JP2005236032A - 保護シートおよび半導体ウエハの加工方法 - Google Patents

保護シートおよび半導体ウエハの加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電チャックを用いて半導体ウエハを固定し、ウエハの発熱を伴う加工処理を行う際に、ウエハ外周部を、冷却手段を備えた加工テーブルに密着させ、放熱を効率良く行うことが可能な保護シートを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る保護シートは、多層基材上に粘着剤層が設けられてなり、真空下において発熱反応を伴う加工処理を半導体ウエハに施す際に、ウエハの片面に貼着される保護シートであって、
多層基材が収縮率の異なる2層以上の構成層を有し、
粘着剤層に近い構成層の、100℃における収縮率が−5〜+5%であり、
粘着剤層から遠い構成層の、100℃における収縮率が10〜30%であることを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、保護シートに関し、さらに詳しくは半導体ウエハに、真空下において発熱反応を伴う加工処理を施す際に、該ウエハの表面(回路面)または裏面を保護するために、ウエハの片面に貼着される保護シートに関する。
また、本発明はこの保護シートを用いた半導体ウエハの加工方法に関する。
半導体装置に要求される特性は多様化し、これに伴い半導体ウエハの加工プロセスも種々提案されている。このような様々な半導体ウエハの加工プロセスの幾つかとして、真空下においてウエハの発熱反応を伴う加工処理がある。
具体的には、たとえばウエハ裏面のプラズマエッチング処理がある。
ウエハを薄く研削する裏面研削工程においては、通常回転砥石を有する研削装置(グラインダー)が用いられている。グラインダーを用いた研削によりウエハ裏面には、破砕層と呼ばれる微小な傷の層が形成される。このような破砕層が存在すると、特に極薄のチップにおいて抗折強度が低下することが知られている。このため、この破砕層を除去するために、グラインダーによる機械的研削が終了した後、ウェットエッチングやCMP、ドライポリッシュ、プラズマエッチング等を行うことが検討されている。これらの中でも特にプラズマエッチングは、コストや環境負荷等の面から有望と考えられている。
ところで、上記の一連の裏面研削工程においては、裏面研削中に回路面を保護するために、回路面に表面保護シートよばれる再剥離可能な粘着シートが貼付されている。グラインダーを用いた裏面研削時には、回路面は表面保護シートにより保護され、また回路面側を表面保護シートを介して、真空チャックにより加工テーブルに固定して裏面研削を行っている。このような表面保護は、プラズマエッチング工程においても当然に要求される。
プラズマエッチングは、減圧下で行われるため、上記のような真空チャックでは吸着力を発生させることができなくなり、通常、静電チャックによる固定が行われる。ところが、静電チャックでは、ウエハの外周縁部分に対応するテーブルの内部には吸着用の電極シートは存在せず絶縁材料が位置している。このため、ウエハの外周部は静電チャックによる固定が不十分となる。
一方、プラズマエッチングにおいては、ウエハ裏面はプラズマに曝され発熱して高温になるため、加工テーブルには、水冷などによる冷却装置が備えられている。すなわち、エッチング中に、ウエハが高温になり、この熱によりウエハや表面保護シートが劣化することを防止するために、回路面側(表面保護シート側)は冷却装置を備えた加工テーブルに固定されることになる。
しかし、上述したように、静電チャックによる固定では、回路面外周部、すなわち表面保護シート外周部の固定が不十分になる。この結果、表面保護シートは外周が部分的に静電チャックテーブルより浮き上がり、テーブルより離れた表面保護シートはプラズマによりウエハがエッチングされる反応熱を冷却させられず蓄積してしまい、熱劣化をしてしまうことがある。熱劣化した表面保護シートは、ウエハの回路面に粘着剤が残着したり、剥離性能が失われてしまい、表面保護シートの用をなさなくなる。
このような問題は、ウエハ裏面のプラズマエッチング工程だけでなく、減圧下においてウエハの発熱反応を伴う加工処理を行う各種のプロセスにおいても、同様に発生する。たとえば、ウエハ表面への回路形成時には、スパッタリングなどにより導電膜を形成する場合があるが、この際に、裏面側を保護・固定するための保護シートが劣化する場合がある。
