JP2004155303A - 車輌用制動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前方障害物との衝突の可能性があると判定された場合には操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合に応じて運転者の制動操作量又は制動力制御目標値に対する実制動力の比を変更し(S20〜80)、特に操舵による衝突回避可能性の度合が低いときにはそれが高いときに比して前記制動力の比を高く変更し(S40、80)、操舵による衝突回避可能性の度合及び制動による衝突回避可能性の度合が高いときには操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合が低いときに比して前記制動力の比を低く変更する(S40、50、70)。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌用制動力制御装置に係り、更に詳細には前方障害物との衝突の可能性に応じて制動力を制御する車輌用制動力制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
前方障害物との衝突の可能性がある状況に於いて制動力を制御する自動車等の車輌の制動力制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、前方障害物との衝突の可能性がある場合に自動的に制動を行う制動力制御装置が従来より知られている。特に下記の特許文献1に記載された制動力制御装置に於いては、アンチスキッド制御装置が故障しているときには、自動制動を行うタイミングを早くすると共に、制動圧を通常時よりも低くするようになっている。
【特許文献1】
特開平7−69201号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、前方障害物との衝突の可能性がある状況に於いて、車輌が前方障害物との衝突を回避する方法として、操舵により前方障害物とは異なる方向へ車輌を導く方法と、制動により車輌を減速させて車輌が前方障害物まで至らないようにする方法と、これらの組合せによる方法とがある。
【0004】
また一般に、前方障害物との衝突の可能性があるか否かは前方障害物に対する自車の相対速度及び前方障害物までの距離(相対距離)により判定可能であるが、相対速度及び相対距離の関係で見た場合に於ける操舵による衝突回避が可能な領域及び制動による衝突回避が可能な領域は一致していない。即ち前方障害物との衝突の可能性がある状況に於いて、操舵による衝突回避は可能であるが制動による衝突回避は不可能である領域や、制動による衝突回避は可能であるが操舵による衝突回避は不可能である領域が存在する。
【0005】
特に制動による衝突回避が行われる場合には、車輪の制動力、即ち前後力が増大されることによって車輪の横力の余裕度が低下するので、制動による衝突回避が行われることにより操舵輪の横力(コーナリングフォース)が低下されることに起因して操舵による衝突回避を効果的に行うことができなくなる場合があり、逆に操舵による衝突回避が効果的に行われるよう制動力が制限されると、車輌を効果的に減速させることができなくなる。従って操舵及び制動による衝突回避可能性の状況に応じて車輪に付与される制動力が適正に制御される必要がある。
【0006】
しかるに上記特許文献1に記載された制動力制御装置の如き従来の制動力制御装置に於いては、操舵及び制動による衝突回避可能性の状況に応じて車輪に付与される制動力が適正に制御される必要があることについては全く考慮されていないため、衝突回避可能性の状況に応じて車輪に付与される制動力を適正に制御することができず、従って車輌の衝突回避の効果を向上させる上で改善の余地がある。
【0007】
本発明は、前方障害物との衝突の可能性がある状況に於いて制動力を制御する従来の制動力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、操舵及び制動による衝突回避可能性の状況に応じて制動力を制御することにより、従来に比して車輌の衝突回避の効果を向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち前方障害物との衝突の可能性に応じて制動力を制御する車輌用制動力制御装置に於いて、衝突の可能性があると判定された場合には操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合に応じて運転者の制動操作量又は制動力制御目標値に対する実制動力の比を変更することを特徴とする車輌用制動力制御装置によって達成される。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、操舵による衝突回避可能性の度合が低いときにはそれが高いときに比して前記制動力の比を高く変更するよう構成される(請求項2の構成)。
【0010】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、操舵による衝突回避可能性の度合及び制動による衝突回避可能性の度合が高いときには操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合が低いときに比して前記制動力の比を低く変更するよう構成される(請求項3の構成)。
