JP4364368B2 - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハ裏面研削時に回路表面の保護に用いられる表面保護シートに関し、特に裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行なうウエハ加工方法に用いられる表面保護シートに関する。また、本発明は該表面保護シートを用いた半導体チップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICカードの普及が進み、さらなる薄型化が望まれている。このため、従来は厚さが350μm程度であった半導体チップを、厚さ50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くする必要が生じている。
このようなチップの薄厚化を達成する方法として、特開平5−335411号公報には、ウエハの表面側から所定深さの溝を形成した後、この裏面側から研削する半導体チップの製造方法が開示されている。ウエハの裏面研削時には、ウエハ表面の回路を保護し、またウエハ(チップ)を固定しておくために、溝が形成されているウエハ表面に表面保護シートが貼着されている。
【0003】
このような方法で製造された半導体チップは、ウエハ形状のまま、表面保護シートに固定された状態で、ウエハ(チップ)の位置及び方向を認識した上で、次工程に移される。この際、ウエハの方向性はチップ間の溝によって認識される。本来、チップ間の溝の幅は、溝を形成するためのダイシングのブレード幅に依存するが、使用する表面保護シートに内部ひずみが存在すると、ウエハをチップに分割する際に内部ひずみが開放され、チップ間隔が狭小化し、ウエハの方向性の認識ができなくなる。表面保護シートの内部ひずみは、基材の製膜時や、ウエハ貼付時のテンションによる残留応力によって発生し、これをゼロとすることは事実上不可能である。
【0004】
また、内部ひずみが大き過ぎる場合は、チップ間隔がほとんど無くなり、チップをピックアップする際に、隣接するチップが接触し、チップが破損するおそれもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、半導体チップの認識を確実に行うことができ、半導体チップを効率よく製造可能な表面保護シートを提供することを目的としている。また、本発明は、半導体チップの認識を確実に行うことにより製造効率を向上できる半導体チップの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るウエハ裏面研削時の表面保護シートは、半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行なうウエハ裏面研削において用いられる半導体ウエハの表面保護シートであって、
基材と、その上に形成された粘着剤層とからなり、
該表面保護シートの引張試験において、10%伸張時の応力緩和率が、1分後で、40%以上であることを特徴としている。
【0007】
このような本発明の表面保護シートのヤング率は、3.0×107〜5.0×109Paであることが好ましい。
また、上記表面保護シートを構成する基材のヤング率×厚さが1.0×103〜1.0×107N/mであることが好ましい。
このような本発明に係る表面保護シートによれば、半導体チップの製造を効率よく行うことができる。
【0008】
本発明に係るウエハ裏面研削方法は、半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路形成面に、上記表面保護シートを貼付し、
その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行なうことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明に係る表面保護シート10は、図1に示すように、基材1とその上に形成された粘着剤層2とからなる。
そして、本発明の表面保護シート10は、応力緩和性に優れ、具体的には引張試験における10%伸張時の応力緩和率が、1分後で、40%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。応力緩和率は高いほど好ましく、その上限は、理論的には100%であり、場合によっては99.9%、99%あるいは95%であってもよい。
【0010】
本発明の表面保護シート10は応力緩和性に優れるため、被着体に貼付後速やかに残留応力が減衰し、内部ひずみも速やかに解消する。このため、チップの切断分離を行なった後でも、チップ間隔が狭小化することもない。
なお上記応力緩和率は、以下のように測定される。すなわち、所定長さの表面保護シートサンプルを、速度200mm/minで引っ張り、10%伸張時の応力Aと、伸張停止の1分後の応力Bとから(A−B)/A×100(%)により算出する。
また本発明の表面保護シート10のヤング率(JIS K−7127準拠)は、好ましくは3.0×107〜5.0×109Pa、さらに好ましくは5.0×107〜1.0×109Paであり、特に好ましく6.0×107〜8.0×108Paの範囲にある。
