JP2005045167A - 異方性フェライト磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な角型性を有する高保磁力の異方性フェライト磁石とその製造方法を提供する。
【解決手段】 原子比率で A1−xFe2n−yCoα(ここでAはSr、Ba、Caのうち少なくとも1種以上でSrを必ず含み、RはLa、Nd、Prのうち少なくとも1種以上であってLaを必ず含む)で表わされる基本組成を有し、y、x、n、αについて、0.05≦y≦0.5、1.1≦x/y≦1.6、5≦n≦6、α=15〜20であるとともに、質量百分率で0.12%以上の2価鉄イオンを含有し、かつ磁気特性の角型比Hk/iHcが85%以上であることを特徴とするとする異方性フェライト磁石を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は広範囲な磁石応用品分野において極めて有用であり、従来に比して高い残留磁束密度(Br)と保磁力(iHc)および角型比(Hk/iHc)を具備した高性能の異方性フェライト磁石およびその製造方法に関する。
フェライト磁石は、例えばモーター、発電器等の回転機を含む種々の用途に使用されている。最近は自動車用回転機分野では小型・軽量化を目的とし、電気機器用回転機分野では高効率化を目的としてより高磁気特性を有するフェライト磁石が求められている。特に、自動車用回転機分野では小型・軽量化のためのフェライト磁石の薄型化が求められており、薄型化によって発生する高い反磁界による減磁に耐えうる保磁力の高いフェライト磁石が求められているのが現状である。
従来、SrフェライトあるいはBaフェライトの高性能焼結磁石は以下のように製造されていた。すなわち、酸化鉄とSrまたはBaの炭酸塩を混合後、仮焼処理によりフェライト化反応を終了させる。仮焼されたクリンカーを粗粉砕する。粗粉砕された仮焼粉を、焼結挙動の制御を目的としてSiO、SrCOおよびCaCO等の添加物とともに粉末の平均粒径値が0.5〜1.0μmになるまで微粉砕する。微粉砕されたスラリーを磁場中で配向させながら湿式成形して成形体とする。成形体を焼成した後、製品形状に加工し製品を得る。この場合、保磁力iHcを向上させるためにはAlあるいはCrを添加することが望ましい。AlあるいはCrを添加することにより保磁力が向上するのは、AlあるいはCrがフェライトに固溶してフェライトの飽和磁化を低下させるためと、焼結時の粒成長を抑制するためである。従って、AlあるいはCrを添加すれば、飽和磁化に比例する残留磁束密度Brは必然的に低下するという副作用があった。
このことを解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、AO・nFe(ここでAはSr、Baのうち1種以上)で表すことができる組成物に別種の金属酸化物を添加することにより、上記組成物のA元素の一部をLa等で置換し且つFe元素の一部をCo元素等で置換することが極めて有効であることを発見した(特許文献1)。マグネトプランバイト型フェライト磁石の磁性はFeイオンの磁気モーメントが担っており、この磁気モーメントがFeイオンサイトにより部分的に反平行方向に配列したフェリ磁性体の磁気構造を有している。この磁気構造において結晶磁気異方性定数を増加させるための方法は、Feイオンをより結晶格子との相互作用が強い別種の元素で置換することである。すなわち、軌道角運動量に由来する磁気モーメントが残存しているか、あるいはCo等の元素で置換することである。同時に、電荷補償を考慮してSrあるいはBaサイトを置換する元素としてLa、Nd又はPrを添加する。
本発明者等は以上を念頭におき、種々の金属酸化物を添加することにより、Feイオンを種々の元素で置換することを目的とした検討を詳細に行った結果、Coが磁石特性を顕著に改善する元素であることを見出した。しかしながら、単純に上記元素を加えただけでは十分な効果は得られない。なぜならば、Feイオンを別種の元素で置換しようとすると、イオン価数のバランスがくずれ、異相が発生してしまうためである。この現象を回避するために、SrあるいはBaサイトをCo等の元素で置換すればよく、その目的のためにはNd、Prも使用できるが、特にLaが有効であることを見いだした。
