JP2005026286A - マスク収納装置、搬送装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスクを取り出す際、マスクを損傷せずに円滑に取り出すことができるマスク収納装置を提供する。
【解決手段】マスク収納装置1は、マスクMを収納可能なマスクケース2と、マスクケース2の一部に形成され、マスクMを通過可能な開口部4と、開口部4を開閉する扉部材5と、扉部材5を開口部4に対して移動可能に支持するヒンジ部6とを有し、ヒンジ部6は、開口部4を通過するマスクMより下方に設けられている。
【選択図】 図4
【解決手段】マスク収納装置1は、マスクMを収納可能なマスクケース2と、マスクケース2の一部に形成され、マスクMを通過可能な開口部4と、開口部4を開閉する扉部材5と、扉部材5を開口部4に対して移動可能に支持するヒンジ部6とを有し、ヒンジ部6は、開口部4を通過するマスクMより下方に設けられている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光処理に使うマスクを収納するマスク収納装置、搬送装置及び露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示デバイスや半導体デバイスをフォトリソグラフィの手法で製造する場合にマスク(レチクル)を露光光で照明することでパターンを感光基板に露光する露光装置が使用される。通常、マスクはマスクケースに収納されてライブラリと呼ばれる収納部に複数収納されており、露光処理する際には、ライブラリに収納されている複数のマスクから特定のマスクが選択され、搬送装置によりマスクケースから取り出されて所定の位置まで搬送される。下記特許文献1にはマスクケースに関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−39537号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術には以下に述べる問題が存在する。
マスクはマスクケースに形成された開口部を介して取り出され、開口部は扉部材(開閉部材)により開閉されるが、扉部材を回動可能に支持するヒンジ部が開口部の上側に設けられている場合、扉部材の開閉機構に異常が生じるとマスクをマスクケースから取り出している途中で扉部材が自重などにより閉じてしまってマスクに当たり、マスクを損傷する不都合が生じる可能性がある。また、ヒンジ部の回動により僅かではあるが塵埃が発生する可能性があり、この場合、マスクがヒンジ部の下方を通過することでマスクに塵埃が付着する不都合が生じる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスクをマスク収納装置から取り出す際、マスクを損傷せずに円滑に取り出すことができるマスク収納装置、搬送装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図9に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスク収納装置(1)は、マスク(M)を収納可能な箱部材(2)と、箱部材(2)の一部に形成され、マスク(M)を通過可能な開口部(4)と、開口部(4)を開閉する扉部材(5)と、扉部材(5)を開口部(4)に対して移動可能に支持する支持部(6、60)とを有し、支持部(6、60)は、開口部(4)を通過するマスク(M)より下方に設けられていることを特徴とする。本発明によれば、開口部を開閉する扉部材を移動(回動)可能に支持する支持部を、開口部を通過するマスクより下方に設けたので、扉部材の開閉機構に異常が生じて扉部材が自重により下方に落下する状況が生じても、扉部材は開口部を通過中のマスクに当たらない。したがって、マスクが損傷する不都合を回避できる。また、支持部はマスクより下方に設けられているので、支持部から塵埃等が発生したとしてもマスクに付着しない。
【0007】
本発明の搬送装置(H)は、マスク収納装置(1、2)に収納されたマスク(M)を取り出して搬送する搬送装置において、マスク収納装置(1、2)に形成された開口部(4)より該マスク収納装置(1、2)内に進入してマスク(M)を保持するアーム部(20)を有し、マスク(M)は、該マスク(M)の所定面(30)を覆う膜部材(32)と膜部材(32)を所定面(30)に対して支持する枠部材(33)とを有しており、アーム部(20)は、所定面(30)のうち枠部材(33)以外の位置を保持するとともに、枠部材(33)の厚み(D2)より厚く形成されていることを特徴とする。
一般にマスクは、パターンに対する異物付着防止や保護を目的としてペリクルと呼ばれる膜部材を備えており、このペリクルはペリクル枠と呼ばれる枠部材を介してマスクに装着されている。そこで、本発明によれば、搬送装置のアーム部でマスクのパターン形成面のうち枠部材以外の位置を保持して搬送する際、このアーム部の厚みを枠部材より厚く形成することで、マスクをアーム部で保持しつつ開口部を通過させているときに、扉部材の開閉機構に異常が生じて扉部材が閉じようとしても、この扉部材はマスクや枠部材あるいは膜部材に当たる前に、アーム部に当たる。したがって、枠部材や膜部材を含むマスクが損傷する不都合を回避できる。
【0008】
本発明の露光装置(EX)は、マスク収納装置(1、2)から搬送されたマスク(M)のパターン(31)を基板(P)に露光する露光装置において、マスク収納装置(1、2)よりマスク(M)を取り出して搬送する搬送装置(H、20)を備え、搬送装置(H、20)は、上記記載の搬送装置により構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、損傷する不都合を回避しつつマスクをマスク収納装置とマスクステージ等の所定の位置との間で搬送できるので、円滑で高効率な露光処理を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスク収納装置及び搬送装置を備えた露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、露光処理に使うマスクMを収納するマスク収納装置1と、マスクMを使って感光基板(基板)Pを露光する露光処理部Sと、マスク収納装置1と露光処理部Sとの間でマスクMを搬送する搬送装置Hとを備えている。露光装置EXは、所定環境に設定された不図示のチャンバ内部に設けられている。ここで、以下の説明において、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と垂直な方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に垂直な方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれθX、θY、及びθZ方向とする。
【0010】
マスク収納装置1は、マスクMを収納可能なマスクケース(箱部材)2と、マスクケース2を収納するライブラリ3とを備えている。ライブラリ3にはマスクケース2がZ軸方向に複数積み重ねられるようにして配置されており、マスクケース2にはマスクMが1枚ずつ個別に収納される。マスクケース2はチャンバの一部に設けられた扉を開けて、例えばオペレータや所定の搬送機構(自動搬送車(AGV)等)によりライブラリ3の各スロットに装填可能となっている。
【0011】
露光処理部Sは、パターンが形成されたマスクMを支持するマスクステージMSTと、露光処理対象である感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを感光基板Pに投影露光する投影光学系PLとを備えている。
【0012】