【0011】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、アンチスキッド制御に於いて許容される制動スリップ率を高くし若しくはアンチスキッド制御が開始され難くすることにより前記制動力の比を高く変更するよう構成される(請求項4の構成)。
【0012】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前輪に対する後輪の制動スリップ率又は運転者の制動操作量が基準値以上であるときには前輪に対する後輪の制動力の比を低下させる前後輪制動力配分制御に於いて、前記基準値を高くすることにより前記制動力の比を高く変更するよう構成される(請求項5の構成)。
【0013】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、アンチスキッド制御に於いて許容される制動スリップ率を低くし若しくはアンチスキッド制御が開始され易くすることにより前記制動力の比を低く変更するよう構成される(請求項6の構成)。
【0014】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前輪に対する後輪の制動スリップ率又は運転者の制動操作量が基準値以上であるときには前輪に対する後輪の制動力の比を低下させる前後輪制動力配分制御に於いて、前記基準値を低くすることにより前記制動力の比を低く変更するよう構成される(請求項7の構成)。
【0015】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、衝突の可能性があると判定された場合には操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合に応じて運転者の制動操作量又は制動力制御目標値に対する実制動力の比が変更されるので、操舵による衝突回避可能性の度合や制動による衝突回避可能性の度合が考慮されない従来の制動力制御装置の場合に比して、衝突回避可能性の状況に応じて車輪に付与される制動力を適正に制御することができ、これにより車輌の衝突回避の効果を向上させることができる。
【0016】
また一般に、操舵による衝突回避可能性の度合が低いときには、車輪の制動力が増大されても操舵による衝突回避の効果はそれほど低下せず、車輪の制動力を増大させて車輌をできるだけ効果的に減速させた方が衝突回避の可能性が高くなり、或いは衝突の影響を低減することができる。
【0017】
上記請求項2の構成によれば、操舵による衝突回避可能性の度合が低いときにはそれが高いときに比して前記制動力の比が高く変更されるので、操舵による衝突回避の効果を大きく低下させることなく車輌をできるだけ効果的に減速させることができ、これにより衝突回避の可能性を高くし或いは衝突の影響を低減することができる。
【0018】
また上記請求項3の構成によれば、操舵による衝突回避可能性の度合及び制動による衝突回避可能性の度合が高いときには操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合が低いときに比して前記制動力の比が低く変更されるので、車輪の制動力が過大に増大されることに起因して操舵による衝突回避の効果が低下することを防止し、これにより操舵による衝突回避の効果を確実に確保することができる。
【0019】
また上記請求項4の構成によれば、アンチスキッド制御に於いて許容される制動スリップ率を高くし若しくはアンチスキッド制御が開始され難くすることにより前記制動力の比が高く変更されるので、アンチスキッド制御により車輌の挙動が悪化することを防止しつつ車輪の制動力を高くして車輌を効果的に減速させることができ、前記基準値が高くされない場合に比して制動による衝突回避の効果を向上させることができる。
【0020】
また上記請求項5の構成によれば、前輪に対する後輪の制動スリップ率又は運転者の制動操作量が基準値以上であるときには前輪に対する後輪の制動力の比を低下させる前後輪制動力配分制御に於いて、前記基準値を高くすることにより前記制動力の比が高く変更されるので、前後輪制動力配分制御により車輌の挙動が悪化することを防止しつつ後輪の制動力を高くして車輌を効果的に減速させることができ、前記基準値が高くされない場合に比して制動による衝突回避の効果を向上させることができる。
【0021】
また上記請求項6の構成によれば、アンチスキッド制御に於いて許容される制動スリップ率を低くし若しくはアンチスキッド制御が開始され易くすることにより前記制動力の比が低く変更されるので、アンチスキッド制御により車輌の挙動が悪化することを効果的に防止しつつ車輪の制動力が過剰になることを確実に防止することができ、前記基準値が低くされない場合に比して操舵による衝突回避の効果を向上させることができる。
【0022】
また上記請求項7の構成によれば、前輪に対する後輪の制動スリップ率又は運転者の制動操作量が基準値以上であるときには前輪に対する後輪の制動力の比を低下させる前後輪制動力配分制御に於いて、前記基準値を低くすることにより前記制動力の比が低く変更されるので、前後輪制動力配分制御により後輪の制動力が過剰になることを確実に防止し車輌の挙動が悪化することを効果的に防止することができ、前記基準値が低くされない場合に比して操舵による衝突回避の効果を向上させることができる。
