JPH10162944A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JPH10162944A
JPH10162944A JP33473996A JP33473996A JPH10162944A JP H10162944 A JPH10162944 A JP H10162944A JP 33473996 A JP33473996 A JP 33473996A JP 33473996 A JP33473996 A JP 33473996A JP H10162944 A JPH10162944 A JP H10162944A
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heating
fixing
image
exciting coil
nip portion
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JP33473996A
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Masahiko Suzumi
雅彦 鈴見
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気誘導加熱方式・上下加熱方式の加熱装置
について、低コスト構成で、かつ効率の良い上下加熱を
行なうこと。 【解決手段】 互いに圧接してニップ部Nを形成し、そ
れぞれ磁気誘導発熱性である第1と第2の2つの回転体
11・12を有し、該両回転体のニップ部に被加熱材P
を導入して挟持搬送させ、励磁コイル16から発生する
磁界による該両回転体の磁気誘導発熱で該被加熱材を加
熱する加熱装置において、上記励磁コイル16が第1と
第2の回転体11・12のニップ部Nを中心に第1と第
2の2つの回転体中に形成した単一コイルであること、
上記励磁コイルが、回転体の回転軸に垂直な面で見たと
き、ニップ部近傍において回転体の回転方向上流側に多
く巻かれていること、上記励磁コイルが、回転体の回転
軸に垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体
の回転方向下流側には巻かれていないこと等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱装置、より具
体的には磁気(電磁)誘導加熱方式の加熱装置、及び該
加熱装置を画像の加熱定着装置として備えた画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリンタ・複写機・ファクシミ
リなどの画像形成装置において、転写材シート・印刷紙
・感光紙(エレクトロファックスシート)・静電記録紙
などの被記録材に電子写真・静電記録・磁気記録等の適
宜の画像形成プロセス手段により転写(間接)方式もし
くは直接方式で形成担持させた未定着顕画剤像(未定着
トナー画像)を定着させるための加熱定着装置に代表さ
れる像加熱装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱
方式、磁気誘導加熱方式等の接触加熱方式の加熱装置が
広く用いられている。
【0003】熱ローラ方式の加熱装置は、ハロゲンラン
プ等の熱源により加熱され、所定の温度に温調される熱
ローラ(定着ローラ)と、これに圧接させた加圧ローラ
との回転ローラ対を基本構成とし、該両ローラの圧接ニ
ップ部(定着ニップ部)に被加熱材としての被記録材を
導入し挟持搬送させることで、熱ローラの熱で被記録材
面の未定着顕画剤像を加熱定着させるものである。
【0004】フィルム加熱方式の加熱装置は、特開昭6
3−313182号公報・特開平1−263679号公
報・同2−157878号公報・同4−44075号公
報・同4−44075〜44083号公報・同4−20
4980〜204984号公報等に提案され、実用化も
されている。
【0005】この装置は、支持部材に固定支持させた加
熱体に被加熱材を耐熱性・薄肉のフィルム材(定着フィ
ルム)を介して密着させ、フィルム材を加熱体に摺動移
動させて加熱体の熱をフィルム材を介して被加熱材へ与
える方式構成のものである。加熱体として、昇温の速い
低熱容量のもの、例えば、耐熱性・絶縁性・良熱伝導性
等の特性を有するアルミナ(Al23 )や窒化アルミ
ニウム(AlN)等のセラミック基板と、該基板の面に
具備させた通電により発熱する抵抗層を基本構成体とす
る所謂セラミックヒータを用いることができ、またフィ
ルム材として薄膜で低熱容量のものを用いることができ
るために、熱ローラ方式の加熱装置よりも熱伝達効率が
高く、装置の立ち上がりも速く、ウェイトタイムの短縮
化(クイックスタート性:オンデマンドで作動)や省電
力化が可能となる。
【0006】磁気誘導加熱方式の像加熱装置として、特
公平5−9027号公報では、交番磁界により定着ロー
ラの芯金部に渦電流を発生させジュール熱によって該芯
金部即ち定着ローラを磁気誘導発熱させることが提案さ
れている。
【0007】図9に該装置の概略構成を示した。50・
54は略並行に配列し互いに圧接させてニップ部N(定
着ニップ部、加熱ニップ部)を形成させた上下一対の定
着ローラと弾性加圧ローラである。定着ローラ50は磁
気誘導発熱性材料としての強磁性体製の円筒状の芯金部
を主体とし、一般にその外周面に離型層・弾性層等の所
望の機能層が一層あるいは複数層形成される。加圧ロー
ラ54は芯金54aとその外回りに同心一体にローラ状
に形成した弾性層54bからなり、不図示の加圧手段で
定着ローラ50側に弾性層54bの弾性に抗して加圧さ
れて定着ローラ50との間に所定幅のニップ部Nを形成
させてある。定着ローラ50と加圧ローラ54は矢示の
方向に回転する。
【0008】51は励磁鉄芯52に巻いた励磁コイルで
あり、定着ローラ50の円筒状の芯金部内に配設してあ