搬送装置Hは、ライブラリ3のマスクケース2からマスクMを取り出すアーム部20と、アーム部20により取り出されたマスクMを位置CA1においてアーム部20から受け取るとともに位置CA1と位置CA2との間を移動可能なキャリア21と、位置CA2に移動したキャリア21からマスクMを受け取って露光処理部Sに設けられたマスクステージMSTに搬入(ロード)するロードアーム22と、露光処理を終えたマスクMをマスクステージMSTから搬出(アンロード)するアンロードアーム23とを備えている。また、ロードアーム22とマスクステージMSTとの間の搬送経路途中には、マスクステージMSTに対するマスクMの大まかな位置合わせをするプリアライメント部40が設けられている。
【0013】
図2はマスクMを示す図であって、図2(a)は上から見た平面図、図2(b)は図2(a)のC−C断面矢視図である。マスクMは平面視矩形状のガラス基板によって形成されており、下面(所定面)30の中央部にはクロム等の遮光性材料からなるパターン31が設けられている。更にマスクMは、パターン31と対向する位置においてマスクMの下面30を覆うように設けられたペリクル(膜部材)32と、ペリクル32をマスクMの下面30に対して支持するペリクル枠(枠部材)33とを有している。ペリクル32はパターン31に対する異物の付着防止や保護を目的として設けられ、例えばニトロセルロース等を主成分とする投光性の薄膜により形成されている。
【0014】
図3はマスク収納装置1の拡大図である。図3において、マスク収納装置1は、マスクMを収納可能なマスクケース(箱部材)2と、マスクケース2の一部に形成され、マスクMを通過可能な開口部4と、開口部4を開閉する扉部材5と、扉部材5をマスクケース2に対して回動可能に支持するヒンジ部(回動部、支持部)6とを備えている。ここで、図3(a)には扉部材5によって開口部4が閉じている状態が示されており、図3(b)には開口部4が開いている状態が示されている。本実施形態において、開口部4はマスクケース2の−Y側の側面に設けられている。そして、扉部材5によって開口部4を閉じることで、マスクケース2は略密閉される。
【0015】
扉部材5をマスクケース2に対して回動可能に支持するヒンジ部6は、開口部4を通過するマスクMより少なくとも下方に設けられている。本実施形態において、ヒンジ部6は、マスクケース2の底部(底板)2Aの開口部4の近傍部と扉部材5の下端部とを連結するように設けられている。そして、扉部材5はヒンジ部6によりその下端部を回動中心としてθX方向に回動可能となっている。
【0016】
開口部4の近傍であってマスクケース2の−X側の所定位置には、ヒンジ部6に支持されている扉部材5を駆動する駆動部8が設けられている。駆動部8は、ほぼ楕円形状を有し、その下端部近傍に設けられた軸部9を回動中心としてθX方向に回動可能な回動部材10と、回動部材10を回動する駆動モータや駆動シリンダ等のアクチュエータ(不図示)とを備えている。ここで、扉部材5のX軸方向における大きさはマスクケース2より大きく形成されており、扉部材5は開口部4より−X側に突出した突出部5Aを有している。駆動部8の回動部材10は突出部5Aに当接可能な位置に設けられており、前記アクチュエータにより回動部材10が、図3(a)中矢印Ra方向に回動することで突出部5Aを押し、これに伴って扉部材5が回動して開口部4を開けるようになっている。なお、駆動部8の形状をほぼ楕円形状として説明したが、棒状であったり、三角形や長方形等の多角形状であってもよい。
【0017】
また、ヒンジ部6には付勢部材としてのバネ部材11が取り付けられている。
バネ部材11は扉部材5を開口部4側に付勢するように設けられている。したがって、回動部材10が、図3(b)中矢印Rb方向に回動することで、扉部材5がバネ部材11の付勢力により回動して開口部4を閉じるようになっている。すなわち、駆動部8が駆動停止状態において、開口部4は扉部材5により閉じられる。
【0018】
図3(b)に示すように、マスクケース2の内部には、マスクMの下面30のうちパターン31が形成されている以外の所定領域を支持する支持部材7が設けられている。支持部材7はマスクMの下面30のうちペリクル枠33外側のY軸方向両側を支持するように2つ設けられている(図2参照)。ここで、支持部材7のX軸方向における幅がペリクル枠33より小さくなるように設けられている。そして、支持部材7に支持されたマスクMは、マスクケース2内部においてその板面方向とXY平面とを略平行にした状態で配置されている。なお、支持部材7の位置は、ペリクル枠33やアーム部20の動作と干渉しないような位置であればよく、例えばペリクル枠33外側のX軸方向両側を支持するようにしてもよい。
【0019】
そして、図3(b)や図1に示すように、マスクケース2の開口部4に対向する位置に、マスクケース2に収容されたマスクMを取り出して搬送する搬送装置Hの一部を構成するアーム部20が配置されている。アーム部20は、フォーク型ハンドであって2つの保持部20Aを有しており、開口部4よりマスクケース2内に進入し、マスクMを保持してマスクケース2より取り出すようになっている。
【0020】
図4は、マスク収納装置1のマスクケース2と、アーム部20との関係を示す側断面図である。図4に示すように、マスクMはマスクケース2内部において支持部材7により下面30のY軸方向両側をそれぞれ支持されている。そして、アーム部20の厚みD1は、マスクMのペリクル枠33の厚みD2より厚く形成されている。また、アーム部20がマスクMの下方に進入可能なように、マスクMの下面30とマスクケース2の底板2Aとの距離D3が、アーム部20の厚みD1より大きくなるように、支持部材7の高さが設定されている。なお、マスクMが開口部4を通過する際、開口部4の全てを開放するように、駆動部8は、Z軸と扉部材5とのなす角度θが少なくとも90度以上になるように、この扉部材5を回動する。そして、マスクケース2内に進入したアーム部20は、マスクMの下面30のうちペリクル枠33以外の位置、具体的には、マスクMの下面30のうちペリクル枠33外側のX軸方向両側のそれぞれをその保持部20Aで保持し(図2参照)、このマスクMを搬送する。このとき、アーム部20の保持部20Aにはチャック機構を構成する真空吸着孔が設けられており、連結された不図示の真空ポンプの駆動によりマスクMの吸着保持及び保持解除が行われる。
【0021】
ここで、図1に示すように、ライブラリ3に複数積み重ねられているマスクケース2のそれぞれに駆動部8が設けられている。アーム部20はこれら複数のマスクケース2に収納された複数のマスクMのうちから露光処理に使うべき指定されたマスクMを1つ選択し、このマスクMを収納したマスクケース2にアクセスする。アーム部20は、マスクケース2に対して接近・離間するようにY軸ガイド部20Bに移動可能に支持されているとともに、マスクケース2の配列方向に沿うようにZ軸ガイド部20Cに移動可能に支持されており、複数のマスクケース2のうち指定されたマスクケース2にアクセス可能となっている。なお、アーム部20は、露光処理部Sで露光処理を終えたマスクMを指定されたマスクケース2に搬入(収納)することも可能となっている。
【0022】
次に、マスク収納装置1に収納されているマスクMを取り出して露光処理部Sまで搬送する手順について説明する。まず、図5を参照しながら、マスク収納装置1よりマスクMを取り出す手順について説明する。
図5(a)に示すように、露光処理に使うべき指定されたマスクMを収納したマスクケース2に対してアーム部20が接近する。アーム部20のマスクケース2に対する接近に伴って、駆動部8の駆動により扉部材5が回動し、開口部4が開けられる。アーム部20は開口部4よりマスクケース2内部に進入し、図5(b)に示すようにマスクMの下面30のうちペリクル枠33の外側を保持する。