【0011】
表面保護シートのヤング率がこの範囲であれば、ウエハに貼付した後にウエハ形状への切断する工程がスムーズに行える。
なお、後述するように本発明においては粘着剤層をエネルギー線硬化型粘着剤で形成する場合があるが、この場合に、上記応力緩和率およびヤング率は、粘着剤層のエネルギー線硬化を行う前の値を意味する。
【0012】
さらに、本発明の表面保護シート10の基材1においては、そのヤング率と厚さとの積が、好ましくは1.0×103〜1.0×107N/m、さらに好ましくは3.0×103〜5.0×106N/m、特に好ましくは5.0×103〜3.5×106N/mの範囲にある。
基材のヤング率と厚さとの積がこの範囲にあれば、ウエハへ貼付する際の機械適性が向上し、貼付テンションを低めに制御しやすくなる。
【0013】
また、基材1の厚みは、好ましくは30〜1000μm、さらに好ましくは50〜800μm、特に好ましくは80〜500μmである。
基材1は、樹脂製フィルムからなり、上記の物性を満たすかぎり、特に限定されず、樹脂そのものが上記の物性を示すものであっても、他の添加剤を加えることにより、上記物性となるものであっても良い。また、基材1は硬化性樹脂を製膜、硬化したものであっても、熱可塑性樹脂を製膜したものであっても良い。
【0014】
硬化性樹脂としては、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等が用いられ、好ましくは光硬化型樹脂が用いられる。
光硬化型樹脂としては、たとえば、光重合性のウレタンアクリレート系オリゴマーを主剤とした樹脂組成物が好ましく用いられる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物たとえば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなどを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートたとえば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどを反応させて得られる。このようなウレタンアクリレート系オリゴマーは、分子内に光重合性の二重結合を有し、光照射により重合硬化し、被膜を形成する。
【0015】
本発明で好ましく用いられるウレタンアクリレート系オリゴマーの分子量は、1000〜50000、さらに好ましくは2000〜30000の範囲にある。
上記のウレタンアクリレート系オリゴマーは一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようなウレタンアクリレート系オリゴマーのみでは、成膜が困難な場合が多いため、通常は、光重合性のモノマーで稀釈して成膜した後、これを硬化してフィルムを得る。光重合性モノマーは、分子内に光重合性の二重結合を有し、特に本発明では、比較的嵩高い基を有するアクリルエステル系化合物が好ましく用いられる。
【0016】
このようなウレタンアクリレート系オリゴマーを稀釈するために用いられる光重合性のモノマーの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレートなどの脂環式化合物、
フェニルヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレートなどの芳香族化合物、もしくはテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの複素環式化合物が挙げられる。また必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを用いてもよい。
【0017】
上記光重合性モノマーは、ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、好ましくは5〜900重量部、さらに好ましくは10〜500重量部、特に好ましくは30〜200重量部の割合で用いられる。
基材1を、上記の光硬化型樹脂から形成する場合には、該樹脂に光重合開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。
【0018】
このような光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などが挙げられ、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが例示できる。
【0019】
光重合開始剤の使用量は、樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
上記のような硬化性樹脂は、オリゴマーまたはモノマーを前述の物性値となるよう種々の組合せの配合より選択することができる。
【0020】
また、上述の樹脂中に、炭酸カルシウム、シリカ、雲母などの無機フィラー、鉄、鉛等の金属フィラー、顔料や染料等の着色剤等の添加物が含有されていてもよい。
基材1の成膜方法としては、液状の樹脂(硬化前の樹脂、樹脂の溶液等)を、たとえば工程シート上に薄膜状にキャストした後に、これを所定の手段によりフィルム化する方法が挙げられる。このような製法によれば、成膜時に樹脂にかかる応力が少なく、フィッシュアイの形成が少ない。また、膜厚の均一性も高く、厚み精度は、通常2%以内になる。
