JP2005219243A - 液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】 ノズル詰まり等の吐出不良を確実に防止することができる液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】 シリコン基板からなり流路形成基板10の一方面側に振動板を形成すると共に流路形成基板10の連通部13が形成される領域に対向する部分の振動板(弾性膜50及び絶縁体膜55)を除去してその流路形成基板10の一方面を露出させる開口部50a,55aを形成する工程と、開口部50a内に露出された流路形成基板10にボロンを拡散させてボロンドープ層130を形成する工程と、振動板上に圧電素子300を形成する工程と、流路形成基板10の圧電素子300側の面にリザーバ形成基板30を接合する工程と、流路形成基板10の他方面側からボロンドープ層130及び振動板が露出するまでウェットエッチングして圧力発生室12を形成すると共にリザーバ部31に対向する領域に連通部13を形成する工程と、ボロンドープ層130をドライエッチングにより除去してリザーバ部31と連通部13とを連通させる工程とを具備する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドに関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
インクを吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインクを吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成することで高密度配列を実現したものがある。
また、このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、ノズル開口に連通する圧力発生室とこの圧力発生室に連通する連通部とが形成される流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に形成される圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側の面に接合されて連通部と共にリザーバの一部を構成するリザーバ部を有するリザーバ形成基板とを具備し、振動板とこの振動板上に形成された積層膜とを貫通する貫通部を介してリザーバ部と連通部とを連通させた構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法においては、振動板及び積層膜の連通部(リザーバ部)に対向する部分を機械的に打ち抜いて貫通部を形成することにより、リザーバ部と連通部とを連通させている。
しかしながら、このような機械的な加工では、加工カスが圧力発生室などの流路形成基板内から排除し難く、流路形成基板内に残留した加工カスによってノズル開口が塞がれて吐出不良が発生してしまうという問題がある。また、貫通部を機械的に加工すると、貫通部の周囲に亀裂等が発生するという問題がある。この亀裂が発生した状態でインクを充填して吐出させると、振動板の亀裂等が生じている部分から破片が脱落し、この破片によってノズル開口が塞がれて吐出不良が発生するという問題がある。
また、この公報には、貫通部の周囲を保護膜によって覆うようにした構造が開示されている。この構造によれば、貫通部の周囲がインクに曝されることがないため、その貫通部の周囲の亀裂等から発生した破片によってノズル開口が塞がれて吐出不良となるのを防止することができる。しかしながら、貫通部は振動板を機械的に加工することにより形成されることから、加工時の加工カスが流路形成基板内に残留するのを防止することはできない。したがって、加工カスによってノズル開口が塞がれて吐出不良が発生してしまうことまでは防止できない。なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、勿論、インク以外の液体を吐出する他の液体噴射ヘッドの製造方法においても、同様に存在する。
特開2003−159801号公報(第7−8図)
本発明は、このような事情に鑑み、ノズル詰まり等の吐出不良を確実に防止することができる液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッドを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、シリコン基板からなり液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室と当該圧力発生室に連通する連通部とが形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接合されて前記連通部と共に前記各圧力発生室の共通の液体室であるリザーバの一部を構成するリザーバ部が形成されるリザーバ形成基板とを具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記流路形成基板の一方面側に前記振動板を形成すると共に前記流路形成基板の前記連通部が形成される領域に対向する部分の前記振動板を除去して当該流路形成基板の一方面を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口部内に露出された前記流路形成基板にボロンを拡散させてボロンドープ層を形成する工程と、前記振動板上に前記圧電素子を形成する工程と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に前記リザーバ形成基板を接合する工程と、前記流路形成基板の他方面側から前記ボロンドープ層及び前記振動板が露出するまでウェットエッチングして前記圧力発生室を形成すると共に前記リザーバ部に対向する領域に前記連通部を形成する工程と、前記ボロンドープ層をドライエッチングにより除去して前記リザーバ部と前記連通部とを連通させる工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第1の態様では、ボロンドープ層をドライエッチングで除去するため、機械的な加工とは異なり加工カス等の異物が発生することはない。したがって、流路形成基板内に異物が残留することで発生するノズル詰まり等の吐出不良を確実に防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記リザーバ部は、前記リザーバ形成基板を厚さ方向に貫通して設けられ、且つ前記圧力発生室を形成する工程は、前記リザーバ形成基板の前記流路形成基板側とは反対側の上面を耐アルカリ性の材料からなる封止フィルムで封止した状態で行うことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第2の態様では、リザーバ形成基板の上面が封止フィルムで封止されているため、流路形成基板の他方面をエッチングする際に、リザーバ形成基板の上面にエッチング液が付着するのを確実に防止することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の製造方法によって形成されたことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、信頼性の高い液体噴射ヘッドを提供することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されているが、当該弾性膜50は、振動板の一部を構成するものである。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述するリザーバ形成基板30のリザーバ部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられたマスク膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板としての役割を果たす。
