JP4476646B2 - 高電圧機器用の絶縁樹脂組成物、絶縁材料とその製造方法、および絶縁構造体 - Google Patents

高電圧機器用の絶縁樹脂組成物、絶縁材料とその製造方法、および絶縁構造体 Download PDF

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本発明は、例えば発電機、回転電機、送変電機器等の高電圧機器に用いられる絶縁樹脂組成物、それを用いた絶縁材料とその製造方法、および絶縁構造体に関する。
発電機や回転電機等に組み込まれる絶縁コイルは、電気を流すための導体と、導体同士間や導体と対地間を遮断するための絶縁層とを具備する。このような絶縁コイルの絶縁層には絶縁樹脂材料が使用されている。また、六弗化硫黄ガス絶縁開閉装置や管路気中送電装置等の送変電機器においては、例えば金属容器内で高圧導体を絶縁支持する絶縁部材として絶縁樹脂の注型部材が用いられている。このような高電圧機器の絶縁構造部材には、電気絶縁性、化学的安定性、機械的強度、耐熱性、コスト等の観点から、一般的にエポキシ樹脂をベース材料とする絶縁樹脂材料が用いられている。
上述したような用途において、エポキシ樹脂は硬質無焼成集成マイカや硬質焼成集成マイカ等からなるマイカ紙に塗布した含浸樹脂や、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素等の無機質充填剤を配合した注型樹脂等として使用されている。このように、高電圧機器の絶縁構造部材においては、エポキシ樹脂をマイカ紙やシリカ粒子等の無機化合物と複合化することで必要な特性を得ている。
ところで、高分子化合物と無機化合物とを組合せることで、その使用目的に応じた特性を付与する有機/無機複合材料の開発において、近年、層状粘土鉱物をポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂に分散させることによって、機械強度や耐熱性等の特性を向上させた複合材料が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。このような層状粘土鉱物を用いた有機/無機複合材料を製造するにあたっては、層状粘土鉱物の凝集を抑制し、樹脂中に均一に分散させる技術が不可欠である。
上記した層状粘土鉱物の均一分散技術に関して、例えば特許文献1にはアイオノマー樹脂に有機化クレイを添加、混合し、これを加熱溶融すると共に、2軸型の押出し混合機等を使用してせん断力を加えることによって、層状粘土鉱物をアイオノマー樹脂中で均一分散させる技術が記載されている。また、特許文献2および特許文献3には、水、トリポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩等の分散媒体に層状粘土鉱物を分散させた分散溶液を調製し、この分散溶液をポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂に混合することによって、層状粘土鉱物を樹脂中に均一分散させる技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の層状粘土鉱物の均一分散技術は、樹脂を加熱により溶融して混合する方法であるため、加熱温度で粘度を制御することが可能なアイオノマー樹脂やポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂には効果的であるものの、熱により硬化するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂には適用することができない。
また、特許文献2や特許文献3に記載の層状粘土鉱物の均一分散技術では、分散溶液の調製に使用した水、トリポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩等の分散媒体を最終的に除去する必要があるため、工業的に適した方法であるとは言えない。加えて、層状粘土鉱物の分散溶液を樹脂と混合した後に分散媒体の除去を行っても、分散媒体を樹脂から完全に除去することは困難であるため、高分子量の樹脂中に低分子量の分散媒体が存在することになり、絶縁樹脂材料の機械強度や耐熱性の低下を引き起こすおそれがある。
特開平10-324810号公報 特開平10-158431号公報 特開平9-111116号公報
上述したように、高電圧機器用の絶縁構造部材(絶縁材料)において、層状粘土鉱物は絶縁樹脂材料の機械強度や耐熱性等の向上に有効であるものの、層状粘土鉱物を樹脂中に均一分散させることが不可欠である。このような点に対して、従来の層状粘土鉱物を用いた絶縁樹脂材料はアイオノマー樹脂やポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂をベース材料としているため、ここで適用している層状粘土鉱物の均一分散方法はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂には適用することができないという問題や、硬化後の絶縁樹脂材料の機械強度や耐熱性等を低下させるというような問題があった。
本発明はこのような課題に対処するためになされたものであり、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂中に層状粘土鉱物を分散させるにあたって、分散媒体による樹脂硬化物の機械強度や耐熱性等の低下を抑制した上で、エポキシ樹脂中に層状粘土鉱物を均一分散させることを可能にした高電圧機器用絶縁樹脂組成物、そのような絶縁樹脂組成物を用いることで絶縁特性や耐熱性等を再現性よく向上させることを可能にした高電圧機器用絶縁材料とその製造方法、さらにはそのような絶縁材料を用いた高電圧機器用絶縁構造体を提供することを目的としている。
