JP2005259928A - 高電圧機器用絶縁コイルとそれを用いた高電圧機器 - Google Patents

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隆浩 今井
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史雄 澤
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浩 幡野
Tetsushi Okamoto
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Tetsuo Yoshimitsu
哲夫 吉満
Hisashi Hirai
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Abstract

【課題】エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いた絶縁層を有する高電圧機器用絶縁コイルにおいて、耐熱性や耐酸化劣化特性の向上を図る。
【解決手段】高電圧機器用絶縁コイル3は、高電圧電流を流す導体1と、導体1の周囲に設けられた絶縁層2とを具備する。絶縁層2は、例えばマイカ紙と補強材とが熱硬化性樹脂層を介して接着されており、熱硬化性樹脂層には層状粘土鉱物が分散されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば発電機や回転電機等の高電圧機器に用いられる絶縁コイルとそれを用いた高電圧機器に関する。
発電機や回転電機等の高電圧機器に組み込まれる絶縁コイルは、電気を流すための導体と、導体同士間や導体と対地間を遮断するための絶縁層とにより構成されている。このような高電圧機器用絶縁コイルにおける絶縁層の形成方法としては、例えばエポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を絶縁テープに塗布した後にセミキュアしてプリプレグテープを作製し、このプリプレグテープを導体の周りに巻き回した後に硬化させる方法等が知られている。
ところで、高電圧機器用絶縁コイルは一般的に空気中にて高温下で使用される。このため、絶縁コイルの絶縁層を形成する熱硬化性樹脂には空気中の酸素が拡散し、酸化による劣化が生じる。この酸化劣化は絶縁コイルが使用される環境が高温であるほど顕著になる。また、熱硬化性樹脂のような高分子化合物は、ガラス転移温度以上の高温領域では網状構造をなす鎖状高分子の各部分の熱運動が激しくなってゴム状弾性を示す。熱硬化性樹脂が高温領域でゴム状弾性を示すと、その機械強度が著しく低下してしまう。
一方、発電機や回転電機等の高電圧機器には、その大容量化、高電圧化、小型軽量化等が求められており、これらを実現する手段として耐熱区分を上げることが考えられている。絶縁材料の耐熱区分としては、A種(105℃)、E種(120℃)、B種(130℃)、F種(155℃)、H種(180℃)等の区分があり、その耐熱区分を上げることで発電機や回転電機自体が発する熱に対する許容量の増加を目指している。
このような点に対して、絶縁コイルの絶縁層を形成する熱硬化性樹脂として、例えばエポキシ系樹脂をイミド系樹脂で変性した耐熱性樹脂が開発されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、エポキシ系樹脂をイミド系樹脂で変性した耐熱性樹脂は高いガラス転移温度を有するものの、高温領域において絶縁コイルの絶縁層中への酸素拡散を防ぐことはできず、徐々に酸化劣化が進行するという難点を有している。また、イミド系樹脂はエポキシ系樹脂と比較して高価であるため、絶縁樹脂材料ひいてはそれを用いた絶縁コイルの製造コストが増大してしまう。
また、有機高分子化合物と無機化合物との複合材料に関して、層状粘土鉱物をポリアミド樹脂やアイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂中に分散させることによって、機械強度や耐熱性等の特性を向上させた複合材料が提案されている(例えば特許文献2〜5参照)。層状粘土鉱物を用いて樹脂材料の耐熱性を向上させるためには、層状粘土鉱物の凝集を抑制し、樹脂材料中に均一に分散させることが不可欠である。
上述したポリアミド樹脂やアイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた複合材料においては、例えば2軸型の押出し混合機を使用して、加熱溶融した熱可塑性樹脂中に層状粘土鉱物を均一に分散させている。しかしながら、このような層状粘土鉱物の均一分散技術は、樹脂材料を加熱溶融して混合する方法であるため、加熱温度で粘度を制御することが可能なアイオノマー樹脂やポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂には有効であるものの、熱により硬化するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂には適用することができない。
特許第3167479号公報 特開平11-315204号公報 特開平11-310702号公報 特開平10-324810号公報 特開平10-158431号公報