なおこのとき、アーム部20の先端部に、扉部材5が回動しているかどうか(開口部4が開いているかどうか)を光学的に検出する有無センサ50を取り付け、この有無センサ50の検出結果に基づいて、アーム部20の動作を制御してもよい。これにより、例えばアーム部20がマスクケース2に接近しているにもかかわらず、開口部4が開いていない場合には有無センサ50により扉部材5が検出されるので、この検出結果に基づいて、アーム部20の動作を制御してアーム部20のマスクケース2に対する接近を停止することで、マスクケース2(扉部材5)にアーム部20が当たるといった不都合を回避できる。
【0023】
アーム部20はマスクMを保持したら、図5(c)に示すように所定量上昇し、マスクMと支持部材7とを離す。このとき、少なくともペリクル枠33が支持部材7より高くなるように、アーム部20は上昇する。そのため、図4に示したマスクMとマスクケース2の上板(上部)2Bとの距離D4は、アーム部20の上昇量に応じて予め設定されている。アーム部20はマスクMを上昇したら、図5(d)に示すように、−Y方向に移動し、マスクMをマスクケース2より取り出す。そして、マスクMを保持したアーム部20がマスクケース2より退避した後、扉部材5がバネ部材11の付勢力により矢印Rb方向に回動し、開口部4が閉じられる。
【0024】
ここで、図5(d)の二点鎖線5Bに示すように、アーム部20がマスクMをマスクケース2より取り出す途中において(マスクMが開口部4を通過途中において)、例えば駆動部8に異常が生じ、扉部材5がバネ部材11の付勢力により矢印Rb方向に回動して開口部4を閉じようとする状況が生じた場合について考える。この場合、マスクMのうちペリクル枠33が設けられている下面30を支持しているアーム部20の厚みD1は、ペリクル枠33の厚みD2より厚く設けられているので、扉部材5はマスクMやペリクル枠33あるいはペリクル32に当たる前に、アーム部20に当たる。したがって、ペリクル枠33やペリクル32を含むマスクMが損傷する不都合を回避できる。
【0025】
また、図5(d)の二点鎖線5Cに示すように、例えばバネ部材11やヒンジ部6に異常が生じ、自重により扉部材5が駆動部8の回動部材10の駆動量以上に、つまり下方に落下するように矢印Ra方向に回動する状況が生じても、扉部材5を回動可能に支持するヒンジ部6は、開口部4を通過するマスクMよりも下方に設けられているので、扉部材5は開口部4を通過中のマスクMに当たらない。したがって、マスクMが損傷する不都合を回避できる。また、ヒンジ部6はマスクMより下方に設けられているので、ヒンジ部6から塵埃等が発生してもマスクMに付着しない。
【0026】
次に、マスク収納装置1のマスクケース2から取り出したマスクMを露光処理部Sまで搬送する手順について図1を参照しながら説明する。
マスクMをマスクケース2から取り出したアーム部20は、−Y方向に移動した後、そのままZ軸方向の最上位置である位置CA1まで搬送し、この位置CA1においてマスクMをキャリア21に渡す。キャリア21は、位置CA1と位置CA2との間をキャリアガイド部21Aに支持されつつ移動可能であるとともに、キャリアガイド部21AとともにZ軸方向に移動可能である。つまり、キャリア21は図1中、X軸及びZ軸方向に移動可能に設けられている。キャリア21は下面に真空吸着孔を有しており、連結された不図示の真空ポンプのON・OFFによってマスクMを吸着保持及び保持解除可能となっている。キャリア21は、位置CA1においてアーム部20からマスクMを受け取った後、位置CA2まで搬送する。
【0027】
ロードアーム22及びアンロードアーム23は、図1中、Y軸及びZ軸方向に移動可能である。ロードアーム22とアンロードアーム23とは、位置CA2とマスクステージMSTとの間をY軸方向に個別に移動可能であるとともに、Z軸方向についてはZ軸ガイド部22Aに支持されつつ一体で移動可能となっている。これらロードアーム22及びアンロードアーム23は、アーム部20同様、マスクMを保持する真空吸着孔を有しており、連結された真空ポンプのON・OFFによってマスクMの吸着保持及び保持解除を行う。ロードアーム22は、位置CA2において露光処理に使用するマスクMをキャリア21から受け取る。
【0028】
ロードアーム22と露光処理部SのマスクステージMSTとの間のマスクMの搬送経路途中には、マスクステージMSTに対するマスクMの大まかな位置合わせをするプリアライメント部40が設けられている。プリアライメント部40は、XY平面内において互いに独立して移動可能に設けられ、矩形状に形成されたマスクMの各辺に当接可能な複数(図1では5つ)のピン部材41を備えている。プリアライメント部40では、マスクステージMSTにロードされる前のマスクMをピン部材41で挟み込むことにより、マスクステージMSTに対するマスクMの大まかな位置合わせが行われる。
【0029】
プリアライメント部40でプリアライメントされたマスクMはロードアーム22により露光処理部SのマスクステージMSTにロードされる。そして、マスクステージMSTに支持されたマスクMを照明光学系ILにより露光光ELで照明することで、基板ステージPSTに支持されている感光基板PにマスクMのパタターンが投影光学系PLを介して露光される。
【0030】
露光処理部Sにおいて露光処理を終えたマスクMはアンロードアーム23によりマスクステージMSTからアンロードされ、位置CA2まで搬送される。位置CA2に搬送されたマスクMは、この位置CA2に待機しているキャリア21に渡され、このキャリア21によって位置CA1に搬送される。そして、位置CA1に搬送されたマスクMは、位置CA1に待機していたアーム部20に渡され、このアーム部20によって指定されたマスクケース2に収納される。マスクMをマスクケース2に収納する際にも、アーム部20の厚みD1がペリクル枠33の厚みD2より厚く形成されていることで、扉部材5がペリクル枠33やペリクル32を含むマスクMに当たるといった不都合が回避される。なお、露光処理を終えたマスクMをライブラリ3のマスクケース2に戻す場合、搬送装置Hを使わずに別系統の搬送機構を使って搬送するようにしてもよい。また、このマスクMをライブラリ3のマスクケース2に戻さずに別の収納装置に収納してもよい。
【0031】
なお、本実施形態において、扉部材5を開口部4側に付勢する付勢部材(バネ部材)11を設け、開口部4を開けるときは駆動部8を使って扉部材5を矢印Ra方向に回動し、開口部4を閉じるときは付勢部材11の付勢力を使って扉部材5を矢印Rb方向に回動する構成であるが、扉部材5を開口部4と反対方向に付勢する付勢部材を設け、開口部4を開けるときに前記付勢部材の付勢力を使って扉部材5を矢印Ra方向に回動し、開口部4を閉じるときに駆動部を使って扉部材5を矢印Rb方向に回動するようにしてもよい。なおこの場合、マスクケース2を密閉するために常時駆動部を駆動しなければならないので、本実施形態のように、扉部材5を開口部4側に付勢する付勢部材11を設ける構成とすることにより、マスクケース2を密閉しているときは駆動部8を駆動する必要がないので好ましい。また、付勢部材を設けずに、扉部材5のRa及びRb方向の双方への回動を駆動部により駆動してもよい。
【0032】
なお、本実施形態において、扉部材5を移動可能に支持する支持部は、この扉部材5を回動可能に支持するヒンジ部6により構成されているが、図6に示すように、扉部材5を開口部4に対してZ軸方向にスライド可能に支持するスライド部(支持部)60であってもよい。この場合、スライド部60は、マスクケース2のX軸方向両側の側板2C、2Cのうち開口部4近傍の−Y側端面2D、2Dに設けられたガイド部61と、ガイド部61に対応して扉部材5に設けられた溝部62とを有している。ガイド部61は端面2D下部に設けられZ軸方向を稜線とする凸部であり、一方、溝部62は扉部材5の+Y側の面においてZ軸方向の全域に延在するように形成されている。そして、扉部材5はガイド部61に沿って開口部4に対して下方に移動可能に設けられている。また、扉部材5には、この扉部材5をガイド部61に沿ってZ軸方向に移動する駆動シリンダ等からなる駆動部80が設けられている。このような構成とすることによっても、開口部4を通過する途中でマスクMと扉部材5とが当たる不都合の発生を回避できる。また、ガイド部61は端面2Dの下部に設けられた構成であって開口部4を通過するマスクMより下方に設けられている。そのため、ガイド部61と溝部62とが摺動する位置は開口部4を通過するマスクMより下方であるので、仮にガイド部61と溝部62との摺動により塵埃が生じても、マスクMに付着することがない。