本発明の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物は、(A)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)層状粘土鉱物と、(D)前記(B)成分に対して反応性を有する反応性溶媒を50体積%以上含む分散媒体とを、必須成分として含有する組成物であって、前記(A)成分100質量部に対して前記(D)成分を1〜100質量部含有し、かつ前記反応性溶媒が1分子当たり1個のエポキシ基を有する有機化合物からなることを特徴としている。また、本発明の発電機器・送変電機器用絶縁材料は、上記した本発明の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物の硬化物からなることを特徴としている。
本発明の発電機器・送変電機器用絶縁材料の製造方法は、(A)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)層状粘土鉱物と、(D)1分子当たり1個のエポキシ基を有する有機化合物からなる前記(B)成分に対して反応性を有する反応性溶媒を50体積%以上含む、前記(A)成分100質量部に対して1〜100質量部の分散媒体とを用いて、発電機器・送変電機器用絶縁材料を製造するにあたり、前記反応性溶媒を含む分散媒体中で前記層状粘土鉱物を膨潤させる工程と、前記分散媒体で膨潤させた層状粘土鉱物を前記エポキシ樹脂中に混合する工程と、前記混合物に前記エポキシ樹脂用硬化剤を添加して混合する工程と、前記硬化剤を含む混合物を所望の形状に成形する工程と、前記成形体を前記硬化剤により硬化させる工程とを具備することを特徴としている。
本発明の発電機器・送変電機器用絶縁構造体は、上記した本発明の発電機器・送変電機器用絶縁材料からなる絶縁部材を具備することを特徴としている。
本発明の高電圧機器用絶縁樹脂組成物によれば、反応性溶媒を層状粘土鉱物の分散媒体として用いているため、層状粘土鉱物をエポキシ樹脂中に均一に分散させることができる。さらに、分散媒体としての反応性溶媒は硬化処理時にエポキシ樹脂硬化物中に取り込まれるため、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性等の低下を抑制することができる。これらによって、層状粘土鉱物に基づいて機械強度や耐熱性等の向上させた高電圧機器用絶縁材料を再現性よく提供することが可能となる。さらに、このような高電圧機器用絶縁材料を用いた絶縁構造体によれば、高電圧機器の特性や信頼性等を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明の一実施形態による高電圧機器用絶縁樹脂組成物は、(A)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)層状粘土鉱物と、(D)反応性溶媒を含む分散媒体とを必須成分として含有している。
上記した高電圧機器用絶縁樹脂組成物の必須成分のうち、(A)成分のエポキシ樹脂は1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物からなるものである。このようなエポキシ化合物としては、炭素原子2個と酸素原子1個とからなる三員環を1分子中に2個以上持ち、硬化し得る化合物であれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。
(A)成分のエポキシ樹脂の具体例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノール類等の多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂や、エピクロルヒドリンとガルボン酸との縮合によって得られるグリジジルエステル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやエピクロルヒドリンとヒダントイン類との反応によって得られるヒダントイン型エポキシ樹脂のような複素環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合物として使用される。
(B)成分のエポキシ樹脂用硬化剤としては、エポキシ樹脂と化学反応してエポキシ樹脂を硬化させ得るものであれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。このようなエポキシ樹脂用硬化剤としては、例えばアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール系硬化剤、ルイス酸系硬化剤、イソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
上記したアミン系硬化剤の具体例としては、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、ジプロプレンジアミン、ポリエーテルジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチル)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アミノエチルエタノールアミン、トリ(メチルアミノ)へキサン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロへキサン、N-アミノエチルピペラジン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、m-キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロへキセンジカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水ポリアゼライン酸等が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール等が挙げられる。また、ポリメルカプタン系硬化剤の具体例としては、ポリサルファイド、チオエステル等が挙げられる。上述した硬化剤はいずれも単独もしくは2種類以上の混合物として使用することができる。
