JP4174982B2 - ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置 - Google Patents

ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4174982B2
JP4174982B2 JP2001337508A JP2001337508A JP4174982B2 JP 4174982 B2 JP4174982 B2 JP 4174982B2 JP 2001337508 A JP2001337508 A JP 2001337508A JP 2001337508 A JP2001337508 A JP 2001337508A JP 4174982 B2 JP4174982 B2 JP 4174982B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
hologram
recording
recording layer
signal light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001337508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002351288A (ja
Inventor
克典 河野
治郎 三鍋
正昭 清水
達哉 丸山
晋 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2001337508A priority Critical patent/JP4174982B2/ja
Publication of JP2002351288A publication Critical patent/JP2002351288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4174982B2 publication Critical patent/JP4174982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Holo Graphy (AREA)
  • Read Only Memory (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置に関し、特に、3次元画像、2次元画像、またはデジタルデータページを記録できるホログラフィックメモリを構成するホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置に関する
【0002】
【従来の技術】
ディジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)等に代表される二次元光メモリは、大容量・高密度の記録媒体として使用されている。これら二次元光メモリの高密度化は、記録レーザ波長の短波長化と、ピックアップに使用する対物レンズの開口数(NA;Numerical Aperture)を大きくすることにより、データの記録・再生に用いるレーザスポットを小さくすることによって実現されてきた。そして、現在、青紫色レーザを光源とした二次元光メモリの研究開発が盛んに行われている。
【0003】
しかしながら、紫外領域では適当な光学材料が存在せず、記録メディア、レンズなどに使用する適当な光学材料が存在しなくなる等の理由から、記録レーザ波長の短波長化は、青紫色レーザの使用までが限界であり、これ以上短波長化することは困難であると考えられている。また、NAを大きくする方法としては、屈折率の高い円形プリズムを用いて集光スポットを小さくする固体浸漬レンズ(SIL:Solid Immersion Lens)を用いて、プリズムの屈折率倍だけ開口数を高くする方法が提案されている。この方法では、プリズム底面に形成されるエバネッセント光を利用して微小な集光スポットを形成する。エバネッセント光はプリズム底面(出射端)近傍に局在する非伝搬光であり、SILの出射端から光の波長以下の領域内にしか存在しないため、記録媒体をプリズム底面の極近傍に配置して、記録及び再生を行わなければならない。このため、記録媒体とプリズムとの距離制御、記録媒体の可搬性の確立など解決すべき課題が多い。また、プリズム材料の屈折率は高々2程度であり、記録密度も4倍程度までしか向上しない。
【0004】
以上の理由から、現行の二次元光メモリでは、記録密度の向上は限界に達している。従って、50GB以上の高密度の記録を行うためには、情報を記録媒体の奥行き方向を含めた三次元で記録(体積記録)する必要がある。
【0005】
情報をホログラムの形で記録するホログラフィックメモリは、三次元光メモリであり大容量での記録が可能である。また、ホログラフィックメモリは、ページ型メモリであり、2次元データのページ単位での一括記録・再生による高速性を併せ持つ。このため、ホログラフィックメモリは、次世代の記録媒体として注目されている。
【0006】
ホログラフィとは、光波の振幅(強度)と位相の情報を媒体に記録し、再生する技術である。レーザ光のようにコヒーレントな光を物体に照射し、物体からの反射光(物体光)を記録媒体に入射する際に、もう1本のコヒーレントな光(参照光)を同時に記録媒体に入射すると、記録媒体上に干渉縞が形成される。この干渉による光強度分布を屈折率または吸収率の変化として媒体中に記録したものがホログラムである。ホログラムが記録された記録媒体に参照光のみを入射すると、ホログラムが回折格子として働き、物体光が再生される。
【0007】
また、ホログラフィックメモリでは、デジタルデータ(0または1の2値データ)を空間光変調器を用いてオン/オフ(明/暗)・パターンに変換し、物体光として記録媒体に入射させることにより、デジタルデータのホログラム記録も可能である。記録媒体に参照光を照射して物体光を再生し、再生した物体光をフォトディテクタで受光して光電変換することで、得られた電気信号から元の2値データを再生することができる。最近では、このデジタルホログラフィックメモリの具体的な光学系や体積多重記録方式に基づくS/Nやビット誤り率評価あるいは二次元符号化の提案、光学系の収差の影響など、より工学的な観点からの研究が進展している。
【0008】
ホログラム記録材料としては、安価でディスク状に成形容易なポリマー材料が注目されている。ROM型の媒体用には、いわゆるフォトポリマーが盛んに研究されており、書き換え可能な媒体用には、アゾ基のような光異性化基を含む光感応性ポリマーが有望である。
【0009】
ホログラフィックメモリで大容量化を実現するためには、ホログラムを記録する記録層の厚みを増加すると共に、同一体積内に複数のホログラムを多重記録する必要がある。例えば1枚のディスクに100GB以上のデジタルデータを蓄積するためには、記録層の厚みが1mm以上必要である。しかしながら、記録層を光学品質を維持しつつ厚膜化することは、現状では非常に困難であり且つコストがかかる。
【0010】
