JP2005142023A - 加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法 - Google Patents

加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 待機状態から動作状態への移行に際して、加熱部材表面の温度むらを迅速に低減し得る加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法を提供する。
【解決手段】 加熱装置12は、加熱ローラ31と、誘導加熱手段37と、加熱部材33によって加熱される加圧部材32とを備えている。誘導加熱手段37および加圧部材32は、加熱ローラの周面を局所的に加熱して、加熱ローラ31表面に、3つの加熱領域を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法に関し、より詳細には、待機時における温度むらが低減された加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法に関するものである。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置では、アルミニウム等の中空芯金を有する加熱ローラを備え、該加熱ローラの内部にハロゲンヒータ等の加熱手段を配置した加熱装置が定着装置として広く用いられている。上記加熱装置は、上記ハロゲンヒータによって加熱ローラを所定の温度(定着温度)まで加熱している。
上述した構成の加熱装置は、加熱ローラの熱容量が大きく、且つ、ハロゲンヒータに発生した熱を加熱ローラに伝熱するため、加熱開始から、加熱ローラが定着温度に達して加熱動作(定着動作)を行うまでの時間(以後、ウォームアップ時間と記載する)が長い。そこで、加熱ローラに熱容量の小さい導電層を設け、該導電層を発熱させることによって、加熱効率を向上した誘電加熱方式の加熱装置が、例えば特許文献1に提案されている。すなわち、特許文献1の加熱装置は、加熱ローラに対向するように磁界発生手段を配置し、該磁界発生手段によって、上記導電層に磁界を作用させている。これにより、導電層には渦電流が発生し、該渦電流によるジュール熱によって、熱容量の小さい導電層が発熱するので、加熱ローラのウォームアップ時間を短縮することができる。
しかしながら、上述した誘導加熱方式の加熱装置では、磁界発生手段からの磁界は、表皮効果の影響により、磁界発生手段に対向する導電層に主に作用する。そのため、加熱ローラが回転を停止している待機状態などでは、加熱ローラの発熱領域は、磁界発生手段に対向する局所的な領域となってしまう。このように、加熱ローラが局所的に発熱すると、加熱ローラの周方向の温度分布が不均一になり、この状態で定着動作を行うと画像の光沢にむらが生じる。
上記のような定着処理時における加熱ローラの温度分布の不均一を抑制するための加熱装置が、特許文献2に開示されている。該特許文献2に記載の加熱装置では、待機中は加熱ローラの回転を停止させた状態で、上記磁界発生手段によって加熱ローラを加熱する。その後、定着動作を開始する前に、加熱ローラを回転させることによって、加熱ローラの温度を均一にしている。
特開2001−188427公報(公開日:2001年7月10日) 特開2001−194947公報(公開日:2001年7月19日)
しかしながら、上記特許文献2における加熱装置では、温度分布の均一化を図るために加熱ローラを回転させる時間が必要となる。特に待機状態が長期間に及ぶ場合や、加熱装置の周辺温度が低い場合には、加熱ローラ表面の温度のばらつきが大きくなる傾向にある。それゆえ、加熱ローラの表面温度を均一化するために、加熱ローラを回転させる時間が長くなり、定着動作が可能となるまでのウォームアップ時間が長くなってしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、待機状態から動作状態への移行時に、速やかに加熱部材や加圧部材の温度むらを解消し、動作状態への移行を迅速に行うことができる加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法を提供することにある。
本発明に係る加熱装置は、上記課題を解決するために、加熱部材に圧接して該加熱部材の回転とともに回転する加圧部材を備え、上記加熱部材の周面を加熱源によって局所的に加熱することにより、上記加熱部材の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が該回転軸方向に平行に形成される加熱装置において、上記加熱部材の回転が停止している場合、上記加熱部材は、該加熱部材の周面に、少なくとも3つの加熱領域を有していることを特徴としている。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材の回転が停止している場合、上記加熱部材の周面には、該加熱部材の回転方向に沿って、上記加熱源によって加熱されない非加熱領域と上記加熱領域とが交互に形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱領域は、互いに等しい間隔を隔てて形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材の外周長と、上記加圧部材の外周長とは、互いに異なっていることが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材および加圧部材のうち、外周長が相対的に長い一方の部材の外周長は、外周長が相対的に短い他方の部材の外周長の整数倍ではない長さを有していることが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材は、上記加熱源によって発熱する発熱層を有し、上記加熱源の少なくとも1つは、上記発熱層を誘導加熱によって加熱する誘導加熱手段であってもよい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記誘導加熱手段は、上記加熱部材の外周に対向するように配置されていてもよい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加圧部材は、上記加熱源の少なくとも1つとなることが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加圧部材は、該加圧部材の内部に、該加圧部材全体を均一に加熱する内部熱源を有していてもよい。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記の加熱装置のいずれかを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記課題を解決するために、加熱部材に圧接して圧接部を形成する加圧部材を備え、上記加熱部材の周面を加熱源によって局所的に加熱することにより、上記加熱部材の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が該回転軸方向に平行に形成される加熱装置にて、動作状態で、上記加熱部材と加圧部材とが回転することにより、上記圧接部にて被加熱材の加熱を行うとともに、待機状態で、上記加熱部材および加圧部材の回転を停止して、上記加熱源によって加熱部材の予熱を行う加熱装置の加熱方法において、上記待機状態から動作状態に復帰する動作を行う復帰状態は、上記加熱部材および加圧部材の回転を行う第1ステップと、上記加熱部材および加圧部材の回転を、所定位置にて、所定時間停止する第2ステップと、上記加熱部材および加圧部材の回転を再開する第3ステップとを有していることを特徴としている。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記待機状態にて、上記加熱部材の周面には、該加熱部材の回転方向に沿って、上記加熱源によって加熱されない非加熱領域と上記加熱領域とが交互に形成され、上記復帰状態の第2ステップにて、上記待機状態における非加熱領域が上記加熱源によって加熱される位置で、上記加熱部材の回転を停止することが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記待機状態にて、加熱部材の周面には、少なくとも2つの加熱領域が形成されているとともに、該加熱領域は、上記加熱部材の回転方向に沿って、互いに等しい間隔を隔てて形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記加熱源として、上記加圧部材全体を均一に加熱し、かつ上記待機状態にて上記圧接部の位置で加熱部材を加熱するための内部熱源を内部に備えた加圧部材を用いるとともに、上記待機状態にて上記圧接部以外の位置で上記加熱部材を加熱する局所加熱源を用い、上記復帰状態では、上記内部熱源の電源をオフにするとともに、上記動作状態時に局所加熱源に投入される電力量よりも多くの電力量を上記局所加熱源に投入してもよい。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記加圧部材の待機状態における設定温度は、動作状態における設定温度よりも高い温度に設定されていてもよい。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記待機状態にて、加熱部材の周面には、少なくとも2つの加熱領域を有し、上記待機状態にて、上記加熱部材の回転方向における加熱領域の長さが相対的に狭い第1の加熱領域における設定温度は、加熱領域の長さが相対的に広い第2の加熱領域における設定温度よりも高い温度に設定されていてもよい。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記第1ステップにて、上記加熱部材を少なくとも1回転するとともに、該加熱部材の周面における温度分布を記憶し、上記第2ステップにて、上記温度分布に基づいて、相対的に温度が低い領域が上記加熱源によって加熱される位置で、上記加熱部材の回転を停止してもよい。
また、本発明に係る加熱装置の加熱方法は、上記の加熱装置の加熱方法において、上記第2ステップと第3ステップとを繰り返して行ってもよい。
本発明の加熱装置は、以上のように、加熱部材に圧接して該加熱部材の回転とともに回転する加圧部材を備え、上記加熱部材の周面を加熱源によって局所的に加熱することにより、上記加熱部材の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が該回転軸方向に平行に形成される加熱装置において、上記加熱部材の回転が停止している場合、上記加熱部材は、該加熱部材の周面に、少なくとも3つの加熱領域を有している。ここで、上記加熱部材の周面とは、加熱部材の内周または外周をいう。また、回転軸とは、加熱部材の回転中心をいい、回転軸方向に平行とは、回転軸に対して実質的に平行であることも含むものとする。
上記の構成によれば、加熱装置が予熱を行って動作を停止している待機状態にて、加熱部材の温度むらを抑制することができる。したがって、上記待機状態から、加熱装置が所定の加熱動作を行う動作状態に復帰する復帰状態時に、速やかに加熱部材表面の温度むらを解消することができる。
また、本発明の加熱装置は、さらに、加熱部材の回転が停止している場合、上記加熱部材の周面には、該加熱部材の回転方向に沿って、上記加熱源によって加熱されない非加熱領域と上記加熱領域とが交互に形成されているので、上記待機状態における加熱部材の周面方向の温度の不均一を低減することができる。それゆえ、上記復帰状態時に、加熱部材の加熱によって、表面温度を素早く均一にすることができる。
また、本発明の加熱装置は、さらに、上記加熱領域は、互いに等しい間隔を隔てて形成されているので、待機状態における加熱部材表面の温度むらをより一層低減することができる。これにより、復帰状態時にて、加熱部材表面の温度むらを短時間で解消することができる。