上述したように、発電機や回転電機等の高電圧機器に用いられる絶縁コイルにおいて、層状粘土鉱物は導体間や導体と対地間を遮断する絶縁層の耐熱性の向上等に有効であると考えられるものの、このような特性を得るためには層状粘土鉱物を樹脂中に均一分散させる必要がある。このような点に対して、従来の層状粘土鉱物を用いた絶縁樹脂材料はポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂をベース材料としているため、ここで適用している層状粘土鉱物の均一分散方法はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂には適用することができない。
本発明はこのような課題に対処するためになされたものであって、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いた絶縁層を有する絶縁コイルにおいて、耐熱性の向上を図ると共に熱劣化(酸化劣化)を抑制することを可能にした高電圧機器用絶縁コイル、およびそのような絶縁コイルを用いた高電圧機器を提供することを目的としている。
本発明の高電圧機器用絶縁コイルは、導体と、前記導体の周囲に設けられた絶縁層とを具備する高電圧機器用絶縁コイルにおいて、前記絶縁層は層状粘土鉱物が分散された熱硬化性樹脂層を有することを特徴としている。また、本発明の高電圧機器は、上記した本発明の高電圧機器用絶縁コイルを具備することを特徴としている。
本発明の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、絶縁層を構成する熱硬化性樹脂層(樹脂硬化物層)中に分散される層状粘土鉱物は、その層間に四級アンモニウムイオンが存在することが好ましい。さらに、層状粘土鉱物はその表面がカップリング剤により改質されていることが好ましい。
本発明の高電圧機器用絶縁コイルによれば、絶縁層を構成する熱硬化性樹脂層中に分散された層状粘土鉱物に基づいて、耐熱性および耐酸化劣化特性の向上を図ることが可能となる。このような絶縁コイルを用いた高電圧機器は、例えば耐熱区分を上げることができるため、大容量化、高電圧化、小型軽量化等を実現することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による高電圧機器用絶縁コイルの要部構成を一部断面で示す図である。同図において、1は複数の導体素線を組合せて形成した導体である。この導体1の周囲には、導体1同士間や導体1と対地間を遮断する絶縁層2が設けられている。このような絶縁層2を有する導体1を所望のコイル形状に成形することによって、導体1に高電圧電流を流す高電圧機器用絶縁コイル3が構成される。
上記した絶縁層2は図2に示すように、マイカ紙4と補強材5とを熱硬化性樹脂層6を介して接着した積層構造を有している。熱硬化性樹脂層6は層状粘土鉱物7が分散された熱硬化性樹脂の硬化物8からなる。このような熱硬化性樹脂層6には、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が適用可能である。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。これらの熱硬化性樹脂のうち、特に絶縁性、機械的特性、耐熱性等の観点からエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
層状粘土鉱物7としては、例えばスメクタイト群、マイカ群、バーミキュライト群、雲母群からなる鉱物群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。スメクタイト群に属する層状粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ステブンサイト、ノントロナイト等が例示される。マイカ群に属する層状粘土鉱物としては、クロライト、フロゴパイト、レピドライト、マスコバイト、バイオタイト、パラゴナイト、マーガライト、テニオライト、テトラシリシックマイカ等が例示される。バーミキュライト群に属する層状粘土鉱物としては、トリオクタヘドラルバーミキュライト、ジオクタヘドラルバーミキュライト等が例示される。雲母群に属する層状粘土鉱物としては、白雲母、黒雲母、パラゴナイト、レビトライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等が例示される。これらの層状粘土鉱物は単独あるいは2種類以上の混合物として使用される。
また、マイカ紙4としては、例えば抄造した集成マイカを使用することができる。集成マイカは硬質無焼成集成マイカおよび硬質焼成集成マイカのいずれであってもよい。これら集成マイカの機械強度、耐熱性、含浸性等を向上させるために、アラミッドのような芳香族ポリアミドのフィブリッド(単繊維)を集成マイカに混合して抄造したり、ガラス短繊維を集成マイカに混合して抄造したものを使用してもよい。補強材5にはマイカ紙4を補強できるものであれば特に制限なく適用することができ、例えばガラスクロス、高分子フィルム(ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等)、ポリエステル不織布等の絶縁性シート材を使用することができる。
