JP2005111336A - 耐熱性触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒金属の反応効率を維持したまま、担体上に担持する触媒金属のシンタリングを抑制し、耐熱性に優れる耐熱性触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】 逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイドと、逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物と、金属(M)アルコキシドの加水分解物とを混合し、得られた混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物表面に貴金属と金属(L)酸化物とが担持してなる耐熱性触媒を提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、耐熱性触媒およびその製造方法に関し、より詳細には、ミセル内部に触媒成分を溶解する逆ミセル溶液を形成し、これに不溶化剤を添加して貴金属粒子および金属水酸化物を得る工程と、前記逆ミセル溶液を担体原料と混合して前記導担体原料に前記貴金属粒子および金属水酸化物を担持させることを特徴とする耐熱性触媒およびその製造方法に関する。
白金、パラジウムなどの貴金属粒子をアルミナなどの担体に担持させた触媒は、燃料改質触媒、排ガス浄化触媒、自動車用および定置用電源などの広範囲において用いられている。
かような触媒を使用する接触反応は、触媒表面で反応が進行する。従って、従来から貴金属粒子のサイズを数nm以下程度に小さくし、粒子表面積が大きい触媒を利用するのが最も有効であるとされている。また、高い触媒性能を示すために、担体上で貴金属粒子が所定の粒径を維持し、均一に分散されているのが望まれる。
前記触媒の一般的な作製方法としては、耐熱性無機担体に水溶性貴金属化合物の水溶液を含浸し、焼成等を行うことにより、耐熱性無機酸化物担持貴金属触媒を作製する方法である。しかし、含浸による方法では、貴金属粒子のサイズが不揃いで、粒子表面積を十分に大きくすることが出来ない問題があった。
また、前記触媒は長期にわたって触媒性能を維持することが求められ、自動車用電源では5000時間、定置用電源では4万時間とも言われている。しかし、貴金属粒子は表面状態が非常に不安定である。そのため、熱的エネルギーが加わると貴金属粒子は、容易に担体表面を移動してシンタリングしたり、担体に固溶したりするため、触媒性能を失活するという問題がある。
これらの問題を解決するための方法として、特許文献1および2に記載されるようなマイクロエマルジョン法(逆ミセル法)が挙げられる。マイクロエマルジョン法とは、貴金属などの触媒元素を含む水溶液が超微粒子状の液滴として存在するマイクロエマルジョンを使用し、その貴金属を沈殿もしくは還元して不溶化し、その不溶化した貴金属を含有する溶液を超微粒子状の液滴(マイクロエマルジョン)として分散させた分散液を使用する方法である。これにより、担体表面に貴金属などの触媒元素を所定の粒径で高分散担持させることができる。
例えば、特許文献1には、前記マイクロエマルジョン法により貴金属コロイドを得た後、担体前駆体に担持させ焼成し、図1(A)に模式的に示すように、金属酸化物の担体101の表面に貴金属粒子102を吸着させた構造を有する触媒が記載されている。
また、特許文献2には、図2に示すように、貴金属粒子102が担体101に埋没した構造を有する触媒が記載されている。前記触媒は、担体101の表面にさらに担体101と貴金属粒子102との反応を抑制するための反応抑制剤が付着している(図示せず)。かような触媒は、特許文献2の実施例8において、触媒元素の貴金属を含む化合物である硝酸パラジウム溶液を含有するマイクロエマルジョンと、パラジウムの還元剤および硝酸バリウムを含むマイクロエマルジョンを混合し、炭酸ガスでバブリングすることにより炭酸バリウムを反応抑制剤として沈殿させ、パラジウムと炭酸バリウムとを凝集させる方法が用いられている。
特開平7−246343 特開平10−216517
しかし、上記特許文献1に記載されている触媒では、担体101表面に貴金属粒子102のみが担持した構造を有するため、図1(B)に示すように、容易に貴金属粒子102のシンタリングが起こり易く、シンタリングを抑制するのは困難である。
また、特許文献2に記載されている方法では、担体101の表面に貴金属粒子102が20〜90%も埋没し、貴金属粒子が担体と反応して固溶する恐れがある。さらに、貴金属粒子の回りに反応抑制剤としてバリウムが担持されているため、貴金属と反応ガスとの接触面積が減り、反応効率が低下する恐れがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、触媒金属の反応効率を維持したまま、担体上に担持する触媒金属のシンタリングを抑制し、耐熱性に優れる耐熱性触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、触媒金属のシンタリングは、触媒金属粒子を担体に担持させた後に行う焼成工程で、担体の結晶構造の変化による体積変化に伴って、触媒金属が移動することが原因となることに着目し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイドと、逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物と、金属(M)アルコキシドの加水分解によるゲル状金属(M)水酸化物とを混合し、得られた混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物表面に貴金属と金属(L)酸化物とが担持してなる耐熱性触媒を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の耐熱性触媒は、担体原料の表面において、貴金属粒子間に金属(L)水酸化物が担持し、これを焼成することにより得られ、加熱等による貴金属粒子のシンタリングを抑制もしくは阻止することができ、さらには、貴金属粒子の酸化を防止することができる。
また、貴金属粒子と金属(L)水酸化物とが独立して担体表面に強く結合しているため、貴金属粒子と反応ガスとの接触面積を充分に確保できる。
従って、前記耐熱性触媒は高温雰囲気下においても優れた触媒性能を維持することができる。
本発明の第1は、逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイドと、逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物と、金属(M)アルコキシドの加水分解によるゲル状金属(M)水酸化物とを混合し、得られた混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物表面に貴金属と金属(L)酸化物とが担持してなる耐熱性触媒である。
従来法で作製された触媒は、金属アルコキシドの加水分解物を担体原料として用い、これに貴金属粒子を含浸法により担持させた後、焼成工程を経る。焼成工程では、担体原料が、水和物形態から脱水して酸化物形態に変化するに伴い、担体原料に体積変化が起こる。この際に、担体原料に担持された貴金属粒子が移動して容易にシンタリングが起こる恐れがあった。高い触媒活性を示すためには、担体表面の貴金属粒子が所定の粒径を維持し、かつ、均一に分散されていることが望まれる。従って、貴金属粒子のシンタリングは、貴金属粒子の増大、分散性の低下などを招き、触媒活性を劣化させる原因となる。