したがって、静電チャックを用いて半導体ウエハを固定し、ウエハの発熱を伴う加工処理を行う際には、ウエハ外周部(すなわち保護シート外周部)を、冷却手段を備えた加工テーブルに密着させ、放熱を効率良く行うことが求められる。
本発明は、加熱下でも保護シートを加工テーブルに密着し続けることで、保護シート外周部での確実に放熱を続けさせることを目的として、かかる目的を達成するため、保護シートの基材を収縮率の異なる2層以上の構成層からなる多層基材として、かつ構成層を特定の順で積層したことを特徴としている。
なお、特許文献1には、「少なくとも2層 以上の構成層を有する基材 上に、粘着剤層が塗布されてなるウエハ貼着用粘着シートにおいて、該基材 を構成する層の内、少なく
とも一層は、収縮率 が0.5〜20%の熱収縮性 フィルムからなり、少なくとも一層が非収縮性 フィルムからなり、かつ非収縮性 フィルム上に粘着剤層が塗布されてなることを特徴とするウエハ貼着用粘着シート」が開示されている。しかし、特許文献1に記載の粘着シートは、主としてダイシングテープに関するものであり、ダイシング工程後に紫外線照射等により発生するシートの伸びやシワを防止でき、しかもダイシングラインが不均一になったり、粘着剤と基材 との密着性が低下することがないウエハ貼着用粘着シート
を提供することを目的としており、上述したような、半導体ウエハの真空下における発熱反応を伴う加工処理については、何ら考慮されていない。
特許第3073239号
本発明は、静電チャックを用いて半導体ウエハを固定し、ウエハの発熱を伴う加工処理を行う際に、ウエハ外周部を、冷却手段を備えた加工テーブルに密着し続けさせ、放熱を効率良く行うことが可能な保護シートを提供することを目的としている。また本発明は該保護シートを用いて、ウエハの片面を保護しつつ、他の面に真空下において発熱反応を伴う加工処理を施す、半導体ウエハの加工方法を提供することを目的としている。
本発明に係る保護シートは、多層基材上に粘着剤層が設けられてなり、真空下において発熱反応を伴う加工処理を半導体ウエハに施す際に、ウエハの片面に貼着される保護シートであって、
多層基材が収縮率の異なる2層以上の構成層を有し、
粘着剤層に近い構成層の、100℃における収縮率が−5〜+5%であり、
粘着剤層から遠い構成層の、100℃における収縮率が10〜30%であることを特徴としている。
本発明に係る半導体ウエハの加工方法は、半導体ウエハの片面に、上記保護シートを貼着し、
該半導体ウエハに、真空下において発熱反応を伴う加工処理を施すことを特徴としている。
本発明の半導体ウエハの加工方法の好ましい態様の一つにおいては、保護シートが該半
導体ウエハに貼着され、真空下において発熱反応を伴う加工処理が半導体ウエハ裏面のプラズマエッチング、スパッタリングの何れかである。
このような本発明によれば、真空中でウエハの発熱を伴う加工処理を行う際に、ウエハ外周部を、冷却手段を備えた加工テーブルに密着し続けさせ、放熱を効率良く行うことが可能な保護シートが提供される。また本発明は、該保護シートを用いて、ウエハの片面を保護しつつ、他の面に真空下において発熱反応を伴う加工処理を施す、半導体ウエハの加工方法をも提供する。
以下、本発明について図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係る保護シート10は、多層基材1上に粘着剤層2が設けられてなり、
多層基材1が収縮率の異なる2層以上の構成層を有し、
粘着剤層2に近い構成層3の、100℃における収縮率が−5〜+5%、好ましくは−3〜+3%であり(以下、構成層3を「低収縮性フィルム3」と記載することがある)、
粘着剤層2から遠い構成層4の、100℃における収縮率が10〜30%、好ましくは15〜25%である(以下、構成層4を「高収縮性フィルム4」と記載することがある)。
なお、ここで収縮率は以下のようにして測定される値である。すなわち上記フィルムを100℃にて1分間加熱し、加熱前の寸法と加熱後の寸法とから、下記の数式1に基づき算出する。
Figure 2005236032
低収縮性フィルム3としては、従来、種々のものが知られているが、本発明においては、一般に被着体であるウエハにイオン汚染等の悪影響を与えないものであればいかなるものでも用いることができる。具体的には、具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢ビフィルムなどが用いられる。また重合体構成単位としてカルボキシル基を有する化合物を含む重合体フィルムあるいはこれと汎用重合体フィルムとの積層体を用いることもできる。
