JP2005191260A - 半導体レーザおよびその製造方法および光送信用モジュールおよび光通信システム - Google Patents

半導体レーザおよびその製造方法および光送信用モジュールおよび光通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 所定の半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成され、半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む工程によって加工が施される半導体レーザにおいて、応力による破損あるいは欠陥を防止する構造をもつ信頼性の高い選択酸化型の半導体レーザを提供する。
【解決手段】 半導体基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層が半導体基板上にさらに設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザおよびその製造方法および光送信用モジュールおよび光通信システムに関する。
面発光型半導体レーザ(VCSEL)は、端面発光型半導体レーザに比べて、製造コストが低く、アレイによる集積化が容易なこと等の多くの利点を有していることから、光通信,光インターコネクション,光記録などの多くの分野で用いられることが期待されている。
このような面発光型半導体レーザの中で、しきい電流値,消費電力等、レーザ特性の観点から最も有望視されているものに、選択酸化型VCSELと呼ばれるものがある。これは、結晶成長の際にAlAs層(あるいはAl組成が極めて1に近いAlGaAs層)を分布ブラッグ反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector)の一部として成長し、このAlAs層を選択酸化することで電流狭窄構造をVCSEL構造の中に作りこんだものである。選択酸化型VCSELは、結晶成長後にAlAsあるいはAlGaAsの選択酸化プロセスを用いて電流狭窄構造を作りこむので、インプラ型で電流狭窄構造を作製した場合に発生しやすい活性層に与えるダメージの心配はない。
例えば、酸化されずに残ったAlAsの非酸化部分(開口部(アパーチャ))の径が数μm程度である場合、面発光型半導体レーザに両面の電極を通して電流を注入すると、注入された電流は、酸化されなかったメサ形状の中心の数μmだけに狭窄され、低しきい電流値を示すなど、選択酸化型VCSELは優れたレーザ特性を有している。
しかしながら、VCSELに限らず、選択酸化型の半導体レーザを作製する場合、酸化層が作製プロセス中に破損するケースが見られることがある。また、外見上破損はしていなくても特性が思わしくなく、発振しない素子ができることがある。
例えば特許文献1,特許文献2には、アパーチャのエッジ部すなわちAlAsの酸化部分と非酸化部分の境界部周辺で歪が集中し、欠陥が導入されやすいため、活性層に対して悪影響を与えることが記載されている。また、例えば特許文献3には、酸化層とAlGaAs系との膜の密着力が強くないため、実装プロセス中に加えられた上方からの応力によりメサが崩れる場合があることが記載されている。
これらのことから、選択酸化型の半導体レーザにおいては、酸化層の体積変化に伴う歪と酸化層とAlGaAs系の膜との密着力の低さとがあいまって、プロセス中に上部からの応力を受けた場合、欠陥が入りやすく、最悪のときには破損してしまう可能性が高い。
また、混晶半導体を活性層として用いる際には、歪を有する量子井戸構造を用いることで特性の向上を図ることがある。しかし、そのような歪活性層は格子緩和などで転位などの欠陥が入りやすく、良質な活性層を得ることが困難であり、酸化層の周りに欠陥が生じた場合、このような欠陥や転位が酸化層の歪による転位と共に素子の劣化を引き起こす要因となる。
以上のような理由により、酸化狭窄層(電流狭窄層)に応力がかかった場合、欠陥の増殖を促進したりすることで、素子の劣化のスピードが上昇しやすかったり、素子が破損してしまうと考えられる。
そこで、特許文献4においては、酸化層の被酸化領域の幅とメサ柱の高さの関係を制限することで、酸化層への内部歪による応力を最小限にして、信頼性を向上させている。また、特許文献5においては、選択酸化を行なう際に、素子部を完全に分離したメサ形状ではなく、周囲と連結した形状で酸化することで、素子部の機械的強度を上げている。
特開2000−22204号公報 特開2003−37336号公報 特開平10−229248号公報 特開2003−37336号公報 特開平10−229248号公報
しかしながら、特許文献4では、外部歪による対策は十分でなく、大きな力が加われば破損してしまう。また、特許文献5では、素子部に力が加わった際に、外見的には破損していなくても、内部的に欠陥が生じる懸念がある。
