JP4919636B2 - 酸化物磁性材料および焼結磁石 - Google Patents

酸化物磁性材料および焼結磁石 Download PDF

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Description

本発明は、M型マグネトプランバイト構造を有するフェライトを主相として含有する酸化物磁性材料および焼結磁石、ならびにそれらの製造方法に関する。
フェライトは二価の陽イオン金属の酸化物と三価の鉄とが作る化合物の総称であり、フェライト磁石は各種回転機やスピーカーなどの種々の用途に使用されている。フェライト磁石の材料としては、六方晶のマグネトプランバイト構造を持つSrフェライト(SrFe1219)やBaフェライト(BaFe1219)が広く用いられている。これらのフェライトは、酸化鉄とストロンチウム(Sr)またはバリウム(Ba)等の炭酸塩を原料とし、粉末冶金法によって比較的安価に製造される。
近年、上記のSrフェライトにおけるSrの一部をLaなどの希土類元素で置換し、Feの一部をCoで置換することにより、保磁力HcJや残留磁束密度Brを向上させることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
また、Srフェライトの場合と同様に、Caフェライトにおいても、Caの一部をLaなどの希土類元素で置換し、Feの一部をCoなどで置換することが提案されている(特許文献3)。
特開平10−149910号公報 特開平11−154604号公報 特開2000−223307号公報
Caフェライトについては、CaO−Fe23またはCaO−2Fe23という構造が安定であり、Laを添加することによって六方晶フェライトを形成することが知られている。しかし、得られる磁気特性は、従来のBaフェライトの磁気特性と同程度であり、充分に高くはなかった。そこで、特許文献3は、残留磁束密度Br、保磁力HcJの向上、及び保磁力HcJの温度特性の改善を図るためにLaとCoとを同時に含有させたCaフェライト(以下「CaLaCoフェライト」という)を開示している。
特許文献3が開示しているCaLaCoフェライトでは、Caの一部をLaなどの希土類元素で置換し、Feの一部をCoなどで置換しており、その異方性磁界HAについては、Srフェライトの異方性磁界HAに比べて最高で10%以上高い20kOe以上の値が得られると報告されている。
特許文献3が開示しているCaLaCoフェライトは、その実施例によれば、Ca1-x1Lax1(Fe12-x1Cox1z19でx=y=0〜1、z=1とした場合、x=y=0.4〜0.6で高特性が得られ、その値は、大気中焼成でBr=4.0kG(0.40T)、HcJ=3.7kOe(294kA/m)、酸素中焼成(酸素100%)でBr=4.0kG(0.40T)、HcJ=4.2kOe(334kA/m)である。
また、上記組成式において、zの値を0.85にずらした組成となした場合(x=0.5、y=0.43、x/y=1.16)、大気中焼成でBr=4.4kG(0.44T)、HcJ=3.9kOe(310kA/m)、酸素中焼成(酸素100%)でBr=4.49kG(0.449T)、HcJ=4.54kOe(361kA/m)の特性が得られている。後者の特性は特許文献3における最高特性である。
特許文献1及び特許文献2による、Srの一部をLaなどの希土類元素で置換し、Feの一部をCoなどで置換したSrフェライト(以下「SrLaCoフェライト」という)は、磁気特性に優れることから、従来のSrフェライトやBaフェライトに代わり、各種用途に多用されつつある。
フェライト磁石が最も利用される用途はモータである。フェライト磁石の磁気特性が向上すれば、モータの出力向上あるいはモータの小型化を図ることができるため、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、最大エネルギー積(BH)maxの向上は大変有効であるが、それらの特性とともに、角型比(Hk/HcJ)も高くなければならない。角型比が低いと、限界減磁界強度が小さくなるので、減磁し易くなるという問題を引き起こす。特に、モータにおいては、フェライト磁石を磁気回路に組み込んだ場合の減磁のし易さが問題視され、特に、保磁力HcJ(又は保磁力HcJと残留磁束密度Br)と角型比の両方が高いレベルにある高性能フェライト磁石が要望されている。なお、角型比を求めるために測定するパラメータであるHkは、4πI(磁化の強さ)−H(磁界の強さ)曲線の第2象限において、4πIが0.95Brの値になる位置のH軸の読み値である。このHkを減磁曲線のHcJで除した値(Hk/HcJ)が角型比として定義される。
上記特許文献3によるCaLaCoフェライトは、SrLaCoフェライトに匹敵する優れた磁気特性を示し、今後その応用が期待される材料であるが、角型比(Hk/HcJ)が非常に低いという問題がある。上記の如く、特許文献3によれば、該実施例2の表2において、Br=4.49kG(0.449T)、HcJ=4.54kOe(361kA/m)という特性が得られているが、角型比は80.6%しか得られていない。