低収縮性フィルム3の厚さは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
高収縮性フィルム4としては、その素材としては前述した低収縮性フィルムと同じ種類のものが挙げられる。前述のフィルムの中でも、好ましくはポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のフィルムが好ましく用いられる。
高収縮性フィルム4の厚さは、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜70μmである。
低収縮性フィルム3と高収縮性フィルム4との収縮率の差は、好ましくは5〜35%、さらに好ましくは10〜30%の範囲にある。
本発明で用いる高収縮性フィルムと低収縮性フィルムとの違いは、その収縮率が異なる点にある。たとえば、ポリエチレンフィルムを製造する際に、その製造条件等を適宜設定することにより、収縮率の異なる二種のポリエチレンフィルムを製造することが可能である。
多層基材1は、上記の低収縮性フィルム3と高収縮性フィルム4とが積層されてなる。低収縮性フィルム3と高収縮性フィルム4とはドライラミネーションや共押出などにより直接積層されていてもよく、接着剤層などの他の樹脂層を介して積層されていてもよい。
粘着剤層2は、従来より公知の種々の感圧性粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、たとえばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線硬化型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。
エネルギー線硬化(エネルギー線硬化、紫外線硬化、電子線硬化)型粘着剤としては、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。また、水膨潤型粘着剤としては、たとえば特公平5−77284号公報、特公平6−101455号公報等に記載のものが好ましく用いられる。
エネルギー線硬化型粘着剤は、一般的には、アクリル系粘着剤と、エネルギー線重合性化合物とを主成分としてなる。
エネルギー線硬化型粘着剤に用いられるエネルギー線重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
さらにエネルギー線重合性化合物として、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物たとえば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなどを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートたとえば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどを反応させて得られる。
エネルギー線硬化型粘着剤中のアクリル系粘着剤とエネルギー線重合性化合物との配合比は、アクリル系粘着剤100重量部に対してエネルギー線重合性化合物は10〜500重量部、好ましくは20〜300重量部、特に好ましくは50〜250重量部の範囲の量で用いられることが望ましい。この場合には、得られる保護シートは初期の接着力が大きく、しかもエネルギー線照射後には粘着力は大きく低下する。したがって、保護シートの剥離時には、ウエハとエネルギー線硬化型粘着剤層との界面での剥離が容易になる。
また、エネルギー線硬化型粘着剤は、側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体から形成されていてもよい。このようなエネルギー線硬化型共重合体は、粘着性とエネルギー線硬化性とを兼ね備える性質を有する。側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体は、たとえば、特開平5−32946号公報、特開平8−27239号公報等にその詳細が記載されている。
エネルギー線硬化型粘着剤に光重合開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などが挙げられ、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが例示できる。
