JP2005037927A - 光学積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明樹脂からなる基材フィルムの表面に、少なくともハードコート層及び低屈折率層を、この順に積層してなる光学積層フィルムであって、低屈折率層の屈折率が1.35以下であり、波長550nmにおける反射率が0.8%以下で、かつ波長430〜700nmにおける反射率が1.2%以下である光学積層フィルム。
Description
多層膜の反射防止膜を基材フィルム表面に被覆する方法としては、透明基材フィルム上に相対的に高屈折率を有する膜と相対的に低屈折率を有する膜とをこの順に積層する方法や、前記積層方法で相対的に高屈折率と低屈折率を有する膜を多数積層して多層膜を得る方法(例えば、特許文献1を参照)がある。
基材フィルム表面に膜を被覆する方法としては、ゾルゲル法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相析出(CVD)法などが広く用いられている。
また、単層の反射防止膜を基材フィルム表面に被覆して基材フィルム表面の反射率を低減する方法としては、基材フィルム表面に、該基材の屈折率よりも屈折率の低い膜を作成する方法が知られている。
その中には、ガラス上にゾルゲル法で多成分の金属酸化物膜を形成し、次いで多成分の金属酸化物膜を加熱処理により分相させ、その後、分相した金属酸化物膜を弗化水素酸でエッチングして各相のエッチング速度の差を利用して多孔質化する方法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
さらに、反射防止膜を2層以上の多層膜から構成する場合には、膜のコーティング回数が2回以上必要となるために製造コストを下げることが難しく、また多層膜の膜厚の制御において問題があった。
しかしながら、上記の従来技術は、その製造工程の中に高温プロセスを含むため、樹脂基材に反射防止膜を形成する方法として適当でない。さらに、これらの方法では、一旦金属酸化膜を形成した後、加熱処理とエッチング処理を施したり、一旦金属酸化物膜を形成した後、ガスとの化学反応処理を施したりする必要があり、製造コストを下げることが難しい。
しかしながら、該公報に記載されている低反射樹脂基材を特に液晶表示装置に使用すると、視認性(例えば、輝度)が悪くなったり、明暗表示のコントラストが悪くなったりすることがある。そこで更なる改善が求められている。
(1)透明樹脂を含んでなる基材フィルムの表面に、少なくともハードコート層及び低屈折率層を、この順に積層してなる光学積層フィルムであって、低屈折率層の屈折率が1.35以下であり、波長550nmにおける反射率が0.8%以下で、かつ波長430〜700nmにおける反射率が1.2%以下である光学積層フィルム、
(2)前記透明樹脂からなる基材フィルムのダイラインの深さ又は高さが0.1μm以下である前記(1)記載の光学積層フィルム、
(3)前記低屈折率層がエアロゲルからなる層である前記(1)又は(2)記載の光学積層フィルム、
(4)透明樹脂が、脂環式構造を有する重合体樹脂、セルロース樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる樹脂である前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の光学積層フィルム、
(5)光学部材の反射防止性保護フィルムである前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の光学積層フィルム、
(6)偏光板保護フィルムである前記(5)に記載の光学積層フィルム、
(7)前記(6)に記載の偏光板保護フィルムの基材フィルムの低屈折率層が設けられている面の反対側の面に、偏光膜が積層されてなることを特徴とする反射防止機能付偏光板、
及び
(8)前記(7)に記載の反射防止機能付偏光板を備えることを特徴とする光学製品がそれぞれ提供される。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加型共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体水素添加物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体樹脂は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体から選ばれる。
また、基材フィルムの膜厚変動が、基材フィルム全幅にわたって膜厚変動が前記膜厚の3%以内であることが好ましい。基材フィルムの膜厚変動が前記範囲にあることにより、ハードコート層の密着性及びその上に積層する低屈折率層の表面平滑性を向上させることができる。
ダイラインは、非接触式の3次元表面形状・粗さ測定機を用いて測定することができる。
揮発性成分は、基材フィルムに微量含まれる分子量200以下の物質であり、例えば、残留単量体や溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、透明樹脂に含まれる分子量200以下の物質の合計として、基材フィルムをガスクロマトグラフィーにより分析することにより定量することができる。