【0023】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、前方障害物までの距離及び前方障害物に対する自車の相対速度に基づき前方障害物との衝突の可能性を判定するよう構成される(好ましい態様1)。
【0024】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、前方障害物に対する自車の相対速度に基づき操舵による衝突回避限界距離を推定し、前方障害物までの距離と操舵による衝突回避限界距離との差が大きいほど操舵による衝突回避可能性の度合が高いと判定するよう構成される(好ましい態様2)。
【0025】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、前方障害物に対する自車の相対速度に基づき制動による衝突回避限界距離を推定し、前方障害物までの距離と制動による衝突回避限界距離との差が大きいほど制動による衝突回避可能性の度合が高いと判定するよう構成される(好ましい態様3)。
【0026】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、衝突の可能性があると判定された場合に於いて運転者により操舵が行われていないときには、操舵による衝突回避可能性の度合及び制動による衝突回避可能性の度合に拘わらず前記制動力の比を高く変更するよう構成される(好ましい態様4)。
【0027】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、前方障害物に対する自車の相対速度に基づき操舵による衝突回避限界距離を推定し、前方障害物までの距離が操舵による衝突回避限界距離未満であるときには前方障害物までの距離が操舵による衝突回避限界距離以上であるときに比して前記制動力の比を高く変更するよう構成される(好ましい態様5)。
【0028】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、前方障害物に対する自車の相対速度に基づき操舵による衝突回避限界距離及び制動による衝突回避限界距離を推定し、前方障害物までの距離が操舵による衝突回避限界距離以上であり且つ制動による衝突回避限界距離以上であるときには、前方障害物までの距離が操舵による衝突回避限界距離未満若しくは制動による衝突回避限界距離未満であるときに比して、前記制動力の比を低く変更するよう構成される(好ましい態様6)。
【0029】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、操舵による衝突回避可能性の度合は高いが制動による衝突回避可能性の度合が低いときには、前記制動力の比を操舵による衝突回避可能性の度合が低いときよりも低く且つ制動による衝突回避可能性の度合が高いときよりも高く変更するよう構成される(好ましい態様7)。
【0030】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様7の構成に於いて、前方障害物に対する自車の相対速度に基づき操舵による衝突回避限界距離及び制動による衝突回避限界距離を推定し、前方障害物までの距離が操舵による衝突回避限界距離以上であり且つ制動による衝突回避限界距離未満であるときには、前記制動力の比を前方障害物までの距離が操舵による衝突回避限界距離未満であるときに比して低く且つ前方障害物までの距離が制動による衝突回避限界距離以上であるときに比して高く変更するよう構成される(好ましい態様8)。
【0031】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、アンチスキッド制御に於ける制動スリップ率の基準値を高くすることにより、許容される制動スリップ率を高くし若しくはアンチスキッド制御が開始され難くするよう構成される(好ましい態様9)。
【0032】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6の構成に於いて、アンチスキッド制御に於ける制動スリップ率の基準値を低くすることにより、許容される制動スリップ率を低くし若しくはアンチスキッド制御が開始され易くするよう構成される(好ましい態様10)。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0034】
第一の実施形態
図1はアンチスキッド制御が行われる車輌に適用され衝突防止装置として構成された本発明による車輌用制動力制御装置の第一の好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【0035】
図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の駆動輪である左右の後輪を示している。従動輪であり操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L 及び18R を介して操舵される。
【0036】
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置30により制御される。
【0037】