また、本発明の加熱装置は、さらに、上記加熱部材の外周長と、上記加圧部材の外周長とは、互いに異なっており、好ましくは、上記加熱部材および加圧部材のうち、外周長が相対的に長い一方の部材の外周長は、外周長が相対的に短い他方の部材の外周長の整数倍ではない長さを有している。上記の構成によれば、加熱部材または加圧部材が1回転する毎に、加熱部材と加圧部材とが圧接する位置での、加熱部材表面と加圧部材表面とを異ならせることができる。したがって、待機状態時に発生した加熱部材の表面温度の不均一性を、復帰状態にて加熱部材および加圧部材が回転することによって、加熱部材表面の温度むらを低減することができる。
また、本発明の加熱装置は、さらに、上記加熱部材は、上記加熱源によって発熱する発熱層を有し、上記加熱源の少なくとも1つは、上記発熱層を誘導加熱によって加熱する誘導加熱手段であってもよい。ここで、上記誘導加熱手段は、上記加熱部材の外周に対向するように配置されていてもよい。上記の構成によれば、加熱部材に発熱層を設け、加熱効率に優れた誘導加熱手段を用いて、上記発熱層を加熱しているので、加熱部材を効率よく昇温させることができる。
また、本発明の加熱装置は、さらに、上記加圧部材は、上記加熱源の少なくとも1つとなることが好ましい。このように、加圧部材が加熱源としての機能を兼ね備えることにより、加熱装置の構造の簡略化を図ることができる。また、加圧部材は、加熱部材に圧接して設けられているので、加圧部材が加熱源とすることにより、加熱部材を効率よく加熱することができる。
また、本発明の加熱装置は、さらに、上記加圧部材は、該加圧部材の内部に、該加圧部材全体を均一に加熱する内部熱源を有しているものであってもよい。上記の構成によれば、加圧部材全体が均一に加熱されるので、復帰状態にて、加圧部材が回転して、加熱部材と加圧部材との圧接位置が変化しても、加圧部材によって、加熱部材を常に加熱することができる。これにより、加熱部材の加熱を効率よく行うことができる。
また、本発明の画像形成装置は、上記の加熱装置のいずれかを備えているので、待機状態から動作状態に復帰する際に、速やかに加熱部材表面の温度むらを解消することができる画像形成装置を提供することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、以上のように、加熱部材に圧接して圧接部を形成する加圧部材を備え、上記加熱部材の周面を加熱源によって局所的に加熱することにより、上記加熱部材の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が該回転軸方向に平行に形成される加熱装置にて、動作状態で、加熱部材と加圧部材とが回転することにより、加熱部材と加圧部材とが圧接して形成される圧接部にて被加熱材の加熱を行うとともに、待機状態で、上記加熱部材および加圧部材の回転を停止して、加熱源によって加熱部材の予熱を行う加熱装置の加熱方法において、上記待機状態から動作状態に復帰する動作を行う復帰状態は、上記加熱部材および加圧部材の回転を行う第1ステップと、上記加熱部材および加圧部材の回転を、所定位置にて、所定時間停止する第2ステップと、上記加熱部材および加圧部材の回転を再開する第3ステップとを有している。
上記の方法によれば、復帰状態にて、加熱部材および加圧部材を所定の回転角度を回転させて、回転を停止して、加熱部材の加熱を行うことができる。それゆえ、加熱部材の回転角度を調整することによって、待機状態にて、加熱部材表面のうち低い温度となっている領域(以下、低温領域と記載する)を集中的に加熱することができる。また、加熱部材の低温領域を集中的に加熱した後は、加熱部材および加圧部材を回転させているので、加熱部材全体を均一に加熱して、加熱部材表面の温度むらを低減することができる。
さらに、上記のように、復帰状態にて、加熱部材の回転の停止を行って、加熱部材を間欠的に回転させることにより、加熱部材が所定温度にまで昇温する復帰時間を短縮することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、さらに、上記待機状態にて、上記加熱部材の周面には、該加熱部材の回転方向に沿って、上記加熱源によって加熱されない非加熱領域と上記加熱領域とが交互に形成され、上記復帰状態の第2ステップにて、上記待機状態における非加熱領域が上記加熱源によって加熱される位置で、上記加熱部材の回転を停止するようにしてもよい。あるいは、上記待機状態にて、加熱部材の周面には、少なくとも2つの加熱領域が形成されているとともに、該加熱領域は、上記加熱部材の回転方向に沿って、互いに等間隔を隔てて形成されていてもよい。
上記の方法によれば、加熱領域と非加熱領域とが交互に形成される、あるいは、加熱領域が互いに等間隔を隔てて形成されているので、待機状態における加熱部材の周面方向の温度の不均一を低減することができる。それゆえ、上記復帰状態時に、加熱部材の加熱によって、表面温度の温度むらを素早く解消することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、さらに、上記加熱源として、上記加圧部材全体を均一に加熱し、かつ上記待機状態にて上記圧接部の位置で加熱部材を加熱するための内部熱源を内部に備えた加圧部材を用いるとともに、上記待機状態にて上記圧接部以外の位置で上記加熱部材を加熱する局所加熱源を用い、上記復帰状態では、上記内部熱源の電源をオフにするとともに、上記動作状態時に局所加熱源に投入される電力量よりも多くの電力量を上記局所加熱源に投入することが好ましい。
上記の方法によれば、加圧部材が内部熱源を備えているので、待機状態にて、加圧部材全体が加熱されている。そのため、復帰状態にて、加圧部材の加熱を停止しても、加熱部材に圧接する圧接部にて、加熱部材を加熱することができる。また、加熱装置に使用することができる電力量に制限がある場合にも、内部熱源への電力供給を停止すると、局所加熱源により多くの電力量を投入することができる。したがって、局所加熱源によって、加熱部材を効率よく加熱することができる。それゆえ、復帰状態にて、加熱部材表面の温度むらを速やかに低減することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、さらに、上記加圧部材の待機状態における設定温度は、動作状態における設定温度よりも高い温度に設定されていてもよい。該方法によれば、待機状態にて、加圧部材が十分な熱量を保持し得るように、該加圧部材の加熱を行うことができる。それゆえ、復帰状態にて、加圧部材の加熱を停止しても、圧接部にて、加熱部材を十分に加熱することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、さらに、上記待機状態にて、加熱部材の周面には、少なくとも2つの加熱領域を有し、上記待機状態にて、上記加熱部材の回転方向における加熱領域の長さが相対的に狭い第1の加熱領域における設定温度は、加熱領域の長さが相対的に広い第2の加熱領域における設定温度よりも高い温度に設定されていることが好ましい。
上記の方法によれば、第1の加熱領域の設定温度が、第2の加熱領域の設定温度よりも低い場合に比べて、待機状態における加熱部材表面の温度むらを抑制することができる。それゆえ、復帰状態にて、速やかに加熱部材表面の温度の不均一性を解消することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、さらに、上記第1ステップにて、上記加熱部材を少なくとも1回転するとともに、該加熱部材の周面における温度分布を記憶し、上記第2ステップにて、上記温度分布に基づいて、相対的に温度が低い領域が上記加熱源によって加熱される位置で、上記加熱部材の回転を停止するようにしてもよい。
上記の方法によれば、復帰状態に移行した段階での加熱部材表面の温度分布を検出することができるので、該検出結果に基づいて、加熱部材の低温領域を集中的に加熱することができる。それゆえ、復帰状態で、加熱部材表面の温度むらを短時間で解消することができる。
また、本発明の加熱装置の加熱方法は、さらに、上記第2ステップと第3ステップとを繰り返して行ってもよい。該方法によれば、加熱部材の回転と回転の停止とを繰り返して行っているので、加熱部材表面の温度むらが一様でない場合にも、加熱部材の低温領域を効果的に加熱することができる。それゆえ、復帰状態で、加熱部材表面の温度むらを効率よく解消することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2に、本発明にかかる加熱装置の概略断面図を示す。図2に示す加熱装置12は、例えば電子写真方式の画像形成装置に備えられ、記録用紙(被加熱材)P上の未定着のトナーからなる未定着トナー像Tを溶融して、記録用紙P上へのトナー像の加熱加圧定着を行っている。具体的には、上記加熱装置12は、発熱層31bを有する上記加熱ローラ(加熱部材)31を、その外部に配置した上記誘導加熱手段(加熱源)37により加熱する。その後、一定温度にまで加熱された加熱ローラ31と加圧ローラ(加圧部材・加熱源)32の圧接部に未定着のトナー像Tを有する記録用紙Pを通紙することで、記録用紙Pに画像を定着させる。そのため、上記加熱装置12は、図2に示すように、加熱ローラ31と、加圧ローラ32と、誘導加熱手段37と、加熱手段(内部熱源)33と、加熱ローラ用サーミスタ35と、制御手段36と、加圧ローラ用サーミスタ38と、励磁回路34とを備えている。
上記加熱ローラ31は、記録用紙P上のトナーを溶融するとともに、該加熱ローラ31と加圧ローラ32との加圧力によって、記録用紙P上にトナー像を定着させる。加熱ローラ31は駆動手段43からの駆動力を受けて、図2中の矢印R1の方向に、回転駆動される。上記加熱ローラ31は、芯金31dと、弾性層31cと、発熱層31bと、離型層31aとを備えており、芯金31d上に、弾性層31c、発熱層31b、離型層31aが順次形成されている。
上記芯金31dは、アルミニウム、鉄もしくはステンレス等の金属からなる。このうち、誘導加熱による発熱を防止するため、アルミニウムがより望ましい。
上記弾性層31cは、後述する薄肉化された発熱層31bを固定支持するために、該発熱層31bと上記芯金31dとの間に設けられる。弾性層31cを設けることにより、発熱層31bの十分な機械的強度を確保することができる。また、弾性層31cは、発熱層31bで発生した熱が芯金31dに逃げることを極力防止するために、断熱性を有している。さらに、弾性層31cは、発熱層31bの発熱によって劣化しにくい耐熱性を有している。したがって、弾性層31cは、発泡シリコンゴムなどの断熱性および耐熱性に優れた材料にて形成されることが好ましい。
上記発熱層31bは、誘導加熱により発熱する発熱体である。加熱ローラ31の表面温度の立ち上がり時間を短縮するために、発熱層31bの肉厚は、40μm〜50μm程度に薄肉化されていることが好ましい。上記発熱層31bの材質は、誘導加熱により加熱を行うため、鉄やSUS430ステンレス材等、磁性を有する導電性部材であればよい。特に比透磁率が高い材料が好ましく、珪素鋼板や電磁鋼板、ニッケル鋼等を用いることもできる。また、非磁性体であっても、抵抗値の高い材料であれば誘導加熱によって発熱するので、SUS304ステンレス材などを使用してもよい。さらに、発熱層31bとして、比透磁率の高い材料が導電性を有するように配置されていれば、セラミックなどの非磁性のベース部材を用いてもよい。なお、発熱量を増大させるために、発熱層31bが複数形成されてもよい。
また上記離型層31aは、上記発熱層31b表面(外周面)を被覆し、ニップ部(圧接部)での加熱により、粘度が低下したトナーが加熱ローラ31表面に付着することを防止する。離型層31aは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)等のフッ素樹脂、あるいは、シリコンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコンゴム等の弾性体、もしくは、これらが複数積層されてなる。特に、上記加熱装置12が、カラー印刷用のトナーの定着処理を行う場合には、上記離型層31aとして、弾性を有するゴム系材料を用いることが好ましい。
上記誘導加熱手段37は、加熱ローラ31の発熱層31bに交番磁界を作用させて、発熱層31bを発熱させる。上記誘導加熱手段37は、図2に示すように、誘導コイル37aと該誘導コイル37aを保持するための樹脂製ホルダー37bを有し、加熱ローラ31の外周面に対向するように配置されている。より具体的には、上記誘導加熱手段37は、加熱ローラ31の発熱層31bの外周面に沿って所定の曲率で、該加熱ローラ31の外周面を局所的に覆うように配置されている。