基材フィルムの飽和吸水率は、ASTM D530に従い、23℃で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求めることができる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。
薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後充分に水で洗浄すればよい。浸漬した状態で振盪すると効果的であるが、長期間処理すると表面が溶解したり、透明性が低下したりするといった問題があり、用いる薬品の反応性、濃度などに応じて、処理時間などを調整する必要がある。
基材フィルムを成形する方法として、Tダイを用いる方法を採用する場合、Tダイを有する押出機における透明樹脂の溶融温度は、透明樹脂のガラス転移温度よりも80〜180℃高い温度にすることが好ましく、ガラス転移温度よりも100〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機における溶融温度が過度に低いと透明樹脂の流動性が不足するおそれがあり、逆に溶融温度が過度に高いと樹脂が劣化する可能性がある。
このようなダイスは、表面硬度が高く、樹脂との摩擦が小さいため、得られる基材フィルムに、焼けゴミなどが混入することを防止することができると共に、ダイラインを0.1μm以下にすることができる。
さらに表面精度の良いダイスを用いることにより、厚みむらを小さくすることが可能である。表面の微視的凹凸に関する表面粗さは、「平均高さRa」によって表すことができ、ダイス内面特にダイリップの先端部の平均高さRaが好ましくは0.2μm以下、より好ましくはRaが0.1μm以下である。
平均高さRaとは、JIS B 0601−2001によって定義される「算術平均高さRa」と同様のものであり、具体的には、測定曲線をカットオフ値0.8mmで位相補償型高域フィルターを通して粗さ曲線を求め、この粗さ曲線からその平均線の方向に一定の基準長さを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から粗さ曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均することにより求められる。
例えば、有機系シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系等の有機ハードコート材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材料;等が挙げられる。なかでも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系、多官能アクリレート系ハードコート材料の使用が好ましい。
本発明においては、使用するハードコート層の屈折率が、1.5以上であることが好ましく、1.53以上であることがさらに好ましく、1.55以上であることが特に好ましい。前記ハードコート層の屈折率が前記範囲であることにより、広帯域における反射防止性能に優れ、ハードコート層の上に積層する低屈折率層の設計が容易となり、耐擦傷性に優れる光学積層フィルムを得ることができる。
ハードコート層には、所望により、ハードコート層の屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、耐熱性、帯電防止性、防眩性などの向上を図る目的で、例えばシリカ、アルミナ、水和アルミナ等の各種フィラーを添加してもよい。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することもできる。
ハードコート層にフィラーを含有させる場合において、屈折率や帯電防止性を調整する場合には、各種フィラーの中でもハードコート層の屈折率や帯電防止性を容易に調整可能であるという点で、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、5酸化アンチモン、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化錫(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)が好ましく、透明性を維持できるという点から5酸化アンチモン、ITO、IZO、ATO、FTOがさらに好ましい。フィラーの大きさは、一次粒子径が1nm以上であり、且つ100nm以下、好ましくは30nm以下である。
ハードコート層にフィラーを含有させる場合において、防眩性を付与する場合には、各種フィラーの中でも、平均粒径が0.5〜10μmのものが好ましく、1〜7μmのものがより好ましい。防眩性を付与するフィラーの具体例としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂の樹脂フィラー;または酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化錫、酸化ジルコニウム、ITO、フッ化マグネシウム、酸化ケイ素等の無機フィラーが挙げられる。