光重合開始剤の使用量は、粘着剤の合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
上記のようなアクリル系エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線照射前にはウエハ等の被着体に対して充分な接着力を有し、エネルギー線照射後には接着力が著しく減少する。すなわち、エネルギー線照射前には、粘着シートとウエハ等の被着体とを充分な接着力で密着させ表面保護を可能にし、エネルギー線照射後には、ウエハ等の被着体を容易に剥離することができる。
このような本発明の保護シート10における粘着剤層の厚みは、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜70μmである。
図1では、本発明の保護シート10の例として、粘着剤層2、低収縮性フィルム3および高収縮性フィルム4からなる保護シートを示したが、本発明ではこの構成に限定されず、後述する収縮挙動を損なわない限り、種々の変形を行ってもよい。たとえば粘着剤層2と低収縮性フィルム3との間に他の樹脂層が介在していてもよく、また低収縮性フィルム3と高収縮性フィルム4との間に他の樹脂層あるいは接着剤が介在していてもよい。さらに、高収縮性フィルム4上に、さらに耐熱コーティング等の処理が施されていても良い。
本発明の保護シート10は、上記のような構成を有し、真空下において発熱反応を伴う加工処理を半導体ウエハの片面に施す際に、ウエハの他方の面に貼着される。このような
加工処理の具体例については、後述する。
本発明の保護シート10は上述したように、粘着剤層2と、100℃における収縮率が−5〜+5%の低収縮性フィルム3と、100℃における収縮率が10〜30%の高収縮性フィルム4とがこの順に積層されてなる。隣接する低収縮性フィルム3と高収縮性フィルム4との収縮率の差により、この温度近辺では、必ず図2に示すような粘着剤層2側に凸状にカールしようとする力が発生する。
したがって、図3に示すように、表面保護シート10の粘着剤層2を半導体ウエハ11に貼着し、多層基材1側を静電チャックよりなる加工テーブル12上に固定し、半導体ウエハの裏面をプラズマによりエッチングすると次のような現象が起こる。
ウエハ外周部分に対応する静電チャックテーブルは吸着力がないため、表面保護シート10はウエハ外周部分で浮きあがろうとする。浮きあがりが起こると、テーブル内部への排熱が行われないようになり表面保護シート10は昇温する。しかし、表面保護シート10が昇温すれば表面保護シート10は図2に示す方向へカールし、再び表面保護シート10はテーブルに密着し排熱が可能となって昇温は止まるようになる。実際は表面保護シート10にはある程度の温度以上になると、図3に示すような力が生まれるため、テーブルに密着し続けることになる。これによりウエハの裏面がプラズマによりエッチングされて発生する熱が表面保護シートに蓄積することなく、加工テーブル12を通して放熱されるので、表面保護シート10の熱劣化は回避されることになる。
このため、本発明に係る保護シート10は、真空下においてウエハの発熱反応を伴う加工処理を半導体ウエハの片面に施す際に、ウエハの他方の面を保護するためのシートとして使用される。
このような真空下におけるウエハの発熱反応を伴う加工処理としては、ウエハ裏面へのプラズマエッチングが挙げられる。
プラズマエッチングは、ウエハの裏面の機械的研削により生じた破砕層を除去する工程である。この工程は真空中で行われ、またウエハはプラズマに曝されるため発熱する。また、この際、ウエハの回路面は保護シート10により保護され、ウエハは保護シート10を介して加工テーブル12に固定される。この工程は、真空中で行われるため、ウエハの固定は静電チャックを用いて行われる。静電チャックにおいては、固定部の端部が絶縁されている必要があるため、ウエハ回路面に貼着されている保護シートの外周部においては、静電チャックによる固定が不十分になり、加工テーブル12との密着性が低下している。
しかし、本発明の保護シート10を用いることで、プラズマエッチング処理時の熱により、保護シート10に収縮力が発生し、この力が保護シート10の外周部を加工テーブル12に押し付ける力(図3中、矢印で示す)として作用し、保護シート10が加工テーブル12に密着するようになる。加工テーブル12には、水冷パイプなどの冷却手段が装備されているため、保護シート10からの放熱が効率良く行われるようになり、保護シート10の熱劣化が防止される。この結果、保護シートの劣化により粘着剤層あるいは基材が融解したりすることが無くなり、ウエハの裏面あるいは加工テーブル上に樹脂成分の残着することもなくなる。