【0033】
なお、アーム部20の厚みは均一であってもよいが、厚み分布を有していてもよい。すなわち、扉部材5とペリクル枠33及びペリクル32を含むマスクMとの当接が回避されればよいので、例えば図7に示すように、アーム部20の2つの保持部20A、20Aのうち、一方の保持部20Aの厚みD1がペリクル枠33の厚みD2より厚い構成であれば、他方の保持部20Aの厚みD1’はペリクル枠33の厚みD2より薄くてもよい。
【0034】
なお、マスクMの搬送経路途中には、プリアライメント部40の他に、例えばマスクMに付着した異物(ゴミ)を光学的に検出する異物検出装置を設置することができる。また、本実施形態では、マスクケース2の開口部4を通過するマスクMは、扉部材5の上方を通過する構成であるので、この扉部材5に、その上方を通過するマスクMに付着した異物を光学的に検出する異物検出装置を設けてもよい。
【0035】
なお、本実施形態では、ペリクル枠33はマスクMの下面30に取り付けられ、この下面30を下側に向けた状態でアーム部20で搬送する構成であるが、図8(a)に示すように、ペリクル枠33が取り付けられた面30を上側に向けた状態で搬送するようにしてもよい。この場合、アーム部20の厚みがペリクル枠33より薄くてもマスクMに扉部材5が当たるといった不都合を回避できる。また、図8(b)に示すように、扉部材5を回動可能に支持するヒンジ部6が開口部4の上に設けられている場合、ペリクル枠33が設けられた面30を上側に向けた状態でこの面30を真空吸着保持しつつ厚みD1を有するアーム部20で搬送するようにしてもよい。
【0036】
なお、上記実施形態において、露光処理対象である感光基板Pとしては、液晶表示デバイス用のガラス基板、半導体デバイス用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハが適用される。
【0037】
露光装置EXとしては、マスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置や、マスクMと感光基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、感光基板Pを順次ステップ移動するステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)に適用することができる。
【0038】
露光装置EXの種類としては、感光基板Pに液晶表示デバイスパターンを露光する液晶表示デバイス製造用の露光装置に限られず、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0039】
露光光ELの光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を使うことができる。
【0040】
投影光学系PLの倍率は、等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。また、投影光学系PLを用いることなく、マスクMと感光基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0041】
マスクステージMSTや基板ステージPSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、プレートホルダやマスクステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0042】
マスクステージMSTや基板ステージPSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をマスクステージMSTや基板ステージPSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をマスクステージMSTや基板ステージPSTの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0043】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0044】
本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0045】
液晶表示デバイスや半導体デバイス等のデバイスは、図9に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクM(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクMのパターンを基板Pに露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクをマスク収納装置から取り出す際、マスクを損傷せずに円滑に取り出すことができるので、円滑にマスクを露光処理部まで搬送して精度良い露光処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスク収納装置及び搬送装置を備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】マスクの一実施形態を示す図である。
【図3】マスク収納装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】マスク収納装置とアーム部との関係を説明するための図である。
【図5】マスク収納装置からマスクを取り出すときの動作を示す図である。
【図6】本発明のマスク収納装置の他の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の搬送装置の他の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の搬送装置の他の実施形態を示す図である。
【図9】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…マスク収納装置、2…マスクケース(箱部材、マスク収納装置)、4…開口部、5…扉部材、6…ヒンジ部(支持部、回動部)、8…駆動部、11…バネ部材(付勢部材)、20…アーム部(搬送装置)、30…下面(所定面)、31…パターン、32…ペリクル(膜部材)、33…枠部材(ペリクル枠)、60…スライド部(支持部)、EX…露光装置、H…搬送装置、M…マスク、P…感光基板(基板)
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光処理に使うマスクを収納するマスク収納装置、搬送装置及び露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示デバイスや半導体デバイスをフォトリソグラフィの手法で製造する場合にマスク(レチクル)を露光光で照明することでパターンを感光基板に露光する露光装置が使用される。通常、マスクはマスクケースに収納されてライブラリと呼ばれる収納部に複数収納されており、露光処理する際には、ライブラリに収納されている複数のマスクから特定のマスクが選択され、搬送装置によりマスクケースから取り出されて所定の位置まで搬送される。下記特許文献1にはマスクケースに関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−39537号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術には以下に述べる問題が存在する。