る。53は補助鉄芯であり、定着ローラの外側において
該ローラの円筒状芯金部内に配設した励磁コイル51の
励磁鉄芯52に対向させて配設してあり、励磁鉄芯52
と該補助鉄芯53で閉磁路を形成する。励磁コイル51
には不図示の駆動電源から高周波の交流電流が印加さ
れ、この電流印加で破線示のように交番磁界が発生し、
それが定着ローラ50の円筒状芯金部に作用する。定着
ローラ50の円筒状芯金部は磁気誘導発熱性材料として
の強磁性体製であるから、この定着ローラ50の円筒状
芯金部に交番磁界により渦電流が発生し該円筒状芯金部
がジュール熱によって発熱する。即ち定着ローラ50が
磁気誘導加熱される。該定着ローラ50の温度は不図示
の温度検出手段を含む温調系により駆動電源から励磁コ
イル51への給電が制御されることで所定の定着温度に
温調される。
【0009】而して、定着ローラ50と加圧ローラ54
が回転され、定着ローラ50が磁気誘導加熱されて所定
の定着温度に温調された状態において、ニップ部Nに被
加熱材としての、未定着トナー画像tを担持した被記録
材Pが画像面を定着ローラ50側にして導入され、該ニ
ップ部Nで挟持搬送される。このニップ部搬送通過過程
において定着ローラ50による加熱で被記録材P上の未
定着トナー画像tが被記録材P面に永久固着像として加
熱定着される。
【0010】このように渦電流の発生を利用すること
で、加熱手段としての定着ローラを直接発熱させて発熱
位置を被加熱材としての被記録材のトナー画像に近くす
ることができ、熱ローラ方式の加熱装置よりも加熱効率
アップが達成できる等の有利性がある。
【0011】またフルカラー画像形成装置における加熱
定着装置には、最大4層の色トナーの重なりからなる厚
みのあるトナー層を十分加熱溶融させる能力を要求さ
れ、大きな熱容量を有する定着ローラの芯金やトナー像
を包み込んで均一に溶融するためのゴム弾性層を介して
トナー像の加熱を行なうために、磁気誘導加熱方式の加
熱装置として、実開昭54−17973号公報に開示の
ように定着ローラと加圧ローラの双方に励磁コイルを具
備させて定着ローラと加圧ローラの両ローラを磁気誘導
加熱させる構成のもの(上下加熱方式)、米国特許第5
278618号明細書に開示のように定着ローラを小熱
容量化した定着フィルムを用いて、ニップ部近傍の励磁
部材により加熱する構成のものが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した各種
方式の加熱装置のうち特に磁気誘導加熱方式の加熱装置
に関する。さらに詳しくは、磁気誘導加熱方式・上下加
熱方式の加熱装置の改善に関する。
【0013】即ち前述したフルカラー画像形成装置にお
ける加熱定着装置の例のように、被加熱材としての被記
録材を加熱するニップ部を形成する2つの対向圧接回転
体の両方の加熱(上下加熱)が必要な場合、加熱を磁気
誘導加熱方式とするとき、両回転体内に励磁コイルを有
し、それぞれの励磁コイルに対して駆動電源を持つ構成
ではコストが高くなってしまう。
【0014】本発明は、磁気誘導加熱方式・上下加熱方
式の加熱装置について、低コスト構成で、かつ効率の良
い上下加熱を行なうことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする磁気誘導加熱方式・上下加熱方式の加熱装置、
及び該加熱装置を画像の加熱定着装置として備えた画像
形成装置である。
【0016】(1)互いに圧接してニップ部を形成し、
それぞれ磁気誘導発熱性である第1と第2の2つの回転
体を有し、該両回転体のニップ部に被加熱材を導入して
挟持搬送させ、励磁コイルから発生する磁界による該両
回転体の磁気誘導発熱で該被加熱材を加熱する加熱装置
において、上記励磁コイルが第1と第2の回転体のニッ
プ部を中心に第1と第2の2つの回転体中に形成した単
一コイルであることを特徴とする加熱装置。
【0017】(2)上記励磁コイルが、回転体の回転軸
に垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体の
回転方向上流側に多く巻かれていることを特徴とする
(1)に記載の加熱装置。
【0018】(3)上記励磁コイルが、回転体の回転軸
に垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体の
回転方向下流側には巻かれていないことを特徴とする
(1)に記載の加熱装置。
【0019】(4)互いに圧接してニップ部を形成し、
それぞれ磁気誘導発熱性である第1と第2の2つの回転
体を有し、該両回転体のニップ部に被加熱材を導入して
挟持搬送させ、励磁コイルから発生する磁界による該両
回転体の磁気誘導発熱で該被加熱材を加熱する加熱装置
において、第1の回転体用の励磁コイルと第2の回転体
用の励磁コイルを有し、該両励磁コイルは単一の駆動電
源で駆動され、且つその両励磁コイル間に通電切り替え
部を持つことを特徴とする加熱装置。
【0020】(5)被加熱材が像を担持させた被記録材
であり、装置が該被記録材の担持像を加熱処理する像加
熱装置であることを特徴とする(1)ないし(4)のい
ずれか1つに記載の加熱装置。
【0021】(6)像加熱処理が像の被記録材に対する
加熱定着処理であることを特徴とする(5)に記載の加
熱装置。
【0022】(7)被記録材に未定着画像を形成担持さ
せる画像形成手段と、被記録材に未定着画像を定着させ
る加熱定着手段を有し、加熱定着手段が(1)ないし
(4)のいずれか1つに記載の加熱装置であることを特
徴とする画像形成装置。
【0023】〈作 用〉 .即ち、磁気誘導加熱方式・上下加熱方式の加熱装置
について、励磁コイルは第1と第2の回転体のニップ部
を中心に第1と第2の2つの回転体中に形成した単一コ
イルとしたことで、この単一励磁コイルと該励磁コイル
に対する単一駆動電源とで第1と第2の回転体両方を磁
気誘導加熱することができ、低コスト構成(単一励磁コ