(B)成分のエポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、使用した硬化剤の種類等に応じて有効量の範囲内で適宜に設定されるものであるが、一般的には(A)成分のエポキシ当量に対して1/2当量〜2当量の範囲とすることが好ましい。(B)成分の硬化剤の配合量が(A)成分のエポキシ当量に対して1/2当量未満であると、(A)成分のエポキシ樹脂の硬化反応を十分に生起することができないおそれがある。一方、(B)成分の硬化剤の配合量が(A)成分のエポキシ当量に対して2当量を超えると、絶縁樹脂組成物(エポキシ樹脂組成物)の硬化物の耐熱性等が低下するおそれがある。
さらに、(B)成分のエポキシ樹脂用硬化剤と併用して、エポキシ樹脂の硬化反応を促進あるいは制御するエポキシ樹脂用硬化促進剤を使用してもよい。特に、酸無水物系硬化剤を使用した場合、その硬化反応はアミン系硬化剤等の他の硬化剤と比較して遅いため、エポキシ樹脂用硬化促進剤を使用することが多い。酸無水物系硬化剤用の硬化促進剤としては、三級アミンまたはその塩、四級アンモニウム化合物、イミダゾール、アルカリ金属アルコキシド等を用いることが好ましい。
(C)成分の層状粘土鉱物としては、例えばスメクタイト群、マイカ群、バーミキュライト群、雲母群からなる鉱物群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。スメクタイト群に属する層状粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ステブンサイト、ノントロナイト等が例示される。マイカ群に属する層状粘土鉱物としては、クロライト、フロゴパイト、レピドライト、マスコバイト、バイオタイト、パラゴナイト、マーガライト、テニオライト、テトラシリシックマイカ等が例示される。バーミキュライト群に属する層状粘土鉱物としては、トリオクタヘドラルバーミキュライト、ジオクタヘドラルバーミキュライト等が例示される。雲母群に属する層状粘土鉱物としては、白雲母、黒雲母、パラゴナイト、レビトライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等が例示される。これらのうちでも、エポキシ樹脂への分散性等の点からスメクタイト群に属する層状粘土鉱物を用いることが望ましい。これらの層状粘土鉱物は単独あるいは2種類以上の混合物として使用することができる。
(C)成分の層状粘土鉱物の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して1〜30質量部の範囲とすることが好ましい。(C)成分の層状粘土鉱物の配合量が(A)成分100質量部に対して1質量部未満であると、エポキシ樹脂硬化物の機械強度や耐熱性等を十分に高めることができないおそれがある。一方、(C)成分の層状粘土鉱物の配合量が(A)成分100質量部に対して30質量部を超えるとエポキシ樹脂硬化物が脆くなり、高電圧機器用絶縁材料としての基本特性が低下する。(C)成分の層状粘土鉱物の配合量は(A)成分100質量部に対して5〜15質量部の範囲とすることがより好ましい。
また、(C)成分の層状粘土鉱物はシリケート層が積層した構造を有しており、シリケート層の層間にイオン交換反応(インターカレーション)によりイオン、分子、クラスタ等の種々の物質を保持することできる。例えば、層状粘土鉱物のシリケート層の層間には種々の有機化合物を挿入することができる。このような性質を利用することによって、エポキシ樹脂に対する親和性を付与する有機化合物を、シリケート層の層間に挿入した層状粘土鉱物を使用することが可能となる。シリケート層の層間に挿入する有機化合物は特に限定されるものではないが、イオン交換処理により層間に挿入される度合を考慮すると四級アンモニウムイオンを用いることが望ましい。
四級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、N-メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオン、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの四級アンモニウムイオンは単独もしくは2種類以上の混合物として使用することができる。
さらに、(C)成分の層状粘土鉱物は、エポキシ樹脂との接着性を改善する、あるいは樹脂中での再凝集を抑制する等の目的で、その表面をカップリング剤で改質して使用してもよい。このような層状粘土鉱物の表面改質剤としてのカップリング剤には、例えばγ-グリシドオキシ-プロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピル-トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル-トリメトキシシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が用いられる。これらのカップリング剤は単独もしくは2種類以上の混合物として使用することができる。
(D)成分の分散媒体は少なくとも反応性溶媒を含むものである。ここで言う反応性溶媒とは、(B)成分のエポキシ樹脂用硬化剤に対して反応性を有する溶媒であり、具体的には1分子当たり1個以上のエポキシ基を有する有機化合物等が用いられる。このようなエポキシ基を有する有機化合物としては、例えばブチルグリシジルエーテル、アルキレンモノグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの有機化合物は単独もしくは2種以上の混合物として使用することができる。