マスクはマスクケースに形成された開口部を介して取り出され、開口部は扉部材(開閉部材)により開閉されるが、扉部材を回動可能に支持するヒンジ部が開口部の上側に設けられている場合、扉部材の開閉機構に異常が生じるとマスクをマスクケースから取り出している途中で扉部材が自重などにより閉じてしまってマスクに当たり、マスクを損傷する不都合が生じる可能性がある。また、ヒンジ部の回動により僅かではあるが塵埃が発生する可能性があり、この場合、マスクがヒンジ部の下方を通過することでマスクに塵埃が付着する不都合が生じる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスクをマスク収納装置から取り出す際、マスクを損傷せずに円滑に取り出すことができるマスク収納装置、搬送装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図9に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスク収納装置(1)は、マスク(M)を収納可能な箱部材(2)と、箱部材(2)の一部に形成され、マスク(M)を通過可能な開口部(4)と、開口部(4)を開閉する扉部材(5)と、扉部材(5)を開口部(4)に対して移動可能に支持する支持部(6、60)とを有し、支持部(6、60)は、開口部(4)を通過するマスク(M)より下方に設けられていることを特徴とする。本発明によれば、開口部を開閉する扉部材を移動(回動)可能に支持する支持部を、開口部を通過するマスクより下方に設けたので、扉部材の開閉機構に異常が生じて扉部材が自重により下方に落下する状況が生じても、扉部材は開口部を通過中のマスクに当たらない。したがって、マスクが損傷する不都合を回避できる。また、支持部はマスクより下方に設けられているので、支持部から塵埃等が発生したとしてもマスクに付着しない。
【0007】
本発明の搬送装置(H)は、マスク収納装置(1、2)に収納されたマスク(M)を取り出して搬送する搬送装置において、マスク収納装置(1、2)に形成された開口部(4)より該マスク収納装置(1、2)内に進入してマスク(M)を保持するアーム部(20)を有し、マスク(M)は、該マスク(M)の所定面(30)を覆う膜部材(32)と膜部材(32)を所定面(30)に対して支持する枠部材(33)とを有しており、アーム部(20)は、所定面(30)のうち枠部材(33)以外の位置を保持するとともに、枠部材(33)の厚み(D2)より厚く形成されていることを特徴とする。
一般にマスクは、パターンに対する異物付着防止や保護を目的としてペリクルと呼ばれる膜部材を備えており、このペリクルはペリクル枠と呼ばれる枠部材を介してマスクに装着されている。そこで、本発明によれば、搬送装置のアーム部でマスクのパターン形成面のうち枠部材以外の位置を保持して搬送する際、このアーム部の厚みを枠部材より厚く形成することで、マスクをアーム部で保持しつつ開口部を通過させているときに、扉部材の開閉機構に異常が生じて扉部材が閉じようとしても、この扉部材はマスクや枠部材あるいは膜部材に当たる前に、アーム部に当たる。したがって、枠部材や膜部材を含むマスクが損傷する不都合を回避できる。
【0008】
本発明の露光装置(EX)は、マスク収納装置(1、2)から搬送されたマスク(M)のパターン(31)を基板(P)に露光する露光装置において、マスク収納装置(1、2)よりマスク(M)を取り出して搬送する搬送装置(H、20)を備え、搬送装置(H、20)は、上記記載の搬送装置により構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、損傷する不都合を回避しつつマスクをマスク収納装置とマスクステージ等の所定の位置との間で搬送できるので、円滑で高効率な露光処理を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスク収納装置及び搬送装置を備えた露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、露光処理に使うマスクMを収納するマスク収納装置1と、マスクMを使って感光基板(基板)Pを露光する露光処理部Sと、マスク収納装置1と露光処理部Sとの間でマスクMを搬送する搬送装置Hとを備えている。露光装置EXは、所定環境に設定された不図示のチャンバ内部に設けられている。ここで、以下の説明において、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と垂直な方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に垂直な方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれθX、θY、及びθZ方向とする。
【0010】
マスク収納装置1は、マスクMを収納可能なマスクケース(箱部材)2と、マスクケース2を収納するライブラリ3とを備えている。ライブラリ3にはマスクケース2がZ軸方向に複数積み重ねられるようにして配置されており、マスクケース2にはマスクMが1枚ずつ個別に収納される。マスクケース2はチャンバの一部に設けられた扉を開けて、例えばオペレータや所定の搬送機構(自動搬送車(AGV)等)によりライブラリ3の各スロットに装填可能となっている。
【0011】
露光処理部Sは、パターンが形成されたマスクMを支持するマスクステージMSTと、露光処理対象である感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを感光基板Pに投影露光する投影光学系PLとを備えている。
【0012】
搬送装置Hは、ライブラリ3のマスクケース2からマスクMを取り出すアーム部20と、アーム部20により取り出されたマスクMを位置CA1においてアーム部20から受け取るとともに位置CA1と位置CA2との間を移動可能なキャリア21と、位置CA2に移動したキャリア21からマスクMを受け取って露光処理部Sに設けられたマスクステージMSTに搬入(ロード)するロードアーム22と、露光処理を終えたマスクMをマスクステージMSTから搬出(アンロード)するアンロードアーム23とを備えている。また、ロードアーム22とマスクステージMSTとの間の搬送経路途中には、マスクステージMSTに対するマスクMの大まかな位置合わせをするプリアライメント部40が設けられている。
【0013】
図2はマスクMを示す図であって、図2(a)は上から見た平面図、図2(b)は図2(a)のC−C断面矢視図である。マスクMは平面視矩形状のガラス基板によって形成されており、下面(所定面)30の中央部にはクロム等の遮光性材料からなるパターン31が設けられている。更にマスクMは、パターン31と対向する位置においてマスクMの下面30を覆うように設けられたペリクル(膜部材)32と、ペリクル32をマスクMの下面30に対して支持するペリクル枠(枠部材)33とを有している。ペリクル32はパターン31に対する異物の付着防止や保護を目的として設けられ、例えばニトロセルロース等を主成分とする投光性の薄膜により形成されている。
【0014】
図3はマスク収納装置1の拡大図である。図3において、マスク収納装置1は、マスクMを収納可能なマスクケース(箱部材)2と、マスクケース2の一部に形成され、マスクMを通過可能な開口部4と、開口部4を開閉する扉部材5と、扉部材5をマスクケース2に対して回動可能に支持するヒンジ部(回動部、支持部)6とを備えている。ここで、図3(a)には扉部材5によって開口部4が閉じている状態が示されており、図3(b)には開口部4が開いている状態が示されている。本実施形態において、開口部4はマスクケース2の−Y側の側面に設けられている。そして、扉部材5によって開口部4を閉じることで、マスクケース2は略密閉される。