図3に、上記誘導加熱手段37の上面図を示す。図2及び図3に示すように、上記誘導コイル37aは、導線を空芯で複数回巻き回すことによって形成される。すなわち、誘導コイル37aの中央部に、加熱ローラ31の回転方向に沿って、距離Lの空隙が出来るよう渦巻き状に巻かれた構成となっている。上記誘導コイル37aを形成する上記導線には、例えば、耐熱性を考慮して、表面絶縁層として酸化膜を有するアルミニウム単線を使用すればよい。あるいは、銅線もしくは銅ベースの複合部材線やエナメル線等を撚り線にしてなるリッツ線を用いてもよい。何れの導線を使用した場合にも、誘導コイル37aでのジュール損を抑制するためには、誘導コイル37aの全抵抗値は、0.5Ω以下とすることが好ましく、0.1Ω以下とすることがより好ましい。
上記誘導加熱手段37に、図2に示す上記励磁回路34より高周波電流を流すことで生じる交番磁界により、上記加熱ローラ31が誘導加熱される。上記したように、上記誘導加熱手段37は、所定の曲率を有するので、誘導コイル37aも加熱ローラ31の外周面に沿って所定の曲率を有するように導線が巻き回されてなる。したがって、誘導コイル37aに高周波電流を流すと、上記誘導コイル37aの中心側に磁束が集中し、渦電流の発生量が多くなる。その結果、上記加熱ローラの表面温度をすばやく立ち上げることができる。なお、誘導加熱手段37は、上記ニップ部を通過する記録用紙Pのサイズに応じて、加熱ローラの回転軸方向に複数個配置してもよい。
また、上記加圧ローラ32は、図2に示すように、上記加熱ローラ31に圧接し、該加圧ローラ32と加熱ローラ31との間にて、未定着トナー像Tを担持する記録用紙Pを挟持して搬送し、記録用紙P上にトナー像を固着させる。上記加圧ローラ32は、図示しない加圧バネ等の付勢手段によって、所定の押圧力(当接圧)で加熱ローラ31に圧接している。加圧ローラ32は、加熱ローラ31の回転に伴って、図2中、矢印R2方向に従動回転する。
上記加圧ローラ32は、加圧ローラ側芯金32bと、加圧ローラ側離型層32aと、加熱手段33とを備え、加圧ローラ側芯金32b上に加圧ローラ側離型層32aが形成されている。上記加圧ローラ側芯金32bは、鉄・ステンレスもしくはアルミニウムで、中空状に形成されてなる。上記加圧ローラ側離型層32aは、トナーや紙粉の付着を防ぐために形成されている。上記加圧ローラ側離型層32aの材料としては、例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂材料、あるいは、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等のゴム材料を用いることが好ましい。
上記加熱手段33は、上記加圧ローラ32を加熱するために、該加圧ローラ32の中空状の芯金32bの内部に配設されている。上記加熱手段33としては、例えば、ハロゲンランプやセラミックヒータ等のランプヒータを用いればよい。上記加熱手段33から発せられる赤外線により、上記加圧ローラ32全体が均一に加熱される。
上記加熱ローラ用サーミスタ35は、加熱ローラ31の表面温度を検出するために設けられている。上記加熱ローラ用サーミスタ35は、ニップ部の記録用紙Pの搬送方向の下流側の近傍にて、加熱ローラ31表面に対向するように設けられている。
上記加圧ローラ用サーミスタ38は、加圧ローラ32の表面温度を検出するために設けられている。上記加圧ローラ用サーミスタ38は、ニップ部の記録用紙Pの搬送方向の下流側の近傍にて、加圧ローラ32表面に対向するように設けられている。
上記励磁回路34は、誘導コイル37aに接続され、該誘導コイル37aに高周波電流を供給する。
上記制御手段36は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、加熱装置12全体の動作を制御する。すなわち、制御手段36がモータおよびモータドライバを有する駆動手段43を制御して加熱ローラ31を回転駆動する。また、上記加熱ローラ用サーミスタ35および加圧ローラ用サーミスタ38の検知信号に基づいて、ドライバー回路42と励磁回路34とを制御して、それぞれ加熱ローラ及び加圧ローラの温度を制御する。
上記の各構成を備えた図2に示す加熱装置は、図示しない加圧バネ等の付勢手段によって所定の圧力で、加圧ローラ32が加熱ローラ31に対して圧接して配置される。これにより、加熱ローラ31と加圧ローラ32との接触部分であるニップ部が形成される。上記したように、加圧ローラ32は、内部に加熱手段33を備えているので、加圧ローラ32全体が加熱される。そのため、上記ニップ部にて、加熱ローラ31は、加圧ローラ32によって加熱されることになる。
また、加熱ローラ31の外表面のうち、上記ニップ部の形成位置以外の領域に対向するように、誘導加熱手段37が設けられている。誘導加熱手段37の誘導コイル37aは、上記したように、加熱ローラ31の回転軸に平行な方向に延び、加熱ローラ31の回転軸方向の両端部にて折返されるとともに、加熱ローラ31の外周面に沿って所定の曲率で、導線が巻き回されてなる。
図2および図3に示すように、上記誘導コイル37aのうち、加熱ローラ31の回転軸に平行に延びた部分(加熱源、以下、平行部分と記載する)37cは、上記両端部での折返しの前後にて、巻き回し方向が異なる。上記誘導コイル37aには、後述するように、励磁回路34から電流が供給されるため、上記平行部分37cでの巻き回し方向、すなわち電流の流れる方向が異なると、誘導コイル37aに発生する交番磁界の方向が異なることになる。そのため、上記誘導コイル37aは、図3に示すように、上記平行部分37cが互いに接触することがないように、加熱ローラ31の回転方向に距離Lを隔てて平行部分37cを形成してなっている。したがって、誘導コイル37aの平行部分37cは、図2に示すように、加熱ローラ31の回転方向に距離Lを隔てて、加熱ローラ31表面に対向するように配置される。
上記構成の加熱装置12では、記録用紙P上への未定着トナー像Tの定着処理を行う場合、以下の動作が行われる。すなわち、図示しない電源から、上記加熱装置12への通電が開始されると、制御手段36の制御によって、駆動手段43が加熱ローラ31を回転駆動させる。これによって加圧ローラ32が従動回転し、加熱装置12を定着可能な状態、すなわち加熱ローラ31および加圧ローラ32を、所定の制御温度まで上昇させるウォームアップが開始される。
上記ウォームアップ時には、制御手段36の制御によって、誘導コイル37aに接続された励磁回路34がオンになり、誘導コイル37aに高周波電流が供給される。これにより、誘導コイル37aが励磁されて、該誘導コイル37aに交番磁界が発生する。この交番磁界が、加熱ローラ31の発熱層31bに作用することにより、該発熱層31bに渦電流が誘起され、ジュール熱が発生する。その結果、加熱ローラ31が発熱する。同時に、制御手段36がドライバー回路42を制御して、加熱手段33に電力を供給する。これにより、加熱手段33から放出される赤外線によって、加圧ローラ32全体が均一に加熱され、ニップ部にて加熱ローラ31が加熱される。このとき、制御手段36は、加熱ローラ用サーミスタ35および加圧ローラ用サーミスタ38からの検出信号によって、加熱ローラ31および加圧ローラ32の表面温度をそれぞれ検出する。
加熱ローラ31および加圧ローラ32が所定の制御温度まで上昇すると、ウォームアップを完了し、定着処理が要求されている場合には、定着処理を実行する動作モード(動作状態)に移行する。該動作モードでは、上記励磁回路34およびドライバー回路42を介して、誘導コイル37aおよび加熱手段33のそれぞれに供給される電力量の総量が、ウォームアップ時における該電力量の総量よりも小さくなるように設定する。具体的には、例えば、誘導コイル37aに供給される電力量を切換えて、ウォームアップ時に供給される電力量よりも小さくする。
この理由は、上記加熱装置12が画像形成装置に備えられている場合、画像形成装置への電源投入後に行われるウォームアップ時には、加熱装置12のみが動作し、動作モード時には、画像形成装置全体が動作することにある。つまり、ウォームアップ時には、画像形成装置に備えられている加熱装置12以外の各部は動作しない。したがって、ウォームアップ時には、加熱装置12にのみ電力を投入すればよい。これに対し、定着処理を含む画像処理が行われる動作モード時には、加熱装置12以外の各部も動作を開始するため、加熱装置12に投入可能な電力量が制限されることになる。それゆえ、ウォームアップ時から動作モードに移行する際に、誘導コイル37aに供給される電力量を切換えている。
そして、加熱ローラ31および加圧ローラ32を制御温度に保った状態で、図2に示すように、未定着トナー像Tが保持されている記録用紙Pをニップ部に搬送する。ニップ部にて、加熱ローラ31と加圧ローラ32とによって挟持されて上記記録用紙Pが搬送されると、記録用紙P上のトナーが溶融して圧着される。これにより、定着処理動作が完了する。
上記のようにして定着処理が終了した場合、あるいは、上記ウォームアップ後に定着処理が要求されていない場合には、加熱装置12は、次の定着処理要求に備えて予熱を行う待機モード(待機状態)に移行する。該待機モードでは、制御手段36の制御によって、駆動手段43が加熱ローラ31の回転を停止させる。これによって加圧ローラ32の回転も停止する。同時に、加熱ローラ31および加圧ローラ32のウォームアップ時または動作モード時における制御温度を、待機モードにおける制御温度に切換える。
上記待機モードでは、加熱ローラ31および加圧ローラ32の回転は停止しているので、加熱ローラ31表面は、局所的に加熱されることになる。すなわち、上記誘導加熱手段37から供給される交番磁界によって発熱する加熱ローラ31表面は、誘導コイル37aと対向する領域に存在する。そのため、加熱ローラ31表面のうち、誘導コイル37aの上記平行部分37cによって加熱される加熱領域は、加熱ローラ31の回転軸方向に平行に、かつ、加熱ローラ31の回転軸方向の一方の端部から他方の端部の間(以下、両端部間)一帯に形成されることになる。
上記誘導コイル37aを用い、加熱ローラ31の停止状態で加熱ローラ31表面を加熱すると、図4に示すように、加熱ローラ31表面の温度分布を表す、発熱分布特性データが得られる。ここで、図4中、横軸は、加熱ローラ31の誘導加熱手段37と対向する領域のうち、加熱ローラ31の回転方向に対して中央の位置、すなわち図1に示す距離Lの中点を0°とし、加熱ローラ31の回転方向を正とし、該回転方向と逆方向を負として、±180°までの角度θで、加熱ローラ31表面の位置を表している。また、縦軸は、加熱ローラ31の各位置の温度を、加熱ローラ31の発熱分布のうちの最高温度となる温度で除した百分率で示している。
図4に示す発熱分布特性データから、誘導コイル37aに対向する領域の加熱ローラ31表面が発熱する傾向にあることがわかる。つまり、誘導コイル37aによる加熱ローラ31の加熱によって、加熱ローラ31の回転軸方向の両端部間にわたる全域に、該回転軸方向に平行に、加熱領域が2つ形成される。
また、上記したように、加圧ローラ32が発熱しているので、加熱ローラ31は、上記ニップ部においても、加熱ローラ31の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が形成される。したがって、誘導加熱手段37および加熱手段33を内蔵した加圧ローラ31を備えることによって、上記加熱ローラ31の回転停止時には、該加熱ローラ31に、3つの加熱領域が形成されることになる。
このように、上記加熱装置12を用いれば、加熱ローラ31の回転が停止している場合にも、局所的に存在する3つの加熱領域で加熱ローラ31が加熱された状態となる。それゆえ、加熱ローラが回転していない待機モードにおいても、加熱ローラ31表面の温度のばらつきを低減して、加熱ローラ31の予熱を行うことができる。これにより、後述する復帰モードにて、再度、加熱ローラ31の加熱を行う場合にも、加熱ローラ31表面の温度むらを短時間で解消することができる。