本発明の保護シート10は、真空下におけるウエハの発熱反応を伴う加工処理に用いられ、上記したウエハ裏面へのプラズマエッチングに限定されず、スパッタリングによる膜形成など種々のプロセスに採用できる。
このような本発明によれば、ウエハのプラズマエッチングのように、真空中でウエハの発熱を伴う加工処理を行う際に、ウエハ外周部を、冷却手段を備えた加工テーブルに密着し続けさせ、放熱を効率良く行うことが可能な保護シートが提供される。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例)
低収縮性フィルム3として100℃における熱収縮率が0.1%のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)に強粘着性のアクリル粘着剤(リンテック社製、PK)を厚さ10μmとなるように塗布乾燥し、その粘着剤面上に、高収縮性フィルム4として100℃における熱収縮率が25%のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を積層し多層基材1とした。
続いて、アクリルポリマー(アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/ヒドロキシエチルアクリレート(65/30/5)の共重合体)100重量部に分子量約3,000のウ
レタンアクリレート200重量部とイソシアナート系架橋剤2重量部からなる粘着剤を配合し、これを剥離シート(リンテック社製、SP-PET3811)の剥離面上に、厚さ20μmとなるよう塗布乾燥し、多層基材1の低収縮性フィルム側3に貼付し、表面保護シート10を作成した。
この表面保護シート10をダミーのシリコンウエハ(200mm、厚さ720μm)の鏡面に貼付し、ウエハの裏面側を厚さ100μmまで研削を行った。続いて、静電チャックテーブルを有するプラズマエッチング装置に表面保護シート10を対面させて固定し、減圧してウエハの裏面(研削面に)プラズマ処理を行った。所定の処理の後表面保護シートに紫外線を照射して粘着剤層を硬化させシリコンウエハから剥離した。ウエハの外周も内部も糊残りは確認されなかった。
(比較例)
表面保護シートの基材を100℃における熱収縮率が0.1%のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)の単層フィルムとした以外は、実施例と同様にして実験を行った。
プラズマエッチングを行った後の表面保護シートは外周が薄く褐色化していた。所定の処理の後表面保護シートをシリコンウエハから剥離したところ、ウエハの外周部に熱劣化した粘着剤の痕が付着していた。
本発明に係る保護シートの断面図を示す。 本発明に係る保護シートの収縮挙動を示す。 本発明に係る保護シートの使用態様を示す。
符号の説明
1…多層基材
2…粘着剤層
3…低収縮性フィルム
4…高収縮性フィルム
11…半導体ウエハ
12…加工テーブル

Claims (3)

  1. 多層基材上に粘着剤層が設けられてなり、真空下において発熱反応を伴う加工処理を半導体ウエハに施す際に、ウエハの片面に貼着される保護シートであって、
    多層基材が収縮率の異なる2層以上の構成層を有し、
    粘着剤層に近い構成層の、100℃における収縮率が−5〜+5%であり、
    粘着剤層から遠い構成層の、100℃における収縮率が10〜30%である保護シート。
  2. 半導体ウエハの片面に、収縮率の異なる2層以上の構成層を有する多層基材上に粘着剤層が設けられてなり、粘着剤層に近い構成層の、100℃における収縮率が−5〜+5%であり、粘着剤層から遠い構成層の、100℃における収縮率が10〜30%である保護シートを貼着し、
    該半導体ウエハに、真空下において発熱反応を伴う加工処理を施すことを特徴とする半導体ウエハの加工方法。
  3. 保護シートが該半導体ウエハに貼着され、真空下において発熱反応を伴う加工処理が半導体ウエハ裏面のプラズマエッチング、スパッタリングの何れかである請求項2に記載の半導体ウエハの加工方法。
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