JP2005019744A - 露光装置の構成部品、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光装置を構成する構成部品内の水分濃度を所定値以下に保つために供給する不活性ガスの消費量を低減することが可能となる露光装置の構成部品、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造を提供する。
【解決手段】露光装置において、投影系鏡筒28は積層された複数の枠体45で構成されている。枠体45内には投影光学系41が収納されている。この投影光学系41はレンズ保持機構43によって保持された複数のレンズエレメント42からなっている。そして、前記投影系鏡筒28の内周面にはその全面に不働態膜Fが形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】露光装置において、投影系鏡筒28は積層された複数の枠体45で構成されている。枠体45内には投影光学系41が収納されている。この投影光学系41はレンズ保持機構43によって保持された複数のレンズエレメント42からなっている。そして、前記投影系鏡筒28の内周面にはその全面に不働態膜Fが形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、あるいは薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工程において用いられる露光装置の構成部品に関するものである。また、本発明は、こうした構成部品で構成される鏡筒及び露光装置、並びに前記デバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の露光装置としては、例えば所定の波長の露光光を出射する光源と、その露光光をマスク上に照射する照明光学系と、その照明光学系の照明に基づいてマスク上に形成された回路パターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備えたものが知られている。これらの照明光学系、及び投影光学系は、それぞれ鏡筒を有し、それら鏡筒内に複数のレンズ、ミラー、フィルタ、平行平板ガラス等の光学素子が収容された構造となっている。
【0003】
こうした露光装置は一般にクリーンルーム内に設置されるが、クリーンルームといえども、その雰囲気中には微細量の、例えばアンモニウムイオン、硝酸イオン、硫酸イオン等のイオン性物質が浮遊している。また、露光装置の内部においても、前記光学素子やマスク、基板を駆動するための各種駆動部品があり、これら駆動部品に電力や信号を送るために多くの被覆線が使用されている。この被覆線の被覆材からは、極微量ながら有機物質が揮散している。さらに、基板上に塗布された感光材料の飛沫が、露光装置内に浮遊していることもある。これらイオン性物質、被覆材からの揮散物、感光材料の飛沫等は、前記光学素子に付着する汚染物質となり、その付着によって光学素子の曇りを招き、ひいてはデバイスの製造効率を低下させるようになる。そこで近年は、こうした曇りの発生を抑制するために、鏡筒内から汚染物質を排出するようにした露光装置が開発されている。
【0004】
一方、露光装置の中でも、特に半導体素子の製造に用いられる露光装置では、近年における半導体素子の著しい高度集積化に対応すべく、その解像度の向上要求がさらに高まってきている。このような要求に対応するために、露光に供する露光光の短波長化が進んでおり、例えばKrFエキシマレーザ(波長λ=248nm)、ArFエキシマレーザ(λ=193nm)といった遠紫外光や、さらにはF2レーザ(λ=157nm)といった真空紫外光を使用する露光装置も開発されつつある。
【0005】
このように、露光光として遠紫外光や真空紫外光を使用することにより、極めて高い解像度が得られるようにはなる。ところが、特に真空紫外光では、その光路中にある酸素や、水、炭酸ガス、有機物、ハロゲン化合物などの物質(吸光物質)に吸収されやすいといった性質も併せ有している。中でも、前記F2レーザは、酸素が存在する雰囲気を通過することにより大きく減衰して、デバイスの製造効率が著しく低下する。このため、露光光として前記真空紫外光を用いる露光装置にあっては、基板上における安定した露光エネルギー量を確保するために、前記鏡筒内に窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを供給し、前記吸光物質を鏡筒外に排出することが提案されている。
【0006】
また、短波長の強力なレーザ光により活性化された有機物などは光学素子の表面を汚染するが、前記光学系内にこうして不活性なガスを供給することにより、これらの有機物を低減し、各光学素子の性能劣化を防ぐことができるようにもなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の露光装置にあっては、光路空間内における不純物の濃度が高く、ウエハ面上で十分な光量を得るためには大量の不活性ガスが必要とされている。特に、鏡筒内壁に付着した水分は、不活性ガスの供給によって揮散させようとした場合、極微量ずつしか内壁から脱離させることができず、水分濃度を十分に低減させるために大量の不活性ガスを消費していた。これは、露光装置のランニングコストの増大を、ひいてはデバイスの製造コストの増大を招く一因となっていた。
【0008】
ここで、水分の発生源は、主に容器構成材質や容器内に設置されている光学素子やケーブル、またはそれらの保持部品などの表面に吸着した吸着水であり、この吸着水は、光路空間中へ長時間にわたって極微量ずつ揮散し、容器内の水分濃度を増加させることが分かっている。そして、F2レーザ等の真空紫外光の露光光は、この水分によって吸収され、ウエハ面上での十分な光量が得られなくなる。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は光学素子を収容する容器内での脱離水分量の好適な低減を図ることのできる露光装置の構成部品を提供することにある。また本発明の他の目的は、こうした構成部品で構成される鏡筒及び露光装置、並びに該露光装置を用いて製造されるデバイスの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置を構成する露光装置の構成部品において、少なくとも一部が金属で形成され、前記露光光が通過する空間に露出する金属面に不働態化処理を施したことを特徴とするものである。
【0011】
この本願請求項1に記載の発明では、露光光が通過する空間に露出する金属面に不働態化処理、すなわち不働態膜を形成するようにしたことで、不働態膜自身の持つ水涸れ特性などの性質により、露光装置を構成する構成部品内の水分濃度を所定値に保つために供給する不活性ガスの消費量を低減することが可能となる。また、不働態膜の耐腐食性、耐酸化性などの性質により、当該構成部品内を長時間クリーンな状態に保つことも可能となる。しかも、さびや表面変質などによるパーティクルの発生も低減され、こうした構成部品を備えることで、いわゆるトラブルフリーな露光装置が実現されるようにもなる。
【0012】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記空間が、不活性ガスによりパージされる密閉空間であることを特徴とするものである。
【0013】
この本願請求項2に記載の発明では、露光光が通過する空間を不活性ガスによりパージされる密閉空間とすることで、前記不働態化処理を施したことによる各種の利点、さらには水分パージ性能を最大限に維持することが可能となる。
【0014】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記露光光が、波長190nm以下の真空紫外光からなることを特徴とするものである。
【0015】
前述のように、真空紫外光、特にF2レーザ等、波長が190nm以下の真空紫外光ほど、その十分な光量を確保する上で光路空間中の水分濃度が無視できない要素となる。この点、本願請求項3に記載の発明では、露光光として、このような波長190nm以下の真空紫外光を対象とすることで、前記F2レーザ等を用いる場合であっても、その光路空間中の水分濃度による影響を好適に抑制することができるようになる。
【0016】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記不働態化処理により形成される不働態膜が、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物からなることを特徴とするものである。
【0017】
一般に、標準生成ギブスエネルギが負の方向に大きい物質ほど安定性が高く、反応性は乏しい。言い換えると、このような物質ほど、安定した不働態膜として機能する。この点、本願請求項4に記載の発明では、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物を不働態膜として用いることで、その機能を好適に維持することが可能となる。
【0018】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記酸化物が、Al2O3、As2O5、As4O6、B2O3、Cr2O3、Fe3O4、Ga2O3、In2O3、La2O3、Mn2O3、Mn3O4、Nb2O5、P4O10、Sb2O5、Sb4O6、Sc2O3、SiO2、Ta2O5、TiO2、Ti2O3、Ti3O5、V2O3、V2O4、V2O5、WO3、Y2O3、ZrO2のうちいずれかであることを特徴とするものである。
【0019】
この本願請求項5に記載の発明のように、前記金属の材質や露光光の波長等に応じてこれらの酸化膜を選択的に不働態膜として用いることができる。
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記金属がステンレス鋼であり、前記不働態化処理により形成される不働態化処理により形成される不働態膜がCr2O3からなることを特徴とするものである。
【0020】
この本願請求項6に記載の発明のように、前記金属がステンレス鋼である場合には、前記不働態膜としてCr2O3を用いることが有効である。すなわち、ステンレス表面は通常、Fe2O3、Cr2O3、NiOなどの複数の酸化物が混在し、しかもまだらな複合酸化膜で覆われている。ここで、各酸化物の標準生成エンタルピ及び標準生成自由エネルギをみて明らかなように、Cr2O3は他の金属酸化膜に比べてそれらが非常に小さい。このことは、Cr2O3は他の金属酸化物よりも熱力学的に非常に安定した酸化物であることを意味する。そこで、前記不働態膜として、このCr2O3でステンレス表面を100%覆うようにすれば、不働態膜としての前記機能を安定して維持することができるようになる。なお、この形成するCr2O3膜は緻密で不純物が少ないことが望ましい。
【0021】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記ステンレス鋼が、フェライト系ステンレス鋼であることを特徴とするものである。
【0022】
この本願請求項7に記載の発明のように、ステンレス鋼として、Crの含有量の多いフェライト系ステンレスを用いるようにすれば、より分布が均一で緻密なCr2O3不働態膜を形成することができる。
【0023】
また、本願請求項8に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記不働態化処理により形成される不働態膜がAl2O3からなることを特徴とするものである。
【0024】