上述した絶縁層2はマイカ紙4に補強材5を接着する熱硬化性樹脂層6中に層状粘土鉱物7を分散させているため、耐熱性や耐酸化劣化特性を向上させることができる。すなわち、層状粘土鉱物7は熱硬化性樹脂8の分子鎖の間に入り込み、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂8の三次元網目構造を拘束する補強材として働くため、熱硬化性樹脂8自体が有するガラス転移温度以上の温度域においても、高い弾性率を維持することができる。また、絶縁コイル3が空気中で加熱された際に、熱硬化性樹脂層6中に存在する層状粘土鉱物7は、空気中の酸素が熱硬化性樹脂8中に侵入、拡散することを抑制するガスバリア効果を発現する。これらによって、熱硬化性樹脂層6ひいては絶縁層2の耐熱性および耐酸化劣化特性を向上させることが可能となる。
このような絶縁層2で周囲を覆った導体1を有する高電圧機器用絶縁コイル3は、例えば補強材5に層状粘土鉱物7を含有する熱硬化性樹脂組成物を接着剤としてマイカ紙4を貼り合せ、これを加熱乾燥して得られるプリプレグテープを、導体1の表面に巻き回した後に硬化させることにより得ることができる。プリプレグテープを作製するにあたって、熱硬化性樹脂組成物には(A)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(B)酸無水物系硬化剤と(C)層状粘土鉱物と(D)溶媒とを含有する酸無水物型エポキシ樹脂組成物を使用することが好ましい。
上記した酸無水物型エポキシ樹脂組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂としては炭素原子2個と酸素原子1個とからなる三員環を1分子中に2個以上持ち、硬化し得るエポキシ化合物であれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノール類等の多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂や、エピクロルヒドリンとガルボン酸との縮合によって得られるグリジジルエステル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやエピクロルヒドリンとヒダントイン類との反応によって得られるヒダントイン型エポキシ樹脂のような複素環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合物として使用される。
(B)成分の酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ヘッド酸、無水メチルハイミック酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ポリアゼライン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上の混合物として使用される。さらに、酸無水物系硬化剤と併用して、エポキシ樹脂の硬化反応を促進あるいは制御するエポキシ樹脂用硬化促進剤を使用してもよい。このような硬化促進剤としては、三級アミンやその塩、四級アンモニウム化合物、イミダゾール、アルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。
(B)成分の酸無水物系硬化剤の配合量は、その有効量の範囲内で適宜に設定されるものであるが、一般的には(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ当量に対して1/2当量〜2当量の範囲とすることが好ましい。(B)成分の酸無水物系硬化剤の配合量が(A)成分のエポキシ当量に対して1/2当量未満であると、(A)成分のエポキシ樹脂の硬化反応を十分に生起することができないおそれがある。一方、(B)成分の酸無水物系硬化剤の配合量が(A)成分のエポキシ当量に対して2当量を超えると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性等が低下するおそれがある。
(C)成分の層状粘土鉱物としては、上述したようにスメクタイト群、マイカ群、バーミキュライト群、雲母群からなる鉱物群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらのうちでも、エポキシ樹脂への分散性等の点からスメクタイト群に属する層状粘土鉱物を用いることが望ましい。(C)成分の層状粘土鉱物の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して1〜30質量部の範囲とすることが好ましい。(C)成分の層状粘土鉱物の配合量が(A)成分100質量部に対して1質量部未満であると、エポキシ樹脂硬化物(熱硬化性樹脂層6)の耐熱性や耐酸化劣化特性等を十分に高めることができないおそれがある。一方、(C)成分の層状粘土鉱物の配合量が(A)成分100質量部に対して30質量部を超えるとエポキシ樹脂硬化物が脆くなり、絶縁コイル3の絶縁層2としての基本特性が低下する。(C)成分の層状粘土鉱物の配合量は(A)成分100質量部に対して2〜15質量部の範囲とすることがより好ましい。
