JP2001328891A - 粒状被覆肥料の製造方法 - Google Patents

粒状被覆肥料の製造方法

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JP2001328891A
JP2001328891A JP2001066313A JP2001066313A JP2001328891A JP 2001328891 A JP2001328891 A JP 2001328891A JP 2001066313 A JP2001066313 A JP 2001066313A JP 2001066313 A JP2001066313 A JP 2001066313A JP 2001328891 A JP2001328891 A JP 2001328891A
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granular
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urethane resin
coated
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Nobuaki Tabei
伸昭 田部井
Noriaki Saito
憲明 斉藤
Kazuhisa Endo
和久 遠藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高吸水性樹脂をロスなく使用して、高吸水性
樹脂由来の微粒物の生成が少なく、かつ、水中に入れた
時の浮遊物が少なく、均一な被膜を得ることができ、常
温から低温、特に低温でコンスタントに短期間に肥料成
分を溶出させることができる緩効性被覆肥料の製造方法
を提供する。 【解決手段】 粒状肥料に高吸水性物質を添加後、ウレ
タン樹脂からなる少なくとも1層の被膜で被覆させるこ
とを特徴とする粒状被覆肥料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン樹脂によ
り被覆された緩効性(徐放性と言うこともある)粒状被
覆肥料の製造方法および該方法により得られる粒状被覆
肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農業就労者の高年齢化、就労者数
の減少、兼業農家の増加から、より省力型で植物の成長
にあわせ所定の時期に溶出する肥効調節型肥料が要求さ
れている。このような背景から、種々の肥効調整型肥料
が提案され実用化されている。粒状肥料を熱可塑性樹脂
と高吸水性樹脂で被覆し、肥料の溶出速度を加速制御す
る緩効性粒状肥料については、例えば、特開平9−30
9785号公報、特開平10−72272号公報に記載
されている。被覆材がウレタン樹脂である被覆肥料につ
いては、特開平10−291881号公報において、尿
素肥料表面に高吸水性樹脂と未硬化状態のウレタン樹脂
を混合し被覆する方法、および、尿素肥料表面に高吸水
性樹脂と未硬化状態のウレタン樹脂を混合被覆した後、
未硬化状態のウレタン樹脂のみを被覆する方法により、
初期の溶出を押えたシグモイドタイプの溶出を示すこと
が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高吸水
性樹脂と未硬化状態のウレタン樹脂を混合後、肥料表面
を被覆する方法や肥料表面を高吸水性樹脂と未硬化状態
のウレタン樹脂を混合被覆した後、さらに未硬化状態の
ウレタン樹脂のみを被覆する方法は、高吸水性樹脂のみ
で被覆された微粒物が多量に生成され、この微粒物の生
成により、単に高吸水性樹脂のロスによる溶出加速効果
の低下だけでなく、例えば、水田に施肥した場合、吸水
した多量の微粒物が浮上する等の問題を引き起こす。ま
た、一般に高吸水性物質を使用せずに溶出速度を上げる
為には、被覆樹脂の膜厚を薄くする必要があるが膜厚を
薄くしすぎると、完全に均一な被覆の形成が困難とな
り、ピンホール等の欠陥が生成し易く、また運搬、貯蔵
および施肥時等に機械的な力が加わることによる被膜欠
陥も生じ易くなる。このような不均一な被膜または欠陥
を持つ被膜を含む被覆肥料は、精密な溶出制御が困難で
あり、工業的に安定した品質の製品の歩留まりが小さく
なる等の問題がある。本発明の目的は、高吸水性樹脂を
ロスなく使用して、高吸水性樹脂由来の微粒物の生成が
少なく、かつ、水中に入れた時の浮遊物が少なく、均一
な被膜を得ることができ、常温から低温、特に低温でコ
ンスタントに短期間に肥料成分を溶出させることができ
る緩効性被覆肥料の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討したところ、粒状肥料に高吸
水性物質を添加後、ウレタン樹脂被膜にて被覆した粒状
被覆肥料が、高吸水性樹脂由来の微粒物の生成が少な
く、かつ、水中に入れた時の浮遊物が少なく、常温から
低温でコンスタントに短期間に肥料成分を溶出させるこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、以下の1〜5に関す
る。 1.粒状肥料に高吸水性物質を添加後、ウレタン樹脂か
らなる少なくとも1層の被膜で被覆させることを特徴と
する粒状被覆肥料の製造方法。 2.下記(1)〜(5)の工程を備える1に記載の方
