JP2004026074A - 車輌の旋回特性推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スタビリティファクタの推定値に含まれる誤差を排除することにより、車輌のスタビリティファクタを正確に推定する。
【解決手段】車輌が実質的に定常旋回状態にあると判定されると(S20)、操舵角θ、スタビリティファクタの初期値Khi等に基づき車輌の規範ヨーレートγmが演算されると共に(S30)、ヨーレート検出値γs、車速V、横加速度Gyに基づき式Aに従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhが演算され(S40)、収束演算により式Bに於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bが演算され(S50、60)、初期値KhiがKhiとモデル誤差bとの和に書き換えられる(S70〜110)。
ΔKh=(γm−γs)/(GyV) ……(A)
ΔKh=(a/V2)+b ……(B)
【選択図】 図2
【解決手段】車輌が実質的に定常旋回状態にあると判定されると(S20)、操舵角θ、スタビリティファクタの初期値Khi等に基づき車輌の規範ヨーレートγmが演算されると共に(S30)、ヨーレート検出値γs、車速V、横加速度Gyに基づき式Aに従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhが演算され(S40)、収束演算により式Bに於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bが演算され(S50、60)、初期値KhiがKhiとモデル誤差bとの和に書き換えられる(S70〜110)。
ΔKh=(γm−γs)/(GyV) ……(A)
ΔKh=(a/V2)+b ……(B)
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の旋回特性推定装置に係り、更に詳細には車輌の旋回特性を表わすスタビリティファクタを推定する車輌の旋回特性推定装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌のスタビリティファクタを推定する車輌の旋回特性推定装置の一つとして、例えば特開平10−258720号公報に記載されている如く、車輌の走行中にセンサにより車速、操舵角、ヨーレートを検出し、これらの検出値に基づき車輌のスタビリティファクタを推定する車輌の旋回特性推定装置が従来より知られている。
【0003】
かかる旋回特性推定装置によれば、車輌の実際の旋回状況に基づきスタビリティファクタが推定されるので、一定値に設定されたスタビリティファクタを使用して車輌の規範ヨーレートが演算される場合に比して、規範ヨーレートを正確に演算し、これにより規範ヨーレート及び車輌の実際のヨーレートに基づく車輌の制御を正確に実行することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の如き従来の旋回特性推定装置により推定されるスタビリティファクタには車輌の真のスタビリティファクタとの間の誤差が生じることがあり、この誤差には車輌モデルについて予め設定されるスタビリティファクタの初期値の誤差や車輌のヨーレートを検出するヨーレートセンサの感度誤差が含まれている。従って車輌のスタビリティファクタを正確に推定するためにはこれらの誤差が正確に排除されなければならない。
【0005】
本発明は、車輌のスタビリティファクタを推定する従来の旋回特性推定装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、スタビリティファクタの推定値に含まれる誤差を排除することにより、車輌のスタビリティファクタを正確に推定することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の走行状態に基づき車輌モデルを使用して演算される規範ヨーレートγmとヨーレートセンサによる検出ヨーレートγsとに基づき車輌のスタビリティファクタKhを推定する車輌の旋回特性推定装置に於いて、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを車速V毎に演算し、誤差ΔKhを
【数3】
として、収束演算により前記ヨーレートセンサの感度誤差a及び前記車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bを演算することを特徴とする車輌の旋回特性推定装置によって達成される。
【0007】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、車輌の横加速度をGyとして、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを
【数4】
により車速V毎に演算するよう構成される(請求項2の構成)。
【0008】
【本発明の原理】
車輌のスタビリティファクタをKhとし、車速をVとし、操舵角をθとし、ステアリングギヤ比をNとし、車輌のホイールベースをLとし、車輌の横加速度をGyとすると、車輌のヨーレートγは下記の式3により表わされる。
【数5】
【0009】
車輌モデルのスタビリティファクタの初期値をKhiとし、スタビリティファクタKhに対する初期値Khiの誤差をΔKhとすると、スタビリティファクタKhは下記の式4により表わされ、誤差ΔKhは車輌モデルの誤差及びヨーレートγを検出するヨーレートセンサの感度誤差を含むものである。
Kh=Khi+ΔKh ……(4)
【0010】
今、ある車速V及びある操舵角θ(これに従属する横加速度Gy)にて定常的に旋回している状況に於いて、あるスタビリティファクタKhを設定したときに上記式にて演算されるヨーレートγとヨーレートセンサの検出値γsとが等しくなったとすると、下記の式5が成立する。
【数6】
【0011】
上記式5に上記式4を代入することにより、下記の式6が成立する。
【数7】
【0012】
ヨーレートセンサの検出値γsにはヨーレートセンサの感度誤差αが含まれているとすると、γrを真のヨーレートとしてヨーレートセンサの検出値γsは下記の式7により表わされる。
γs=(1+α)γr ……(7)
【0013】
上記式6に上記式7を代入することにより、下記の式8が成立する。
【数8】
【0014】
車輌モデルのスタビリティファクタの初期値Khiに基づいて演算される規範ヨーレートγmは、上記式1の場合と同様、下記の式9により表わされる。
【数9】
【0015】
上記式8及び9より、下記の式10が成立する。
【数10】
【0016】
上記式10より、スタビリティファクタの誤差ΔKhは下記の式11により表わされる。
【数11】
【0017】
また上記式9より、規範ヨーレートγmと真のヨーレートγrとの差γm−γrは下記の式12により表わされる。
【数12】
【0018】