ハードコート層の厚さは、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは3〜15μmである。ハードコート層の厚さが薄すぎると、その上に形成する各層の硬度を維持できなくなり、また逆に厚すぎると光学積層フィルム全体の柔軟性が低下し、硬化に時間がかかり生産効率の低下を招くおそれがある。
エアロゲルは、マトリックス中に微小な気泡が分散した透明性多孔質体である。気泡の大きさは大部分が200nm以下であり、気泡の含有量は通常10体積%以上60体積%以下、好ましくは20体積%以上40体積%以下である。
微小な気泡が分散したエアロゲルの具体例としては、シリカエアロゲル、中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体が挙げられる。
シリカエアロゲルは、米国特許第4402927号公報、米国特許第4432956号公報、米国特許第4610863号公報等に開示されているように、アルコキシシランの加水分解重合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコールあるいは二酸化炭素等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥することによって製造することができる。超臨界乾燥は、例えばゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、ゲル状化合物が含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することによって、行うことができる。また、シリカエアロゲルは、米国特許第5137279号公報、米国特許5124364号公報等に開示されているように、ケイ酸ナトリウムを原料として、上記と同様にして製造しても良い。
低屈折率層がシリカアエロゲルである場合の、形成方法は特に制限されず、例えば、ハードコート層の上に前記ゲル状化合物を公知の塗工方法により塗工して、前記の超臨界乾燥を行って形成する方法が挙げられる。また、超臨界乾燥前又は超臨界乾燥中に疎水化処理を行ってもよい。超臨界乾燥は、例えば前記ゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、該ゲル状化合物を含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥を行うことによって行うことができる。
バインダー樹脂としては中空微粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度等の条件に適合する樹脂等から選択して用いることができ、例えば従来から用いられているポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂、これら樹脂の混合物、さらにはこれら樹脂の共重合体や変性体などの塗料用樹脂、またはアルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物・およびその加水分解物等が挙げられる。
これらの中でも微粒子の分散性、多孔質体の強度からアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アルコキシシラン等の加水分解性有機珪素化合物・およびその加水分解物が好ましい。
本発明において、低屈折率層として中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体を用いる場合には、低屈折率層の反射特性や防汚性を向上させることから、上記樹脂にフッ素樹脂を混合してもよい。
フッ素樹脂は結晶による光の散乱が実質的にない非晶性の含フッ素重合体であれば何ら限定されないが、中でもテトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン=37〜48重量%/15〜35重量%/26〜44重量%の3元共重合体などの非晶性のフルオロオレフィン系共重合体、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が機械的特性に優れるため好ましい。
(a)式(1):SiX4で表される化合物。
(b)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物。
(c)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物。
これらの中でも、前記式(1)で表される化合物としては、式(2):RaSiY4-a〔式中、Rは置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表し、aは0〜2の整数を表し、aが2のとき、Rは同一であっても相異なっていてもよい。Yは加水分解性基を表し、Yは同一であっても相異なっていてもよい。〕で表されるケイ素化合物が好ましい。