例えば、上記特許文献1に記載される触媒は、先ず、不溶性の貴金属塩を超微粒子状で含む逆ミセルを作り、次いで、この逆ミセルに還元剤を加えて、その貴金属塩を貴金属コロイドに還元し、この貴金属コロイドを金属酸化物に固定化して得られる。かような触媒は、図1(A)に示すように、担体101表面に貴金属粒子102が吸着した構造であるため、貴金属粒子102の移動を阻止もしくは抑制することが困難である。従って、図1(B)に示すように貴金属粒子102のシンタリングが起こりやすい。
また、上記特許文献2に記載される触媒は、図2に示すように、貴金属粒子102が担体101に埋没した構造を有する触媒が記載されている。前記触媒は、担体101の表面に担体101と貴金属粒子102との反応を抑制するための反応抑制剤が付着している(図示せず)。かような触媒の作製方法は、貴金属などの触媒元素を含む化合物を含有する逆ミセルと、貴金属の還元剤および反応抑制物質を含む逆ミセルを混合し、炭酸ガスでバブリングすることにより反応抑制物質を炭酸塩として沈殿させ、貴金属と反応抑制物質とを凝集する方法が用いられている。前記方法により得られる触媒は、担体101の表面に貴金属粒子102が20〜90%も埋没し、担体上に担持された貴金属の表面に反応抑制物質を担持させているため、貴金属粒子と反応ガスとの接触面積が減り反応効率が低下する問題がある。
しかしながら、本発明の耐熱性触媒は、逆ミセル法を用いて、図3に示すように、担体101の表面に貴金属粒子102と金属酸化物103とが別々に担持してなる耐熱性触媒である。前記耐熱性触媒は、貴金属粒子102と金属(L)酸化物103が独立して担体101と強固に結合しているため、反応ガスとの接触面積を充分に確保することができる。さらに、高温雰囲気下などの厳しい使用条件下でも、金属(L)酸化物103が障壁となり貴金属粒子102のシンタリングを抑制することができる。従って、本発明の触媒は、高い触媒性能および耐熱性を有する。
以下、本発明の耐熱性触媒について、より詳細に説明する。
本発明の耐熱性触媒は、逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイドと、逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物と、金属(M)アルコキシドの加水分解物とを混合し、得られた混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物表面に貴金属と金属(L)酸化物とが担持してなる耐熱性触媒である。
本発明において「逆ミセル法」とは、所望する金属イオンを含む水溶液が超微粒子状の液滴として存在する逆ミセル溶液を使用し、前記金属イオンを沈殿もしくは還元して不溶化し、その不溶化した金属を含有する溶液を超微粒子状の逆ミセルとして高分散させた分散液(逆ミセル溶液)を使用する方法である。
前記逆ミセル溶液は、有機溶媒に界面活性剤分子等の両親媒性物質を混合することにより前記両親媒性物質が集合して形成されるミセルを含有、かつ前記ミセル内に所望する金属を含有する溶液である。有機溶媒相内で疎水性基を外側すなわち有機溶媒相側に向け、親水性基を内側に向けて配向し、疎水性基と親水性基の配向が水性溶媒相の場合と逆であるため、逆ミセル溶液とする。逆ミセル溶液を模式的に示す図が図4である。このような逆ミセル溶液は、界面活性剤を有機溶媒に溶解した溶液に水溶液を加えて撹拌して調製することができる。親水性基が集まった部分には水などの極性分子を保持する能力がある。前記水溶液は、直径数nm〜数10nm程度の極めて小さな水滴となって有機溶媒中に均一に分散するが、注入した水溶液と界面活性剤のモル比によって逆ミセルの微細組織の大きさを制御することができる。
本発明において、「逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイド」とは、ミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液に、前記貴金属イオンの不溶化剤を添加することにより、ミセル内部で貴金属イオンが貴金属に還元されて得られる貴金属コロイドのことである。貴金属イオンの不溶化剤は、ミセル内部の貴金属イオンをコロイド状の貴金属粒子にできるものであり、用いる貴金属によって適宜調製することができる。なお、前記不溶化剤は、水溶液として添加しても、前記不溶化剤をミセル内部に含有する逆ミセル溶液として添加してもよい。
また、「逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物」とは、ミセル内部に金属(L)イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液に、前記金属(L)イオンを金属(L)水酸化物の不溶化物とする不溶化剤を添加することにより、ミセル内部で金属(L)イオンが金属(L)水酸化物に還元され、金属(L)イオンの沈殿物(水酸化物)となる。本発明において、前記不溶化剤は、金属(L)イオンを水酸化物として沈殿させるものである。金属(L)水酸化物を担体原料の表面に担持させることで、焼成工程において金属(L)水酸化物が脱水して金属(L)酸化物となり、貴金属粒子の酸化を防止して触媒活性を好適に維持することができる。また、不溶化剤としてアンモニア水などの沈殿剤を用いてpH6〜10とすることにより、微粒子状の沈殿物とすることができる。このようにして得られた沈殿物は、貴金属粒子と金属(L)水酸化物が凝集せずに均一に分散することができ、担体原料の表面に貴金属粒子と金属(L)水酸化物とを別々に担持させることができる。
本発明において、担体原料としては、金属(M)アルコキシドの加水分解物を用いる。金属(M)アルコキシドは、水と容易に反応して加水分解し、粒子状の均質な金属(M)水酸化物を得ることができる。
従って、逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイドと、逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物と、金属(M)アルコキシドの加水分解物とを混合することにより、均質な金属(M)水酸化物と、微粒子状の貴金属コロイドおよび金属(L)水酸化物の混合物を得ることができる。かような混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物の表面に貴金属および金属(L)酸化物が所定の間隔で高分散担持した耐熱性触媒が得られる。
本発明の耐熱性触媒は、上述したものに限られず、ミセル内部に貴金属コロイド水溶液を含有する逆ミセル溶液と、ミセル内部に金属(L)水酸化物水溶液を含有する逆ミセル溶液と、金属(M)アルコキシドとを混合し、得られた混合物を焼成することにより得られる。
ミセル内部に貴金属コロイド水溶液を含有する逆ミセル溶液と、ミセル内部に金属(L)水酸化物水溶液を含有する逆ミセル溶液とを混合することにより、ミセル同士が結合し、ミセル内部に貴金属コロイドおよび金属(L)水酸化物を含有する逆ミセル溶液が得られる。かような逆ミセル溶液と、金属(M)アルコキシドとを混合すると、逆ミセル内の水(可溶水)によって加水分解を生じ、担体原料である金属(M)水酸化物を生じる。これにより、均質な金属(M)水酸化物と、微粒子状の貴金属コロイドおよび金属(L)水酸化物とを含む混合物が得られるのである。