また車輌モデルのスタビリティファクタの初期値Khiの誤差、即ち初期値Khiと真のスタビリティファクタKhrとの差をδKhiとすると、初期値Khiは下記の式13により表わされる。
Khi=Khr+δKhi ……(13)
【0019】
上記式13を上記式12に代入すると、下記の式14が成立し、また真のスタビリティファクタKhrについて下記の式15が成立する。
【数13】
【0020】
従って規範ヨーレートγmと真のヨーレートγrとの差(γm−γr)は下記の式16により表わされ、初期値Khiと真のスタビリティファクタKhrとの差δKhi、即ち車輌モデルのスタビリティファクタ誤差は下記の式17により表わされる。
【数14】
【0021】
車輌が定常的に旋回しているときには、下記の式18が成立し、上記式17及び下記の式18をそれぞれ上記式11の右辺第1行の第1項及び第2項に代入することにより、下記の式19が求められる。
Gy=γrV ……(18)
【数15】
【0022】
上記式19より、上記式11に従って各車速V毎にスタビリティファクタの誤差ΔKhを演算することにより、収束演算によって下記の式20のヨーレートセンサの感度誤差a(=−α)及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差b(=−δKhi)を演算することができることが解る。尚車速V、スタビリティファクタの誤差ΔKh、誤差a及びbの関係は図4に示された通りである。
【数16】
【0023】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhが車速V毎に演算され、誤差ΔKhを上記式1の通りとして、収束演算によりヨーレートセンサの感度誤差a及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bが演算されるので、ヨーレートセンサの感度誤差a及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bを排除することができ、これにより車輌の真のスタビリティファクタを正確に推定することができる。
【0024】
また上記請求項2の構成によれば、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhが上記式2により車速V毎に演算されるので、車速に拘わらず車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを正確に演算することができ、これによりヨーレートセンサの感度誤差a及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bを正確に演算することができる。
【0025】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、車輌が定常的な旋回状態にあるときに車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを車速V毎に演算するよう構成される(好ましい態様1)。
【0026】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、車輌モデルについてスタビリティファクタの初期値Khiを予め設定し、スタビリティファクタの初期値Khiを使用して車輌の走行状態に基づき規範ヨーレートγmを演算するよう構成される(好ましい態様2)。
【0027】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、スタビリティファクタの初期値Khiを収束演算により演算されたスタビリティファクタ誤差bにて補正するよう構成される(好ましい態様3)。
【0028】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、スタビリティファクタの初期値KhiをKhi+bに補正するよう構成される(好ましい態様4)。
【0029】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、ヨーレートセンサによる検出ヨーレートγsを収束演算により演算された感度誤差aにて補正するよう構成される(好ましい態様5)。
【0030】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、ヨーレートセンサによる検出ヨーレートγsをγs/(1+a)に補正するよう構成される(好ましい態様6)。
【0031】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、収束演算により上記式1のa及びbが安定的に演算されるようになった段階でヨーレートセンサの感度誤差をaとし、車輌モデルのスタビリティファクタ誤差をbとするよう構成される(好ましい態様7)。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施の形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明による車輌の挙動制御装置に適用された旋回特性推定装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【0034】
図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L 及び18R を介して操舵される。
【0035】
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に説明する如く電子制御装置30により制御される。
【0036】
車輪10FR〜10RLのホイールシリンダにはそれぞれ対応するホイールシリンダの圧力Pi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する圧力センサ32FR〜32RLが設けられ、ステアリングホイール14が連結されたステアリングコラムには操舵角θを検出する操舵角センサ34が設けられている。
【0037】
また車輌12にはそれぞれ車輌のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ36、横加速度Gyを検出する横加速度センサ38が設けられている。尚操舵角センサ34、ヨーレートセンサ36及び横加速度センサ38は車輌の左旋回方向を正としてそれぞれ操舵角、ヨーレート及び横加速度を検出する。
【0038】
図示の如く、圧力センサ32FR〜32RLにより検出された圧力Piを示す信号、操舵角センサ34により検出された操舵角θを示す信号、ヨーレートセンサ36により検出されたヨーレートγsを示す信号、横加速度センサ38により検出された横加速度Gyを示す信号は電子制御装置30に入力される。
【0039】
尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置30は例えばCPUとROMとEEPROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。EEPROMはスタビリティファクタの初期値Khi及びヨーレートセンサ36によるヨーレート検出値γsに対する補正値annを記憶しており、補正値annは車輌の出荷時に0に設定される。
