JP2005044401A - 記録/再生装置およびディスクカートリッジ - Google Patents

記録/再生装置およびディスクカートリッジ Download PDF

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Yasutomo Aman
康知 阿萬
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Shiyouzou Murata
省蔵 村田
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Abstract

【課題】ベルヌーイ効果を作用させる主安定化部材と補助安定化部材との構成において、補助安定化部材が記録ディスクと接触摺動することなく、空気力学的な作用力を記録ディスクに作用させ、記録/再生位置における良好なディスク面ぶれの低減を実現する。
【解決手段】補助安定化部材6における光ディスク1に対して空気力学的な作用力を発生させる作用面の主形状を、光ディスク1に向かう凸形状とし、かつ光ディスク1を安定化した状態において、前記作用面と光ディスク1との最近接時におけるギャップ量が少なくとも1μmになるように前記作用面を調整する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有する記録ディスクに対して記録および/または再生処理を行う記録/再生装置、および可撓性を有する記録ディスクを収納するディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ放送のデジタル化が始まるなど、大容量のデジタルデータを記録することが情報記録媒体に求められている。例えば、光ディスクの分野においては、記録/再生のために光ディスクに集光される光スポット径を小さくすることが、高密度化のための基本的な方法の一つに挙げられる(以下、光ディスクを代表として説明するが、本発明が対象とする記録/再生装置に用いられる記録ディスクは、相変化メモリ,光磁気メモリ,ホログラムメモリなどのディスク状の記録ディスクで活用するものすべてを対象にし、特に光ディスクに限定するものではない)。
【0003】
このため、光ディスクの高密度化においては、記録/再生のために用いられる光の波長を短く、かつ対物レンズの開口数NAを大きくすることが有効である。光の波長についてはCD(compact disk)では近赤外光の780nm、DVD(digital versatile disk)では赤色光の650nm近傍の波長が用いられている。最近、青紫光の半導体レーザが開発され、今後は400nm近傍のレーザ光が使用されると予想される。
【0004】
また、対物レンズについては、CD用はNA0.5未満であったが、DVD用はNA0.6程度である。今後、さらに開口数(NA)を大きくしてNA0.7以上とすることが求められる。しかし、対物レンズのNAを大きくすること、および光の波長を短くすることは、光を絞るときに収差の影響が大きくなることでもある。したがって、光ディスクのチルトに対するマージンが減ることになる。また、NAを大きくすることによって焦点深度が小さくなるため、フォーカスサーボ精度を上げなくてはならない。
【0005】
さらに、高NAの対物レンズを使用することによって、対物レンズと光ディスクの記録面との距離が小さくなってしまうため、光ディスクの面ぶれを小さくしておかないと、始動時のフォーカスサーボを引き込む直前、対物レンズと光ディスクとが衝突することがあり、ピックアップの故障の原因となる。
【0006】
短波長,高NAの大容量光ディスクとして、例えば非特許文献1に記載されているように、CDと同程度に厚く、かつ剛性の大きい基板に記録膜を成膜し、記録/再生用の光を基板を通さずに、薄いカバー層内を通して記録膜に対して記録/再生する構成のシステムが提案されている。
【0007】
また、特許文献1〜3,非特許文献1には、ベルヌーイの法則による空気力学的作用力を利用して光ディスクにおける面ぶれを安定化させるため、安定化部材に対向させて可撓性を有する光ディスクを回転させる構成の記録/再生装置、あるいは可撓性を有する光ディスクの構成などについての記載がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−105657号公報
【特許文献2】
特開平10−308059号公報
【特許文献3】
特開2003−115108号公報
【非特許文献1】
オー・プラス・イー(O PLUS E)第20巻,第2号,P.183
【0009】
【非特許文献2】
「オプティカル・リードアウト・オブ・ビデオディスク」 アイイーイーイー・トランザクション・オン・コンシューマー・エレクトロニクス(“OPTICAL READOUT OF VIDEODISC”,IEEE TRANSACTION ON CONSUMER ELECTRONICS),1976年11月、P.304−308
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術において、光ディスクの基板を剛体で形成すると、回転する光ディスクにおける面ぶれ,チルトを小さくするためには、きわめて正確な成形をし、かつ熱変形が生じないように低温で記録膜を成膜しなければならない。このことは、光ディスク製造に係るタクトタイムを長くすることになり、コストを上げる原因となる。
【0011】
また、特許文献1,2に記載されているように可撓性のある光ディスクを安定板上で回転させる方法では、光ディスクと安定化板が接して摺動する危険性が高く、ディスク面あるいは安定化板面が傷ついてしまうという問題がある。この摺動により、発塵を引き起こして、その塵埃などがエラーを発生させる原因となる。
【0012】
特に特許文献1に記載されているように、安定化板側に記録膜が存在する構成であると、摺動により光ディスクの記録膜を損傷して、直接エラーを引き起こすことになる。また、単に平面状の安定化板を用いただけでは、ディスク面ぶれの低減効果にも限界があり、高NAの対物レンズを使用する際に、対物レンズとディスクが衝突する危険性は未だ問題として残されたままである。
【0013】