この問題を回避しつつ大容量化を実現した方法として、特開平9−101735号公報に記載された発明がある。特開平9−101735号公報には、多層構成の光導波路型の光記録媒体を用いた記録・再生方法が記載されている。この光記録媒体は、基板上に光導波層及び記録層をクラッド層を介して複数積層したものであり、隣接するクラッド層に挟まれた光導波層が光導波路を構成している。この光記録媒体を用いて、各光導波路に対して選択的に、光導波層の端面より参照光を入射させ、光導波層の界面より物体光(信号光)を入射させて、記録層へ浸み出したエバネッセント光と物体光とを干渉させてホログラムを記録する。この場合、ホログラムを1枚記録するのに要する記録層の厚みは数μmと薄くて良く、スピンコートやキャスト法により光学品質を損なうことなく製膜することが可能である。このような薄膜の記録層を複数積層することで、多重ホログラム記録が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平9−101735号公報に記載された多層構成の光導波路型の光記録媒体を用いた記録・再生方法には、以下に示す問題点がある。この光記録媒体では、記録に用いる参照光を導波層に導波させ、記録層へ浸み出したエバネッセント光と物体光を干渉させてホログラムを記録するが、エバネッセント光は高々波長オーダーしか記録層に到達しないため、媒体厚み方向に十分な深さでホログラムを記録することができず、また、エバネッセント光は非常に微弱であるため、十分な露光強度が得られない。この結果、記録されたホログラムでは十分な回折効率が得られない。また、再生時にも十分な強度の読出光を照射することが困難である。
【0012】
これらの問題を解決するためには、記録層に参照光及び読出光を導波させ、エバネッセント光ではなく記録層を導波する参照光と物体光を干渉させてホログラムを記録し、記録層を導波する読出光によりホログラムを再生することが望まれる。しかしながら、記録層はホログラムを記録するために参照光を吸収する材料で構成されている。このため、記録層に端面より参照光を入射させて導波させたのでは、導波損失が大きくホログラムを記録することができない。また、通常、読出光には参照光と同じ波長の光が使用されるが、再生時に読出光を導波させたのでは、記録されたホログラムが破壊されてしまう。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、十分な回折効率が得られるホログラムを記録することができると共に、記録層に端面から入射させた読出光を導波させて、記録されたホログラムを破壊することなく読み出すことができるホログラム記録再生方法及びホログラム記録再生装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のホログラム記録再生方法は、基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体を用い、記録時には、前記記録層に所定波長の信号光及び参照光を同時に照射することによりホログラムを記録し、再生時には、記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない波長の読出光を前記記録層に導波させ、導波させたときの回折光によりホログラムを再生する、ことを特徴とする。
【0015】
上記の光記録媒体は、基板表面上に所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層が形成されているが、この記録層は基板表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波するので、再生時に記録層に読出光を導波させることができ、導波させたときの回折光によりホログラムを再生することができる。
【0016】
上記の光記録媒体においては、前記記録層の屈折率を前記基板の屈折率より高くすることにより、記録層がスラブ型光導波路となり、記録層に所定値以上の入射角度で入射された光を導波することができる。また、前記記録層上に該記録層より低い屈折率を有するクラッド層を更に形成することができる。更に、前記記録層及び前記クラッド層を複数組積層して、複数の記録層を備えた多層構成の光記録媒体とすることもできる。
【0017】
光誘起複屈折性(光誘起2色性または光誘起異方性とも呼ばれる)を示す材料は、これに入射する光の偏光状態に感応し、入射光の偏光方向を記録することができる。この中でも、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶は記録特性に優れている。従って、光記録媒体としては、光誘起複屈折性を備えると共に側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶からなる記録層を設けたものが好ましい。光異性化する基としては、アゾベンゼン骨格を含むものが好ましく、高分子または高分子液晶としては、ポリエステル群から選ばれた少なくとも1種のモノマー重合体が好ましい。
【0018】
上記の光記録媒体は、記録層を備えており、該記録層内を導波する読出光を入射させた場合に回折光を回折可能なホログラムを前記記録層に記録することができる。そして、この光記録媒体にホログラムを記録することにより、記録層内を導波する読出光を入射させた場合に回折光を回折可能なホログラムが記録層に記録された光記録媒体を得ることができる。
【0019】
上記の光記録媒体において、記録層内を導波する読出光を入射させた場合に記録されたホログラムから回折光を十分な回折効率で得るために、記録層に記録不可能な読出光を使用することができる。例えば、ホログラムが記録層の屈折率または吸収率の変化により記録されている場合には、読出光には記録層の屈折率または吸収率の変化を誘起しない光を使用することができる。
【0020】
また、読出光をシート状の記録層の端面から入射させることにより、読出光を記録層に導波させることができる。
【0021】
本発明のホログラム記録再生装置は、基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体にホログラムを記録すると共に、記録されたホログラムを再生するホログラム記録再生装置であって、前記記録層の所定領域に所定波長の信号光を記録層の導波方向と交差する方向から照射する信号光照射手段と、前記信号光との干渉作用により記録層の屈折率または吸収率を変化させるように、前記所定領域に前記所定波長の参照光を照射する参照光照射手段と、前記記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない波長の読出光を、該読出光が前記記録層を導波するように前記記録層に入射させる読出光入射手段と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明のホログラム記録再生方法及びホログラム記録再生装置では、記録時には、記録層に所定波長の信号光及び参照光を同時に照射することによりホログラムを記録するが、再生時には、記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない波長の読出光を記録層に導波させ、導波させたときの回折光によりホログラムを再生するので、記録時には導波損失が問題とならず、再生時には記録されたホログラムを破壊すること無く再生することができる。
【0023】
上記のホログラム記録再生方法を適用して、偏光分布によりデータ情報を保持する信号光を、参照光と同時に光記録媒体に照射し、該信号光の偏光分布をホログラムとして記録すると共に、読出光を前記記録層に導波させたときの回折光によりホログラムを再生することができる。この偏光ホログラムは、その回折光として信号光の偏光方向が保存された光を発生させるので、例えば、データ情報に応じて信号光の偏光角を所定角度ずつ回転させて偏光分布させることにより、偏向角の違いによる情報の読み出しが可能になる。
【0024】