特に、上記加熱ローラ31の周面にて、該加熱ローラ31の周方向に均等に、3つの加熱領域を配置すると、加熱ローラ31の回転が停止した状態で加熱を行った場合の、加熱ローラ31表面の温度むらをより一層低減することができる。つまり、誘導コイル37aおよび加圧ローラ32によって加熱される加熱領域(図2中、P1・P2・P3)と、誘導コイル37aや加圧ローラ32によって加熱されない非加熱領域(図2中、P4・P5・P6)とを交互に配置し、かつ、加熱領域間の距離である加熱ローラ31表面の非加熱領域の周方向の長さを、実質的に一定とする。これにより、加熱領域の間に非加熱領域が配置されるので、加熱領域の熱が非加熱領域に伝熱しやすくなって、加熱ローラ31表面の温度むらが低減される。また、加熱領域間の距離を一定にすれば、各非加熱領域における温度分布がほぼ同じ傾向を示す。そのため、加熱ローラ31表面の温度は、所定の範囲内でばらつくことになり、加熱ローラ31表面の全体としての温度むらが抑制される。
上記のように、加熱ローラ31表面に加熱領域を均等に配置するためには、上記ニップ部の中心位置P3、および、誘導コイル37aによって最も発熱する加熱ローラ31表面の発熱ピーク位置P1・P2が、それぞれ互いに、加熱ローラ31の回転軸を中心として約120°をなすように、誘導加熱手段37および加圧ローラ32の配置位置を設定すればよい。すなわち、誘導コイル37aによる加熱ローラ31の加熱によって、上記発熱ピーク位置P1・P2は、図4に示すように、誘導コイル37aの平行部分37cに対向する加熱ローラ31表面のうち、加熱ローラ31の回転方向における中央部付近に見られる。そのため、上記発熱ピーク位置P1とP2とが、加熱ローラ31の周面にて、互いに120°の角度をなすように、誘導コイル37aを形成する。言い換えれば、加熱ローラ31表面にて、発熱ピーク位置P1とP2とが互いに120°となるように、上記平行部分37c間の距離Lを設定して、誘導コイル37aを形成する。
また、上記発熱ピーク位置P1・P2と、上記ニップ部の中心位置P3とが、それぞれ、加熱ローラ31の回転軸を中心として約120°をなすように、加熱ローラ31の周面に、誘導加熱手段37を配置する。これにより、発熱ピーク位置P1・P2および上記ニップ部の中心位置P3が、それぞれ互いに、等間隔を隔てて配置される。その結果、加熱ローラ31表面の周方向における加熱領域間の距離をほぼ一定にした状態で、3つの加熱領域を形成することができる。
上記待機モードにて、定着処理の要求がなされると、復帰モード(復帰状態)に移行する。復帰モードでは、制御手段36の制御によって、駆動手段43が加熱ローラ31を回転駆動させる。これによって加圧ローラ32が従動回転し、加熱装置12を定着可能な状態、すなわち加熱ローラ31および加圧ローラ32を所定の制御温度まで上昇させる復帰動作を開始する。このとき、誘導コイル37aおよび加熱手段33のそれぞれに供給される電力量の総量は、待機モード時における該電力量の総量よりも大きくする。具体的には、例えば、誘導コイル37aに供給される電力量を切換えて、待機モード時に供給される電力量よりも大きくする。
上記したように、待機モードでは、3つの加熱領域で加熱ローラ31が加熱されているので、復帰モードでは、待機モードで発生した加熱ローラ31表面の温度むらを速やかに解消することができる。それゆえ、定着処理時の加熱ローラ31表面の温度のばらつきを低減して、光沢むら等の画質劣化を引き起こすことなく、記録用紙P上に良好にトナー像を定着させて、高画質の印刷物を得ることができる。
ここで、上記加熱ローラ31の外径と加圧ローラ32の外径とは、異なっていることが好ましい。特に、加熱ローラ31の外径および加圧ローラ32の外径のうち、外径が大きい方のローラ(加熱ローラ31または加圧ローラ32)の外径が、外径の小さい方のローラ(加熱ローラ31または加圧ローラ32)の外径の整数倍となっていないことが好ましい。
このように、外径比が整数倍とならないように、加熱ローラ31の外径および加圧ローラ32の外径を設定することにより、加熱ローラ31および加圧ローラ32のうち外径が大きい方のローラが1回転する毎に、ニップ部にて接触する、加熱ローラ31表面と加圧ローラ表面32とを異ならせることができる。つまり、上記加熱装置12では、加熱ローラ31の外径が加圧ローラ32の外径よりも大きいので、加熱ローラ31表面に接触する加圧ローラ32表面が、加熱ローラ31が1回転する毎に異なる。これにより、加熱ローラ31および加圧ローラ32の回転時における加熱ローラ31表面の温度むらを低減することができる。
なお、上記待機モードから復帰モードに移行する際には、加熱手段33への電力供給を停止して、誘導コイル37aにより多くの電力を供給するようにしてもよい。すなわち、加圧ローラ32の内部に加熱手段33を備えている場合、待機モードにて、加圧ローラ32全体が加熱されている。そのため、復帰モードにて、加圧ローラ32が回転した場合にも、加熱ローラ31に圧接するニップ部にて、加熱ローラ31を加熱することができる。つまり、加圧ローラ32は、加熱ローラ31を加熱する加熱源となり得る。また、復帰モードにて、迅速に加熱ローラ31を加熱するためには、より加熱効率に優れた誘導加熱手段37に、多くの電力を供給することが好ましい。
したがって、加熱手段33への電力供給を停止しても、加圧ローラ32の大幅な温度低下を引き起こすことなく、誘導コイル37aに供給された電流によって、復帰モードにおける加熱ローラ31表面の温度むらを速やかに解消することができる。また、加熱ローラ31を効率よく加熱することができるので、加熱ローラ31が定着処理の可能な温度にまで上昇する復帰時間を短縮することができる。
また、上記待機モードにおける加圧ローラ32の制御温度を、動作モードや復帰モードにおける加圧ローラ32の制御温度よりも高くしてもよい。これにより、待機モードにて加圧ローラ32が十分な熱量を保持することができるので、待機モードから復帰モードに移行する際に、加熱手段33への電力供給を停止して加圧ローラ32の加熱を停止しても、上記加圧ローラ32は、ニップ部にて、加熱ローラ31を加熱することができる。
さらに、上記加熱装置12のように、加熱ローラ32が異なる加熱源によって形成された加熱領域を有している場合には、各加熱領域の設定温度を異ならせることができる。すなわち、少なくとも2つの加熱領域の、加熱ローラ32の周方向の長さを異ならせるとともに、該周方向の長さが相対的に短い加熱領域の設定温度を相対的に高くし、周方向の長さが相対的に長い加熱領域の設定温度を相対的に低くする。具体的には、上記加熱装置12では、通常、加熱領域の周方向の長さは、誘導コイル37aによる加熱によって形成される加熱領域(以下、コイル側加熱領域)よりも、ニップ部に形成される加熱領域(ニップ部側加熱領域)の方が短くなる。そこで、ニップ部側加熱領域の設定温度が、コイル側加熱領域の設定温度よりも高くなるように、誘導加熱手段37および加圧ローラ32による加熱ローラ31の表面温度を制御する。
上記のように、ニップ部側加熱領域の設定温度を相対的に高くしても、該ニップ部側加熱領域の周方向の長さは、上記コイル側加熱領域に比べて短いため、コイル側加熱領域の設定温度を相対的に高くする場合よりも、待機モード時における加熱ローラ31の温度むらに与える影響は小さい。したがって、上記したように、待機モードにおける加圧ローラ32の制御温度を、動作モードや復帰モードにおける加圧ローラ32の制御温度よりも高くすることによって、待機モードにて、ニップ側加熱領域の温度が、コイル側加熱領域の温度より高くなっても、加熱ローラ31の温度むらを増大させることはない。
なお、上記では、復帰モードにて加熱ローラ31を常に回転させる場合を例に挙げて説明したが、加熱ローラ31を間欠的に回転させるようにしてもよい。すなわち、待機モードでは、加熱ローラ31の回転が停止しているので、加熱領域と非加熱領域とが存在することになる。そのため、加熱領域と非加熱領域との間に生じる温度差によって、加熱ローラ31表面に温度むらが発生する。
そこで、復帰モードにて、回転と停止とを繰り返して、加熱ローラ31を間欠的に回転させることにより、待機モードにおける非加熱領域を集中的に加熱するようにする。つまり、待機モードにおける非加熱領域が、誘導コイル37aおよびニップ部といった加熱位置に位置するように、加熱ローラ31を回転させた後、該回転を停止する。これにより、待機モードにおける非加熱領域が十分に加熱されるので、加熱ローラ31の温度むらを効率よく低減することができる。なお、上記加熱ローラ31の間欠的な回転は、復帰モード移行後直後に行い、間欠回転によって加熱ローラ31の温度むらが低減された後は、加熱ローラ31を所定速度で回転させればよい。
上記加熱装置12のように、待機モードにて、加熱ローラ31表面に3つの加熱領域と3つの非加熱領域を有している場合には、3つの加熱位置が存在することになる。そのため、上記3つの非加熱領域が、順次、3つの加熱位置に配置されるように、加熱ローラ31の回転と該回転の停止とを繰り返すことが好ましい。これにより、各加熱位置に、加熱性能の違いがある場合にも、該加熱性能のばらつきを排除して、加熱ローラ31表面を均一に加熱することができる。
あるいは、待機モードから復帰モードに移行する際に、加熱ローラ31表面の周方向における温度分布を検出し、検出された温度分布に基づいて、加熱ローラ31の回転角度を決定してもよい。すなわち、加熱ローラ31表面の温度分布を実際に検出し、加熱ローラ31表面の温度むらを最も低減し得る位置で加熱を行うことができるように、加熱ローラ31の回転角度を設定するようにしてもよい。
具体的には、あらかじめ、制御手段36に、誘導加熱手段37による加熱および加圧ローラ32によるニップ部での加熱を行った場合の、加熱ローラ31の周面の各位置における発熱分布(以下、発熱分布特性データ)を格納しておく。そして、復帰モードに移行後、まず、加熱ローラ31を1回転(360°回転)させ、サーミスタ35によって検知された加熱ローラ31の周面の各位置における温度分布(以下、検出温度データ)を検出し、該検出温度データを制御手段36に記憶させる。
制御手段36は、上記検出温度データと、あらかじめ格納されていた発熱分布特性データとを比較して、加熱ローラ31の最適な回転角度を決定する。すなわち、上記検出温度データと発熱分布特性データとを用いて、加熱ローラ31を任意の回転角度で回転させて各加熱位置での加熱を行った場合の加熱ローラ31表面の温度むらを評価する。この評価結果に基づいて、加熱ローラ31の最適な回転角度を決定すればよい。上記加熱ローラ31表面の温度むらの評価は、加熱ローラ31を任意の回転角度で回転させたときに、加熱ローラ31表面が、上記発熱分布特性データの発熱分布にて加熱されると仮定する。そして、この仮定された加熱ローラ31表面の温度分布を、該加熱ローラ31の各位置の、温度分布データの温度分布と発熱分布特性データの発熱分布との和で表す。その後、加熱ローラ31の各位置における該和のばらつきである標準偏差を求める。
上記の操作を、加熱ローラ31の回転角度を順次変えて行って、各回転角度における標準偏差を比較する。この比較により、最も小さい標準偏差が得られた回転角度を、加熱ローラ31の加熱に最適な回転角度として決定すればよい。これにより、復帰モードにて、加熱ローラ31表面の温度の低い領域を検出して、検出された温度の低い領域を集中的に加熱することができる。
なお、本実施の形態では、加熱ローラの外部に誘導コイルを配置した加熱装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、誘導コイルを加熱ローラの内部に配置する構成であってもよい。あるいは、加熱ローラに代えて、ベルト状の加熱部材を用いてもよく、また、誘導コイルに代えて、ハロゲンヒータからの赤外線を反射板によって加熱ローラ側に反射させて、加熱ローラ表面を局所的に加熱するようにしたものであってもよい。つまり、本発明は、加熱部材を局所的に加熱するような構成の加熱装置に対して適用することができる。さらに、加熱ローラに設けられる加熱領域は、3つに限定されず、4つ以上であってもよい。
次に、上述した加熱装置を備えた画像形成装置について図1に基づいて説明する。図1は、本発明の加熱装置が適用される電子写真プロセスを用いた画像形成装置100のシステム例を示す断面構成図である。