【0015】
扉部材5をマスクケース2に対して回動可能に支持するヒンジ部6は、開口部4を通過するマスクMより少なくとも下方に設けられている。本実施形態において、ヒンジ部6は、マスクケース2の底部(底板)2Aの開口部4の近傍部と扉部材5の下端部とを連結するように設けられている。そして、扉部材5はヒンジ部6によりその下端部を回動中心としてθX方向に回動可能となっている。
【0016】
開口部4の近傍であってマスクケース2の−X側の所定位置には、ヒンジ部6に支持されている扉部材5を駆動する駆動部8が設けられている。駆動部8は、ほぼ楕円形状を有し、その下端部近傍に設けられた軸部9を回動中心としてθX方向に回動可能な回動部材10と、回動部材10を回動する駆動モータや駆動シリンダ等のアクチュエータ(不図示)とを備えている。ここで、扉部材5のX軸方向における大きさはマスクケース2より大きく形成されており、扉部材5は開口部4より−X側に突出した突出部5Aを有している。駆動部8の回動部材10は突出部5Aに当接可能な位置に設けられており、前記アクチュエータにより回動部材10が、図3(a)中矢印Ra方向に回動することで突出部5Aを押し、これに伴って扉部材5が回動して開口部4を開けるようになっている。なお、駆動部8の形状をほぼ楕円形状として説明したが、棒状であったり、三角形や長方形等の多角形状であってもよい。
【0017】
また、ヒンジ部6には付勢部材としてのバネ部材11が取り付けられている。
バネ部材11は扉部材5を開口部4側に付勢するように設けられている。したがって、回動部材10が、図3(b)中矢印Rb方向に回動することで、扉部材5がバネ部材11の付勢力により回動して開口部4を閉じるようになっている。すなわち、駆動部8が駆動停止状態において、開口部4は扉部材5により閉じられる。
【0018】
図3(b)に示すように、マスクケース2の内部には、マスクMの下面30のうちパターン31が形成されている以外の所定領域を支持する支持部材7が設けられている。支持部材7はマスクMの下面30のうちペリクル枠33外側のY軸方向両側を支持するように2つ設けられている(図2参照)。ここで、支持部材7のX軸方向における幅がペリクル枠33より小さくなるように設けられている。そして、支持部材7に支持されたマスクMは、マスクケース2内部においてその板面方向とXY平面とを略平行にした状態で配置されている。なお、支持部材7の位置は、ペリクル枠33やアーム部20の動作と干渉しないような位置であればよく、例えばペリクル枠33外側のX軸方向両側を支持するようにしてもよい。
【0019】
そして、図3(b)や図1に示すように、マスクケース2の開口部4に対向する位置に、マスクケース2に収容されたマスクMを取り出して搬送する搬送装置Hの一部を構成するアーム部20が配置されている。アーム部20は、フォーク型ハンドであって2つの保持部20Aを有しており、開口部4よりマスクケース2内に進入し、マスクMを保持してマスクケース2より取り出すようになっている。
【0020】
図4は、マスク収納装置1のマスクケース2と、アーム部20との関係を示す側断面図である。図4に示すように、マスクMはマスクケース2内部において支持部材7により下面30のY軸方向両側をそれぞれ支持されている。そして、アーム部20の厚みD1は、マスクMのペリクル枠33の厚みD2より厚く形成されている。また、アーム部20がマスクMの下方に進入可能なように、マスクMの下面30とマスクケース2の底板2Aとの距離D3が、アーム部20の厚みD1より大きくなるように、支持部材7の高さが設定されている。なお、マスクMが開口部4を通過する際、開口部4の全てを開放するように、駆動部8は、Z軸と扉部材5とのなす角度θが少なくとも90度以上になるように、この扉部材5を回動する。そして、マスクケース2内に進入したアーム部20は、マスクMの下面30のうちペリクル枠33以外の位置、具体的には、マスクMの下面30のうちペリクル枠33外側のX軸方向両側のそれぞれをその保持部20Aで保持し(図2参照)、このマスクMを搬送する。このとき、アーム部20の保持部20Aにはチャック機構を構成する真空吸着孔が設けられており、連結された不図示の真空ポンプの駆動によりマスクMの吸着保持及び保持解除が行われる。
【0021】
ここで、図1に示すように、ライブラリ3に複数積み重ねられているマスクケース2のそれぞれに駆動部8が設けられている。アーム部20はこれら複数のマスクケース2に収納された複数のマスクMのうちから露光処理に使うべき指定されたマスクMを1つ選択し、このマスクMを収納したマスクケース2にアクセスする。アーム部20は、マスクケース2に対して接近・離間するようにY軸ガイド部20Bに移動可能に支持されているとともに、マスクケース2の配列方向に沿うようにZ軸ガイド部20Cに移動可能に支持されており、複数のマスクケース2のうち指定されたマスクケース2にアクセス可能となっている。なお、アーム部20は、露光処理部Sで露光処理を終えたマスクMを指定されたマスクケース2に搬入(収納)することも可能となっている。
【0022】
次に、マスク収納装置1に収納されているマスクMを取り出して露光処理部Sまで搬送する手順について説明する。まず、図5を参照しながら、マスク収納装置1よりマスクMを取り出す手順について説明する。
図5(a)に示すように、露光処理に使うべき指定されたマスクMを収納したマスクケース2に対してアーム部20が接近する。アーム部20のマスクケース2に対する接近に伴って、駆動部8の駆動により扉部材5が回動し、開口部4が開けられる。アーム部20は開口部4よりマスクケース2内部に進入し、図5(b)に示すようにマスクMの下面30のうちペリクル枠33の外側を保持する。
なおこのとき、アーム部20の先端部に、扉部材5が回動しているかどうか(開口部4が開いているかどうか)を光学的に検出する有無センサ50を取り付け、この有無センサ50の検出結果に基づいて、アーム部20の動作を制御してもよい。これにより、例えばアーム部20がマスクケース2に接近しているにもかかわらず、開口部4が開いていない場合には有無センサ50により扉部材5が検出されるので、この検出結果に基づいて、アーム部20の動作を制御してアーム部20のマスクケース2に対する接近を停止することで、マスクケース2(扉部材5)にアーム部20が当たるといった不都合を回避できる。
【0023】
アーム部20はマスクMを保持したら、図5(c)に示すように所定量上昇し、マスクMと支持部材7とを離す。このとき、少なくともペリクル枠33が支持部材7より高くなるように、アーム部20は上昇する。そのため、図4に示したマスクMとマスクケース2の上板(上部)2Bとの距離D4は、アーム部20の上昇量に応じて予め設定されている。アーム部20はマスクMを上昇したら、図5(d)に示すように、−Y方向に移動し、マスクMをマスクケース2より取り出す。そして、マスクMを保持したアーム部20がマスクケース2より退避した後、扉部材5がバネ部材11の付勢力により矢印Rb方向に回動し、開口部4が閉じられる。
【0024】
ここで、図5(d)の二点鎖線5Bに示すように、アーム部20がマスクMをマスクケース2より取り出す途中において(マスクMが開口部4を通過途中において)、例えば駆動部8に異常が生じ、扉部材5がバネ部材11の付勢力により矢印Rb方向に回動して開口部4を閉じようとする状況が生じた場合について考える。この場合、マスクMのうちペリクル枠33が設けられている下面30を支持しているアーム部20の厚みD1は、ペリクル枠33の厚みD2より厚く設けられているので、扉部材5はマスクMやペリクル枠33あるいはペリクル32に当たる前に、アーム部20に当たる。したがって、ペリクル枠33やペリクル32を含むマスクMが損傷する不都合を回避できる。