【0040】
電子制御装置30は、後述の如く図2に示されたフローチャートに従い、車輌が実質的に定常旋回状態にあると判定すると、上記式9に従って車輌の規範ヨーレートγmを演算すると共に上記式2に従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhを演算し、最小二乗法や最尤法の如きパラメトリック推定法により上記式1に於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bを演算する。
【0041】
また電子制御装置30は、感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnを演算し、移動平均値an及びbnに基づき感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったか否かを判定し、感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったときにはEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aを最後に演算された移動平均値anに書き換えると共に、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiをKhiと最後に演算された移動平均値bnとの和に書き換える。
【0042】
また電子制御装置30は、感度誤差aについて補正後のヨーレート検出値γsaを演算し、モデル誤差bによりスタビリティファクタの初期値Khiを補正し、補正後のスタビリティファクタの初期値Khiを使用して車輌の規範ヨーレートγmを演算し、該規範ヨーレートγmに基づいて車輌の目標ヨーレートγtを演算し、補正後のヨーレート検出値γsaと目標ヨーレートγtとの偏差としてヨーレート偏差Δγを演算し、該ヨーレート偏差Δγの大きさに基づいて車輌の旋回挙動を判定し、車輌の旋回挙動が悪化しているときには車輌の旋回挙動が安定化するよう挙動制御を実行する。
【0043】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於けるスタビリティファクタ推定誤差演算ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0044】
まずステップ10に於いては操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては例えばヨーレート検出値γsの微分値γsdが演算され、ヨーレート検出値γsの絶対値がその基準値以上であり且つヨーレート検出値の微分値γsdの絶対値がその基準値以下であるか否かの判別により、車輌が実質的に定常旋回状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ10へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0045】
ステップ30に於いては操舵角θ等に基づき上記式9に従って車輌の規範ヨーレートγmが演算され、ステップ40に於いては規範ヨーレートγm等に基づき上記式2に従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhが演算され、誤差ΔKhが車速Vと共にRAMに記憶される。
【0046】
ステップ50に於いては誤差ΔKhがn(正の一定の整数)個以上演算されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進む。
【0047】
ステップ60に於いてはRAMに記憶されている最新のn個の誤差ΔKh及び車速Vの値に基づきパラメトリック推定法により上記式1に於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bが演算され、しかる後誤差ΔKh及び車速Vの値がクリアされる。
【0048】
ステップ70に於いてはヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bがN(正の一定の整数)個以上演算されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ80へ進む。
【0049】
ステップ80に於いては最新のN個の感度誤差aについての移動平均値an及び最新のN個のモデル誤差bについての移動平均値bnが演算され、移動平均値an及びbnがRAMに記憶される。
【0050】
ステップ90に於いては例えば感度誤差aについての移動平均値anの変動範囲がその基準値以下であり且つその変化率がその基準値以下であるかの判別により、ヨーレートセンサ36の感度誤差aの推定値が安定しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ100へ進む。
【0051】
同様に、ステップ100に於いては例えばモデル誤差bについての移動平均値bnの変動範囲がその基準値以下であり且つその変化率がその基準値以下であるかの判別により、スタビリティファクタのモデル誤差bの推定値が安定しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ110へ進む。
【0052】
ステップ110に於いてはEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられ、それまでに演算された移動平均値an及びbnの値がクリアされる。
【0053】
次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける車輌の挙動制御ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0054】
まずステップ210に於いては操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ220に於いてはEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aに基づき下記の式21に従って感度誤差aについて補正後のヨーレート検出値γsaが演算される。
【数17】
【0055】
ステップ230に於いては操舵角θ等に基づき上記式9に従って規範ヨーレートγmが演算されると共に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の式22に従って車輌の目標ヨーレートγtが演算される。
【数18】
【0056】
ステップ240に於いては下記の式22に従って補正後のヨーレート検出値γsaと目標ヨーレートγtとの偏差としてヨーレート偏差Δγが演算される。
Δγ=γsa−γt
【0057】