特許文献3の図14(実施例10)には、Ca1-x1Lax1Fe12-x1Cox1でx1=0〜1とした場合の角型比が記載されているが、特許文献3にて好ましい範囲とされているx=y=0.4〜0.6における角型比は80%程度である。x1が0.8の場合は角型比が85%を超えるが、保磁力HcJが急激に低下している。
また、特許文献3の図15(実施例11)には、Sr0.4-x2Cax2La0.6Fe11.4Co0.6でx2=0、0.2、0.4とした場合の角型比が記載されており、x2=0、0.2(Srが多い領域)では角型比は90%を超えているが、x2=0.4(全量Ca)では角型比は80%以下となっている。この時、保磁力HcJは角型比とは逆の挙動を示し、x2=0.4(全量Ca)で最も高い値が得られている。
このように、特許文献3によるCaLaCoフェライトは、異方性磁界HAではSrLaCoフェライトを上回る特性を有し、Br、HcJもSrLaCoフェライトに匹敵する特性を有するが、角型比が非常に悪く、高い保磁力と高い角型比の両方を満足することができず、モータなどの各種用途に応用されるまでには至っていない。
本発明は、従来のCaLaCoフェライトにおける問題を解消し、BrおよびHcJを向上させ、なおかつ高い角型比を示す酸化物磁性材料および焼結磁石を提供することを目的とする。
上記目的は、下記のいずれかの構成により達成される。
(1) 式(1−x)CaO・(x/2)R23・(n−y/2)Fe23・yMOで表わされ、
Rは、La、Nd、Prから選択される少なくとも一種の元素であってLaを必ず含み、
Mは、Co、Zn、Ni、Mnから選択される少なくとも一種の元素であってCoを必ず含み、
モル比を表わすx、y、nがそれぞれ、
0.4≦x≦0.6、
0.2≦y≦0.35、
4≦n≦6
であり、かつ1.4≦x/y≦2.5の関係式を満足する組成を有する、
六方晶のM型マグネトプランバイト構造を有するフェライトを主相とする酸化物磁性材料。
(2) 4.8≦n≦5.8である上記(1)に記載の酸化物磁性材料。
(3) 上記(1)または(2)の酸化物磁性材料を含有する焼結磁石。
(4) 保磁力HcJが370kA/m以上である上記(3)に記載の焼結磁石。
(5) 残留磁束密度Brが0.45T以上である上記(3)に記載の焼結磁石。
(6) 角型比Hk/HcJが85%以上である上記(3)に記載の焼結磁石。
(7) 角型比Hk/HcJが90%以上である上記(6)に記載の焼結磁石。
(8) 上記(1)または(2)の酸化物磁性材料の製造方法であって、仮焼前及び/又は仮焼後にH3BO3を0.2質量%以下添加する酸化物磁性材料の製造方法。
(9) 上記(3)の焼結磁石の製造方法であって、微粉砕前にSiO2を1.0質量%以下、CaCO3をCaO換算で1.5質量%以下添加する焼結磁石の製造方法。
(10) 上記(1)または(2)の酸化物磁性材料の製造方法であって、仮焼雰囲気を酸素濃度5%以上とする酸化物磁性材料の製造方法。
(11) 上記(3)の焼結磁石の製造方法であって、焼結雰囲気を酸素濃度10%以上とする焼結磁石の製造方法。
(12) Ca、La、Fe、Coを主成分とする、六方晶のM型マグネトプランバイト構造を有するフェライトを主相とする酸化物磁性材料であって、Coを多量に含む異相を実質的に含まない酸化物磁性材料。
この発明によれば、高Br、高HcJを有し、かつ高い角型比を有する酸化物磁性材料を提供することができる。
本発明による酸化物磁性材料から焼結磁石を作製した場合に得られる保磁力HcJは、好ましい構成において370kA/m以上の値を達成し、残留磁束密度Brは、好ましい構成では0.45T以上の値を達成できる。
酸化物磁性材料を用いて焼結磁石とした際の角型比は、好ましい構成では85%以上、さらに好ましい構成では90%以上が達成できる。
この発明によれば、特許文献1及び特許文献2によるSrLaCoフェライトを超えるBr、HcJを達成することができる。
この発明によれば、特許文献3によるCaLaCoフェライトを酸素中焼成(酸素100%)した際のBr、HcJ(特許文献3における最高特性)と同等以上の特性が、酸素中焼成よりも簡単で安定生産が可能な大気中焼成でも得られる。
この発明による焼結磁石は、高Br、高HcJを有し、かつ高い角型比を有するので、モータなどの用途に最適である。
本発明による酸化物磁性材料は、以下の式で表わされる。
式(1−x)CaO・(x/2)R23・(n−y/2)Fe23・yMO
発明者らは、CaLaCoフェライトが、SrLaCoフェライトを上回る異方性磁界HAを有することに着目し、CaLaCoフェライトの高性能化について鋭意研究した。その結果、上記の式で表されるCaLaCoフェライトにおいて、モル比x(R)量、モル比y(M)量、およびnの値に最適な領域があることを見出すとともに、xおよびyが特定の比率となるようにRおよびMを含有させることにより、高Br、高HcJを有し、かつ高い角型比を有する酸化物磁性材料が得られることを見出した。なお、RおよびMについては後述する。