加水分解性基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基などのアシルオキシ基;オキシム基(-O-N=C-R'(R''))、エノキシ基(-O-C(R')=C(R'')R''')、アミノ基、アミノキシ基(-O-N(R')R'')、アミド基(-N(R’)-C(=O)-R'')等が挙げられる。これらの基において、R'、R''、R'''は、それぞれ独立して水素原子又は一価の炭化水素基を表す。これらの中でも、Yとしては、入手容易性などからアルコキシ基が好ましい。
用いる酸触媒としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラー;を挙げることができる。これらの酸触媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記酸触媒の代わりに、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、アンモニア水、アミン類の水溶液等の塩基触媒を用いてもよい。
無機化合物としては、無機酸化物が一般的である。無機酸化物としては、SiO2、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、Ce2O3、P2O5、Sb2O3、MoO3、ZnO2、WO3等の1種又は2種以上を挙げることができる。2種以上の無機酸化物として、TiO2-Al2O3、TiO2-ZrO2、In2O3-SnO2、Sb2O3-SnO2を例示することができる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、空洞には無機中空微粒子を調製するときに使用した溶媒及び/又は乾燥時に浸入する気体が存在してもよいし、後述する空洞を形成するための前駆体物質が空洞に残存していてもよい。
前駆体物質は、外殻によって包囲された核粒子から核粒子の構成成分の一部を除去した後に残存する多孔質物質である。核粒子には、種類の異なる無機酸化物からなる多孔質の複合酸化物粒子を用いる。前駆体物質は、外殻に付着してわずかに残存していることもあるし、空洞内の大部分を占めることもある。
なお、この多孔質物質の細孔内にも上記溶媒あるいは気体が存在してもよい。このときの核粒子の構成成分の除去量が多くなると空洞の容積が増大し、屈折率の低い無機中空微粒子が得られ、この無機中空微粒子を配合して得られる透明被膜は低屈折率で反射防止性能に優れる。
本発明において、低屈折率層の厚さは、10〜1000nm、好ましくは30〜500nmである。
なかでも、主鎖に炭化水素骨格及び/又はポリブタジエン骨格を有する樹脂の変性物及び環化ゴムの変性物が好ましい。
プライマー層の厚みは特に制限されないが、通常0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
防汚層を構成する材料としては、低屈折率層の機能が阻害されず、防汚層としての要求性能が満たされる限り特に制限はない。通常、疎水基を有する化合物を好ましく使用できる。具体的な例としてはパーフルオロアルキルシラン化合物、パーフルオロポリエーテルシラン化合物、フッ素含有シリコーン化合物を使用することができる。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、例えば、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法、CVD等の化学的気相成長法、湿式コーティング法等を用いることができる。防汚層の厚みは特に制限はないが、通常20nm以下が好ましく、1〜10nmであるのがより好ましい。
反射防止性保護フィルムは、一般に液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、EL素子、陰極管表示装置などの画像表示装置やタッチパネル等の光学装置において、外光の反射によるコントラストの低下や像の映り込みを防止するために用いられている。これらの反射防止性保護フィルムは、通常各光学装置における視認側最上層に形成されている光学部材の反射防止性保護フィルムとして設けられることが多い。
本発明においては、用いる偏光膜として、偏光度が99.9%以上のものが好ましく、99.95%以上であることがさらに好ましい。偏光膜の偏光度が前記範囲であることにより、反射によるコントラストの低下がなく、液晶表示を黒表示にしたときの再現性に優れる。偏光度は、2枚の偏光膜を偏光軸が平行になるように重ね合わせた場合の透過率(H0)と、直交に重ね合わせた場合の透過率(H90)それぞれを、JIS Z8701の2度視野(C光源)により、分光光度計を用いて測定し、これらを用いて以下の式から求めることができる。なお、前記H0及びH90は、視感度補正したY値である。
偏光度(%)=[(H0−H90)/(H0+H90)]1/2×100
偏光膜の製造方法は特に限定されない。PVA系の偏光膜を製造する方法としては、PVA系フィルムにヨウ素イオンを吸着させた後に一軸に延伸する方法、PVA系フィルムを一軸に延伸した後にヨウ素イオンを吸着させる方法、PVA系フィルムへのヨウ素イオン吸着と一軸延伸とを同時に行う方法、PVA系フィルムを二色性染料で染色した後に一軸に延伸する方法、PVA系フィルムを一軸に延伸した後に二色性染料で吸着する方法、PVA系フィルムへの二色性染料での染色と一軸延伸とを同時に行う方法が挙げられる。また、ポリエン系の偏光膜を製造する方法としては、PVA系フィルムを一軸に延伸した後に脱水触媒存在下で加熱・脱水する方法、ポリ塩化ビニル系フィルムを一軸に延伸した後に脱塩酸触媒存在下で加熱・脱水する方法等の公知の方法が挙げられる。