また、上記のホログラム記録再生方法を適用して、強度分布により第1のデータ情報を保持する信号光を、参照光と同時に光記録媒体の所定領域に照射し、該信号光の強度分布を第1のホログラムとして記録し、前記信号光及び前記参照光のいずれか一方の偏光状態を変えて、強度分布により第2のデータ情報を保持する信号光を、参照光と同時に光記録媒体の所定領域に照射し、該信号光の強度分布を第2のホログラムとして多重記録すると共に、読出光を前記記録層に導波させたときの回折光により第1のホログラム及び第2のホログラムを再生することができる。
【0025】
この異なる偏光方向を有する2つの信号光が同一の参照光によって同一領域に記録されている光記録媒体の前記領域に、読出光を照射して、互いに直交する偏光方向を有する2つの回折光成分が合成された回折光を得、この回折光から任意の偏光成分を取り出すことによって、前記領域に2つの信号光として記録されている2つのデータ間の演算出力を得ることができる。即ち、光記録媒体に記録されている2つの画像などのデータ間で、和または差の演算や論理演算などの任意の演算を、簡便かつ高速に行うことができる。
【0026】
なお、ホログラム記録再生装置は、光記録媒体の記録層にホログラムを記録する光記録装置と、ホログラムが記録された光記録媒体の記録層から回折光を回折させる光再生装置と、から構成することができる。光記録装置と光再生装置とは一体に構成してもよく、各々別々に構成してもよい。
【0027】
この場合の光記録装置は、光記録媒体の記録層にホログラムを記録する光記録装置であって、前記記録層内を導波する読出光を入射させた場合に回折光を回折可能なホログラムを前記記録層に記録する記録手段を備えることを特徴とする。また、この場合の光再生装置は、ホログラムが記録された光記録媒体の記録層から回折光を回折させる光再生装置であって、前記記録層内を導波する読出光を入射させて、前記記録層から前記回折光を回折させる読出手段を備えることを特徴とする。即ち、光記録装置は、十分な回折効率が得られるホログラムを記録することができ、光再生装置は、記録層に端面から入射させた読出光を導波させて、記録されたホログラムを破壊することなく読み出すことができる。
【0028】
上記の方法及び装置では、入射角度αが下記式(4)の関係を満たす信号光と、入射角度βが下記式(5)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することが好ましい。
【数5】
Figure 0004174982
【0029】
例えば、光記録装置と光再生装置とを別々に構成した場合には、光記録装置として、以下の「ホログラム記録方法」及び「ホログラム記録装置」を用いることができる。
【0030】
基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録方法であって、入射角度αが上記式(4)の関係を満たす信号光と、入射角度βが上記式(5)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することを特徴とするホログラム記録方法。
【0031】
基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録装置であって、入射角度αが上記式(4)の関係を満たす信号光と、入射角度βが上記式(5)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することを特徴とするホログラム記録装置。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(ホログラム光記録媒体)
まず、本発明の光記録媒体について説明する。
【0033】
図1(A)に示すように、光記録媒体10は、石英基板やプラスチック基板などの透明基板11の一面側にホログラムを記録可能な記録層12を形成して構成されている。ここで、再生時に読出光として照射するレーザ波長においては、記録層12の屈折率n1は透明基板11の屈折率n2よりも高く、記録層12がスラブ型光導波路となる。また、記録層12の屈折率n1は空気層の屈折率よりも高い。なお、記録時の信号光(物体光)1および参照光2は、図示するように透明基板11側から照射する。
【0034】
また、図1(B)に示すように、複数組の記録層12及びクラッド層13を交互に積層してスラブ型導波路を複数作製し、多層構成の光導波路型の光記録媒体とすることもできる。クラッド層13の屈折率は、透明基板11の屈折率と同じn2とすることができる。
【0035】
図1(A)及び(B)のいずれの場合においても、記録層12はシート状に、すなわち厚みに比べて十分大きな拡がりを有するように形成する。好ましくは、光記録媒体10を全体としてシート状に形成する。また、光記録媒体10はディスク形状あるいはカード形状とするのが好ましい。
【0036】
記録層12は、屈折率または吸収率が変化してホログラムを記録することが可能であり、変化した屈折率または吸収率が常温で保持される材料であれば、どのような材料で構成されていてもよい。好適な材料としては、光誘起複屈折性を示す光感応性の材料が挙げられる。光誘起複屈折性を示す材料は、入射する光の偏光状態に感応し、入射光の偏光方向を記録することができる。なお、偏光分布に対応した光誘起複屈折によるホログラムを記録することができる光記録媒体を、偏光感応型の光記録媒体と称する。
【0037】
光誘起複屈折性を示す材料としては、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶、または光異性化する分子を分散させた高分子が特に好適である。また、光異性化する基または分子としては、例えば、アゾベンゼン骨格を含むものが好適である。
【0038】
ここで、アゾベンゼンを例に光誘起複屈折の原理について説明する。アゾベンゼンは、下記化学式に示すように、光の照射によってトランス−シスの光異性化を示す。光記録層に光照射する前は、光記録層にはトランス体のアゾベンゼンが多く存在する。これらの分子はランダムに配向しており、マクロに見て等方的である。光記録層に矢印で示す所定方向から直線偏光を照射すると、その偏光方位と同じ方位に吸収軸を持つトランス1体は選択的にシス体に光異性化される。偏光方位と直交した吸収軸を持つトランス2体に緩和した分子は、もはや光を吸収せずその状態に固定される。結果として、マクロに見て吸収係数及び屈折率の異方性、つまり二色性と複屈折が誘起される。一般に、これらの性質は、光誘起複屈折性、光誘起2色性、または光誘起異方性と呼ばれている。また、円偏光または無偏光の光を照射することによって、これら励起された異方性を消去することができる。
【0039】
【化1】
Figure 0004174982
【0040】
このような光異性化基を含む高分子は、光異性化により高分子自身の配向も変化し大きな複屈折を誘起することができる。このように誘起された複屈折は高分子のガラス転移温度以下で安定であり、ホログラムの記録に好適である。
【0041】
記録層12を構成する材料の好適な例として、下記の化学式で表される側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを挙げることができる。このポリエステルは、側鎖のシアノアゾベンゼンの光異性化による光誘起異方性に起因して、信号光の強度及び偏光方向をホログラムとして記録できる("Holographic recording and retrieval of polarized light by use of polyester containing cyanoazobenzene units in the side chain", K.Kawano, T. Ishii, J. Minabe, T. Niitsu, Y. Nishikata and K. Baba, Opt. Lett. Vol. 24 (1999) pp. 1269-1271)。