(D)成分の溶媒は、エポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤との混合物と相溶し、かつ粘度を所望の値まで下げることができる化合物であれば適宜に使用可能である。このような溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル等の有機溶媒、あるいは分子骨格にエポキシ基を有することで硬化物の骨格の一部となる、ブチルグリシジルエーテル、アルキレンモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル等の反応性溶媒を使用することができる。これらの溶媒は単独もしくは2種以上の混合物として使用することができる。
(D)成分の溶媒の配合量は適宜に設定可能であるが、例えば(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して1〜200質量部の範囲とすることが好ましい。(D)成分の分散媒体の配合量が(A)成分100質量部に対して1質量部未満であると酸無水物型エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、プリプレグを作製する際に樹脂塗布層の均一性等が損なわれるおそれがある。一方、(D)成分の溶媒の配合量が(A)成分100質量部に対して200質量部を超えると硬化後に低分子量成分の量が多くなり、エポキシ樹脂硬化物(熱硬化性樹脂層6)の耐熱性等が低下するおそれがある。
なお、酸無水物型エポキシ樹脂組成物は上述した(A)〜(D)成分に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、前述した硬化促進剤や他の添加剤を必要に応じて含有していてもよい。酸無水物型エポキシ樹脂組成物に配合する他の添加剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合される各種公知の材料を適用することができ、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、チタンホワイト等の無機質充填剤、レベリング剤、消泡剤、顔料等が挙げられる。
ここで、絶縁層2の耐熱性や耐酸化劣化特性等の向上効果を再現性よく得る上で、層状粘土鉱物7を熱硬化性樹脂層6(熱硬化性樹脂の硬化物8)中に均一に分散させることが重要となる。熱硬化性樹脂層6中に層状粘土鉱物7を均一に分散させるためには、(C)成分として層間に四級アンモニウムイオンが存在する層状粘土鉱物を使用することが好ましい。すなわち、層状粘土鉱物はシリケート層が積層した構造を有しており、シリケート層の層間にイオン交換反応(インターカレーション)によりイオン、分子、クラスタ等の種々の物質を保持することできる。例えば、層状粘土鉱物のシリケート層の層間には種々の有機化合物を挿入することができる。このような性質を利用することによって、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に対する親和性を付与する有機化合物を、層状粘土鉱物のシリケート層間に挿入することができる。(C)成分の層状粘土鉱物の層間に挿入する有機化合物は、層間に挿入される度合や層間距離の拡大効果等を考慮して四級アンモニウムイオンを用いることが望ましい。
四級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、N-メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオン、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの四級アンモニウムイオンは単独もしくは2種類以上の混合物として使用することができる。
さらに、(C)成分の層状粘土鉱物としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との接着性を改善する、あるいは樹脂中での再凝集を抑制する等の目的で、その表面をカップリング剤で改質したものを使用することが好ましい。このような層状粘土鉱物の表面改質剤としてのカップリング剤には、例えばγ-グリシドオキシ-プロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピル-トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が用いられる。これらのカップリング剤は単独もしくは2種類以上の混合物として使用することができる。
酸無水物型エポキシ樹脂組成物を作製するにあたっては、まず上述した(C)成分の層状粘土鉱物、特に層間に四級アンモニウムイオン等を挿入すると共に、表面をカップリング剤で改質処理した層状粘土鉱物を、(A)成分のエポキシ樹脂と混合する。この際、層状粘土鉱物はエポキシ樹脂に対してせん断応力を加えて混練することが好ましい。このようなせん断応力による混練工程を適用することによって、エポキシ樹脂組成物中に層状粘土鉱物を均一に分散させることができる。せん断応力による混練は、例えば3本ロールミル混合機、ホモジナイザー混合機、ラボプラストミル混合機(東洋精機製作所社製)、ミラクルKCK(浅田鉄工所社製)、Distromix(エーテクジャパン社製)、Clear S55(エム・テクニック社製)等、混練時にせん断応力を発生させることが可能な混合装置を用いて実施することができる。特に、分散性に優れる3本ロールミル混合機を用いて層状粘土鉱物を混合することが好ましい。