この本願請求項8に記載のように、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、前記不働態膜としてAl2O3を用いることが有効である。このように、母材となる金属に応じた不働態膜を施すことにより、より効果的に不働態化処理を行うことができる。
【0025】
また、本願請求項9に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記金属がチタン合金であり、前記不働態化処理により形成された不働態膜がTiO2からなることを特徴とするものである。
【0026】
この本願請求項9に記載のように、前記金属がチタン合金である場合には、前記不働態膜としてTiO2を用いることが有効である。ちなみに、TiO2の標準生成ギブスエネルギΔGf 0はアナタース型で−884.5kJ/mol、ルチル型で−889.5kJ/molであり、安定した不働態膜として機能する。
【0027】
一方、本願請求項10に記載の発明は、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒において、鏡筒の本体を請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で形成したことを特徴とするものである。
【0028】
この本願請求項10に記載の発明では、前記露光装置の構成部品として特に、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒の本体に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、該鏡筒において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0029】
また、本願請求項11に記載の発明は、前記鏡筒の前記光学素子を保持する保持部材を請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で形成したことを特徴とするものである。
【0030】
この本願請求項11に記載の発明では、鏡筒の前記光学素子を保持する保持部材に対しても請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、鏡筒内でのさらなる脱離水分量の低減効果が図られるようになる。
【0031】
また、本願請求項12に記載の発明は、前記請求項10または請求項11に記載の発明において、前記光学素子は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系を構成する複数の光学素子の1つであることを特徴とするものである。
【0032】
前記投影光学系は露光装置として特に重要な部分の一つであり、この本願請求項12に記載の発明では、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその内部で光学素子を保持する保持部材に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととなる。これにより、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその光学素子保持部材において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0033】
また一方、本願請求項13に記載の発明は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置において、少なくとも一部が金属で形成され、前記露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部を、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で構成したことを特徴とするものである。
【0034】
この本願請求項13に記載の発明では、露光装置において露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、このような金属面を有する構成部品の少なくとも一部において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0035】
他方、本願請求項14に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で、請求項13に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするものである。
【0036】
この本願請求項14に記載の発明では、露光装置として請求項13に記載の露光装置、すなわちその金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理が施されて、その脱離水分量の低減が図られた露光装置を用いて、リソグラフィ工程での露光が行われる。このため、露光光として例えば前述したF2レーザ等が用いられる場合であっても十分な光量の確保が容易となり、ひいてはより微細なマスクパターンを用いる高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、半導体素子製造用の露光装置、鏡筒及び同露光装置を構成する構成部品に具体化した一実施の形態について図1及び図2に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、前記露光装置は、所定の光源としての露光光源21と露光装置本体22とビーム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」という。)23とから構成されている。前記露光光源21は、所定の光及び露光光ELとして、例えばF2レーザ光(λ=157nm)を出射するレーザ光源となっている。前記BMU23は複数の光学素子で構成され、これら複数の光学素子はBMU室39に収容される。このBMU23を介して露光光源21から出射された露光光ELが露光装置本体22内に導かれるようになっている。
【0039】
前記露光装置本体22は、前記露光光ELの照射によりマスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像を基板としてのウエハW上に転写するものであり、以下に露光装置本体22の概略構成について説明する。
【0040】
露光装置本体22のチャンバ25内には、照明系鏡筒26、レチクル室27、投影系鏡筒28、及びウエハ室29が、前記BMU23を介して導入された露光光ELの光軸方向に順次配置されている。なお、前記BMU室39、照明系鏡筒26、レチクル室27、投影系鏡筒28、及びウエハ室29が、前記露光光ELを取り囲む筐体を構成する。このチャンバ25は図示しない空調装置を備えており、露光装置全体の動作を制御する主制御系30の制御の下で、このチャンバ25の内部が所定の温度及び湿度に保たれるようになっている。
【0041】
区画室をなす前記レチクル室27には、レチクルステージRSTが配置されている。このレチクルステージRSTにより、所定のパターンが形成されたレチクルRが、前記露光光ELの光軸と直交するように保持されるようになっている。また、区画室をなす前記ウエハ室29には、ウエハステージWSTにより、前記露光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布された前記ウエハWが、その露光光ELの光軸と直交する面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持されるようになっている。
【0042】
前記照明系鏡筒26内には、前記レチクルRを照明するための照明光学系31が収容されている。この照明光学系31は、複数のミラー32、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)33、リレー光学系34、コンデンサレンズ35等の光学素子からなっている。前記フライアイレンズ33は、前記露光光源21からの露光光ELの入射により、その後方面に前記レチクルRを均一な照度分布で照明する多数の二次光源を形成する。前記リレー光学系34の後方には、前記露光光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド36が配置されている。
【0043】
前記照明系鏡筒26の両端におけるBMU側開口部37a及びマスク側開口部37bには、照明光学系31の一部の光学素子として円板状の平行平板38が配置されている。この平行平板38は、露光光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されている。
【0044】
前記BMU側開口部37aに配置された平行平板38によって、前記BMU室39の内部空間と、照明系鏡筒26の内部空間とが分離される。なお、これらBMU室39と照明系鏡筒26とはベローズ部材(図示略)で連結されている。また、前記照明系鏡筒26は、前記平行平板38を介して区画室をなす複数の照明気密室に区画されている。そして、各照明気密室40には、前記ミラー32、前記フライアイレンズ33、前記リレー光学系34、及びコンデンサレンズ35の各光学素子や、前記レチクルブラインド36が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されている。
【0045】
前記投影系鏡筒28内には、前記照明光学系31によって照明されるレチクルR上のパターンの像を前記ウエハW上に投影するための投影光学系41が収容されている。この投影光学系41は、該投影光学系41を構成する光学素子としての複数のレンズエレメント42からなっている。そして、その投影系鏡筒28の内部には、前記投影系鏡筒28の内壁、前記レンズエレメント42、及び同レンズエレメント42を保持するレンズ保持機構(保持部材)43によって、複数の枠体45が積層形成されている。
【0046】
前記BMU室39、前記照明気密室40、前記レチクル室27、前記枠体45及びウエハ室29には、パージガスの供給装置としてのパージガス供給系48が接続されている。このパージガス供給系48を介して、前記BMU室39、前記レチクル室27、前記ウエハ室29、前記照明気密室40、前記枠体45に対して、マイクロデバイス工場のユーティリティプラント内のタンク49より、不活性ガスからなるパージガスが供給されるようになっている。ここで、前記不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスである。
【0047】
前記パージガス供給系48の給気配管50の中には、パージガス中に含まれる不純物を除去するためのフィルタ51及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器52が介装されている。そして、前記BMU室39、前記レチクル室27、前記ウエハ室29、前記照明気密室40、前記枠体45は、パージガス排出管53を介して半導体素子製造工場の排気ダクト54に接続されている。また、前記チャンバ25も同排気ダクト54に接続されている。また、前記チャンバ25も同排気ダクト54に接続されている。これにより、前記BMU室39、前記レチクル室27、前記ウエハ室29、前記照明気密室40、前記枠体45内に供給されたパージガスは、前記排気ダクト54を介して、工場の外部に排出されるようになっている。
【0048】