【0042】
【化2】
Figure 0004174982
【0043】
上記のポリエステル材料からなる記録層12を備えた光記録媒体10は、ポリエステルのクロロホルム溶液を洗浄したガラス基板上にキャストし乾燥させることによって作製することができる。膜厚20μmの記録層12が形成された光記録媒体10の吸収スペクトルを測定したところ、アゾベンゼンのπ−π*遷移に相当する365nm付近にピークを有するスペクトルが得られた。
【0044】
なお、光記録媒体の作製方法はこれに限られるものではなく、記録層の材料を基板上にスピンコートして光記録媒体を作製してもよく、記録層の材料を平行平板セルへ注入して光記録媒体を作製してもよい。また、フィルム状基板に記録層の材料をホットプレスにより接着して光記録媒体を作製してもよい。
【0045】
(偏光ホログラム記録の原理)
このアゾベンゼンを側鎖に有する高分子または高分子液晶、またはアゾベンゼンを分散させた高分子からなる記録層12を備える光記録媒体10に、ホログラムを記録する場合、それぞれコヒーレントな信号光1および参照光2を、光記録媒体10の同一領域に同時に照射する。
【0046】
この場合、信号光1と参照光2の偏光方向が互いに平行なとき、例えば、図2(A)に示すように、信号光1と参照光2がともにs偏光のときには、光記録媒体10中に、信号光1と参照光2の2光波干渉により光強度分布を生じる。そして、光強度の強いところでは、前述したように、トランス−シス−トランスの異性化サイクルによって光学異方性が誘起される。従って、光強度分布に対応した吸収率または屈折率の格子がホログラムとして記録される。
【0047】
これに対して、信号光1と参照光2の偏光方向を互いに直交させたとき、例えば、図2(B)に示すように、信号光1をp偏光とし、参照光2をs偏光としたときには、信号光1と参照光2の偏光方向が互いに平行なときのような光強度分布は生じない。その代わりに、偏光方向が空間的・周期的に変調され、直線偏光部分8と楕円偏光部分9が交互に周期的に現れる。
【0048】
この場合、光強度分布は一様となるが、変調された偏光方向と同一の方向を向くアゾベンゼンが、前述したように、トランス−シス−トランスの異性化サイクルによって光学異方性が誘起され、ホログラムとして記録される。
【0049】
以後、図2(A)のように信号光1と参照光2の偏光方向が平行なときの光強度分布によるホログラムを光強度ホログラムと称し、図2(B)のように信号光1と参照光2の偏光方向が直交するときの偏光分布によるホログラムを偏光ホログラムと称する。
【0050】
このように、アゾベンゼンを側鎖に有する高分子または高分子液晶、またはアゾベンゼンを分散させた高分子からなる記録層12を備える光記録媒体10によれば、信号光1と参照光2の偏光方向が平行であっても直交していても、アゾベンゼンの異方性が誘起される結果、ホログラムを記録することができる。
【0051】
上記の各々の場合にホログラム読出光3の偏光方向を参照光2の偏光方向と同じ方向とすれば、信号光1と同じ偏光状態を持つ回折光4を得ることができる。また、記録されたホログラムは室温自然光のもとで数年以上緩和なく保持される。
【0052】
(ホログラム記録再生装置)
図3に本発明のホログラム記録再生装置の一例を示す。このホログラム記録再生装置は、図3(A)に示す記録装置、及び図3(B)に示す再生装置から構成されている。記録装置と再生装置とは一体に構成してもよく、各々別々に構成してもよい。
【0053】
記録装置は、図3(A)に示すように、光記録媒体10の所定領域に信号光1及び参照光2を同時に照射してホログラムを記録する記録ヘッド22を備えている。記録ヘッド22は、コヒーレントな光を発する光源40、光源40からの光を信号光用及び参照光用の二光波に分けるビームスプリッタ41、ビームスプリッタ41を透過した光波を平行光化するレンズ43及び44、平行光化された光波を変調する空間光変調器30、変調された信号光1を光記録媒体10の所定領域に集光する集光レンズ45、及びビームスプリッタ41で反射された光波を参照光2として光記録媒体10の所定領域に導くミラー47、48を備えている。なお、空間光変調器30はコンピュータ21に接続され、コンピュータ21により制御されている。
【0054】
記録ヘッド22の光源40としては、光記録媒体10の記録層12の材料に感度があり、且つコヒーレントな光を発するものを使用することができる。側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを記録層12に用いる場合には、光記録媒体10の吸収ピークの裾に対応する発振波長515nmのアルゴンイオンレーザを光源に使用するのが好ましい。
【0055】
空間光変調器30としては、液晶等の電気光学変換材料の両面に透明電極を形成した透過型の空間光変調器を用いることができる。このタイプの空間光変調器としては、プロジェクタ用の液晶パネルを挙げることができる。
【0056】
但し、偏光変調を可能にするためには、上記のプロジェクタ用の液晶パネルを用いる場合には、少なくとも出力側に配置された偏光板を取り除く必要がある。例えば、空間光変調器30は、図4に示すように、電気光学変換部材の一つである液晶121の両面に電極122、123を形成した透過型の液晶セル124として構成することができる。この偏光変調を行う空間光変調器では、2次元的に複数の画素を形成して、それぞれの画素を1/2波長板として機能させ、それぞれの画素に2次元データの対応するビットの情報を電圧印加の有無として与えることにより、それぞれの画素に入射する光の偏光を変調する。
【0057】
再生装置は、図3(B)に示すように、コヒーレントな光を光記録媒体10の端面から入射させるための読出し光学系31と、記録されたホログラムによる回折光4を読み取る読取り部23と、を備えている。読取り部23は、回折光4を平行光化するレンズ46、及び入射される回折光を検出するCCD等の光検出器50を備えている。
【0058】
読出し光学系31は、光記録媒体10の記録層12に記録されたホログラムが保持する屈折率または吸収率を変化させず(即ち、記録されたホログラムを破壊することなく)、且つコヒーレントな光を発する光源を含んで構成することができる。側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを記録層12に用いる場合には、光記録媒体10の記録層12に感度の無い(吸収の無い)発振波長633nmのヘリウムネオンレーザを光源として使用するのが好ましいが、それ以外のレーザダイオードを用いても良い。
【0059】
(ホログラム記録再生方法)
次に、本発明のホログラム記録再生方法を説明する。
【0060】
まず、記録時には、図3(A)に示す記録装置において、記録ヘッド22の光源40から出力されたコヒーレント光は、ビームスプリッタ41により信号光用及び参照光用の二光波に分けられる。ビームスプリッタ41を透過した光波はレンズ43および44により光径の大きな平行光とされる。その後、平行光化された光波は、空間光変調器30により変調されて信号光1が生成される。
【0061】
変調された信号光1は、レンズ45により縮小またはフーリエ変換されて、光記録媒体10の所定領域に照射される。一方、ビームスプリッタ41で反射された参照光2は、ミラー47及び48で反射されて光記録媒体10の所定領域に導かれ、光記録媒体中で信号光1と交差するように光記録媒体10に入射される。このように信号光1と参照光2とを同一領域に同時に照射することによりホログラム記録を行う。