イル・単一駆動電源)による効率の良い第1と第2の回
転体両方の加熱(上下加熱)が可能となる。
【0024】.上記励磁コイルが、回転体の回転軸に
垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体の回
転方向上流側に多く巻かれている巻線形態にすること
で、プレヒート効果(ニップ部手前での被加熱材予熱効
果)が得られ、加熱定着装置にあっては未定着画像のニ
ップ部手前での仮定着や被記録材のプレ乾燥が可能とな
り、ニップ部手前でのトナー飛び散り(画像の尾引き)
を軽減することができる。
【0025】.上記励磁コイルが、回転体の回転軸に
垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体の回
転方向下流側には巻かれていない巻線形態にすること
で、加熱定着装置にあっては加熱定着部であるニップ部
通過後の被記録材上のトナーを冷却することができ、被
記録材の回転体への巻き付きを防ぐことができる。
【0026】.第1の回転体用の励磁コイルと第2の
回転体用の励磁コイルを有し、その両励磁コイルは単一
の駆動電源で駆動され、且つその両励磁コイル間に通電
切り替え部を持つ装置構成とすることにより、低コスト
構成(単一駆動電源)で、また第1と第2の加熱用回転
体の加熱比率の切り替えが可能となり、効率の良い回転
体加熱が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施形態例〉(図1〜図6) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置は電子写真フルカラープリンタである。
【0028】101は像担持体としての電子写真感光ド
ラムであり、OPC(有機感光体)・アモルファスSe
・アモルファスSi等の感光材料層をアルミニウムやニ
ッケルなどのシリンダ状の基体(基盤)上に形成したも
のであり、矢示の反時計方向に所定のプロセススピード
(周速度)で回転駆動される。
【0029】感光ドラム101はその回転過程で帯電ロ
ーラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な帯
電処理を受ける。
【0030】次いでその帯電処理面にレーザスキャナ1
10から出力されるレーザビーム103による、目的の
画像情報の走査露光処理を受ける。レーザスキャナ11
0は不図示の画像読取装置等の画像信号発生装置からの
目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して
変調(オン/オフ)したレーザビーム103を出力して
回転感光ドラム面を走査露光するもので、この走査露光
により回転感光ドラム101面に走査露光した目的画像
情報に対応した静電潜像が形成される。109はレーザ
スキャナ110からの出力レーザビームを感光ドラム1
01の露光位置に偏向させるミラーである。
【0031】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でイエロートナー画像として現像され
る。そのイエロートナー画像は感光ドラム101と中間
転写ドラム105との接触部(或は近接部)である一次
転写部T1において中間転写ドラム105の面に転写さ
れる。中間転写ドラム105面に対するトナー画像転写
後の回転感光ドラム101面はクリーナ107により転
写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃され
る。
【0032】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の、第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画
像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成
分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104C
が作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、
黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像につい
て順次に実行され、中間転写ドラム105面にイエロー
トナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・
黒トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写
されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー
画像が合成形成される。
【0033】中間転写ドラム105は、金属ドラム上に
中抵抗層と高抵抗の表層を有するもので、感光ドラム1
01に接触して或は近接して感光ドラム101と略同じ
周速度で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写ドラ
ム105の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光ドラ
ム101との電位差で感光ドラム101側のトナー画像
を該中間転写ドラム105面側に転写させる。
【0034】上記の回転中間転写ドラム105面に合成
形成されたカラートナー画像は、該回転中間転写ドラム
105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次
転写部T2において、該二次転写部T2に不図示の給紙
部から所定のタイミングで送り込まれた被記録材Pの面
に転写されていく。転写ローラ106は被記録材Pの背
面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写