上記画像形成装置100は、例えば図示しないネットワーク上の各端末装置から送信される画像データ等に基づいて、所定の記録用紙に対して多色および単色のトナーによる画像形成が可能なプリンタである。上記画像形成装置100は、図1に示すように、既に説明した加熱装置12とともに、画像形成ステーションW(Wa・Wb・Wc・Wd)、転写搬送ベルトユニット8、用紙搬送路S・S’(図中、一点鎖線)、給紙トレイ10および排紙トレイ15・81を備えている。
上記画像形成装置100は、フルカラー印刷及びモノクロ印刷に対応可能であるため、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応して、4つの画像ステーションWa・Wb・Wc・Wdが並設されている。つまり、画像形成ステーションWaは、ブラック(K)のトナーを用いて画像形成を行い、画像形成ステーションWbは、シアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、画像形成ステーションWcは、マゼンタ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、画像形成ステーションWdは、イエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行う。
上記画像形成ステーションW(Wa〜Wd)は、実質的に同一の構成を有し、それぞれに露光ユニット1(1a,1b,1c,1d)、現像器2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)が設けられている。なお、上記及び以下にて、各部材番号に付与したa〜dは、各画像形成ステーションWに対して付与したa〜dに対応する。
上記露光ユニット1(1a〜1d)には、例えば、発光素子をアレイ状に並べたEL書込みヘッドやLED書込みヘッド、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)等を用いる。露光ユニット1(1a〜1d)は、入力される画像データに応じて、帯電された上記感光体ドラム3(3a〜3d)を露光することにより、該感光体ドラム3(3a〜3d)の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。
上記現像器2(2a〜2d)は、それぞれの感光体ドラム3(3a〜3d)の表面に形成された静電潜像を各色(K,C,M,Y)のトナーを用いて顕像化するものである。
上記感光体ドラム3(3a〜3d)は、該感光体ドラム3(3a〜3d)の表面に入力された画像データに応じた静電潜像やトナー像を形成する像担持体であり、画像形成装置100のほぼ中心部に装着されている。
上記帯電器5(5a〜5d)は、上記感光体ドラム3(3a〜3d)表面を所定の電位に均一に帯電させる。上記帯電器5(5a〜5d)は、例えば、接触型のローラ型帯電器やブラシ型帯電器であり、あるいは、非接触型のチャージャー型帯電器であってもよい。
上記クリーナユニット4(4a〜4d)は、現像器2(2a〜2d)での現像処理、および、感光体ドラム3(3a〜3d)に形成されたトナー像を後述する転写ベルト7に転写した後に、感光体ドラム3(3a〜3d)表面に残留したトナーを除去・回収する。
上記転写搬送ベルトユニット8は、感光体ドラム3の下方に配置されており、転写ベルト7、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74、転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、および転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。上記転写ベルト駆動ローラ71、上記転写ベルトテンションローラ72、上記転写ローラ6(6a〜6d)、上記転写ベルト従動ローラ73、上記転写ベルト支持ローラ74は、転写ベルト7を張架し、転写ベルト7を矢印B方向に回転駆動させるものである。
上記転写ローラ6は、転写ベルトユニットの内側の図示しないフレームに回転可能に支持されており、感光体ドラム3の上に形成されたトナー像を、転写ベルト7上に吸着されて搬送される記録用紙に転写するものである。上記転写ローラ6(6a〜6d)には、トナー像を転写するために高電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。上記転写ローラ6(6a〜6d)は、直径8〜10mmのステンレス等の金属軸をベースとし、その表面は、EPDM(エチレン−プロピレン−メチレン共重合体)、発泡ウレタン等の導電性の弾性材によって覆われてなる。この導電性の弾性材を設けることにより、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。上記画像形成装置100では、転写ローラ6(6a〜6d)として転写電極を使用しているが、ブラシ状の転写電極などを用いることもできる。
上記転写ベルト7は、それぞれの感光体ドラム3に接触するように設けられている。上記転写ベルト7は、厚さ100μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。また転写ベルトクリーニングユニット9は、感光体ドラム3との接触により転写ベルト7に付着して、記録用紙の裏面を汚す原因となるトナーを、除去・回収されるように設定されている。上記転写ベルトクリーニングユニット9には、転写ベルト7に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する転写ベルト7は、裏側から転写ベルト支持ローラ74で支持されている。
上記給紙トレイ10は、画像形成に使用する記録用紙を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置100の画像形成ステーションW(Wa〜Wd)の下側に設けられている。また、本画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのトレイである。画像形成装置100の側部に設けられている排紙トレイ81は、画像形成済みのシートをフェイスアップで載置するためのトレイである。
また、本画像形成装置100には、給紙トレイ10の記録用紙を転写搬送ユニット8や加熱装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための、Sの字形状の上記用紙搬送路S・S’が設けられている。さらに、給紙トレイ10から、排紙トレイ15および排紙トレイ81までの用紙搬送路S・S’に沿って、ピックアップローラ16、レジストローラ14、加熱装置12、搬送方向切換えゲート44、記録用紙を搬送する搬送ローラ25等が配されている。
上記搬送ローラ25は、記録用紙の搬送を促進・補助するための、小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10から、記録用紙を1枚ずつ分離して用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。上記搬送方向切換えゲート44は、側面カバー45に回転可能に設けられている。搬送方向切換えゲート44は、実線で示す状態から破線で示す状態に回転することにより、用紙搬送路Sを切換えて、排紙トレイ81に記録用紙を排出させる。上記搬送方向切換えゲート44が、実線で示す状態の場合には、記録用紙は、加熱装置12、側面カバー45、搬送方向切換えガイド44の間に形成される用紙搬送路S’を通って、排紙トレイ15に排出される。
また、上記レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されている記録用紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像を記録用紙に良好に転写できるように、感光体ドラム3の回転にあわせて、記録用紙を所定のタイミングで搬送する。すなわち、上記レジストローラ14は、図示しないレジスト前検知スイッチの出力した検知信号に基づいて、各感光体ドラム3a〜3d上のトナー像の先端を、記録用紙における画像形成範囲の先端に合わせるように、記録用紙を搬送するように設定されている。
上記構成の画像形成装置100にて、印刷処理の動作は、以下のようにして行われる。すなわち、画像形成装置100に外部から画像データが入力されると、給紙トレイ10の端部に備えられたピックアップローラ16によって、給紙トレイ10に収容されている記録用紙を1枚ずつ分離して、用紙搬送路Sに送り出す。その後、レジストローラ14まで記録用紙を搬送し、記録用紙の先端がレジストローラ14に到達した状態で、記録用紙の搬送を一旦停止する。
上記給紙トレイ10からの記録用紙の給紙と並行して、上記画像形成ステーションWa〜Wdでは、入力された画像データに基づいて、トナー像の形成を開始する。すなわち、画像形成装置100に画像データが入力されると、上記帯電器5(5a〜5d)によって、上記感光体ドラム3(3a〜3d)表面が帯電される。その後、入力された画像データに応じて、上記露光ユニット1(1a〜1d)により、上記感光体ドラム3(3a〜3d)表面に静電潜像が形成される。該静電潜像を現像するために、現像器2(2a〜2d)からトナーを供給して、トナー像を形成する。
このようにして、上記転写ベルト7上にトナー像が形成されると、トナー像の先端と記録用紙Pの画像形成範囲の先端とが整合するタイミングで、上記レジストローラ14から記録用紙の搬送が開始される。該記録用紙が転写ローラ6と転写ベルト7との間を通過することにより、転写ローラ6(6a〜6d)によって、感光体ドラム3(3a〜3d)に形成されたトナー像を記録用紙上に順次転写する。各色のトナー像を順次重ねることによって、記録用紙上には、多色トナー像が形成される。その後、加熱装置12にて、記録用紙上のトナー像が溶融・固着されて印刷された後、搬送ローラ25によって用紙搬送路SまたはS’を通り、排紙トレイ15あるいは排紙トレイ81上に排出される。
なお、上記では複数の画像形成ステーションを備えた画像形成装置について説明したが、単一の画像形成ステーションを備える画像形成装置に対しても、上記加熱装置12を用いることができる。また、本実施の形態では、上記画像形成装置100をプリンタとして説明したが、これに限定されるものではなく、複写機、ファックス、あるいは、プリンタ機能やコピー機能、ファックス機能等を備えたデジタル複合機等、電子写真方式で画像形成を行う各種画像形成装置に対して、上記加熱装置12を適用することができる。
〔実施の形態2〕
本発明にかかる他の実施の形態について、図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、上記実施の形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図16に、本発明の他の実施の形態の加熱装置の概略断面図を示す。図16に示す加熱装置は、前記実施の形態1にて説明した加熱装置12(図2)に備えられた加圧ローラ32、加熱手段33、ドライバー回路42に代えて、それぞれ、加圧ローラ(加圧部材・加熱源)40、加熱手段41、加熱手段側励磁回路34’を備えている。
上記加圧ローラ40は、加圧ローラ側芯金40dと、加圧ローラ側弾性層40cと、加圧ローラ側発熱層40bと、加圧ローラ側離型層40aとを備え、上記加圧ローラ側芯金40d上に、加圧ローラ側弾性層40c、加圧ローラ側発熱層40b、加圧ローラ側離型層40aがこの順に形成されている。上記加圧ローラ側芯金40dは、アルミニウム、鉄もしくはステンレス等の金属にて形成される。上記加圧ローラ側芯金40dは、誘導加熱による発熱を防止するため、アルミニウムを用いることが好ましい。
上記加圧ローラ側弾性層40cは、薄肉化された加圧ローラ側発熱層40bを固定支持するために、該加圧ローラ側発熱層40bと上記加圧ローラ側芯金40dとの間に設けられる。加圧ローラ側弾性層40cを設けることにより、加圧ローラ側発熱層40bの十分な機械的強度を確保することができる。また、加圧ローラ側弾性層40cは、加圧ローラ側発熱層40bで発生した熱が加圧ローラ側芯金40dに逃げることを防止するために、断熱性を有している。さらに、加圧ローラ側弾性層40cは、加圧ローラ側発熱層40bの発熱によって劣化しにくい耐熱性を有している。したがって、加圧ローラ側弾性層40cは、発泡シリコンゴムなどの断熱性および耐熱性に優れた材料にて形成されることが好ましい。