【0062】
上述した通り、信号光1及び参照光2としては、光記録媒体10の記録層12の材料に感度がある波長のレーザ光を用いる。また、信号光1及び参照光2の入射角度は以下のように求めることができる。
【0063】
図6に示すように、記録時の信号光1及び参照光2の波数ベクトルをそれぞれkobject及びkreferenceとし、読出光3の波数ベクトルをkreadとすると、読出光3のベクトル方向を基準にして、kobject及びkreferenceはそれぞれ角度がα及びβであり、二光波の交差角はα−βである。kobject及びkreferenceによって形成される格子ベクトルは、kg= kobject−kreferenceで与えられ、記録されたホログラムの格子間隔Λは、下記式1で与えられる。
【0064】
【数6】
Figure 0004174982
【0065】
ここで、記録に用いた信号光及び参照光の波長をλとし、波長λ´の読出光(波数ベクトルkread)が基板面に対し角度0で入射する場合を考える。このとき格子への入射角度は(α+β)/2であり、下記式2の位相整合条件を満たす場合に強い回折光を得る。
【0066】
【数7】
Figure 0004174982
【0067】
式2は多重反射による各層からの反射光が同位相になる条件であるから、式1と式2とにより式3の関係が導かれる。
【0068】
【数8】
Figure 0004174982
【0069】
式3を満たすようなαとβであれば、読出光が導波路を導波したときに、ホログラムの位相整合条件を満たし、回折光を得ることができる。回折光が導波路に対して垂直に出射する条件は、格子への入射角度(α+β)/2=45°の場合である。この条件を式3に代入すると、各々式4及び式5で表されたα及びβが求められる。即ち、信号光の入射角度α及び参照光の入射角度βは、信号光及び参照光の波長λ及び読出光の波長λ´が決まれば、その値に応じて算出することができる。
【0070】
【数9】
Figure 0004174982
【0071】
例えば、λ=515nm、λ´=633nm、m=1として、αおよびβを求めると、信号光の入射角度α=80°、参照光の入射角度β=10°と算出できる。
【0072】
次に、読み出し時に、図3(B)に示す再生装置において、読出し光学系31から出力されたコヒーレント光は、読出光3として光記録媒体10の記録層12の端面から入射される。図8に示すように、入射された読出光3は記録層12を導波し、回折光が記録層12から回折される。回折された光波(回折光4)は、これをレンズ46により光検出器50に結像させる。
【0073】
上述した通り、読出光3としては、光記録媒体10の記録層12に記録されたホログラムが保持する屈折率または吸収率を変化させない波長のレーザ光、例えば、光記録媒体10の記録層12の材料に感度が無い波長のレーザ光を用いる。このように、再生時に光記録媒体10の記録層12に記録されたホログラムが保持する屈折率または吸収率を変化させない波長のレーザ光を読出光3として用いることにより、読出光3を記録層12に導波させて、記録されたホログラムを破壊すること無く再生することができる。
【0074】
また、読出光3が記録層12を導波するので、読出光3の導波路に沿って記録されたホログラムを一度に読み出すことができる。
【0075】
なお、図5に示すように、空間変調器30で変調された信号光1を、レンズを介さずに光記録媒体10に入射させてホログラム記録を行った場合には、図9に示すように、記録に用いた参照光2の入射方向と反対の方向から読出光3を記録層12に導波させてホログラムを読み出すこともできる。この場合、参照光2の波長と読出光3の波長は異なるので倍率及び光路は変化するが、回折光4として信号光1の位相共役光を再生することができる。位相共役光は、信号光と同一波面を備えており、信号光が入射した光路を逆進する。そのため、特別な結像光学系を用いることなく光検出器50に結像することができる。この場合、光記録媒体10の端面から読出光3を入射して、信号光1の入射側から回折光4を取り出すことになる。
【0076】
また、参照光2を光記録層12に例えば10°といった狭い角度で入射させるためには、例えば、図7に示すように、透明基板11と同じ屈折率の厚手のガラス基板14を、光記録媒体10の透明基板11側に接触させ、このガラス基板14の側面から参照光2を入射させればよい。ガラス基板14の側面から入射された参照光2は、空気とガラス基板14との界面で屈折し、ガラス基板14への入射角度より狭い角度で光記録層12に入射する。また、透明基板11を十分厚くして、透明基板11の側面から参照光2を入射させてもよい。
【0077】
(偏光ホログラム記録)
上記のホログラム記録再生方法を用いて偏光ホログラム記録を行う例について説明する。前記した側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる記録層を備えた偏光感応型の光記録媒体を用いて、図3(A)及び(B)に示すホログラム記録再生装置により記録及び再生を行った。
【0078】
記録用の光源40には、記録層の材料であるポリエステルに感度のある発振波長515nmのアルゴンイオンレーザを用い、信号光と参照光との交差角φは70°とした。偏光変調型の空間光変調器30を用いて、図10に示す偏光分布を持つ信号光を生成した。この信号光では、各画素毎に直線偏光の方位が変化しており偏光方位がデータ情報を表している。ここで、N値の方位を記録するようにすると、各画素毎にlog2Nビットのデータが蓄積できる。
【0079】
また、読出光学系30の光源には、記録層の材料であるポリエステルに感度の無い発振波長633nmのヘリウムネオンレーザを用いた。但し、記録に用いた参照光の入射方向と対向する方向から読出光を記録層に導波させて、信号光の位相共役光を回折させた。回折光の光路に検光子を配置し、直交する偏光成分(0°偏光成分と90°偏光成分)に分離した。その結果、図11(A)及び(B)に示すような0°偏光成分と90°偏光成分の二画像を得た。これら二画像間の光強度分布比より、下記式6を用いて再生光の偏光角ρを算出した。
【0080】
【数10】
Figure 0004174982
【0081】
ここで、I0とI90は、それぞれ各画素の0°偏光成分及び90°偏光成分の強度である。得られた再生像の偏光角を信号光の偏光角に対してプロットした結果を図12に示す。図12より、再生像の偏光角は信号光の偏光角に対して略直線的に変化しており、信号光の偏光方位と再生光の偏光方位とが同じであることが分かる。従って、本発明のホログラム記録再生方法によれば、信号光の偏光分布を記録することができると共に、記録された偏光分布を忠実に再生することができる。
【0082】
なお、上記では偏光分布によりデータ情報を保持する信号光を用いて、ホログラムの記録及び再生を行う例について説明したが、振幅(強度)分布や位相分布によってデータ情報を保持する信号光についても、同様にホログラムの記録及び再生を行うことができる。例えば、3次元物体からの反射光を信号光として記録することにより、立体像の再生も可能である。
【0083】
(偏光ホログラム多重記録)
次に、上記のホログラム記録再生方法を用いて、信号光と参照光の偏光方向が互いに平行である場合と直交する場合の2つの条件で2重にホログラム記録を行う例、即ち、第1段階で信号光と参照光の偏光方向を平行にしてホログラム記録を行い、第2段階で信号光(あるいは参照光)の偏光方向を1/2波長板によって90°回転させて、信号光と参照光の偏光方向を互いに直交させた条件で、2枚目のホログラムを同一領域に多重記録する例について説明する。ただし、互いに直交する円偏光を用いても、同様の偏光多重記録・再生は可能である。