実際、半導体レーザの作製時には基板表面に応力がかかる工程が含まれる場合が多い。例えば、半導体レーザの作製においては、半導体レーザーの表面の素子形状を加工した後に裏面を研磨する場合が多い。この裏面の研磨工程では、素子分離をへき開あるいはブレーキングするために100μm〜200μmの厚さに研磨するが、あらかじめ薄い基板では素子形状の加工時やハンドリングで破損しやすいため最後に行なうことが多い。このような工程では基板の裏面を研磨する際、基板の表面を何らかの冶具に固定して裏面を研磨するため、基板の表面側に応力が加わる。また、面発光型半導体レーザの場合、素子構成として基板側からレーザー光を取り出したりする際には、両面露光機などを用いて素子の裏面にエッチングで凹部を形成する必要がある。このときには、露光機に基板を固定する際に、基板表面の素子部に応力が加わることになる。
本発明は、所定の半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成され、半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む工程によって加工が施される半導体レーザにおいて、応力による破損あるいは欠陥を防止する構造をもつ信頼性の高い選択酸化型の半導体レーザを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、半導体基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層が半導体基板上にさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、GaAs基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlGa(1−x)As (x≦1)を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記GaAs基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層がGaAs基板上にさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは、基板に対して歪を有する活性層を有していることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の半導体レーザにおいて、歪を有する活性層は、窒素(N)とその他のV族を含む混晶半導体であることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは面発光型半導体レーザであることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上に凹部をエッチングして形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有していることを特徴とする半導体レーザの製造方法である。
また、請求項7記載の発明は、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、半導体基板上に一部をエッチングし段差を作るための犠牲層を成長する工程と、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上の犠牲層の一部をエッチングし凹部を形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有していることを特徴とする半導体レーザの製造方法である。
また、請求項8記載の発明は、光送信用光源として請求項5記載の半導体レーザが用いられていることを特徴とする光送信用モジュールである。
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の光送信用モジュールが用いられていることを特徴とする光通信システムである。
請求項1記載の発明によれば、半導体基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層が半導体基板上にさらに設けられているので、裏面研磨やフォトリソグラフィなどの裏面を加工するのに必要な作業時に、メサあるいはリッジに応力がかかるのを材料層によって防ぐことができ、酸化層での破損あるいは酸化層近傍での欠陥の導入を妨げることができて、歩留まり良く信頼性の高い半導体レーザを提供することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、GaAs基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlGa(1−x)As (x≦1)を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記GaAs基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層がGaAs基板上にさらに設けられているので、裏面研磨やフォトリソグラフィなどの裏面を加工するのに必要な作業時に、メサあるいはリッジに応力がかかるのを材料層によって防ぐことができ、酸化層での破損あるいは酸化層近傍での欠陥の導入を妨げることができて、歩留まり良く信頼性の高い半導体レーザを提供することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは、基板に対して歪を有する活性層を有しており、この場合、酸化層の近傍で欠陥が導入されたときにより大きな悪影響が及ぶ歪を有する活性層を用いた半導体レーザにおいても、請求項1または請求項2の構成をとることによって、酸化層での破損あるいは酸化層近傍での欠陥の導入を妨げることができるので、歩留まりと信頼性の向上を図ることができる。