ステップ250に於いてはヨーレート偏差Δγの絶対値が基準値γo(正の定数)を越えているか否かの判別、即ち車輌の旋回挙動を安定化させる必要があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図3に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ260へ進む。
【0058】
ステップ260に於いては例えば当技術分野に於いて公知の要領にてヨーレート偏差Δγの大きさを低減して車輌の旋回挙動を安定化させるための車輌の目標ヨーモーメントMt及び目標減速度Gxtが演算され、目標ヨーモーメントMt及び目標減速度Gxtを達成するための各車輪の目標制動圧Pti(i=fr、fl、rr、rl)が演算され、各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御される。
【0059】
以上の説明より解る如く、図示の実施形態によれば、ステップ20に於いて車輌が実質的に定常旋回状態にあると判定されると、ステップ30に於いて上記式9に従って車輌の規範ヨーレートγmが演算されると共に、ステップ40に於いて上記式2に従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhが演算され、ステップ50及び60に於いて上記式1に於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bが演算される。
【0060】
そしてステップ70〜100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnが演算されると共に、感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになると、ステップ110に於いてEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられる。
【0061】
従って図示の実施形態によれば、車輌の実際の定常的な旋回走行状態に基づいてスタビリティファクタの誤差ΔKhが各車速V毎に演算され、スタビリティファクタの誤差ΔKh及び車速Vに基づいてヨーレートセンサ36の感度誤差a(=−α)及びスタビリティファクタのモデル誤差b(=−δKhi)が演算され、モデル誤差bによりスタビリティファクタの初期値Khiが補正されるので、車輌のスタビリティファクタKhを正確に推定することができる。
【0062】
特に図示の実施形態によれば、感度誤差a(=−α)及びモデル誤差b(=−δKhi)が演算されると、感度誤差aについて補正後のヨーレート検出値γsaが演算され、モデル誤差bによりスタビリティファクタの初期値Khiが補正され、補正後のスタビリティファクタの初期値Khiを使用して車輌の規範ヨーレートγmが演算され、該規範ヨーレートγmに基づいて車輌の目標ヨーレートγtが演算され、補正後のヨーレート検出値γsaと目標ヨーレートγtとの偏差としてヨーレート偏差Δγが演算される(ステップ220〜240)ので、ヨーレート偏差Δγを正確に演算することができ、これにより車輌の旋回挙動を正確に把握することができると共に、車輌の挙動制御を正確に実行することができる。
【0063】
また図示の実施形態によれば、ステップ70〜100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnが演算されると共に、移動平均値an及びbnに基づき感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったと判定されると、ステップ110に於いてEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられるので、ステップ70〜100が実行されることなくステップ60の実行後にEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが演算された感度誤差aに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと演算されたモデル誤差bとの和に書き換えられる場合に比して、スタビリティファクタKhを正確に推定することができ、またヨーレート検出値γsをヨーレートセンサ36の実際の感度誤差に基づいて正確に補正することができる。
【0064】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0065】
例えば上述の実施形態に於いては、ステップ70〜100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnが演算され、移動平均値an及びbnに基づき感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったと判定されない限り、ステップ110は実行されないようになっているが、例えばステップ90に於いて肯定判別が行われ、ステップ100に於いて否定判別が行われたときには、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値Khiの書き換えが行われることなくEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、それまでに演算された移動平均値an及びbnの値がクリアされるよう修正されてもよい。
【0066】
また上述の実施形態に於いては、感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったか否かの判別は移動平均値an及びbnに基づいて行われるようになっているが、この判別は例えばローパスフィルタ処理値の如く移動平均値an及びbn以外に基づいて行われるよう修正されてもよい。
【0067】
また上述の実施形態に於いては、ステップ90及び100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったと判定されると、ステップ110に於いてEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられるようになっているが、最後に演算された移動平均値annの大きさが基準値a0(正の定数)以上である場合にEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、最後に演算された移動平均値bnnの大きさが基準値b0(正の定数)以上である場合にEEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられるよう修正されてもよい。
【0068】