【0084】
前記した側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる記録層12を備えた偏光感応型の光記録媒体10を用いて、図13(A)に示すように、空間変調器30と光記録媒体10との間に1/2波長板20を配置した以外は、図7に示す記録装置と同じ構成とし、図13(B)に示すように、光記録媒体10と光検出器50との間に、回折光4に含まれる所定の偏光成分を分離する偏光ビームスプリッタ等の偏光子49を配置した以外は、図9に示す再生装置と同じ構成として、ホログラムの記録及び再生を行った。
【0085】
図13(A)に示すように、後述するように、図示しないコンピュータによって空間光変調器30に画像を表示して、空間光変調器30を通過した光として、空間光変調器30に表示された画像の情報を有する信号光を得、この信号光を1/2波長板20を通過させて、所定の偏光方向を有する信号光1に変換する。この1/2波長板20を通過した信号光1を上述した光記録媒体10に照射する。同時に、参照光2を光記録媒体10の信号光1が照射される領域に照射する。これによって、光記録媒体10中で信号光1と参照光2とが干渉して、光記録媒体10中にホログラムが記録される。
【0086】
この場合、第1段階では、1枚目の画像として、図14(A)に示したような2値強度画像を空間光変調器30に表示し、1/2波長板20を、これを通過した信号光1の偏光方向が紙面に垂直(これを0°とする)となるように調整して、信号光1と参照光2を同時に光記録媒体10に照射することによって、光記録媒体10中に1枚目のホログラムを記録する。
【0087】
次に、第2段階では、2枚目の画像として、図14(B)に示したような2値強度画像を空間光変調器30に表示し、1/2波長板20を、これを通過した信号光1の偏光方向が紙面に平行(これを90°とする)となるように調整して、信号光1と参照光2を同時に光記録媒体10に照射することによって、光記録媒体10中の1枚目のホログラムが記録された領域に2枚目のホログラムを記録する。ただし、参照光2の偏光方向は、1枚目のホログラムの記録時と2枚目のホログラムの記録時で同一にする。
【0088】
読み出し時には、図13(B)に示すように、読出し光学系31から出力されたコヒーレント光は、読出光3として光記録媒体10の記録層12の端面から入射される。入射された読出光3は記録層12を導波し、2次回折光が記録層12から回折される。
【0089】
その回折光4を、CCDなどの光検出器50上に結像させて、信号光1のデータ画像を読み取る。即ち、第1段階および第2段階で記録された2枚のホログラムからの再生像を得ることができる。但し、2枚のホログラムからの回折光の各々は、偏光方向が互いに直交している。この場合、光記録媒体10と光検出器50との間に偏光子49を配置し、図示しないコンピュータによって、この偏光子49の透過軸を任意の方向に調整することによって、2つの回折像を分離して読み出すことができる。例えば、以下のように、1枚目の画像または2枚目の画像のみ、または1枚目の画像と2枚目の画像との間の任意の演算出力を、読み出すことができる。
【0090】
図15に示すように、1枚目の画像のみを読み出すときには、偏光子49の透過軸を0°とし、2枚目の画像のみを読み出すときには、偏光子49の透過軸を90°とする。第1段階で記録された1枚目のホログラムからの回折光成分A1の振幅をT1、第2段階で記録された2枚目のホログラムからの回折光成分A2の振幅をT2とすると、偏光子49の透過軸を0°としたときには、偏光子49を透過する光強度は|T12に比例し、偏光子49の透過軸を90°としたときには、偏光子49を透過する光強度は|T22に比例する。
【0091】
但し、これは、信号光1の偏光が回折光4に忠実に再生された場合である。実際には、光学系や光記録媒体10の偏光特性によって、回折光4の偏光方向は信号光1のそれと若干ずれる可能性がある。しかし、その場合でも、多重記録されている2つの画像の偏光方向は互いに直交した関係に保たれているので、偏光子49の透過軸を適当に調整することによって、2つの画像をクロストークを生じることなく分離して取り出すことができる。
【0092】
回折光成分A1と回折光成分A2の合成ベクトルと偏光子の方位とを平行にした場合、偏光子を透過する光強度は|T1+T22に比例する。|T1|=|T2|であれば、θ=45°で2つの回折光成分の和がとれる。即ち、偏光子49の透過軸を45°にすれば、偏光子49を透過する光強度は|T1+T22に比例するようになり、2つの画像の加算出力が得られる。また、回折光成分A1と回折光成分A2の合成ベクトルと偏光子の方位とを直交にした場合、偏光子を透過する光強度は|T1−T22に比例する。|T1|=|T2|であれば、θ=135°で2つの回折光成分の差がとれる。即ち、偏光子49の透過軸を135°にすれば、偏光子49を透過する光強度は|T1−T22に比例するようになり、2つの画像の減算出力が得られる。
【0093】
振幅T1およびT2で表される2つの画像が、それぞれ、図14(A)及び(B)に示すように、光の「明」(データ“1”)と「暗」(データ“0”)で表される2値画像である場合には、2つの画像の減算出力|T1−T22も2値データとなり、図14(D)に示したように2つの画像の排他的論理和(XOR)と等価になる。一方、2つの画像の加算出力|T1+T22は“1+1”、“1”、“0”の3つの値(明るさ)を有するが、しきい値処理することによって、“1+1”と“1”を「明」、“0”を「暗」とすれば、図14(C)に示したように2つの画像の論理和(OR)が得られる。
【0094】
以上の通り、本発明で用いる光記録媒体は、透明基板の一面側に光誘起複屈折性を示す光感応型の記録層を形成して構成されているが、再生時に読出光として照射するレーザ波長においては、透明基板の屈折率n2は記録層12の屈折率n1よりも低いので、記録層がスラブ型光導波路となり、端面から入射された読出光が該記録層を導波することができる。
【0095】
また、本発明のホログラム記録再生方法及びホログラム記録再生装置では、記録時には、光記録媒体の記録層に感度がある波長のレーザ光を、参照光として記録層に狭い角度で入射させて記録するので、導波損失が問題とならずホログラムを記録することができる。また、読み出し時には、光記録媒体の記録層が保持する屈折率または吸収率を変化ない波長のレーザ光を、読出光として記録層に導波させて回折光を得るので、記録されたホログラムを破壊すること無く再生することができる。
【0096】
また、本発明のホログラム記録再生方法を用いて、偏光感応型の光記録媒体に信号光の偏光を偏光ホログラムとして記録し、再生することができる。この偏光ホログラムは、その回折光として信号光の偏光方向が保存された光を発生させるので、信号光の偏光角を所定角度ずつ回転させることにより、偏光角の違いによる情報の記録及び読み出しが可能になる。
【0097】
更に、本発明のホログラム記録再生方法を用いて、信号光と参照光の偏光方向を互いに平行な方向と互いに直交する方向の2通りとすることにより、偏光感応型の光記録媒体の同一領域に、2つの信号光を2枚のホログラムとして多重に記録することができ、この光記録媒体の前記領域に、読出光を照射して、互いに直交する偏光方向を有する2つの回折光成分が合成された回折光を得、この回折光から任意の偏光成分を取り出すことによって、前記領域に2つの信号光として記録されている2つのデータ間の演算出力を得ることができる。即ち、光記録媒体に記録されている2つの画像などのデータ間で、和または差の演算や論理演算などの任意の演算を、簡便かつ高速に行うことができる。