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の半導体レーザにおいて、歪を有する活性層は、窒素(N)とその他のV族を含む混晶半導体であるので、光通信に好適な1.3μm帯で発振する活性層を持ち、酸化層における破損および欠陥の導入を妨げることのできた信頼性の高い半導体レーザを提供することができる。
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは面発光型半導体レーザであるので、安価かつ小型で、歩留まりの良い高信頼性の半導体レーザを提供することができる。
また、請求項6記載の発明によれば、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上に凹部をエッチングして形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有しているので、請求項1乃至請求項5の構成を有する半導体レーザを製造できる。
また、請求項7記載の発明によれば、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、半導体基板上に一部をエッチングし段差を作るための犠牲層を成長する工程と、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上の犠牲層の一部をエッチングし凹部を形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有しているので、請求項1乃至請求項5の構成を有する半導体レーザを製造できる。
また、請求項8記載の発明によれば、光送信用光源として請求項5記載の半導体レーザが用いられている光送信用モジュールであるので、安価な高信頼性の光通信モジュールを得ることができる。
また、請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の光送信用モジュールが用いられている光通信システムであるので、安価な高信頼性の光通信システムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、半導体基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層が半導体基板上にさらに設けられていることを特徴としている。これにより、第1の形態では、裏面研磨やフォトリソグラフィなどの裏面を加工するのに必要な作業時に、メサあるいはリッジに応力がかかるのを材料層によって防ぐことができ、酸化層での破損あるいは酸化層近傍での欠陥の導入を妨げることができて、歩留まり良く信頼性の高い半導体レーザを提供することができる。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、GaAs基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlGa(1−x)As (x≦1)を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記GaAs基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層がGaAs基板上にさらに設けられていることを特徴としている。これにより、第2の形態においても、裏面研磨やフォトリソグラフィなどの裏面を加工するのに必要な作業時に、メサあるいはリッジに応力がかかるのを材料層によって防ぐことができ、酸化層での破損あるいは酸化層近傍での欠陥の導入を妨げることができて、歩留まり良く信頼性の高い半導体レーザを提供することができる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、第1または第2の形態の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは、基板に対して歪を有する活性層を有しており、この場合、酸化層の近傍で欠陥が導入されたときにより大きな悪影響が及ぶ歪を有する活性層を用いた半導体レーザにおいても、請求項1または請求項2の構成をとることによって、酸化層での破損あるいは酸化層近傍での欠陥の導入を妨げることができるので、歩留まりと信頼性の向上を図ることができる。
(第4の形態)
本発明の第4の形態は、第3の形態の半導体レーザにおいて、歪を有する活性層は、窒素(N)とその他のV族を含む混晶半導体であることを特徴としている。これにより、第4の形態では、光通信に好適な1.3μm帯で発振する活性層を持ち、酸化層における破損および欠陥の導入が妨げられた信頼性の高い半導体レーザを提供することができる。
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、第1乃至第4のいずれかの形態の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは面発光型半導体レーザであることを特徴としている。これにより、第5の形態では、安価かつ小型で、歩留まりの良い高信頼性の半導体レーザを提供することができる。