前記混合物としては、好ましくは、担体原料である金属(M)水酸化物の表面に貴金属および金属(L)水酸化物が担持してなるものを用いるのがよい。焼成工程において、貴金属が酸化されて触媒活性を失う恐れがあるが、担体原料の表面に担持された金属(L)水酸化物が脱水して酸化物形態に変化した後、不活性ガス雰囲気下で熱処理することで、貴金属の酸化を効果的に抑制することができる。
前記混合物は、担体原料である金属(M)水酸化物よりも金属(L)水酸化物の含水率が小さいものとするのが好ましい。
担体原料である金属(M)水酸化物および金属(L)水酸化物は、水和物形態で存在するものであり、焼成工程において水和物形態から酸化物形態へと熱収縮による結晶構造の変化により、体積変化が起こる。この時、金属(M)水酸化物よりも金属(L)水酸化物の含水率が小さいものとすることにより、金属(M)水酸化物よりも金属(L)水酸化物の方が体積変化の小さい結晶構造とすることができる。これにより、担体表面での貴金属粒子の移動する範囲を狭め、シンタリングを阻止および抑制することができ、触媒活性を維持することができる。
ここで、「含水率」とは、金属水酸化物において、金属1モルあたりの水酸化物として含まれるOH基と、配位水(構造水)として含まれるOH基との総和である。前記水酸基および前記配位水(構造水)の量は、温度や水蒸気圧などを所定の条件にすることにより調製することができる。これにより、金属(M)水酸化物よりも金属(L)水酸化物の含水率が小さいものとすることができる。
また、本発明の耐熱性触媒において、担体表面に担持する金属(L)酸化物の平均粒子径をR1とし、担体の金属(M)酸化物の平均粒子径をR2とした場合、R2/R1を2〜100、特に2〜50となるようにするのがよい。R2/R1が2より小さいと金属(L)酸化物が担体金属(M)酸化物のシンタリング阻止および抑制効果が発現せず、100を超えると逆に金属(L)酸化物の粒子が著しく小さいとシンタリング阻止および抑制効果が維持できなくなるため、上記範囲が好ましい。
さらに、貴金属の平均粒子径をR3とした場合、R2/R1を2〜100とし、かつ、R1/R3を1〜50、特に2〜20となるようにするのがより好ましい。これにより、担体金属酸化物に担持された貴金属粒子が、担体表面での貴金属粒子の移動する範囲を狭め、シンタリングを阻止および抑制する作用を著しく向上でき、初期の触媒活性を向上でき、耐久後も維持することができる。この時、R1/R3が1より小さいと貴金属粒子のシンタリングを抑制することが困難であり、50を超えると貴金属の分散性が低下するため、上記範囲が好ましい。
貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、およびイリジウムからなる群より選ばれる1種以上の貴金属である。これらの中でも、触媒活性に優れるため、白金、ロジウム、パラジウムを用いることが好ましい。
また、担体表面に担持させる貴金属の平均粒子径は、1〜10nm、好ましくは2〜6nmとするのがよい。平均粒子径がこの範囲であれば、触媒活性に十分な表面積が確保でき、貴金属の単位質量当たりの触媒活性量を増大させることができる。
担体表面に担持する金属(L)は、ガリウム、セリウム、ジルコニウム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ゲルマニウム、クロム、銅、亜鉛、およびタングステンから選ばれる1種以上の金属である。かような金属(L)は、担体と固溶し難く、質量活性(貴金属の単位質量あたりの活性)の向上の点で有利である。さらに、かような金属(L)からなる金属酸化物は、酸素過剰雰囲気下において、貴金属粒子表面の酸素濃度を下げ、貴金属の酸化を防止する助触媒作用を示すことができる。金属(L)としてより好ましくは、ジルコニウム、セリウム、チタニウムを用いる。
担体表面に担持される金属(L)酸化物の平均粒子径は、10〜50nm、好ましくは10〜30nmとするのがよい。平均粒子径がこの範囲であれば、担体金属酸化物の熱収縮にともなう結晶構造の変化に起因する体積変化を抑制することができる。
担体として用いられる金属(M)は、アルニミウム、シリカ、ガリウム、チタン、セリウム、ジルコニウム、バナジウム、及び、タングステンから選ばれる1種以上の金属である。金属(M)酸化物の平均粒子径としては、100〜1000nm、より好ましくは100〜500nmとするのがよい。
なお、本発明において平均粒子径とは、X線回析における金属の回析ピークの半値幅より求められる結晶子径や透過型電子顕微鏡より調べられる金属の粒子径の平均値で算出することができる。
本発明の耐熱性触媒において担体に担持する金属量は、貴金属と金属(L)との合計量として、耐熱性触媒あたり金属量が1〜40質量%、より好ましくは1〜20質量%とするのがよい。金属量が1質量%未満では触媒活性が不十分であり、40質量%を超えると触媒活性が飽和するため上記範囲が好ましい。
担体表面に担持される貴金属と金属(L)酸化物とは、質量比で1:1〜20:1、好ましくは2:1〜10:1となるようにするのがよい。これは、貴金属と金属(L)酸化物との比がこの範囲を外れると、触媒活性が不十分となる恐れがあるためである。
本発明における耐熱性触媒は、担体表面に貴金属と金属(L)酸化物とが高分散担持しているため、高温雰囲気下や強い衝撃などによる貴金属粒子の移動を抑制することができる。また、貴金属と金属(L)酸化物とは別々に担体表面に担持しているため、貴金属と反応ガスとの接触面積を充分に確保することができ、反応効率を維持できる。さらに、担体表面に担持された金属(L)酸化物は、酸素過剰雰囲気下などにおいては、触媒表面の酸素濃度を下げ、貴金属の酸化を防ぐことができるため、触媒活性の低下を抑制することができる。
従って、かような各種特性を有する本発明の耐熱性触媒は、排ガス浄化触媒、燃料改質触媒、自動車用および定置用電源など、厳しい使用環境下でも優れた触媒性能を求められる各種用途に好適に用いることができる。
本発明の第2は、耐熱性触媒の製造方法である。上記第一の耐熱性触媒は、本発明の第二によっても製造することができる。
本発明の製造方法としては、ミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Aに前記貴金属イオン水溶液の還元剤を添加した溶液と、ミセル内部に金属(L)イオンを含有する逆ミセル溶液Bに金属(L)水酸化物を生成する沈殿剤を添加した溶液とを混合し、さらに前記混合液を金属(M)アルコキシド溶液または金属(M)アルコキシドの加水分解物を含有する逆ミセルCと混合し、金属(M)アルコキシドの加水分解物上に貴金属と金属(L)水酸化物とを担持させる工程を含む方法が挙げられる。
前記方法において、逆ミセル溶液(A)に還元剤を添加した溶液と、逆ミセル溶液(B)に沈殿剤を添加した溶液とを混合するまでの模式図を図5に示す。
まず、図5(A)に示すように、有機溶媒1に界面活性剤2を混合し、これに貴金属イオン水溶液を加え撹拌すると、親水性基3を内側に疎水性基4を外側にするミセル5が形成され、ミセル内部に貴金属イオン水溶液が内包される。貴金属イオン水溶液に代えて還元剤水溶液を使用すると、図5(B)に示す還元剤水溶液を内包するミセル6が生成される。この両逆ミセル溶液を混合すると、逆ミセル同士が結合してミセル内で還元反応が進行し(図5(c))、さらに還元粒子7を熟成するとミセルサイズによって制御されたコロイド状の貴金属を含有するミセル8を得ることができる(図5(D))。ミセル内部では貴金属の超微粒子の分散性に優れ、二種以上の貴金属イオンを含有させた場合にも極めて均一な組成の貴金属超微粒子が得られる。