【0098】
【発明の効果】
本発明で用いる光記録媒体は、十分な回折効率が得られるホログラムを記録することができると共に、記録層がスラブ型光導波路となり、端面から入射された読出光が該記録層を導波することができる。本発明のホログラム記録再生方法及びホログラム記録再生装置によれば、十分な回折効率が得られるホログラムを記録することができると共に、記録層に端面から入射させた読出光を導波させて、記録されたホログラムを破壊することなく再生することができる、という効果を奏する。
【0099】
本発明のホログラム記録方法及びホログラム記録装置によれば、記録層に端面から入射させた読出光を導波させて、記録されたホログラムを破壊することなく再生することができるように、十分な回折効率が得られるホログラムを記録することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の光記録媒体の構成を示す斜視図であり、(B)は、本発明の光記録媒体の他の構成を示す斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、光強度分布によるホログラムと偏光分布によるホログラムとを説明するための説明図である。
【図3】(A)及び(B)は、本発明のホログラム記録再生装置の構成の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のホログラム記録再生装置に用いられる空間変調器の構成を示す断面図である。
【図5】本発明のホログラム記録再生装置の構成の他の例を示す断面図である。
【図6】信号光の波数ベクトル、参照光の波数ベクトル、読出光の波数ベクトル、及び形成される格子ベクトルの関係を示す線図である。
【図7】参照光の入射角度が小さい場合の入射方法を示す断面図である。
【図8】本発明のホログラム記録再生方法により回折光の読み出しを行う様子を示す断面図である。
【図9】読出光を図8とは逆方向に導波させて回折光として位相共役光を得る様子を示す断面図である。
【図10】本発明のホログラム記録再生方法を偏光ホログラム記録に適用した場合における、信号光の偏光分布を表す図である。
【図11】(A)は、図10に示す信号光を記録した偏光ホログラムに基づいて得られた回折光の0°偏光成分の画像を表す図であり、(B)は90°偏光成分の画像を表す図である。
【図12】図10に示す信号光を記録した偏光ホログラムに基づいて得られた再生像の偏光角を、信号光の偏光角に対してプロットした線図である。
【図13】(A)及び(B)は、本発明の光記録装置の他の構成例を示す断面図である。
【図14】本発明のホログラム記録再生方法を偏光ホログラム多重記録に適用した場合における、(A)及び(B)は入力画像であり、(C)及び(D)は(A)及び(B)に示す入力画像を処理して得られる出力画像である。
【図15】偏光ホログラム多重記録における、信号光の偏光方向、回折光の偏光方向、及び偏光子の方位の関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 信号光
2 参照光
3 読出光
4 回折光
10 光記録媒体
11 透明基板
12 記録層
13 クラッド層
20 1/2波長板
30 空間光変調器
21 コンピュータ
40 光源
41 ビームスプリッタ
43、44、45、46 レンズ
47、48 ミラー
49 偏光子
50 光検出器

Claims (9)

  1. 基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体を用い、
    記録時には、前記記録層に所定波長の信号光及び参照光を同時に照射することによりホログラムを記録し、
    再生時には、記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない波長の読出光を前記記録層に導波させ、導波させたときの回折光によりホログラムを再生する、
    ホログラム記録再生方法。
  2. 偏光分布によりデータ情報を保持する信号光を、参照光と同時に光記録媒体に照射し、該信号光の偏光分布をホログラムとして記録すると共に、読出光を前記記録層に導波させたときの回折光によりホログラムを再生する請求項1に記載のホログラム記録再生方法。
  3. 前記データ情報に応じて前記信号光の偏光角を所定角度ずつ回転させることにより偏光分布させる請求項2に記載のホログラム記録再生方法。
  4. 強度分布により第1のデータ情報を保持する信号光を、参照光と同時に光記録媒体の所定領域に照射し、該信号光の強度分布を第1のホログラムとして記録し、
    前記信号光及び前記参照光のいずれか一方の偏光状態を変えて、強度分布により第2のデータ情報を保持する信号光を、参照光と同時に光記録媒体の所定領域に照射し、該信号光の強度分布を第2のホログラムとして多重記録すると共に、
    読出光を前記記録層に導波させたときの回折光により第1のホログラム及び第2のホログラムを再生する請求項1に記載のホログラム記録再生方法。
  5. 入射角度αが下記式(5)の関係を満たす信号光と、入射角度βが下記式(4)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載のホログラム記録再生方法。
    Figure 0004174982
    (上記の式(4)及び式(5)中、λは信号光及び参照光の波長を表し、λ´は読出光の波長を表し、mは1以上の整数を表す。)
  6. 基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体にホログラムを記録すると共に、記録されたホログラムを再生するホログラム記録再生装置であって、
    前記記録層の所定領域に所定波長の信号光を記録層の導波方向と交差する方向から照射する信号光照射手段と、
    前記信号光との干渉作用により記録層の屈折率または吸収率を変化させるように、前記所定領域に前記所定波長の参照光を照射する参照光照射手段と、
    前記記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない波長の読出光を、該読出光が前記記録層を導波するように前記記録層に入射させる読出光入射手段と、
    を備えたホログラム記録再生装置。
  7. 入射角度αが下記式(5)の関係を満たす信号光と、入射角度βが下記式(4)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することを特徴とする請求項6に記載のホログラム記録再生装置。
    Figure 0004174982
    (上記の式(4)及び式(5)中、λは信号光及び参照光の波長を表し、λ´は読出光の波長を表し、mは1以上の整数を表す。)
  8. 基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録方法であって、
    入射角度αが下記式(5)の関係を満たす信号光と、入射角度βが下記式(4)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することを特徴とするホログラム記録方法。
    Figure 0004174982
    (上記の式(4)及び式(5)中、λは記録層の屈折率または吸収率を変化させる信号光及び参照光の波長を表し、λ´は記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない読出光の波長を表し、mは1以上の整数を表す。)