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上に凹部をエッチングして形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有している半導体レーザの製造方法である。第6の形態では、この製造方法により、第1乃至第5の形態の半導体レーザを製造できる。
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、半導体基板上に一部をエッチングし段差を作るための犠牲層を成長する工程と、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上の犠牲層の一部をエッチングし凹部を形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有している半導体レーザの製造方法である。第7の形態では、この製造方法により、第1乃至第5の形態の半導体レーザを製造できる。
(第8の形態)
本発明の第8の形態は、光送信用光源として第5の形態の半導体レーザが用いられている光送信用モジュールである。第8の形態では、この光送信用モジュールにより、安価な高信頼性の光通信モジュールを得ることができる。
(第9の形態)
本発明の第9の形態は、第8の形態の光送信用モジュールが用いられている光通信システムである。これにより、第9の形態では、安価な高信頼性の光通信システムを提供することができる。
図1(a),(b)は本発明の実施例1の半導体レーザを示す図である。ここで、図1(a)は実施例1の半導体レーザの概略側面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。
図1(a),(b)の半導体レーザは、端面発光型半導体レーザとして構成されており、この半導体レーザの積層構造は、図1(b)を参照すると、基板側から、n−GaAs基板、n−Al0.5Ga0.5Asクラッド層(厚さ2μm)、Al0.2Ga0.8Asガイド層(厚さ100nm)、GaAs DQW量子井戸活性層(厚さ8nm×2)、Al0.2Ga0.8Asガイド層(厚さ100nm)、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層(厚さ100nm)、Al0.98Ga0.02As酸化層(厚さ20nm)、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層(厚さ2μm)、p−GaAsコンタクト層(厚さ0.1μm)からなっている。
ここで、酸化層は、Al0.98Ga0.02Asを酸化することによって酸化狭窄層(電流狭窄構造)として形成されている。
また、基板裏面と上部コンタクト層上には、それぞれ対応する電極(n−電極,p−電極)が形成されている。
また、電流の注入部(p−電極)は、図1(a)に示すように基板の最も高い部分を高さの基準として見ると20μmほど凹んだ溝状部分(凹部)の上に、最も高い部分よりも低い高さで形成されている。
この半導体レーザでは、電流は電極狭窄構造によって狭窄されて活性層に注入され、活性層で発生した光が端面で反射されながら注入領域のガイド層内を往復し光が増幅されることでレーザ発振を得るようになっている。
図2(a)乃至(f)は実施例1(図1(a),(b))の半導体レーザの作製工程を示す図である。図2(a)乃至(f)を参照すると、図1(a),(b)の半導体レーザは以下の様に作製される。
すなわち、まず、n−GaAs基板を準備し、その表面に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする(図2(a))。パターンニング後、エッチングを行ない、エッチングマスクとした樹脂を除去し、基板に凹部を形成する(図2(b))。なお、ここで、エッチングは、基板の表面性が良好であれば、ドライエッチング,ウェットエッチングのいずれの方法でも良い。また、エッチングのガス,エッチャントに合わせて、エッチングマスクの材料は任意に選んで良い。
その後、有機金属化学気相成長(MOCVD)法により、n−GaAs基板上に、n−Al0.5Ga0.5Asクラッド層、Al0.2Ga0.8Asガイド層、GaAs DQW量子井戸活性層、Al0.2Ga0.8Asガイド層、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層、Al0.98Ga0.02As酸化層、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層、p−GaAsコンタクト層を順次にエピタキシャル成長し、これらをエピタキシャル膜(エピ膜)すなわち積層構造とする(図2(c))。ここで、有機金属材料には、例えばトリメチルガリウム(TMG),トリメチルアルミニウム(TMA)などを用いる。また、n型とするためには、HSeを導入してSeをドーピングするようにし、また、p型とするためには、ジメチル亜鉛(DMZn)を用いてZnをドーピングするようにした。有機金属原料は、基板上に導入され、V族原料(例えばAsH,PHなど)とともに基板近傍で熱分解等の手段で分解され、これにより、基板上に目的の半導体をエピタキシャル成長することができる。
次いで、電流狭窄構造(酸化狭窄層)を形成するためにリッジ状にエピ膜(積層構造)をエッチングする(リッジ部(メサ)を形成する)。この時、例えば反応性プラズマエッチングなどにより酸化層よりも下の部分までエッチングを行なうようにする(図2(d))。エッチング形状のパターンニングの際は例えばステッパーなどを用いれば多少凹部の深さがあっても凹部表面のパターンに露光が十分な精度で行えるので問題ない。その後、水蒸気中400℃で酸化を行ない、電流狭窄構造(酸化狭窄層)を形成する。酸化狭窄層を形成した後、上面にパッシベーション膜としてSiO膜を形成し、さらにはポリイミド膜で被覆後にパターンニングし、開口部と電極を形成する(図2(e))。その後、裏面を研磨し、厚さを200μm以下まで研磨後、基板の裏面に電極を形成し、素子を完成する(図2(f))。基板の裏面を研磨の際は、基板表面を冶具側にして例えば熱可塑性の固定用ワックスに取りつけ、研磨紛,スラリーを用いて基板の裏面を研磨していく。基板の裏面を研磨した後は、ワックスから剥がし、基板の裏面を洗浄後、電極の蒸着を行なう。
以上のような作製工程において、リッジ部は、基板の凹部に、両端の最も高い部分よりも低い高さに形成されており、基板裏面の研磨の際に直接冶具と接触しない構造となっている。これにより、熱可塑性ワックスを用いて冶具に固定する工程において、基板に固定用の圧力を加えてもリッジ部にほとんど応力が加わらないため、酸化層における破損及び欠陥の導入が避けられる。また、基板裏面の研磨の際に、基板表面を冶具側にして基板裏面の側からある程度応力をかけてもリッジ部にかかる応力は大きくなく、破損が起きにくい。さらに、基板裏面研磨後は、ワックスを加熱して可塑化し、基板を横方向に滑らせて冶具から取り外したりするが、その際もリッジ部が冶具表面と接触して酸化層における破損及び欠陥の導入が起きることを防ぐことができる。これによって、歩留まりが向上し、かつ信頼性の向上した半導体レーザを得ることが可能になる。
図3(a),(b)は本発明の実施例2の半導体レーザを示す図である。ここで、図3(a)は実施例2の半導体レーザの概略側面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線における断面図である。
図3(a),(b)の半導体レーザは、端面発光型半導体レーザとして構成されており、この半導体レーザの積層構造は、図3(b)を参照すると、基板側から、p−InP基板、p−InPクラッド層(厚さ2μm)、Al0.48In0.52As酸化層、GaInAsP(波長1μm組成)ガイド層(厚さ100nm)、GaInAsP(波長1.3μm組成)DQW量子井戸活性層(厚さ5nm×2)、AlGaInP(波長1μm組成)バリア層(厚さ10nm×1)、GaInAsP(波長1μm組成)ガイド層(厚さ100nm)、n−InPクラッド層(厚さ2μm)、n−GaInAsコンタクト層(厚さ300nm)からなっている。
ここで、酸化層は、Al0.48In0.52Asを酸化することによって酸化狭窄層(電流狭窄構造)として形成されている。
また、基板裏面と上部コンタクト層上には、それぞれ対応する電極(p−電極,n−電極)が形成されている。
また、電流の注入部は、図3(a)に示すように基板の最も高い部分を高さの基準として見ると20μmほど凹んだ溝状部分(凹部)の上に、最も高い部分よりも低い高さで形成されている。
実施例2の構成の半導体レーザは、実施例1と材料系が異なるだけであり、適切な成長条件でレーザ構造の成長を行なえば、その他のプロセスは実施例1と同一の工程で作製可能である。
この実施例2のようにInP基板上の半導体レーザにおいても、Alを主成分としてなる半導体層を選択酸化することで酸化層(酸化狭窄構造)が形成される半導体レーザにおいては、本発明の構成とすることによって(すなわち、酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層が半導体基板上にさらに設けられていることによって)、実施例1と同様に、リッジ部に応力がかかることによる酸化層の破損,欠陥の導入を防止することができる。これによって、歩留まりが向上し、かつ信頼性の向上した半導体レーザを得ることが可能になる。
図4(a),(b)は本発明の実施例3の半導体レーザを示す図である。ここで、図4(a)は実施例3の半導体レーザの概略側面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線における断面図である。この実施例3は、実施例1の変形例であり、レーザの積層構造は基本的に実施例1と同一である。この実施例3が実施例1と異なる点は、図4(a)の溝状部分(凹部)の形成方法が異なることである。
図5(a)乃至(e)は実施例3(図4(a),(b))の半導体レーザの作製工程を示す図である。図5(a)乃至(e)を参照すると、実施例3の半導体レーザは以下のように作製される。
すなわち、まず、n−GaAs基板上に、有機金属化学気相成長(MOCVD)法により、実施例1と同様の半導体レーザの積層構造(エピ膜)を成長する(図5(a))。その後、溝状部分(凹部)を形成する際にエッチングするための犠牲層としてGaInP層を5μmの厚さに成長する(図5(b))。しかる後、フォトリソグラフィでパターンニングした感光性樹脂をマスクとして、GaInP層(犠牲層)をエッチングする(図5(c))。この際、例えばHCl系のエッチャントを用いることで、レーザ積層構造(エピ膜)のp−GaAsコンタクト層表面でエッチングストップできる。このようにして凹部を形成した上で、一旦感光性樹脂を除去し、その上で新たに基板の成長後酸化狭窄を行なうために、リッジ状に基板をエッチングする(すなわち、リッジ部(メサ)を形成する)(図5(d))。この時、エッチングは、実施例1と同様に、例えば感光性樹脂をエッチングマスクとした反応性イオンエッチング等で行なうようにする。酸化狭窄を行なった後は、実施例1と同じプロセスを行ない、最終的に半導体レーザ素子を得ることができる(図5(e))。
この実施例3のような製造方法を用いても、実施例1と同等の構造を作ることが可能であり、その効果も実施例1と同等のものを得ることが可能である。
図6は本発明の実施例4の半導体レーザを示す図である。図6の半導体レーザは、面発光型半導体レーザ(VCSEL)として構成されており、この半導体レーザの積層構造は、n型GaAs基板(n−GaAs基板)上に、n型半導体多層膜反射鏡(n−DBR)、GaAs下部スペーサ層、Ga0.7In0.30.01As0.99/GaAs DQW量子井戸活性層、GaAs上部スペーサ層、Al0.9Ga0.1As層、Al0.98Ga0.02As酸化層、Al0.9Ga0.1As層、p型半導体多層膜反射鏡(p−DBR)が順次に形成されて構成されている。
ここで、Al0.9Ga0.1As層、Al0.98Ga0.02As酸化層、Al0.9Ga0.1As層の3層は、全体で、光学長で3/4λとなる低屈折率層として設計されている。この低屈折率層の厚さは、1/4λの奇数倍であれば良く、必ずしも3/4λでなければならないわけではない。Al0.98Ga0.02As層は、例えば30nmの厚さになっている。そして、Al0.98Ga0.02As層を含む低屈折率層の上部には、1/4λのGaAs高屈折率層から始まる積層構造が形成されている(すなわち、全体で上部の反射鏡として働くp−DBRが形成されている)。
また、基板には、その裏面に凹部が形成されており(すなわち、n−DBR近傍までエッチングにより凹部が形成されており)、ここからレーザの発振光が取り出されるようになっている。
図7(a)乃至(e)は実施例4(図6)の面発光型半導体レーザ(VCSEL)の作製工程を示す図である。図7(a)乃至(e)を参照すると、図6の半導体レーザは以下のように作製される。
すなわち、まず、n−GaAs基板を準備し、その表面に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする(図7(a))。パターンニング後、エッチングを行ない、エッチングマスクとした樹脂を除去し、基板に凹部を形成する(図7(b))。
その後、有機金属化学気相成長(MOCVD)法により、n−GaAs基板上にGaAsとAl0.9Ga0.1Asをそれぞれレーザの発振波長に対して光学長が1/4λとなるような厚さで交互に積層(例えば26周期)して下部DBRとし、その上部にGaInNAs層からなる量子井戸活性層(8nm×2)をGaAsスペーサ層で挟んだ光学長λの共振器構造を成長し、さらにその上に、Al0.9Ga0.1As層,Al0.98Ga0.02As酸化層,Al0.9Ga0.1As層の3層で形成された低屈折率層から始まる上部DBRを(例えば35周期)成長し、これらをエピタキシャル膜(エピ膜)すなわち積層構造とする(図7(c))。
次に、上記積層構造を反応性イオンエッチングにより活性層下までエッチングし、例えば直径が約50μmのポスト状のメサに加工する(図7(d))。そして、エッチングして表面が露出した側面からAl0.98Ga0.02As層を選択的に酸化して、酸化物による絶縁領域を形成することにより、電流狭窄構造(酸化狭窄層)を形成する。電流は、酸化狭窄層によって例えば直径がおよそ5μmの非酸化領域に集中して活性層に注入される。
酸化狭窄層を形成した後、上面にパッシベーション膜としてSiO膜を形成し、そして基板の裏面をフォトリソグラフィでパターンニングし、エッチング用のマスク(エッチングマスク)とする(図7(d))。ここで、パターンニングには例えば両面アライナーを用いる。基板の裏面に形成したメサの形状を赤外線でモニターしながら位置合わせを行ない、基板の裏面のパターンニングを行なうことが可能である(すなわち、両面露光機を用いてパターンニングを行なう)。
パターンニング後は、エッチングにより基板の裏面に凹部を形成する。この際、例えば硫酸と過酸化水素水を混合して水で希釈したものをエッチャントとして用いてエッチングを行なった。また、エッチングマスクとしては、基板の裏面にあらかじめSiOを成膜しておき、これをフォトリソグラフィでパターンニングした後にHF水溶液にて不要なSiO部をエッチングし、その後残ったSiO膜をエッチングマスクとして、ウエットエッチングでGaAs基板をエッチングした。
エッチング終了後、基板の裏面のSiOを除去し、p−DBRの表面には電極取り出し口をメサ上に形成してp側電極を形成し、n型GaAs基板の裏面にはレーザ光の取り出し口を囲むようにリング状にn側電極を形成して、実施例4の面発光型半導体レーザを完成することができる(図7(e))。
近年、Nとその他のV族元素を含む混晶半導体が半導体発光素子の材料として注目されている。特にGaInNAsは、現在の光通信システムで用いられる光ファイバーに対して低損失の波長域である1.3μm帯でのレーザ発振が可能であるため、盛んに研究開発が行なわれている材料である。GaInNAsは、GaAsNとGaInAsとの混晶であり、伝導帯準位はN組成に対する依存性に大きなボーイングパラメータを有するため、圧縮歪を加えたGaInNAsはGaAsとの組み合わせで構成する量子井戸活性層においては伝導帯のバンドギャップ不連続量が大きく、キャリアのオーバーフローが起きにくいため、良好な温度特性を有する半導体発光素子を作ることができる。また、GaInNAsは、圧縮歪を加えて用いるため、しきい電流の低減および発振波長の長波長化に対しても有利である。そのため、GaInNAsはVCSELに用いることで光通信分野での大きなアドバンテージ(利点)を有すると考えられている。
また、前述のように酸化狭窄型VCSELは多くの利点を有しており、GaAs上に格子整合して活性層を成長できるNとその他のV族元素を含む混晶半導体は、酸化狭窄構造を有する面発光型半導体レーザの構成を利用でき、好ましい材料系であるといえる。このように多くの利点を有する酸化狭窄型VCSELとNとその他のV族元素を含む混晶半導体との組み合わせにおいて、酸化層に外部から応力がかかることに起因する破損や欠陥の導入による悪影響を低減することが非常に好ましい。
すなわち、Nとその他のV族元素を含む混晶半導体は、実施例4のように圧縮ひずみを有する活性層として用いることがほとんどであり、そのために例えば活性層近傍の酸化層において欠陥が生じた場合、その増殖,移動によって活性層が影響を受けやすく、従って、酸化層に外部から応力がかかることに起因する破損や欠陥の導入による悪影響を低減することが非常に好ましい。
この実施例4では、基板の裏面に凹部を形成する際に両面露光機を用いてパターンニングを行なっているが、パターンニングにおいては基板の表面がステージに接することとなる。特にフォトリソグラフィにおいては基板がそのステージ上において真空吸着などにより密着性を上げることもあり、基板表面に一定以上の応力がかかることがある。また作業中には基板表面を下にして作業することが多くなるため、不用意なハンドリングで基板表面に応力が加わる機会も多くなる。
そのため、従来構造のままではメサに応力がかかり、破損,欠陥の導入が起きやすく、歪みの無い活性層を用いた場合に比べて悪影響が大きいと考えられる。
これに対し、この実施例4においては、酸化狭窄構造を有するVCSELはそのメサが基板上の凹部に形成されているため、メサに対して直接応力がかかる可能性が低くなり、酸化膜を破損または酸化膜近傍に欠陥が導入される可能性が低くなって、歩留まりが向上し、信頼性の良好なVCSELを得ることができる。
実施例4の面発光型半導体レーザでは、DQW量子井戸活性層で発光した光は、上下の半導体多層膜反射鏡で反射して増幅され、1.3μm帯のレーザ光として基板裏面から垂直方向に放射される。
図8は本発明の実施例5の半導体レーザを示す図である。実施例5(図8)の半導体レーザも、その基本的構成は、実施例4の半導体レーザと全く同じであるが、実施例5では、レーザ光を基板裏面から取り出すのではなく、基板表面から取り出すようにしている。
より具体的に、実施例5(図8)の半導体レーザでは、基板側のn−DBRを35ペア積層して反射率を高め、p−DBRを26ペア積層して、発振したレーザ光を基板の上部から垂直に取り出せるようにしている。すなわち、基板表面のメサ上には、出射光の出口が設けられており、その出射光の出口を囲むようにp電極が形成されている。また、基板の裏面は、研磨されて約150μm程度の厚さまで薄くされて、n電極が形成されている。基板の裏面の研磨工程は実施例1の研磨工程と同一である。
従来の酸化狭窄構造VCSELにおいては、基板の裏面を研磨する際、メサ径が小さいこともあり、応力がかかると非常に破損しやすいという問題点があった。しかし、この実施例5では、例えば実施例1において図1(a)に示したと同様に、GaAs基板の凹部にメサが形成されているため、研磨の工程においてメサに直接大きな応力がかかる可能性が低減され、破損によって歩留まりが低下することを防止できる。また、破損しなくても、応力がかかることによって欠陥が酸化層周りに導入されて信頼性が低下することを防ぐこともできる。
図9は本発明の実施例6の光送受信モジュールを示す図である。実施例6(図9)の光送受信モジュールは、実施例5の面発光型半導体レーザ素子と、受信用フォトダイオードと、光ファイバーとを組み合わせて構成されている。
本発明による面発光型半導体レーザ素子を光通信システムに用いる場合、面発光型半導体レーザ素子は低コストであるので、図9に示すような送信用の面発光型半導体レーザ素子(例えば1.3μm帯GaInNAs面発光型半導体レーザ素子)と、受信用フォトダイオードと、光ファイバーとを組み合わせた光送受信モジュールを安価に得ることができる。