【0021】
別の成膜方法として、Tダイやインフレーション法による押出成形やカレンダー法により製造することが好ましい。
基材1の上面、すなわち粘着剤層2が設けられる側の面には粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したりプライマー等の他の層を設けてもよい。
本発明に係る表面保護シート10は、上記のような基材1上に粘着剤層2を設けることで製造される。なお、粘着剤層2を紫外線硬化型粘着剤により構成する場合には、基材1として透明基材を用いる。
【0022】
本発明において、前記粘着剤層2を構成する粘着剤の23℃における弾性率は、好ましくは5.0×104〜1.0×108Pa、さらに好ましくは6.0×104〜8.0×107Pa、特に好ましくは7.0×104〜5.0×107Paの範囲にある。粘着剤の弾性率がこの範囲にあれば、表面保護シートのウエハの固定が確実に行え、ウエハの研削適性が向上する。なお、粘着剤層2を、後述するエネルギー線硬化型粘着剤で形成した場合には、上記弾性率は、エネルギー線硬化を行う前の弾性率を意味する。
【0023】
粘着剤層2の厚さは、その材質にもよるが、通常は3〜100μm程度であり、好ましくは10〜50μm程度である。
粘着剤層2は、従来より公知の種々の感圧性粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、たとえばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線硬化型や加熱発泡型、親水性の粘着剤も用いることができる。特に本発明においてはエネルギー線硬化型粘着剤が好ましく用いられる。
【0024】
エネルギー線硬化型粘着剤は、一般的には、アクリル系粘着剤と、エネルギー線重合性化合物とを主成分としてなる。
エネルギー線硬化型粘着剤に用いられるエネルギー線重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
【0025】
さらにエネルギー線重合性化合物として、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、前述の基材1に使用できるウレタンアクリレート系オリゴマーと同様のものが使用できる。
エネルギー線硬化型粘着剤中のアクリル系粘着剤とエネルギー線重合性化合物との配合比は、アクリル系粘着剤100重量部に対してエネルギー線重合性化合物は50〜200重量部、好ましくは50〜150重量部、特に好ましくは70〜120重量部の範囲の量で用いられることが望ましい。この場合には、得られる表面保護シートは初期の接着力が大きく、しかもエネルギー線照射後には粘着力は大きく低下する。したがって、裏面研削終了後におけるウエハとエネルギー線硬化型粘着剤層との界面での剥離が容易になる。
【0026】
また、エネルギー線硬化型粘着剤は、側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体から形成されていてもよい。このようなエネルギー線硬化型共重合体は、粘着性とエネルギー線硬化性とを兼ね備える性質を有する。側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体は、たとえば、特開平5−32946号公報、特開平8−27239号公報等にその詳細が記載されている。
【0027】
上記のようなアクリル系エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線照射前にはウエハに対して充分な接着力を有し、エネルギー線照射後には接着力が著しく減少する。すなわち、エネルギー線照射前には、表面保護シート10とウエハとを充分な接着力で密着させ表面保護を可能にし、エネルギー線照射後には、研削されたウエハ(チップ)から容易に剥離することができる。
【0028】
また親水性粘着剤としては、例えば特開平10−226776号公報に記載の粘着剤が使用できる。このような粘着剤組成物は、カルボキシル基含有モノマーと、該モノマーと共重合可能な他のモノマーからなる共重合体と、中和剤及び架橋剤からなる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが用いられる。また、該モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルやアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。
【0029】
中和剤は前記共重合体中のカルボキシル基の一部または全部を中和して、粘着剤組成物に親水性を付与するために用いられる。このような中和剤としては、モノエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N,N'-トリメチルエチレンジアミンなどの有機アミノ化合物が用いられる。
【0030】