基材フィルムと偏光膜との積層は、接着剤や粘着剤等の適宜な接着手段を用いて貼り合わせることができる。接着剤又は粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性等の観点から、アクリル系のものが好ましい。
また、図3に示す液晶表示素子は、印加電圧が低い時に明表示、高い時に暗表示であるノーマリーホワイトモードでも、印加電圧が低い時に暗表示、高い時に明表示であるノーマリーブラックモードでも用いることができる。
この液晶表示素子を用いて液晶表示装置を形成するには、他の部材、例えば、輝度向上フィルム、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、導光板、光拡散板、バックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置すればよい。また、これらの配置方法は従来の液晶表示装置の配置方法で行えばよい。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)基材フィルムの膜厚(基準膜厚、膜厚変動値)
フィルムを長さ方向に100mm毎に切り出し、その切り出したフィルムについて、接触式ウェブ厚さ計(明産社製、RC−101)を用いて、フィルムの幅方向に0.48mm毎に測定し、その測定値の算術平均値を基準膜厚T(μm)とする。膜厚変動は、前記測定した膜厚の内最大値をTMAX(μm)、最小値をTMIN(μm)として以下の式から算出する。
膜厚変動(%)=(TMAX−TMIN)/T×100
(2)基材フィルムのダイラインの深さ又は高さ
非接触3次元表面形状・粗さ測定機(ザイゴ社製)を用いて、横5.6mm×縦4.4mmの視野で、縦を480分割、横を640分割して640×480升目で観察する。
(3)基材フィルムの揮発性成分の含有量
基材フィルム200mgを、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去した内径4mmのガラスチューブの試料容器に入れる。次に、その容器を温度100℃で60分間加熱し、容器から出てきた気体を連続的に捕集する。そして、捕集した気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計(TDS-GC-MS)で分析し、その中で分子量200以下の成分の合計量を残留揮発性成分として測定する。
(4)基材フィルムの飽和吸水率
ASTM D530に従い、23℃で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求める。
(5)ハードコート層及び低屈折率層の屈折率
高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、M−2000U)を用いて、測定波長245〜1000nm、入射角55°、60°及び65°で測定し、その測定値を元に算出した値を屈折率とする。
(6)偏光膜の偏光度
2枚の偏光膜を偏光軸が平行になるように重ね合わせた場合の透過率(H0)と、直交に重ね合わせた場合の透過率(H90)を、JIS Z8701の2度視野(C光源)により、分光光度計を用いて測定し、以下の式から偏光度を求める。なお、前記H0及びH90は、視感度補正したY値である。
偏光度(%)=[(H0−H90)/(H0+H90)]1/2×100
(6)反射率
分光光度計(日本分光社製:「紫外可視近赤外分光光度計 V−570」)を用い、入射角5°にて反射スペクトルを測定し、波長430〜700nmにおける反射率を求め、波長550nmにおける反射率と、波長430〜700nmにおける反射率の最大値を波長430〜700nmにおける反射率とする。
得られた反射防止機能付偏光板を適当な大きさ(10インチ四方)に切り出し、低屈折率層を形成させたほうの面を上面にして、図3に示すように液晶表示素子に組み込んで液晶表示素子を作製する。次いで、市販のライトボックス(商品名:ライトビュア-7000PRO、ハクバ写真産業社製)の上に、前記液晶表示素子をのせて簡易液晶パネルを作製し、液晶表示素子の表示を黒にして、正面よりパネルを目視にて観察し、以下の3段階で評価を行う。
○:グレア(視野内で過度に輝度が高い点や面が見えることによっておきる不快感や見にくさのことで、光源から直接又は間接に受けるギラギラしたまぶしさなどのことをいう)や映りこみがまったくない。
△:グレアや映りこみが少し見られる。
×:グレアや映りこみが画面全面で見られる。
なお、図3に示す液晶表示素子は、液晶セル93の片面に反射防止機能付偏光板81、他面に位相差板92を介して下側偏光板91を積層することにより構成される。液晶セル93は、透明電極94を備えた電極基板95の透明電極94面に配向膜を形成した後、その透明電極94を備えた電極基板95を2枚それぞれの透明電極94が対向する状態で所定の間隔をあけて配置すると共に、その間隙に液晶96を封入することにより作製される。97はシールである。この液晶表示素子は、プラスチックの額縁に固定することによって保持される。