上述した(A)成分のエポキシ樹脂と(C)成分の層状粘土鉱物との混合物に、さらに(B)成分の酸無水物系硬化剤と(D)成分の溶媒、さらには必要に応じて任意成分を混合することによって、(C)成分の層状粘土鉱物を均一に分散させた酸無水物型エポキシ樹脂組成物を得ることができる。このような酸無水物型エポキシ樹脂組成物を接着剤として用いてマイカ紙4と補強材5とを貼り合せ、これを加熱乾燥することによりプリプレグテープを作製する。そして、プリプレグテープを導体1の表面に巻き回した後、酸無水物型エポキシ樹脂組成物を硬化処理することによって、導体1の周囲を絶縁層2で覆った高電圧機器用絶縁コイル3が得られる。なお、ここでは酸無水物型エポキシ樹脂組成物について主として説明したが、他の熱硬化性樹脂組成物を適用する場合も同様である。
この実施形態の高電圧機器用絶縁コイル3は、例えば発電機や回転電機等の高電圧機器に用いられるものである。すなわち、本発明の高電圧機器の実施形態としては、高電圧機器用絶縁コイル3を具備する発電機や回転電機等が挙げられる。このような高電圧機器において、それを構成する絶縁コイル3は上述したように耐熱性や耐酸化劣化特性等に優れていることから、例えば高電圧機器の耐熱区分を上げることが可能となる。これによって、高電圧機器の大容量化、高電圧化、小型軽量化等を実現することができる。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
実施例1
まず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)100質量部に、四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土鉱物(コープケミカル社製、商品名:STN)10質量部と、シランカップリング剤1質量部とを添加し、これを3本ロールミル混合機(井上製作所社製、商品名:S−4 3/4×11)を10回以上通過させて混練した。次いで、この混合物に酸無水物系硬化剤・HN5500(日立化成社製、商品名)57質量部と溶媒としてメチルエチルケトン28質量部とを添加・混合し、層状粘土鉱物を含有する酸無水物型エポキシ樹脂組成物を作製した。
次に、補強剤として無アルカリガラスクロスを用意し、これに上記した層状粘土鉱物を含有する酸無水物型エポキシ樹脂組成物を接着剤として硬質焼成集成マイカ紙を貼り合わせた。これを加熱乾燥して作製したプリプレグテープを、コイル導体に1/2重ねで4回巻き付け、その上に離型テープを巻いた後、2mmの鉄板を当ててルミラーテープを巻き付けた。これを150℃×15時間の条件で硬化処理することによって、層状粘土鉱物を含有する酸無水物型エポキシ樹脂組成物を硬化させた。冷却後、離型テープ、鉄板およびルミラーテープを取り外して、目的とする絶縁コイルを作製した。この絶縁コイルを後述する特性評価に供した。
比較例1
上記した実施例1おいて、層状粘土鉱物を添加しない以外は同様にして酸無水物型エポキシ樹脂組成物を作製した。この酸無水物型エポキシ樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして絶縁コイルを作製した。この絶縁コイルを以下の特性評価に供した。
上記した実施例1および比較例1による各絶縁コイルの熱劣化特性を評価するために、各絶縁コイルの絶縁層から試験片を採取し、以下に示す方法で加熱減量測定を行った。まず、各試験片を260℃の恒温槽に入れ、時間ごとに取り出して、デシゲータ中で室温に戻した後、その質量を測定した。このようにして測定した加熱減量の測定結果を図3に示す。図3から明らかなように、実施例1による絶縁コイルは比較例1に比べて優れた耐熱劣化特性を有していることが分かる。
以下に、本発明の具体的な作用・効果について、実施例1と比較例1とを比較して説明する。実施例1による絶縁コイルの絶縁層には層状粘土鉱物が分散されているが、比較例1では分散されていない。図3に示した加熱減量の測定結果において、実施例1による絶縁層は比較例1による絶縁層に比べて、熱劣化による質量減少が小さいことが分かる。エポキシ樹脂等の高分子化合物は、ガラス転移温度以上の高温下におかれた場合に、熱による高分子鎖の切断および高分子中に侵入・拡散した酸素による酸化劣化が生じる。これらによって生成する低分子量化合物が揮発することで質量が減少する。
実施例1による絶縁コイルの絶縁層では、均一分散した層状粘土鉱物により空気中の酸素が樹脂中に侵入・拡散することを抑制するガスバリア効果が発現するため、優れた耐熱劣化特性を付与することができる。一方、比較例1による絶縁コイルの絶縁層は層状粘土化合物が存在していないため、酸素の侵入・拡散を抑制することができず、熱劣化により加熱時の質量減少が大きくなっている。このように、実施例1の絶縁コイルによれば優れた耐熱劣化特性を得ることが可能となる。
次に、プリプレグテープを作製する前の酸無水物型エポキシ樹脂組成物で作製した試験片の評価結果に基づいて、エポキシ樹脂中における層状粘土鉱物の分散状態が高電圧機器用絶縁樹脂組成物の耐熱性向上に及ぼす作用・効果を説明する。
実施例2