上記加圧ローラ側発熱層40bは、誘導加熱によって発熱する発熱体である。加圧ローラ40の表面温度の立ち上がり時間を短縮するために、加圧ローラ側発熱層40bの肉厚は、例えば40μm程度に薄肉化されていることが好ましい。上記加圧ローラ側発熱層40bの材質は、誘導加熱により加熱を行うため、鉄やSUS430ステンレス材等、磁性を有する導電性部材であればよい。特に比透磁率が高い材料が好ましく、珪素鋼板や電磁鋼板、ニッケル鋼等を用いることもできる。また、非磁性体であっても、抵抗値の高い材料であれば誘導加熱によって発熱するので、SUS304ステンレス材などを使用してもよい。さらに、加圧ローラ側発熱層40bとして、比透磁率の高い材料が導電性を有するように配置されていれば、セラミックなどの非磁性のベース部材でもよい。
上記加圧ローラ側離型層40aは、上記加圧ローラ側発熱層40b表面(外周面)を被覆し、ニップ(圧接)部で加熱により粘度が低下したトナーが加熱ローラ表面に付着することを防止する。加圧ローラ側離型層40aは、PTFE、PFA等のフッ素樹脂や、シリコンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコンゴム等の弾性体、もしくは、これらが複数積層されてなる。
上記加熱手段41は、加圧ローラ40の加圧ローラ側発熱層40bに交番磁界を作用させて、加圧ローラ側発熱層40bを発熱させる誘導加熱方式の加熱源である。上記加熱手段41は、図16に示すように、誘導加熱コイル(加熱源)41aと該誘導加熱コイル41aを保持するための樹脂製のホルダー41bを有し、加圧ローラ40の外周面に対向するように配置されている。より具体的には、上記加熱手段41は、加圧ローラ40の加圧ローラ側発熱層40bの外周面に沿って所定の曲率で、該加圧ローラ40の外周面を局所的に覆うように配置されている。
上記誘導加熱コイル41aは、導線を空芯で複数回巻き回すことによって形成される。すなわち、加圧ローラ40の回転方向に沿って、誘導加熱コイル41aの中央部に空隙ができるよう渦巻き状に巻かれてなっている。上記誘導加熱コイル41aを形成する上記導線には、例えば耐熱性を考慮して表面絶縁層として酸化膜を有するアルミニウム単線を使用すればよい。あるいは、銅線もしくは銅ベースの複合部材線やエナメル線等を撚り線にしてなるリッツ線を用いてもよい。何れの導線を使用した場合にも、誘導加熱コイル41aでのジュール損を抑制するためには、誘導加熱コイル41aの全抵抗値は、0.5Ω以下とすることが好ましく、0.1Ω以下とすることがより好ましい。
上記加熱手段側励磁回路34’は、誘導加熱コイル41aに接続され、該誘導加熱コイル41aに高周波電流を供給する。
上記加熱手段41に、図16に示す加熱手段側励磁回路34’から高周波電流を流すことによって生じる交番磁界により、上記加圧ローラ40が誘導加熱される。このときの加圧ローラ40の発熱分布は、前記実施の形態1にて、図4に基づいて説明したように、加熱ローラ31の発熱分布と同様である。
上記構成の加熱装置にて、記録用紙P上への未定着トナー像の定着処理を行う場合の動作は、以下の点が、前記実施の形態1とは異なっている。すなわち、前記実施の形態1では、図2に示すドライバー回路42を制御して、加熱手段33に電力を供給することによって、加圧ローラ32全体を加熱している。これに対し、本実施の形態では、制御手段36の制御によって、誘導加熱コイル41aに接続された加熱手段側励磁回路34’がオンになり、誘導加熱コイル41aに高周波電流が供給される。これにより、誘導加熱コイル41aが励磁されて、該誘導加熱コイル41aに交番磁界が発生する。この交番磁界が、加圧ローラ40の加圧ローラ側発熱層40bに作用することにより、該加圧ローラ側発熱層40bに渦電流が誘起され、ジュール熱が発生する。その結果、加圧ローラ40が発熱し、ニップ部にて加熱ローラ31が加熱される。
上記の加熱装置のように、加圧ローラ40も、加熱ローラ31と同様、局所的に加熱される加熱領域を有していてもよい。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2に示す構成の加熱装置12として、以下の構成の加熱ローラ31、加圧ローラ32、誘導加熱手段37、加熱手段33を用いた。すなわち、加熱ローラ31として、直径28mmのアルミニウム製の芯金31dの外表面に、厚さ6mmの発泡シリコンスポンジにて形成された弾性層31c、電鋳法によって作製された厚さ40μmのニッケルからなる発熱層31b、厚さ150μmのシリコンゴム(LTV)層の上に厚さ30μmのPFAチューブ層を設けた離型層31aを、この順に形成してなるものを用いた。
上記加圧ローラ32として、直径30mmのアルミニウム製の中空状の加圧ローラ側芯金32aに、厚さ30μmのPTFEをコーティングしてなる加圧ローラ側離型層32aを有するものを用いた。なお、上記加圧ローラ32は、図示しない弾性部材によって、上記加熱ローラ31に対して、280Nで圧接するように設定し、この圧接によって形成されるニップ部の幅は、約6mmであった。また、上記加熱手段33として、ハロゲンランプを用いた。
上記誘導加熱手段37の誘導コイル37aを形成するために、表面が酸化膜にて覆われたアルミニウム単線を用いた。該アルミニウム単線を、図2に示すように、加熱ローラ31表面の発熱ピーク位置P1とP2とが、加熱コイル31の回転軸における角度で120°をなすように、加熱ローラ31の外周面に沿って巻き回して、誘導コイル37aとした。また、上記発熱ピーク位置P1およびP2は、それぞれ、上記加熱ローラ31と加圧ローラ32とのニップ部の中心P3から、加熱コイル31の回転軸における角度で約120°となるように設定した。これにより、誘導コイル37aの加熱によって形成される加熱ローラ31表面の2つ加熱領域は、それぞれ、上記回転軸を中心として約130°であり、加熱ローラ31の周方向で約45mmであった。さらに、樹脂ホルダー37bとして、G−PET(ガラス強化繊維入りポリエチレンテレフタレート)製のホルダーを用い、該樹脂ホルダー37bで誘導コイル37aを保持した。
上記加熱装置12を用いて、表1に示す温度制御シーケンスで動作制御を行った。表1中、ウォーアップは、加熱装置12への電源投入後、動作モードに移行するまでの期間であり、動作モードは、記録用紙Pへの未定着トナー像Tの定着処理を行う期間であり、待機モードは、動作モード終了後、次の定着処理が行われるまでの期間であり、復帰モードは、待機モードから動作モードに移行するまでの期間をいうものとする。なお、上記説明は、以下に示す表に対しても同様に当てはまる。
加熱装置12への電源投入後、制御手段36の制御下にて、励磁回路34およびドライバー回路42から、表1中、ウォームアップの欄に示す大きさの電力を、誘導加熱手段37および加熱手段33に供給した。このときのトータルの電力量は1200Wである。この電力の供給と同時に、制御手段36の制御下にて、駆動手段43によって加熱ローラ31を回転させ、加圧ローラ32を従動回転させた。その後、表1中、ウォームアップの欄に示す制御温度に達するまで、加熱ローラ31および加圧ローラ32を加熱し、制御手段36が、加熱ローラ側サーミスタ35および加圧ローラ側サーミスタ38の検知信号に基づいて、加熱ローラ31および加圧ローラ32が制御温度にまで達したと判断すると、動作モードに移行した。
動作モードに移行後、誘導加熱手段37に供給される電力量を、表1中、動作モードの欄に示す大きさに切換えた。このときのトータルの電力量は950Wである。続いて、上記ニップ部に、未定着トナー像Tが形成された記録用紙Pを通紙し、記録用紙Pに未定着トナー像Tを定着させた。記録用紙Pの通紙が完了すると、待機モードに移行し、加熱ローラ31および加圧ローラ32の回転を停止した。その後、表1中、待機モードの欄に示す制御温度となるように、誘導加熱手段37および加熱手段33に供給する電力量を制御して、15分間、待機モードとした。
続いて、加熱装置に対して定着処理要求がなされると、復帰モードに移行し、表1中、復帰モードの欄に示す大きさの電力を、誘導加熱手段37および加熱手段33に供給した。このときのトータルの電力量は1200Wである。この電力の供給と同時に、制御手段36の制御下にて、駆動手段43によって加熱ローラ31を回転させ、表1中、復帰モードの欄に示す制御温度に達するまで、加熱ローラ31および加圧ローラ32を加熱した。
Figure 2005142023
上記復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ32の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図5に示す。なお、図5中、横軸は、待機モードから復帰モードに切り替わった時点を0秒としたときの経過時間を示し、縦軸は、加熱ローラ31および加圧ローラ32の表面温度(図中、ローラ温度)、および、誘導加熱手段37に供給される誘導加熱電力量を示している。
実施例1で説明した構成の加熱装置12を用い、表2に示す温度制御シーケンスで、動作制御を行った。実施例1の温度制御シーケンスと本実施例の温度シーケンスとは、待機モードにおける加熱ローラ31および加圧ローラ32の制御温度が異なるとともに、復帰モードにおける誘導加熱手段37および加熱手段33に供給される電力量が異なっている以外は、実施例1と同様に行った。すなわち、本実施例では、復帰モードにて、加熱手段33への電力供給を停止し、加熱手段33に供給されていた電力を誘導加熱手段37に供給するようにした。
復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ32の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図6に示す。図6中の横軸および縦軸は、図5と同様である。
Figure 2005142023
図5および図6に示すように、実施例1(図5)・2(図6)では、復帰モードにて、速やかに加熱ローラ31表面の温度むらを解消することができることがわかる。特に、実施例2では、図6に示すように、実施例1に比べて、復帰モードでの、加熱ローラ31表面の温度むらがさらに小さくなっている。このことから、実施例2では、待機モードでの加熱ローラ31の制御温度と加圧ローラ32の制御温度との温度差が、実施例1よりも小さくすることにより、加熱ローラ31表面の加熱領域と非加熱領域との温度差を小さくすることができることがわかる。
また、誘導コイル37aによって加熱される加熱ローラ31表面の周方向の長さが約45mmであるのに対し、ニップ部の幅が約6mmであり、加熱領域の、加熱ローラ31表面の周方向の長さが異なっている。そのため、待機モードにて、実施例2のように加熱ローラ31の制御温度よりも加圧ローラ32の制御温度が高くしても、ニップ部の幅が狭くなっているので、実施例1のように加圧ローラ32の制御温度よりも加熱ローラ31の制御温度が高い場合に比べて、加熱ローラ31表面の温度むらを抑制することができる。したがって、実施例1に比べて、実施例2では、復帰モードにおける加熱ローラ31表面の温度むらをさらに低減することができると考えられる。
さらに、実施例2では、実施例1に比べて、加熱ローラ31の表面温度が、復帰モードにて、定着処理が可能な制御温度に達するまでの復帰時間が短くなっている。このことから、復帰モードにて加熱手段33への電力供給を停止して、誘導加熱手段37への電力供給量を増やすことによって、復帰時間を短縮できることが示唆される。つまり、加圧ローラ32は、待機モードにて、内部に配置された加熱手段33によって、加圧ローラ32全体が均一に加熱されている。それゆえ、復帰モードにて、加圧ローラ32が回転した場合にも、ニップ部にて加熱ローラ31を加熱することができるため、加熱ローラ31の温度低下を引き起こすことはない。したがって、より加熱効率の高い誘導加熱手段37への電力供給量を増大することによって、実施例1に比べて、上記復帰時間を短縮することができる。
また、実施例2は、復帰モードにて、加圧ローラ32を加熱していないにも関わらず、復帰モード移行直後の加圧ローラ32の温度下降は、非常に小さくなっている。この理由は、加圧ローラ32の熱容量が加熱ローラ31よりも大きく、また、待機モードにて、加圧ローラ32が十分な熱量を保持しているためと考えられる。