ドラム105面側から被記録材P側へ合成カラートナー
画像を順次に一括転写する。
【0035】二次転写部T2を通過した被記録材Pは中
間転写ドラム105の面から分離されて像加熱装置(加
熱定着装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加
熱定着処理(画像の永久固着処理)を受けてフルカラー
画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出され
る。加熱定着装置100については次の(2)項で詳述
する。
【0036】被記録材Pに対するカラートナー画像転写
後の回転中間転写ドラム105はクリーナ108により
転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清
掃される。このクリーナ108は常時は中間転写ドラム
105に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム
105から被記録材Pに対するカラートナー画像の二次
転写実行過程において中間転写ドラム105に接触状態
に保持される。
【0037】また転写ローラ106も常時は中間転写ド
ラム105に非接触状態に保持されており、中間転写ド
ラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像の
二次転写実行過程において中間転写ドラム105に被記
録材Pを介して接触状態に保持される。
【0038】白黒画像などモノカラー画像のプリントモ
ードも実行できる。また両面画像プリントモード、或は
多重画像プリントモードも実行できる。
【0039】両面画像プリントモードの場合は、加熱定
着装置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材
Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再
び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画
像転写を受け、再度、加熱定着装置100に導入されて
2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面
画像プリントが出力される。
【0040】多重画像プリントモードの場合は、加熱定
着装置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材
Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに
再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント
済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、加熱
定着装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着
処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0041】(2)加熱定着装置100 本例の加熱定着装置100は、被加熱材としての被記録
材の加熱用回転体として円筒状の磁気誘導発熱性フィル
ム材を用いた、磁気誘導加熱方式・上下加熱方式の加熱
装置である。
【0042】図2はこの加熱定着装置100の横断面模
型図、図3は途中部分省略の縦断面模型図、図4は該装
置の要部の斜視模型図、図5は図2の要部の拡大模型図
である。
【0043】11と12はそれぞれ加熱用回転体として
の第1と第2の2つの円筒状の磁気誘導発熱性フィルム
材である。以下、第1の円筒状の磁気誘導発熱性フィル
ム材を定着フィルム、第2の円筒状の磁気誘導発熱性フ
ィルム材を加圧フィルムと記す。この定着フィルム11
及び加圧フィルム12の層構成については後述する。
【0044】13a・13bは第1と第2の2つの円筒
状のステイであり、それぞれ液晶ポリマー・フェノール
樹脂等からなる耐熱性・剛体部材である。
【0045】定着フィルム11は第1のステイ13a
に、また加圧フィルム12は第2のステイ13bに余裕
をもってルーズに外嵌させて支持させてある。
【0046】そして、定着フィルム11を外嵌支持させ
た第1のステイ13aと、加圧フィルム12を外嵌支持
させた第2のステイ13bを不図示の装置側板間に上下
に略並行に配設してある。第1と第2の各ステイ13a
・13bはそれぞれ両端部を不図示の支持部材に非回転
に保持させ、かつ不図示の加圧手段で加圧付勢して定着
フィルム11と加圧フィルム12とを挟ませて圧接させ
て所定幅のニップ部N(定着ニップ部)を形成させてあ
る。
【0047】14は加圧フィルム外周駆動ローラであ
り、軸部14aの両端部をぞれぞれ不図示の装置側板間
に軸受け保持させて加圧フィルム12に略並行に配列
し、かつ加圧フィルム外面に圧接させて第2のステイ1
3bとの間に加圧フィルム12を挟ませてある。Mはこ
の加圧フィルム外周駆動ローラ14の駆動手段である。
【0048】加圧フィルム外周駆動ローラ14が駆動手
段Mにより図2において矢示の時計方向に回転駆動され
ると、該駆動ローラ14を外面に圧接させてある加圧フ
ィルム12に摩擦力で回転力が作用し、該加圧フィルム
12がその内面が前記定着ニップ部N及びその近傍部に
おいて第2のステイ13bの外面に密着摺動しながら第
2のステイ13bの外回りを矢示の反時計方向に駆動ロ
ーラ14の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって従
動回転状態になる。
【0049】また上記のように加圧フィルム12が回転
状態になることで、定着ニップ部Nにおいてこの加圧フ
ィルム12に外面が圧接している定着フィルム11に摩