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)100質量部に、四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)10質量部と、シランカップリング剤(日本ユニカー社製)1質量部とを添加し、これを3本ロールミル混合機(井上製作所社製、商品名:S−4 3/4×11)を10回以上通過させて混練した。次いで、この混合物に酸無水物系硬化剤・HN5500(日立化成社製、商品名)57質量部を添加・混合した。この混合物を金型に流し込んで真空脱泡した後、一次硬化:80℃×15時間+二次硬化:150℃×15時間の条件で硬化処理することによって、短冊形試験片(80mm×20mm×3mm)を作製した。
実施例3
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)100質量部に、ナトリウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:SWN)10質量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン製社、商品名:5DMV−r型)を用いて混合した。次いで、この混合物に酸無水物系硬化剤・HN5500(日立化成社製、商品名)57質量部を添加・混合した。この混合物を金型に流し込んで真空脱泡した後、一次硬化:80℃×15時間+二次硬化:150℃×15時間の条件で硬化処理することによって、短冊形試験片(80mm×20mm×3mm)を作製した。
次に、実施例2および実施例3の絶縁材料試験片について、(1)動的粘弾性(DMA)の測定、(2)X線回折(XRD)の測定を、それぞれ以下のようにして実施した。なお、(1)動的粘弾性(DMA)は絶縁材料の耐熱特性を調べるために測定したものである。(2)X線回折(XRD)は絶縁材料中における層状粘土鉱物の分散状態を調べるために測定したしたものである。
(1)動的粘弾性(DMA)測定
動的粘弾性(DMA)は、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置(商品名:DMS−110)を使用して測定した。昇温速度2℃/分で加熱しながら、支点間距離を20mmで固定した試験片の中央に1Hzの正弦波的な荷重を加え、その荷重と歪の関係から貯蔵弾性率の温度依存性を求めた。その測定結果を図4に示す。
(2)X線回折(XRD)測定
層状粘土化合物はSiO4四面体が二次元状に配列したシート(シリケート層)からできており、このシートが積層した構造を有する粒径50〜150nmの微細な粒子である。各試料中における層状粘土鉱物の分散状態や層剥離状態を確認する手段の1つとして、広角X線回折(XRD)測定がある。一般に、XRD測定での2θ=3〜10°の範囲にある強い反射ピークは、層状シリケートの層構造を維持したまま樹脂中に分散していることを示し、また2θ=3〜10°の範囲に明瞭な反射ピークが存在しない場合は、層状シリケート化合物が層間で剥離し、剥離したシリケート層が均一に分散していることを示す。そこで、実施例2および実施例3で作製した試料のXRD測定(理学社製、型式:XRD−B)を行った。その結果を図5に示す。
図4から明らかなように、実施例2で作製した試料は実施例3で作製した試料に比べて耐熱性に優れていることが分かる。以下に、具体的な効果と作用を示す。実施例2では層間に四級アンモニウムイオンが存在する層状粘土鉱物を使用しているのに対して、実施例3では層間にナトリウムイオンが存在する層状粘土鉱物を使用している。
図4に示した実施例2と実施例3による試料のDMA測定結果において、実施例2による試料は室温での貯蔵弾性率を160℃付近まで維持し、160℃以上の温度で急激に低下している。一方、実施例3による試料は、室温での貯蔵弾性率が135℃付近までしか維持されず、135℃以上の温度で急激に低下している。また、実施例2による試料では、エポキシ樹脂における分子鎖の分子運動に伴うエネルギー損失を示すtanδのピークが、実施例3による試料に比べて高温側にシフトしている。
このような耐熱特性の違いは、充填した層状粘土鉱物のエポキシ樹脂中での分散状態に起因している。図5に示した実施例2および実施例3による試料のXRD測定結果において、実施例2による試料は2θ=3〜10°の範囲に明瞭な反射ピークが確認されなかった。これは充填した層状粘土鉱物が層間で剥離し、その剥離したシリケート層がランダムかつ均一に分散していることを示している。一方、実施例3による試料は2θ=7°付近に反射ピークが確認された。これは層状粘土化合物が層構造を維持したままエポキシ樹脂中に分散していることを示している。
この層状粘土化合物の分散状態の違いは、層状粘土化合物の種類、エポキシ樹脂と層状粘土化合物との混合方法、層状粘土化合物の表面処理の有無に関係している。実施例3の試料には層状粘土化合物としてスメクタイトSWN(商品名)が充填されている。SWNは積層したシリケート層の層間にナトリウムイオンが存在している。一方、実施例2の試料には層状粘土化合物としてスメクタイトSTN(商品名)が充填されており、STNは積層したシリケート層の層間に四級アンモニムイオンが存在している。STNはSWNの層間に存在するナトリウムイオンを四級アンモニウムイオンで置換することにより得られる。STNはその層間に四級アンモニウムイオンが存在することにより、SWNに比べてシリケート層間の距離が長く、かつ層間の雰囲気が親油性となっているため、エポキシ樹脂に対する親和性が高くなる。これに対して、SWNは層間に四級アンモニウムイオンではなくナトリウムイオンが存在しているため、エポキシ樹脂に対する親和性が低く、樹脂中での均一分散性に劣る。