反射防止機能付偏光板81は、偏光膜71に接着剤又は粘着剤からなる層61を介して、偏光膜の上側に光学積層フィルム50が積層されている。
前記(7)で作成した簡易液晶表示パネルを暗室に設置し、暗表示の時と明表示の時の正面から5°の位置における輝度を色彩輝度計(トプコン社製、色彩輝度計BM−7)を用いて測定する。そして、明表示の輝度と暗表示の輝度の比(=明表示の輝度/暗表示の輝度)を計算し、これをコントラストとする。コントラストが大きいほど、視認性に優れる。
偏光板のハードコート層及び低屈折率が積層されている方の面にスチールウール♯0000をあて、スチールウールに荷重0.05MPaをかけた状態で10往復させ、10往復させたあとの偏光板の表面状態を目視で観察する。傷のまったくないものを○、弱い傷がわずかに見られるものを△、明らかに傷が認められるものを×とする。
ノルボルネン系重合体(製品名「ZEONOR 1420R」、日本ゼオン社製;ガラス転移温度136℃、飽和吸水率0.01重量%未満)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて110℃で、4時間乾燥した。そしてこのペレットを、リーフディスク形状のポリマーフィルター(濾過精度30μm)を設置したダイリップの先端部にクロムめっきを施した平均表面高さRa=0.05μmのリップ幅650mmのコートハンガータイプのTダイを有する短軸押出機を用いて、260℃で溶融押出して600mm幅の基材フィルムを得た。得られた基材フィルムの揮発性成分の含有量は0.01重量%以下、飽和吸水率は0.01重量%以下であった。また、この基材フィルム1Aの基準膜厚は40μm、膜厚変動は2.3%、ダイラインの深さは0.028μmであった。
5酸化アンチモンの変性アルコールゾル(固形分濃度30%、触媒化成社製)100重量部に、紫外線硬化型ウレタンアクリレート(商品名:紫光UV7000B、日本合成化学社製)10重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュアー184、チバガイギー社製)0.4重量部を混合し、紫外線硬化型のハードコート剤1を得た。
アクリル系紫外線硬化型組成物(日本化薬社製、商品名「KAYANOVAFOP-5000」)30部をホモジナイザーで混合して紫外線硬化性樹脂組成物からなるハードコート剤2を得た。
ポリメチルメタクリレート(三菱レーヨン社製、アクリペットVH)32部、メチルエチルケトン4900部をポリメチルメタクリレートを溶解するまでよく混合した後、TiO2微粒子(シーアイ化成製、NanoTek TiO2(ルチル)、トルエンスラリー15%)68部を加え、ディスパーでよく混合し高屈折率層用組成物を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器にメチルメタクリレート90部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、キシレン130部を加え混合した後、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解したものを30分間かけて滴下し、さらに80℃で5時間反応させて固形分濃度50%のシリル基含有ビニル樹脂溶液を得た。このシリル基含有ビニル系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量は12000であり、ポリマー1分子あたり平均6個のシリル基を含有していることが推定された。
次に還流冷却器を備えた反応器、メチルトリメトキシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン10部、上記シリル基含有ビニル樹脂溶液50部、アルミニウムトリス(エチル)アセトアセテート10部、イソプロピルアルコール30部を加え混合した後、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させた後、室温まで冷却し、アセチルアセトン7部を添加し低屈折率層用塗布液1を得た。
テトラエトキシシラン208部にメタノール356部を加え、さらに水18部および、0.01Nの塩酸18部を混合し、これをディスパーを用いてよく混合した。この混合液を25℃恒温漕中で2時間攪拌して、重量平均分子量を850に調整することにより、4官能シリコーンレジンを得た。次にこの4官能シリコーンレジンに、中空シリカ微粒子成分として中空シリカイソプロパノール(IPA)分散ゾル(固形分20質量%、平均1次粒子径約35nm、外殻厚み約8nm、触媒化成工業製)を用い、中空シリカ微粒子/4官能シリコーンレジン(縮合化合物換算)が固形分基準で質量比が85/25となるように添加し、その後、全固形分が10質量%になるようにメタノールで希釈して、低屈折率層用塗布液2を得た。
テトラメトキシシランのオリゴマー(商品名:メチルシリケート511、コルコート社製)とメタノールを、重量比で47:75となるように混合してA液を調製した。次いで、水、アンモニア水(アンモニア28重量%)、メタノールを重量比で60:1.2:97.2で混合してB液を調製した。そして、A液とB液を16:17の重量比で混合して低屈折率層用塗布液3を得た。