擦力で回転力が作用し、該定着フィルム11がその内面
が前記定着ニップ部N及びその近傍部において第1のス
テイ13aの外面に密着摺動しながら第1のステイ13
aの外回りを矢示の時計方向に加圧フィルム12の回転
周速度にほぼ対応した周速度をもって従動回転状態にな
る。
【0050】即ち加圧フィルム外周駆動ローラ14が回
転駆動されることで、互いに圧接させて定着ニップ部N
を形成させた第1と第2の加熱回転体としての磁気誘導
発熱性フィルム材である定着フィルム11と加圧フィル
ム12とが回転状態になる。定着フィルム11の内面と
第1のステイ13aの外面の相互密着摺動部、及び加圧
フィルム12の内面と第2のステイ13bの外面の相互
密着摺動部にそれぞれ耐熱性グリス等の潤滑剤を介在さ
せることで、摩擦抵抗を低減させて定着フィルム11・
加圧フィルム12の低トルクで滑らかな回転を図ること
ができる。
【0051】16は磁界発生手段としての励磁コイルで
ある。本例の装置において、この励磁コイル16は、第
1と第2の加熱用回転体としての定着フィルム11と加
圧フィルム12とで形成された定着ニップ部Nを中心に
して、定着フィルム11を外嵌支持させた円筒状の第1
のステイ13aと、加圧フィルム12を外嵌支持させた
第2のステイ13bに、長い一本の励磁コイル線材を交
互に通してコイル状に巻回して形成した、第1と第2の
加熱用回転体としての定着フィルム11と加圧フィルム
12とに対して単一の励磁コイルである。この励磁コイ
ル16は発振回路が周波数可変である駆動電源(スイッ
チング電源)20に接続してある。
【0052】15a・15bは第1と第2の励磁コイル
コアであり、本例では、第1の励磁コイルコア15aは
励磁コイル16の第1のステイ13a内を通っている部
分に、また第2の励磁コイルコア15bは励磁コイル1
6の第2のステイ13b内を通っている部分にそれぞれ
近接させて配設した、フェライト等の強磁性体よりなる
横長板状部材である。本例ではそれぞれ比透磁率が25
00のものを使用した。
【0053】17は温度検出手段としての低熱容量の導
電性チップサーミスタであり、本例の装置では、定着ニ
ップ部Nの近傍であって定着ニップ部Nよりも定着フィ
ルム11・加圧フィルム12の回転方向下流側の第1の
ステイ13aの外面部分に配置してある。このサーミス
タ17の出力はA/D変換器21を介して制御回路(C
PU)22へ送られる。
【0054】上記加熱用回転体としての第1と第2の2
つの円筒状の磁気誘導発熱性フィルム材である定着フィ
ルム11と加圧フィルム12の層構成を図5の模型図で
説明する。
【0055】本例における定着フィルム11は、円筒状
の内側から外側に向かって順に、断熱層11a、ニッケ
ルからなる厚さ50μmの発熱層11b、シリコーンゴ
ムからなる弾性層11c、フッ素樹脂の離型層11dの
4層積層材である。
【0056】また加圧フィルム12も、円筒状の内側か
ら外側に向かって順に、断熱層12a、ニッケルからな
る厚さ50μmの発熱層12b、シリコーンゴムやフッ
素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形
成された弾性層12c、PFA・PTFE・FEP等の
離型層12dの4層積層材である。この加圧フィルム1
2における弾性層12cは所要幅の定着ニップ部Nを形
成するために1〜4mm程度の厚みとした。
【0057】断熱層11a・12a;発熱層11b・1
2bの発熱の定着フィルム11・加熱フィルム12の内
面側への伝導を抑制する材料層である。定着フィルム1
1・加熱フィルム12の内側の第1及び第2のステイ1
3a・13b内に配設した磁界発生手段としての励磁コ
イル16やコア15a・15bの昇温を防止して安定し
た加熱を行なわせることができる。この断熱層11a・
12aとしてはフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES
樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP
樹脂などの耐熱樹脂がよい。厚さとしては10〜100
0μmが好ましい。厚さが10μmよりも小さい場合に
は断熱効果が得られず、また耐久性も不足する。
【0058】発熱層11b・12b;磁気誘導発熱性材
料層(渦電流損による発熱を生ずる層、金属層、抵抗体
層、磁性体層)である。厚さ1〜100μm程度、例え
ばニッケル、その他、10-5〜10-10 Ω・mの電気良
導体である金属、金属化合物、有機導電体等である。よ
り好ましくは透磁率が高い強磁性を示す鉄、コバルト等
の純金属もしくはそれらの化合物を用いることができ
る。
【0059】弾性層11c・12c;被記録材やトナー
層の凹凸にフィルム面を追従させてトナー画像の定着性
を高める働きをする材料層である。特にトナー層の厚み
が厚い4色重畳のカラートナー画像層の加熱定着処理に
有効である。厚さ10〜500μm程度の、シリコーン
ゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の耐熱性
があり、熱伝導率の良い材料が使用される。硬度が高す
ぎると被記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず
画像の光沢むらが発生してしまう。そこで、硬度は60
°(JIS−A)以下、より好ましくは45°以下が良
い。熱伝導率σに関しては6×10-4〜2×10-3(c
al/cm・s・deg)がよい。熱伝導率が6×10
-4(cal/cm・s・deg)よりも小さい場合に
は、熱抵抗が大きく、定着フィルム11および加圧フィ
ルム12の表層における温度上昇が遅くなる。
【0060】離型層11d・12d;定着フィルム11
および加圧フィルム12の表面のトナー離型性を高める
材料層である。PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹
脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の
離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。
厚さは20〜100μmが好ましく、厚さが20μmよ
りも小さいと塗膜の塗りむらで離型性の悪い部分ができ
たり、耐熱性が不足するといった問題が発生する。ま
た、厚さが100μmを越えると熱伝導が悪化するとい
う問題が発生し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高
くなりすぎ、弾性層11c・12cの効果がなくなって
しまう。
【0061】而して、加圧フィルム外周駆動ローラ14
が回転駆動されることで、互いに圧接させて定着ニップ
部Nを形成させた第1と第2の加熱回転体としての磁気
誘導発熱性フィルム材である定着フィルム11と加圧フ
ィルム12とが回転した状態において、励磁コイル16
に駆動電源20から10kH〜1MHの高周波交流電
流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流
電流が給電され、励磁コイル16は交番磁界を発生す
る。
【0062】この交番磁界が主として定着ニップ部N及
び該定着ニップ部近傍部において定着フィルム11及び
加圧フィルム12のそれぞれの磁気誘導発熱性材料層で
ある発熱層11b・12bに作用し、それらの発熱層1
1b・12b内部では上記の磁界の変化を妨げるかのよ
うに渦電流が流れる。
【0063】この渦電流が発熱層11b・12bの抵抗
に応じたジュール熱を発生させ、発熱層11b・12b
即ち定着フィルム11及び加熱フィルム12が主として
定着ニップ部N及び該定着ニップ部近傍部において磁気
誘導発熱し、定着ニップ部N及び該定着ニップ部近傍部
が加熱される。
【0064】定着ニップ部Nの加熱温度状態がサーミス
タ17で検知され、検知された温度情報は、A/D変換
器21を介して制御回路22へと送られる。制御回路2
2は入力する温度情報に基づき、駆動電源20の交流電
源の発振器を最適周波数に設定し、励磁コイル16には
最適な周波数の交流電流を印加するよう制御すること
で、定着ニップ部N内の温度を所定値に温調制御する。
【0065】この定着ニップ部Nの定着フィルム11と
加圧フィルム12の間に被加熱材としての被記録材Pが
導入され、挟持搬送されることで、被記録材Pが共に磁
気誘導発熱している定着フィルム11と加圧フィルム1
2によって上下加熱方式で加熱されて未定着トナー画像
tが被記録材P面に加熱定着処理される。
【0066】本例の装置100においては、磁界発生手
段としての励磁コイル16は前述のように、第1と第2
の加熱用回転体としての定着フィルム11と加圧フィル
ム12とで形成された定着ニップ部Nを中心にして、定
着フィルム11を外嵌支持させた円筒状の第1のステイ
13aと、加圧フィルム12を外嵌支持させた第2のス
テイ13bに、長い一本の励磁コイル線材を交互に通し
てコイル状に巻回して形成した、第1と第2の加熱用回
転体としての定着フィルム11と加圧フィルム12とに
対して単一の励磁コイルである。
【0067】即ち、この単一の励磁コイル16によって
第1と第2の加熱用回転体としての定着フィルム11と
加圧フィルム12の両方を磁気誘導加熱する構成とし
た。本構成では単一の励磁コイル16で上下の加熱用回
転体11・12の加熱が可能であると同時に図5のよう
に励磁コイル16による発生磁界Fを定着ニップ部N及
びその近傍部に集中させやすいため、上下の両加熱用回
転体11・12の効率の良い加熱が可能となる。
【0068】実際に、本例構成のように、単一の励磁コ
イル16によって第1と第2の加熱用回転体としての定
着フィルム11と加圧フィルム12の両方を磁気誘導加
熱するようにした、単一励磁コイル方式の加熱定着装置
(装置Aとする)と、比較例装置として、第1と第2の
加熱用回転体としての定着フィルム11と加圧フィルム
12のそれぞれに対する各独立の励磁コイルを配置し、
それぞれの励磁コイルに対して駆動電源を持つ、上下独
立励磁コイル方式の加熱定着装置(装置Bとする)と
の、加熱定着可能となるまでの時間を測定した。その結
果を表1に示す。但し、プロセススピード105mm/
s、消費電力800Wとし、温調温度は190℃とし
た。
【0069】
【表1】 表1からわかるように、装置A即ち定着ニップ部Nを中
心に単一励磁コイル16を形成する構成の装置は、装置
B即ち上下独立励磁コイル方式の装置に比べ、加熱開始
から定着可能となるまでの時間が短縮され、効率の良い
加熱が可能であることがわかった。また単一励磁コイル
方式は単一駆動電源となり装置を低コスト構成にするこ
とができる。
【0070】尚、本例では定着ニップ部Nを中心とした
単一の励磁コイル16を形成する方法として、定着フィ
ルム11を外嵌支持させた円筒状の第1のステイ13a
と、加圧フィルム12を外嵌支持させた第2のステイ1
3bに、長い一本の励磁コイル線材を交互に通してコイ
ル状に巻回して形成したが、図6のように、励磁コイル
線材を所定の本数並べたものを2つ16a・16b製作
し、その一方16aを定着フィルム11を外嵌支持させ
た円筒状の第1のステイ13a内に、他方16bを加圧
フィルム12を外嵌支持させた第2のステイ13b内に
配設し、その両者16a・16b側の線材の両端側をそ
れぞれエルボ型コネクタ30によって電気的に接続した
状態にすることによって励磁コイル16を形成すること
も可能である。
【0071】〈第2の実施形態例〉(図7) 本例は、第1の実施形態例の加熱定着装置において定着
ニップ部Nを中心に形成した単一励磁コイル16を、図
7のように、定着ニップ部Nの定着フィルム11・加圧
フィルム12の上流側(以下、定着ニップ部上流側と記
す)では巻き数を多くし、下流側(以下、定着ニップ部