【0025】
また、図5(d)の二点鎖線5Cに示すように、例えばバネ部材11やヒンジ部6に異常が生じ、自重により扉部材5が駆動部8の回動部材10の駆動量以上に、つまり下方に落下するように矢印Ra方向に回動する状況が生じても、扉部材5を回動可能に支持するヒンジ部6は、開口部4を通過するマスクMよりも下方に設けられているので、扉部材5は開口部4を通過中のマスクMに当たらない。したがって、マスクMが損傷する不都合を回避できる。また、ヒンジ部6はマスクMより下方に設けられているので、ヒンジ部6から塵埃等が発生してもマスクMに付着しない。
【0026】
次に、マスク収納装置1のマスクケース2から取り出したマスクMを露光処理部Sまで搬送する手順について図1を参照しながら説明する。
マスクMをマスクケース2から取り出したアーム部20は、−Y方向に移動した後、そのままZ軸方向の最上位置である位置CA1まで搬送し、この位置CA1においてマスクMをキャリア21に渡す。キャリア21は、位置CA1と位置CA2との間をキャリアガイド部21Aに支持されつつ移動可能であるとともに、キャリアガイド部21AとともにZ軸方向に移動可能である。つまり、キャリア21は図1中、X軸及びZ軸方向に移動可能に設けられている。キャリア21は下面に真空吸着孔を有しており、連結された不図示の真空ポンプのON・OFFによってマスクMを吸着保持及び保持解除可能となっている。キャリア21は、位置CA1においてアーム部20からマスクMを受け取った後、位置CA2まで搬送する。
【0027】
ロードアーム22及びアンロードアーム23は、図1中、Y軸及びZ軸方向に移動可能である。ロードアーム22とアンロードアーム23とは、位置CA2とマスクステージMSTとの間をY軸方向に個別に移動可能であるとともに、Z軸方向についてはZ軸ガイド部22Aに支持されつつ一体で移動可能となっている。これらロードアーム22及びアンロードアーム23は、アーム部20同様、マスクMを保持する真空吸着孔を有しており、連結された真空ポンプのON・OFFによってマスクMの吸着保持及び保持解除を行う。ロードアーム22は、位置CA2において露光処理に使用するマスクMをキャリア21から受け取る。
【0028】
ロードアーム22と露光処理部SのマスクステージMSTとの間のマスクMの搬送経路途中には、マスクステージMSTに対するマスクMの大まかな位置合わせをするプリアライメント部40が設けられている。プリアライメント部40は、XY平面内において互いに独立して移動可能に設けられ、矩形状に形成されたマスクMの各辺に当接可能な複数(図1では5つ)のピン部材41を備えている。プリアライメント部40では、マスクステージMSTにロードされる前のマスクMをピン部材41で挟み込むことにより、マスクステージMSTに対するマスクMの大まかな位置合わせが行われる。
【0029】
プリアライメント部40でプリアライメントされたマスクMはロードアーム22により露光処理部SのマスクステージMSTにロードされる。そして、マスクステージMSTに支持されたマスクMを照明光学系ILにより露光光ELで照明することで、基板ステージPSTに支持されている感光基板PにマスクMのパタターンが投影光学系PLを介して露光される。
【0030】
露光処理部Sにおいて露光処理を終えたマスクMはアンロードアーム23によりマスクステージMSTからアンロードされ、位置CA2まで搬送される。位置CA2に搬送されたマスクMは、この位置CA2に待機しているキャリア21に渡され、このキャリア21によって位置CA1に搬送される。そして、位置CA1に搬送されたマスクMは、位置CA1に待機していたアーム部20に渡され、このアーム部20によって指定されたマスクケース2に収納される。マスクMをマスクケース2に収納する際にも、アーム部20の厚みD1がペリクル枠33の厚みD2より厚く形成されていることで、扉部材5がペリクル枠33やペリクル32を含むマスクMに当たるといった不都合が回避される。なお、露光処理を終えたマスクMをライブラリ3のマスクケース2に戻す場合、搬送装置Hを使わずに別系統の搬送機構を使って搬送するようにしてもよい。また、このマスクMをライブラリ3のマスクケース2に戻さずに別の収納装置に収納してもよい。
【0031】
なお、本実施形態において、扉部材5を開口部4側に付勢する付勢部材(バネ部材)11を設け、開口部4を開けるときは駆動部8を使って扉部材5を矢印Ra方向に回動し、開口部4を閉じるときは付勢部材11の付勢力を使って扉部材5を矢印Rb方向に回動する構成であるが、扉部材5を開口部4と反対方向に付勢する付勢部材を設け、開口部4を開けるときに前記付勢部材の付勢力を使って扉部材5を矢印Ra方向に回動し、開口部4を閉じるときに駆動部を使って扉部材5を矢印Rb方向に回動するようにしてもよい。なおこの場合、マスクケース2を密閉するために常時駆動部を駆動しなければならないので、本実施形態のように、扉部材5を開口部4側に付勢する付勢部材11を設ける構成とすることにより、マスクケース2を密閉しているときは駆動部8を駆動する必要がないので好ましい。また、付勢部材を設けずに、扉部材5のRa及びRb方向の双方への回動を駆動部により駆動してもよい。
【0032】
なお、本実施形態において、扉部材5を移動可能に支持する支持部は、この扉部材5を回動可能に支持するヒンジ部6により構成されているが、図6に示すように、扉部材5を開口部4に対してZ軸方向にスライド可能に支持するスライド部(支持部)60であってもよい。この場合、スライド部60は、マスクケース2のX軸方向両側の側板2C、2Cのうち開口部4近傍の−Y側端面2D、2Dに設けられたガイド部61と、ガイド部61に対応して扉部材5に設けられた溝部62とを有している。ガイド部61は端面2D下部に設けられZ軸方向を稜線とする凸部であり、一方、溝部62は扉部材5の+Y側の面においてZ軸方向の全域に延在するように形成されている。そして、扉部材5はガイド部61に沿って開口部4に対して下方に移動可能に設けられている。また、扉部材5には、この扉部材5をガイド部61に沿ってZ軸方向に移動する駆動シリンダ等からなる駆動部80が設けられている。このような構成とすることによっても、開口部4を通過する途中でマスクMと扉部材5とが当たる不都合の発生を回避できる。また、ガイド部61は端面2Dの下部に設けられた構成であって開口部4を通過するマスクMより下方に設けられている。そのため、ガイド部61と溝部62とが摺動する位置は開口部4を通過するマスクMより下方であるので、仮にガイド部61と溝部62との摺動により塵埃が生じても、マスクMに付着することがない。
【0033】
なお、アーム部20の厚みは均一であってもよいが、厚み分布を有していてもよい。すなわち、扉部材5とペリクル枠33及びペリクル32を含むマスクMとの当接が回避されればよいので、例えば図7に示すように、アーム部20の2つの保持部20A、20Aのうち、一方の保持部20Aの厚みD1がペリクル枠33の厚みD2より厚い構成であれば、他方の保持部20Aの厚みD1’はペリクル枠33の厚みD2より薄くてもよい。
【0034】
なお、マスクMの搬送経路途中には、プリアライメント部40の他に、例えばマスクMに付着した異物(ゴミ)を光学的に検出する異物検出装置を設置することができる。また、本実施形態では、マスクケース2の開口部4を通過するマスクMは、扉部材5の上方を通過する構成であるので、この扉部材5に、その上方を通過するマスクMに付着した異物を光学的に検出する異物検出装置を設けてもよい。
【0035】