安定化板を用いる方法の一つとして、非特許文献2に記載されているような方法もあるが、平面上の安定化板を用いるという構成の点では前記技術と同じであり、同様の問題が生じることが予想される。また、この方法においては、「smoothing plates」と称される安定化板とディスクの間に空気力学的な力が働くことが前提となっているが、例えば、ディスクがこの安定化板から離れる方向に反った形状である場合には、この空気力学的な力が有効に作用せず、ディスク面ぶれを制御することはできなくなる。また、この空気力学的な力の発現には、重力によってディスクが垂れる現象も利用しているため、ドライブ装置の縦置きなどには対応することができない。
【0014】
これらの問題を解決するための1つの手段として、本発明者は、特許文献3などにおいて、光ディスクとの対向面が円弧状をなす円柱状の安定化ガイド部材を用い、光ディスクにおける安定化ガイド部材による空気圧の作用による面ぶれが安定する部位におけるディスク回転方向上流側と下流側とに空気圧の作用を生じさせない領域(安定化ガイド部材がない空間部)を設けて、面ぶれを安定化させた部位の前後位置に光ディスクに「逃げ」となる部分を存在させ、面ぶれを安定化させた部位での光ディスクにおける反発力を小さくすることにより、空気力による安定化力の効果を増大させる発明を提案した。
【0015】
特許文献3の発明によれば、可撓性を有する光ディスクの面ぶれを確実に抑制し、高密度の記録を可能にし、また対物レンズとの摺接などの不具合の発生を防ぐことが可能となるが、反面、この実現においては、安定化ガイド部材と記録/再生ヘッドの複雑な位置調整制御が必要となるため、ドライブ制御系の負荷が大きくなるばかりでなく、装置コストがかなり高価なものになってしまう。
【0016】
そこで、このような問題を解決するための1つの手段として、本発明者は、特願2003−19087号にて、記録および/または再生を行う記録/再生手段付近に配設した主安定化部材の他に、主安定化部材とは独立した特定位置に配設することによって、主安定化部材が位置する記録ディスク面において主安定化部材に対向する作用力を発生させ、記録ディスクに対して主安定化部材を大きく押し込まずとも空気力によるディスク面の安定化効果を得る方法を提案した。
【0017】
特願2003−19087号の発明によれば、主安定化部材を一つだけ用いた場合に比べて、主安定化部材の押し込み量が浅い位置において十分な面ぶれ低減効果が得られ、これにより、主安定化部材および記録/再生手段におけるディスク半径方向の動線をディスク基準面に近い範囲に限定することができるため、動作機構の簡略化を図ることができるようになった。
【0018】
しかしながら、補助安定化部材により主安定化部材が位置する記録ディスク面において主安定化部材に対向する作用力を発生させるためには、補助安定化部材のディスクに対する作用力を大きくする必要があり、この作用力の増大は、記録ディスクと補助安定化部材とが接触摺動を引き起こす原因となった。
【0019】
前記作用力を確保するための方法の一つとして、補助安定化部材の記録ディスクに対する押し込み量を大きくする方法が考えられるが、前記押し込み量を大きくするに従って、記録ディスクと補助安定化部材の間に形成されるギャップは小さくなるため、条件によっては、このギャップの狭小化が記録ディスクと補助安定化部材との接触摺動を招く場合があった。
【0020】
本発明の目的は、前記課題を解決し、ベルヌーイ効果を作用させる主安定化部材と補助安定化部材との構成において、補助安定化部材が記録ディスクと接触摺動することなく、空気力学的な作用力を記録ディスクに作用させ、記録/再生位置における良好なディスク面ぶれの低減を実現できる記録/再生装置およびディスクカートリッジを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、可撓性を有する記録ディスクを回転させ、ベルヌーイ効果を利用して少なくとも記録/再生位置付近における前記記録ディスクの面ぶれを抑制する主安定化部材と、前記記録ディスクの主たるベルヌーイ効果の作用面とは逆の面において記録および/または再生を行う記録/再生手段とを備え、前記記録ディスクの面内を、前記記録/再生手段が走査する動線に近接し、かつ該記録ディスクの中心付近を通る直線Aによって2つの領域に分け、該領域の少なくとも一方に、空気力学的な作用力を発生させて、前記主安定化部材が位置する前記記録ディスク面において前記主安定化部材に対向する作用力を発生させるように補助安定化部材を配設した記録/再生装置であって、前記補助安定化部材における前記空気力学的な作用力を発生させる作用面の主形状を前記記録ディスクに向かう凸形状とし、かつ前記記録ディスクを安定化した状態において、前記作用面と前記記録ディスクとの最近接時におけるギャップ量が少なくとも1μmになるように前記作用面を調整したことを特徴とし、この構成によって、補助安定化部材による記録ディスクに対する作用力を正圧とすることができ、これにより補助安定化部材と記録ディスクのギャップ量を確保する方向の力を得ることができるようになり、補助安定化部材が記録ディスクと接触摺動することなく、補助安定化部材の記録ディスクに対する空気力学的な力を確実に作用させることができ、主安定化部材が位置する記録ディスク面において主安定化部材に対向する作用力を効率よく発生させることが可能となる。これにより、補助安定化部材と記録ディスクの接触摺動を未然に防ぎ、記録ディスクの信頼性および耐久性を確保することができる。
【0022】
なお、ここでのギャップ量とは、記録ディスクが補助安定化部材に最近接した際の記録ディスクと補助安定化部材間の間隙のことであり、以下においても、ギャップ量とは前記間隙の意にて用いる。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の記録/再生装置において、補助安定化部材の作用面の断面積によってギャップ量を調整したことを特徴とし、この構成によって、断面積を大きくすることによりギャップ量を大きくし、また断面積を小さくすることによりギャップ量を小さくすることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の記録/再生装置において、補助安定化部材の作用面の形状によってギャップ量を調整したことを特徴とし、この構成によって、作用面形状を記録ディスク面に対して尖った形状とすることによりギャップ量を小さくし、また作用面形状を緩やかな形状とすることによりギャップ量を大きくすることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の記録/再生装置において、補助安定化部材の作用面の断面積と該作用面の形状によってギャップ量を調整したことを特徴とし、この構成によって、請求項2,3に係る発明を融合した作用効果が得られる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4記載の記録/再生装置において、補助安定化部材の作用面の主形状を球面とし、その曲率半径をパラメータとして作用面の形状を調整したことを特徴とし、この構成によって、曲率半径を大きくすることによりギャップ量を大きくし、また曲率半径を小さくすることによりギャップ量を小さくすることができる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の記録/再生装置において、補助安定化部材の記録ディスク面に対するディスク回転軸方向の配置位置によりギャップ量を調整したことを特徴とし、この構成によって、配置位置を記録ディスク面に押し込む方向にシフトさせることによりギャップ量を小さくし、また逆の方向にシフトさせることによりギャップ量を大きくすることができる。