特許文献3にはCaLaCoフェライトが記載されているが、x及びyの好ましい範囲は、その実施例の記載などからして0.4〜0.6である。また、xとyの比率については、基本的にx=y(x/y=1)であり、実施例にはx/y=1.05及び1.16の例が示されるのみである。なお、特許文献3では、組成式におけるFeとCoの量をzで表現しているため、n値についての記載はない。
先述の通り、特許文献3のCaLaCoフェライトは、高Br、高HcJを有するものの角型比(Hk/HcJ)が非常に低い。これは、CaLaCoフェライトの場合、x=y=0.4〜0.6とすると、結晶組織中にCoを多量に含む異相が生成され、その異相が角型比低下の原因となっているものと考えられる。
本発明者らは、該異相を生成させないような組成を検討の結果、xは0.4〜0.6とし、yはxよりも少ない0.2〜0.35として、xとyとの比をx/y=1.4〜2.5とすると、高Br、高HcJを有する材料が得られ、本発明の好ましい態様では、特許文献3に記載されている最高特性を上回るHcJ370kA/m以上、Br0.45T以上の特性が実現する。本発明によれば、4≦n≦6の広い範囲で角型比85%以上が得られ、4.8≦n≦5.8の範囲で角型比90%以上が得られ、5.0≦n≦5.4の範囲では、前記の高Br、高HcJを有し、かつ角型比90%以上の材料が得られることを見出した。
本発明は、CaLaCoフェライトの改良に関するものであり、Caは必須元素である。基本的には、SrやBaの代わりとしてCaのみを用いるが、磁気特性が劣化しない程度でCaの一部をSrおよび/またはBaで置換してもよい。
Rは、La、Nd、Prから選択される少なくとも一種の元素であって、Laを必ず含むものとする。上記元素以外でも、Sr2+とイオン半径の近い元素、例えば、Ce、Sm、Eu、Gdの含有は許容できる。
Mは、Co、Zn、Ni、Mnから選択される少なくとも一種の元素であって、Coを必ず含むものとする。上記以外の元素であっても、不可避的不純物として混入するものは許容することができる。
本発明においては、上記のようにCoをZn、Ni、Mnで置換することができ、Zn、Ni、およびMnのいずれと置換しても、特許文献1及び特許文献2に開示されているSrLaCoフェライトを超えるBr、HcJを達成することができる。特に、CoをNiで置換することにより、磁気特性を低下させずに製造コストを低減することができる。また、CoをZnで置換すると、HcJは若干低下するが、Brを向上させることができる。Zn、Ni、Mnの置換量は、モル比でCoの50%以下である。
xは、Rの含有量を示し、0.4≦x≦0.6が好ましい。xが0.4未満及び0.6を超えるとBr及び角型比が低下するためである。
yは、Mの含有量を示し、0.2≦y≦0.35が好ましい。先述の通り、CaLaCoフェライトにおいては、yの好ましい範囲は0.4〜0.6と考えられていたが、結晶組織中にCoを多量に含む異相が生成されることになる。本発明においては、yの範囲を0.2≦y≦0.35とし、後述するxとyを特定比率とすることが特徴である。yが0.2未満ではBr及びHcJが低下し、0.35を超えるとCoを多量に含む異相が生成され、HcJが低下するため好ましくない。
CaO、R23とFe23、MOの比を規定するn値は、4≦n≦6が好ましく、この範囲内において、角型比(Hk/HcJ)85%以上が得られる。さらに、好ましくは4.8≦n≦5.8であり角型比90%以上が得られる。n値をこの範囲とし、x及びyを上記の好ましい範囲とした時に、Br=0.45T以上、HcJ=370kA/m(4.65kOe)以上の特性が得られる。また、最も好ましい範囲では、上記特性が得られるとともに角型比95%以上が得られる。なお、角型比は、仮焼後の仮焼体では測定が困難であるため、焼結磁石とした際の値である。
次に、本発明の酸化物磁性材料の製造方法を説明する。
まず、CaCO3、Fe23、La23、Co34等の原料粉末を準備する。準備した粉末を上述した組成式に基づき、x、y、nがそれぞれ好ましい範囲になるように配合する。なお、原料粉末は、酸化物や炭酸塩以外に、水酸化物、硝酸塩、塩化物などでもよく、溶液状態であってもよい。また、焼結磁石を製造する場合は、CaCO3、Fe23及びLa23以外の原料粉末は、原料混合時から添加しておいてもよいし、後述する仮焼後に添加してもよい。例えば、CaCO3、Fe23、La23を配合、混合、仮焼した後、Co34等を添加し、粉砕した後、成形、焼結することもできる。また、仮焼時の反応性促進のため、必要に応じて、B23、H3BO3などを含む化合物を1質量%程度添加しても良い。