ここで、圧電体層70を形成する材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイッテルビウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その組成は、圧電素子300の特性、用途等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、PbTiO(PT)、PbZrO(PZ)、Pb(ZrTi1−x)O(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO(PZN−PT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O−PbTiO(PNN−PT)、Pb(In1/2Nb1/2)O−PbTiO(PIN−PT)、Pb(Sc1/3Ta1/2)O−PbTiO(PST−PT)、Pb(Sc1/3Nb1/2)O−PbTiO(PSN−PT)、BiScO−PbTiO(BS−PT)、BiYbO−PbTiO(BY−PT)等が挙げられる。
なお、本実施形態では、絶縁体膜55上で且つ連通部13の開口周縁部に対向する領域に、上述した圧電素子300を構成する層、すなわち、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80で構成され、圧電素子300とは不連続の積層膜400が設けられている。このように本実施形態では、積層膜400を設けるようにしたが、勿論これに限定されず、この積層膜400を設けなくてもよい。
また、流路形成基板10上の圧電素子300側の面には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接着剤35を介して接着されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成され、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
さらに、このリザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子300は、この圧電素子保持部32内に形成されている。なお、このようなリザーバ形成基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、このリザーバ形成基板30の圧電素子保持部32の外側には、上述した各圧電素子300に一端部が接続されたリード電極90の他端部が流路形成基板10の端部近傍まで延設されている。そして、各リード電極90の他端部には、リザーバ形成基板30上に実装された駆動IC110に一端部が接続された接続配線120の他端部が接続されている。
さらに、リザーバ形成基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電素子300及び振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインクが吐出する。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法の一例について、図3〜図5を参照して説明する。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。まず、図3(a)に示すように、シリコン単結晶基板である流路形成基板10を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、流路形成基板10の表面に弾性膜50及びマスク膜51を構成する二酸化シリコン膜52を形成する。その後、図3(b)に示すように、弾性膜50を所定形状にパターニングする。具体的には、流路形成基板10の後述するプロセスにて連通部13が形成される領域に対向する部分の弾性膜50をウェットエッチングによって除去することにより、この弾性膜50に流路形成基板10の一方面を露出させる開口部50aを形成する。次に、図3(c)に示すように、弾性膜50の開口部50a内に露出した流路形成基板10の一方面にボロンを拡散させてボロンドープ層130を形成する。例えば、ボロン拡散炉の中で流路形成基板10を複数のボロンターゲットで挟み込み、約1000℃〜1200℃でボロンを拡散させることにより、弾性膜50の開口部50a内に露出した流路形成基板10の一方面にボロンドープ層130を形成する。これにより、流路形成基板10の連通部13が形成される領域に対向する部分にボロンドープ層130を形成することができる。次いで、図3(d)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、ジルコニウム(Zr)層を形成した後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成し、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示しない)を介して絶縁体膜55をパターニングすることで、弾性膜50の開口部50aに対応する部分の絶縁体膜55に開口部55aを形成する。これにより、流路形成基板10の一方面は、弾性膜50の開口部50aと絶縁体膜55の開口部55aとを介して露出される。
次いで、図4(a)に示すように、例えば、白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜60を形成した後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。次に、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板10の全面に形成した後に、圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして図4(b)に示すような圧電素子300を形成する。また、本実施形態では、弾性膜50の開口部50a及び絶縁体膜55の開口部55aの開口周縁部に対応する領域に、圧電素子300を構成する各層を残すことで、弾性膜50の開口部50aに連通する開口部400aを有する積層膜400を形成するようにした。なお、この積層膜400は、圧電素子300とは不連続となるようにパターニングされている。次に、図4(c)に示すように、リード電極90を形成する。具体的には、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなる金属層を形成した後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して金属層を各圧電素子300毎にパターニングしてリード電極90を形成する。次に、図4(d)に示すように、流路形成基板10の圧電素子300側の面に、リザーバ部31及び圧電素子保持部32が形成されたリザーバ形成基板30を接着剤35によって接着する。