【0028】
請求項7に記載の発明は、請求項1記載の記録/再生装置において、当該記録/再生装置で使用するディスク仕様範囲、およびディスク回転数の条件範囲を限定した場合において、前記各範囲の中でディスク剛性が最も高く、またディスク回転数が最も低速な条件を基準にして、請求項2〜6いずれか1項記載のギャップ量調整を行うことを特徴とし、この構成によって、ディスク仕様およびディスク回転数の全範囲において、ギャップ量を1μm以上にすることができる。
【0029】
請求項8に記載の発明は、内部に収納された可撓性を有する記録ディスクの回転時、ベルヌーイ効果を利用して少なくとも記録/再生位置付近における前記記録ディスクの面ぶれを抑制する主安定化部材と、前記記録ディスクの面内を、前記記録/再生手段が走査する動線に近接し、かつ該記録ディスクの中心付近を通る直線Aによって2つの領域に分け、該領域の少なくとも一方に、空気力学的な作用力を発生させて、前記主安定化部材が位置する前記記録ディスク面において前記主安定化部材に対向する作用力を発生させる補助安定化部材とが作用する構成のディスクカートリッジであって、前記補助安定化部材における前記空気力学的な作用力を発生させる作用面の主形状を前記記録ディスクに向かう凸形状とし、かつ前記記録ディスクを安定化した状態において、前記作用面と前記記録ディスクとの最近接時におけるギャップ量が少なくとも1μmになるように前記作用面を調整し、該補助安定化部材を固定してディスクカートリッジ内壁に配設したことを特徴とし、この構成によって、記録/再生装置側において補助安定化部材を設置する必要がなくなり、記録/再生装置の簡略化を図ることができる。さらにディスク仕様毎に、適正な補助安定化部材を備えた個別のディスクカートリッジの設計が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
図1は本発明の記録/再生装置の実施形態1を説明するための要部の平面図、図2(a)は図1におけるE−E’線断面図、図2(b)は図1におけるF−F’線断面図、図3は図1における記録/再生装置の正面図であり、1は可撓性を有する記録ディスクである光ディスク、2は光ディスク1の回転中心(中央)部分に装着された光ディスク1を回転させるために保持する一方の保持部材であるハブ、3は他方の保持部材であるチャッキング部をハブ2に嵌合して光ディスク1を回転駆動するスピンドルモータ、4は、光ディスク1の半径方向に移動して光ディスク1に対して光ビームを集光させ、情報の記録/再生処理を行うため光ディスク1に対して光走査(動線R方向)を行う記録/再生手段である光ピックアップである。
【0032】
さらに、5は、正面から見て光ディスク1側(空気力学的な作用面)が円弧状に突出し、図1に示すように、光ピックアップ4の移動に同期してディスク半径方向の光ピックアップ走査動線R方向に移動する主安定化部材であって、主安定化部材5は、ベルヌーイの法則による空気力学的作用力を利用して、光ディスク1における少なくとも光ピックアップ4による記録/再生位置付近の面ぶれを抑制するものである。
【0033】
さらに、6は、主安定化部材5と共に作用して、光ディスク1に対して空気力学的作用力を作用させる補助安定化部材であって、主安定化部材5と補助安定化部材6とは光ディスク1の記録面とは反対側のディスク基板側に配設されている。補助安定化部材6は、正面から見て光ディスク1側(空気力学的な作用面)が円弧状に突出し、ディスク面に向かって凸状となる形状にしてある。
【0034】
また、実施形態1では、光ディスク1の面内を光ピックアップ4が走査するために移動する動線Rと近接し、かつ光ディスク1の中心付近を通る直線(図では動線R上に記載したが、動線R近傍にあるものも含む)Aによって分けた2つの領域S1,S2のうち、光ピックアップ4における光ディスク回転方向の下流側に位置する領域S2に、主安定化部材5とは独立して補助安定化部材6を少なくとも1つ(実施形態1では1つのみを示す)配設している。
【0035】
また、主安定化部材5には、ディスク半径方向の移動制御機構11とディスク回転軸方向の位置制御機構12を具備させ、また各補助安定化部材6には、ディスク回転軸方向の位置制御機構13と、ディスク半径方向とディスク円周方向の傾斜調整手段であるチルト制御機構14を具備させており、移動制御機構11,位置制御機構12および13,チルト制御機構14は、それぞれ各種設定データなどを記憶するメモリ15から制御データを受ける駆動部16により駆動制御される。
【0036】
また、補助安定化部材6のチルト制御機構14のチルト角制御における回転中心は、補助安定化部材6の作用面中心(作用点)21の位置としている。なお、図1〜図3中において、22は補助安定化部材6と光ディスク1の近接領域、23は補助安定化部材6と光ディスク1の近接点を示している。
【0037】
図4は本発明の記録/再生装置の実施形態2を説明するための要部の平面図、図5(a)は図4におけるE−E’線断面図、図5(b)は図4におけるF−F’線断面図である。なお、以下の説明において、既に説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0038】
実施形態2が実施形態1と異なる点は、実施形態1にて説明したのと同様にして分けた2つの領域S1,S2のそれぞれに、主安定化部材5と独立して補助安定化部材6を少なくとも1つずつ(実施形態2では各領域に1つ)を、対称位置に配設した構成である。
【0039】