また上述の実施形態に於いては、車輌の挙動が悪化したか否かはステップ50に於いて車輌の目標ヨーレートγtと補正後のヨーレート検出値γsaとの偏差の大きさにより判別されるようになっているが、車輌の挙動が悪化したか否かは当技術分野に於いて公知の任意の要領にて判定されてよく、また挙動制御も当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌の挙動制御装置に適用された旋回特性推定装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図示の実施形態に於けるスタビリティファクタ推定誤差演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図示の実施形態に於ける挙動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】車速Vとスタビリティファクタの誤差ΔKhとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10FR〜10RL…車輪
20…制動装置
28…マスタシリンダ
30…電気式制御装置
32FR〜32RL…圧力センサ
34……操舵角センサ
36…ヨーレートセンサ
38…横加速度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の旋回特性推定装置に係り、更に詳細には車輌の旋回特性を表わすスタビリティファクタを推定する車輌の旋回特性推定装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌のスタビリティファクタを推定する車輌の旋回特性推定装置の一つとして、例えば特開平10−258720号公報に記載されている如く、車輌の走行中にセンサにより車速、操舵角、ヨーレートを検出し、これらの検出値に基づき車輌のスタビリティファクタを推定する車輌の旋回特性推定装置が従来より知られている。
【0003】
かかる旋回特性推定装置によれば、車輌の実際の旋回状況に基づきスタビリティファクタが推定されるので、一定値に設定されたスタビリティファクタを使用して車輌の規範ヨーレートが演算される場合に比して、規範ヨーレートを正確に演算し、これにより規範ヨーレート及び車輌の実際のヨーレートに基づく車輌の制御を正確に実行することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の如き従来の旋回特性推定装置により推定されるスタビリティファクタには車輌の真のスタビリティファクタとの間の誤差が生じることがあり、この誤差には車輌モデルについて予め設定されるスタビリティファクタの初期値の誤差や車輌のヨーレートを検出するヨーレートセンサの感度誤差が含まれている。従って車輌のスタビリティファクタを正確に推定するためにはこれらの誤差が正確に排除されなければならない。
【0005】
本発明は、車輌のスタビリティファクタを推定する従来の旋回特性推定装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、スタビリティファクタの推定値に含まれる誤差を排除することにより、車輌のスタビリティファクタを正確に推定することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の走行状態に基づき車輌モデルを使用して演算される規範ヨーレートγmとヨーレートセンサによる検出ヨーレートγsとに基づき車輌のスタビリティファクタKhを推定する車輌の旋回特性推定装置に於いて、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを車速V毎に演算し、誤差ΔKhを
【数3】
として、収束演算により前記ヨーレートセンサの感度誤差a及び前記車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bを演算することを特徴とする車輌の旋回特性推定装置によって達成される。
【0007】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、車輌の横加速度をGyとして、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを
【数4】
により車速V毎に演算するよう構成される(請求項2の構成)。
【0008】
【本発明の原理】
車輌のスタビリティファクタをKhとし、車速をVとし、操舵角をθとし、ステアリングギヤ比をNとし、車輌のホイールベースをLとし、車輌の横加速度をGyとすると、車輌のヨーレートγは下記の式3により表わされる。
【数5】
【0009】
車輌モデルのスタビリティファクタの初期値をKhiとし、スタビリティファクタKhに対する初期値Khiの誤差をΔKhとすると、スタビリティファクタKhは下記の式4により表わされ、誤差ΔKhは車輌モデルの誤差及びヨーレートγを検出するヨーレートセンサの感度誤差を含むものである。
Kh=Khi+ΔKh ……(4)
【0010】
今、ある車速V及びある操舵角θ(これに従属する横加速度Gy)にて定常的に旋回している状況に於いて、あるスタビリティファクタKhを設定したときに上記式にて演算されるヨーレートγとヨーレートセンサの検出値γsとが等しくなったとすると、下記の式5が成立する。
【数6】
【0011】
上記式5に上記式4を代入することにより、下記の式6が成立する。
【数7】
【0012】
ヨーレートセンサの検出値γsにはヨーレートセンサの感度誤差αが含まれているとすると、γrを真のヨーレートとしてヨーレートセンサの検出値γsは下記の式7により表わされる。
γs=(1+α)γr ……(7)
【0013】
上記式6に上記式7を代入することにより、下記の式8が成立する。
【数8】
【0014】
車輌モデルのスタビリティファクタの初期値Khiに基づいて演算される規範ヨーレートγmは、上記式1の場合と同様、下記の式9により表わされる。
【数9】
【0015】
上記式8及び9より、下記の式10が成立する。
【数10】
【0016】
上記式10より、スタビリティファクタの誤差ΔKhは下記の式11により表わされる。
【数11】
【0017】
また上記式9より、規範ヨーレートγmと真のヨーレートγrとの差γm−γrは下記の式12により表わされる。
【数12】
【0018】
また車輌モデルのスタビリティファクタの初期値Khiの誤差、即ち初期値Khiと真のスタビリティファクタKhrとの差をδKhiとすると、初期値Khiは下記の式13により表わされる。
Khi=Khr+δKhi ……(13)
【0019】
上記式13を上記式12に代入すると、下記の式14が成立し、また真のスタビリティファクタKhrについて下記の式15が成立する。
【数13】
【0020】
従って規範ヨーレートγmと真のヨーレートγrとの差(γm−γr)は下記の式16により表わされ、初期値Khiと真のスタビリティファクタKhrとの差δKhi、即ち車輌モデルのスタビリティファクタ誤差は下記の式17により表わされる。
【数14】
【0021】
車輌が定常的に旋回しているときには、下記の式18が成立し、上記式17及び下記の式18をそれぞれ上記式11の右辺第1行の第1項及び第2項に代入することにより、下記の式19が求められる。
Gy=γrV ……(18)
【数15】
【0022】