特にH3BO3の添加は、HcJ及びBrの向上に有効である。H3BO3の添加量は、0.2質量%以下であることが好ましい。添加量の最も好ましい値は、0.1質量%近傍であり、n値、x及びyが前述した好ましい範囲にある場合、Br=0.45T以上、HcJ=370kA/m以上の特性が得られる。H3BO3の添加量を0.1質量%よりも少なくすると、Brの向上が顕著となるが、0.1質量%よりも多くすると、HcJの向上が顕著になる。添加量が0.2質量%を超えると、Brが低下するため、好ましくない。従って、Brを重視する用途には、0.05質量%〜0.15質量%のH3BO3添加が好ましく、HcJを重視する用途へ用いる場合は、0.10質量%〜0.20質量%のH3BO3添加が好ましい。なお、H3BO3は焼結時の結晶粒の制御などの効果も有するため、仮焼後(微粉砕前や焼結前)に添加することも効果的であり、仮焼前、仮焼後の両方で添加することもできる。
原料粉末の配合は、湿式、乾式いずれでもよい。スチールボールなどの媒体とともに原料粉末を撹拌するとより均一に混合することができる。湿式の場合は、溶媒に水を用いる。原料粉末を分散させる目的でポリカルボン酸アンモニウムやグルコン酸カルシウムなどの公知の分散剤を用いてもよい。混合した原料スラリーは脱水して混合原料粉末となる。
混合原料粉末は、電気炉、ガス炉等を用いて加熱し、固相反応によってマグネトプランバイト型フェライト化合物を形成する。このプロセスを「仮焼」と呼び、得られた化合物を「仮焼体」と呼ぶ。
仮焼工程は、酸素濃度が5%以上の雰囲気中で行うことが好ましい。酸素濃度が5%未満であると、固相反応が進行し難いためである。より好ましい酸素濃度は20%以上である。
仮焼工程では、温度の上昇と共に固相反応によりフェライト相が形成され、約1100℃で完了するが、この温度以下では、未反応のヘマタイト(酸化鉄)が残存しており磁石特性が低い。1100℃を超えると本発明の効果が発生する。一方、仮焼温度が1450℃を超えると結晶粒が成長し過ぎ、粉砕工程において粉砕に多大な時間を要することになる等の不都合を生じる恐れがある。従って、仮焼温度は、1100℃〜1450℃が好ましい。より好ましくは1200℃〜1350℃である。また、仮焼時間は、0.5〜5時間であることが好ましい。
仮焼前にH3BO3を添加した場合は、上記反応が促進されるため、1100℃〜1300℃で仮焼を行うことができる。
上記仮焼工程によって得られた仮焼体は、以下の化学式で表わされる六方晶のM型マグネトプランバイト型フェライトの主相を有しており、本発明の酸化物磁性材料となる。
式(1−x)CaO・(x/2)R23・(n−y/2)Fe23・yMO
0.4≦x≦0.6、0.2≦y≦0.35、4≦n≦6。
このような仮焼体を粉砕及び/又は解砕することによって、磁性粉末を得ることができ、これをボンド磁石や磁気記録媒体に適用することができる。なお、上記の仮焼体の製造は、噴霧熱分解法や共沈殿法など公知の製造技術を採用することもできる。
磁性粉末をボンド磁石に適用する場合は、磁性粉末をフレキシビリティのあるゴムや硬質軽量のプラスチックなどを混合した後、成形加工を行う。成形加工は、射出成形、押し出し成形、ロール成形などの方法によって実行すればよい。また、磁性粉末をボンド磁石に適用する場合、磁性粉末の結晶歪を緩和するために、700℃〜1100℃の温度範囲で、0.1〜3時間程度熱処理することが好ましい。より好ましい温度範囲は900℃〜1000℃である。
また、磁性粉末を磁気記録媒体に適用する場合は、磁性粉末に上記熱処理を施した後、公知の各種バインターと混練して基板に塗布することによって、塗布型の磁気記録媒体を作成することができる。また、本発明の酸化物磁性材料及びそれを用いた焼結磁石をターゲットとして用い、スパッタ法などにより、磁気記録媒体に用いられる薄膜磁性層を形成することもできる。
次に、上記酸化物磁性材料を用いた焼結磁石の製造方法を説明する。
上記仮焼体を、振動ミル、ボールミル及び/又はアトライターによって微粉砕し、微粒子となす。微粒子の平均粒径は0.4〜0.8μm程度(空気透過法)にすることが好ましい。微粉砕工程は、乾式粉砕と湿式粉砕のいずれもよいが、双方を組み合わせて行うことが好ましい。
湿式粉砕に際しては、水などの水系溶媒や種々の非水系溶媒(例えば、アセトン、エタノール、キシレンなどの有機溶剤)を用いることができる。湿式粉砕により、溶媒と仮焼体とが混合されたスラリーが生成される。スラリーには公知の各種分散剤及び界面活性剤を固形分比率で0.2質量%〜2.0質量%以下を添加することが好ましい。湿式粉砕後は、スラリーを濃縮、混練することが好ましい。
上記微粉砕工程において、磁気特性向上のため、仮焼体に対して、CaCO3、SiO2、Cr23、Al23などの添加物を添加することもできる。これら添加物を添加する場合は、CaCO3をCaO換算で0.3〜1.5質量%、SiO20.2〜1.0質量%、Cr235.0質量%以下、Al235.0質量%以下が好ましい。