図6は本発明の記録/再生装置の実施形態3を説明するための要部の平面図、図7(a)は図6におけるE−E’線断面図、図7(b)は図6におけるF−F’線断面図であって、実施形態3が実施形態2と異なる点は、図5(a),(b)と比較して分かるように、図7(a),(b)に示すような補助安定化部材6のディスク円周方向傾きの調整方向である。
【0040】
各実施形態の動作について説明する。
【0041】
前記各実施形態における基本構成である安定化部材と可撓性を有するディスクとの間でベルヌーイの法則による空気力学的な力を発生させて、ディスク面ぶれを抑制するためには、安定化部材とディスク間の釣り合い条件が重要であり、特にディスクの安定化部材に向かう反力が重要なパラメータとなる。この反力はディスクの剛性と、ディスクが回転して平坦化しようとすることによって発生する浮上力によって決定されるため、原理的に、前記釣り合い条件は安定化部材の半径位置,ディスク回転数、およびディスク仕様がパラメータによって左右され、複雑な調整駆動機構が必要になる。
【0042】
この点に関して各種実験を行い考察を行ったところ、任意の安定化部材によりディスク面に空気力学的な力を作用させた際には、該安定化部材におけるディスク回転方向の上下流のほぼ±90度付近のディスク面が、ディスクを理想平面と考えた場合のディスク基準面付近に近づく現象を示した。
【0043】
そこで、任意の安定化部材から±90度ずれた位置のディスク面がディスク基準面付近に近づく現象を、上述した反力として利用して、安定化部材とディスク間の釣り合い条件を調整することを目標とした結果、目標通りディスク面を効率的に安定化させる効果が得られた。
【0044】
しかしながら、任意の安定化部材により、±90度ずれた位置(本発明においは主安定化部材の設置位置)のディスク面をディスク基準面に近づけるためには、前記安定化部材(本発明においは補助安定化部材)のディスクに対する作用力を大きくする必要があり、この作用力の増大のためにディスクと前記安定化部材とを近接(ギャップ量を小さくする)させることが、ディスクと前記安定化部材が接触摺動を引き起こす原因となった。この点に関して、各種実験を行い考察を行ったところ、ディスクと前記安定化部材の最近接時におけるギャップ量が1μm以上となるように、前記安定化部材の作用面の形状因子を調整することにより、前記安定化部材のディスクに対する作用力を大きくしつつも、実効的に接触摺動が生じないようにできることを見出した。
【0045】
そこで、各実施形態では、補助安定化部材(前記説明の安定化部材に相当する部材)6の作用面の形状因子を調整することにより、補助安定化部材6と光ディスク1との間に1μm以上のギャップ量を確実に確保するとともに、補助安定化部材6の光ディスク1に対する作用力を大きくして主安定化部材5に対する光ディスク1の対向力を確保し、記録/再生位置における良好なディスク面ぶれの低減を図ったことが特徴である。
【0046】
実施形態1において、補助安定化部材6の作用面の断面積を大きくするか、作用面の曲率半径を大きくするか、あるいは前記断面積と前記曲率半径の両方を大きくして、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量を1μm以上となるように設定しておくことにより、補助安定化部材6と光ディスク1との間が接触摺動しない状態で、補助安定化部材6によりディスク面に大きな空気力学的な力を作用させ、ディスク面に主安定化部材5に近づく対向力を持たせるという機能を十分に発揮させることができた。これにより、主安定化部材5の設置位置において十分な面ぶれ低減効果が得られた。
【0047】
また、主安定化部材5および光ピックアップ4のディスク半径方向の動線Rを、面ぶれが抑制されたディスク基準面に近い範囲(斜線にて図示した比較的広い領域)H内に位置させることができ、このための調整機構に余裕を持たせることができることになり、調整機構の簡略化を図ることができた。
【0048】
なお、実施形態1の構成は、主安定化部材5のみで装置を構成した場合に、主安定化部材5における下流側のディスク面が主安定化部材5に近接する側に変位するような光ディスク1における一例であり、例えば、光ディスク1の静的な反り形状が光ピックアップ4側に凸状となるような光ディスク1がこれに相当した。この際の補助安定化部材のチルト角の調整は、ディスク半径方向に対し、外周側を光ピックアップに近づける方向、ディスク円周方向に対し、ディスク中心に向かって右回りの方向(補助安定化部材のディスク回転上流側をディスクに近づける方向)が妥当であった。
【0049】
また、例えば、主安定化部材5のみで装置を構成した場合に、主安定化部材5における上流側のディスク面が主安定化部材5に近接する側に変位するような光ディスク1(光ディスク1の静的な反り形状が光ピックアップ4側に凹状となるような光ディスク1がこれに相当)においては、実施形態1を変形してディスク回転方向を逆転させた構成が適用でき、同形態においても、補助安定化部材6の空気力学的な力を光ディスク1に対して適正に作用させることにより、光ディスク1が主安定化部材5に対向する力を効率的に発生させることができ、主安定化部材5の移動位置において十分な面ぶれ低減効果が得られた。この際の補助安定化部材6のチルト角の調整は、ディスク半径方向に対しては外周側を光ピックアップ4に近づける方向、ディスク円周方向に対してはディスク中心に向かって右回りの方向(補助安定化部材のディスク回転下流側をディスクに近づける方向)が妥当であった。
【0050】
実施形態2の構成においても、補助安定化部材6の作用面の断面積を大きくするか、作用面の曲率半径を大きくするか、あるいは前記断面積と前記曲率半径の両方を大きくして、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量を1μm以上となるように設定しておくことにより、補助安定化部材6と光ディスク1との間が接触摺動しない状態で、補助安定化部材6によりディスク面に大きな空気力学的な力を作用させ、ディスク面に主安定化部材5に近づく対向力を持たせるという機能を十分に発揮させることができた。これにより、実施形態1と同様に、主安定化部材5の設置位置において十分な面ぶれ低減効果が得られた。
【0051】
なお、実施形態2の構成は、主安定化部材5のみで装置を構成した場合に、主安定化部材5における下流側のディスク面が主安定化部材5に近接する側に変位するような光ディスク1における一例であり、例えば、光ディスク1の静的な反り形状が光ピックアップ4側に凸状となるような光ディスク1がこれに相当した。この際の両補助安定化部材6のチルト角の調整は、ディスク半径方向に対しては外周側を光ピックアップ4に近づける方向、ディスク円周方向に対してはディスク中心に向かって右回りの方向(補助安定化部材6のディスク回転上流側を光ディスク1に近づける方向)が妥当であった。
