるので、制御実行判定しきい値Thがヨーレートセンサ38の検出値の大きさのみに基づいて大きくされる場合に比して、ヨーレートセンサ38のゲイン低下に起因するヨーレートセンサ38の検出誤差に応じて適正に制御実行判定しきい値Thを大きくすることができる。尚このことは後述の実施例2についても同様である。
また図7に示されている如く、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrgとの偏差が時点t1に於いて制御実行判定しきい値Thの標準値Thoを越えたとすると、制御実行判定しきい値Thが上記式2に従って大きくされない従来の挙動制御装置の場合には時点t1に於いて不必要な挙動制御が開始され、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrgとの偏差が標準値Tho以下になるまで継続される。
これに対し図示の実施例1によれば、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrgとの偏差が上記式2に従って大きくされた制御実行判定しきい値Thを越えているか否かが判定されるので、目標ヨーレートYrtとヨーレート検出値Yrgとの偏差が制御実行判定しきい値Thを越えていると判定されることがなく、不必要な挙動制御が実行されることを確実に防止することができる。
図3は本発明による車輌の挙動制御装置の実施例2に於ける挙動制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。尚図3に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この実施例2に於いては、ステップ20が完了すると、ステップ25に於いてヨーレート検出値Yr及び車速Vが図4に示された領域Mにあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進む。
従って図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができると共に、上述の実施例1の場合に比して制御実行判定しきい値Thを大きくするか否かをヨーレート検出値Yr及び車速Vに応じて一層適切に制御することができる。
図5は本発明による車輌の挙動制御装置の実施例3に於ける挙動制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。尚図5に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この実施例3に於いては、ステップ30に於いて肯定判別が行われると、ステップ45に於いて車速Vに基づき図6に示されたグラフに対応するマップより補正係数Kvが演算され、ステップ65に於いて制御実行判定しきい値Thが上記式6に従って演算される。
Th=Tho+Kv×|Yr|×R/(100−R) ……(6)
かくして図示の実施例3によれば、上述の実施例1及び2の場合と同様の作用効果を得ることができると共に、上述の実施例1及び2の場合に比して制御実行判定しきい値Thを車速Vに応じて一層適切に大きくすることができる。
尚図示の各実施例によれば、ステップ20に於いて検出されたヨーレートYrの絶対値が基準値Yr1以下であるか否かの判別が行われ、肯定判別、即ちヨーレートセンサ38に過大ゲインの異常が生じてはいないときにステップ30以降が実行されるので、ヨーレートセンサ38に過大ゲインの異常が生じている状況に於いて制御実行判定しきい値Thが不必要に大きくされ、これに起因して車輌の挙動制御が必要な状況に於いて挙動制御が実行されなくなる虞れを確実に低減することができる。
また図示の各実施例によれば、ステップ100に於いてヨーレート偏差ΔYrに基づきヨーレート偏差ΔYrの大きさを低減するための各車輪の目標制動圧Ptiが演算され、ステップ110に於いて各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御され、例えばヨーレート検出値Yrが|Yr|×R/(100−R)増大補正され、目標ヨーレートYrtと補正増大されたヨーレート検出値Yraとの偏差に基づいて各車輪の目標制動圧Ptiが演算される訳ではないので、ヨーレートセンサ38にゲイン低下の異常が生じていない場合に、挙動安定化の制御量が不足すること及びこれに起因して車輌の挙動安定化が不足することを確実に防止することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、ヨーレートYrの絶対値が基準値Yroよりも大きく且つ車速Vが基準値Vo未満であるときに、制御実行判定しきい値Th自体が上記式2に従って大きくされるようになっているが、例えばsignYrをヨーレートYrの符号として、実施例1又は2のステップ60の処理に代えてヨーレート偏差ΔYrの絶対値が|Yr|×R/(100−R)signYr低減補正されることにより、或いは実施例3のステップ65の処理に代えてヨーレート偏差ΔYrの絶対値がKv×|Yr|×R/(100