次いで、貴金属イオン水溶液に代えて金属(L)イオン水溶液を使用すると、図5(E)示す金属(L)イオンを内包するミセル9が形成される。同様にして、貴金属イオン水溶液に代えて金属(L)イオンを金属(L)水酸化物として沈殿させ得る沈殿剤水溶液を使用すると、図5(F)に示す沈殿剤水溶液を内包するミセル10が生成される。この両逆ミセルを混合すると、逆ミセル同士が結合してミセル内で沈殿反応が進行し(図5(G))、さらに沈殿の熟成を行うことにより、図5(H)に示すようにミセルサイズによって制御された、金属(L)水酸化物を内包するミセル11を得ることができる。ミセル内部では均一な組成の金属(L)水酸化物が得られ、二種以上の金属(L)イオンを含有させた場合にも極めて均一な組成の金属(L)水酸化物が得られる。
次いで、図5(I)に示すように、両ミセルを混合し撹拌すると、ミセル同士が結合して、均一な組成のミセルを得ることができる。さらに、熟成を行うことによって、図5(J)に示すように、ミセルサイズによって制御された、貴金属粒子と金属(L)水酸化物とを内包するミセル12が得られる。ミセル内は、貴金属粒子と金属水酸化物とが単分散状態で極めて均一に分散されている。
かようにして得られた貴金属コロイドと金属(L)水酸化物とを含む逆ミセル溶液と、金属(M)アルコキシドを有機溶媒などに分散させた金属(M)アルコキシド溶液と混合する。金属(M)アルコキシドは、水に添加すると容易に加水分解し、粒子単位で均質な金属(M)水酸化物を得ることができる。従って、逆ミセルの非常に広い界面で、ミセル中の水溶液により金属(M)アルコキシドの加水分解が生じる。この時、ミセル中の粒子および沈殿を取り囲むように担体原料である金属(M)水酸化物が生成する。これにより、金属(M)水酸化物表面に貴金属と金属(L)水酸化物とが担持した混合物が得られるのである。
その後、遠心分離、濾過、洗浄等の方法により混合物を分離し洗浄して分離工程を経た後、乾燥工程において乾燥の後に微粉化して耐熱性触媒の前駆体を得て、さらに前記前駆体を焼成工程により焼成すると耐熱性触媒が製造できる。
逆ミセルの形成に利用可能な有機溶媒としては様々な物質が使用可能であるが、一例を挙げると、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、ヘプタノール、オクタノール、ドデシルアルコール、セチルアルコール、イソオクタン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等がある。また、逆ミセル溶液中の水滴の大きさを調節する目的で、アルコール等を添加してもよい。前記有機溶媒は、1種を単独で使用するほか、2種以上を併用することもできる。更に、逆ミセル溶液Aにも逆ミセル溶液Bの調製にも使用することができ、更に貴金属イオンの還元剤や金属(L)イオンの沈殿剤を逆ミセル溶液として供給する場合には、これらの溶液の調製にも使用することができる。この際、いずれかの逆ミセル溶液に使用する有機溶媒と他の逆ミセル溶液に使用する有機溶媒とは、同種のものであっても異種のものであってもよい。
逆ミセル溶液を形成する界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリン酸マグネシウム、カプリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ナトリウムフェニルステアレ−ト、アルミニウムジカプリレ−ト、テトライソアミルアンモニウムチオシアネ−ト、n−オクタデシルトリn−ブチルアンモニウム蟻酸塩、n−アミルトリn−ブチルアンモニウムヨウ化物、ナトリウムビス(2−エチルヘキシル)琥珀酸塩、ナトリウムジノニルナフタレンスルホネ−ト、カルシウムセチルサルフェート、ドデシルアミンオレイン酸塩、ドデシルアミンプロピオン酸塩、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンムニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、(2−オクチルオキシ−1−オクチルオキシメチル)ポリオキシエチレンエチルエーテル等を挙げることができる。前記界面活性剤も、いずれの逆ミセル溶液の調製にも使用することができ、2種以上を併用することもできる。なお、有機溶媒に対する界面活性剤の添加量は、有機溶媒100質量部に対して、10〜300質量である。10質量部を下回ると逆ミセルの形成が困難となり、一方300質量部を超えるとロッド状ミセルが形成され、貴金属粒子径を特定の大きさに制御し凝集させないと云う観点で不利である。
ミセルのサイズは、使用する溶媒や界面活性剤の種類、添加量によって調整することができる。また、ミセルに内包される貴金属および金属(L)水酸化物の量が少ないほど、担持させる貴金属および金属(L)水酸化物の粒径が小さくなる傾向がある。従って、所望する粒径が得られるように適宜調製すればよいが、界面活性剤1モルに対して逆ミセル中に含まれる貴金属または金属(L)水酸化物のモル数を2〜20モル程度にするのがよい。
貴金属イオンとしては、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の貴金属イオンであり、これらのイオンの供給源としては特に制限されず広くこれらのイオンを含有する化合物を使用することができる。このような化合物としては、上記貴金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩およびアミン化合物などが例示できる。
より具体的には、塩化白金(ヘキサクロロ白金酸六水和物)、塩化パラジウム、塩化ロジウム、塩化ルテニウムなどの塩化物、硝酸パラジウム、硝酸ロジウム、硝酸イリジウムなどの硝酸塩、硫酸パラジウム、硫酸ロジウムなどの硫酸塩、酢酸ロジウムなどの酢酸塩、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液、ジニトロジアンミンパラジウム溶液などのアミン化合物、などが好ましい。これらの貴金属イオン濃度は、金属換算で0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%である。
また、貴金属イオンの還元剤としては、水素、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、エチレン、一酸化炭素等が挙げられる。ヒドラジン等の水溶液として調製し得るものは、濃度0.1〜40質量%の水溶液として直接逆ミセル溶液に添加してもよいが、前記溶液を用いて逆ミセル溶液を調製し、逆ミセル溶液Aに添加してもよい。濃度0.1〜40質量%の水溶液であれば、ミセル内で貴金属イオンが貴金属粒子となった場合でもコロイド状にミセル内に分散できる。なお、ホウ素化水素ナトリウムなどの粉末状の物質は、そのまま供給することができる。水素などの常温でガス状の物質は、バブリングで供給することもできる。
金属(L)イオンとしては、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、銅、亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の遷移金属イオンが挙げられる。これらのイオンは、上記遷移金属の硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などの化合物として供給するのが好ましい。
これらは、溶解する溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。
金属(L)イオンの沈殿剤としては、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の金属(L)水酸化物の沈殿物を生じるものが用いられる。金属(L)水酸化物を担体原料の表面に担持させることで、焼成工程において金属(L)水酸化物が脱水して金属(L)酸化物となることにより、貴金属粒子の酸化を防止して触媒活性を好適に維持することができる。