【0052】
実施形態3の構成においても、補助安定化部材6の作用面の断面積を大きくするか、作用面の曲率半径を大きくするか、あるいは前記断面積と前記曲率半径の両方を大きくして、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量を1μm以上となるように設定しておくことにより、補助安定化部材6と光ディスク1との間が接触摺動しない状態で、補助安定化部材6によりディスク面に大きな空気力学的な力を作用させ、ディスク面に主安定化部材5に近づく対向力を持たせるという機能を十分に発揮させることができた。これにより、実施形態1と同様に、主安定化部材5の設置位置において十分な面ぶれ低減効果が得られた。
【0053】
なお、実施形態3の構成は、主安定化部材5のみで装置を構成した場合に、主安定化部材5における上流側のディスク面が主安定化部材5に近接する側に変位するような光ディスク1における一例であり、例えば、光ディスク1の静的な反り形状が光ピックアップ4側に凹状となるような光ディスク1がこれに相当した。この際の両補助安定化部材6のチルト角の調整は、ディスク半径方向に対しては外周側を光ピックアップに近づける方向、ディスク円周方向に対してはディスク中心に向かって左回りの方向(補助安定化部材6のディスク回転下流側をディスクに近づける方向)が妥当であった。
【0054】
実施形態1〜3の構成において、主安定化部材5にディスク回転軸方向の位置制御機構、あるいはチルト制御系などを付加して、より高精度の微調整を行うことにより、記録/再生位置における面ぶれを最適化することも可能であった。
【0055】
図8は本発明の記録/再生装置の実施形態3の変形例を説明するための要部の平面図、図9(a)は図8におけるE−E’線断面図、図9(b)は図8におけるF−F’線断面図であって、実施形態3においては、図8,図9に示す変形例のように、光ディスク1のハブ2を、図3に示すスピンドルモータ3のチャッキング部に固定して、各安定化部材5,6側を押して撓ませた場合に光ディスク1において撓みが始まる支点位置(図8ではハブ2の外周)を結んだ周部(図8では円形領域)と直線Aとが交差する2点を通り、かつ該直線Aに垂直な2つの直線、すなわち主安定化部材5に近い側の直線B1と遠い側の直線B2とにより挟まれたディスク面上の領域Cにおいて、主安定化部材5に近い側の直線B1近傍に、補助安定化部材6の作用点21を配置する構成とすることにより、主安定化部材5の移動位置でのディスク面ぶれをより低減させ、前述の効果を十分奏し得た。
【0056】
前記各実施形態は、前記補助安定化部材6を、図10に例示するように、装置本体の筐体30に設けることにより、光ディスクを収納するディスクカートリッジを用いないか、あるいはディスクカートリッジから光ディスクを取り出して駆動する記録/再生装置において実施することができる。
【0057】
また、前記各実施形態における補助安定化部材6は、図11に示すように、ディスクカートリッジ31の内壁に設けることも可能であり、このように構成することにより、記録/再生装置側の構成を簡略化することができる。さらに、この構成においては、ディスクカートリッジ31に補助安定化部材6を個別に設定することができることから、様々なディスク仕様ごとに補助安定部材6を個々に設計可能となり、ディスク仕様のばらつきによる安定化条件のずれを補正することまでもが可能となる。
【0058】
ディスクカートリッジ31としては、例えば図12,図13に示す構成のものを例示することができる。図12,図13において、32は主安定化部材5が挿入され、ディスク半径方向に移動可能にするための第1の通孔部、33は光ピックアップ4およびスピンドルモータ3の一部が挿入され、かつ光ピックアップ4をディスク半径方向に移動可能にするための第2の通孔部である。なお、前記通孔部32,33を開閉するためのシャッタ、あるいはカートリッジ内で光ディスク1を固定するための機構、さらにカートリッジをスピンドルモータ3に設置する際に必要なその他の機構などに関しては図示していない。
【0059】
前記実施形態においては、補助安定化部材を主安定化部材と同じ側に配置する構成例を説明したが、補助安定化部材を主安定化部材とディスクを挟んで逆側に配置しても同様のディスク面ぶれ低減効果が得られる。例えば図14に示す構成を例示することができる。
【0060】
図14において、光ディスク1が収納されたディスクカートリッジ35を記録/再生装置側の筺体30に配設した場合を示しており、補助安定部材6を光ピックアップ4と同じ側に設置している。この構成においては、特に、補助安定化部材6と光ディスク1との接触摺動が記録/再生エラーの発生に直接つながるため、この接触摺動の回避が最重要課題となる。そこで、前記実施形態の構成を採用することにより、確実に補助安定化部材6と光ディスク1との接触摺動を回避し、これに係わる記録/再生エラーの発生を防ぐことができる。
【0061】
なお、上述した実施形態の説明においては、主安定化部材5と補助安定部材6の作用面の断面形状を円状とした場合を説明したが、この他にも様々な形状が考えられる。両安定化部材5,6として光ディスク1に空気力学的な力を発生させる形状であれば、何ら問題はなく採用することができ、特に限定するものではない。また、その作用面形状に関しても、基本的には球面状の形態を代表として説明したが、非球面形状、および空気力学的な力の圧力分布を考慮した特殊な凹凸形状などの様々な形状が考えられ、既述した形状に限るものではない。
【0062】
次に、本発明をより具体的に実施例に基づいて説明する。
【0063】
(実施例1)
実施例1において、図1,図2に示す構成を採用しており、補助安定化部材6は、光ディスク(直径120mm)1に対向する面を曲率半径200mmとした直径40mmの円柱状の形状とし、主安定化部材5は、光ディスク1に対向する面を曲率半径100mmとした直径10mmの円柱状の形状とした。また補助安定化部材6は、主安定化部材5よりもディスク回転方向下流側の90度位置で、ディスク対向面の中心が光ディスク1の半径45mmの位置となるように配置され、さらに補助安定化部材6においては、光ディスク1が安定状態であるときに、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量がほぼ1μm程度になるように既述した調整が行われている。