下流側と記す)では巻き数を少なくした形態にしたもの
である。その他の装置構成は第1の実施形態例の加熱定
着装置と同様であり、再度の説明は省略する。
【0072】本例の装置では励磁コイル16を定着ニッ
プ部上流側に形成しているため、プレヒート効果(定着
ニップ部手前での加熱)により、トナーの仮定着が可能
となり尾引き(定着ニップ部突入時にトナーが水蒸気に
より飛び散る現象)が改善される。また、定着ニップ部
下流側には励磁コイル16がはみ出さない構成としたた
め、定着ニップ部下流側での発熱量が少なくなり、被記
録材(紙)の冷却分離(トナー冷却による粘性ダウンを
利用した分離方法)が可能となる。
【0073】実際に、本例のように励磁コイル16を定
着ニップ部上流側に形成してプレヒート効果を持たせた
加熱定着装置(装置Cとする)と、そのような構成では
ない、したがってプレヒート効果のない加熱定着装置
(装置Dとする)とで、尾引きレベルの比較を行った。
その結果を表2に示す。但し、温調温度190℃、投入
電力800W、加熱開始60秒後に通紙する条件で定着
を行った。
【0074】
【表2】 表2から判るように図7の様に定着ニップ部上流側まで
加熱領域を広げることにより、プレヒート効果が得ら
れ、尾引きが改善された。
【0075】また、励磁コイル16を定着ニップ部上流
側に形成することで定着ニップ部下流側で実質的に加熱
なしの装置Cと、そのような構成ではない、したがって
定着ニップ部下流側で加熱がある装置Dとで、被記録材
(紙)の分離性の評価を行った。その結果を表3に示
す。
【0076】
【表3】 定着ニップ部下流側まで加熱する構成では、被記録材と
しての紙の先端まで印字比率の高い画像がある場合に紙
が定着フィルム11側に巻き付くことが有るのに対し
て、図7のように定着ニップ部下流側を実質的に加熱し
ない構成では紙の先端まで印字比率の高い画像がある場
合でもほとんど紙の巻付きは発生しなかった。
【0077】上記構成により上下の加熱用回転体11・
12の効率の良い加熱が可能となると同時にプレヒート
効果による尾引きの改善、定着ニップ部下流側での紙の
冷却分離が可能となった。
【0078】〈第3の実施形態例〉(図8) 図8に示した本例装置は、第1と第2のステイ13a・
13b内にそれぞれ第1の加熱用回転体としての定着フ
ィルム11用の励磁コイル16Aと、第2の加熱用回転
体としての加圧フィルム12用の励磁コイル16Bを有
し、該両励磁コイル16A・16Bは単一の鼓動電源2
0で駆動され、かつ該両励磁コイル16A・16B間に
通電切り替え部23を有することを特徴とする加熱装置
である。低コスト構成(単一駆動電源)で、また第1と
第2の加熱用回転体の加熱比率の切り替えが可能とな
り、効率の良い回転体加熱が可能となる。その他の装置
構成は前記第1の実施形態例の加熱定着装置1と同様で
あり、再度の説明は省略する。
【0079】本構成では上下回転体11・12中の励磁
コイル16A・16B間に通電切り替え部23を有する
ため、加熱定着装置100の状態に応じて上下回転体1
1・12の加熱比率を変えることができ、効率の良い定
着が可能である。
【0080】例えば、加圧フィルム12が冷えている場
合には、切り替え部23は接点aの方に接続されて上下
の励磁コイル16A・16Bは直列に接続されることで
この両励磁コイル16A・16Bに通電がなされて上下
加熱がなされる。加圧フィルム12が十分に温まってい
る場合には、切り替え部23は接点bの方に接続されて
加圧フィルム12側である下の励磁コイル16Bは駆動
電源20とは切り放され、定着フィルム11側である上
の励磁コイル16Aのみに通電され定着フィルム11の
みの加熱がなされる等の通電構成のものにすることがで
きる。
【0081】実際に、本例の装置のように上下の励磁コ
イル16A・16B間に通電切り替え部23を持たせて
上記のような通電制御を行なわせるようにした加熱定着
装置(装置Eとする)と、上下の励磁コイル16A・1
6B間に通電切り替え部23のない加熱定着装置(装置
Fとする)との、定着時に必要な電力の測定を行った。
その結果を表4に示す。尚、定着フィルム11の温調温
度はそれぞれ190℃とし、消費電力は100枚連続定
着した場合の平均の電力で表した。
【0082】
【表4】 表4から判るように、上下の励磁コイル16A・16B
間に通電切り替え部23を持たせて、装置の状態により
上下の加熱用回転体11・12の加熱比率を変える装置
構成の装置Eによれば、消費電力を低減できることがわ
かる。
【0083】以上の構成により、低コスト構成(単一駆
動電源)で、上下の加熱用回転体の効率の良い加熱が可
能となった。
【0084】〈その他〉 1)第1及び第2の加熱用回転体としての磁気誘導発熱
性の定着フィルム11及び加圧フィルム12の層構成は
それぞれ実施形態例の層構成に限られるものではないこ
とは勿論である。例えば、断熱層11a・12aまたは
/および弾性層11c・12cを省略した層構成のもの
にすることもできる。発熱層11b・12b単体のフィ
ルム材にすることもできる。他の所望の機能層を付加し
た層構成のものとすることもできる。
【0085】2)第1及び第2の加熱用回転体は剛性筒
体(パイプ状ローラ体)にすることもできる。
【0086】3)第1及び第2の加熱用回転体の駆動手
段構成は種々の形態のものを設計可能である。
【0087】4)本発明の加熱装置は、実施形態例の画
像形成装置等における画像加熱定着装置としてばかりで
なく、画像を担持した被記録材を加熱してつや等の表面
性を改質する装置、仮定着する装置、シート状物を乾燥
処理したり、熱ラミネート処理する装置等の加熱処理装
置として広く使用できる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気誘導加熱方式・上下加熱方式の加熱装置について、
励磁コイルは第1と第2の加熱用回転体のニップ部を中