〔比較例〕
実施例1で説明した構成の加熱装置12に代えて、図17に示す加熱装置を用いた。すなわち、実施例1で説明した加圧ローラ32に代えて、図17に示す加圧ローラ39を用い、加熱手段33、ドライバー回路42を備えていない以外は、実施例1で説明した構成を備える加熱装置を用いた。なお、上記加圧ローラ39として、直径20mmの鉄製の加圧ローラ側芯金39c上に、厚さ5mmのシリコンゴム層39bを設け、さらに、厚さ50μmのPFAチューブからなる加圧ローラ側離型層39aを有するものを用いた。また、上記加圧ローラ39は、図示しない弾性部材によって、上記加熱ローラ31に対して、280Nで圧接するように設定し、この圧接によって形成されるニップ部の幅は、約7mmであった。
上記構成の加熱装置を用いて、表3に示す温度制御シーケンスで、動作制御を行った。本比較例では、加熱手段33を備えていない加熱装置を用いているため、加熱手段33に投入する電力する必要はなく、また、加圧ローラ39の温度制御を行う必要がない。そのため、実施例1にて加熱ローラ31および加圧ローラに供給されるトータルの電力量と同じ大きさの電力を、本比較例の加熱ローラに供給した。加熱ローラ31の制御温度は、実施例1と同じである。
Figure 2005142023
復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ39の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図7に示す。図7中の横軸および縦軸は、図5と同様である。
図5および図7に示すように、実施例1(図5)では、比較例(図7)に比べ、復帰時の加熱ローラ31の温度むらが非常に小さくなっていることがわかる。このことから、待機モード時に、局所的に存在する3つの加熱領域で加熱ローラ31の加熱を行うことにより、復帰モードにて、速やかに加熱ローラ31表面の温度むらを解消することができることがわかる。
すなわち、実施例1では、図2に示すように、誘導加熱手段37および加圧ローラ32によって加熱ローラ31が加熱され、比較例1では、誘導加熱手段37によって加熱ローラ31が加熱されている。つまり、実施例1では、加熱ローラ31は、3つの加熱領域で加熱されるのに対し、比較例1では、加熱ローラ31は、2つの加熱領域で加熱されている。そのため、加熱ローラ31表面に存在する加熱領域の数によって、待機モードにおける加熱ローラ31表面に発生する温度むらの大きさが異なり、加熱領域が少ないほど、待機モードにおける加熱ローラ31表面の温度むらが大きくなっていると考えられる。それゆえ、復帰モードでは、待機モードにて加熱ローラ31の温度むらが小さい実施例1の方が、比較例1よりも、迅速に、加熱ローラ31表面の温度むらを解消できる。特に、上記実施例1では、加熱領域間が等間隔となるように、3つの加熱領域を配置しているので、復帰モードにて、より一層速やかに、加熱ローラ31表面の温度むらを低減することができると考えられる。
また、図5および図7に示されるように、復帰モードにて、実施例1および比較例にて消費される誘導加熱による電力量は、ほぼ同じであった。したがって、実施例1では、復帰モードにて、比較例と同じ程度の消費電力で、効率よく加熱ローラ31表面の温度むらの低減を実現することができる。
実施例1で説明した構成の加熱装置を用い、表4に示す温度制御シーケンスで、動作制御を行った。本実施例の温度制御シーケンスは、復帰モードにて、加熱ローラ31および加圧ローラ32の回転、回転動作の停止を行うこと以外は、実施例2と同じである。具体的には、本実施例では、復帰モードにて、加熱ローラ31をまず180°回転させ、この状態で回転を停止して0.5秒保持した後、再び加熱ローラ31を回転させて、表4中、復帰モードの欄に示す制御温度に達するまで、加熱を行った。上記加熱ローラ31の回転により、加熱源が配置される加熱位置に、待機モードでの加熱ローラ31の非加熱領域を移動させ、非加熱領域の加熱を集中的に行った。
Figure 2005142023
復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ32の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図8に示す。図8中の横軸および縦軸は、図5と同様である。
図6および図8に示すように、実施例3(図8)では、実施例2(図6)に比べて、復帰モードでの加熱ローラの温度むらがより一層低減されることがわかる。したがって、復帰モードにて、待機モードにおける非加熱領域を集中的に加熱することによって、加熱ローラ31表面の温度むらの解消を効率よく行うことができる。
表5に示す温度制御シーケンスで、加熱装置の動作制御を行った以外は、実施例3と同様の操作を行った。本実施例の温度制御シーケンスは、復帰モード以外の動作は、実施例3と同じである。すなわち、本実施例の復帰モードでは、加熱ローラ31をまず60°回転させ、この状態で回転を停止して0.33秒保持した。その後、加熱ローラ31をさらに120°回転させて、この状態で回転を停止して、0.33秒保持する動作を2回繰り返した後、再び加熱ローラ31を回転させて、表5中、復帰モードの欄に示す制御温度に達するまで、加熱を行った。上記加熱ローラ31の回転により、加熱源が配置される各加熱位置に、待機モードでの加熱ローラ31の非加熱領域を順次移動させ、全ての加熱位置にて、上記の各非加熱領域の加熱を行い、加熱位置における加熱性能の違いによる影響を低減させた。
Figure 2005142023
復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ32の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図9に示す。図9中の横軸および縦軸は、図5と同様である。
図8および図9に示すように、実施例4(図9)では、実施例3(図8)に比べて、復帰モードでの加熱ローラの温度むらがさらに低減されることがわかる。したがって、復帰モードにて、待機モードにおける非加熱領域が集中的にかつ均等に加熱されるので、加熱位置における加熱性能の違いを低減して、加熱ローラ31表面の温度むらをより一層効率よく解消することができる。
表6に示す温度制御シーケンスで、加熱装置の動作制御を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。本実施例の温度制御シーケンスは、復帰モード以外の動作は、実施例1と同じである。すなわち、本実施例の復帰モードでは、加熱ローラ31を1回転(360°回転)させ、このとき、サーミスタ35によって検知された加熱ローラ31の周面の各位置における温度分布(以下、検出温度データ)と、回転が停止した加熱ローラ31を誘導加熱手段37によって加熱した場合の加熱ローラ31の周面の各位置における発熱分布(以下、発熱分布特性データ)とに基づいて、制御手段36が加熱ローラ31の回転角度を決定した。
上記検出温度データを図10に示し、発熱分布特性データ2を図4に示す。ここで、図10中、横軸は、加熱ローラ31の回転角度であり、加熱ローラ31の回転前における、加熱ローラ31表面のサーミスタ35の配置位置を0°としている。また、縦軸は、検出された各温度を、検出された温度のうちの最高温度で除した百分率で示している。
その後、決定された回転角度まで加熱ローラ31を回転させて、この状態で回転を停止して、所定時間保持した後、再び加熱ローラ31を回転させて、表6中、復帰モードの欄に示す制御温度に達するまで、加熱を行った。
Figure 2005142023
なお、制御手段36は、以下のようにして、加熱ローラ31の回転角度を決定した。すなわち、加熱ローラ31のうち、温度の低い領域が、誘導加熱手段37による加熱によって最も発熱する領域となるように、加熱ローラ31の回転を行うことにより、加熱ローラ31の加熱を効率よく行うことができる。加熱ローラ31をそれぞれの回転角度で回転させて、誘導加熱手段37によって加熱した場合の、加熱ローラ31の温度むらは、上記検出温度データと発熱分布データとを用いて評価することができる。すなわち、図4に示す発熱分布特性データと、図10に示す温度検出データとを重ね合わせた場合の、加熱ローラ31の各位置における、発熱分布の値(図4の縦軸)と温度分布の値(図10の縦軸)との和を求め、求めた各位置における和のばらつきである標準偏差σを算出する。上記重ね合わせを、加熱ローラ31の回転角度を順次変化させて行い、それぞれの回転角度における上記和の標準偏差σを算出し、該標準偏差σが最小となる回転角度が、最も効率よく加熱ローラ31を加熱することができる状態となる。つまり、標準偏差σが最小となる回転角度まで加熱ローラ31を回転させて、誘導加熱手段37による加熱を行うことにより、復帰モードにおける加熱によって、加熱ローラ31表面の温度むらを抑制することができると考えられる。
そこで、あらかじめ測定された誘導加熱手段37の発熱分布特性データ(図4)と、復帰モード移行後に加熱ローラ31を1回転させて得られた加熱ローラ31の各位置での検出温度データ(図10)とを用いて、加熱ローラ31を各回転角度で回転させた場合の上記標準偏差σを求めた。その結果を図11に示す。図11中、横軸は図10の横軸と同じであり、縦軸は標準偏差σである。図11に示されるように、標準偏差σが最小となるのは、加熱ローラ31を155°回転させた場合であることがわかる。
それゆえ、制御手段36は、復帰モードに移行後、まず、加熱ローラ31を1回転させた後、加熱ローラ31をさらに155°回転させて、この状態で回転を停止して、0.33秒間保持した後、再び加熱ローラ31を回転させて、表6中、復帰モードの欄に示す制御温度に達するまで、加熱を行った。
復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ32の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図12に示す。図12中の横軸および縦軸は、図5と同様である。
図5および図12に示すように、実施例5(図12)では、実施例1(図5)に比べて、復帰モードでの加熱ローラ31の温度むらがさらに低減されることがわかる。したがって、復帰モードにて、加熱ローラ31の回転と該回転の停止とを行うことによって、復帰モードにおける加熱ローラ31表面の温度むらを効率よく解消することができることがわかる。
実施例1で説明した構成の加熱装置に代えて、図16に示す加熱装置を用い、表7に示す温度制御シーケンスで、加熱装置の動作制御を行った以外は、実施例1と同様に行った。すなわち、加熱装置として、実施例1で説明した加圧ローラ32、加熱手段33、ドライバー回路42に代えて、それぞれ、図16に示す加圧ローラ40、加熱手段41、加熱手段側励磁回路34’を用いた以外は、実施例1で説明した構成を備える加熱装置を用いた。また、温度制御シーケンスは、実施例1の温度制御シーケンスと同じであるが、実施例1にて、加熱手段33に代えて加熱手段41を用いているため、実施例2にて加熱手段33に投入された電力を加熱手段41に投入している。
Figure 2005142023
なお、上記加圧ローラ40として、直径18mmのアルミニウム製の加圧ローラ側芯金40d上に、厚さ6mmの発泡シリコンスポンジにて形成された加圧ローラ側弾性層40c、厚さ40μmのニッケルからなる加圧ローラ側発熱層40b、厚さ150μmのシリコンゴム(LTV)層の上に厚さ30μmのPFAチューブ層を設けた加圧ローラ側離型層40aを、この順に形成してなるものを用いた。また、上記加圧ローラ40は、図示しない弾性部材によって、上記加熱ローラ31に対して、280Nで圧接するように設定し、この圧接によって形成されるニップ部の幅は、約7mmであった。
上記加熱手段41の誘導コイル41aを形成するために、表面が酸化膜にて覆われたアルミニウム単線を用いた。該アルミニウム単線を、図2に示すように、加圧ローラ40表面の、誘導コイル41aの加熱による2箇所の発熱ピーク位置が、加圧コイル40の回転軸における角度で120°をなすように、加圧ローラ40の外周面に沿って巻き回して、誘導コイル41aとした。また、上記2箇所の発熱ピーク位置は、それぞれ、上記加熱ローラ31と加圧ローラ40とのニップ部の中心から、加圧コイル40の回転軸における角度で約120°となるように設定した。さらに、樹脂ホルダー41bとして、G−PET製のホルダーを用い、該樹脂ホルダー41bで誘導コイル41aを保持した。