AlあるいはCrに替わる添加物としてLaとCoを含む化合物の複合添加法を見出し、フェライト磁石の高性能化を実現ことができ、今日に至っている。LaとCoを含む化合物の複合添加法の特徴は、Brの著しい低下を伴うことなく、高保磁力化を達成できる点にある。このことは前述のようにAlあるいはCr添加を場合は、飽和磁化を低下させることにより、高保磁力化するのに対し、LaとCoを含む化合物の複合添加の場合は、結晶磁気異方性定数そのものを向上させる効果を有するためであると考えられている。
次に、他の従来技術について説明する。
特許文献2には、LaCo置換を行うフェライト磁石として、M1-xFe12−y19の組成で、0.04<x<0.9、0.8<x/y<20という比率とすることが記載されている。2価鉄については、その第8頁右欄第19行〜第25行にて、「なお、x/yが1超の領域で許容範囲が大きい理由は、yが小さくてもFe3+→Fe2+の還元によって価数の平衡がとれるためである。」と記載している。しかしながら、保磁力向上に寄与する2価鉄の添加範囲については開示されていない。
特許文献3は、マグネトプランバイト型結晶構造を有する異方性フェライト焼結磁石粉末に係る技術である。特許文献3では、「iHcを高めるためにFe2+の含有量を0.005〜0.10重量%にするのが好ましく、0.01〜0.07重量%にするのがより好ましい。」と記載している。しかしながら、「Fe2+の含有量を0.005重量%未満にするのは工業生産上困難であり、Fe2+の含有量が0.10重量%超ではiHcのさらなる向上を望めない。」とも記載している。なお、特許文献3の構成は、焼結磁石ではなく、磁粉やボンド磁石に係る技術である。
特開平8−306072号公報(第3頁) 特開平11−154604号公報(第7〜8頁) 特開2002−164204号公報(第3〜4頁)
以上で説明したように、LaとCoを含む化合物を複合添加する特許文献1の技術により、Br値を維持しながらの高保磁力化が可能となった。しかしながら、iHcが概略358kA/m(4500Oe)の高保磁力領域になるにつれて、M−Hカーブの角型性が低下してくるという問題点があった。また、LaとCoを含む化合物の複合添加のみで得られる保磁力値には限界があり、通常の作製条件では概略366kA/m(4600Oe)が最大である。従って、それ以上の保磁力が必要とされる場合には、La−Co添加材にさらにAlあるいはCrを添加する必要があった。この場合、さらに角型性が低下してくるという問題点があった。角型性は異方性磁石においては実用上極めて重要な磁石特性であり、角型性の定量的指標である角型比が低ければ残留磁束密度Brが高くとも、高いエネルギー積値は得られない。
そこで、本発明の目的は、良好な角型性を有する高保磁力の異方性フェライト磁石を提供することである。
(1) 本発明の異方性フェライト磁石は、原子比率で A1−xFe2n−yCoα(ここでAはSr、Ba、Caのうち少なくとも1種以上でSrを必ず含み、RはLa、Nd、Prのうち少なくとも1種以上であってLaを必ず含む)で表わされる基本組成を有し、y、x、n、αについて、
0.05≦y≦0.5、
1.1≦x/y≦1.6、
5≦n≦6、
15≦α≦20
であるとともに、質量百分率で0.12%以上の2価鉄イオンを含有し、かつ磁気特性の角型比Hk/iHcが85%以上であることを特徴とする。
ここでiHcは保磁力である。HkはM−Hカーブの第2象限において95%Brに対応する磁場値である(Mは磁化の強さであり、Hは印加する磁界の強さに相当する)。モル比nについて、より望ましくは5.0≦n≦6.0とする。質量百分率(すなわち、mass%)とは、磁石の単位質量当たりに含有される元素の質量を百分率で表わすものである。
(2) 上記(1)において、前記基本組成物に対して質量百分率で0.1〜3.0%のCrあるいはAlを含有することを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)において、前記基本組成物に対して質量百分率で0.1〜1.0%のSiO含有することを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、380KA/m以上の保磁力iHcを有することを特徴とする。0.12%以上の2価鉄イオンを含有させることにより、高角型比であっても、380KA/m以上の保磁力iHcを得られる。