なお、本実施形態では、ペリクル枠33はマスクMの下面30に取り付けられ、この下面30を下側に向けた状態でアーム部20で搬送する構成であるが、図8(a)に示すように、ペリクル枠33が取り付けられた面30を上側に向けた状態で搬送するようにしてもよい。この場合、アーム部20の厚みがペリクル枠33より薄くてもマスクMに扉部材5が当たるといった不都合を回避できる。また、図8(b)に示すように、扉部材5を回動可能に支持するヒンジ部6が開口部4の上に設けられている場合、ペリクル枠33が設けられた面30を上側に向けた状態でこの面30を真空吸着保持しつつ厚みD1を有するアーム部20で搬送するようにしてもよい。
【0036】
なお、上記実施形態において、露光処理対象である感光基板Pとしては、液晶表示デバイス用のガラス基板、半導体デバイス用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハが適用される。
【0037】
露光装置EXとしては、マスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置や、マスクMと感光基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、感光基板Pを順次ステップ移動するステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)に適用することができる。
【0038】
露光装置EXの種類としては、感光基板Pに液晶表示デバイスパターンを露光する液晶表示デバイス製造用の露光装置に限られず、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0039】
露光光ELの光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を使うことができる。
【0040】
投影光学系PLの倍率は、等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。また、投影光学系PLを用いることなく、マスクMと感光基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0041】
マスクステージMSTや基板ステージPSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、プレートホルダやマスクステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0042】
マスクステージMSTや基板ステージPSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をマスクステージMSTや基板ステージPSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をマスクステージMSTや基板ステージPSTの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0043】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0044】
本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0045】
液晶表示デバイスや半導体デバイス等のデバイスは、図9に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクM(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクMのパターンを基板Pに露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクをマスク収納装置から取り出す際、マスクを損傷せずに円滑に取り出すことができるので、円滑にマスクを露光処理部まで搬送して精度良い露光処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスク収納装置及び搬送装置を備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】マスクの一実施形態を示す図である。
【図3】マスク収納装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】マスク収納装置とアーム部との関係を説明するための図である。
【図5】マスク収納装置からマスクを取り出すときの動作を示す図である。
【図6】本発明のマスク収納装置の他の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の搬送装置の他の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の搬送装置の他の実施形態を示す図である。
【図9】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…マスク収納装置、2…マスクケース(箱部材、マスク収納装置)、4…開口部、5…扉部材、6…ヒンジ部(支持部、回動部)、8…駆動部、11…バネ部材(付勢部材)、20…アーム部(搬送装置)、30…下面(所定面)、31…パターン、32…ペリクル(膜部材)、33…枠部材(ペリクル枠)、60…スライド部(支持部)、EX…露光装置、H…搬送装置、M…マスク、P…感光基板(基板)
Claims (7)
- マスクを収納可能な箱部材と、
前記箱部材の一部に形成され、前記マスクを通過可能な開口部と、
前記開口部を開閉する扉部材と、
前記扉部材を前記開口部に対して移動可能に支持する支持部とを有し、
前記支持部は、前記開口部を通過するマスクより下方に設けられていることを特徴とするマスク収納装置。 - 前記支持部は、前記扉部材を前記箱部材に対して回動可能に支持する回動部を有することを特徴とする請求項1記載のマスク収納装置。
- 前記支持部に支持されている前記扉部材を駆動する駆動部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のマスク収納装置。
- 前記扉部材を前記開口部側に付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のマスク収納装置。
- マスク収納装置に収納されたマスクを取り出して搬送する搬送装置において、
前記マスク収納装置に形成された開口部より該マスク収納装置内に進入して前記マスクを保持するアーム部を有し、
前記マスクは、該マスクの所定面を覆う膜部材と前記膜部材を前記所定面に対して支持する枠部材とを有しており、
前記アーム部は、前記所定面のうち前記枠部材以外の位置を保持するとともに、前記枠部材の厚みより厚く形成されていることを特徴とする搬送装置。 - 前記マスク収納装置は、前記開口部を開閉する扉部材と、前記扉部材を前記開口部に対して移動可能に支持し、前記開口部を通過するマスクより下方に設けられた支持部とを有し、
前記アーム部は、前記枠部材が設けられた前記マスクの下面を保持することを特徴とする請求項5記載の搬送装置。 - マスク収納装置から搬送されたマスクのパターンを基板に露光する露光装置において、
前記マスク収納装置よりマスクを取り出して搬送する搬送装置を備え、
前記搬送装置は、請求項5又は請求項6記載の搬送装置により構成されていることを特徴とする露光装置。
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-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003187307A patent/JP2005026286A/ja not_active Withdrawn
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