復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラ40の表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図13に示す。図13中の横軸および縦軸は、図5と同様である。また、復帰モード移行後、復帰完了時における加熱ローラ31および加圧ローラ40のそれぞれの温度むらを表8に示す。
実施例6で説明した構成の加熱装置に備えられた加圧ローラ40に代えて、直径40mmの加圧ローラ側芯金40dを有する加圧ローラを用いた以外は、実施例6と同様の構成の加熱装置を用い、実施例6と同様の温度制御シーケンスで加熱装置の動作制御を行った。復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラの表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図14に示す。図14中の横軸および縦軸は、図5と同様である。また、復帰モード移行後、復帰完了時における加熱ローラ31および加圧ローラ40のそれぞれの温度むらを表8に示す。
実施例6で説明した構成の加熱装置に備えられた加圧ローラ40に代えて、直径20mmの加圧ローラ側芯金40d加圧ローラを用いた以外は、実施例6と同様の構成の加熱装置を用い、実施例6と同様の温度制御シーケンスで加熱装置の動作制御を行った。復帰モードにおける加熱ローラ31の表面温度および加圧ローラの表面温度、誘導加熱手段37の消費電力を図15に示す。図15中の横軸および縦軸は、図5と同様である。また、復帰モード移行後、復帰完了時における加熱ローラ31および加圧ローラ40のそれぞれの温度むらを表8に示す。
Figure 2005142023
図13〜図15および表8に示すように、加熱ローラ31の外径が、加圧ローラ40の外径の整数倍となっている場合(実施例7・8)よりもむしろ、整数倍となっていない場合(実施例6)の方が、復帰モードでの加熱ローラ31の温度むらを抑制することができることがわかる。つまり、復帰モードにて、加熱ローラ31および加圧ローラ40が回転した場合に、加熱ローラ31が1回転する毎に、ニップ部にて加圧ローラ40に接触する領域が異なるように、加熱ローラ31および加圧ローラ40の外径を設定することによって、加熱ローラ31および加圧ローラ40の温度むらが低減されることがわかる。
なお、上記比較例にて、図17に示す構成の加熱装置について説明したが、実施例3〜5で説明した復帰モードにて、加熱ローラ31の回転と該回転の停止とを行う温度制御シーケンスは、図17に示す加熱装置にも適用することができる。
本発明の加熱装置は、待機モードからの復帰時に、加熱ローラの温度むらを速やかに解消することができる。それゆえ、プリンタ、複写機、ファックス、これらの機能を備えたデジタル複合機等の画像形成装置にて、上記加熱装置を定着装置として用いることによって、温度むらの少ない加熱ローラを用いて、定着処理を良好に行い得る画像形成装置を提供することができる。
さらに、上記加熱装置は、乾式電子写真機器における定着装置、湿式電子写真機器における乾燥装置、インクジェットプリンタにおける乾燥装置、リライタブルメディア用消去装置等として好適に用いられる。
本発明の加熱装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態にかかる加熱装置の概略構成図である。 上記加熱装置に備えられる誘導加熱手段の上面図である。 上記誘導加熱手段によって加熱される加熱ローラの周方向の発熱分布特性を示すグラフである。 実施例1にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例2にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 比較例にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例3にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例4にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例5にて検出した、復帰時に加熱ローラを1回転させたときの加熱ローラ表面の温度分布を示すグラフである。 実施例5にて、検出温度データと発熱分布データとに基づいて算出した、加熱ローラの表面温度の標準偏差を示すグラフである。 実施例5にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例6にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例7にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 実施例8にて行った、加熱装置の復帰時の加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度、および、誘導加熱手段の消費される誘導加熱電力量を示すグラフである。 本発明の他の実施形態にかかる加熱装置の概略構成図である。 比較例にて用いた加熱装置の概略構成図である。
符号の説明
12 加熱装置
31 加熱ローラ(加熱部材)
31a 離型層
31b 発熱層
31c 弾性層
31d 芯金
32 加圧ローラ(加圧部材・加熱源)
33 加熱手段(内部熱源)
34 励磁回路
34’ 加熱手段側励磁回路
35 加熱ローラ用サーミスタ
36 制御手段
37 誘導加熱手段(加熱源・局所加熱源)
37c 平行部分(加熱源)
38 加圧ローラ用サーミスタ
40 加圧ローラ(加圧部材・加熱源)
41 加熱手段
42 ドライバー回路
43 駆動手段
100 画像形成装置
P 記録用紙(被加熱材)

Claims (18)

  1. 加熱部材に圧接して該加熱部材の回転とともに回転する加圧部材を備え、上記加熱部材の周面を加熱源によって局所的に加熱することにより、上記加熱部材の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が該回転軸方向に平行に形成される加熱装置において、
    上記加熱部材の回転が停止している場合、上記加熱部材は、該加熱部材の周面に、少なくとも3つの加熱領域を有していることを特徴とする加熱装置。
  2. 上記加熱部材の回転が停止している場合、上記加熱部材の周面には、該加熱部材の回転方向に沿って、上記加熱源によって加熱されない非加熱領域と上記加熱領域とが交互に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 上記加熱領域は、互いに等しい間隔を隔てて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
  4. 上記加熱部材の外周長と、上記加圧部材の外周長とは、互いに異なっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 上記加熱部材および加圧部材のうち、外周長が相対的に長い一方の部材の外周長は、外周長が相対的に短い他方の部材の外周長の整数倍ではない長さを有していることを特徴とする請求項4記載の加熱装置。
  6. 上記加熱部材は、上記加熱源によって発熱する発熱層を有し、
    上記加熱源の少なくとも1つは、上記発熱層を誘導加熱によって加熱する誘導加熱手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の加熱装置。
  7. 上記誘導加熱手段は、上記加熱部材の外周に対向するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  8. 上記加圧部材は、上記加熱源の少なくとも1つとなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の加熱装置。
  9. 上記加圧部材は、該加圧部材の内部に、該加圧部材全体を均一に加熱する内部熱源を有していることを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の加熱装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  11. 加熱部材に圧接して圧接部を形成する加圧部材を備え、上記加熱部材の周面を加熱源によって局所的に加熱することにより、上記加熱部材の回転軸方向の両端部間にわたる加熱領域が該回転軸方向に平行に形成される加熱装置にて、動作状態で、上記加熱部材と加圧部材とが回転することにより、上記圧接部にて被加熱材の加熱を行うとともに、待機状態で、上記加熱部材および加圧部材の回転を停止して、上記加熱源によって加熱部材の予熱を行う加熱装置の加熱方法において、
    上記待機状態から動作状態に復帰する動作を行う復帰状態は、
    上記加熱部材および加圧部材の回転を行う第1ステップと、
    上記加熱部材および加圧部材の回転を、所定位置にて、所定時間停止する第2ステップと、
    上記加熱部材および加圧部材の回転を再開する第3ステップとを有していることを特徴とする加熱装置の加熱方法。
  12. 上記待機状態にて、上記加熱部材の周面には、該加熱部材の回転方向に沿って、上記加熱源によって加熱されない非加熱領域と上記加熱領域とが交互に形成され、
    上記復帰状態の第2ステップにて、上記待機状態における非加熱領域が上記加熱源によって加熱される位置で、上記加熱部材の回転を停止することを特徴とする請求項11に記載の加熱装置の加熱方法。
  13. 上記待機状態にて、加熱部材の周面には、少なくとも2つの加熱領域が形成されているとともに、該加熱領域は、上記加熱部材の回転方向に沿って、互いに等しい間隔を隔てて形成されていることを特徴とする請求項12に記載の加熱装置の加熱方法。
  14. 上記加熱源として、上記加圧部材全体を均一に加熱し、かつ上記待機状態にて上記圧接部の位置で加熱部材を加熱するための内部熱源を内部に備えた加圧部材を用いるとともに、上記待機状態にて上記圧接部以外の位置で上記加熱部材を加熱する局所加熱源を用い、
    上記復帰状態では、上記内部熱源の電源をオフにするとともに、上記動作状態時に局所加熱源に投入される電力量よりも多くの電力量を上記局所加熱源に投入することを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の加熱装置の加熱方法。
  15. 上記加圧部材の待機状態における設定温度は、動作状態における設定温度よりも高い温度に設定されていることを特徴とする請求項14に記載の加熱装置の加熱方法。
  16. 上記待機状態にて、加熱部材の周面には、少なくとも2つの加熱領域を有し、
    上記待機状態にて、上記加熱部材の回転方向における加熱領域の長さが相対的に狭い第1の加熱領域における設定温度は、加熱領域の長さが相対的に広い第2の加熱領域における設定温度よりも高い温度に設定されていることを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の加熱装置の加熱方法。
  17. 上記第1ステップにて、上記加熱部材を少なくとも1回転するとともに、該加熱部材の周面における温度分布を記憶し、
    上記第2ステップにて、上記温度分布に基づいて、相対的に温度が低い領域が上記加熱源によって加熱される位置で、上記加熱部材の回転を停止することを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の加熱装置の加熱方法。
  18. 上記第2ステップと第3ステップとを繰り返して行うことを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の加熱装置の加熱方法。
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