(5) 本発明の異方性フェライト磁石の製造方法は、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の異方性フェライト磁石の製造方法であって、混合、仮焼、粗粉砕、微粉砕、成形、焼成および加工の工程を備え、前記基本組成を仮焼段階で実質的に形成することを特徴とする。
本発明者等は、La−Co添加フェライト磁石の組成および製造条件と、その時得られる角型比を含む磁石特性および焼結体に含まれる2価鉄量(Fe2+量)との関連を詳細に検討したところ、La/Co比を1.1〜1.6に設定し、Fe2+量を0.12%以上とすべく、基本組成を為す材料を全て仮焼前に混合し、仮焼、粗粉砕、磁場中成形、焼成を行えば、高保磁力領域においても角型性が極めて良好な異方性フェライト磁石が得られることを見出し、本発明を為したものである。
異方性フェライト磁石におけるM−Hカーブの角型比を規定する方法にはいくつかあるが、本発明においては、M−Hカーブの第2象限において残留磁束密度Brの95%のBに対応する磁場値を−Hkとした場合、Hkと保磁力iHcとの比率Hk/iHcを角型性の定量的指標として採用し、角型比と呼ぶ。LaとCoを含有するフェライト磁石の基本組成を以下のように表現した場合、
1−xFe2n−yCoα
(ここでAはSr、Ba、Caのうち少なくとも1種以上でSrを必ず含む、RはLa、Nd、Prのうち少なくとも1種以上であってLaを必ず含む)の組成で、LaとCoの原子比率x/yを1.1以上且つ1.6以下とし、かつ製造条件を適切に設定して質量百分率で0.12%以上のFe2+量をフェライト磁石に含まれるよう制御すれば、iHcおよびBrの低下を伴うことなく、高保磁力領域における角型比を向上できる。Fe2+量を高くする際には、分散剤(アルカリ性)等の添加物を添加するか或いはR元素を水酸化物(例えば、水酸化La)として仮焼前に添加する。A中においてSrの占める割合は、好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上である。A中においてBa成分が増加すれば、Brは向上するがiHcが低下する。また、Ca成分が増加すればM−Hカーブの角型性が低下する。R中においてLaの占める割合は、好ましくは50原子%以上、より好ましくは70原子%以上、特に好ましくは95原子%以上である。高いBrを得るためにはRとしてLaだけを用いることが理想である。
ここで、良好な磁気特性を得るためには、n値は5以上且つ6以下でなければならない。n値が6を越える場合には、マグネトプランバイト相以外の異相(例えばα−Fe)が生成し、磁気特性が低下してしまう。またn値が5未満の場合には、非磁性成分の増加により十分に良好な残留磁束密度が得られない。また、y値は0.05以上、0.5以下とする。y値が0.05未満であれば、本発明に関わる有意の効果が認められず、0.5を越えれば逆に磁気特性が低下する。
本発明における磁石の基本組成において特に重要なのはCoに対するR元素の比率x/yである。A元素およびCoのイオン価数は2価であり、R元素およびFeのイオン価数は3価であるため、もし粒界相および2価のFeイオンの存在を無視すれば、電気的中性条件を満たすためにはx/y=1でなければならない。基本組成においてx/y値を1以上に設定し、後述するような製造条件を適切に選択すれば、適正量のFe2+イオンが生成し、保磁力を低下させることなく角型比を向上できる。x/yが1.1未満であれば本発明による効果が十分でなく、一方1.6を越えれば保磁力の低下が認められる。また、本発明に関わる効果を有効ならしめるためには、焼成体に対する質量百分率で0.12%以上のFe2+イオンが含有されていることが必要である。Fe2+イオン量が0.12%未満の場合は、本発明に関わる効果が顕著ではない。Fe2+イオンが0.12%以上あれば、保磁力を低下を招くことなく、角型比を向上できる。そのメカニズムに関しては必ずしも明確ではないが、Fe2+イオンが結晶磁気異方性を向上させる役割を果たしているものと推定される。
上記基本組成のみで得られる保磁力は概略366kA/m(4600Oe)が最大である。さらに高い保磁力値が必要な場合は、前記基本組成物に対して質量百分率で0.1〜3.0%のCrあるいはAlを添加すればよい。0.1%未満では効果が顕著でなく、3.0%を超えると、残留磁束密度の顕著な低下を招く。さらに前記基本組成物に対して質量百分率で0.1〜1.0%のSiOを添加することは高い保磁力値を実現する上で有効である。これはSiOが焼結時に粒成長抑制の効果を有することと密接に関連している。0.1%未満では効果が顕著ではなく、1.0%を超えると粒成長抑制効果が過大となり焼結密度が低下する。