特にCaCO3、SiO2の添加は好ましく、前記のH3BO3添加と併用することにより、高Br、高HcJを得ることができる。なお、SiO2は、仮焼時の結晶粒の制御などの効果も有するため、仮焼前に添加することも効果的であり、仮焼前、微粉砕前の両方で添加することもできる。
次に、スラリー中の溶媒を除去しながら、磁界中または無磁界中でプレス成形する。磁界中でプレス成形することにより、粉末粒子の結晶方位を整列(配向)させることができる。磁界中プレス成形によって、磁気特性を飛躍的に向上させることができる。さらに、配向を向上させるために、分散剤、潤滑剤を0.01〜1.0質量%加えることもできる。
プレス成形により得られた成形体は、必要に応じて脱脂工程を施した後、焼結工程を行う。焼結工程は、電気炉、ガス炉等を用いて行う。
焼結工程は、酸素濃度が10%以上の雰囲気中で行うことが好ましい。酸素濃度が10%未満であると、異常粒成長や異相の生成を招き、磁気特性が劣化するので好ましくない。より好ましい酸素濃度は20%以上であり、最も好ましくは酸素濃度100%である。
本発明の酸化物磁性材料は、のちに説明する実施例の通り、大気中焼成でも、特許文献3によるCaLaCoフェライトを酸素中焼成(酸素100%)したものと同等以上の磁気特性を示す。従って、特許文献3に開示されている酸素中焼成と同様の酸素中焼成を行なうことにより、さらに優れた磁気特性を得ることができる。
焼結温度は、1150℃〜1250℃が好ましい。また、焼結時間は、0.5〜2時間が好ましい。焼結工程によって得られる焼結磁石の平均結晶粒径は、約0.5〜2μmである。
焼結工程の後は、加工工程、洗浄工程、検査工程などの公知の製造プロセスを経て、最終的にフェライト焼結磁石の製品が完成される。
[実施例1]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOにおいて、x=0.5、1≦x/y、0≦y≦0.5、n=5.4になるように、CaCO3粉末、La23粉末、Fe23粉末(粒径0.6μm)、及びCo34を準備し、各粉末を配合した。得られた原料粉末を湿式ボールミルで4時間混合し、乾燥して整粒した。次いで、大気中において、1300℃で3時間仮焼し、粉末状の仮焼体を得た。
次に、上記仮焼体に対して、CaCO3粉末をCaO換算で0.6質量%、SiO2粉末を0.45質量%添加し、水を溶媒とした湿式ボールミルで、空気透過法による平均粒度が0.55μmになるまで微粉砕した。得られた微粉砕スラリー中の溶媒を除去しながら、磁界中でプレス成形した。プレス成形は、プレスの加圧方向と磁界方向が平行になるように行い、磁界強度は13kOeであった。得られた成形体を大気中、1150℃で1時間焼結し、焼結磁石を得た。
得られた焼結磁石の磁気特性を測定した。xとy(LaとCo)の相対比x/yを横軸にとった、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、角型比Hk/HcJの測定結果を図1に示す。また、yの添加量を横軸にとったBr、HcJ、Hk/HcJの測定結果を図2に示す。
図1から明らかなように、x/yが小さすぎると異相の存在によりHcJ、Hk/HcJが低下し、x/yがおよそ1.25以下でHcJが340kA/m(4.27kOe)を下回り、1.4以下でHk/HcJが85%を下回った。x/yが大きすぎるとBr、HcJが低下し、x/yがおよそ2.5以上でBrが0.44T、HcJが340kA/m(4.27kOe)を下回った。従来、La、Coの電荷補正の関係より、x/yが1付近で最もよいとされてきたが、本発明によるCaLaCoフェライトでは、1.4≦x/y≦2.5付近で高磁気特性が得られているのがわかる。
また、図2から明らかなように、Coの置換量が少なすぎると、Br、HcJが低下し、yがおよそ0.2以下でBrが0.44T、HcJが340kA/m(4.27kOe)を下回った。yの量が多すぎると異相の存在によりHcJ、Hk/HcJが低下し、yがおよそ0.4以上でHcJが340kA/m(4.27kOe)を下回り、およそ0.35以上でHk/HcJが85%を下回った。本発明によれば、0.20≦y≦0.35付近で高磁気特性が得られているのが分かる。
[実施例2]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOにおいて、x=0.5、y=0.3、x/y=1.67、3.6≦n≦6.0とする以外は、実施例1と同様にして焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の磁気特性を測定した。nの値を横軸にとった、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、角型比Hk/HcJの測定結果を図3に示す。
図3から明らかなように、4.0≦n≦6.0の範囲で85%以上の高い角型比を示し、4.8≦n≦5.8の範囲で90%以上の高い角型比を示し、さらに、5.0≦n≦5.4の範囲では、Brが0.44T、HcJが340kA/m(4.27kOe)以上の高い磁気特性が得られ、n=5.2でHcJ370kA/m以上、Br0.45以上の特性が得られる。