法。 (1)粒状肥料に高級水性物質を添加する工程 (2)高吸水性物質を添加した粒状肥料を転動状態にす
る工程 (3)該転動状態にある粒状肥料に層厚が1〜10μm
になる量の液状の未硬化ウレタン樹脂を添加する工程 (4)該粒状肥料の転動状態を維持し、各肥料粒子表面
を該未硬化ウレタン樹脂で被覆する工程 (5)該粒状肥料の転動状態を維持し、該未硬化ウレタ
ン樹脂を熱硬化させる工程 3.(2)〜(5)の工程をこの順に2回またはそれ以
上繰り返す2に記載の方法。 4.高吸水性物質が、アクリル酸塩系重合体、アクリル
酸−ビニルアルコール共重合体、イソブチレン系重合
体、エチレンオキサイド重合体、プロピレンオキサイド
重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体、ポリエチレンオキサイド変性樹脂、澱粉グラフ
ト重合体、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース金属塩、ポリビニルアルコールま
たはベントナイトである1〜3のいずれかに記載の製造
方法。 5.1〜4のいずれかに記載の方法で製造される粒状被
覆肥料。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳しく説明する。
本発明において粒状肥料に高吸水性物質を添加する場
合、粒状肥料に高吸水性樹脂を添加し、肥料表面に均一
分散することが望ましく、その方法としては、それぞれ
の加工に適した温度まで粒状肥料を加熱して高吸水性物
質を添加後、転動状態にして均一分散する方法、また
は、それぞれの加工に適した温度まで粒状肥料を加熱し
ながら転動状態にある粒状肥料に高吸水性物質を添加し
て均一分散する方法がある。それぞれの転動状態にする
方法としては、特に装置に制限はなく公知、慣用のもの
を用いることができるが、例えば、回転パン、回転ドラ
ム等が挙げられる。該転動装置に加温設備を付設された
ものは、被覆加工の高精度化や加工時間の調整に好適で
ある。
【0007】本発明において使用され得る粒状肥料は、
肥料成分を含有する粒状物である。肥料成分は、水稲な
どの植物栽培において養分を与えるために土壌に施され
る窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシ
ウム、マンガン、ホウ素、鉄等の種々の元素を含有する
成分であり、具体例としては、尿素、硝酸アンモニウ
ム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カ
ルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド
加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料
(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IB
DU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料;過リ
ン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン
肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸
アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシ
ウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リ
ン安等のリン酸質肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、
硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン
酸カリウム等のカリウム質肥料;珪酸カルシウム等の珪
酸質肥料;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマ
グネシウム質肥料;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等
のカルシウム質肥料;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガ
ン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ
酸塩等のホウ素質肥料;鉄鋼スラグ等の含鉄肥料等の肥
料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)を挙
げることができる。中でも窒素(N)、リン(P)およ
びカリウム(K)より選ばれる肥料成分の一種以上、特
にこれら三種全ての肥料成分を含有するものが好まし
い。その具体例としては、NPK成分型(N−P25
2O)肥料が挙げられ、かかる肥料としては、例え
ば、5−5−7(N−P25−K2Oの重量比率を意味
する。以下同じ。)、12−12−16等の1型平上り
型、5−5−5、14−14−14等の2型水平型、6
−6−5、8−8−5等の3型平下がり型、4−7−
9、6−8−11等の4型上り型、4−7−7、10−
20−20等の5型上り平型、4−7−4、6−9−6
等の6型山型、6−4−5、14−10−13等の7型
谷型、6−5−5、18−11−11等の8型下がり平
型、7−6−5、14−12−9等の9型下がり型、3
−20−0、18−35−0等の10型NP型、16−
0−12、18−0−16等の11型NK型、0−3−
14、0−15−15等の12型PK型等を挙げること
ができる。本発明において使用される粒状肥料の粒径に
特に限定はないが、製造上は1〜5mmが好ましい。
【0008】本発明に使用される高吸水性物質は、水に
不溶で、通常は高吸水性物質の2〜2000重量倍の水
を吸収・保持し得る物質である。高吸水性物質として
は、アクリル酸塩系重合体[例えば、住友化学工業
(株)製スミカゲルN−100、N−100P、N−1
00SH、NP−1010、住友精化(株)製のアクア
キープ10SH−P、10SH、10SH−NF、SA
60S、SA60NTYPEII、(株)日本触媒製のア
クアリックCS−6、CS−7]、アクリル酸−ビニル
アルコール共重合体[例えば、住友化学工業(株)製ス
ミカゲルS−50、S−110、S−120、S−51
0、S―520]、並びに、イソブチレン系重合体[例
えば(株)クラレ製のKIゲル−210K−F2]、エ
チレンオキサイド重合体、プロピレンオキサイド重合
体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合
体、ポリエチレンオキサイド変性樹脂、澱粉グラフト重
合体、澱粉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
CMC金属塩、ポリビニルアルコール、ベントナイトが
挙げられる。
【0009】本発明に使用されるウレタン樹脂は、必要
に応じて2種以上を混合して用いても良い。特にポリイ
ソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物に硬化触媒を処
方したウレタン樹脂が好ましい。
【0010】本発明において用いるウレタン樹脂につい
てさらに説明する。ウレタン樹脂とは、ポリイソシアネ
−ト化合物とポリオ−ル化合物を反応させることにより
3次元架橋させた樹脂の総称であるが、本発明でいう未
硬化ウレタン樹脂とは、該ポリイソシアネ−ト化合物と
該ポリオ−ル化合物の混合物であり、全く反応させてな
いか、あるいは3次元化しない程度に予め一部を硬化反
応させたものをいう。硬化反応の促進のために触媒を添
加しておくことも有用な技術である。該未硬化樹脂の形
態としては無溶剤型、溶液型、水系エマルジョン型等何
れでも良いが、特に無溶剤型で、かつ加工温度において
液状であるものが好適である。
【0011】ポリイソシアネ−ト化合物に特に限定はな
いが、具体的に例示するとトリレンジイソシアネ−ト
(TDIと言うことがある)、ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト(MDIと言うことがある)、ナフタレンジ
イソシアネ−ト、トリジンジイソシアネ−ト、ヘキサメ
チレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−
ト、キシリレンジイソシアネ−ト、等を挙げることこと
ができ、必要に応じてこれらの混合物を用いることがで
きる。なかでも、MDIもしくはTDIまたはこれらか
ら誘導されるオリゴマ−体(ポリメリックMDI、ポリ
メリックTDI等)が好適に用いられる。
【0012】ポリオ−ル化合物については、特に限定は
ないが、例えばアミノアルコ−ル、アミン等を開始剤と
して用い、プロピレングリコール、トリメチロールプロ
パン等の脂肪族アルコールとエチレンオキサイドやプロ
ピレンオキサイドとを重付加して得られるポリエ−テル
ポリオ−ル、テトラヒドロフランを重合して得られるポ
リテトラメチレンエ−テルグルコ−ルなどのポリエ−テ
ル型ポリオ−ル、イサノ油やひまし油等の水酸基を保有
する天然油脂や多価アルコ−ルとポリエ−テルポリオ−
ルとカルボン酸化合物を反応させる等の方法で得られる
ポリエステル型ポリオ−ル、等が挙げられる。使用する
イソシアネートとポリオールのNCO/OH当量比は、
通常0.9〜1.2/1.0の間で調整される。
【0013】未硬化ウレタン樹脂の硬化促進の目的で、
触媒を未硬化ウレタン樹脂に添加し、該触媒共存下に硬
化を行うことも有用な技術である。該触媒として具体的
には、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリ
ン、N,N−ジメチルモルフォリン、ジアザビシクロウ
ンデセン、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール、
ジアザビシクロオクタン、2,4,6,−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノ−ル等のアミン系触媒;尿素
等のアンモニア誘導体;水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ性化合物;ジブチルスズラウレート、
ジブチルスズマレート等の有機スズ化合物が挙げられ
る。中でもアミン系触媒が好適に用いられる。該触媒は
そのまま、あるいは水溶液または水懸濁液として使用に
供される。固体触媒については粉砕微粉化したものを使
用するのが好ましい。触媒を使用する場合の触媒の量は
イソシアネートとポリオールの総重量に対し、通常0.
05〜5重量%程度である。
【0014】さらに、必要に応じて、着色のために酸化
チタン、ベンガラ等の顔料や染料、あるいは充填剤とし
てタルク、マイカ、シリカ、カ−ボンブラック、樹脂粉
末、クレー等の無機/有機粉粒体、界面活性剤等を、本
混合物の硬化において許容される範囲で、未硬化ウレタ
ン樹脂中に含有させたり、タルク、カオリン、クレー、
界面活性剤等については本被覆肥料の被覆層表面に付着
させたり、塗布することも可能である。
【0015】本発明における高吸水性物質の使用量は、
その粒径により異なるが、熱硬化性樹脂100重量部に
対して肥料の溶出速度制御の点から通常は0.01〜5
0重量部である。好ましくは0.1〜30重量部、さら
に好ましくは1〜20重量部である。
【0016】外界が低温時には、高吸水性物質のみを除
いた同様の粒状被覆肥料を用いた場合に比べて、本発明
により得られる粒状被覆肥料を用いた場合に、肥料の外
部への溶出速度が加速されている。具体的には、被検体
試料を一定量計り取り水を加えた後、水中で一定温度で
保存して、水中の肥料濃度を分析機器にて追跡して被覆
肥料外部への肥料の溶出量を測定して加速状況を確認す
る。
【0017】本発明の粒状被覆肥料の製造方法は、粒状
肥料に高吸水性物質を添加後、ウレタン樹脂からなる少
なくとも1層の被膜で被覆させることを特徴とする方法
であり、通常は下記(1)〜(5)の工程を備える方法
である。 (1)粒状肥料に高吸水性樹脂を添加、均一分散させる
工程 (2)粒状肥料を転動状態にする工程 (3)該転動状態にある粒状肥料に層厚が1〜10μm
になる量の液状の未硬化熱硬化性樹脂を添加する工程 (4)該粒状肥料の転動状態を維持し、各肥料粒子表面
を該未硬化熱硬化性樹脂で被覆する工程 (5)該粒状肥料の転動状態を維持し、該未硬化熱硬化
性樹脂を熱硬化させる工程 そして一般的には、上記(1)の工程の後、(2)〜
(5)の工程をこの順に2回またはそれ以上繰り返すこ
とにより所定の被覆厚さの粒状被覆肥料が得られる。
【0018】転動状態にある粒状肥料子に未硬化ウレタ
ン樹脂を添加する(3)の工程においては、予め硬化剤や
触媒が配合、混合された未硬化ウレタン樹脂を含む組成
物として、添加することができる。或いは未硬化ウレタ
ン樹脂、硬化剤、触媒等を別々に添加し、装置内で各成
分が混合される方法であってもよい。添加の方法として
は、例えば滴下、噴霧等を挙げることができる。上記
(5)の工程では、(4)の工程において未硬化ウレタ
ン樹脂で被覆された粒状肥料の転動状態を、通常、所定
の加工温度で維持し、該未硬化ウレタン樹脂を硬化させ
る。加工温度としては、上記未硬化ウレタン樹脂のゲル
タイム(JIS K 5909に準じて測定)が5分以
内、さらに好ましくは3分以内となる温度を適宜選択す
ることができるが、通常は50〜100℃であり、好ま
しくは65〜85℃である。
【0019】1回の(3)の工程において添加される未
硬化ウレタン樹脂の量は、各粒状肥料における被覆の均
一性の点からコ−ティングされる膜厚に換算して、通常
10μm以下、好ましくは6μm以下となるように調整
され、また、被覆回数が過多となり、工業的に不利とな
ることを避ける点から、通常1μm以上、好ましくは2
μm以上となるように調整される。
【0020】(5)の工程においては、通常、(4)の
工程で未硬化ウレタン樹脂が被覆された粒状肥料をその
まま転動状態で維持し、未硬化ウレタン樹脂を硬化させ
る。ここで言う硬化とは、一般にいう完全硬化である必
要はなく、未硬化ウレタン樹脂がゲル化点を過ぎ、曳糸
性がなくなった状態をいう。そのような状態になれば、
その後はウレタン樹脂の粘着性に伴って粒子同士が凝集
し、解砕不能となることはないので、これに次の未硬化
ウレタン樹脂を添加し、(2)〜(5)の工程を繰り返
すことが可能である。この目的を達成できる範囲であれ
ば、ウレタン樹脂成分を肥料に間欠的に添加しても連続
的に添加しても良い。
【0021】本発明の粒状被覆肥料の製造方法は、上記
工程を複数回(例えば10〜12回程度)繰り返すこと
で高吸水性樹脂を全量、被膜内に取り込み、被覆欠陥の
ない粒状肥料を得ることができる。最終層までコ−トさ
れた被覆肥料は、必要に応じて樹脂の完全硬化のため、
所定の硬化温度で十分維持される工程を含んでいても良
い。また、肥料の固結防止や施肥した際の浮上防止のた
めに、該被覆肥料表面にクレイ等の無機微粉を添加する
ことにより付着させることも有用な技術である。
【0022】本発明の粒状被覆肥料は、常温で用いるこ
とができることは勿論のこと、比較的低温な地域や秋か
ら春にかけての比較的低温な季節に使用することができ
る。特に低温でコンスタントに短期間に肥料成分を溶出
させることができる。また、海水中の海苔養殖用の肥料