以上のフェライト組成物は次に示すフェライト磁石の製造工程の仮焼段階で、実質的に形成しておくことが望ましい。
混合→仮焼→粉砕→成形→焼結
例えば、Srフェライト磁石の製造工程の場合、仮焼温度は概略1573K(1300℃)である。一方、焼結温度は概略1473K(1200℃)程度である。例えば、1461〜1499Kの温度範囲内で焼結する。このようにフェライト磁石の製造工程では、仮焼温度は焼結温度より高いのが通例である。必要とするFe2+イオンを生成させるためには、LaをCoに対して過剰にした状態で高温に保持することが有効である。仮焼時にLaとCoイオンが同数で、粉砕時に過剰分のLaを添加することにより、焼結時のみにLaをCoに対して過剰としても必要とされるFe2+量を得ることができない。混合時にLaおよびCoを添加せず、必要とされるLaおよびCoの全量を粉砕時に添加する場合も同様である。しかしながら、必ずしも必要とされるLaおよびCoの全量を混合時に添加する必要はない。一部をLaがCoに対して過剰な状態で混合時に添加し、残りを粉砕時に添加しても本発明の効果を実質的に損なうことはない。
本発明に係る異方性フェライト磁石は、高保磁力と良好な角型性を併せ持つため、自動車関連の電装部品用モータ、特にスタータ、パワーステアリング、電制スロットル等のモータ用に適している。
以上に記述の如く、本発明によれば、実質的にマグネトプランバイト構造を有したフェライト磁石でありながら残留磁束密度および/または保磁力を従来に比して大きく保持しながら、角型比を顕著に向上できるという特徴を有しており、コストパーフォーマンスに優れた新しいフェライト磁石として広範囲な磁石応用品分野の発展に多大に貢献し得るものである。
以下に本発明の詳細を実施例によりに説明する。ただし、それら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
A元素としてSr、R元素としてLaをそれぞれ選択し、SrCO、Fe、LaおよびCo元素の酸化物をSr1−xLaFe2n−yCoで表わされる比率において、n=5.80、y=0.20、x=0.20〜0.30になるよう配合した。それらは、表1及び2のS−7、およびS−13からS−19に示すように、配合比の異なる複数の原料として用意した。次いで、湿式にて混合した後、1573Kで1時間、大気中で仮焼した。仮焼粉をローラーミルで乾式粉砕を行い、粗粉砕粉とした。その後、アトライターにより湿式粉砕を行い、スラリーを得た。このとき焼結助剤として、SiO、CaCOおよびCrを粉砕粉に対する質量比でそれぞれ0.30%、0.80%(CaO換算で0.45%)、および0.80%として粉砕初期に添加した。ポリカルボン酸アンモニウムの分散剤を、粉砕粉に対する質量百分率で0.3%添加した。このスラリーを10kOeの磁場中で湿式成形を行い、成形体とした。この成形体を1461〜1499Kの温度範囲のいずれかで2時間焼結し、焼結体とした。即ち、表1及び2に示すように、1つの配合比の原料について複数の成形体を作製しておいて、異なる温度で焼結して複数の焼結体の試料を得た。
次に、これらの焼結体を約10x10x20mmの形状に加工し、B−Hトレーサーにより室温の磁石特性を評価した。磁石特性の評価結果および二クロム酸カリウム容量法により焼結体中のFe2+量を評価した結果を併せて表1,2に示す。二クロム酸カリウムはKCrで表わされる。表1,2より、焼結体中のFe2+量はx/y比の増加とともに増加し、x/y=1.1以上の組成範囲では質量百分率で0.12%以上のFe2+を含むことがわかった。角型比を含む磁石特性のx/y依存性をより明瞭にするため、表1,2中の結果を図1および図2に図示する。なお、図2においては、Br、iHcおよびHk/iHcに焼結温度依存性があるため、1461〜1499Kの温度範囲で焼結した試料の特性の平均値を縦軸として採用している。
容量法(すなわち容量分析)は、或る物質の量を容量(体積等)の測定によって求める分析方法の総称である。二クロム酸カリウム容量法は滴定溶液に二クロム酸カリウム溶液を用いた酸化還元滴定法によってフェライトの焼結体の単位質量当たりのFe2+のイオンの数を求める測定方法である。同イオンと鉄元素の質量はほぼ同じにつき、求めたイオンの数と同等の数のFe元素の質量を“Fe2+量”として定義する。