次に、図5(a)に示すように、流路形成基板10の他方面側から所定形状にパターニングしたマスク膜51を介して弾性膜50及びボロンドープ層130が露出するまで、例えば、本実施形態では、水酸化カリウム水溶液を用いて異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより圧力発生室12、インク供給路14及び連通部13を形成する。このとき、弾性膜50及びボロンドープ層130は、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10と比べてエッチングレートが極めて小さいため、ほとんどエッチングされることはない。すなわち、流路形成基板10のエッチングは、弾性膜50及びボロンドープ層130でストップすることになる。また、このような圧力発生室12等を形成する工程は、本実施形態では、リザーバ形成基板30の流路形成基板10側とは反対側の上面を、耐アルカリ性を有する材料、例えば、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)等からなる封止フィルムで封止した状態で行うようにした。これにより、リザーバ形成基板30の表面に設けられた図示しない配線等にエッチング液が付着するのを確実に防止することができる。また、リザーバ部31内にエッチング液が浸入してリザーバ形成基板30がエッチングされることや、積層膜400の開口部400aの内周面、あるいは、接着剤35に隣り合うリザーバ形成基板30と積層膜400との接着界面がダメージを受けること等を確実に防止することができる。
次いで、図5(b)に示すように、流路形成基板10の連通部13とリザーバ形成基板30のリザーバ部31とを隔てるボロンドープ層130をドライエッチングにより除去する。これにより、連通部13とリザーバ部31とが弾性膜50の開口部50a及び絶縁体膜55の開口部50aを介して連通し、連通部13とリザーバ部31とから構成されるリザーバ100が形成される。ここで、本実施形態では、上述したプロセスにて弾性膜50の開口部50a及び絶縁体膜55の開口部55aを形成しているため、流路形成基板10の連通部13とリザーバ形成基板30のリザーバ部31とを隔てているのはボロンドープ層130だけである。このため、ドライエッチングによってボロンドープ層130を除去するだけで、連通部13とリザーバ部31とを比較的容易に且つ確実に連通させることができる。具体的には、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)は、ボロンドープ層130と比べて、ドライエッチングによって貫通するまでの時間が非常に長い。このため、本実施形態では、このような弾性膜50を予めウェットエッチングで除去し、圧力発生室12等を形成した後に、ボロンドープ層130をドライエッチングによって除去するようにしたので、製造に要する時間を大幅に短縮することができる。また、このように、ボロンドープ層130をドライエッチングによって除去するようにしたので、従来の機械的な加工とは異なり加工カス等の異物が発生することはなく、流路形成基板10内に残留した加工カスがノズル開口21に詰まることで発生する吐出不良を確実に防止することができる。
その後は、流路形成基板10にマスク膜51を介してノズルプレート20を接合し、リザーバ形成基板30上に駆動IC110を実装すると共にコンプライアンス基板40を接合する。さらに、ワイヤボンディングすることによって、リザーバ形成基板30上に実装される駆動IC110とリード電極90とを接続配線120で接続することにより本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとなる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態1に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、弾性膜50に開口部50aを形成した後に、この開口部50aを介して露出された流路形成基板10の一方面にボロンドープ層130を形成するようにしたが、これに限定されず、弾性膜上に絶縁体膜を形成し、流路形成基板の連通部が形成される領域に対向する部分の弾性膜及び絶縁体膜を除去することにより、流路形成基板の一方面を露出させる開口部を弾性膜及び絶縁体膜にそれぞれ形成した後に、これら各開口部を介して露出された流路形成基板の一方面にボロンドープ層を形成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、リザーバ部31がリザーバ形成基板30を貫通した構造となっているが、これに限定されず、リザーバ部が貫通していない構造としてもよい。そして、このようなリザーバ部を有するリザーバ形成基板がシリコン基板からなる場合でも、流路形成基板に圧力発生室等を形成する工程においては、エッチングがボロンドープ層でストップするため、リザーバ部内にエッチング液が浸入し、そのリザーバ部内がエッチングされてしまうのを確実に防止することができる。
なお、上述した実施形態1においては、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の一例としてインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明したが、この液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 リザーバ形成基板、 31 リザーバ部、 32 圧電素子保持部、 35 接着剤層、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 50a 開口部、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 100 リザーバ、 110 駆動IC、 120 接続配線、 130 ボロンドープ層、 300 圧電素子、 400 積層膜

Claims (3)

  1. シリコン基板からなり液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室と当該圧力発生室に連通する連通部とが形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接合されて前記連通部と共に前記各圧力発生室の共通の液体室であるリザーバの一部を構成するリザーバ部が形成されるリザーバ形成基板とを具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記流路形成基板の一方面側に前記振動板を形成すると共に前記流路形成基板の前記連通部が形成される領域に対向する部分の前記振動板を除去して当該流路形成基板の一方面を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口部内に露出された前記流路形成基板にボロンを拡散させてボロンドープ層を形成する工程と、前記振動板上に前記圧電素子を形成する工程と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に前記リザーバ形成基板を接合する工程と、前記流路形成基板の他方面側から前記ボロンドープ層及び前記振動板が露出するまでウェットエッチングして前記圧力発生室を形成すると共に前記リザーバ部に対向する領域に前記連通部を形成する工程と、前記ボロンドープ層をドライエッチングにより除去して前記リザーバ部と前記連通部とを連通させる工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1において、前記リザーバ部は、前記リザーバ形成基板を厚さ方向に貫通して設けられ、且つ前記圧力発生室を形成する工程は、前記リザーバ形成基板の前記流路形成基板側とは反対側の上面を耐アルカリ性の材料からなる封止フィルムで封止した状態で行うことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 請求項1又は2の製造方法によって形成されたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
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