厚さ45μmのPVAフィルム(重合度2400、ケン化度99.9%)を純粋中で膨潤させてから、ヨウ素1重量%とヨウ化カリウム3重量%の混合水溶液に浸漬し、前記PVAフィルムを染色した。次いで、このフィルムを4.5重量%ホウ酸水溶液に浸漬し、長手方向に5.3倍延伸し、続いて5重量%ホウ砂水溶液に浸漬し、長手方向における総延伸倍率が5.5倍となるように延伸した。延伸後、フィルム表面の水分を取り除き、50℃で乾燥して偏光膜を調製した。この偏光膜の厚さは18μm、偏光度は99.95%であった。
製造例1で得られた基材フィルム1Aの両面に、高周波発振機(コロナジェネレーターHV05−2、Tamtec社製)を用いて、出力電圧100%、出力250Wで、直径1.2mmのワイヤー電極で、電極長240mm、ワーク電極間1.5mmの条件で3秒間コロナ放電処理を行い、表面張力が0.072N/mになるように表面改質した基材フィルム1Bを得た。
基材フィルム1Bの片面に、製造例2で得られたハードコート剤1を硬化後のハードコート層の膜厚が5μmになるように、ダイコーターを用いて連続的に塗布した。次いで、これを80℃で5分間乾燥させた後、紫外線照射(積算光量300mJ/cm2)を行うことにより、ハードコート剤を硬化させ、ハードコート層積層フィルム1Cを得た。硬化後のハードコート層の膜厚は5μm、屈折率は1.62、表面粗さは0.2μmであった。
実施例1で得られたハードコート層積層フィルム1Cをスピンコーターの回転室に入れ、このフィルム1Cの上に製造例7で得られた低屈折率層用塗布液3を混合を開始して1分経過した後で、回転数700rpmの条件でスピンコーティングを10秒間行って、ゲル状の薄膜を形成させた。なお、スピンコーターの回転室は予めメタノール雰囲気になるようにしておいた。
次に、このゲル状の薄膜を、5分間、水と28%アンモニア水とメタノールを質量比で162:4:640で混合した組成の養生溶液中に浸漬し、室温で1昼夜養生した。さらにこのように養生したゲル状の薄膜をヘキサメチルジシラザンの10%イソプロパノール溶液中に浸漬し、疎水化処理を行った。
次に、このように疎水化処理をしたゲル状の薄膜をイソプロパノール中へ浸漬して洗浄した後、高圧容器中に入れ、高圧容器内を液化炭酸ガスで満たし、80℃、16MPa、2時間の条件で超臨界乾燥を行うことにより、積層フィルム1Cの上に膜厚100nmのシリカエアロゲル薄膜(低屈折率層)が形成された光学積層フィルム2Dを得た。このシリカエアロゲル薄膜(低屈折率層)の屈折率は1.34であった。
光学積層フィルムとして、光学積層フィルム1Dのかわりに光学積層フィルム2Dを用いた他は、実施例1と同様にして偏光膜及び基材フィルム1Aを貼り合せることにより反射防止機能付偏光板2Eを得た。そして、この偏光板2Eを用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
ハードコート剤としてハードコート剤1のかわりに製造例3で得られたハードコート剤2を用いた他は、実施例1と同様にしてハードコート層を形成させることにより、光学積層フィルム3Dを得た。このときのハードコート層の膜厚は5μm、屈折率は1.53、表面粗さは0.2μmであった。
次いで、光学積層フィルムとして、光学積層フィルム1Dのかわりに光学積層フィルム3Dを用いた他は、実施例1と同様にして偏光膜及び基材フィルム1Aを貼り合せることにより反射防止機能付偏光板3Eを得た。この偏光板3Eを用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
ハードコート剤としてハードコート剤1のかわりに製造例3で得られたハードコート剤2を用いた他は、実施例1と同様にしてハードコート層を形成させることによりハードコート層積層フィルム4Cを得た。ハードコート層の膜厚は5μm、屈折率は1.53、表面粗さは0.2μmであった。
次いで、このハードコート層積層フィルム4Cの上に、低屈折率層用塗布液として製造例7で得られた低屈折率層用塗布液3を用いた他は、実施例2と同様にして低屈折率層を形成させることにより光学積層フィルム4Dを得た。この低屈折率層の屈折率は1.34であった。
次いで、光学積層フィルムとして光学積層フィルム1Dのかわりに光学積層フィルム4Dを用いた他は、実施例1と同様にして偏光膜及び基材フィルム1Aを貼り合せることにより反射防止機能付偏光板4Eを得た。この偏光板4Eを用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
基材フィルムとして、基材フィルム1Aのかわりにポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、商品名「コスモシャイン A4300」、厚さ50μm、飽和吸水率0.3重量%、以下「基材フィルム2A」と記す。)を用いた他は、実施例1と同様にしてハードコート層及び低屈折率層を形成させることにより、光学積層フィルム5Dを得た。