[実施例3]
実施例2において、n=5.2の組成で、焼結温度を1150℃〜1190℃に変化させた場合の磁気特性を表1に示す。
表1から明らかなように、焼結温度が低温側で370kA/m(4.65kOe)の高いHcJ、95%以上のHk/HcJが得られ、高温側で0.46T以上の高いBr、90%以上のHk/HcJが得られた。
[実施例4]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOにおいて、0≦x≦1、y=0.3、n=5.2とする以外は、実施例1と同様にして焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の磁気特性を測定した。xの添加量を横軸にとった、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、角型比Hk/HcJの測定結果を図4に示す。
図4から明らかなように、xの量が少なすぎても多すぎてもBr、Hk/HcJが極端に劣化している。0.4≦x≦0.6付近で95%の高いHk/HcJと高いBr、HcJが得られていることが分かる。
[実施例5]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOにおいて、x=0.5、y=0.3、0.2、x/y=1.67、2.5、n=5.2とする以外は、実施例1と同様にして焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石に対してEPMAによる成分分析を行った。分析結果を図5(x/y=1.67の場合)及び図6(x/y=2.5の場合)に示す。なお、EPMAによる分析は、EPMA装置(SHIMADZU製EPMA1610)を用いて、加速電圧15kV、試料電流0.1μA、照射範囲φ100μm(電子ビーム径)の条件で行った。
図5及び図6から明らかなように、本発明による焼結磁石では、Coを多量に含む異相は見られない。従って、上述した実施例1〜4に示す如くの高い磁気特性が得られる。
[比較例1]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOにおいて、x=0.5、y=0.5、x/y=1、n=5.4とする以外は、実施例1と同様にして焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石に対してEPMAによる成分分析を行った。分析結果を図7に示す。EPMAの条件は実施例5と同様である。
図7から明らかなように、比較例による焼結磁石には、Coを多量に含む異相(図7の下段右端の写真における氏名斑点部分)が多数見られる。該焼結磁石の磁気特性を測定したところ、Br=0.441T、HcJ=325.5kA/m(4.09kOe)、Hk/HcJ=63%であり、特に、Hk/HcJが劣化している。これは、Coを多量に含む異相が存在するためであると考えられる。
[実施例6]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCaOにおいて、x=0.5、y=0.3、x/y=1.67、n=5.2になるように、CaCo3粉末、La23粉末、Fe23粉末(粒径0.6μm)、及びCo34粉末を準備し、各粉末を配合し、さらに配合粉末に対してH3BO3粉末を0〜0.2質量%添加した。得られた原料粉末を湿式ボールミルで4時間混合し、乾燥して整粒した。次いで、大気中において、1150℃で3時間仮焼し、粉末状の仮焼体を得た。
次に、上記仮焼体に対して、CaCO3粉末をCaO換算で0.6質量%、SiO2粉末を0.45質量%添加し、水を溶媒とした湿式ボールミルで、空気透過法による平均粒度が0.55μmになるまで微粉砕した。得られた微粉砕スラリー中の溶媒を除去しながら、磁界中プレス成形した。プレス成形は、プレスの加圧方向と磁界方向が平行になるように行い、磁界強度は13kOeであった。得られた成形体を大気中、1200℃で1時間焼結し、焼結磁石を得た。
得られた焼結磁石の磁気特性を測定した。H3BO3添加量を横軸にとった、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、角型比Hk/HcJの測定結果を図8に示す。
図8から明らかなように、H3BO3が0.1質量%の場合、BrとHcJの両方に優れた特性が得られる。H3BO3が0.1質量%よりも少なくなるとBrが向上し、HcJが低下する。逆に、0.1質量%よりも多くなるとHcJが向上し、Brが低下することが分かる。角型比は85%以上を有している。
[実施例7]