また、かような沈殿剤を用いて、逆ミセル水溶液のpHを6〜12、好ましくは7〜10に調製するのが好ましい。これにより、逆ミセル中で貴金属粒子と金属(L)水酸化物が凝集せずに均一に分散することができ、担体原料の表面に貴金属粒子と金属(L)水酸化物とを別々に担持させることができる。アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等は、濃度0.1〜30質量%の水溶液として直接逆ミセル溶液に添加してもよいが、前記溶液を用いて逆ミセル溶液を調製して添加してもよい。なお、濃度0.1〜30質量%の水溶液であれば、ミセル内で均一な組成の金属(L)水酸化物が得られる。
担体原料である金属(M)アルコキシドを構成する金属(M)としては、その金属(M)酸化物が担体として好適に用いられるのであれば特に限定されない。例えば、アルニミウム、シリカ、ガリウム、チタン、セリウム、ジルコニウム、バナジウム、及び、タングステンから選ばれる1種以上の金属が挙げられる。2種以上の金属から成る金属アルコキシド混合物を用いて加水分解を行うと、複合酸化物を得ることができる。このとき、金属アルコキシドの加水分解速度は金属の種類により異なるため、複合酸化物とする場合には加水分解触媒を添加するなどして、加水分解速度を同程度にするのが好ましい。また、金属(L)と金属(M)とは同一とならないように選択する。
本発明において、金属(M)アルコキシドとして具体的には、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;シリコンテトラエトキシド、シリコンテトライソプロポキシド、シリコンテトラブトキシド等のシリコンアルコキシド;ガリウムイソプロポキシド等のガリウムアルコキシド;チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムブトキシド等のチタニウムアルコキシド;ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;バナジウムオキシイソプロポキシド等のバナジウムアルコキシド;タングステンエトキシド等のタングステンアルコキシドなどが挙げられる。
金属(M)アルコキシドは、有機溶媒中に分散させた金属(M)アルコキシド溶液用いるのがよい。有機溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、ヘプタノール、オクタノール、ドデシルアルコール、セチルアルコール、イソオクタン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
有機溶媒100質量部に対して、金属(M)アルコキシドを1〜40質量部、好ましくは5〜20質量部となるように添加する。
金属(M)アルコキシドは逆ミセルの広い界面で加水分解反応を行い、加水分解物として金属(M)水酸化物を形成する。金属(M)アルコキシドの加水分解反応に際して用いる全水量は、金属(M)アルコキシドの加水分解反応に必要とされる理論量の1〜10モル倍、好ましくは1〜3モル倍である。また、加水分解反応が遅い場合には、加水分解を促進させる触媒を添加してもよい。この場合は、加水分解用の水として、0.01〜1質量%程度のアンモニア水や0.01〜1質量%程度の希硝酸を含む水を用いればよく、加水分解反応の促進とともに、逆ミセル溶液中に添加してもよい。
金属(M)アルコキシドは、貴金属および金属(L)水酸化物を内包する逆ミセルと混合する際に、シクロヘキサン等の有機溶媒中に分散させた分散液として添加する上記した方法に限定されず、金属(M)アルコキシドの加水分解物を内包した逆ミセル溶液として添加してもよい。かような方法によっても、貴金属および金属(L)水酸化物を金属(M)水酸化物の表面に担持させることができる。逆ミセル溶液に用いる有機溶媒、界面活性剤は貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液と同じものを用いればよい。
しかし、均一な粒径の金属(M)水酸化物とすることができるため、金属(M)アルコキシドを有機溶媒中に分散させた分散液を用いることが好ましい。
また、貴金属および金属(L)水酸化物を内包する逆ミセル溶液と金属(M)アルコキシド溶液との混合は、逆ミセル溶液を金属(M)アルコキシド溶液に添加することにより行ってもよいが、好ましくは金属(M)アルコキシド溶液に逆ミセル溶液を添加する。これにより均一な粒径の金属(M)水酸化物が得られる。
加水分解温度は、金属アルコキシドの種類によっても異なるが一般に20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。逆ミセル溶液に水を加える場合、その添加水は反応開始から0〜8時間、好ましくは1〜2時間の間に分割して加えるのが望ましい。また、水の添加終了後0〜12時間、好ましくは1〜8時間攪拌下に20〜60℃、好ましくは30〜50℃に保って加水分解反応を完結させ、その後0〜3時間、好ましくは1〜2時間前記温度で熟成させるのが良い。この加水分解反応においては、反応が進んでコロイド状生成物が形成される。加水分解反応時の反応液のpHは、金属アルコキシドの種類等によっても異なるが、一般的には3〜11、好ましくは7〜11、より好ましくは8〜10とするのが良い。
担体原料である金属(M)アルコキシドの加水分解物と、担体原料表面に担持される金属(L)水酸化物とは水和物形態で存在する。従って、これらは、後の焼成工程において、脱水して酸化物形態へと結晶構造が変化するのに伴って、体積変化を生じる。この時に、上述した通り、担体原料の金属(M)水酸化物よりも金属(L)水酸化物の方が含水率が小さいものとするのが好ましい。これにより、貴金属の移動を効果的に抑制することができる。
逆ミセル溶液Aに、逆ミセル溶液B、還元剤、沈殿剤の添加順序は、逆ミセル溶液Aに還元剤を添加すると貴金属イオンが粒子となり、逆ミセル溶液Bに沈殿剤を添加すると金属(L)イオンが水酸化物となることから、(1)逆ミセル溶液Aに還元剤を添加し、逆ミセル溶液Bに沈殿剤を添加した後、これらを混合する上述した方法の他、(2)逆ミセル溶液Aに還元剤を添加し、これに逆ミセル溶液Bを混合し、次いで前記金属(L)イオンの沈殿剤を添加する方法、(3)逆ミセル溶液Aと逆ミセル溶液Bとの混合溶液に、還元剤を先に添加し、後から沈殿剤を添加する方法、(4)逆ミセル溶液Aと逆ミセル溶液Bとの混合溶液に、先に沈殿剤を添加し、後から還元剤を添加する方法、(5)逆ミセル溶液Bに、沈殿剤を添加し、次いで逆ミセル溶液Aを添加し、更に還元剤を添加する方法などがある。上記(2)〜(4)の模式図を、それぞれ図6、図7、図8に示す。貴金属と金属(L)水酸化物とが凝集せずに分散性を維持したまま、担体原料表面に担持することができるため、上記(1)の方法を用いるのが好ましい。
本発明において、担体原料表面に貴金属と金属(L)水酸化物を付着させた後は、前記担体原料を溶液から単離し、前記担体を乾燥する。乾燥方法は、例えば自然乾燥、蒸発乾固法、ロータリーエバポレーター、噴霧乾燥機、ドラムドライヤーによる乾燥などを用いることができる。乾燥時間は、使用する方法に応じて適宜選択すればよい。場合によっては、乾燥工程を行わずに、焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
焼成工程は、温度400〜800℃、好ましくは400〜600℃で行うのがよい。また、前記焼成は、空気流通雰囲気下で行うのが好ましい。これにより金属水酸化物の形成が容易となるからである。しかし、空気流通雰囲気下での焼成は、貴金属が酸化されやすく、貴金属が酸化されると触媒活性が低下する恐れがある。
従って、前記焼成は、空気流通雰囲気下で焼成を行った後、さらにアルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下において焼成を行うのが好ましい。これにより、金属水酸化物から金属酸化物を形成することができ、さらに、酸化されていない貴金属が担持した耐熱性触媒を得ることができる。また、空気流通雰囲気下と不活性ガス雰囲気下での焼成温度は同じであっても、異なっていてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
<実施例1>
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これにジニトロジアンミン白金水溶液(Pt濃度8.0質量%)10.0gを加えて透明になるまで、1時間攪拌し、逆ミセル溶液Aを調製した。
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これに還元剤として0.5質量%のヒドラジン水溶液13.2g(Ptの1/2倍モル量)を加えて1時間攪拌して逆ミセル溶液Bを得た。
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これに沈殿剤として1.0質量%アンモニア水溶液28.4gを加えて透明になるまで、1時間攪拌し、逆ミセル溶液Cを調製した。
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これに5質量%オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)水溶液21.9gを加えて透明になるまで、1時間攪拌し、逆ミセル溶液Dを得た。
このとき、界面活性剤1モルに対して逆ミセル水溶液中のモル比は、それぞれ2〜20程度に調整した。
次いで、逆ミセル溶液Aを撹拌しながら、逆ミセル溶液Bを加え、1時間攪拌した後、白金粒子を逆ミセル中に含む溶液1を得た。
さらに、逆ミセル溶液Dを撹拌しながら、逆ミセル溶液Cを加え、1時間攪拌した後、ジルコニア前駆体を逆ミセル中に含むpH8〜9の溶液2を得た。
溶液1を撹拌しながら、溶液2を加え、1時間攪拌した後、白金粒子およびジルコニア水酸化物を逆ミセル中に含む溶液3を得た。この溶液3を攪拌しながら、アルミニウムイソプロポキシド溶解シクロヘキサン溶液に加え、1時間攪拌した後、さらに24時間撹拌・熟成した。これにより、白金粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物が得られた。
その後、遠心分離機(日立製作所製 CENTRIFUGE05P−20B)を用いて6時間遠心分離を行い、沈殿を分離した後に濾過して、エタノール及び水で洗浄した。得られた固形物を減圧下85℃において12時間乾燥した後に、乳鉢で粉砕し、空気流通雰囲気下、400℃で2時間焼成し、さらに600℃で5時間焼成して、耐熱性触媒を得た。前記耐熱性触媒は、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、1.5nm、Pt担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径100nm)であった。結果を表1に示す。
<実施例2>
逆ミセル溶液Bに代り、還元剤としてホウ素化水素ナトリウム0.2g(Ptの等倍モル量)の粉末を直接加え、白金粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例1と同様にして、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、1.5nm、Pt担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表1に示す。
<実施例3>
5質量%硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)水溶液35.6gを加えて逆ミセル溶液Dを得、白金粒子とセリウム水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例1と同様にして、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、2.0nm、Pt担持濃度5%)とセリウム微粒子(CeO粒子の平均粒径は、15nm、Ce担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径200nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表1に示す。
<実施例4>
97質量%チタニウムテトライソプロポキシド(Ti(OC)溶液1.22gを加えて逆ミセル溶液Dを得、白金粒子とチタニウム水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例1と同様にして、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、3.5nm、Pt担持濃度5%)とチタニウム微粒子(TiO粒子の平均粒径は、15nm、Ti担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径150nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表1に示す。
<実施例5>
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて、硝酸ロジウム水溶液(Rh濃度8質量%)液を添加し、ロジウム粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例1と同様にして、貴金属微粒子(Rh粒子の平均粒径は、1.5nm、Rh担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径500nm)の耐熱性触媒を得た。
<実施例6>
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて、ジニトロジアンミンパラジウム水溶液(Pd濃度8質量%)を添加し、パラジウム粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例1と同様にして、貴金属微粒子(Pd粒子の平均粒径は、5.0nm、Pd担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、30nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして逆ミセル溶液Aおよび逆ミセル溶液Bを調製した。
次いで、逆ミセル溶液Aを撹拌しながら逆ミセル溶液Bを加え、1時間攪拌した後、白金粒子を逆ミセル中に含む溶液1を得た。
溶液1を攪拌しながら、アルミニウムイソプロポキシド溶解シクロヘキサン溶液を加え、1時間攪拌した後、さらに24時間撹拌・熟成した。
その後、遠心分離機(日立製作所製 CENTRIFUGE05P−20B)を用いて6時間遠心分離を行い、沈殿を分離した後に濾過して、エタノール及び水で洗浄した。得られた固形物を減圧下85℃において12時間乾燥した後に、乳鉢で粉砕し、空気流通雰囲気下、400℃で2時間焼成し、さらに600℃で5時間焼成して、耐熱性触媒を得た。この触媒は、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、1.5nm、Pt担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径200nm)であった。結果を表1に示す。
Figure 2005111336
<実施例7>
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これにジニトロジアンミン白金水溶液(Pt濃度8.0質量%)10.0gを加えて透明になるまで、1時間攪拌し、逆ミセル溶液Eを調製した。
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これに還元剤として0.5質量%のヒドラジン水溶液13.2g(Ptの1/2倍モル量)を加えて1時間攪拌して逆ミセル溶液Fを得た。
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これに沈殿剤として1.0質量%アンモニア水溶液28.4gを加えて透明になるまで、1時間攪拌し、逆ミセル溶液Gを調製した。
界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロへキサンを加えて1.0L(0.1mol/L)とし、これを混合および撹拌した。これに5質量%オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)水溶液21.9gを加えて透明になるまで、1時間攪拌し、逆ミセル溶液Hを得た。
このとき、界面活性剤1モルに対して逆ミセル水溶液中のモル比は、それぞれ2〜20程度に調整した。
次いで、逆ミセル溶液Eを撹拌しながら、逆ミセル溶液Fを加え、1時間攪拌した後、白金粒子を逆ミセル中に含む溶液4を得た。
さらに、逆ミセル溶液Hを撹拌しながら、逆ミセル溶液Gを加え、1時間攪拌した後、ジルコニア前駆体を逆ミセル中に含むpH8〜9の溶液5を得た。
溶液4を撹拌しながら、溶液5を加え、1時間攪拌した後、白金粒子およびジルコニア水酸化物を逆ミセル中に含む溶液6を得た。この溶液6を攪拌しながら、アルミニウムイソプロポキシド溶解シクロヘキサン溶液に加え、1時間攪拌した後、さらに24時間撹拌・熟成した。これにより、白金粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物が得られた。
その後、遠心分離機(日立製作所製 CENTRIFUGE05P−20B)を用いて6時間遠心分離を行い、沈殿を分離した後に濾過して、エタノール及び水で洗浄した。得られた固形物を減圧下85℃において12時間乾燥した後に、乳鉢で粉砕し、空気流通雰囲気下、400℃で2時間焼成し、さらに600℃で5時間焼成した後、アルゴンの不活性ガス雰囲気下、600℃で2時間焼成して耐熱性触媒を得た。前記耐熱性触媒は、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、2.5nm、Pt担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)であった。結果を表2に示す。
<実施例8>
逆ミセル溶液Fに代り、還元剤としてホウ素化水素ナトリウム0.2g(Ptの等倍モル量)の粉末を直接加え、白金粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例7と同様にして、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、3.0nm、Pt担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表2に示す。
<実施例9>
5質量%硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)水溶液35.6gを加えて逆ミセル溶液Hを得、白金粒子とセリウム水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例7と同様にして、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、2.5nm、Pt担持濃度5%)とセリウム微粒子(CeO粒子の平均粒径は、20nm、Ce担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表2に示す。
<実施例10>
97質量%チタニウムテトライソプロポキシド(Ti(OC)溶液1.22gを加えて逆ミセル溶液Hを得、白金粒子とチタニウム水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例7と同様にして、貴金属微粒子(Pt粒子の平均粒径は、3.5nm、Pt担持濃度5%)とチタニウム微粒子(TiO粒子の平均粒径は、20nm、Ti担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表2に示す。
<実施例11>
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて、硝酸ロジウム水溶液(Rh濃度8質量%)液を添加し、ロジウム粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例7と同様にして、貴金属微粒子(Rh粒子の平均粒径は、2.0nm、Rh担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。結果を表2に示す。
<実施例12>
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて、ジニトロジアンミンパラジウム水溶液(Pd濃度8質量%)を添加し、パラジウム粒子とジルコニア水酸化物が担持したアルミニウム水酸化物を得た以外は、実施例7と同様にして、貴金属微粒子(Pd粒子の平均粒径は、5.5nm、Pd担持濃度5%)とジルコニア微粒子(ZrO粒子の平均粒径は、20nm、Zr担持濃度5%)を含有したアルミナ粒子(平均粒径300nm)の耐熱性触媒を得た。
Figure 2005111336
<評価>
触媒の耐熱性の評価を以下のように行った。
上記実施例1および比較例1で得られた触媒を、空気流通雰囲気下、700℃から1300℃に昇温しながら各温度で2時間、焼成した。この時の焼成温度の変化に対するBET比表面積の変化を図9に示す。これにより、焼成温度が高温となっても、比較例1より実施例1の触媒に方が大きい比表面積を維持していることがわかる。
次に上記実施例1〜12および比較例1で得られた触媒を1000℃、10時間、焼成した後、貴金属の平均粒子径をX線解析法(XRD)により測定し、得られた結果を表1および表2に示す。また、図10に、実施例1および比較例1の触媒のXRD回析パターンを示す。これにより、実施例1の触媒は、ピーク強度が小さくピーク幅も小さいことからPt粒子の粒子径(結晶子径)は小さいことが分かる。これに対し、比較例1の触媒は、ピーク強度が大きく、ピーク幅も狭いため、Pt粒子の粒子径(結晶子径)が大きいことが分かる。
従って、本発明の耐熱性触媒は、担体表面に貴金属と金属酸化物とを有することにより、シンタリングが効果的に抑制され、優れた耐熱性を示すことが分かる。