ところで前述のように、真空紫外光、特に前記F2レーザ等、波長が190nm以下の真空紫外光ほど、その十分な光量を確保する上で光路空間中の水分濃度が無視できない。特にF2レーザ光(λ=157nm)では、大気中に多く存在する酸素および水分による吸収が非常に大きく、高度なパージ技術の開発が必要になる。ちなみに、酸素を露光光ELが通過する空間内から排出する方法は、前記露光光ELが通過する空間を完全に密閉し、外部との繋がりを一切無くすことで可能である。しかし、水分はその密閉容器の構成部材(ステンレス、アルミニウム、チタン合金、ゴム、プラスチックなど)すべての表面に付着しており、それらが接する空間中の水分濃度が低下すると、表面付着水分が前記空間中に放出され、水分濃度の低下を妨害する。
【0049】
また、露光光ELが通過する空間を構成する容器(照明系鏡筒26、レチクルステージRST、投影系鏡筒28、ウエハステージWST)は、さまざまな材質によって構成されており、さらにその容器内には多数の部品が収納されている。それらは、金属だけではなくガラス、ゴム、プラスチック、セラミックスなどさまざまである。これら全ての物質の表面には、多かれ少なかれ表面吸着した水分が存在しており、それらを取り囲む雰囲気中の水分濃度が低くなると、表面吸着水は空間中に放出される。この容器や部品表面からの脱離水分量を減らすには、その表面が気体に接触する面積を減らすことも有効な手段であるが、そもそも表面に吸着する水分量を低減させる方が重要である。前記露光光ELが通過する空間を構成する容器はさまざまな材料で構成されているが、金属材料が最も多く前記露光光ELが通過する空間雰囲気と接している。
【0050】
そこで、本実施形態では、金属材料に表面処理を施すことで、材料表面の付着水分を低減し、水分排出性能を向上させることとした。具体的には、露光装置の各種光学系素子を収納する照明系鏡筒26、投影系鏡筒28等、露光光ELが通過する空間に露出する金属面の全面に不働態化処理を施して、不働態膜を形成するようにした。これにより、不働態膜自身の持つ水涸れ特性などの性質により、露光装置を構成する構成部品内の水分濃度を所定値に保つために供給する不活性ガスの消費量を低減することが可能となる。中でもマスクパターン(レチクルR)をウエハ上に投影する投影系鏡筒28の水分濃度を所定値に保つことは重要であり、次に、図2を参照して、この投影系鏡筒28を例にとった場合の前記不働態化処理の処理態様について説明する。
【0051】
図2は、図1に示した投影系鏡筒28の縦断面図を概念的に示している。
この図2に示すように、前記投影系鏡筒28は積層された複数の枠体45で構成されている。枠体45内には投影光学系41が収納されている。この投影光学系41はレンズ保持機構43によって保持された光学素子としての複数のレンズエレメント42からなっている。そして、前記投影系鏡筒28の内周面にはその全面に不働態膜Fが施されている。
【0052】
ここで、本実施形態における投影系鏡筒28(枠体45)はフェライト系ステンレス鋼によって形成されている。そのため、前記不働態膜Fとして、本実施形態ではCr2O3を採用している。
【0053】
一般に、ステンレス材料はさびにくいとされパージ空間でも多く使用される。ステンレス表面は通常、Fe2O3、Cr2O3、NiOなどの複数の酸化物が混在した複合酸化膜で覆われている。これら各種金属酸化物の標準生成エンタルピおよび標準生成自由エネルギをみると、Cr2O3は他の金属酸化物に比べて非常に小さいことが分かる。つまり、Cr2O3は他の酸化物よりも熱力学的に非常に安定した酸化物であることを意味する。そこで、本実施形態では、少なくとも前記投影系鏡筒28を形成するフェライト系ステンレス鋼の内周面の全面をCr2O3からなる不働態膜Fで覆うようにしている。
【0054】
一方、Cr2O3膜自体は通常、空気中でも自然生成されるが、こうして自然生成されるCr2O3膜は、厚さ、分布が共に不均一である。また、自然生成された酸化膜は緻密ではない。また、ステンレス鋼はFeを母材とした合金であり、自然生成された酸化物は酸素とステンレス鋼に含まれるFe、Cr、Ni等とが酸化反応を起こし、上述のようにCr2O3、Fe2O3、NiO等が混在した複合酸化膜となる。このような各種の酸化物が混在した状態よりも、これも上述のように熱力学的に安定した酸化膜であるCr2O3膜を単独で形成する方が標準ギブスエネルギを低くでき、より安定した不働態膜Fとすることができるようになる。すなわち、ステンレス鋼の母材であるFeの酸化物であるFe2O3の自由エネルギよりも低い酸化物形成の自由エネルギを持つCr2O3膜を形成した方が不働態膜Fとしての効果は高い。さらに本実施形態では、Crを多く含むフェライト系ステンレス鋼を用いることで、より分布の均一な不働態膜Fの形成を可能としている。
【0055】
なお、ステンレス鋼に対する不働態膜Fの表面処理方法としては乾式と湿式があるが、本実施形態では、乾式によって不働態化処理を行う。ちなみに、乾式による表面処理方法としては、例えばステンレス表面を強還元性雰囲気下で酸化させる方法がある。これによって、Crの選択酸化を行いCr2O3の不働態膜Fでステンレス表面を100%覆うことができるようになる。またこの場合、電気炉のガスの雰囲気を制御(高温化でCrが多い状態に)することで反応を進ませることもできる。
【0056】
こうして、例えば前記投影系鏡筒28の内周面の全面をCr2O3からなる均一な不働態膜Fで100%覆うことにより、表面吸着水が少なくなり、また吸着した水分が脱離しやすくなり、ひいては空間中の水分濃度を低く抑えることが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(イ) 特に投影系鏡筒28を例にとって説明したが、実際には前記露光光ELが通過する空間に露出する金属面の全面に不働態膜Fを施すこととした。このため、それら光路中での高い脱離水分の低減効果が図れることとなり、露光光源21に前記F2レーザ等を採用する場合であれ、その露光のための十分な光量を確保することができるようになる。
【0058】
(ロ) また、前記不働態膜Fを施したことで、耐腐食性や耐酸性等も改善され、露光装置として要求されるいわゆるトラブルフリーな高い耐久性を得ることもできる。
【0059】
(ハ) また、露光光ELが通過する空間を不活性ガスによりパージされる密閉空間としたことで、前記不働態化処理を施したことによる各種の利点、さらには水分排出性能を最大限に維持することが可能となる。
【0060】
(ニ) 露光光ELが通過する空間に露出する金属がステンレス鋼であり、これに前記不働態膜FとしてCr2O3膜を施すこととした。これにより、不働態膜Fとしての前記機能を安定して維持することができる。
【0061】
(ホ) また、ステンレス鋼として、Crの含有量の多いフェライト系ステンレスを用いたことで、より分布が均一で緻密なCr2O3不働態膜Fを形成することができる。
【0062】
(変更例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、ステンレス鋼の表面処理方法を乾式で行ったが、表面処理方法としては乾式に限らず、湿式で行ってもよい。湿式による不働態化処理としては、例えばCrイオンを多く含むような液中に浸け、より多くのCrを被処理物の表面に付着させる。そして、希硝酸に浸すことで化学的に皮膜を形成(パシペート処理)する。もっとも、表面吸着水分の低減を図る上では、乾式による表面処理がより望ましい。
【0063】
前記実施形態では、投影系鏡筒28の内周面の全面に不働態膜FとしてCr2O3膜を施すこととした。ただし、例えば図3及び図4に示すように、投影系鏡筒28には通常、前記光学素子としてのレンズエレメント42を保持するためのレンズ保持機構43が設けられている。このレンズ保持機構43は、具体的には、支持部61をはじめ、フランジ45aに設けられたボルト孔62へのボルト64の螺着に基づいてレンズエレメント42を保持するクランプ部材63が設けられている。そこで、これらフランジ45a、支持部61、クランプ部材63等に対しても前記不働態膜Fを施すこととすれば、例えば投影系鏡筒28としての脱離水分量の低減効果もさらに高められるようになる。
【0064】
・ 前記実施形態では、ステンレス鋼としてフェライト系ステンレス鋼を用いる場合について例示したが、このステンレス鋼としては、フェライト系に限らず、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、二相系ステンレス鋼なども同様に用いることができる。
【0065】
・ 前記実施形態では、ステンレス鋼に対する不働態化処理としてCr2O3膜を施す場合について例示したが、他の金属材料についてもこれに準じた不働態化処理を施すことができる。例えば、アルミニウム材に対してはAl2O3膜を不働態膜Fとして施すことができ、チタン材に対してはTiO2膜を不働態膜Fとして施すことができる。そして、これらの場合でも前記実施形態に準じた効果を得ることはできる。要は、酸化膜の標準生成エンタルピΔHf 0、及び標準生成ギブスエネルギΔGf 0の一例を図5に示すように、これら標準生成ギブスエネルギーが−750kJ/mol以下の酸化膜、すなわち図5において領域Zとして例示する酸化膜であれば、前記不働態膜Fとして良好に機能することが確認されている。なお、このような酸化膜としては、前記例示した酸化膜も含めて、一般にAs2O5、As4O6、B2O3、Fe3O4、Ga2O3、In2O3、La2O3、Mn2O3、Mn3O4、Nb2O5、P4O10、Sb2O5、Sb4O6、Sc2O3、SiO2、Ta2O5、Ti2O3、Ti3O5、V2O3、V2O4、V2O5、WO3、Y2O3、ZrO2、等々がある。結局、前記金属の材質や露光光ELの波長等に応じて、これらの酸化膜が選択的に不働態膜Fとして利用されることとなる。さらに、1つの元素の酸化物のみならず、複数元素の酸化物(例えば、Al2SiO5等)も適宜採用可能である。
【0066】
・ 前記実施形態では、前記露光光ELとしてF2レーザ光(λ=157nm)を例示したが、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、KrFエキシマレーザ(λ=248nm)、Kr2レーザ(λ=146nm)、Ar2レーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高周波を用いてもよい。
【0067】
・ また露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであってもよい。さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置のみならず、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。また、半導体素子などのデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルRまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0068】
・ その他、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置にも、本発明を適用することができる。また、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用することができる。
【0069】
・ さらに、本発明は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパにも適用することができる。あるいは、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパにも同様に適用することができる。
【0070】
なお、前記実施形態の鏡筒及び露光装置は例えば次のように製造される。
すなわち、まず、照明光学系31、投影光学系41を構成する複数のレンズ、ミラー及び平行平板38等の光学素子の少なくとも一部をレンズ保持機構43で保持し、この照明光学系31及び投影光学系41を露光装置本体22に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体22に取り付けて配線を接続する。そして、露光光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給系48の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
【0071】
ここで、前記レンズ保持機構43及びその周辺部材を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0072】
次に、上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図6は、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図6に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルR)を製作する。一方、ステップS203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハWを製造する。
【0073】
次に、ステップS204(ウエハ処理ステップ)において、ステップS201〜S203で用意したマスク(レチクルR)とウエハWを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハW上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)において、ステップS204で処理されたウエハWを用いてデバイスの組立を行う。このステップS205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0074】
最後に、ステップS206(検査ステップ)において、ステップS205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0075】
図7は、半導体デバイスの場合における、図6のステップS204の詳細なフローの一例を示す図である。図7において、ステップS211(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS212(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS213(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0076】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスクの回路パターンをウエハWに転写する。次にステップS217(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露光部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0077】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)において上記の露光装置が用いられ、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置の構成部品において、露光装置を構成する材質から発生する脱離水分を低減することができる。また、脱離水分を低減することで水分濃度を所定値まで低減させるために必要な不活性ガスの量を低減できる。また、不働態膜の耐腐食性、耐酸化性などの性質により、当該構成部品内を長時間クリーンな状態に保つことも可能となる。しかも、さびや表面変質などによるパーティクルの発生も低減され、こうした構成部品を備えることで、いわゆるトラブルフリーな露光装置が実現されるようにもなる。
【0079】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の効果に加えて、露光光が通過する空間が不活性ガスによってパージされることで、前記不働態化処理を施したことによる各種の利点、さらには水分パージ性能を最大限に維持することが可能となる。
【0080】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、露光光として、このような波長190nm以下の真空紫外光を対象とすることで、前記F2レーザ等を用いる場合であっても、その光路空間中の水分濃度による影響を好適に抑制することができるようになる。
【0081】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の効果に加えて、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物を不働態膜として用いることで、その機能を好適に維持することが可能となる。
【0082】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記請求項4に記載の効果に加えて、前記金属の材質や露光光の波長等に応じてこれらの酸化膜を選択的に不働態膜として用いることができる。
【0083】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記請求項5に記載の効果に加えて、前記不働態膜として、このCr2O3でステンレス表面を100%覆うようにすれば、不働態膜としての前記機能を安定して維持することができるようになる。
【0084】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記請求項6に記載の効果に加えて、ステンレス鋼として、Crの含有量の多いフェライト系ステンレスを用いるようにすれば、より分布が均一で緻密なCr2O3不働態膜を形成することができる。
【0085】
また、請求項8に記載の発明によれば、前記請求項5の効果に加えて、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、前記不働態膜としてAl2O3を用いることが有効である。このように、母材となる金属に応じた不働態膜を施すことにより、より効果的に不働態化処理を行うことができる。
【0086】
また、請求項9に記載の発明によれば、前記請求項5に記載の効果に加えて、前記金属がチタン合金である場合には、前記不働態膜としてTiO2を用いることが有効である。ちなみに、TiO2の標準生成ギブスエネルギΔGf 0はアナタース型で−884.5kJ/mol、ルチル型で−889.5kJ/molであり、安定した不働態膜として機能する。
【0087】
一方、請求項10に記載の発明によれば、前記露光装置の構成部品として特に、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒の本体に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、該鏡筒において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0088】
また、請求項11に記載の発明によれば、鏡筒の前記光学素子を保持する保持部材に対しても請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、鏡筒内でのさらなる脱離水分量の低減効果が図られるようになる。
【0089】
また、請求項12に記載の発明によれば、前記投影光学系は露光装置として特に重要な部分の一つであり、この本願請求項12に記載の発明では、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその内部で光学素子を保持する保持部材に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととなる。これにより、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその光学素子保持部材において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるようになる。
【0090】
また一方、請求項13に記載の発明によれば、露光装置において露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、このような金属面を有する構成部品の少なくとも一部において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるようになる。
【0091】
他方、請求項14に記載の発明によれば、露光装置として請求項13に記載の露光装置、すなわちその金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理が施されて、その脱離水分量の低減が図られた露光装置を用いて、リソグラフィ工程での露光が行われる。このため、露光光として例えば前述したF2レーザ等が用いられる場合であっても十分な光量の確保が容易となり、ひいてはより微細なマスクパターンを用いる高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における露光装置の概略構成図。
【図2】図1の投影系鏡筒の概念縦断面図。
【図3】投影系鏡筒の枠体縦断面図。
【図4】投影系鏡筒の枠体分解斜視図。
【図5】各種酸化膜の標準生成エンタルピΔHf 0及び標準生成ギブスエネルギΔGf 0を例示する図。
【図6】デバイスの製造工程を示すフローチャート。
【図7】半導体素子の製造工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
21…露光光源、23…ビーム・マッチング・ユニット(BMU)、26…照明系鏡筒、27…レチクル室、28…投影系鏡筒、29…ウエハ室、31…照明光学系、32…光学素子としてのミラー、33…光学素子としてのフライアイレンズ、34…光学素子としてのリレー光学系、35…光学素子としてのコンデンサレンズ、38…光学素子としての平行平板、41…投影光学系、42…光学素子としてのレンズエレメント、EL…露光光、F…不働態膜、R…レチクル(マスク)、W…ウエハ、ΔHf 0…標準生成エンタルピ、ΔGf 0…標準生成ギブスエネルギ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、あるいは薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工程において用いられる露光装置の構成部品に関するものである。また、本発明は、こうした構成部品で構成される鏡筒及び露光装置、並びに前記デバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の露光装置としては、例えば所定の波長の露光光を出射する光源と、その露光光をマスク上に照射する照明光学系と、その照明光学系の照明に基づいてマスク上に形成された回路パターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備えたものが知られている。これらの照明光学系、及び投影光学系は、それぞれ鏡筒を有し、それら鏡筒内に複数のレンズ、ミラー、フィルタ、平行平板ガラス等の光学素子が収容された構造となっている。
【0003】
こうした露光装置は一般にクリーンルーム内に設置されるが、クリーンルームといえども、その雰囲気中には微細量の、例えばアンモニウムイオン、硝酸イオン、硫酸イオン等のイオン性物質が浮遊している。また、露光装置の内部においても、前記光学素子やマスク、基板を駆動するための各種駆動部品があり、これら駆動部品に電力や信号を送るために多くの被覆線が使用されている。この被覆線の被覆材からは、極微量ながら有機物質が揮散している。さらに、基板上に塗布された感光材料の飛沫が、露光装置内に浮遊していることもある。これらイオン性物質、被覆材からの揮散物、感光材料の飛沫等は、前記光学素子に付着する汚染物質となり、その付着によって光学素子の曇りを招き、ひいてはデバイスの製造効率を低下させるようになる。そこで近年は、こうした曇りの発生を抑制するために、鏡筒内から汚染物質を排出するようにした露光装置が開発されている。
【0004】
一方、露光装置の中でも、特に半導体素子の製造に用いられる露光装置では、近年における半導体素子の著しい高度集積化に対応すべく、その解像度の向上要求がさらに高まってきている。このような要求に対応するために、露光に供する露光光の短波長化が進んでおり、例えばKrFエキシマレーザ(波長λ=248nm)、ArFエキシマレーザ(λ=193nm)といった遠紫外光や、さらにはF2レーザ(λ=157nm)といった真空紫外光を使用する露光装置も開発されつつある。
【0005】
このように、露光光として遠紫外光や真空紫外光を使用することにより、極めて高い解像度が得られるようにはなる。ところが、特に真空紫外光では、その光路中にある酸素や、水、炭酸ガス、有機物、ハロゲン化合物などの物質(吸光物質)に吸収されやすいといった性質も併せ有している。中でも、前記F2レーザは、酸素が存在する雰囲気を通過することにより大きく減衰して、デバイスの製造効率が著しく低下する。このため、露光光として前記真空紫外光を用いる露光装置にあっては、基板上における安定した露光エネルギー量を確保するために、前記鏡筒内に窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを供給し、前記吸光物質を鏡筒外に排出することが提案されている。
【0006】
また、短波長の強力なレーザ光により活性化された有機物などは光学素子の表面を汚染するが、前記光学系内にこうして不活性なガスを供給することにより、これらの有機物を低減し、各光学素子の性能劣化を防ぐことができるようにもなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の露光装置にあっては、光路空間内における不純物の濃度が高く、ウエハ面上で十分な光量を得るためには大量の不活性ガスが必要とされている。特に、鏡筒内壁に付着した水分は、不活性ガスの供給によって揮散させようとした場合、極微量ずつしか内壁から脱離させることができず、水分濃度を十分に低減させるために大量の不活性ガスを消費していた。これは、露光装置のランニングコストの増大を、ひいてはデバイスの製造コストの増大を招く一因となっていた。
【0008】
ここで、水分の発生源は、主に容器構成材質や容器内に設置されている光学素子やケーブル、またはそれらの保持部品などの表面に吸着した吸着水であり、この吸着水は、光路空間中へ長時間にわたって極微量ずつ揮散し、容器内の水分濃度を増加させることが分かっている。そして、F2レーザ等の真空紫外光の露光光は、この水分によって吸収され、ウエハ面上での十分な光量が得られなくなる。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は光学素子を収容する容器内での脱離水分量の好適な低減を図ることのできる露光装置の構成部品を提供することにある。また本発明の他の目的は、こうした構成部品で構成される鏡筒及び露光装置、並びに該露光装置を用いて製造されるデバイスの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置を構成する露光装置の構成部品において、少なくとも一部が金属で形成され、前記露光光が通過する空間に露出する金属面に不働態化処理を施したことを特徴とするものである。
【0011】
この本願請求項1に記載の発明では、露光光が通過する空間に露出する金属面に不働態化処理、すなわち不働態膜を形成するようにしたことで、不働態膜自身の持つ水涸れ特性などの性質により、露光装置を構成する構成部品内の水分濃度を所定値に保つために供給する不活性ガスの消費量を低減することが可能となる。また、不働態膜の耐腐食性、耐酸化性などの性質により、当該構成部品内を長時間クリーンな状態に保つことも可能となる。しかも、さびや表面変質などによるパーティクルの発生も低減され、こうした構成部品を備えることで、いわゆるトラブルフリーな露光装置が実現されるようにもなる。
【0012】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記空間が、不活性ガスによりパージされる密閉空間であることを特徴とするものである。
【0013】
この本願請求項2に記載の発明では、露光光が通過する空間を不活性ガスによりパージされる密閉空間とすることで、前記不働態化処理を施したことによる各種の利点、さらには水分パージ性能を最大限に維持することが可能となる。
【0014】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記露光光が、波長190nm以下の真空紫外光からなることを特徴とするものである。
【0015】
前述のように、真空紫外光、特にF2レーザ等、波長が190nm以下の真空紫外光ほど、その十分な光量を確保する上で光路空間中の水分濃度が無視できない要素となる。この点、本願請求項3に記載の発明では、露光光として、このような波長190nm以下の真空紫外光を対象とすることで、前記F2レーザ等を用いる場合であっても、その光路空間中の水分濃度による影響を好適に抑制することができるようになる。
【0016】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記不働態化処理により形成される不働態膜が、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物からなることを特徴とするものである。
【0017】
一般に、標準生成ギブスエネルギが負の方向に大きい物質ほど安定性が高く、反応性は乏しい。言い換えると、このような物質ほど、安定した不働態膜として機能する。この点、本願請求項4に記載の発明では、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物を不働態膜として用いることで、その機能を好適に維持することが可能となる。
【0018】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記酸化物が、Al2O3、As2O5、As4O6、B2O3、Cr2O3、Fe3O4、Ga2O3、In2O3、La2O3、Mn2O3、Mn3O4、Nb2O5、P4O10、Sb2O5、Sb4O6、Sc2O3、SiO2、Ta2O5、TiO2、Ti2O3、Ti3O5、V2O3、V2O4、V2O5、WO3、Y2O3、ZrO2のうちいずれかであることを特徴とするものである。
【0019】
この本願請求項5に記載の発明のように、前記金属の材質や露光光の波長等に応じてこれらの酸化膜を選択的に不働態膜として用いることができる。
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記金属がステンレス鋼であり、前記不働態化処理により形成される不働態化処理により形成される不働態膜がCr2O3からなることを特徴とするものである。
【0020】
この本願請求項6に記載の発明のように、前記金属がステンレス鋼である場合には、前記不働態膜としてCr2O3を用いることが有効である。すなわち、ステンレス表面は通常、Fe2O3、Cr2O3、NiOなどの複数の酸化物が混在し、しかもまだらな複合酸化膜で覆われている。ここで、各酸化物の標準生成エンタルピ及び標準生成自由エネルギをみて明らかなように、Cr2O3は他の金属酸化膜に比べてそれらが非常に小さい。このことは、Cr2O3は他の金属酸化物よりも熱力学的に非常に安定した酸化物であることを意味する。そこで、前記不働態膜として、このCr2O3でステンレス表面を100%覆うようにすれば、不働態膜としての前記機能を安定して維持することができるようになる。なお、この形成するCr2O3膜は緻密で不純物が少ないことが望ましい。
【0021】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記ステンレス鋼が、フェライト系ステンレス鋼であることを特徴とするものである。
【0022】
この本願請求項7に記載の発明のように、ステンレス鋼として、Crの含有量の多いフェライト系ステンレスを用いるようにすれば、より分布が均一で緻密なCr2O3不働態膜を形成することができる。
【0023】
また、本願請求項8に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記不働態化処理により形成される不働態膜がAl2O3からなることを特徴とするものである。
【0024】
この本願請求項8に記載のように、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、前記不働態膜としてAl2O3を用いることが有効である。このように、母材となる金属に応じた不働態膜を施すことにより、より効果的に不働態化処理を行うことができる。
【0025】
また、本願請求項9に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記金属がチタン合金であり、前記不働態化処理により形成された不働態膜がTiO2からなることを特徴とするものである。
【0026】
この本願請求項9に記載のように、前記金属がチタン合金である場合には、前記不働態膜としてTiO2を用いることが有効である。ちなみに、TiO2の標準生成ギブスエネルギΔGf 0はアナタース型で−884.5kJ/mol、ルチル型で−889.5kJ/molであり、安定した不働態膜として機能する。
【0027】
一方、本願請求項10に記載の発明は、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒において、鏡筒の本体を請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で形成したことを特徴とするものである。
【0028】
この本願請求項10に記載の発明では、前記露光装置の構成部品として特に、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒の本体に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、該鏡筒において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0029】
また、本願請求項11に記載の発明は、前記鏡筒の前記光学素子を保持する保持部材を請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で形成したことを特徴とするものである。
【0030】
この本願請求項11に記載の発明では、鏡筒の前記光学素子を保持する保持部材に対しても請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、鏡筒内でのさらなる脱離水分量の低減効果が図られるようになる。
【0031】
また、本願請求項12に記載の発明は、前記請求項10または請求項11に記載の発明において、前記光学素子は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系を構成する複数の光学素子の1つであることを特徴とするものである。
【0032】
前記投影光学系は露光装置として特に重要な部分の一つであり、この本願請求項12に記載の発明では、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその内部で光学素子を保持する保持部材に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととなる。これにより、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその光学素子保持部材において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0033】
また一方、本願請求項13に記載の発明は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置において、少なくとも一部が金属で形成され、前記露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部を、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で構成したことを特徴とするものである。
【0034】
この本願請求項13に記載の発明では、露光装置において露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、このような金属面を有する構成部品の少なくとも一部において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0035】
他方、本願請求項14に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で、請求項13に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするものである。
【0036】
この本願請求項14に記載の発明では、露光装置として請求項13に記載の露光装置、すなわちその金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理が施されて、その脱離水分量の低減が図られた露光装置を用いて、リソグラフィ工程での露光が行われる。このため、露光光として例えば前述したF2レーザ等が用いられる場合であっても十分な光量の確保が容易となり、ひいてはより微細なマスクパターンを用いる高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、半導体素子製造用の露光装置、鏡筒及び同露光装置を構成する構成部品に具体化した一実施の形態について図1及び図2に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、前記露光装置は、所定の光源としての露光光源21と露光装置本体22とビーム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」という。)23とから構成されている。前記露光光源21は、所定の光及び露光光ELとして、例えばF2レーザ光(λ=157nm)を出射するレーザ光源となっている。前記BMU23は複数の光学素子で構成され、これら複数の光学素子はBMU室39に収容される。このBMU23を介して露光光源21から出射された露光光ELが露光装置本体22内に導かれるようになっている。
【0039】
前記露光装置本体22は、前記露光光ELの照射によりマスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像を基板としてのウエハW上に転写するものであり、以下に露光装置本体22の概略構成について説明する。
【0040】
露光装置本体22のチャンバ25内には、照明系鏡筒26、レチクル室27、投影系鏡筒28、及びウエハ室29が、前記BMU23を介して導入された露光光ELの光軸方向に順次配置されている。なお、前記BMU室39、照明系鏡筒26、レチクル室27、投影系鏡筒28、及びウエハ室29が、前記露光光ELを取り囲む筐体を構成する。このチャンバ25は図示しない空調装置を備えており、露光装置全体の動作を制御する主制御系30の制御の下で、このチャンバ25の内部が所定の温度及び湿度に保たれるようになっている。
【0041】
区画室をなす前記レチクル室27には、レチクルステージRSTが配置されている。このレチクルステージRSTにより、所定のパターンが形成されたレチクルRが、前記露光光ELの光軸と直交するように保持されるようになっている。また、区画室をなす前記ウエハ室29には、ウエハステージWSTにより、前記露光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布された前記ウエハWが、その露光光ELの光軸と直交する面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持されるようになっている。
【0042】
前記照明系鏡筒26内には、前記レチクルRを照明するための照明光学系31が収容されている。この照明光学系31は、複数のミラー32、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)33、リレー光学系34、コンデンサレンズ35等の光学素子からなっている。前記フライアイレンズ33は、前記露光光源21からの露光光ELの入射により、その後方面に前記レチクルRを均一な照度分布で照明する多数の二次光源を形成する。前記リレー光学系34の後方には、前記露光光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド36が配置されている。
【0043】
前記照明系鏡筒26の両端におけるBMU側開口部37a及びマスク側開口部37bには、照明光学系31の一部の光学素子として円板状の平行平板38が配置されている。この平行平板38は、露光光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されている。
【0044】
前記BMU側開口部37aに配置された平行平板38によって、前記BMU室39の内部空間と、照明系鏡筒26の内部空間とが分離される。なお、これらBMU室39と照明系鏡筒26とはベローズ部材(図示略)で連結されている。また、前記照明系鏡筒26は、前記平行平板38を介して区画室をなす複数の照明気密室に区画されている。そして、各照明気密室40には、前記ミラー32、前記フライアイレンズ33、前記リレー光学系34、及びコンデンサレンズ35の各光学素子や、前記レチクルブラインド36が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されている。
【0045】
前記投影系鏡筒28内には、前記照明光学系31によって照明されるレチクルR上のパターンの像を前記ウエハW上に投影するための投影光学系41が収容されている。この投影光学系41は、該投影光学系41を構成する光学素子としての複数のレンズエレメント42からなっている。そして、その投影系鏡筒28の内部には、前記投影系鏡筒28の内壁、前記レンズエレメント42、及び同レンズエレメント42を保持するレンズ保持機構(保持部材)43によって、複数の枠体45が積層形成されている。
【0046】
前記BMU室39、前記照明気密室40、前記レチクル室27、前記枠体45及びウエハ室29には、パージガスの供給装置としてのパージガス供給系48が接続されている。このパージガス供給系48を介して、前記BMU室39、前記レチクル室27、前記ウエハ室29、前記照明気密室40、前記枠体45に対して、マイクロデバイス工場のユーティリティプラント内のタンク49より、不活性ガスからなるパージガスが供給されるようになっている。ここで、前記不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスである。
【0047】
前記パージガス供給系48の給気配管50の中には、パージガス中に含まれる不純物を除去するためのフィルタ51及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器52が介装されている。そして、前記BMU室39、前記レチクル室27、前記ウエハ室29、前記照明気密室40、前記枠体45は、パージガス排出管53を介して半導体素子製造工場の排気ダクト54に接続されている。また、前記チャンバ25も同排気ダクト54に接続されている。また、前記チャンバ25も同排気ダクト54に接続されている。これにより、前記BMU室39、前記レチクル室27、前記ウエハ室29、前記照明気密室40、前記枠体45内に供給されたパージガスは、前記排気ダクト54を介して、工場の外部に排出されるようになっている。
【0048】
ところで前述のように、真空紫外光、特に前記F2レーザ等、波長が190nm以下の真空紫外光ほど、その十分な光量を確保する上で光路空間中の水分濃度が無視できない。特にF2レーザ光(λ=157nm)では、大気中に多く存在する酸素および水分による吸収が非常に大きく、高度なパージ技術の開発が必要になる。ちなみに、酸素を露光光ELが通過する空間内から排出する方法は、前記露光光ELが通過する空間を完全に密閉し、外部との繋がりを一切無くすことで可能である。しかし、水分はその密閉容器の構成部材(ステンレス、アルミニウム、チタン合金、ゴム、プラスチックなど)すべての表面に付着しており、それらが接する空間中の水分濃度が低下すると、表面付着水分が前記空間中に放出され、水分濃度の低下を妨害する。
【0049】
また、露光光ELが通過する空間を構成する容器(照明系鏡筒26、レチクルステージRST、投影系鏡筒28、ウエハステージWST)は、さまざまな材質によって構成されており、さらにその容器内には多数の部品が収納されている。それらは、金属だけではなくガラス、ゴム、プラスチック、セラミックスなどさまざまである。これら全ての物質の表面には、多かれ少なかれ表面吸着した水分が存在しており、それらを取り囲む雰囲気中の水分濃度が低くなると、表面吸着水は空間中に放出される。この容器や部品表面からの脱離水分量を減らすには、その表面が気体に接触する面積を減らすことも有効な手段であるが、そもそも表面に吸着する水分量を低減させる方が重要である。前記露光光ELが通過する空間を構成する容器はさまざまな材料で構成されているが、金属材料が最も多く前記露光光ELが通過する空間雰囲気と接している。
【0050】
そこで、本実施形態では、金属材料に表面処理を施すことで、材料表面の付着水分を低減し、水分排出性能を向上させることとした。具体的には、露光装置の各種光学系素子を収納する照明系鏡筒26、投影系鏡筒28等、露光光ELが通過する空間に露出する金属面の全面に不働態化処理を施して、不働態膜を形成するようにした。これにより、不働態膜自身の持つ水涸れ特性などの性質により、露光装置を構成する構成部品内の水分濃度を所定値に保つために供給する不活性ガスの消費量を低減することが可能となる。中でもマスクパターン(レチクルR)をウエハ上に投影する投影系鏡筒28の水分濃度を所定値に保つことは重要であり、次に、図2を参照して、この投影系鏡筒28を例にとった場合の前記不働態化処理の処理態様について説明する。
【0051】
図2は、図1に示した投影系鏡筒28の縦断面図を概念的に示している。
この図2に示すように、前記投影系鏡筒28は積層された複数の枠体45で構成されている。枠体45内には投影光学系41が収納されている。この投影光学系41はレンズ保持機構43によって保持された光学素子としての複数のレンズエレメント42からなっている。そして、前記投影系鏡筒28の内周面にはその全面に不働態膜Fが施されている。
【0052】
ここで、本実施形態における投影系鏡筒28(枠体45)はフェライト系ステンレス鋼によって形成されている。そのため、前記不働態膜Fとして、本実施形態ではCr2O3を採用している。
【0053】
一般に、ステンレス材料はさびにくいとされパージ空間でも多く使用される。ステンレス表面は通常、Fe2O3、Cr2O3、NiOなどの複数の酸化物が混在した複合酸化膜で覆われている。これら各種金属酸化物の標準生成エンタルピおよび標準生成自由エネルギをみると、Cr2O3は他の金属酸化物に比べて非常に小さいことが分かる。つまり、Cr2O3は他の酸化物よりも熱力学的に非常に安定した酸化物であることを意味する。そこで、本実施形態では、少なくとも前記投影系鏡筒28を形成するフェライト系ステンレス鋼の内周面の全面をCr2O3からなる不働態膜Fで覆うようにしている。
【0054】
一方、Cr2O3膜自体は通常、空気中でも自然生成されるが、こうして自然生成されるCr2O3膜は、厚さ、分布が共に不均一である。また、自然生成された酸化膜は緻密ではない。また、ステンレス鋼はFeを母材とした合金であり、自然生成された酸化物は酸素とステンレス鋼に含まれるFe、Cr、Ni等とが酸化反応を起こし、上述のようにCr2O3、Fe2O3、NiO等が混在した複合酸化膜となる。このような各種の酸化物が混在した状態よりも、これも上述のように熱力学的に安定した酸化膜であるCr2O3膜を単独で形成する方が標準ギブスエネルギを低くでき、より安定した不働態膜Fとすることができるようになる。すなわち、ステンレス鋼の母材であるFeの酸化物であるFe2O3の自由エネルギよりも低い酸化物形成の自由エネルギを持つCr2O3膜を形成した方が不働態膜Fとしての効果は高い。さらに本実施形態では、Crを多く含むフェライト系ステンレス鋼を用いることで、より分布の均一な不働態膜Fの形成を可能としている。
【0055】
なお、ステンレス鋼に対する不働態膜Fの表面処理方法としては乾式と湿式があるが、本実施形態では、乾式によって不働態化処理を行う。ちなみに、乾式による表面処理方法としては、例えばステンレス表面を強還元性雰囲気下で酸化させる方法がある。これによって、Crの選択酸化を行いCr2O3の不働態膜Fでステンレス表面を100%覆うことができるようになる。またこの場合、電気炉のガスの雰囲気を制御(高温化でCrが多い状態に)することで反応を進ませることもできる。
【0056】
こうして、例えば前記投影系鏡筒28の内周面の全面をCr2O3からなる均一な不働態膜Fで100%覆うことにより、表面吸着水が少なくなり、また吸着した水分が脱離しやすくなり、ひいては空間中の水分濃度を低く抑えることが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(イ) 特に投影系鏡筒28を例にとって説明したが、実際には前記露光光ELが通過する空間に露出する金属面の全面に不働態膜Fを施すこととした。このため、それら光路中での高い脱離水分の低減効果が図れることとなり、露光光源21に前記F2レーザ等を採用する場合であれ、その露光のための十分な光量を確保することができるようになる。
【0058】
(ロ) また、前記不働態膜Fを施したことで、耐腐食性や耐酸性等も改善され、露光装置として要求されるいわゆるトラブルフリーな高い耐久性を得ることもできる。
【0059】
(ハ) また、露光光ELが通過する空間を不活性ガスによりパージされる密閉空間としたことで、前記不働態化処理を施したことによる各種の利点、さらには水分排出性能を最大限に維持することが可能となる。
【0060】
(ニ) 露光光ELが通過する空間に露出する金属がステンレス鋼であり、これに前記不働態膜FとしてCr2O3膜を施すこととした。これにより、不働態膜Fとしての前記機能を安定して維持することができる。
【0061】
(ホ) また、ステンレス鋼として、Crの含有量の多いフェライト系ステンレスを用いたことで、より分布が均一で緻密なCr2O3不働態膜Fを形成することができる。
【0062】
(変更例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、ステンレス鋼の表面処理方法を乾式で行ったが、表面処理方法としては乾式に限らず、湿式で行ってもよい。湿式による不働態化処理としては、例えばCrイオンを多く含むような液中に浸け、より多くのCrを被処理物の表面に付着させる。そして、希硝酸に浸すことで化学的に皮膜を形成(パシペート処理)する。もっとも、表面吸着水分の低減を図る上では、乾式による表面処理がより望ましい。
【0063】
前記実施形態では、投影系鏡筒28の内周面の全面に不働態膜FとしてCr2O3膜を施すこととした。ただし、例えば図3及び図4に示すように、投影系鏡筒28には通常、前記光学素子としてのレンズエレメント42を保持するためのレンズ保持機構43が設けられている。このレンズ保持機構43は、具体的には、支持部61をはじめ、フランジ45aに設けられたボルト孔62へのボルト64の螺着に基づいてレンズエレメント42を保持するクランプ部材63が設けられている。そこで、これらフランジ45a、支持部61、クランプ部材63等に対しても前記不働態膜Fを施すこととすれば、例えば投影系鏡筒28としての脱離水分量の低減効果もさらに高められるようになる。
【0064】
・ 前記実施形態では、ステンレス鋼としてフェライト系ステンレス鋼を用いる場合について例示したが、このステンレス鋼としては、フェライト系に限らず、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、二相系ステンレス鋼なども同様に用いることができる。
【0065】
・ 前記実施形態では、ステンレス鋼に対する不働態化処理としてCr2O3膜を施す場合について例示したが、他の金属材料についてもこれに準じた不働態化処理を施すことができる。例えば、アルミニウム材に対してはAl2O3膜を不働態膜Fとして施すことができ、チタン材に対してはTiO2膜を不働態膜Fとして施すことができる。そして、これらの場合でも前記実施形態に準じた効果を得ることはできる。要は、酸化膜の標準生成エンタルピΔHf 0、及び標準生成ギブスエネルギΔGf 0の一例を図5に示すように、これら標準生成ギブスエネルギーが−750kJ/mol以下の酸化膜、すなわち図5において領域Zとして例示する酸化膜であれば、前記不働態膜Fとして良好に機能することが確認されている。なお、このような酸化膜としては、前記例示した酸化膜も含めて、一般にAs2O5、As4O6、B2O3、Fe3O4、Ga2O3、In2O3、La2O3、Mn2O3、Mn3O4、Nb2O5、P4O10、Sb2O5、Sb4O6、Sc2O3、SiO2、Ta2O5、Ti2O3、Ti3O5、V2O3、V2O4、V2O5、WO3、Y2O3、ZrO2、等々がある。結局、前記金属の材質や露光光ELの波長等に応じて、これらの酸化膜が選択的に不働態膜Fとして利用されることとなる。さらに、1つの元素の酸化物のみならず、複数元素の酸化物(例えば、Al2SiO5等)も適宜採用可能である。
【0066】
・ 前記実施形態では、前記露光光ELとしてF2レーザ光(λ=157nm)を例示したが、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、KrFエキシマレーザ(λ=248nm)、Kr2レーザ(λ=146nm)、Ar2レーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高周波を用いてもよい。
【0067】
・ また露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであってもよい。さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置のみならず、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。また、半導体素子などのデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルRまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0068】
・ その他、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置にも、本発明を適用することができる。また、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用することができる。
【0069】
・ さらに、本発明は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパにも適用することができる。あるいは、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパにも同様に適用することができる。
【0070】
なお、前記実施形態の鏡筒及び露光装置は例えば次のように製造される。
すなわち、まず、照明光学系31、投影光学系41を構成する複数のレンズ、ミラー及び平行平板38等の光学素子の少なくとも一部をレンズ保持機構43で保持し、この照明光学系31及び投影光学系41を露光装置本体22に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体22に取り付けて配線を接続する。そして、露光光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給系48の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
【0071】
ここで、前記レンズ保持機構43及びその周辺部材を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0072】
次に、上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図6は、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図6に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルR)を製作する。一方、ステップS203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハWを製造する。
【0073】
次に、ステップS204(ウエハ処理ステップ)において、ステップS201〜S203で用意したマスク(レチクルR)とウエハWを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハW上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)において、ステップS204で処理されたウエハWを用いてデバイスの組立を行う。このステップS205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0074】
最後に、ステップS206(検査ステップ)において、ステップS205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0075】
図7は、半導体デバイスの場合における、図6のステップS204の詳細なフローの一例を示す図である。図7において、ステップS211(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS212(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS213(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0076】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスクの回路パターンをウエハWに転写する。次にステップS217(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露光部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0077】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)において上記の露光装置が用いられ、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置の構成部品において、露光装置を構成する材質から発生する脱離水分を低減することができる。また、脱離水分を低減することで水分濃度を所定値まで低減させるために必要な不活性ガスの量を低減できる。また、不働態膜の耐腐食性、耐酸化性などの性質により、当該構成部品内を長時間クリーンな状態に保つことも可能となる。しかも、さびや表面変質などによるパーティクルの発生も低減され、こうした構成部品を備えることで、いわゆるトラブルフリーな露光装置が実現されるようにもなる。
【0079】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の効果に加えて、露光光が通過する空間が不活性ガスによってパージされることで、前記不働態化処理を施したことによる各種の利点、さらには水分パージ性能を最大限に維持することが可能となる。
【0080】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、露光光として、このような波長190nm以下の真空紫外光を対象とすることで、前記F2レーザ等を用いる場合であっても、その光路空間中の水分濃度による影響を好適に抑制することができるようになる。
【0081】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の効果に加えて、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物を不働態膜として用いることで、その機能を好適に維持することが可能となる。
【0082】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記請求項4に記載の効果に加えて、前記金属の材質や露光光の波長等に応じてこれらの酸化膜を選択的に不働態膜として用いることができる。
【0083】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記請求項5に記載の効果に加えて、前記不働態膜として、このCr2O3でステンレス表面を100%覆うようにすれば、不働態膜としての前記機能を安定して維持することができるようになる。
【0084】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記請求項6に記載の効果に加えて、ステンレス鋼として、Crの含有量の多いフェライト系ステンレスを用いるようにすれば、より分布が均一で緻密なCr2O3不働態膜を形成することができる。
【0085】
また、請求項8に記載の発明によれば、前記請求項5の効果に加えて、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、前記不働態膜としてAl2O3を用いることが有効である。このように、母材となる金属に応じた不働態膜を施すことにより、より効果的に不働態化処理を行うことができる。
【0086】
また、請求項9に記載の発明によれば、前記請求項5に記載の効果に加えて、前記金属がチタン合金である場合には、前記不働態膜としてTiO2を用いることが有効である。ちなみに、TiO2の標準生成ギブスエネルギΔGf 0はアナタース型で−884.5kJ/mol、ルチル型で−889.5kJ/molであり、安定した不働態膜として機能する。
【0087】
一方、請求項10に記載の発明によれば、前記露光装置の構成部品として特に、少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒の本体に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、該鏡筒において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の作用効果が得られるようになる。
【0088】
また、請求項11に記載の発明によれば、鏡筒の前記光学素子を保持する保持部材に対しても請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、鏡筒内でのさらなる脱離水分量の低減効果が図られるようになる。
【0089】
また、請求項12に記載の発明によれば、前記投影光学系は露光装置として特に重要な部分の一つであり、この本願請求項12に記載の発明では、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその内部で光学素子を保持する保持部材に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととなる。これにより、このような投影光学系を形成する鏡筒、あるいはその光学素子保持部材において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるようになる。
【0090】
また一方、請求項13に記載の発明によれば、露光装置において露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理を施すこととしている。これにより、このような金属面を有する構成部品の少なくとも一部において、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるようになる。
【0091】
他方、請求項14に記載の発明によれば、露光装置として請求項13に記載の露光装置、すなわちその金属面を有する構成部品の少なくとも一部に対して請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の不働態化処理が施されて、その脱離水分量の低減が図られた露光装置を用いて、リソグラフィ工程での露光が行われる。このため、露光光として例えば前述したF2レーザ等が用いられる場合であっても十分な光量の確保が容易となり、ひいてはより微細なマスクパターンを用いる高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における露光装置の概略構成図。
【図2】図1の投影系鏡筒の概念縦断面図。
【図3】投影系鏡筒の枠体縦断面図。
【図4】投影系鏡筒の枠体分解斜視図。
【図5】各種酸化膜の標準生成エンタルピΔHf 0及び標準生成ギブスエネルギΔGf 0を例示する図。
【図6】デバイスの製造工程を示すフローチャート。
【図7】半導体素子の製造工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
21…露光光源、23…ビーム・マッチング・ユニット(BMU)、26…照明系鏡筒、27…レチクル室、28…投影系鏡筒、29…ウエハ室、31…照明光学系、32…光学素子としてのミラー、33…光学素子としてのフライアイレンズ、34…光学素子としてのリレー光学系、35…光学素子としてのコンデンサレンズ、38…光学素子としての平行平板、41…投影光学系、42…光学素子としてのレンズエレメント、EL…露光光、F…不働態膜、R…レチクル(マスク)、W…ウエハ、ΔHf 0…標準生成エンタルピ、ΔGf 0…標準生成ギブスエネルギ。
Claims (14)
- マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置を構成する露光装置の構成部品において、
少なくとも一部が金属で形成され、露光光が通過する空間に露出する金属面に不働態化処理を施したことを特徴とする露光装置の構成部品。 - 前記空間が、不活性ガスによりパージされる密閉空間であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置の構成部品。
- 前記露光光が、波長190nm以下の真空紫外光からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の露光装置の構成部品。
- 前記不働態化処理により形成される不働態膜が、−750kJ/mol以下の標準生成ギブスエネルギを有する酸化物からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品。
- 前記酸化物が、Al2O3、As2O5、As4O6、B2O3、Cr2O3、Fe3O4、Ga2O3、In2O3、La2O3、Mn2O3、Mn3O4、Nb2O5、P4O10、Sb2O5、Sb4O6、Sc2O3、SiO2、Ta2O5、TiO2、Ti2O3、Ti3O5、V2O3、V2O4、V2O5、WO3、Y2O3、ZrO2のうちいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の露光装置の構成部品。
- 前記金属がステンレス鋼であり、前記不働態化処理により形成される不働態化処理により形成される不働態膜がCr2O3からなることを特徴とする請求項5に記載の露光装置の構成部品。
- 前記ステンレス鋼が、フェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項6に記載の露光装置の構成部品。
- 前記金属がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記不働態化処理により形成される不働態膜がAl2O3からなることを特徴とする請求項5に記載の露光装置の構成部品。
- 前記金属がチタン合金であり、前記不働態化処理により形成された不働態膜がTiO2からなることを特徴とする請求項5に記載の露光装置の構成部品。
- 少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒において、鏡筒の本体を請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で形成したことを特徴とする鏡筒。
- 前記光学素子を保持する保持部材を請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で形成したことを特徴とする請求項10に記載の鏡筒。
- 前記光学素子は、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に投影する投影光学系を構成する複数の光学素子の1つであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の鏡筒。
- マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に露光する露光装置において、
少なくとも一部が金属で形成され、前記露光光の通過する空間に露出する金属面を有する構成部品の少なくとも一部を、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置の構成部品で構成したことを特徴とする露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で、請求項13に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
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