上記式19より、上記式11に従って各車速V毎にスタビリティファクタの誤差ΔKhを演算することにより、収束演算によって下記の式20のヨーレートセンサの感度誤差a(=−α)及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差b(=−δKhi)を演算することができることが解る。尚車速V、スタビリティファクタの誤差ΔKh、誤差a及びbの関係は図4に示された通りである。
【数16】
【0023】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhが車速V毎に演算され、誤差ΔKhを上記式1の通りとして、収束演算によりヨーレートセンサの感度誤差a及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bが演算されるので、ヨーレートセンサの感度誤差a及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bを排除することができ、これにより車輌の真のスタビリティファクタを正確に推定することができる。
【0024】
また上記請求項2の構成によれば、車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhが上記式2により車速V毎に演算されるので、車速に拘わらず車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを正確に演算することができ、これによりヨーレートセンサの感度誤差a及び車輌モデルのスタビリティファクタ誤差bを正確に演算することができる。
【0025】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、車輌が定常的な旋回状態にあるときに車輌の真のスタビリティファクタとスタビリティファクタの推定値との誤差ΔKhを車速V毎に演算するよう構成される(好ましい態様1)。
【0026】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、車輌モデルについてスタビリティファクタの初期値Khiを予め設定し、スタビリティファクタの初期値Khiを使用して車輌の走行状態に基づき規範ヨーレートγmを演算するよう構成される(好ましい態様2)。
【0027】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、スタビリティファクタの初期値Khiを収束演算により演算されたスタビリティファクタ誤差bにて補正するよう構成される(好ましい態様3)。
【0028】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、スタビリティファクタの初期値KhiをKhi+bに補正するよう構成される(好ましい態様4)。
【0029】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、ヨーレートセンサによる検出ヨーレートγsを収束演算により演算された感度誤差aにて補正するよう構成される(好ましい態様5)。
【0030】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、ヨーレートセンサによる検出ヨーレートγsをγs/(1+a)に補正するよう構成される(好ましい態様6)。
【0031】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、収束演算により上記式1のa及びbが安定的に演算されるようになった段階でヨーレートセンサの感度誤差をaとし、車輌モデルのスタビリティファクタ誤差をbとするよう構成される(好ましい態様7)。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施の形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明による車輌の挙動制御装置に適用された旋回特性推定装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【0034】
図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L 及び18R を介して操舵される。
【0035】
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に説明する如く電子制御装置30により制御される。
【0036】
車輪10FR〜10RLのホイールシリンダにはそれぞれ対応するホイールシリンダの圧力Pi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する圧力センサ32FR〜32RLが設けられ、ステアリングホイール14が連結されたステアリングコラムには操舵角θを検出する操舵角センサ34が設けられている。
【0037】
また車輌12にはそれぞれ車輌のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ36、横加速度Gyを検出する横加速度センサ38が設けられている。尚操舵角センサ34、ヨーレートセンサ36及び横加速度センサ38は車輌の左旋回方向を正としてそれぞれ操舵角、ヨーレート及び横加速度を検出する。
【0038】
図示の如く、圧力センサ32FR〜32RLにより検出された圧力Piを示す信号、操舵角センサ34により検出された操舵角θを示す信号、ヨーレートセンサ36により検出されたヨーレートγsを示す信号、横加速度センサ38により検出された横加速度Gyを示す信号は電子制御装置30に入力される。
【0039】
尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置30は例えばCPUとROMとEEPROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。EEPROMはスタビリティファクタの初期値Khi及びヨーレートセンサ36によるヨーレート検出値γsに対する補正値annを記憶しており、補正値annは車輌の出荷時に0に設定される。
【0040】
電子制御装置30は、後述の如く図2に示されたフローチャートに従い、車輌が実質的に定常旋回状態にあると判定すると、上記式9に従って車輌の規範ヨーレートγmを演算すると共に上記式2に従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhを演算し、最小二乗法や最尤法の如きパラメトリック推定法により上記式1に於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bを演算する。
【0041】
また電子制御装置30は、感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnを演算し、移動平均値an及びbnに基づき感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったか否かを判定し、感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったときにはEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aを最後に演算された移動平均値anに書き換えると共に、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiをKhiと最後に演算された移動平均値bnとの和に書き換える。
【0042】
また電子制御装置30は、感度誤差aについて補正後のヨーレート検出値γsaを演算し、モデル誤差bによりスタビリティファクタの初期値Khiを補正し、補正後のスタビリティファクタの初期値Khiを使用して車輌の規範ヨーレートγmを演算し、該規範ヨーレートγmに基づいて車輌の目標ヨーレートγtを演算し、補正後のヨーレート検出値γsaと目標ヨーレートγtとの偏差としてヨーレート偏差Δγを演算し、該ヨーレート偏差Δγの大きさに基づいて車輌の旋回挙動を判定し、車輌の旋回挙動が悪化しているときには車輌の旋回挙動が安定化するよう挙動制御を実行する。
【0043】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於けるスタビリティファクタ推定誤差演算ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0044】
まずステップ10に於いては操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては例えばヨーレート検出値γsの微分値γsdが演算され、ヨーレート検出値γsの絶対値がその基準値以上であり且つヨーレート検出値の微分値γsdの絶対値がその基準値以下であるか否かの判別により、車輌が実質的に定常旋回状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ10へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0045】
ステップ30に於いては操舵角θ等に基づき上記式9に従って車輌の規範ヨーレートγmが演算され、ステップ40に於いては規範ヨーレートγm等に基づき上記式2に従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhが演算され、誤差ΔKhが車速Vと共にRAMに記憶される。
【0046】
ステップ50に於いては誤差ΔKhがn(正の一定の整数)個以上演算されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進む。
【0047】
ステップ60に於いてはRAMに記憶されている最新のn個の誤差ΔKh及び車速Vの値に基づきパラメトリック推定法により上記式1に於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bが演算され、しかる後誤差ΔKh及び車速Vの値がクリアされる。
【0048】
ステップ70に於いてはヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bがN(正の一定の整数)個以上演算されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ80へ進む。
【0049】
ステップ80に於いては最新のN個の感度誤差aについての移動平均値an及び最新のN個のモデル誤差bについての移動平均値bnが演算され、移動平均値an及びbnがRAMに記憶される。
【0050】
ステップ90に於いては例えば感度誤差aについての移動平均値anの変動範囲がその基準値以下であり且つその変化率がその基準値以下であるかの判別により、ヨーレートセンサ36の感度誤差aの推定値が安定しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ100へ進む。
【0051】
同様に、ステップ100に於いては例えばモデル誤差bについての移動平均値bnの変動範囲がその基準値以下であり且つその変化率がその基準値以下であるかの判別により、スタビリティファクタのモデル誤差bの推定値が安定しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ110へ進む。
【0052】
ステップ110に於いてはEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられ、それまでに演算された移動平均値an及びbnの値がクリアされる。
【0053】
次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける車輌の挙動制御ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0054】
まずステップ210に於いては操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ220に於いてはEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aに基づき下記の式21に従って感度誤差aについて補正後のヨーレート検出値γsaが演算される。
【数17】
【0055】
ステップ230に於いては操舵角θ等に基づき上記式9に従って規範ヨーレートγmが演算されると共に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の式22に従って車輌の目標ヨーレートγtが演算される。
【数18】
【0056】
ステップ240に於いては下記の式22に従って補正後のヨーレート検出値γsaと目標ヨーレートγtとの偏差としてヨーレート偏差Δγが演算される。
Δγ=γsa−γt
【0057】
ステップ250に於いてはヨーレート偏差Δγの絶対値が基準値γo(正の定数)を越えているか否かの判別、即ち車輌の旋回挙動を安定化させる必要があるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図3に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ260へ進む。
【0058】
ステップ260に於いては例えば当技術分野に於いて公知の要領にてヨーレート偏差Δγの大きさを低減して車輌の旋回挙動を安定化させるための車輌の目標ヨーモーメントMt及び目標減速度Gxtが演算され、目標ヨーモーメントMt及び目標減速度Gxtを達成するための各車輪の目標制動圧Pti(i=fr、fl、rr、rl)が演算され、各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御される。
【0059】