架橋剤は、前記共重合体を部分架橋するために用いられる。架橋剤としては、例えばエポキシ系架橋剤、イソシアナート系架橋剤、メチロール系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤などが用いられる。
上記のような親水性粘着剤は、表面保護シートの剥離する際の糊残りが極めて少ないうえ、粘着ポリマー自体に親水性を付与しているため、水洗浄性に優れ、ウエハに粘着剤が付着したとしても、純水のみの洗浄が可能となる。
【0031】
本発明の表面保護シート10は、上記粘着剤をナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法にしたがって基材1上に適宜の厚さで塗工して乾燥させて粘着剤層2を形成し、次いで必要に応じ粘着剤層上に離型シートを貼り合わせることによって得られる。
【0032】
このような、本発明に係る表面保護シート10は、半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行なうウエハ裏面研削方法において、ウエハ表面の保護およびウエハの一時的な固定手段として用いられる。
【0033】
より具体的には、以下のような工程からなるウエハ裏面研削方法に用いられる。
第1工程:複数の回路を区画するウエハの切断位置に沿って所定の深さの溝4をウエハ3表面から削成する(図2参照)。
第2工程:前記ウエハ3の表面全体を覆う状態に本発明の表面保護シート10を接着する(図3参照)。
【0034】
第3工程:前記溝4の底部を除去し、所定の厚さになるまでウエハの裏面を研削して個々のチップ5に分割する(図4参照)。
その後、粘着剤層2をエネルギー線硬化型粘着剤から形成した場合には、エネルギー線照射して接着力を低減させ、チップの位置及び方向を認識し、チップの研磨面に別の粘着テープ(特開平5−335411号公報におけるマウンティング用テープ)を貼付し、ピックアップが可能なように位置及び方向合わせを行ってピックアップ用のリングフレームに固定し、表面保護シート10を剥離する(図5参照)。その後、別の粘着テープよりチップをピックアップし所定の基体上にマウントする。
【0035】
このようなプロセスによれば、半導体チップの認識性を向上でき、半導体チップを効率よく製造することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る表面保護シートによれば、半導体チップの認識を確実に行うことができ、半導体チップの製造工程の効率が向上できる。また極薄の半導体チップも歩留まり良く製造することができる。
【0037】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下において「ヤング率」、「弾性率」、「応力緩和率」、「チップ間隔の小化率」、「整列性」および「チップ間隔の認識性」は次の方法で評価した。
「ヤング率」
試験速度200mm/分でJIS K−7127 に準拠して測定した。
「弾性率」G’(捻り剪断法)
試験片:8mmφ×3mmの円柱
測定器:DYNAMIC ANALYZER RDA II (REOMETRIC社製)
周波数:1Hz
「応力緩和率」
実施例および比較例で作成した表面保護シートを幅15mm、長さ100mmに切り出し試験片を得る。この試験片を、オリエンテック社製TENSILON RTA-100を用いて速度200mm/minで引っ張り、10%伸張時の応力Aと、伸張停止の1分後の応力Bとから(A−B)/A×100(%)により算出する。
「チップ間隔の狭小化率」
リンテック社製ダイシングテープ(D-628)を、8インチウエハ(厚み720μm)に貼付し、ダイシング装置(ディスコ社製 DAD 2H/6T)を用い、35μm厚ブレードで切込み深さ400μm、チップサイズ8mm角と12mm角の条件で溝を形成した。実施例および比較例で作成した表面保護シートを、テープマウンター(リンテック社製Adwill RAD-3500m/12)を用いて貼付テンションを表1記載の貼付テンション条件にて、溝を形成した面に貼付し、ダイシングテープを剥離後、研削装置(ディスコ社製、DFD-840)を用いて厚さ80μmになるまで研磨を行い、研磨面を上にして光学顕微鏡の吸着ステージに乗せてチップ間隔を測定した。測定はシート貼付方向に対して垂直のチップ間隔をウエハの上、下、右、左、中央部から25点測定した。チップ間隔狭小化率は、{(35μm−測定値の平均値)/35μm}×100で算出した。
「整列性」
上記方法で作成したチップ化されたウエハを目視で観察してチップ間隔がウエハの各場所で極端に異なるものや、チップズレが発生したものを「不良」とし、目視でチップ間隔が揃っているものを「良好」とした。
「チップ間隔の認識性」
上記方法で作成したチップ化されたウエハをウエハ転写装置(リンテック社製、LTD-2500f/8)にてチップ間の溝を認識してウエハのアライメント処理を行い、チップ化されたウエハを表面保護シートからマウンティング用テープに転写した。この際、問題なく処理できたものを「良好」とし、エラーが発生したものを「不良」とした。
【0038】
【実施例1】