従来の方法により作製した、担体表面に貴金属が吸着担持された触媒の模式図を示す 従来の方法により作製した、貴金属が担体表面に埋没した触媒の模式図を示す。 本発明の耐熱性触媒の模式図である。 逆ミセル溶液を模式的に示した図である。 実施例1に対応する、貴金属イオンを内包する逆ミセル溶液と、金属(L)水酸化物を内包する逆ミセル溶液とから、貴金属および金属(L)水酸化物を内包する工程を示す図である。 貴金属イオンを内包する逆ミセル溶液と、金属(L)水酸化物を内包する逆ミセル溶液とから、貴金属および金属(L)水酸化物を内包する工程を示す図である。 貴金属イオンを内包する逆ミセル溶液と、金属(L)水酸化物を内包する逆ミセル溶液とから、貴金属および金属(L)水酸化物を内包する工程を示す図である。 貴金属イオンを内包する逆ミセル溶液と、金属(L)水酸化物を内包する逆ミセル溶液とから、貴金属および金属(L)水酸化物を内包する工程を示す図である。 実施例1および比較例1で得られた触媒の焼成温度の変化に対するBET比表面積を示す。 実施例1および比較例1で得られた触媒の触媒のXRD回析パターンを示す。
符号の説明
1 有機溶媒、
2 界面活性剤、
3 親水基、
4 疎水基、
5 貴金属イオン内包逆ミセル、
6 還元剤内包逆ミセル、
7 還元粒子、
8 貴金属コロイド内包逆ミセル、
9 金属(M)イオン内包逆ミセル、
10 沈殿剤内包逆ミセル、
11 金属(M)水酸化物内包逆ミセル、
12 貴金属コロイド・金属(M)水酸化物内包逆ミセル、
101 担体、
102 貴金属粒子、
103 金属(L)酸化物。

Claims (16)

  1. 逆ミセル法を用いて調製した貴金属コロイドと、逆ミセル法を用いて調製した金属(L)水酸化物と、金属(M)アルコキシドの加水分解物とを混合し、得られた混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物表面に貴金属と金属(L)酸化物とが担持してなる耐熱性触媒。
  2. ミセル内部に貴金属コロイド水溶液を含有する逆ミセル溶液と、ミセル内部に金属(L)水酸化物水溶液を含有する逆ミセル溶液と、金属(M)アルコキシドとを混合し、得られた混合物を焼成することにより、金属(M)酸化物表面に貴金属と金属(L)酸化物とが担持してなる耐熱性触媒。
  3. 前記混合物は、金属(M)アルコキシドの加水分解による金属(M)水酸化物と、前記貴金属コロイドと、前記金属(L)水酸化物とを含み、前記金属(M)水酸化物よりも前記金属(L)水酸化物の含水率が小さい請求項1または2に記載の耐熱性触媒の製造方法。
  4. 前記金属(L)酸化物の平均粒子径をR1とし、前記金属(M)酸化物の平均粒子径をR2とし、R2/R1=2〜100である、請求項1〜3のいずれかに記載の前記耐熱性触媒。
  5. 前記貴金属の平均粒子径をR3とし、R1/R3=1〜50である、請求項4記載の前記耐熱製触媒。
  6. 前記貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群より選ばれる1種以上の貴金属であり、平均粒子径が1〜10nmである、請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性触媒。
  7. 前記金属(L)は、ガリウム、セリウム、ジルコニウム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ゲルマニウム、クロム、銅、亜鉛及びタングステンから選ばれる1種以上の金属であり、前記金属(L)酸化物の平均粒子径は10〜50nmである、請求項1〜6のいずれかに記載の耐熱性触媒。
  8. 前記金属(M)は、アルニミウム、シリカ、ガリウム、チタン、セリウム、ジルコニウム、バナジウム、及び、タングステンから選ばれる1種以上の金属であり(但し、金属(L)と金属(M)は同一でない。)、前記金属(M)酸化物の平均粒子径は100〜1000nmである、請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱性触媒。
  9. ミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Aに、前記貴金属イオン水溶液の還元剤を添加した溶液と、ミセル内部に金属(L)イオンを含有する逆ミセル溶液Bに、金属(L)水酸化物を生成する沈殿剤を添加した溶液とを混合し、さらに前記混合液を金属(M)アルコキシド溶液または金属(M)アルコキシドの加水分解物を含有する逆ミセルCと混合し、金属(M)アルコキシドの加水分解物上に貴金属と金属(L)水酸化物とを担持させる工程を含む、耐熱性触媒の製造方法。
  10. ミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Aに、前記貴金属イオン水溶液の還元剤を添加し、次いで前記溶液にミセル内部に金属(L)イオンを含有する逆ミセル溶液Bを混合し、金属(L)水酸化物を生成する沈殿剤を添加し、さらに前記溶液を金属(M)アルコキシド溶液または金属(M)アルコキシドの加水分解物を含有する逆ミセルCと混合し、金属(M)アルコキシドの加水分解物上に貴金属と金属(L)水酸化物とを担持させる工程を含む、耐熱性触媒の製造方法。
  11. ミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Aと、ミセル内部に金属(L)イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Bとを混合し、前記混合液に貴金属イオンの還元剤を添加し、次いで前記金属(L)水酸化物を生成する沈殿剤を添加し、さらに前記溶液を金属(M)アルコキシド溶液または金属(M)アルコキシドの加水分解物を含有する逆ミセルCと混合し、金属(M)アルコキシドの加水分解物上に貴金属と金属(L)水酸化物とを担持させる工程を含む、耐熱性触媒の製造方法。
  12. ミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Aと、ミセル内部に金属(L)イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Bとを混合し、前記混合液に金属(L)水酸化物を生成する沈殿剤を添加し、次いで前記貴金属イオンの還元剤を添加し、さらに前記溶液を金属(M)アルコキシド溶液または金属(M)アルコキシドの加水分解物を含有する逆ミセルCと混合し、金属(M)アルコキシドの加水分解物上に貴金属と金属(L)水酸化物とを担持させる工程を含む、耐熱性触媒の製造方法。
  13. ミセル内部に金属(L)イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Bに、前記金属(L)水酸化物を生成する沈殿剤を添加し、次いで前記溶液にミセル内部に貴金属イオン水溶液を含有する逆ミセル溶液Aを混合し、前記貴金属イオンの還元剤を添加し、さらに前記溶液を金属(M)アルコキシド溶液または金属(M)アルコキシドの加水分解物を含有する逆ミセルCと混合し、金属(M)アルコキシドの加水分解物上に貴金属と金属(L)水酸化物とを担持させる工程を含む、耐熱性触媒の製造方法。
  14. 前記金属(M)水酸化物よりも前記金属(L)水酸化物の含水率が小さい請求項9〜13のいずれかに記載の耐熱性触媒の製造方法。
  15. 前記貴金属と前記金属(L)水酸化物とが担持された前記金属(M)アルコキシドの加水分解物を、前記溶液から分離し、洗浄し、乾燥し、次いで400〜800℃で焼成する工程を含む、請求項9〜14のいずれかに記載の耐熱性触媒の製造方法。
  16. 前記焼成は、さらに不活性ガス雰囲気下で行う請求項15に記載の耐熱性触媒の製造方法。
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