また、GaInNAsを用いた面発光型半導体レーザは、1.3−1.5μm帯での発振を得られる素子であり、これらの波長では石英系の光ファイバに対しての損失が少ないなどの理由により、通信用の光源として好適である。さらには、特に1.3μm等の長波長帯で低損失となるフッ素添加POF(プラスチックファイバ)とGaInNAsを活性層に用いた面発光型レーザとを組み合わせると、ファイバが低コストであることと、ファイバの径が大きくてファイバとのカップリングが容易で実装コストを低減できることから、極めて低コストのモジュールを実現できる。また、GaInNAsは、その優れた温度特性から、強力な冷却用の構成を必要としない。そのため、冷却用のコストが削減でき、安価な光通信モジュールを得ることができる。
本発明では、酸化狭窄構造を有するVCSELは、そのメサが基板上の凹部に形成されているため、メサに対して直接応力がかかる可能性が低くなり、酸化膜を破損または酸化膜近傍に欠陥が導入される可能性が低くなる。よって歩留まりが向上し、信頼性の面発光型半導体レーザ素子を製造することがより容易に行なえるようになり、安価で高性能の通信用長波長帯面発光型半導体レーザ素子を実現でき、さらにこれらの素子を用いることで、低コストの光ファイバー通信システム,光インターコネクションシステムなどの光通信システムを実現することができる。
本発明の実施例1の半導体レーザを示す図である。 本発明の実施例1の半導体レーザの作製工程を示す図である。 本発明の実施例2の半導体レーザを示す図である。 本発明の実施例3の半導体レーザを示す図である。 本発明の実施例3の半導体レーザの作製工程を示す図である。 本発明の実施例4の半導体レーザを示す図である。 本発明の実施例4の面発光型半導体レーザ(VCSEL)の作製工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体レーザを示す図である。 本発明の実施例6の光送受信モジュールを示す図である。

Claims (9)

  1. 半導体基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記半導体基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層が半導体基板上にさらに設けられていることを特徴とする半導体レーザ。
  2. GaAs基板の表面に形成された半導体レーザの積層構造に対してメサ状あるいはリッジ状の形状に加工が施され、該メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlGa(1−x)As (x≦1)を選択酸化して酸化狭窄構造が形成されており、また、前記GaAs基板の裏面に対して研磨あるいはエッチングを含む加工が施されている半導体レーザにおいて、前記酸化狭窄構造が形成されたメサ状あるいはリッジ状の形状の最上面よりも高さが高い材料層がGaAs基板上にさらに設けられていることを特徴とする半導体レーザ。
  3. 請求項1または請求項2記載の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは、基板に対して歪を有する活性層を有していることを特徴とする半導体レーザ。
  4. 請求項3記載の半導体レーザにおいて、歪を有する活性層は、窒素(N)とその他のV族を含む混晶半導体であることを特徴とする半導体レーザ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体レーザにおいて、該半導体レーザは面発光型半導体レーザであることを特徴とする半導体レーザ。
  6. 半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上に凹部をエッチングして形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有していることを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  7. 半導体基板上に半導体レーザの積層構造を成長する工程と、半導体基板上に一部をエッチングし段差を作るための犠牲層を成長する工程と、半導体基板上に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィでパターンニングする工程と、パターンニングされた感光性樹脂の形状を基に半導体基板上の犠牲層の一部をエッチングし凹部を形成する工程と、半導体基板上の感光性樹脂を除去し表面を洗浄する工程と、前記凹部の領域に、半導体レーザの積層構造をメサ状あるいはリッジ状の形状に加工して形成する工程と、前記メサ状あるいはリッジ状の形状の側面からAlを主成分としてなる半導体層を選択酸化して酸化狭窄構造を形成する工程とを有していることを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  8. 光送信用光源として請求項5記載の半導体レーザが用いられていることを特徴とする光送信用モジュール。
  9. 請求項8記載の光送信用モジュールが用いられていることを特徴とする光通信システム。
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