上述した反応性溶媒は、(A)成分のエポキシ樹脂に対する(C)成分の層状粘土鉱物の分散性を高めると共に、硬化時に(B)成分のエポキシ樹脂用硬化剤と反応してエポキシ樹脂硬化物中に取り込まれ、これによりエポキシ樹脂硬化物の耐熱性等の低下を抑制するものである。(D)成分の分散媒体はこのような反応性溶媒を単独で使用することが好ましい。ただし、分散媒体の50体積%以下の範囲であれば、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の非反応性溶媒を併用することができる。(D)成分の分散媒体は反応性溶媒を50体積%以上、さらには80体積%以上含むことが好ましい。反応性溶媒の量が分散媒体の50体積%未満であると、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性等が低下しやすくなる。
(D)成分の反応性溶媒を含む分散媒体の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。(D)成分の分散媒体の配合量が(A)成分100質量部に対して1質量部未満であると、(A)成分のエポキシ樹脂に対する(C)成分の層状粘土鉱物の分散性を十分に高めることができないおそれがある。一方、(D)成分の分散媒体の配合量が(A)成分100質量部に対して100質量部を超えると、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性等が低下するおそれがある。なお、上記した(D)成分の配合量は、絶縁樹脂組成物を調製する段階での配合量を示すものである。後述するように、(D)成分としての分散媒体の一部は硬化処理前(具体的には硬化剤の配合前)に除去してもよい。除去処理後の(D)成分の含有量は、例えば(A)成分100質量部に対して0〜10質量部の範囲であることが好ましい。
なお、高電圧機器用絶縁樹脂組成物は上述した必須成分としての(A)〜(D)成分に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、前述した硬化促進剤や他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。絶縁樹脂組成物に配合する他の添加剤には、通常エポキシ樹脂組成物に配合される各種公知の材料を適用することができ、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、チタンホワイト等の無機質充填剤、レベリング剤、消泡剤、顔料等が挙げられる。
上述した実施形態の高電圧機器用絶縁樹脂組成物は、例えば以下のようにして作製される。まず、(A)成分のエポキシ樹脂と(C)成分の層状粘土鉱物とを、(D)成分の反応性溶媒を含む分散媒体を用いて混合する。この際、反応性溶媒を含む分散媒体中で層状粘土鉱物を膨潤させた後、エポキシ樹脂中に混合することが好ましい。さらに、反応性溶媒を含む分散媒体による層状粘土鉱物の膨潤工程、および膨潤させた層状粘土鉱物のエポキシ樹脂中への混合工程は、せん断応力を加えて混練することが好ましい。
このように、反応性溶媒を含む分散媒体で層状粘土鉱物を膨潤させることによって、層状粘土鉱物のエポキシ樹脂に対する親和性が向上する。さらに、せん断応力を加えて混練することによって、層状粘土鉱物をエポキシ樹脂中に均一分散させることが可能となる。層状粘土鉱物のエポキシ樹脂に対する親和性は、前述した層状粘土鉱物の層間に挿入した有機化合物(例えば四級アンモニウムイオン)や表面改質処理によっても向上する。
次に、上記したエポキシ樹脂と層状粘土鉱物と反応性溶媒を含む分散媒体との混合物に、(B)成分のエポキシ樹脂用硬化剤を添加して混合する。このエポキシ樹脂用硬化剤の混合に先立って、反応性溶媒を含む分散媒体の一部を減圧処理等で除去してもよい。これによって、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性等をより一層向上させることができる。このように、エポキシ樹脂と層状粘土鉱物と分散媒体との混合物に、エポキシ樹脂用硬化剤を添加、混合することによって、目的とする高電圧機器用絶縁樹脂組成物が得られる。
上記した高電圧機器用絶縁樹脂組成物は、絶縁材料の使用用途に応じて、例えば含浸、塗布、注型、シート成形等の各種成形工程により所望形状の成形体に成形される。この成形体に硬化剤の種類に応じた硬化処理を施して硬化させることによって、高電圧機器用絶縁材料が得られる。なお、上記した絶縁樹脂組成物の製造工程において、前述したような任意成分は必要に応じて適宜に添加、混合される。
このようにして得られる高電圧機器用絶縁材料1は、例えば図1に示すように、(A)エポキシ樹脂成分と(B)硬化剤との反応により形成される三次元網状構造を有するエポキシ樹脂(硬化物)2中に、(C)層状粘土鉱物3が均一に分散されている。(D)成分の分散媒体中の反応性溶媒は、(B)硬化剤との反応により三次元網状構造(2)中に取り込まれる。従って、分散媒体によるエポキシ樹脂自体の特性低下を抑制した上で、(C)層状粘土鉱物3に基づいて機械強度や耐熱性等を向上させたエポキシ樹脂硬化物、すなわち高電圧機器用絶縁材料1を提供することができる。
この実施形態の高電圧機器用絶縁材料は、例えば発電機や回転電機等の高電圧機器に用いられる絶縁コイルの絶縁層や、ガス絶縁開閉装置や管路気中送電装置等の送変電機器(高電圧機器)に用いられる高圧導体の絶縁支持部材等に好適に使用されるものである。発電機や回転電機等に用いられる絶縁コイルは、高電圧電流を流すコイル導体と、これらコイル導体同士間およびコイル導体−対地間を遮断する絶縁層とを具備する。絶縁コイルの絶縁層は、例えばマイカ紙に絶縁樹脂組成物を含浸塗布し、これを硬化させることで得ることができる。また、送変電機器等の高電圧機器に用いられる高圧導体の絶縁支持部材は、金属容器内で高圧導体を絶縁支持するものであり、例えば絶縁樹脂組成物を注型、硬化させた注型絶縁物が用いられる。
なお、高電圧機器用絶縁材料は上記した絶縁コイルの絶縁層や高圧導体の絶縁支持部材(注型絶縁物)等に限られるものではなく、発電機用タービンエンド部の仕上げワニス、遮断器用絶縁ロッド、絶縁塗料、成形絶縁部品、FRP用含浸樹脂、ケーブル被覆材料等の各種用途に使用することが可能である。また場合によっては、パワーユニット絶縁封止材用高熱伝導絶縁シート、IC基板、LSI素子用層間絶縁膜、積層基板、半導体用封止材等に適用することもできる。