3BO3粉末を0.1質量%、CaCO3粉末をCaO換算で0.5〜0.9質量%、SiO2粉末を0.3〜0.9質量%添加する以外は実施例6と同様にして焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の磁気特性を測定した。SiO2添加量を横軸にとった、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、角型比Hk/HcJの測定結果を図9に示す。図中、黒丸がCaO0.5質量%、黒三角がCaO0.7質量%、黒四角がCaO0.9質量%の場合を示す。
図9から、本発明におけるCaLaCoフェライトにおいては、CaCO3の添加量はCaO換算で0.7質量%近傍、SiO2の添加量は0.6重量近傍ですぐれた特性を示すことが分かる。
[実施例8]
3BO3粉末を0.1質量%、CaCO3粉末をCaO換算で0.7質量%、SiO2粉末を0.6質量%添加し、仮焼温度を1225℃、焼結温度を1190℃、1200℃とする以外は実施例1と同様にして焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の磁気特性を測定した結果を表2に示す。
実施例7による好ましいCaCO3、SiO2の添加量において、仮焼温度及び焼結温度を好ましい条件とすることにより、より一層優れたBr、HcJが得られることが分かる。
[実施例9]
式(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCaO・y’NiOにおいて、x=0.5、y+y’=0.3、y’=0〜0.1、x/y=1.67、n=5.2になるように、CaCO3粉末、La23粉末、Fe23粉末(粒径0.6μm)、NiO粉末及びCo34粉末を準備し、各粉末を配合し、さらに配合粉末に対してH3BO3粉末を0.1質量%添加した。得られた原料粉末を湿式ボールミルで4時間混合し、乾燥して整粒した。次いで、大気中において、1150℃で3時間仮焼し、粉末状の仮焼体を得た。
次に、上記仮焼体に対して、CaCO3粉末をCaO換算で0.7質量%、SiO2粉末を0.6質量%添加し、水を溶媒とした湿式ボールミルで、空気透過法による平均粒度が0.55μmになるまで微粉砕した。得られた微粉砕スラリー中の溶媒を除去しながら、磁界中プレス成形した。プレス成形は、プレスの加圧方向と磁界方向が平行になるように行い、磁界強度は13kOeであった。得られた成形体を大気中、1190℃で1時間焼結し、焼結磁石を得た。
得られた焼結磁石の磁気特性を測定した。y’(NiO量)を横軸にとった、残留磁束密度Br、保磁力HcJ、角型比Hk/HcJの測定結果を図10に示す。
図10から明らかなように、CoをNiで置換してもBr、HcJともに大きな低下は見られない。NiはCoよりも安価であるため、CoをNiで置換することにより、磁気特性を低下させずに、製造コストを低減させることが可能である。
本発明の酸化物磁性材料は、残留磁束密度Brおよび保磁力HcJのみならず、角型比も高いため、高性能なモータ用途に好適に用いられる。
(1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、n=5.4とし、Laの置換量xと、Coの置換量yの比x/yを1.0から5.0まで変化させたものであり、組成比x/yと焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJおよびHk/HcJとの関係を示すグラフである。 (1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、x=0.50、n=5.4とし、yを0から0.50まで変化させたものであり、組成yと焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJおよびHk/HcJとの関係を示すグラフである。 (1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、x=0.50、y=0.30とし、nを3.6から6.0まで変化させたものであり、組成nと焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJおよびHk/HcJとの関係を示すグラフである。 (1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、0.00≦x≦1.0、y=0.3、n=5.2であり、組成xと焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJおよびHk/HcJとの関係を示すグラフである。 (1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、x=0.50、y=0.30、x/y=1.67、n=5.2である焼結体のEPMA像であり、上段左側からSEI、BEI像、FeのX線像、下段左側からLa、Ca、CoのX線像を示す。 (1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、x=0.50、y=0.20、x/y=2.50、n=5.2である焼結体のEPMA像であり、上段左側からSEI、BEI像、FeのX線像、下段左側からLa、Ca、CoのX線像を示す。 (1−x)CaO・(x/2)La23・(n−y/2)Fe23・yCoOの組成において、x=y=0.5、x/y=1、n=5.4である焼結体のEPMA像であり、上段左側からSEI、BEI像、FeのX線像、下段左側からLa、Ca、CoのX線像を示す。 3BO3添加量と、焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJ、および角型比Hk/HcJとの関係を示すグラフである。 CaO添加量およびSiO2添加量と、焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJ、および角型比Hk/HcJとの関係を示すグラフである。 y’(NiO量)と、焼結磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJ、および角型比Hk/HcJと関係を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 式(1−x)CaO・(x/2)R23・(n−y/2)Fe23・yMOで表わされ、
    RはLa、Nd、Prから選択される少なくとも一種の元素であってLaを必ず含み、
    MはCo、Zn、Ni、Mnから選択される少なくとも一種の元素であってCoを必ず含み、
    モル比を表わすx、y、nがそれぞれ、
    0.4≦x≦0.6、
    0.2≦y≦0.35、
    4≦n≦5.8
    であり、かつ1.4≦x/y≦2.5の関係式を満足する組成を有する、
    六方晶のM型マグネトプランバイト構造を有するフェライトを主相とする酸化物磁性材料。
  2. 4.8≦n≦5.8である請求項1に記載の酸化物磁性材料。
  3. 請求項1または2の酸化物磁性材料を含有する焼結磁石。
  4. 保磁力HcJが370kA/m以上である請求項3に記載の焼結磁石。
  5. 残留磁束密度Brが0.45T以上である請求項3に記載の焼結磁石。
  6. 角型比Hk/HcJが85%以上である請求項3に記載の焼結磁石。
  7. 角型比Hk/HcJが90%以上である請求項3に記載の焼結磁石。
  8. 式(1−x)CaO・(x/2)R 2 3 ・(n−y/2)Fe 2 3 ・yMOで表わされ、
    RはLa、Nd、Prから選択される少なくとも一種の元素であってLaを必ず含み、
    MはCo、Zn、Ni、Mnから選択される少なくとも一種の元素であってCoを必ず含み、
    モル比を表わすx、y、nがそれぞれ、
    0.4≦x≦0.6、
    0.2≦y≦0.35、
    4≦n≦5.8
    であり、かつ1.4≦x/y≦2.5の関係式を満足する組成を有する、
    六方晶のM型マグネトプランバイト構造を有するフェライト相を主相とする酸化物磁性材料を製造する方法であって、
    前記元素の原料粉末を準備する工程、
    原料粉末を配合する工程、
    原料粉末を混合する工程、
    混合原料粉末を仮焼する工程、からなり、
    仮焼工程前及び/又は仮焼工程後にH3BO3を0.2質量%以下添加する酸化物磁性材料の製造方法。
  9. 式(1−x)CaO・(x/2)R 2 3 ・(n−y/2)Fe 2 3 ・yMOで表わされ、
    RはLa、Nd、Prから選択される少なくとも一種の元素であってLaを必ず含み、
    MはCo、Zn、Ni、Mnから選択される少なくとも一種の元素であってCoを必ず含み、
    モル比を表わすx、y、nがそれぞれ、
    0.4≦x≦0.6、
    0.2≦y≦0.35、
    4≦n≦5.8
    であり、かつ1.4≦x/y≦2.5の関係式を満足する組成を有する、
    六方晶のM型マグネトプランバイト構造を有するフェライト相を主相とする酸化物磁性材料を含有する焼結磁石を製造する方法であって、
    前記元素の原料粉末を準備する工程、
    原料粉末を配合する工程、
    原料粉末を混合する工程、
    混合原料粉末を仮焼する工程、
    仮焼体を粉砕する工程、
    粉砕した粉末を成形する工程
    成形体を焼結する工程、からなり、
    仮焼体を粉砕する工程前にSiO2を1.0質量%以下、CaCO3をCaO換算で1.5質量%以下添加する焼結磁石の製造方法。
  10. 混合原料粉末を仮焼する工程において、仮焼雰囲気を酸素濃度5%以上とする請求項8に記載の酸化物磁性材料の製造方法。
  11. 成形体を焼結する工程において、焼結雰囲気を酸素濃度10%以上とする請求項9に記載の焼結磁石の製造方法。
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