車輪10FR〜10RLにはそれぞれ対応する車輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を周速度として検出する車輪速度センサ32FR〜32RLが設けられ、ステアリングコラムにはステアリングシャフト34の回転角を操舵角θとして検出する操舵角センサ36が設けられている。また車輌12には例えばレーザ光や電波を利用して前方障害物までの距離L及び前方障害物に対する自車の相対速度Vreを検出するレーダーセンサ38が設けられている。尚操舵角センサ36は車輌の右旋回方向を正として操舵角を検出する。
【0038】
図示の如く、車輪速度センサ32FR〜32RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号、操舵角センサ36により検出された操舵角θを示す信号、レーダーセンサ38により検出された前方障害物までの距離L及び前方障害物に対する相対速度Vreを示す信号は電子制御装置30に入力される。尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置30は例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。
【0039】
電子制御装置30は、図2に示されたフローチャートに従い、レーダーセンサ38により検出された前方障害物までの距離L及び前方障害物に対する自車の相対速度Vreに基づき前方障害物との衝突の虞れを判定し、前方障害物との衝突の虞れがあるときには前方障害物までの距離L及び相対速度Vreに基づき操舵による衝突回避可能性及び制動による衝突回避可能性を判定し、その判定結果に応じてアンチスキッド制御(ABS制御)の開始基準値を可変制御する。
【0040】
また電子制御装置30は、図3に示されたフローチャートに従い、各車輪の車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車体速度Vb及び各車輪の制動スリップ率SLi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、何れかの車輪の制動スリップ率SLiがアンチスキッド制御の開始基準値よりも大きくなり、アンチスキッド制御の開始条件が成立すると、アンチスキッド制御の終了条件が成立するまで、当該車輪について制動スリップ率が所定の範囲内になるようホイールシリンダ内の圧力を増減するアンチスキッド制御を行う。
【0041】
次に図2に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於けるアンチスキッド制御の開始基準値変更制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0042】
まずステップ10に於いては操舵角センサ36により検出された操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては前方障害物との衝突の虞れがあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0043】
この場合、前方障害物との衝突の虞れがあるか否かの判別は当技術分野に於いて公知の任意の態様にて行われてよく、例えば図4に示されている如く、レーダーセンサ38により自車100の走行路102の前方に障害物104が検出された場合に於いて、前方障害物104に対する自車100の相対速度Vreが大きいほど小さい基準値Loが演算され、前方障害物104までの距離Lが基準値Lo以下であるときに衝突の虞れがあると判定されてよい。尚図4の実線の矢印は操舵による衝突の回避を示し、破線の矢印は制動による衝突の回避を示している。
【0044】
ステップ30に於いては例えば操舵角θの微分値θdが演算されると共に、操舵角θの大きさ及び微分値θdの大きさがそれぞれ基準値以上であるか否かの判別により運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。尚運転者により操舵が行われているか否かの判別は車輌のヨーレート若しくは横加速度又はこれらの何れかと操舵角θ若しくは微分値θdとの組合せに基づいて行われてもよい。
【0045】
ステップ40に於いてはレーダーセンサ38により検出された前方障害物までの距離L及び相対速度Vreに基づき、操舵による衝突回避が可能であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。例えば図5の実線は操舵による衝突回避可能限界を示しており、距離Lが操舵による衝突回避可能限界よりも大きい場合に操舵による衝突回避が可能であると判定される。
【0046】
ステップ50に於いてはレーダーセンサ38により検出された前方障害物までの距離L及び相対速度Vreに基づき、制動による衝突回避が可能であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ70へ進む。例えば図5の破線は制動による衝突回避可能限界を示しており、距離Lが制動による衝突回避可能限界よりも大きい場合に制動による衝突回避が可能であると判定される。
【0047】
ステップ60に於いては基準値SLoが通常時の値SLon(正の定数)に設定され、ステップ70に於いてはアンチスキッド制御が早めに開始されると共に許容される制動スリップ率が低くなるよう、後述のアンチスキッド制御の開始判定に於ける制動スリップ率SLiの基準値SLoが通常時の値SLonよりも小さい操舵優先制御時の値SLos(正の定数)に設定され、ステップ80に於いてはアンチスキッド制御が開始され難くなるよう、基準値SLoが通常時の値SLonよりも大きい制動優先制御時の値SLob(正の定数)に設定される。
【0048】
次に図3に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態に於けるアンチスキッド制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に繰り返し実行される。
【0049】
まずステップ210に於いては車輪速度センサ32FR〜32RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ220に於いては車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて推定車体速度Vwbが演算され、ステップ230に於いては各車輪について推定車体速度Vb及び各車輪の車輪速度Vwiに基づきこれらの偏差を推定車体速度Vwbにて除算した値として制動スリップ率SLi(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0050】
ステップ240に於いては当該車輪についてアンチスキッド制御が行われているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ260へ進み、否定判別が行われたときにはステップ250へ進む。
【0051】
ステップ250に於いては例えば推定車体速度Vbが制御開始基準値Vbs(正の定数)以上であり且つ当該車輪の制動スリップ率SLiが上述の図2に示されたフローチャートに従って設定された基準値SLo以上であるか否かの判別により、当該車輪についてアンチスキッド制御の開始条件が成立しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図3に示された制御ルーチンを一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ270へ進む。
【0052】
ステップ260に於いては当該車輪についてアンチスキッド制御の終了条件が成立しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはそのまま図3に示された制御ルーチンを一旦終了し、否定判別が行われたときにはステップ270へ進む。
【0053】
ステップ270に於いては例えば車輪速度Vwiの時間微分値として演算される車輪加速度及び車輪の制動スリップ率SLiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて制御モードが増圧モード、保持モード、減圧モードの何れかに決定される。
【0054】
ステップ280に於いては例えば図には示されていない前後加速度センサにより検出された車輌の前後加速度Gxに基づき演算される車輌の減速度Gxb、制御モード、車輪の制動スリップ率SLiに基づき各車輪の増減圧制御弁の目標デューティ比Dti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ290に於いては目標デューティ比Dtiに応じて各車輪の増減圧制御弁がデューティ比制御されることにより、各車輪の制動圧が適正な値になるよう制御される。
【0055】
かくして図示の第一の実施形態によれば、ステップ20に於いて前方障害物との衝突の虞れがあると判定されると、ステップ30に於いて運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われ、運転者により操舵が行われているときにはステップ40及び50に於いてそれぞれ操舵による衝突回避が可能であるか否かの判別及び制動による衝突回避が可能であるか否かの判別が行われる。
【0056】
運転者により操舵が行われていない場合や運転者により操舵が行われているが操舵による衝突回避が不可能である場合には、ステップ80に於いてアンチスキッド制御が開始され難くなるよう、アンチスキッド制御に於ける制動スリップ率SLiの基準値SLoが通常時の値SLonよりも大きい制動優先制御時の値SLobに設定され、運転者により操舵が行われており操舵による衝突回避が可能であるが制動による衝突回避が不可能である場合には、ステップ60に於いて基準値SLoが通常時の値SLonに設定され、運転者により操舵が行われており操舵による衝突回避及び制動による衝突回避の何れも可能である場合には、ステップ70に於いてアンチスキッド制御が早めに開始されると共に許容される制動スリップ率が低くなるよう、基準値SLoが通常時の値SLonよりも小さい操舵優先制御時の値SLosに設定される。
【0057】
従って前方障害物との衝突の虞れがある状況に於いて、操舵による衝突回避が可能であるか否か及び制動による衝突回避が可能であるか否かに応じてアンチスキッド制御を適正に実行することができ、特に操舵による衝突回避が可能である場合には、アンチスキッド制御が開始され易くして許容される制動スリップ率を低くし、できるだけ車輪の横力の低下を抑制して効果的に操舵による衝突回避効果を向上させることができ、また操舵による衝突回避が不可能である場合には、アンチスキッド制御が開始され難くして許容される制動スリップ率を高くし、できるだけ効果的に制動力を発生させて制動による衝突回避効果を向上させ、或いは衝突の影響をできるだけ低減することができる。
【0058】
特に図示の第一の実施形態によれば、ステップ30に於いて運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われ、運転者により操舵が行われていないときには、操舵による衝突回避及び制動による衝突回避が可能であるか否かに拘わらずステップ80に於いて基準値SLoが制動優先制御時の値SLobに設定されるので、運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われることなくステップ40以降が実行される場合に比して、運転者により操舵が行われていない状況に於ける車輌の衝突回避効果を向上させることができる。
【0059】
第一及び第二の修正例
図7及び図8はそれぞれ第一の実施形態の第一及び第二の修正例に於けるアンチスキッド制御の開始基準値変更制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図7及び図8に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0060】
図7に示された第一の修正例に於いては、上述の第一の実施形態に於けるステップ50に対応する判別は実行されず、ステップ40に於いて肯定判別が行われたときにはステップ60へ進み、制動スリップ率SLiの基準値SLoが通常時の値SLonに設定される。
【0061】
従って図示の第一の修正例によれば、制動による衝突回避が可能であるか否かの判別が行われず、運転者により操舵が行われており操舵による衝突回避が可能である場合には、基準値SLoが通常時の値SLonに設定されるので、前方障害物との衝突の虞れがある状況に於いて、操舵による衝突回避が可能であるか否かに応じてアンチスキッド制御を適正に実行することができ、また上述の第一の実施形態の場合に比して簡便にアンチスキッド制御を実行することができる。
【0062】
図8に示された第二の修正例に於いては、ステップ20〜40に於いてそれぞれ否定判別が行われた場合にもステップ60に於いて制動スリップ率SLiの基準値SLoが通常時の値SLonに設定され、運転者により操舵が行われていない場合や操舵による衝突回避が不可能である場合にも、基準値SLoは通常時の値SLonよりも大きい制動優先制御時の値SLobに設定されない。
【0063】
従って図示の第二の修正例によれば、前方障害物との衝突の虞れがある状況に於いて、操舵による衝突回避が可能であるか否か及び制動による衝突回避が可能であるか否かに応じてアンチスキッド制御を適正に実行することができ、また上述の第一の実施形態の場合に比して簡便にアンチスキッド制御を実行することができる。
【0064】
第二の実施形態
図9は前後輪制動力配分制御装置として構成された本発明による車輌用制動力制御装置の第二の実施形態に於ける前後輪制動力配分制御の基準値変更制御ルーチンを示すフローチャート、図10は第二の実施形態に於ける前後輪制動力配分制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図9及び図10に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。また図9に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0065】
この実施形態に於いては、電子制御装置30は前輪に対する後輪のスリップ率SLrを演算し、該スリップ率SLrが基準値SLro未満であるときには油圧回路22を制御することによってマスタシリンダ28と各車輪のホイールシリンダ24FL〜24RRを連通接続して各車輪の制動圧をマスタシリンダ圧Pmに制御し、スリップ率SLrが基準値SLro以上であるときには左右後輪のホイールシリンダ24RL及び24RRとマスタシリンダ28との連通を遮断することにより、後輪の制動圧を保持する前後輪制動力配分制御を行う。
【0066】
またこの実施形態に於ける電子制御装置30は、図9に示されたフローチャートに従い、レーダーセンサ38により検出された前方障害物までの距離L及び前方障害物に対する自車の相対速度Vreに基づき前方障害物との衝突の虞れを判定し、前方障害物との衝突の虞れがあるときには前方障害物までの距離L及び相対速度Vreに基づき操舵による衝突回避可能性及び制動による衝突回避可能性を判定し、その判定結果に応じて前後輪制動配分制御の基準値SLfroを可変制御する。
【0067】
この実施形態の前後輪制動力配分制御の基準値変更制御ルーチンのステップ10〜50は上述の第一の実施形態に於けるステップ10〜50とそれぞれ同様に実行され、ステップ90〜110はそれぞれ上述の第一の実施形態に於けるステップ60〜80と対応して実行される。
【0068】
特にステップ90に於いては前後輪制動力配分制御の基準値SLroが通常の値SLronに設定され、ステップ100に於いては前後輪制動力配分制御が早めに開始されるよう、基準値SLroが通常時の値SLronよりも小さい安定性優先配分時の値SLros(正の定数)に設定され、ステップ110に於いては前後輪制動力配分制御が開始され難くなるよう、基準値SLroが通常時の値SLronよりも大きい制動力優先制御時の値SLrob(正の定数)に設定される。
【0069】
図10に示された前後輪制動力配分制御ルーチンのステップ310に於いては、車輪速度センサ32FR〜32RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号の読み込みが行われ、ステップ320に於いては左右前輪の平均車輪速度Vwfが演算され、ステップ330に於いては左右後輪の平均車輪速度Vwrが演算される。
【0070】
ステップ340に於いては平均車輪速度Vwf、Vwrに基づき前輪に対する後輪のスリップ率SLrが下記の式1に従って演算される。
SLr=(Vwf−Vwr)/Vwf ……(1)
【0071】
ステップ350に於いてはスリップ率SLrが上述の図9に示されたフローチャートに従って設定された基準値SLro以上であるか否かの判別、即ち後輪の制動圧を保持すべき状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ370へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ360に於いて左右後輪の制動圧が保持される。
【0072】
ステップ370に於いては後輪の制動圧が保持されている状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ310へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ380に於いて後輪の制動圧保持が解除され、これにより左右後輪のホイールシリンダ24RL及び24RRがマスタシリンダ28と連通接続される。
【0073】
かくして図示の第二の実施形態によれば、上述の第一の実施形態の場合と同様、ステップ20に於いて前方障害物との衝突の虞れがあると判定されると、ステップ30に於いて運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われ、運転者により操舵が行われているときにはステップ40及び50に於いてそれぞれ操舵による衝突回避が可能であるか否かの判別及び制動による衝突回避が可能であるか否かの判別が行われる。
【0074】
運転者により操舵が行われていない場合や運転者により操舵が行われているが操舵による衝突回避が不可能である場合には、ステップ110に於いて前後輪制動力配分制御が開始され難くなるよう、前後輪制動力配分制御に於ける制動スリップ率SLrの基準値SLroが通常時の値SLronよりも大きい制動優先制御時の値SLrobに設定され、運転者により操舵が行われており操舵による衝突回避が可能であるが制動による衝突回避が不可能である場合には、ステップ90に於いて基準値SLroが通常時の値SLronに設定され、運転者により操舵が行われており操舵による衝突回避及び制動による衝突回避の何れも可能である場合には、ステップ100に於いて前後輪制動力配分制御が早めに開始されるよう、基準値SLroが通常時の値SLronよりも小さい安定性優先制御時の値SLrosに設定される。
【0075】
従って前方障害物との衝突の虞れがある状況に於いて、操舵による衝突回避が可能であるか否か及び制動による衝突回避が可能であるか否かに応じて前後輪制動力配分制御を適正に実行することができ、特に操舵による衝突回避が可能である場合には、前後輪制動力配分制御が開始され易くして許容される後輪の制動力を低くして操舵に伴う車輌挙動の悪化を効果的に防止することができ、また操舵による衝突回避が不可能である場合には、前後輪制動力配分制御が開始され難くして許容される後輪の制動力を高くし、できるだけ効果的に制動力を発生させて制動による衝突回避効果を向上させ、或いは衝突の影響をできるだけ低減することができる。
【0076】
特に図示の第二の実施形態によれば、ステップ30に於いて運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われ、運転者により操舵が行われていないときには、操舵による衝突回避及び制動による衝突回避が可能であるか否かに拘わらずステップ110に於いて基準値SLroが制動優先制御時の値SLrobに設定されるので、運転者により操舵が行われているか否かの判別が行われることなくステップ40以降が実行される場合に比して、運転者により操舵が行われていない状況に於ける車輌の衝突回避効果を向上させることができる。
【0077】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0078】
例えば上述の各実施形態に於いては、前方障害物までの距離Lが操舵による衝突回避可能限界以上であるか否か及び制動による衝突回避可能限界以上であるか否かにより、アンチスキッド制御又は前後輪制動力配分制御の基準値が変更されるようになっているが、アンチスキッド制御又は前後輪制動力配分制御の基準値が操舵による衝突回避可能性の度合及び制動による衝突回避可能性の度合、即ち操舵による衝突回避可能限界及び制動による衝突回避可能限界までの余裕度に応じて変更されるよう修正されてもよい。
【0079】
また上述の第一の実施形態に於いては、前方障害物までの距離Lが操舵による衝突回避可能限界以上であるか否か及び制動による衝突回避可能限界以上であるか否かに応じてアンチスキッド制御の開始基準値が変更されるようになっているが、アンチスキッド制御開始後の許容スリップ率も開始基準値と同様に変更されるよう修正されてもよい。
【0080】
また上述の第一の実施形態に於いては、前方障害物までの距離Lが操舵による衝突回避可能限界以上であるか否か及び制動による衝突回避可能限界以上であるか否かに応じて全ての車輪についてアンチスキッド制御の開始基準値が変更されるようになっているが、操舵輪についてのみアンチスキッド制御の基準値が変更されるよう修正されてもよい。
【0081】
更に上述の第二の実施形態に於いては、左右前輪の平均車輪速度Vwf及び左右後輪の平均車輪速度Vwrが演算され、平均車輪速度Vwf、Vwrに基づき前輪に対する後輪のスリップ率SLrが演算され、スリップ率SLrに基づき左右の車輪について同時に前後輪制動力配分制御が実行されるようになっているが、左前後輪及び右前後輪について個別に前後輪制動力配分制御が実行されるよう修正されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンチスキッド制御が行われる車輌に適用され衝突防止装置として構成された本発明による車輌用制動力制御装置の第一の好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於けるアンチスキッド制御の開始基準値変更制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】第一の実施形態に於けるアンチスキッド制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】車輌が前方障害物に衝突する虞れがある状況と共に、操舵による衝突回避及び制動による衝突回避を示す説明図である。
【図5】前方障害物に対する相対速度Vreと前方障害物までの距離Lとの間の関係として操舵による衝突回避可能限界及び制動による衝突回避可能限界を示すグラフである。
【図6】前方障害物に対する相対速度Vreと前方障害物までの距離Lとの間の関係としてアンチスキッド制御の通常制御設定領域、操舵優先制御設定領域、制動制御設定領域を示すグラフである。
【図7】第一の実施形態の第一の修正例に於けるアンチスキッド制御の開始基準値変更制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第一の実施形態の第二の修正例に於けるアンチスキッド制御の開始基準値変更制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】前後輪制動力配分制御装置として構成された本発明による車輌用制動力制御装置の第二の実施形態に於ける前後輪制動力配分制御の基準値変更制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】第二の実施形態に於ける前後輪制動力配分制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】前輪に対する後輪のスリップ率SLrと前輪及び後輪の制動圧との間の関係を通常配分制御時(実線)、安定性優先配分制御時(一点鎖線)、制動優先配分制御時(破線)について示すグラフである。
【図12】マスタシリンダ圧力Pmと前輪及び後輪の制動圧との間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
14…ステアリングホイール
16…パワーステアリング装置
20…制動装置
28…マスタシリンダ
30…電子制御装置
32FR〜32RL…車輪速度センサ
36…操舵角センサ
38…レーダーセンサ
Claims (7)
- 前方障害物との衝突の可能性に応じて制動力を制御する車輌用制動力制御装置に於いて、衝突の可能性があると判定された場合には操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合に応じて運転者の制動操作量又は制動力制御目標値に対する実制動力の比を変更することを特徴とする車輌用制動力制御装置。
- 操舵による衝突回避可能性の度合が低いときにはそれが高いときに比して前記制動力の比を高く変更することを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動力制御装置。
- 操舵による衝突回避可能性の度合及び制動による衝突回避可能性の度合が高いときには操舵による衝突回避可能性の度合若しくは制動による衝突回避可能性の度合が低いときに比して前記制動力の比を低く変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用制動力制御装置。
- アンチスキッド制御に於いて許容される制動スリップ率を高くし若しくはアンチスキッド制御が開始され難くすることにより前記制動力の比を高く変更することを特徴とする請求項2に記載の車輌用制動力制御装置。
- 前輪に対する後輪の制動スリップ率又は運転者の制動操作量が基準値以上であるときには前輪に対する後輪の制動力の比を低下させる前後輪制動力配分制御に於いて、前記基準値を高くすることにより前記制動力の比を高く変更することを特徴とする請求項2に記載の車輌用制動力制御装置。
- アンチスキッド制御に於いて許容される制動スリップ率を低くし若しくはアンチスキッド制御が開始され易くすることにより前記制動力の比を低く変更することを特徴とする請求項3に記載の車輌用制動力制御装置。
- 前輪に対する後輪の制動スリップ率又は運転者の制動操作量が基準値以上であるときには前輪に対する後輪の制動力の比を低下させる前後輪制動力配分制御に於いて、前記基準値を低くすることにより前記制動力の比を低く変更することを特徴とする請求項3に記載の車輌用制動力制御装置。
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