心に第1と第2の2つの加熱用回転体中に形成した単一
コイルとしたことで、この単一励磁コイルと該励磁コイ
ルに対する単一駆動電源とで第1と第2の加熱用回転体
両方を磁気誘導加熱することができ、低コスト構成(単
一励磁コイル・単一駆動電源)による効率の良い第1と
第2の加熱用回転体両方の加熱(上下加熱)が可能とな
る。
【0089】上記励磁コイルが、加熱用回転体の回転軸
に垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において加熱用回
転体の回転方向上流側に多く巻かれている巻線形態にす
ることで、プレヒート効果(ニップ部手前での被加熱材
予熱効果)が得られ、加熱定着装置にあっては未定着画
像のニップ部手前での仮定着や被記録材のプレ乾燥が可
能となり、ニップ部手前でのトナー飛び散り(画像の尾
引き)を軽減することができる。
【0090】上記励磁コイルが、加熱用回転体の回転軸
に垂直な面で見たとき、ニップ部近傍において加熱用回
転体の回転方向下流側には巻かれていない巻線形態にす
ることで、加熱定着装置にあっては加熱定着部であるニ
ップ部通過後の被記録材上のトナーを冷却することがで
き、被記録材の加熱用回転体への巻き付きを防ぐことが
できる。
【0091】第1の加熱用回転体用の励磁コイルと第2
の加熱用回転体用の励磁コイルを有し、その両励磁コイ
ルは単一の駆動電源で駆動され、且つその両励磁コイル
間に通電切り替え部を持つ装置構成とすることにより、
低コスト構成(単一駆動電源)で、また第1と第2の加
熱用回転体の加熱比率の切り替えが可能となり、効率の
良い回転体加熱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例(フルカラー画像形成装
置)の概略構成模型図
【図2】加熱定着装置の横断面模型図
【図3】該装置の途中部分省略の縦断面模型図
【図4】該装置の要部の斜視模型図
【図5】図2の要部の拡大模型図
【図6】励磁コイルの他の構成形態例の分解斜視模型図
【図7】第2の実施形態例における加熱定着装置の横断
面模型図
【図8】第3の実施形態例における加熱定着装置の横断
面模型図
【図9】磁気誘導加熱方式の加熱定着装置の従来例の構
成模型図
【符号の説明】
100 磁気誘導加熱方式・上下加熱方式の加熱定着
装置 11 磁気誘導発熱性定着フィルム(第1の加熱用回
転体) 12 磁気誘導発熱性加圧フィルム(第1の加熱用回
転体) 11a・12a 断熱層 11b・12b 発熱層(磁気誘導発熱材層) 11c・12c 弾性層 11d・11d 離型層 13a・13b 第1及び第2のステイ 14 外周駆動ローラ 15 コア 16 励磁コイル 17 サーミスタ 20 駆動電源 21 A/D変換器 22 制御回路(CPU) 23 励磁コイル通電切り替え部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに圧接してニップ部を形成し、それ
    ぞれ磁気誘導発熱性である第1と第2の2つの回転体を
    有し、該両回転体のニップ部に被加熱材を導入して挟持
    搬送させ、励磁コイルから発生する磁界による該両回転
    体の磁気誘導発熱で該被加熱材を加熱する加熱装置にお
    いて、 上記励磁コイルが第1と第2の回転体のニップ部を中心
    に第1と第2の2つの回転体中に形成した単一コイルで
    あることを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 上記励磁コイルが、回転体の回転軸に垂
    直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体の回転
    方向上流側に多く巻かれていることを特徴とする請求項
    1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 上記励磁コイルが、回転体の回転軸に垂
    直な面で見たとき、ニップ部近傍において回転体の回転
    方向下流側には巻かれていないことを特徴とする請求項
    1に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 互いに圧接してニップ部を形成し、それ
    ぞれ磁気誘導発熱性である第1と第2の2つの回転体を
    有し、該両回転体のニップ部に被加熱材を導入して挟持
    搬送させ、励磁コイルから発生する磁界による該両回転
    体の磁気誘導発熱で該被加熱材を加熱する加熱装置にお
    いて、 第1の回転体用の励磁コイルと第2の回転体用の励磁コ
    イルを有し、該両励磁コイルは単一の駆動電源で駆動さ
    れ、且つその両励磁コイル間に通電切り替え部を持つこ
    とを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】 被加熱材が像を担持させた被記録材であ
    り、装置が該被記録材の担持像を加熱処理する像加熱装
    置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    1つに記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 像加熱処理が像の被記録材に対する加熱
    定着処理であることを特徴とする請求項5に記載の加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 被記録材に未定着画像を形成担持させる
    画像形成手段と、被記録材に未定着画像を定着させる加
    熱定着手段を有し、加熱定着手段が請求項1ないし4の
    いずれか1つに記載の加熱装置であることを特徴とする
    画像形成装置。
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