以上の説明より解る如く、図示の実施形態によれば、ステップ20に於いて車輌が実質的に定常旋回状態にあると判定されると、ステップ30に於いて上記式9に従って車輌の規範ヨーレートγmが演算されると共に、ステップ40に於いて上記式2に従ってスタビリティファクタの誤差ΔKhが演算され、ステップ50及び60に於いて上記式1に於けるヨーレートセンサ36の感度誤差a及びスタビリティファクタのモデル誤差bが演算される。
【0060】
そしてステップ70〜100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnが演算されると共に、感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになると、ステップ110に於いてEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられる。
【0061】
従って図示の実施形態によれば、車輌の実際の定常的な旋回走行状態に基づいてスタビリティファクタの誤差ΔKhが各車速V毎に演算され、スタビリティファクタの誤差ΔKh及び車速Vに基づいてヨーレートセンサ36の感度誤差a(=−α)及びスタビリティファクタのモデル誤差b(=−δKhi)が演算され、モデル誤差bによりスタビリティファクタの初期値Khiが補正されるので、車輌のスタビリティファクタKhを正確に推定することができる。
【0062】
特に図示の実施形態によれば、感度誤差a(=−α)及びモデル誤差b(=−δKhi)が演算されると、感度誤差aについて補正後のヨーレート検出値γsaが演算され、モデル誤差bによりスタビリティファクタの初期値Khiが補正され、補正後のスタビリティファクタの初期値Khiを使用して車輌の規範ヨーレートγmが演算され、該規範ヨーレートγmに基づいて車輌の目標ヨーレートγtが演算され、補正後のヨーレート検出値γsaと目標ヨーレートγtとの偏差としてヨーレート偏差Δγが演算される(ステップ220〜240)ので、ヨーレート偏差Δγを正確に演算することができ、これにより車輌の旋回挙動を正確に把握することができると共に、車輌の挙動制御を正確に実行することができる。
【0063】
また図示の実施形態によれば、ステップ70〜100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnが演算されると共に、移動平均値an及びbnに基づき感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったと判定されると、ステップ110に於いてEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられるので、ステップ70〜100が実行されることなくステップ60の実行後にEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが演算された感度誤差aに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと演算されたモデル誤差bとの和に書き換えられる場合に比して、スタビリティファクタKhを正確に推定することができ、またヨーレート検出値γsをヨーレートセンサ36の実際の感度誤差に基づいて正確に補正することができる。
【0064】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0065】
例えば上述の実施形態に於いては、ステップ70〜100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bの移動平均値an及びbnが演算され、移動平均値an及びbnに基づき感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったと判定されない限り、ステップ110は実行されないようになっているが、例えばステップ90に於いて肯定判別が行われ、ステップ100に於いて否定判別が行われたときには、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値Khiの書き換えが行われることなくEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、それまでに演算された移動平均値an及びbnの値がクリアされるよう修正されてもよい。
【0066】
また上述の実施形態に於いては、感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったか否かの判別は移動平均値an及びbnに基づいて行われるようになっているが、この判別は例えばローパスフィルタ処理値の如く移動平均値an及びbn以外に基づいて行われるよう修正されてもよい。
【0067】
また上述の実施形態に於いては、ステップ90及び100に於いて感度誤差a及びモデル誤差bが安定した値に演算されるようになったと判定されると、ステップ110に於いてEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、EEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられるようになっているが、最後に演算された移動平均値annの大きさが基準値a0(正の定数)以上である場合にEEPROMに記憶されているヨーレートセンサ36の感度誤差aが最後に演算された移動平均値annに書き換えられ、最後に演算された移動平均値bnnの大きさが基準値b0(正の定数)以上である場合にEEPROMに記憶されているスタビリティファクタの初期値KhiがKhiと最後に演算された移動平均値bnnとの和に書き換えられるよう修正されてもよい。
【0068】
また上述の実施形態に於いては、車輌の挙動が悪化したか否かはステップ50に於いて車輌の目標ヨーレートγtと補正後のヨーレート検出値γsaとの偏差の大きさにより判別されるようになっているが、車輌の挙動が悪化したか否かは当技術分野に於いて公知の任意の要領にて判定されてよく、また挙動制御も当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌の挙動制御装置に適用された旋回特性推定装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図示の実施形態に於けるスタビリティファクタ推定誤差演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図示の実施形態に於ける挙動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】車速Vとスタビリティファクタの誤差ΔKhとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10FR〜10RL…車輪
20…制動装置
28…マスタシリンダ
30…電気式制御装置
32FR〜32RL…圧力センサ
34……操舵角センサ
36…ヨーレートセンサ
38…横加速度センサ
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