  9. 基板と、該基板表面上に形成され、前記表面に対する入射角度が所定値以上の光を導波すると共に、所定波長の信号光及び参照光が同時に照射されることにより屈折率または吸収率が変化し、変化した屈折率または吸収率を保持してホログラムを記録可能な記録層と、を含む光記録媒体にホログラムを記録するホログラム記録装置であって、
    入射角度αが下記式(5)の関係を満たす信号光と、入射角度βが下記式(4)の関係を満たす参照光と、を同時に照射することによってホログラムを記録することを特徴とするホログラム記録装置。
    Figure 0004174982
    (上記の式(4)及び式(5)中、λは記録層の屈折率または吸収率を変化させる信号光及び参照光の波長を表し、λ´は記録層に保持された屈折率または吸収率を変化させない読出光の波長を表し、mは1以上の整数を表す。)
JP2001337508A 2001-03-22 2001-11-02 ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置 Expired - Fee Related JP4174982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337508A JP4174982B2 (ja) 2001-03-22 2001-11-02 ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-83773 2001-03-22
JP2001083773 2001-03-22
JP2001337508A JP4174982B2 (ja) 2001-03-22 2001-11-02 ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002351288A JP2002351288A (ja) 2002-12-06
JP4174982B2 true JP4174982B2 (ja) 2008-11-05

Family

ID=26611854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001337508A Expired - Fee Related JP4174982B2 (ja) 2001-03-22 2001-11-02 ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4174982B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005077658A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Tdk Corp ホログラフィック記録媒体及びホログラフィック記録再生方法
JP4516813B2 (ja) * 2003-09-19 2010-08-04 富士フイルム株式会社 ホログラム記録材料及びホログラム記録方法
US20070201118A1 (en) * 2004-03-12 2007-08-30 Japan Science And Technology Agency Optical Waveguide Type Holographic Memory
JP4936048B2 (ja) * 2006-07-11 2012-05-23 日東電工株式会社 多官能化合物、光記録材料、光記録媒体、光記録再生装置、光導波路材料、および光配向膜材料
JP5843538B2 (ja) * 2011-09-15 2016-01-13 株式会社東芝 ホログラム生成システム、及びホログラム生成方法
KR102499218B1 (ko) * 2018-08-23 2023-02-10 듀얼리타스 리미티드 홀로그램 계산 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002351288A (ja) 2002-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6909684B2 (en) Optical recording medium, holographic recording and/or retrieval method and holographic recording and/or retrieval apparatus
US7154646B2 (en) Optical recording apparatus and optical recording/reproducing apparatus
US6909529B2 (en) Method and apparatus for phase correlation holographic drive
JP4734530B2 (ja) 検索方法
US20080259421A1 (en) Methods for implementing page based holographic rom recording and reading
JP4175204B2 (ja) ホログラム消去方法及びホログラム消去装置
JPH10340479A (ja) 光記録媒体、光記録方法、光記録装置、光読取方法、光読取装置、光検索方法、光検索装置
KR20020025702A (ko) 홀로그래픽 기록 매체용 기록 장치
JP2000082213A (ja) 光記録方法、光記録装置、光読み取り方法および光読み取り装置
JP2005208426A (ja) ホログラム型光記録媒体、ホログラム型光記録媒体の製造方法およびホログラム型光記録再生装置
JP4174982B2 (ja) ホログラム記録再生方法、ホログラム記録再生装置、ホログラム記録方法、及びホログラム記録装置
JP4007267B2 (ja) ホログラム記録方法及びホログラム記録装置
JP3707285B2 (ja) 光記録方法、光記録装置、光再生方法、光再生装置
Glass et al. Holographic data storage
JP3994679B2 (ja) 光記録方法及び光記録装置
JP2004311001A (ja) 光記録装置、及び光記録再生装置
JP3904050B2 (ja) 光検索方法および光検索装置
US20030147327A1 (en) Holographic storage device with faceted surface structures and associated angle multiplexing method
JP3904048B2 (ja) 光再生方法、光再生装置および光記録媒体
JP2004287265A (ja) 光記録媒体、及び光記録方法
JP3812626B2 (ja) 光読み取り方法および光読み取り装置
JP3812625B2 (ja) 光記録方法、光記録媒体、光読取方法および光読取装置
JP3904056B2 (ja) 光再生方法および光再生装置
JP2005284303A (ja) 光記録方法、光読取方法、光読取装置、光記録媒体
JP4067285B2 (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080811

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130829

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees