JP2005020862A - 保護継電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2重系の保護回路のうち一方の系の異常時において誤不動作が生じた場合でも、保護対象に対する保護動作をバックアップすること。
【解決手段】地絡などの事故によってメイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26の差動電流リレー40が動作したときには、ANDゲート28〜34の出力が“1”となり、ORゲート36、38からトリップ信号が出力され、遮断器14がトリップされる。一方、地絡故障などに伴ってメイン保護回路20の差動電流リレー40のみが動作せず、他の保護回路の差動電流リレー40が動作したときにはANDゲート28、30の出力が“0”であっても、バックアップ保護回路24、26のANDゲート32、34の出力が“1”となって、ORゲート36、36の論理和の条件が満たされ、各ORゲート36、38からのトリップ信号によって遮断器14をトリップさせることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】地絡などの事故によってメイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26の差動電流リレー40が動作したときには、ANDゲート28〜34の出力が“1”となり、ORゲート36、38からトリップ信号が出力され、遮断器14がトリップされる。一方、地絡故障などに伴ってメイン保護回路20の差動電流リレー40のみが動作せず、他の保護回路の差動電流リレー40が動作したときにはANDゲート28、30の出力が“0”であっても、バックアップ保護回路24、26のANDゲート32、34の出力が“1”となって、ORゲート36、36の論理和の条件が満たされ、各ORゲート36、38からのトリップ信号によって遮断器14をトリップさせることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護継電装置に係り、特に、電力系統に接続された保護対象、例えば発電所に設置された各種機器を保護するに好適な保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力・水力発電所における発電所や変圧器などを保護するための保護リレー装置として、ディジタル保護継電装置が多く採用されている。この種のディジタル保護継電装置を発電所に設置するに際しては、保護対象の異常を検出する異常検出リレー(差動電流リレーなど)と、異常検出リレーの故障(装置不良)を検出する故障検出要素を含む保護回路を2重化する構成が採用されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−69658号公報(第2頁から第4頁、図1)
【0004】
さらに、保護回路を2重化するに際しては、各保護回路の出力側にANDゲートを設け、各保護回路の出力をANDゲートに接続するとともに各保護回路の出力側を他方のANDゲートに接続し、各保護回路から“1”のレベルの信号が出力されたときに、各ANDゲートからトリップ信号を出力するバイパスアンド方式が採用されている。このバイパスアンド方式を採用すると、一方の保護回路の異常検出リレーが故障した場合、一方の保護回路の故障検出リレーが異常検出リレーの故障を検出し、この故障検出出力を“1”の信号として各ANDゲートに出力することで、健全な他方の保護回路の保護動作に連動して各ANDゲートからトリップ信号を出力し、保護対象を確実に保護することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、保護回路を2重化するに際して、バイパスアンド方式を採用しているが、異常検出リレーが故障したときに、この故障を故障検出要素によって検出できなかったときには、遮断器をトリップすべきときに遮断器をトリップすることができない、という誤不動作が生じる。また各保護回路の故障検出要素は異常検出リレーの故障を検出したときに、故障検出後一定時間、例えば15秒経過したのち故障検出出力を発生するようになっているため、健全な系の保護回路に属する異常検出リレーから異常検出出力が出力されていても、異常な系に属する保護回路の故障検出要素から保障検出出力が出力されるまで遮断器をトリップすることができず、一方の系の異常時に瞬時に保護動作を行うことができない。
【0006】
本発明の課題は、2重系の保護回路のうち一方の系の異常時において誤不動作が生じた場合でも、保護対象に対する保護動作をバックアップすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、電力系統に接続された保護対象の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段の故障を検出する故障検出手段と、前記異常検出手段の異常検出出力と前記故障検出手段の故障検出出力との論理和を条件に論理和信号を出力する論理和演算手段とを含む保護回路を3重系以上の保護回路として構成し、各系の論理和演算手段の出力による論理和信号の論理積を条件にトリップ信号を出力するトリップ信号出力手段を各系ごとあるいは2重系に対応して設けたものである。この場合、2重系の保護回路がメイン保護回路として機能し、残りの系の保護回路がバックアップ保護回路として機能し、メイン保護回路の一方が異常になったときでもバックアップ保護回路によって保護対象に対する保護動作を確実にバックアップすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示すディジタル保護継電装置のブロック構成図、図2はディジタル保護継電装置が用いられた発電所の系統図である。
【0009】
火力・水力発電所などの発電所に設置された三相交流電源(発電機)10は変圧器(昇圧トランス)12、遮断器14を介して母線16に接続されており、三相交流電源10と母線16とを結ぶ線路の途中には複数の変流器CTが設置されている。各変流器CTはディジタル保護継電装置(保護リレー)18に接続されている。なお、変流器CTはディジタル保護継電装置に用いられるリレーの数などによって2個以上のものが設置される。
【0010】
ディジタル保護継電装置18は、4重系の保護回路として、メイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26を備えているとともに、メイン論理積演算手段としてのANDゲート28、30、バックアップ論理積演算手段としてのANDゲート32、34、トリップ信号出力手段としてのORゲート36、38を備えて構成されている。なお、メイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26は同一の要素を用いて構成されているため、以下、各保護回路の具体的構成をメイン保護回路20に従って説明する。
【0011】
メイン保護回路20は、差動電流リレー(87GMT)40、差動電流リレー(87G)42、界磁喪失リレー(40G)44などの故障(装置不良)を検出する故障検出手段としての故障検出要素46を備え、さらに前記いずれかのリレーから異常検出に伴う信号として“1”の信号が出力されたときに、“1”の信号を出力するORゲート48と、ORゲート48または故障検出要素46から“1”の信号が出力されたときに“1”の信号を出力する論理和演算手段としてORゲート50を備えて構成されている。
【0012】
差動電流リレー40は、三相交流電源10に配置された変流器CTと遮断器14の変圧器側に配置された変流器CTからの電流を取り込み、各電流の偏差を基に三相交流電源10、変圧器12の異常を検出したときに異常検出出力として“1”の信号を出力するようになっている。差動電流リレー42は、三相交流電源10の両端側に配置された変流器CTからの電流を取り込み、各電流の偏差を基に三相交流電源10の異常を検出し、異常検出時に“1”の信号を出力するようになっている。界磁喪失リレー44は、三相交流電源10に配置された変流器CTの電流を取り込み、三相交流電源(発電機)10の界磁が喪失されたときに異常検出出力として“1”の信号を出力するようになっている。すなわち、各リレー40、42、44は変流器CTとともに三相交流電源(発電機)10、変圧器12を含む保護対象の異常を検出する異常検出手段として構成されている。
【0013】
なお、故障検出要素46は、リレー40、42、44のうちいずれかのリレーなどの故障を検出したときに、故障検出後一定時間、例えば、15秒経過したときに、故障検出出力として“1”の信号を出力するようになっている。また、メイン保護回路20においては、変流器CTからの電流を入力変換器で電圧の信号に変換し、この電圧によるアナログ信号をアナログ・ディジタル変換器でディジタル信号に変換し、ディジタル信号に従って各種のリレー演算を行なって、保護対象の異常を検出するように構成されている。
【0014】
上記構成において、発電所における三相交流電源10、変圧器12を保護対象として各保護対象の状態を監視しているときに、発電所内において地絡などの事故が生じ、各系の入力電流が制限値(設定値)を越えて差動電流リレー40が動作した場合、メイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26からそれぞれ“1”の信号が出力され、これらの信号がそれぞれANDゲート28、30、32、34に出力されると、各ANDゲート28〜34は論理積の条件が満たされたとして、各ANDゲート28〜34から“1”の信号がORゲート36、38に対して出力される。この結果、各ORゲート36、38は論理和の条件が満たされ、各ORゲート36、38からは“1”の信号であるトリップ信号が出力される。各トリップ信号が遮断器14に出力されると、遮断器14はトリップ信号に応答してトリップ(開放)され、地絡事故などから変圧器12、三相交流電源10を保護することができる。
【0015】
一方、発電所内において地絡事故などが生じたときに、メイン保護回路20における差動電流リレー40が動作すべきときに、動作しないと、メイン保護回路20のORゲート50の出力は“0”の状態にある。すなわち、メイン保護回路20の故障検出要素46によって差動電流リレー40の故障が検出されたとしても、この故障検出後15秒経過するまでは、メイン保護回路20のORゲート50の出力は“0”に維持された状態にある。この場合、健全なメイン保護回路22から“1”の信号が出力されるが、ANDゲート28、30の出力は“0”の状態に維持されている。このため、バックアップ保護回路24、26がないときには、メイン保護回路20の故障検出要素46から“1”の信号が出力されるまでは、ORゲート36、38の出力は“0”に維持され、遮断器14を遮断すべきときであっても、遮断器14をトリップすることはできない。
【0016】
ところが、本実施形態においては、メイン保護回路20、22の他に2重系のバックアップ保護回路24、26が設けられているため、バックアップ保護回路24、26内の差動電流リレー40がメイン保護回路22の差動電流リレー40とともに動作すると、ANDゲート32、34の出力がそれぞれ“1”となり、ORゲート36、38の論理和の条件が満たされ、各ORゲート36、38から遮断器14に対してトリップ信号が出力される。すなわち、メイン保護回路20の異常に伴ってメイン保護回路22、22だけでは遮断器14に対して誤不動作状態となるが、遮断器14に対する保護動作をバックアップ保護回路24、26でバックアップすることで、遮断器14に対する保護動作を瞬時に行うことができる。
【0017】
前記実施形態においては、保護回路としてメイン保護回路を2重化するとともに、バックアップ保護回路を2重化するものについて述べたが、バックアップ保護回路を3重化以上にすることもでき、またバックアップ保護回路を1重化にすることもできる。バックアップ保護回路を1重化すなわち単一の系としたときには、バックアップ保護回路の出力をそれぞれORゲート36、38に接続することで、メイン回路20、22のいずれか一方の異常に伴う誤不動作が生じても、バックアップ保護回路によって遮断器14に対する保護動作をバックアップすることができる。
【0018】
また前記実施形態においては、バックアップ保護回路24、26をメイン保護回路20、22と同一の要素で構成したものについて述べたが、バックアップ保護回路24、26に用いるリレーとしては、差動電流リレー40のみを用い、構成の簡素化を図ることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2重系のメイン保護回路の一方が異常になったときでもバックアップ保護回路によって保護対象に対する保護動作を確実にバックアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すディジタル保護継電装置のブロック構成図である。
【図2】ディジタル保護継電装置が用いられた発電所の系統図である。
【符号の説明】
10 三相交流電源(発電機)
12 変圧器
14 遮断器
16 母線
18 ディジタル保護継電装置
20、22 メイン保護回路
24、26 バックアップ保護回路
28、30、32、34 ANDゲート
36、38 ORゲート
40 差動電流リレー
42 差動電流リレー
44 界磁喪失リレー
46 故障検出要素
48、50 ORゲート
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護継電装置に係り、特に、電力系統に接続された保護対象、例えば発電所に設置された各種機器を保護するに好適な保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力・水力発電所における発電所や変圧器などを保護するための保護リレー装置として、ディジタル保護継電装置が多く採用されている。この種のディジタル保護継電装置を発電所に設置するに際しては、保護対象の異常を検出する異常検出リレー(差動電流リレーなど)と、異常検出リレーの故障(装置不良)を検出する故障検出要素を含む保護回路を2重化する構成が採用されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−69658号公報(第2頁から第4頁、図1)
【0004】
さらに、保護回路を2重化するに際しては、各保護回路の出力側にANDゲートを設け、各保護回路の出力をANDゲートに接続するとともに各保護回路の出力側を他方のANDゲートに接続し、各保護回路から“1”のレベルの信号が出力されたときに、各ANDゲートからトリップ信号を出力するバイパスアンド方式が採用されている。このバイパスアンド方式を採用すると、一方の保護回路の異常検出リレーが故障した場合、一方の保護回路の故障検出リレーが異常検出リレーの故障を検出し、この故障検出出力を“1”の信号として各ANDゲートに出力することで、健全な他方の保護回路の保護動作に連動して各ANDゲートからトリップ信号を出力し、保護対象を確実に保護することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、保護回路を2重化するに際して、バイパスアンド方式を採用しているが、異常検出リレーが故障したときに、この故障を故障検出要素によって検出できなかったときには、遮断器をトリップすべきときに遮断器をトリップすることができない、という誤不動作が生じる。また各保護回路の故障検出要素は異常検出リレーの故障を検出したときに、故障検出後一定時間、例えば15秒経過したのち故障検出出力を発生するようになっているため、健全な系の保護回路に属する異常検出リレーから異常検出出力が出力されていても、異常な系に属する保護回路の故障検出要素から保障検出出力が出力されるまで遮断器をトリップすることができず、一方の系の異常時に瞬時に保護動作を行うことができない。
【0006】
本発明の課題は、2重系の保護回路のうち一方の系の異常時において誤不動作が生じた場合でも、保護対象に対する保護動作をバックアップすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、電力系統に接続された保護対象の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段の故障を検出する故障検出手段と、前記異常検出手段の異常検出出力と前記故障検出手段の故障検出出力との論理和を条件に論理和信号を出力する論理和演算手段とを含む保護回路を3重系以上の保護回路として構成し、各系の論理和演算手段の出力による論理和信号の論理積を条件にトリップ信号を出力するトリップ信号出力手段を各系ごとあるいは2重系に対応して設けたものである。この場合、2重系の保護回路がメイン保護回路として機能し、残りの系の保護回路がバックアップ保護回路として機能し、メイン保護回路の一方が異常になったときでもバックアップ保護回路によって保護対象に対する保護動作を確実にバックアップすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示すディジタル保護継電装置のブロック構成図、図2はディジタル保護継電装置が用いられた発電所の系統図である。
【0009】
火力・水力発電所などの発電所に設置された三相交流電源(発電機)10は変圧器(昇圧トランス)12、遮断器14を介して母線16に接続されており、三相交流電源10と母線16とを結ぶ線路の途中には複数の変流器CTが設置されている。各変流器CTはディジタル保護継電装置(保護リレー)18に接続されている。なお、変流器CTはディジタル保護継電装置に用いられるリレーの数などによって2個以上のものが設置される。
【0010】
ディジタル保護継電装置18は、4重系の保護回路として、メイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26を備えているとともに、メイン論理積演算手段としてのANDゲート28、30、バックアップ論理積演算手段としてのANDゲート32、34、トリップ信号出力手段としてのORゲート36、38を備えて構成されている。なお、メイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26は同一の要素を用いて構成されているため、以下、各保護回路の具体的構成をメイン保護回路20に従って説明する。
【0011】
メイン保護回路20は、差動電流リレー(87GMT)40、差動電流リレー(87G)42、界磁喪失リレー(40G)44などの故障(装置不良)を検出する故障検出手段としての故障検出要素46を備え、さらに前記いずれかのリレーから異常検出に伴う信号として“1”の信号が出力されたときに、“1”の信号を出力するORゲート48と、ORゲート48または故障検出要素46から“1”の信号が出力されたときに“1”の信号を出力する論理和演算手段としてORゲート50を備えて構成されている。
【0012】
差動電流リレー40は、三相交流電源10に配置された変流器CTと遮断器14の変圧器側に配置された変流器CTからの電流を取り込み、各電流の偏差を基に三相交流電源10、変圧器12の異常を検出したときに異常検出出力として“1”の信号を出力するようになっている。差動電流リレー42は、三相交流電源10の両端側に配置された変流器CTからの電流を取り込み、各電流の偏差を基に三相交流電源10の異常を検出し、異常検出時に“1”の信号を出力するようになっている。界磁喪失リレー44は、三相交流電源10に配置された変流器CTの電流を取り込み、三相交流電源(発電機)10の界磁が喪失されたときに異常検出出力として“1”の信号を出力するようになっている。すなわち、各リレー40、42、44は変流器CTとともに三相交流電源(発電機)10、変圧器12を含む保護対象の異常を検出する異常検出手段として構成されている。
【0013】
なお、故障検出要素46は、リレー40、42、44のうちいずれかのリレーなどの故障を検出したときに、故障検出後一定時間、例えば、15秒経過したときに、故障検出出力として“1”の信号を出力するようになっている。また、メイン保護回路20においては、変流器CTからの電流を入力変換器で電圧の信号に変換し、この電圧によるアナログ信号をアナログ・ディジタル変換器でディジタル信号に変換し、ディジタル信号に従って各種のリレー演算を行なって、保護対象の異常を検出するように構成されている。
【0014】
上記構成において、発電所における三相交流電源10、変圧器12を保護対象として各保護対象の状態を監視しているときに、発電所内において地絡などの事故が生じ、各系の入力電流が制限値(設定値)を越えて差動電流リレー40が動作した場合、メイン保護回路20、22、バックアップ保護回路24、26からそれぞれ“1”の信号が出力され、これらの信号がそれぞれANDゲート28、30、32、34に出力されると、各ANDゲート28〜34は論理積の条件が満たされたとして、各ANDゲート28〜34から“1”の信号がORゲート36、38に対して出力される。この結果、各ORゲート36、38は論理和の条件が満たされ、各ORゲート36、38からは“1”の信号であるトリップ信号が出力される。各トリップ信号が遮断器14に出力されると、遮断器14はトリップ信号に応答してトリップ(開放)され、地絡事故などから変圧器12、三相交流電源10を保護することができる。
【0015】
一方、発電所内において地絡事故などが生じたときに、メイン保護回路20における差動電流リレー40が動作すべきときに、動作しないと、メイン保護回路20のORゲート50の出力は“0”の状態にある。すなわち、メイン保護回路20の故障検出要素46によって差動電流リレー40の故障が検出されたとしても、この故障検出後15秒経過するまでは、メイン保護回路20のORゲート50の出力は“0”に維持された状態にある。この場合、健全なメイン保護回路22から“1”の信号が出力されるが、ANDゲート28、30の出力は“0”の状態に維持されている。このため、バックアップ保護回路24、26がないときには、メイン保護回路20の故障検出要素46から“1”の信号が出力されるまでは、ORゲート36、38の出力は“0”に維持され、遮断器14を遮断すべきときであっても、遮断器14をトリップすることはできない。
【0016】
ところが、本実施形態においては、メイン保護回路20、22の他に2重系のバックアップ保護回路24、26が設けられているため、バックアップ保護回路24、26内の差動電流リレー40がメイン保護回路22の差動電流リレー40とともに動作すると、ANDゲート32、34の出力がそれぞれ“1”となり、ORゲート36、38の論理和の条件が満たされ、各ORゲート36、38から遮断器14に対してトリップ信号が出力される。すなわち、メイン保護回路20の異常に伴ってメイン保護回路22、22だけでは遮断器14に対して誤不動作状態となるが、遮断器14に対する保護動作をバックアップ保護回路24、26でバックアップすることで、遮断器14に対する保護動作を瞬時に行うことができる。
【0017】
前記実施形態においては、保護回路としてメイン保護回路を2重化するとともに、バックアップ保護回路を2重化するものについて述べたが、バックアップ保護回路を3重化以上にすることもでき、またバックアップ保護回路を1重化にすることもできる。バックアップ保護回路を1重化すなわち単一の系としたときには、バックアップ保護回路の出力をそれぞれORゲート36、38に接続することで、メイン回路20、22のいずれか一方の異常に伴う誤不動作が生じても、バックアップ保護回路によって遮断器14に対する保護動作をバックアップすることができる。
【0018】
また前記実施形態においては、バックアップ保護回路24、26をメイン保護回路20、22と同一の要素で構成したものについて述べたが、バックアップ保護回路24、26に用いるリレーとしては、差動電流リレー40のみを用い、構成の簡素化を図ることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2重系のメイン保護回路の一方が異常になったときでもバックアップ保護回路によって保護対象に対する保護動作を確実にバックアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すディジタル保護継電装置のブロック構成図である。
【図2】ディジタル保護継電装置が用いられた発電所の系統図である。
【符号の説明】
10 三相交流電源(発電機)
12 変圧器
14 遮断器
16 母線
18 ディジタル保護継電装置
20、22 メイン保護回路
24、26 バックアップ保護回路
28、30、32、34 ANDゲート
36、38 ORゲート
40 差動電流リレー
42 差動電流リレー
44 界磁喪失リレー
46 故障検出要素
48、50 ORゲート
Claims (3)