重量平均分子量5000のウレタンアクリレート系オリゴマー(荒川化学社製)50重量部と、光重合性モノマーとしてイソボルニルアクリレート25重量部及びフェニルヒドロキシプロピルアクリレート25重量部と、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・ガイギー社製)2.0重量部と、フタロシアニン系顔料0.2重量部とを配合して光硬化型樹脂組成物を得た。
【0039】
得られた樹脂組成物を、ファウンテンダイ方式により、キャスト用工程シートであるポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製:厚み38μm、以下「PETフィルム」という)の上に厚みが110μmとなるように塗工して樹脂組成物層を形成した。塗工直後に、樹脂組成物層の上にさらに同じPETフィルムをラミネートし、その後、高圧水銀ランプ(160W/cm、高さ10cm)を用いて、光量250mJ/cm2 の条件で紫外線照射を行うことにより樹脂組成物層を架橋・硬化させた後、両面のPETフィルムを剥離して、厚さ110μmの基材フィルムを得た。この基材フィルムのヤング率を上記の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0040】
この基材フィルムの片面に、アクリル系粘着剤(n-ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合体)100重量部と、分子量8000のウレタンアクリレート系オリゴマー120重量部と、硬化剤(ジイソシアネート系)10重量部と、光重合開始剤(ベンゾフェノン系)5重量部とを混合した粘着剤組成物を塗布乾燥し、厚さ20μmの粘着剤層を形成し、表面保護シートを得た。粘着剤層の弾性率は1.5×105Paであった。
【0041】
得られた表面保護シートの応力緩和率およびヤング率を上記のようにして測定した。結果を表1に示す。
また、得られた表面保護シートを用いて、ウエハの裏面研削を行い、チップ間隔の狭小化率、整列性、チップ間隔の認識性を評価した。結果を表1に示す。
【0042】
【実施例2】
フェニルヒドロキシプロピルアクリレートに代えて、N-ビニルカプロラクタムを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【実施例3】
フェニルヒドロキシプロピルアクリレートを用いずに、イソボルニルアクリレート50重量部用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0044】
【比較例1】
スチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体(クラレ社製ハイブラーVS−1)のトルエン60%溶液を、実施例1と同様の支持フィルム上にキャスティングして、ラミネート、紫外線照射を行わずに、100℃、2分間乾燥して、表1に示す ヤング率を有する厚さ300μmの基材フィルムを得た。
【0045】
この基材フィルムを用いて実施例1と同様にして表面保護シートを作製した。結果を表1に示す。
【0046】
【比較例2】
基材フィルムとして、厚さ110μmの低密度ポリエチレンフィルム(商品名スミカセンL705)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【比較例3】
基材フィルムとして、厚さ200μmの低密度ポリエチレンフィルム(商品名スミカセンL705)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004364368

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面保護シートの断面図を示す。
【図2】本発明に係る粘着シートを用いた薄型半導体チップの製造工程を示す。
【図3】本発明に係る粘着シートを用いた薄型半導体チップの製造工程を示す。
【図4】本発明に係る粘着シートを用いた薄型半導体チップの製造工程を示す。
【図5】本発明に係る粘着シートを用いた薄型半導体チップの製造工程を示す。
【符号の説明】
1…基材
2…粘着剤層
3…ウエハ
4…溝
5…チップ

Claims (3)

  1. 半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
    該回路形成面に、基材と、その上に形成された粘着剤層とからなり、引張試験における10%伸張時の応力緩和率が、1分後で、40%以上である表面保護シートを貼付し、
    その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行なうことを特徴とする半導体チップの製造方法。
  2. 前記表面保護シートのヤング率が3.0×107〜5.0×109Paであることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法
  3. 前記表面保護シートの基材のヤング率×厚さが1.0×103〜1.0×107N/mであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体チップの製造方法
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