このように、本発明の高電圧機器用絶縁材料は各種の用途に適用可能である。すなわち、近年、産業・重電機器および電気・電子機器の小型化、大容量化、高周波帯域化、大電圧化、使用環境の過酷化等に伴い、注型絶縁物や含浸絶縁物等の高性能化、高信頼性化、高品質化並びに品質の安定化等が求められている。本発明の高電圧機器用絶縁材料はこれらの要求に合致するものであり、上述したような構成材料を選択的に使用することによって、エポキシ注型絶縁物やエポキシ含浸絶縁物等として、種々の産業・重電機器および電気・電子機器に適用することが可能である。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
実施例1
まず、反応性溶媒としてブチルグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:BGE)を用意し、このブチルグリシジルエーテル50質量部に四級アンモニウム塩が層間に挿入されている層状粘土鉱物(コープケミカル社製、商品名:STN)を10質量部添加し、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、商品名:MODEL450)を用いて膨潤させた後、3本ロールミル混合機(井上製作所社製、商品名:S−4 3/4×11)を10回以上通過させて混練した。
次いで、上記した層状粘土鉱物のブチルグリシジルエーテル膨潤溶液とシランカップリング剤・γ-グリシドドキシ-プロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、商品名:A187)1質量部を、100質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828)に加え、3本ロールミル混合機(井上製作所社製、商品名:S−4 3/4×11)を10回以上通過させて混練した。混合終了後、ブチルグリシジルエーテルの一部を100℃で減圧除去した。なお、減圧処理後のブチルグリシジルエーテルの残留量は約5質量部であった。
この後、上記した減圧処理後の混練物にエポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッド MH−700)を90質量部添加し、80℃で10分間の混合を行って高電圧機器用絶縁樹脂組成物を調製した。この絶縁樹脂組成物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空脱泡後に115℃×3時間(一次硬化)+150℃×15時間(二次硬化)の条件で硬化処理を施すことによって、目的とする高電圧機器用絶縁材料を作製した。この高電圧機器用絶縁材料を後述する特性評価に供した。
実施例2
上記した実施例1において、3本ロールミル混合機によるせん断応力を加えた混練と混練後の反応性溶媒の減圧除去を行わずに高電圧機器用絶縁材料を作製した。具体的には、まず反応性溶媒としてのブチルグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:BGE)10質量部に、四級アンモニウム塩が層間に挿入されている層状粘土鉱物(コープケミカル社製、商品名:STN)を2質量部添加し、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、商品名:MODEL450)を用いて膨潤させた。
次に、上記した層状粘土鉱物のブチルグリシジルエーテル膨潤溶液とシランカップリング剤・γ-グリシドドキシ-プロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、商品名:A187)1質量部を、100質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828)に加え、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて70℃で12時間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッド MH−700)を90質量部添加し、80℃で10分間の混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空脱泡後に115℃×3時間(一次硬化)+150℃×15時間(二次硬化)の条件で硬化させることによって、目的とする高電圧機器用絶縁材料を作製した。この高電圧機器用絶縁材料を後述する特性評価に供した。
比較例1
上記した実施例1において、四級アンモニウム塩が層間に挿入された層状粘土鉱物に代えて、層間にナトリウムイオンが存在する層状粘土鉱物を用い、これを直接ビスフェノールA型エポキシ樹脂に添加・混合すると共に、シランカップリング剤・γ-グリシドドキシ-プロピルトリメトキシシランを添加せずに絶縁材料を作製した。
具体的には、まずナトリウムイオンが層間に存在する層状粘土鉱物(コープケミカル社製、商品名:SWN)10質量部を、100質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828)に加え、万能混合攪拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて70℃で12時間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッド MH−700)を86質量部添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空脱泡後に115℃×3時間(一次硬化)+150℃×15時間(二次硬化)の条件で硬化させて絶縁材料を作製した。この絶縁材料を後述する特性評価に供した。
比較例2
上記した実施例1において、反応性溶媒であるブチルグリシジルエーテルに代えてトルエンを用いて層状粘土鉱物を膨潤させると共に、3本ロールミル混合機によるせん断応力を加えた混練およびトルエンの減圧除去を行わずに絶縁材料を作製した。