Figure 2005045167
Figure 2005045167
図1および図2より、x/y比の増加とともに、iHcの顕著な減少を招くことなく角型比Hk/iHcが向上することがわかる。しかしながらx/yが1.6を超えると角型比が低下し始めるとともに、iHcの低下が認められた。
(実施例2)
A元素としてSr、R元素としてLaをそれぞれ選択した。本実施例ではLaとCoが原子数で同数の条件で仮焼し、ついで焼結時にはLaが過剰、即ちx/y≧1.0の組成になるよう微粉砕初期にLaをさらに添加した。即ち、混合時には、Sr1−x’Lay’Fe2n’−y’Coy’の比率とし、微粉砕時にLaを追加で添加することにより、Sr1−xLaFe2n−yCoの比率とし、ここでn=5.80、y=0.20、x=0.20〜0.30で示される組成になるよう、混合組成および微粉砕時のLa添加量を調節した。それらは、表3及び4のS−7からS−12に示すように、配合比の異なる複数の原料として用意した。
次いで、湿式にて混合した後、1573Kで1時間、大気中で仮焼した。仮焼粉をローラーミルで乾式粉砕を行い、粗粉砕粉とした。その後、アトライターにより湿式粉砕を行い、スラリーを得た。このとき、焼結助剤として、SiO、CaCOおよびCrを粉砕粉に対する質量比でそれぞれ0.30%、0.80%(CaO換算で0.45%)、および0.80%として粉砕初期に添加した。このスラリーを10kOeの磁場中で湿式成形を行い、成形体とした。この成形体を1461〜1499Kの温度範囲のいずれかで2時間焼結し、焼結体とした。即ち、表3及び4に示すように、1つの配合比の原料について複数の成形体を作製しておいて、異なる温度で焼結して複数の焼結体の試料を得た。
次に、これらの焼結体を約10x10x20mmの形状に加工し、B−Hトレーサーにより室温の磁石特性を評価した結果および二クロム酸カリウム容量法により焼結体中のFe2+量を評価した結果を併せて表3,4に示す。表3,4より、焼結体中のFe2+量はx/y比の増加しても大きく変化せず、質量百分率で0.12%未満であった。角型比を含む磁石特性のx/y依存性をより明瞭にするため、表3,4中の結果を図3および図4に図示する。なお図4においては、Br、iHcおよびHk/iHcに焼結温度依存性があるため、1461〜1499Kの温度範囲で焼結した試料の特性の平均値を縦軸として採用している。
Figure 2005045167
Figure 2005045167
図3および図4より、x/y比の増加とともに、角型比Hk/iHcが向上するものの、iHcが顕著に減少することが認められた。実施例1と実施例2に記載した結果を比較することにより、仮焼時にLa量をCo量に対して過剰な状態とすれば、Fe2+を有効に生成させることが可能となり、その結果として保磁力の低下を招くことなく角型比を顕著の改善できることがわかる。
本発明は、従来に比して高い残留磁束密度(Br)と保磁力(iHc)および角型比(Hk/iHc)を具備した高性能の異方性フェライト磁石およびその製造方法に利用することができる。
本発明磁石の磁石特性の一例を示す図である。 本発明磁石の磁石特性の一例を示す図である。 本発明磁石の磁石特性の一例を示す図である。 本発明磁石の磁石特性の一例を示す図である。

Claims (4)

  1. 原子比率で、A1−xFe2n−yCoα(ここで、AはSr、Ba、Caのうち少なくとも1種以上でSrを必ず含み、RはLa、Nd、Prのうち少なくとも1種以上であってLaを必ず含む)で表わされる基本組成を有し、y、x、n、αについて、
    0.05≦y≦0.5、
    1.1≦x/y≦1.6、
    5≦n≦6、
    14≦α≦20であるとともに、質量百分率で0.12%以上の2価鉄イオンを含有し、かつ磁気特性の角型比Hk/iHcが85%以上であることを特徴とする異方性フェライト磁石。
  2. 前記基本組成に対して質量百分率で0.1〜3.0%のCrあるいはAlを含有する請求項1に記載の異方性フェライト磁石。
  3. 前記基本組成に対して質量百分率で0.1〜1.0%のSiOを含有する請求項1又は請求項2に記載の異方性フェライト磁石。
  4. 380kA/m以上の保磁力iHcを有することを特徴とする、請求項1、2および3のいずれかに記載の異方性フェライト磁石。

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