次いで、光学積層フィルムとして光学積層フィルム1Dのかわりに光学積層フィルム5Dを用いた他は、実施例1と同様にして偏光膜及び基材フィルム1Aを貼り合せることにより反射防止機能付偏光板5Eを得た。この偏光板5Eを用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
基材フィルムとして、基材フィルム1Aのかわりに、トリアセチルセルロースフィルムを用いた偏光板(ポラテクノ社製、商品名「スーパーハイコントラスト偏光板 SKN−18243T」、偏光度99.993%、以下「基材フィルム3A」と記す)を用いた他は、実施例1と同様にして、ハードコート層及び低屈折率層を形成させることにより、光学積層フィルム6Dを得た。この光学積層フィルム6Dは偏光膜及び保護フィルムが積層されているので、これをそのまま反射防止機能付偏光板として用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
表面改質した基材フィルム1Bの片面に、ハードコート剤としてハードコート剤1のかわりに製造例3で得られたハードコート剤2を用いた他は実施例1と同様の操作でハードコート層を形成させることによりハードコート層積層フィルム7Cを得た。ハードコート層の膜厚は5μm、屈折率は1.53、表面粗さは0.2μmであった。
このハードコート層積層フィルム7Cをスピンコーターの回転室に入れ、このフィルム7Cの上に製造例7で得られた低屈折率層用塗布液3を混合開始後1分を経過した後で、回転数700rpmの条件でスピンコーティングを10秒間行って、ゲル状の薄膜を形成させた。なお、スピンコーターの回転室は予めメタノール雰囲気になるようにしておいた。
次に、このゲル状の薄膜を形成させた積層フィルム7Cをギヤオーブン中で、120℃で10分間熱処理を行うことにより、光学積層フィルム7Dを得た。光学積層フィルム7Dの低屈折率層の屈折率は1.39であった。
次いで、光学積層フィルムとして光学積層フィルム1Dのかわりに光学積層フィルム7Dを用いた他は、実施例1と同様にして実施例1と同様にして偏光膜及び基材フィルム1Aを貼り合せることにより反射防止機能付偏光板7Eを得た。この偏光板7Eを用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
表面改質した基材フィルム1Bの片面に、ハードコート剤としてハードコート剤1のかわりに製造例3で得られたハードコート剤2を用いた他は実施例1と同様にしてハードコート層を形成させることによりハードコート層積層フィルム8Cを得た。ハードコート層の膜厚は5μm、屈折率は1.53、表面粗さは0.2μmであった。
このハードコート積層フィルム8Cの上に、製造例4で得られた高屈折率組成物を厚さが127nmとなるように、ダイコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥した。この高屈折率層の屈折率は1.70であった。この高屈折率層の上に低屈折率層用塗布液として製造例5で得られた低屈折率層用塗布液1を用いた他は、実施例1と同様にして低屈折率層を形成させることにより光学積層フィルム8Dを得た。低屈折率層の屈折率は1.33であった。
次いで、光学積層フィルムとして光学積層フィルム1Dのかわりに光学積層フィルム8Dを用いた他は、実施例1と同様にして偏光膜及び基材フィルム1Aを貼り合せることにより反射防止機能付偏光板8Eを得た。この偏光板8Eを用いて光学性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
一方、低屈折率層として屈折率が1.35を超えるものを用いたもの(比較例1)や、低屈折率層の屈折率は1.35以下であるが反射率が本発明の範囲から外れているもの(比較例2)は、傷つき性や視認性に劣るだけでなく、明暗表示のコントラストが悪い。
Claims (8)
- 透明樹脂を含んでなる基材フィルムの表面に、少なくともハードコート層及び低屈折率層を、この順に積層してなる光学積層フィルムであって、低屈折率層の屈折率が1.35以下であり、波長550nmにおける反射率が0.8%以下で、かつ波長430〜700nmにおける反射率が1.2%以下である光学積層フィルム。
- 前記透明樹脂からなる基材フィルムのダイラインの深さ又は高さが0.1μm以下である請求項1記載の光学積層フィルム。
- 前記低屈折率層がエアロゲルからなる層である請求項1又は2記載の光学積層フィルム。
- 透明樹脂が、脂環式構造を有する重合体樹脂、セルロース樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
- 光学部材の反射防止性保護フィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
- 偏光板保護フィルムである請求項5に記載の光学積層フィルム。
- 請求項6に記載の偏光板保護フィルムの基材フィルムの低屈折率層が設けられている面の反対側の面に、偏光膜が積層されてなることを特徴とする反射防止機能付偏光板。
- 請求項7に記載の反射防止機能付偏光板を備えることを特徴とする光学製品。
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