具体的には、まずトルエン(和光純薬製)10質量部に、四級アンモニウム塩が層間に挿入されている層状粘土鉱物(コープケミカル社製、商品名:STN)を2質量部添加し、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、商品名:MODEL450)を用いて膨潤させた後、3本ロールミル混合機(井上製作所社製、商品名:S−4 3/4×11)を10回以上通過させて混練した。次いで、この層状粘土鉱物のトルエン膨潤溶液とシランカップリング剤・γ-グリシドドキシ-プロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、商品名:A187)1質量部を、100質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828)に加え、3本ロールミル混合機(井上製作所社製,商品名:S−4 3/4×11)を10回以上通過させて混練した。
次に、上記した混練物にエポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッド MH−700)を80質量部添加し、80℃で10分間の混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空脱泡後に115℃×3時間(一次硬化)+150℃×15時間(二次硬化)の条件で硬化させて絶縁材料を作製した。この絶縁材料を後述する特性評価に供した。
上述した実施例1〜2および比較例1〜2で使用した各材料と製法の違いを表1にまとめて示す。
Figure 0004476646
次に、実施例1〜2および比較例1〜2による高電圧機器用絶縁材料について、(1)X線回折測定(XRD)、(2)動的粘弾性測定(DMA)、(3)絶縁破壊強さの測定を、それぞれ以下のようにして実施した。なお、(1)X線回折測定(XRD)は、絶縁材料中における層状粘土鉱物の分散状態を調べるために実施したものである。(2)動的粘弾性測定(DMA)は、絶縁材料の耐熱特性を調べるために実施したものである。(3)絶縁破壊強さの測定は、絶縁材料の絶縁特性を調べるために実施したものである。
(1)X線回折(XRD)は、絶縁材料の表面を紙やすり(#240)で削った後、測定用フォルダに絶縁材料を固定し、X線回折装置(理学社製、型式:XRD−B,CuKα線)により2θ=0〜10度の範囲で測定した。その測定結果を図2に示す。
(2)動的粘弾性(DMA)は、絶縁材料から短冊形試験片(幅10mm×厚さ3mm×長さ80mm)を切り出し、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置(商品名:DMS−110)を使用して実施した。昇温速度2℃/分で加熱しながら、支点間距離を20mmで固定した試験片の中央に1Hzの正弦波的な荷重を加え、その荷重と歪の関係から貯蔵弾性率の温度依存性を求めた。その測定結果を図3に示す。
(3)絶縁破壊強さは、針を樹脂でモールドした試験片(CIGRE共同試験手法に準じる)を作製し、針−平板電極により測定した。試料の底部に導電性ペイントを塗布し、平板電極上にセットして固定した後、フロリナート中、昇圧速度0.6kV/secにて、短時間昇圧法により破壊電圧を測定した(N=5)。なお、針電極先端と試料底部までの長さは3mmとし、針電極は先端角度30度、曲率半径5μmの直径1mm、長さ60mmの鋼線を使用した。図4に絶縁破壊強さの測定結果(平均電界)を示す。
図3の動的粘弾性の測定結果および図4の絶縁破壊強さの測定結果に示されるように、実施例1〜2による絶縁材料は比較例1〜2に比べて、優れた絶縁特性と耐熱特性を有していることが分かる。以下に、具体的な作用・効果を示す。まず、実施例1と比較例1とを比較する。実施例1による絶縁材料では、層間に四級アンモニウムイオンが存在する層状粘土鉱物を反応性溶媒に膨潤させた後、エポキシ樹脂と混合している。一方、比較例1では、層間にナトリウムイオンが存在する層状粘土鉱物をエポキシ樹脂に直接混合している。また、実施例1ではシランカップリング剤により層状粘土鉱物の表面を改質しているが、比較例1では改質していない。これらの材料および製造方法の違いは、層状粘土鉱物の絶縁材料中での分散状態に大きな影響を与える。
図2に示したX線回折の測定結果は、絶縁材料中における層状粘土鉱物の分散状態を示している。層状粘土鉱物はSiO4四面体が二次元状に配列したシート(シリケート層)からできており、このシートが積層した構造を有する微細な粒子である。X線回折測定において、2θ=2〜20度の範囲にある反射ピークは、層状粘土鉱物の層間で起こる回折に由来するピークであり、層状粘土鉱物が層構造を維持したまま樹脂中に存在することを意味する。また、2θ=2〜10度の範囲に明瞭な反射ピークが存在しない場合、層状粘土鉱物はその層間で剥離し、剥離した各層が均一に分散していることを示している。
実施例1のXRD測定結果では2θ=2〜10度の範囲に反射ピークが存在しない。つまり、実施例1による絶縁材料中では層状粘土鉱物がその層間で剥離し、均一に分散している。一方、比較例1では2θ=7度に強い反射ピークが確認できる。これはエポキシ樹脂中に混合した層状粘土鉱物が層構造を維持したままエポキシ樹脂中に存在していることを示している。層間に四級アンモニウムイオンが存在する層状粘土鉱物は、図5の模式図に示すように、四級アンモニウムイオンによりシリケート層11の表面エネルギーが低減されて層間距離が長くなり(図5(a))、層間が親油性雰囲気となっている。また、層状粘土鉱物は層間の四級アンモニウムイオンと反応性溶媒との溶媒和による膨潤する。このため、反応性溶媒12で膨潤させることによって、シリケート層11の表面エネルギーはさらに低減され、層間距離がさらに長くなる(図5(b))。
このような四級アンモニウムイオンと反応性溶媒による膨潤の効果によって、層状粘土鉱物のエポキシ樹脂に対する親和性が高くなり、さらに3本ロールミル混合機を用いてせん断応力を加えて混合することで、層状粘土鉱物は層間で剥離して、各層が絶縁材料中で均一に分散する。一方、比較例1では図6の模式図に示すように、層状粘土鉱物の層間にナトリウムイオンが存在しているため、層間の距離は短く、エポキシ樹脂に対する親和性が低い。このため、3本ロールミル混合機を用いてせん断応力を加えて混合しても、層状粘土鉱物を絶縁材料中に均一に分散させることができない。