−R)signYr低減補正されることにより、或いは実施例1又は2のステップ60の処理に代えてヨーレート検出値Yrの大きさが|Yr|×R/(100−R)signYr増大補正されることにより、或いは実施例3のステップ65の処理に代えてヨーレート検出値Yrの大きさがKv×|Yr|×R/(100−R)signYr増大補正されることにより、或いはこれらの任意の組合せ(但し増減補正量は過不足がないよう低減される)により、結果的に制御実行判定しきい値Thが上述の各実施例の場合と同様に上記式2に従って大きくされることと等価な処理が行われるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、車輌の挙動制御の制御量もヨーレート偏差ΔYrに基づいて演算されるようになっているが、車輌の挙動制御の制御量はヨーレート偏差ΔYr以外の車輌状態量又はヨーレート偏差ΔYrとヨーレート偏差以外の車輌状態量とに基づいて演算されるよう構成されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、車輌の挙動制御は各車輪の制動力が制御されることにより実行されるようになっているが、車輌の挙動制御は各車輪の制駆動力が制御されることにより実行されるものであってもよい。
また上述の各実施例に於いては、車輌の挙動制御の開始判定のしきい値及び終了判定のしきい値は同一であるが、車輌の挙動制御の開始判定のしきい値及び終了判定のしきい値は相互に異なっていてもよく、その場合には終了判定のしきい値も開始判定のしきい値と同様に上述の各実施例の如く大きくされることが好ましい。
更に上述の実施例3に於いては、車速Vに基づき車速Vが高いほど小さくなるよう補正係数Kvが演算され、制御実行判定しきい値Thが上記式6に従って演算されるようになっているが、上述の実施例2に於いても制御実行判定しきい値Thが実施例3の場合と同様に演算されるよう修正されてもよい。
本発明による車輌の挙動制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1に於ける挙動制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車輌の挙動制御装置の実施例2に於ける挙動制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。 ヨーレート検出値Yrの絶対値と車速Vとの間の関係として制御実行判定しきい値を大きくする領域Mを示すグラフである。 本発明による車輌の挙動制御装置の実施例3に於ける挙動制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。 車速Vと補正係数Kvとの間の関係を示すグラフである。 ヨーレートセンサが正常である場合のヨーレート検出値Yrn、ヨーレートセンサのゲインが低下した場合のヨーレート検出値Yrg、目標ヨーレートYrtの変化の一例を示すグラフである。
符号の説明
20 制動装置
28 マスタシリンダ
30 制動制御装置
32FL〜32RR、36…圧力センサ
38…ヨーレートセンサ
40…横加速度センサ
42…操舵角センサ
44…車速センサ

Claims (4)

  1. 車輌のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、運転者の運転操作に基づき車輌の目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算手段と、前記目標ヨーレートと前記ヨーレート検出手段によるヨーレート検出値との偏差の大きさが制御開始判定しきい値よりも大きくなったときに車輌挙動の安定化制御を開始する車輌の挙動制御装置に於いて、前記ヨーレート検出値の大きさが大きいときには前記ヨーレート検出値の大きさが小さいときに比して、前記制御開始判定しきい値を大きくし、若しくは前記ヨーレート検出値の大きさを大きく補正し、若しくは前記ヨーレート偏差の大きさを小さく補正する制御開始判定制御手段を有することを特徴とする車輌の挙動制御装置。
  2. 前記制御開始判定制御手段は車速が低いときには車速が高いときに比して前記制御開始判定しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車輌の挙動制御装置。
  3. 前記制御開始判定制御手段は前記ヨーレート検出手段の構造に基づき予め想定された前記ヨーレート検出手段のゲイン低下度合及び前記ヨーレート検出値の大きさに基づき前記制御開始判定しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車輌の挙動制御装置。
  4. 前記制御開始判定制御手段は前記ヨーレート検出値の大きさがその基準値よりも大きいときに前記制御開始判定しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の挙動制御装置。
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