【0064】
図示していないが、主安定化部材5には、ディスク半径方向の移動機構とディスク回転軸方向の位置制御機構を具備させ、また補助安定化部材6には、ディスク回転軸方向の位置制御機構と、ディスク半径方向とディスク円周方向のチルト制御機構を具備させた。なお、補助安定化部材6のチルト制御機構のチルト角制御における回転中心は、前記補助安定化部材の作用面の中心位置とした。
【0065】
また実施例1では、ディスク基板として120mm,厚さ75μmのポリカーボネイト製シートを用いた場合について説明する。ディスクを準備するにあたっては、まず、前記シートに、熱転写でスタンパのピッチ0.6μm,幅0.3μmのグルーブを転写し、その後、スパッタリングによりシート/Ag反射層 120nm/(ZrO−Y)−SiO 7nm/AgInSbTeGe 10nm/ZnS−SiO 25nm/Si 10nmの順番に成膜した。情報記録領域は内周直径40mmから外周直径118mmまで(半径20mm〜58mm)の範囲に設定した。その後、UV樹脂をスピンコートし、紫外線照射で硬化させて厚さ5μmの透明保護膜を形成した。また、逆側の面には10μm厚のハードコートを施した。なお、ディスク中心部には外形直径30mm,内径直径15mm、厚み0.3mmのハブ2を取り付けた。このディスクの仕上がり状態はハードコート側に僅かに反った形状となった。
【0066】
前記光ディスク1を15m/secのディスク回転数で回転させ、補助安定化部材と主安定化部材を所定位置に配置してディスク面ぶれを安定化し、光ピックアップ4の位置にレーザ変位計を配置してディスク面ぶれを評価した。また、前記補助安定化部材と前記記録ディスクの間の接触を前記補助安定化部材に配置した図示していないAEセンサによって検知し、その接触摺動状態を評価した。ここにおいて、補助安定化部材は、ディスク半径方向に対し、外周部を光ピックアップに近づける方向に1度、ディスク円周方向に対し、ディスク中心に向かって右回りの方向に0.7度傾け、また、ディスク基準面を基準として0.5mm押し込む位置に配置した。なお、ここでのディスク基準面とは、ディスクが理想的に平坦であると仮定した場合の主安定化部材5側のディスク面のことであり、また、この押し込み量を決める補助安定化部材6の基準位置はチルト角制御の中心位置とした。
【0067】
(実施例2)
実施例2では、実施例1の構成を基本として、補助安定化部材6の位置を、主安定化部材5よりもディスク回転方向上流側の90度位置で、ディスク対向面の中心がディスクの半径45mm位置となるような配置に変更した。なお、補助安定化部材6には、光ディスク1が安定状態であるときに、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量がほぼ1μm程度になるように既述した調整が行われている。
【0068】
また、光ディスク1は、実施例1の仕様からハードコートを省いた構成とした。これにより、光ディスク1の仕上がり状態は、透明保護膜側に僅かに反った形状となった。
【0069】
前記光ディスク1を15m/secのディスク回転数で回転させ、補助安定化部材と主安定化部材を所定位置に配置してディスク面振れを安定化し、光ピックアップ4の位置にレーザ変位計を配置してディスク面ぶれを評価した。また、前記補助安定化部材と前記記録ディスクの間の接触を前記補助安定化部材に配置した図示していないAEセンサによって検知し、その接触摺動状態を評価した。ここにおいて、補助安定化部材は、ディスク半径方向に対し、外周部を光ピックアップに近づける方向に2度、ディスク円周方向に対し、ディスク中心に向かって左回りの方向に1度傾け、また、ディスク基準面を基準として1mm押し込む位置に配置した。なお、ここでのディスク基準面とは、ディスクが理想的に平坦であると仮定した場合の主安定化部材5側のディスク面のことであり、また、この押し込み量を決める補助安定化部材6の基準位置はチルト角制御の中心位置とした。
【0070】
(実施例3)
実施例3では、図4,図5に示す構成を採用しており、両補助安定化部材6は、光ディスク(直径120mm)1に対向する面を曲率半径200mmとした直径40mmの円柱状の形状とし、主安定化部材5は、光ディスク1に対向する面を曲率半径100mmとした直径10mmの円柱状の形状とした。また両補助安定化部材6は、主安定化部材5におけるディスク回転方向上下流の90度の両位置で、ディスク対向面の中心が光ディスク1の半径45mmの位置となるように配置した。なお、補助安定化部材6には、光ディスク1が安定状態であるときに、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量がほぼ1μm程度になるように既述した調整が行われている。
【0071】
図示していないが、主安定化部材5には、ディスク半径方向の移動機構とディスク回転軸方向の位置制御機構を具備させ、また両補助安定化部材6には、ディスク回転軸方向の位置制御機構と、ディスク半径方向とディスク円周方向のチルト制御機構を具備させた。なお、補助安定化部材6のチルト制御機構のチルト角制御における回転中心は、前記補助安定化部材の作用面の中心位置とした。
【0072】
光ディスク1は実施例1と同様のものを用いた。
【0073】
前記光ディスク1を15m/secのディスク回転数で回転させ、両補助安定化部材と主安定化部材を所定位置に配置してディスク面ぶれを安定化し、光ピックアップ4の位置にレーザ変位計を配置してディスク面ぶれを評価した。また、前記補助安定化部材と前記記録ディスクの間の接触を前記補助安定化部材に配置した図示していないAEセンサによって検知し、その接触摺動状態を評価した。ここにおいて、両補助安定化部材は、ディスク半径方向に対し、外周部を光ピックアップに近づける方向に0.7度、ディスク円周方向に対し、ディスク中心に向かって右回りの方向に0.4度傾け、また、ディスク基準面を基準として0.3mm押し込む位置に配置した。なお、ここでのディスク基準面とは、ディスクが理想的に平坦であると仮定した場合の主安定化部材5側のディスク面のことであり、また、この押し込み量を決める両補助安定化部材6の基準位置はチルト角制御の中心位置とした。
【0074】
(実施例4)