さらに、実施例1の絶縁材料では層状粘土鉱物の表面がシランカップリング剤により改質されているが、比較例1の絶縁材料ではシランカップリング剤は添加されておらず、層状粘土好物の表面は改質されていない。シランカップリング剤は、その分子内にエポキシ樹脂に対して親和性が高い、あるいは反応する部位と層状粘土鉱物との親和性が高い、あるいは反応する部位が共存するため、層状粘土鉱物のエポキシ樹脂に対する濡れ性を向上させ、エポキシ樹脂との接着を強くすると共に、分散した層状粘土鉱物の再凝集を抑制することができる。このため、実施例1では、前述した四級アンモニウムイオン、せん断応力による混練、反応性溶媒による膨潤の効果によって、エポキシ樹脂中で均一分散した層状粘土鉱物が再凝集することなく、その均一な分散状態を維持し、エポキシ樹脂と層状粘土鉱物を強く接着することができる。一方、比較例2ではシランカップリング剤を添加していないため、エポキシ樹脂と層状粘土鉱物の接着力は弱く、層状粘土鉱物は凝集体の状態でエポキシ樹脂中に存在している。
上述した絶縁材料中で均一に分散した層状粘土鉱物は、絶縁材料に優れた絶縁特性と耐熱性を付与する。絶縁物の絶縁破壊では、絶縁物中に樹枝状の劣化(電気トリー)が発生、進展して最終的に破壊する、いわゆるトリーイング破壊の形態をとる。図7の模式図に示すように、実施例1の絶縁材料21は電圧の印加により電気トリーが発生しても、絶縁材料21中に均一に分散した層状粘土化合物22がその進展を抑制するため、高い破壊電圧を示す。なお、図中23は針電極の先端を示している。一方、図8の模式図に示すように、比較例1の絶縁材料24は層状粘土鉱物25が均一に分散していないため、電気トリーの進展を効率よく抑制することができず、高い破壊電圧を示すことができない。
また、耐熱特性に関しては図3の動的粘弾性測定の結果が示すように、実施例1の絶縁材料が165℃付近まで貯蔵弾性率E′の低下が起きないのに対し、比較例1の絶縁材料は140℃付近から貯蔵弾性率E′が急減に低下している。実施例1の絶縁材料は図1に示したように、エポキシ樹脂の三次元網状構造をなす鎖状高分子の各部分の熱運動が激しくなってゴム状弾性を示すガラス転移温度以上の温度においても、均一に分散した層状粘土鉱物がエポキシ樹脂の分子鎖の間に入り込み、三次元網目構造を拘束する補強材として働くため、165℃付近まで分子鎖の運動を抑制し、室温の貯蔵弾性率を維持することができる。これによって優れた耐熱性を発現している。一方、比較例1による絶縁材料においては層状粘土鉱物が均一に分散していないため、エポキシ樹脂の三次元網目構造を拘束することができず、エポキシ樹脂のガラス転移温度である140℃付近から、貯蔵弾性率が急激に低下してしまい、耐熱性を発現することができない。
次に、実施例2と比較例2とを比較する。実施例2の絶縁材料では、層状粘土鉱物を反応性溶媒として1分子当たり1個以上のエポキシ基を有する有機化合物(ブチルグリシジルエーテル)に膨潤させている。一方、比較例2の絶縁材料では非反応性溶媒であるトルエンに分散させている。層状粘土鉱物は反応性溶媒であるグリシジルエーテルにも非反応性溶媒であるトルエンにも膨潤し、これらの膨潤溶液をエポキシ樹脂と混合することで、層状粘土鉱物を絶縁材料中にほぼ均一に分散させることができる(図2のX線回折結果を参照/2θ=3度付近のピークは層剥離に至らず、層間距離が長くなったのみで、層剥離に至らなかった一部の層状粘土鉱物が絶縁材料中に残っていることを示している)。しかしながら、この膨潤溶媒の違いは絶縁材料の耐熱性に大きな影響を与える。
図3の動的粘弾性測定の結果が示すように、実施例2による絶縁材料は155℃付近まで室温での貯蔵弾性率を維持しているが、比較例2による絶縁材料は135℃付近から貯蔵弾性率が低下している。実施例2で用いた反応性溶媒のブチルグリシジルエーテルは、その分子内にエポキシ樹脂用硬化剤と反応するエポキシ基を持っている。このため、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤の硬化反応により形成される三次元網状構造に取り込まれる。一方、比較例2で用いた非反応性溶媒のトルエンはエポキシ樹脂用硬化剤と反応することはないため、三次元網状構造に取り込まれることはない。つまり、高分子量のエポキシ樹脂の三次元網状構造内に低分子量のトルエンが存在することとなり、絶縁材料の耐熱特性は著しく低下する。
上述したように、実施例2による絶縁材料では、層状粘土鉱物の膨潤溶媒(反応性溶媒)自身もエポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤の硬化反応により形成される三次元網状構造に取り込まれるため、層状粘土鉱物の均一分散性を維持した上で優れた耐熱特性が付与されている。すなわち、高い破壊電圧と優れた耐熱特性とを有する高電圧機器用絶縁材料を提供することが可能となる。
次に、実施例1と実施例2とを比較する。実施例1および実施例2による絶縁材料はいずれも優れた絶縁特性と耐熱性能を示すが、両者を比較した場合、実施例1による絶縁材料の方がより優れた絶縁特性と耐熱性能を示す。この差は実施例1と実施例2による絶縁材料の製造方法に起因している。実施例1による絶縁材料は、反応性溶媒に膨潤させた層状粘土鉱物をエポキシ樹脂に添加した後、3本ロールミル混合機を用いて剪断応力を加えて混練している。さらに、混練後に反応性溶媒を減圧除去している。一方、実施例2による絶縁材料は、反応性溶媒に膨潤させた層状粘土鉱物をエポキシ樹脂に添加した後、万能混合機で混合していると共に、混練後に反応性溶媒の減圧除去操作を実施していない。