としても使用できる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。粒状被覆肥料の評価方法を以下に示す。 1.ゲルタイム(熱硬化温度)はJISのK 5909
に準じて測定。 2.高吸水性物質のみ被覆された微粒物の有無の確認 コート装置から被覆肥料を取り出した後の残留物の重量
確認取り出した被覆肥料7.5gを水100gに入れ1
週間放置、吸水した浮遊物を確認。 3.溶出測定 肥料溶出の評価は農林水産省環境技術研究所提案の方法
(例えば「詳解肥料分析法」越野正義 編著、1988
年)に則り実施した。具体的には、被検体試料をサンプ
ル瓶に7.50g計り取り水100mlを加えた後、2
5℃、15℃で保存して、所定時間経過後、0.5ml
分取し、発色用試薬で発色させ、分光光度計にて水中の
尿素肥料濃度を追跡して被覆肥料外部への肥料の溶出量
を測定して溶出状況を確認する。
【0024】実施例1 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動式コート装置に仕込み、
20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にし
た。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70〜
75℃に維持し、転動状態を維持させた。送風を停止
し、高吸水性物質[住友精化(株)製、商品名アクアキ
ープ10SH−P(平均粒度;200〜300μm)]
15gを肥料に速やかに添加し、5分間転動状態を維持
し、分散させた。次いで被覆樹脂として、ポリメリック
MDI[住友バイエルウレタン(株)製、商品名:スミ
ジュ−ル44V10]を11.8g、分岐ポリエ−テル
型ポリオ−ル[住友バイエルウレタン(株)製、商品
名:スミフェンTM]を13.1g、及びアミン触媒と
して2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノ−ルを0.3gを攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹
脂組成物を、速やかに転動状態にある該粒状尿素に添加
した。該未硬化ウレタン樹脂組成物は室温において液状
であった。
【0025】なお、本実施例で用いた未硬化ウレタン樹
脂のゲルタイムは65℃において2分30秒であった。
また、投入した樹脂量は、仕込み肥料に対して0.5重
量%であり、該粒径の肥料を被覆した場合、コ−ト樹脂
の膜厚は約3.1μmとなる。目視観察では、投入した
樹脂は約30秒でほぼ均一に粒状肥料表面をコ−トする
ことが確認された。樹脂投入後3分後に試料の一部を取
り出したところ、樹脂は殆ど粘着性を失った状態であっ
た。3分毎に上記工程を3回繰り返した後、送風を再開
し、その後、上記工程を17回繰り返し、肥料に対して
10重量%被覆を行った。最終的に該樹脂被覆した粒状
肥料を70℃〜75℃で3分維持し、樹脂を完全硬化す
ることでウレタン樹脂被覆した粒状肥料を作成した。被
覆粒状肥料を取り出したコート装置内からは、アクアキ
ープを被覆した微粒物は得られず、また、水中での浮遊
物の確認試験でも、浮遊物はほとんど無かった。
【0026】実施例2〜13 使用するウレタン樹脂量、使用する吸水性物質の種類を
表1、2、3に記載のものとした以外は、実施例1と同
様の操作でサンプルを作製した。実施例4、7、10、
13につきコート装置内に高吸水性物質を被覆した微粒
物の存在を確認したが無かった。また、実施例2〜13
の被覆粒状肥料の水中での浮遊物の確認試験の結果、浮
遊物はほとんど無かった。これらの25℃と15℃の水
中での、尿素肥料の溶出割合の経時変化を追跡した。肥
料溶出挙動を表1、2、3に示す。なお、表1、2、3
中、使用樹脂量(肥料に対する重量%)とは、尿素肥料
重量に対するウレタン樹脂重量%を、使用高吸水性樹脂
量(肥料に対する重量%)とは、尿素肥料重量に対する
高吸水性樹脂重量%示す。使用した高吸水性物質はアク
リル酸塩系重合体[住友精化(株)製、商品名アクアキ
ープ10SH−P(平均粒度;前記と同じ)、商品名ア
クアキープ10SH(平均粒度;200〜300μ
m)、アクアキープ10SH−NF(平均粒度;20〜
30μm)]、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体
[住友化学工業(株)製、商品名スミカゲルSP−51
0(平均粒度10μm)]である。
【0027】ここで、アクアキープ10SH及びアクア
キープ10SH−Pの平均粒度は、篩別により、850
μm〜500μm、500μm〜250μm、250μ
m〜180μm、180μm〜150μm、150μm
〜106μm、106μm〜75μm及び75μm〜0
μmに分取し、加重平均を測定したものである。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】比較例1 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動式コート装置に仕込み、
20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にし
た。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70〜
75℃に維持し、転動状態を維持させた。次いで被覆樹
脂として、ポリメリックMDI[住友バイエルウレタン
(株)製、商品名:スミジュ−ル44V10]を11.
8g、分岐ポリエ−テル型ポリオ−ル(住友バイエルウ
レタン製、商品名:スミフェンTM)を13.1g、高
吸水性物質[住友精化(株)製、商品名アクアキープ1
0SH(平均粒度;前記と同じ)]を1.25g、及び
アミン触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノ−ルを0.3gと攪拌混合して得た未硬
化ウレタン樹脂組成物を、速やかに転動状態にある該粒
状尿素に添加した。3分毎に上記工程を合計20回繰り
返し、肥料に対してウレタン樹脂10重量%被覆を行っ
た。また、高吸水性物質の使用総量は、肥料成分100
部に対して0.5部25gである。最終的に該樹脂被覆
した粒状肥料を70℃〜75℃で3分維持し、樹脂を完
全硬化することでウレタン樹脂被覆した粒状肥料を作成
した。被覆粒状肥料の取り出し後、コート装置内のアク
アキープのウレタン被覆微粒物を確認したところ、4.
0gあり、ロスが非常に多かった。また、水中での浮遊
物の確認試験を行なった結果、膨潤した浮遊物が多量に
確認された。
【0032】
【発明の効果】本発明の粒状被覆肥料は、高吸水性樹脂
をロスなく使用して高吸水性樹脂由来の微粒物の生成を
抑え、かつ、水中に入れた時に浮遊物が少なく、常温か
ら低温でコンスタントに短期間に溶出し、溶出時期を精
密に制御させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 和久 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4G004 BA00 4H061 AA02 DD01 DD04 DD20 EE35 EE37 EE45 EE62 EE63 FF08 GG70 HH03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状肥料に高吸水性物質を添加後、ウレタ
    ン樹脂からなる少なくとも1層の被膜で被覆させること
    を特徴とする粒状被覆肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】下記(1)〜(5)の工程を備える請求項
    1に記載の方法。 (1)粒状肥料に高級水性物質を添加する工程 (2)高吸水性物質を添加した粒状肥料を転動状態にす
    る工程 (3)該転動状態にある粒状肥料に層厚が1〜10μm
    になる量の液状の未硬化ウレタン樹脂を添加する工程 (4)該粒状肥料の転動状態を維持し、各肥料粒子表面
    を該未硬化ウレタン樹脂で被覆する工程 (5)該粒状肥料の転動状態を維持し、該ウレタン樹脂
    を熱硬化させる工程
  3. 【請求項3】(2)〜(5)の工程をこの順に2回また
    はそれ以上繰り返す請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】高吸水性物質が、アクリル酸塩系重合体、
    アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、イソブチレン
    系重合体、エチレンオキサイド重合体、プロピレンオキ
    サイド重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサ
    イド共重合体、ポリエチレンオキサイド変性樹脂、澱粉
    グラフト重合体、澱粉、カルボキシメチルセルロース、
    カルボキシメチルセルロース金属塩、ポリビニルアルコ
    ールまたはベントナイトである請求項1〜3のいずれか
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の方法で製
    造される粒状被覆肥料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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