実施例4では、図6,図7に示す構成を採用しており、両補助安定化部材6は、光ディスク(直径120mm)1に対向する面を曲率半径200mmとした直径40mmの円柱状の形状とし、主安定化部材5は、光ディスク1に対向する面を曲率半径100mmとした直径10mmの円柱状の形状とした。また両補助安定化部材6は、主安定化部材5におけるディスク回転方向上下流の90度の両位置で、ディスク対向面の中心が光ディスク1の半径45mmの位置となるように配置した。なお、補助安定化部材6には、光ディスク1が安定状態であるときに、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量がほぼ1μm程度になるように既述した調整が行われている。
【0075】
図示していないが、主安定化部材5には、ディスク半径方向の移動機構とディスク回転軸方向の位置制御機構を具備させ、また両補助安定化部材6には、ディスク回転軸方向の位置制御機構と、ディスク半径方向とディスク円周方向のチルト制御機構を具備させた。なお、補助安定化部材6のチルト制御機構のチルト角制御における回転中心は、前記補助安定化部材の作用面の中心位置とした。
【0076】
また、光ディスク1は、実施例1の仕様からハードコートを省いた構成とした。これにより、光ディスク1の仕上がり状態は、透明保護膜側に僅かに反った形状となった。
【0077】
前記光ディスク1を15m/secのディスク回転数で回転させ、両補助安定化部材と主安定化部材を所定位置に配置してディスク面ぶれを安定化し、光ピックアップ4の位置にレーザ変位計を配置してディスク面ぶれを評価した。また、前記補助安定化部材と前記記録ディスクの間の接触を前記補助安定化部材に配置した図示していないAEセンサによって検知し、その接触摺動状態を評価した。ここにおいて、両補助安定化部材は、ディスク半径方向に対し、外周部を光ピックアップに近づける方向に1度、ディスク円周方向に対し、ディスク中心に向かって左回りの方向に0.7度傾け、また、ディスク基準面を基準として0.5mm押し込む位置に配置した。なお、ここでのディスク基準面とは、ディスクが理想的に平坦であると仮定した場合の主安定化部材5側のディスク面のことであり、また、この押し込み量を決める両補助安定化部材6の基準位置はチルト角制御の中心位置とした。
【0078】
(実施例5)
実施例5では、図8,図9に示す構成を採用しており、両補助安定化部材6は、光ディスク(直径120mm)1に対向する面を曲率半径200mmとした直径40mmの円柱状の形状とし、主安定化部材5は、光ディスク1に対向する面を曲率半径100mmとした直径10mmの円柱状の形状とした。また両補助安定化部材6は、主安定化部材5におけるディスク回転方向上下流の75度の両位置で、ディスク対向面の中心が光ディスク1の半径45mmの位置となるように配置した。なお、補助安定化部材6には、光ディスク1が安定状態であるときに、補助安定化部材6と光ディスク1との間のギャップ量がほぼ1μm程度になるように既述した調整が行われている。
【0079】
図示していないが、主安定化部材5には、ディスク半径方向の移動機構とディスク回転軸方向の位置制御機構を具備させ、また両補助安定化部材6には、ディスク回転軸方向の位置制御機構と、ディスク半径方向とディスク円周方向のチルト制御機構を具備させた。なお、補助安定化部材6のチルト制御機構のチルト角制御における回転中心は、前記補助安定化部材の作用面の中心位置とした。
【0080】
光ディスク1は実施例1と同様のものを用いた。
【0081】
前記光ディスク1を15m/secのディスク回転数で回転させ、両補助安定化部材と主安定化部材を所定位置に配置してディスク面ぶれを安定化し、光ピックアップ4の位置にレーザ変位計を配置してディスク面ぶれを評価した。また、前記補助安定化部材と前記記録ディスクの間の接触を前記補助安定化部材に配置した図示していないAEセンサによって検知し、その接触摺動状態を評価した。ここにおいて、両補助安定化部材は、ディスク半径方向に対し、外周部を光ピックアップに近づける方向に0.7度、ディスク円周方向に対し、ディスク中心に向かって右回りの方向に0.4度傾け、また、ディスク基準面を基準として0.3mm押し込む位置に配置した。なお、ここでのディスク基準面とは、ディスクが理想的に平坦であると仮定した場合の主安定化部材5側のディスク面のことであり、また、この押し込み量を決める両補助安定化部材6の基準位置はチルト角制御の中心位置とした。
【0082】
(比較例)
本比較例においては、図15〜図17に示す構成を採用しており、両補助安定化部材6は、光ディスク(直径120mm)1に対向する面を曲率半径50mmとした直径15mmの円柱状の形状とし、主安定化部材5は、光ディスク1に対向する面を曲率半径100mmとした直径10mmの円柱状の形状とした。また両補助安定化部材6は、主安定化部材5におけるディスク回転方向上下流の90度の両位置で、ディスク対向面の中心が光ディスク1の半径45mmの位置となるように配置した。図示していないが、主安定化部材5には、ディスク半径方向の移動機構とディスク回転軸方向の位置制御機構を具備させ、また両補助安定化部材6には、ディスク回転軸方向の位置制御機構を具備させた。
【0083】
光ディスク1は実施例1と同様のものを用いた。
【0084】
前記光ディスク1を15m/secのディスク回転数で回転させ、両補助安定化部材と主安定化部材を所定位置に配置してディスク面ぶれを安定化し、光ピックアップ4の位置にレーザ変位計を配置してディスク面ぶれを評価した。また、前記補助安定化部材と前記記録ディスクの間の接触を前記補助安定化部材に配置した図示していないAEセンサによって検知し、その接触摺動状態を評価した。両補助安定化部材は、ディスク基準面を基準として0.5mm押し込む位置に配置した。なお、ここでのディスク基準面とは、ディスクが理想的に平坦であると仮定した場合の主安定化部材5側のディスク面のことであり、また、この押し込み量を決める両補助安定化部材6の基準位置は補助安定化部材の作用面中心とした。
【0085】
そして、各実施例と比較例とにおいて、前記チルト角設定により、補助安定部材6と光ディスク1との近接点23、すなわち空気力学的な力の作用点と、補助安定化部材6の作用面中心21、すなわち補助安定化部材6の空気力学的な力を作用させる適正点を、ほぼ同一の位置に調整し、各補助安定化部材にとって最大限に空気安定化力を発揮できる条件を整えた。
【0086】
前記条件において、半径55mm位置のディスク面ぶれ状態、および補助安定化部材と光ディスクとの摺動の有無を測定した結果、図18に示すように、実施例および比較例ともに、良好なディスク面ぶれ状態であった。しかしながら、図18に示す通り、比較例においては、補助安定化部材6と光ディスク1の間に接触摺動が発生し、記録/再生エラーを引き起こす原因となった。これに対し、全ての本実施例においては、補助安定化部材6による光ディスク1に対する空気力学的な力を作用させて、主安定化部材5の設置位置における面ぶれ安定化条件を確立しつつも接触摺動をなくすことが、前記補助安定化部材6の作用面形状にすることによって実現できた。