- 電力系統に接続された保護対象の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段の故障を検出する故障検出手段と、前記異常検出手段の異常検出出力と前記故障検出手段の故障検出出力との論理和を条件に論理和信号を出力する論理和演算手段とをそれぞれ3重系以上の保護回路の要素として備えているとともに、前記各系の論理和演算手段の出力による論理和信号の論理積を条件に前記保護対象用遮断器をトリップするためのトリップ信号を出力する複数のトリップ信号出力手段とを備えてなる保護継電装置。
- 電力系統に接続された保護対象の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段の故障を検出する故障検出手段と、前記異常検出手段の異常検出出力と前記故障検出手段の故障検出出力との論理和を条件に論理和信号を出力する論理和演算手段とをそれぞれ2重系のメイン保護回路の要素および2重系のバックアップ保護回路の要素として備え、前記メイン保護回路に属する各系の論理和演算手段の出力による論理和信号の論理積を条件に論理積信号を出力する複数のメイン論理積演算手段と、前記バックアップ保護回路に属する各系の論理和演算手段の出力による論理和信号の論理積を条件に論理積信号を出力する複数のバックアップ論理積演算手段と、前記一方のメイン論理積演算手段の出力による論理積信号と前記一方のバックアップ論理積演算手段の出力による論理積信号との論理和を条件に前記保護対象用遮断器をトリップするためのトリップ信号を出力する第1のトリップ信号出力手段と、前記他方のメイン論理積演算手段の出力による論理積信号と前記他方のバックアップ論理積演算手段の出力による論理積信号との論理和を条件に前記保護対象用遮断器をトリップするためのトリップ信号を出力する第2のトリップ信号出力手段とを備えてなる保護継電装置。
- 電力系統に接続された保護対象の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段の故障を検出する故障検出手段と、前記異常検出手段の異常検出出力と前記故障検出手段の故障検出出力との論理和を条件に論理和信号を出力する論理和演算手段とをそれぞれ2重系のメイン保護回路の要素および1重系のバックアップ保護回路の要素として備え、前記メイン保護回路に属する各系の論理和演算手段の出力による論理和信号の論理積を条件に論理積信号を出力する複数のメイン論理積演算手段と、前記一方のメイン論理積演算手段の出力による論理積信号と前記一方のバックアップ論理積演算手段の出力による論理積信号及び前記バックアップ保護要素に属する論理和演算手段の出力による論理和信号の論理和を条件に前記保護対象用遮断器をトリップするためのトリップ信号を出力する第1のトリップ信号出力手段と、前記他方のメイン論理積演算手段の出力による論理積信号と前記他方のバックアップ論理積演算手段の出力による論理積信号及び前記バックアップ保護要素に属する論理和演算手段の出力による論理和信号の論理和を条件に前記保護対象用遮断器をトリップするためのトリップ信号を出力する第2のトリップ信号出力手段とを備えてなる保護継電装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003181044A JP2005020862A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 保護継電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003181044A JP2005020862A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 保護継電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005020862A true JP2005020862A (ja) | 2005-01-20 |
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---|---|---|---|---|
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JP2011151971A (ja) * | 2010-01-22 | 2011-08-04 | Mitsubishi Electric Corp | 保護継電器 |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181044A patent/JP2005020862A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100751479B1 (ko) * | 2005-08-19 | 2007-08-23 | 주식회사 바낙스 | 낚싯대 및 그 제조방법 |
JP2011151971A (ja) * | 2010-01-22 | 2011-08-04 | Mitsubishi Electric Corp | 保護継電器 |
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