層状粘土鉱物は反応性溶媒で膨潤させた後にエポキシ樹脂と混合することで、均一に分散させることができるが、実施例1の絶縁材料のように3本ロールミル混合機等を用いてせん断応力を加えて混練することで、積層した層状粘土鉱物の各層(シリケート層)をその層間で引き剥がそうとする力が働き、層剥離したシリケート層をエポキシ樹脂中により均一にかつ微細に分散させることができる。これによって、実施例1と実施例2の絶縁材料を比較した場合、図4に示したように、実施例1による絶縁材料の方がより高い絶縁破壊強さを示す。
また、層状粘土鉱物を膨潤させる反応性溶媒は、前述したようにエポキシ樹脂用硬化剤と反応するため、エポキシ樹脂の三次元網状構造に取り込まれ、絶縁材料の耐熱特性を著しく低下させることはない。しかしながら、低分子量の反応性溶媒の分子が高分子量のエポキシ樹脂の三次元網状構造に取り込まれることで、エポキシ樹脂の架橋密度が低下する。実施例1の絶縁材料は、減圧操作により最終的には反応性溶媒を除去しているため、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤は高い架橋密度で三次元網状構造を形成する。これによって、実施例1と実施例2の絶縁材料を比較した場合、図3の動的粘弾性の測定結果が示すように、実施例1による絶縁材料の方がより高い耐熱特性を示す。
本発明の一実施形態による高電圧機器用絶縁材料の微細構造を模式的に示す図である。 実施例1〜2および比較例1〜2により作製した絶縁材料における層状粘土鉱物の分散状態を表すX線回折の測定結果を示す図である。 実施例1〜2および比較例1〜2により作製した絶縁材料の耐熱特性を表す動的粘弾性の測定結果を示す図である。 実施例1〜2および比較例1〜2により作製した絶縁材料の絶縁特性を表す絶縁破壊強さの測定結果を示す図である。 本発明の実施例による層状粘土鉱物の層間距離を示す模式図である。 比較例による層状粘土鉱物の層間距離を示す模式図である。 本発明の実施例による絶縁材料中の層状粘土鉱物が電気トリーの進展を抑制する状態を模式的に示す図である。 比較例の絶縁材料中を電気トリーが進展する状態を模式的に示す図である。
符号の説明
1…高電圧機器用絶縁材料、2,21…エポキシ樹脂硬化物、3,22…層状粘土鉱物、11…シリケート層、12…反応性溶媒。

Claims (10)

  1. (A)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)層状粘土鉱物と、(D)前記(B)成分に対して反応性を有する反応性溶媒を50体積%以上含む分散媒体とを、必須成分として含有する組成物であって、
    前記(A)成分100質量部に対して前記(D)成分を1〜100質量部含有し、かつ前記反応性溶媒が1分子当たり1個のエポキシ基を有する有機化合物からなることを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物において、
    前記層状粘土鉱物はスメクタイト群、マイカ群、バーミキュライト群および雲母群からなる鉱物群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物。
  3. 請求項1または請求項2記載の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物において、
    前記層状粘土鉱物の層間に四級アンモニウムイオンが存在することを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物において、
    前記層状粘土鉱物の表面はカップリング剤により改質されていることを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物において、
    前記反応性溶媒はブチルグリシジルエーテル、アルキレンモノグリシジルエーテルおよびアルキルフェノールモノグリシジルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の発電機器・送変電機器用絶縁樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁材料。
  7. (A)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)層状粘土鉱物と、(D)1分子当たり1個のエポキシ基を有する有機化合物からなる前記(B)成分に対して反応性を有する反応性溶媒を50体積%以上含む、前記(A)成分100質量部に対して1〜100質量部の分散媒体とを用いて、発電機器・送変電機器用絶縁材料を製造するにあたり、
    前記反応性溶媒を含む分散媒体中で前記層状粘土鉱物を膨潤させる工程と、
    前記分散媒体で膨潤させた層状粘土鉱物を前記エポキシ樹脂中に混合する工程と、
    前記混合物に前記エポキシ樹脂用硬化剤を添加して混合する工程と、
    前記硬化剤を含む混合物を所望の形状に成形する工程と、
    前記成形体を前記硬化剤により硬化させる工程と
    を具備することを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁材料の製造方法。
  8. 請求項7記載の発電機器・送変電機器用絶縁材料の製造方法において、
    さらに、前記膨潤させた層状粘土鉱物を前記エポキシ樹脂中に混合した後、前記反応性溶媒を含む分散媒体の少なくとも一部を除去する工程を具備することを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁材料の製造方法。
  9. 請求項7または請求項8記載の発電機器・送変電機器用絶縁材料の製造方法において、
    前記層状粘土鉱物の膨潤工程および前記層状粘土鉱物の前記エポキシ樹脂中への混合工程で、せん断応力を加えて混練することを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁材料の製造方法。
  10. 請求項6記載の絶縁材料からなる絶縁部材を具備することを特徴とする発電機器・送変電機器用絶縁構造体。
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