【0087】
上述したように本実施形態,本実施例では、ベルヌーイ効果を作用させる主安定化部材と補助安定化部材との構成において、前記補助安定化部材による空気力学的な作用力を適正化して、記録/再生位置における良好なディスク面ぶれの低減を実現可能な記録/再生装置を提供することができる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る記録/再生装置およびディスクカートリッジによれば、ベルヌーイ効果を作用させる主安定化部材と補助安定化部材との構成において、補助安定化部材と記録ディスク間の接触摺動のない状態で、補助安定化部材の記録ディスクに対する空気力学的な力を確実に作用させ、主安定化部材が位置する記録ディスク面において主安定化部材に対向する作用力を効率よく発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録/再生装置の実施形態1を説明するための要部の平面図
【図2】(a)は図1におけるE−E’線断面図、(b)は図1におけるF−F線断面図
【図3】図1の実施形態1の正面図
【図4】本発明の記録/再生装置の実施形態2を説明するための要部の平面図
【図5】(a)は図4におけるE−E’線断面図、(b)は図4におけるF−F線断面図
【図6】本発明の記録/再生装置の実施形態3を説明するための要部の平面図
【図7】(a)は図6におけるE−E’線断面図、(b)は図6におけるF−F線断面図
【図8】本発明の記録/再生装置の実施形態3の変形例を説明するための要部の平面図
【図9】(a)は図8におけるE−E’線断面図、(b)は図8におけるF−F線断面図
【図10】本実施形態の記録/再生装置における補助安定化部材の設置例を示す断面図
【図11】本発明の実施形態であるディスクカートリッジを説明するための断面図
【図12】本実施形態のディスクカートリッジの平面図
【図13】図11のディスクカートリッジの横断面図
【図14】本発明の実施形態であるディスクカートリッジの他例を説明するための断面図
【図15】本発明の比較例としての記録/再生装置の要部の平面図
【図16】図15におけるE−E’線断面図
【図17】図15における記録/再生装置の正面図
【図18】本発明の実施例と比較例とにおける特性評価の一覧を示す図
【符号の説明】
1 光ディスク
2 ハブ
3 スピンドルモータ
4 光ピックアップ
5 主安定化部材
6 補助安定化部材
21 補助安定化部材の作用面中心(作用点)
22 補助安定化部材と光ディスクの近接領域
23 補助安定化部材と光ディスクの近接点
30 装置本体の筺体
31,35 ディスクカートリッジ
A 光ピックアップ動線の延長線
B1,B2 ハブの周部を通り直線Aに垂直な直線
R 動線
S1,S2,C 記録ディスクの面内において区分した領域

Claims (8)

  1. 可撓性を有する記録ディスクを回転させ、ベルヌーイ効果を利用して少なくとも記録/再生位置付近における前記記録ディスクの面ぶれを抑制する主安定化部材と、前記記録ディスクの主たるベルヌーイ効果の作用面とは逆の面において記録および/または再生を行う記録/再生手段とを備え、
    前記記録ディスクの面内を、前記記録/再生手段が走査する動線に近接し、かつ該記録ディスクの中心付近を通る直線Aによって2つの領域に分け、該領域の少なくとも一方に、空気力学的な作用力を発生させて、前記主安定化部材が位置する前記記録ディスク面において前記主安定化部材に対向する作用力を発生させるように補助安定化部材を配設した記録/再生装置であって、
    前記補助安定化部材における前記空気力学的な作用力を発生させる作用面の主形状を前記記録ディスクに向かう凸形状とし、かつ前記記録ディスクを安定化した状態において、前記作用面と前記記録ディスクとの最近接時におけるギャップ量が少なくとも1μmになるように前記作用面を調整したことを特徴とする記録/再生装置。
  2. 前記補助安定化部材の作用面の断面積によって前記ギャップ量を調整したことを特徴とする請求項1記載の記録/再生装置。
  3. 前記補助安定化部材の作用面の形状によって前記ギャップ量を調整したことを特徴とする請求項1記載の記録/再生装置。
  4. 前記補助安定化部材の作用面の断面積と該作用面の形状によって前記ギャップ量を調整したことを特徴とする請求項1記載の記録/再生装置。
  5. 前記補助安定化部材の作用面の主形状を球面とし、その曲率半径をパラメータとして前記作用面の形状を調整したことを特徴とする請求項3または4記載の記録/再生装置。
  6. 前記補助安定化部材の前記記録ディスク面に対するディスク回転軸方向の配置位置により前記ギャップ量を調整したことを特徴とする請求項1記載の記録/再生装置。
  7. 当該記録/再生装置で使用するディスク仕様範囲、およびディスク回転数の条件範囲を限定した場合において、前記各範囲の中でディスク剛性が最も高く、またディスク回転数が最も低速な条件を基準にして、請求項2〜6いずれか1項記載のギャップ量調整を行うことを特徴とする請求項1記載の記録/再生装置。
  8. 内部に収納された可撓性を有する記録ディスクの回転時、ベルヌーイ効果を利用して少なくとも記録/再生位置付近における前記記録ディスクの面ぶれを抑制する主安定化部材と、前記記録ディスクの面内を、前記記録/再生手段が走査する動線に近接し、かつ該記録ディスクの中心付近を通る直線Aによって2つの領域に分け、該領域の少なくとも一方に、空気力学的な作用力を発生させて、前記主安定化部材が位置する前記記録ディスク面において前記主安定化部材に対向する作用力を発生させる補助安定化部材とが作用する構成のディスクカートリッジであって、
    前記補助安定化部材における前記空気力学的な作用力を発生させる作用面の主形状を前記記録ディスクに向かう凸形状とし、かつ前記記録ディスクを安定化した状態において、前記作用面と前記記録ディスクとの最近接時におけるギャップ量が少なくとも1μmになるように前記作用面を調整し、該補助安定化部材を固定してディスクカートリッジ内壁に配設したことを特徴とするディスクカートリッジ。
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