また、実施例2で作製した試料においては、エポキシ樹脂と層状粘土鉱物とを3本ロールミル混合機を用いてせん断により混練しているが、実施例3ではエポキシ樹脂と層状粘土化合物を万能混合攪拌機で混ぜており、エポキシ樹脂と層状粘土鉱物との混合工程でせん断応力を加えていない。せん断応力による混練によれば、積層したシリケート層(層状粘土鉱物)をその層間から引き剥がそうとする力が働くため、実施例2では層剥離させたシリケート層をエポキシ樹脂中に均一分散させることができる。
さらに、実施例2では層状粘土鉱物の表面処理剤としてシランカップリング剤を添加しているが、実施例3ではシランカップリング剤を添加していない。カップリング剤は分散したシリケート層のエポキシ樹脂に対する濡れ性を向上させ、エポキシ樹脂と分散したシリケート層との接着を強くすると共に、分散したシリケート層の再凝集を抑制する。このため、実施例2では前述した四級アンモニウムイオンとせん断応力による混練の効果によりエポキシ樹脂中に均一分散したシリケート層が再凝集することなく、その均一な分散状態が維持されている。一方、実施例3ではシランカップリング剤を添加していないため、エポキシ樹脂と分散したシリケート層との接着力が弱く、層状粘土鉱物は凝集体もしくは層剥離していない状態でエポキシ樹脂中に存在している。
このように、実施例2による試料は均一に分散した層状粘土鉱物のシリケート層がエポキシ樹脂の分子鎖の間に入り込み、エポキシ樹脂の三次元網目構造を拘束する補強材として有効に働くため、160℃付近まで分子鎖の運動を抑制し、高温下でも室温の貯蔵弾性率を維持することができる。これによって優れた耐熱性を発現している。一方、実施例3においては、層状粘土鉱物は凝集体もしくは層剥離していない状態でエポキシ樹脂中に存在しているため、実施例2に比べてエポキシ樹脂の三次元網目構造の拘束力が弱く、135℃付近から貯蔵弾性率が低下している。
本発明の一実施形態による高電圧機器用絶縁コイルの要部構成を一部断面で示す図である。 図1に示す高電圧機器用絶縁コイルの絶縁層を拡大して示す断面図である。 実施例1および比較例1により作製した絶縁コイルの絶縁層の加熱減量測定結果を示す図である。 実施例2および実施例3により作製した絶縁材料試料の耐熱特性を表す動的粘弾性の測定結果を示す図である。 実施例2および実施例3により作製した絶縁材料試料における層状粘土鉱物の分散状態を表すX線回折の測定結果を示す図である。
符号の説明
1…導体、2…絶縁層、3…高電圧機器用絶縁コイル、4…マイカ紙、5…補強材、6…熱硬化性樹脂層、7…層状粘土鉱物。

Claims (8)

  1. 導体と、前記導体の周囲に設けられた絶縁層とを具備する高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記絶縁層は層状粘土鉱物が分散された熱硬化性樹脂層を有することを特徴とする高電圧機器用絶縁コイル。
  2. 請求項1記載の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記絶縁層は、補強材に層状粘土鉱物を含有する熱硬化性樹脂組成物を介してマイカ紙を貼り合せたプリプレグテープを、前記導体の表面に巻き回した後に硬化させて形成した層からなることを特徴とする高電圧機器用絶縁コイル。
  3. 請求項2記載の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤と前記層状粘土鉱物と溶媒とを含有する酸無水物型エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする高電圧機器用絶縁樹脂組成物。
  4. 請求項2または請求項3記載の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記層状粘土鉱物はせん断応力による混練により前記熱硬化性樹脂組成物中に分散されていることを特徴とする高電圧機器用絶縁コイル。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記層状粘土鉱物は、スメクタイト群、マイカ群、バーミキュライト群および雲母群からなる鉱物群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする高電圧機器用絶縁コイル。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記層状粘土鉱物の層間に四級アンモニウムイオンが存在することを特徴とする高電圧機器用絶縁コイル。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の高電圧機器用絶縁コイルにおいて、
    前記層状粘土鉱物の表面はカップリング剤により改質されていることを特徴とする高電圧機器用絶縁コイル。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の高電圧機器用絶縁コイルを具備することを特徴とする高電圧機器。
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