JP2003163159A - パージガスの供給方法及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

パージガスの供給方法及び露光装置並びにデバイスの製造方法

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JP2003163159A
JP2003163159A JP2001364631A JP2001364631A JP2003163159A JP 2003163159 A JP2003163159 A JP 2003163159A JP 2001364631 A JP2001364631 A JP 2001364631A JP 2001364631 A JP2001364631 A JP 2001364631A JP 2003163159 A JP2003163159 A JP 2003163159A
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purge gas
projection
compartments
supply
gas supply
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JP2001364631A
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English (en)
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Takayuki Mizutani
剛之 水谷
Takashi Aoki
貴史 青木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要に見合った量のパージガスを効率よく供
給することのできるパージガスの供給方法及び露光装
置、デバイスを効率よく製造可能なデバイスの製造方法
を提供する。 【解決手段】 主供給管61と各投影気密室45a〜4
5cとを連通するパージガス供給管62〜67を設け
る。初期用パージガス供給管62〜64の内径α2〜α
4をそれぞれ4乗した値の比を、各投影気密室45a〜
45c間における内容積の比に設定する。維持用パージ
ガス供給管65〜67の内径α5〜α7をそれぞれ4乗
した値の比を、各投影気密室45a〜45c間における
内表面積の比に設定する。各パージガス供給管62〜6
7にその連通及び遮断を切替える切替弁62a〜67a
をそれぞれ設ける。初期パージ時には、切替弁62a〜
64aのみを開弁する。維持パージ時には、切替弁65
a〜67aのみを開弁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子、液晶表示素子、あるいは薄膜磁気ヘッド
等のデバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフ
ィ工程において用いられる露光装置の筐体へのパージガ
スの供給方法に関するものである。また、本発明は、同
工程で使用される露光装置、及び前記デバイスの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の露光装置としては、例えば所定
の波長の露光光を出射する光源と、その露光光をマスク
上に照射する照明光学系と、その照明光学系の照明に基
づいてマスク上に形成された回路パターンの像を基板上
に投影する投影光学系とを備えたものが知られている。
これらの照明光学系、及び投影光学系内は、それぞれ複
数のレンズ、ミラー、フィルタ、平行平板ガラス等の光
学素子を有し、これら光学素子は鏡筒内に収納されてい
る。
【0003】ところで、こうした露光装置は一般にクリ
ーンルーム内に設置されるが、クリーンルームといえど
も、その雰囲気中には極微量の、例えばアンモニウムイ
オン、硝酸イオン、硫酸イオン等のイオン性物質が浮遊
している。また、露光装置の内部においても、前記光学
素子やマスク、基板を駆動するための各種駆動部品があ
り、これら駆動部品に電力や信号を送るために多くの被
覆線が使用されている。この被覆線の被覆材からは、極
微量ながら有機物質が揮散している。さらに、基板上に
塗布された感光材料の飛沫が、露光装置内に浮遊してい
ることもある。これらイオン性物質、被覆材からの揮散
物、感光材料の飛沫等は、前記光学素子に付着する汚染
物質となり、その付着によって光学素子の曇りを招き、
ひいてはデバイスの製造効率を低下させるようになる。
こうした曇りの発生を抑制するために、鏡筒内を前記汚
染物質を取り除いた空気等で置換することにより、鏡筒
内から汚染物質を排出(パージ)するようにした露光装
置も開発されてきている。
【0004】ところで、こうした露光装置のなかでも、
特に半導体素子の製造に用いられる露光装置では、近年
における半導体素子の著しい高度集積化に対応すべく、
その解像度の向上要求がさらに高まってきている。この
ような要求に対応するために、露光に供する露光光の短
波長化が進んでおり、例えばArFエキシマレーザ(波
長λ=193nm)や、F2レーザ(λ=157nm)
といった真空紫外光を使用する露光装置も開発されてき
ている。
【0005】露光光として真空紫外光を使用することに
より高解像度が得られるようになる。ところが、この真
空紫外光は、その光路中にある酸素や、水、炭酸ガス、
有機物、ハロゲン化合物などといった物質(吸光物質)
に吸収されやすい。なかでも、前記F2レーザは、酸素
が存在する雰囲気を通過することにより大きく減衰し
て、デバイスの製造効率が著しく低下する。このため、
露光光として前記真空紫外光を用いる露光装置にあって
は、基板上における安定した露光エネルギー量を確保す
るために、前記鏡筒内を例えば窒素ガス等の不活性ガス
で置換し、前記吸光物質を鏡筒外にパージすることが提
案されている。
【0006】そして、前記汚染物質を取り除いた空気や
不活性ガス等といったパージガスにより鏡筒内を置換す
る露光装置として、その鏡筒内がいくつかの空間に区画
されるとともに、それら区画された空間(区画室)に対
して各別にパージガスが供給されるような装置も開発さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の露
光装置にあっては、各区画室に供給するパージガスの流
量を一律に必要かつ十分な量に設定していた。これは、
各区画室へのパージガス流量が過剰になるとパージガス
の消費量を不要に増大させる要因となり、露光装置のラ
ンニングコストの増大を、ひいてはデバイスの製造コス
トの増大を招く一因となっていた。一方、各区画室への
パージガス流量が過少である場合には、例えば鏡筒内の
空気をパージするような初期パージにおいて、各区画室
毎にパージ状態が異なり、全ての区画室のパージが完了
するまでに多大な時間を要することがある。このため、
露光装置の停止時間の増大を招き、露光装置のスループ
ットの低下を招く一因となっていた。
【0008】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とし
ては、必要に見合った量のパージガスを効率よく供給す
ることのできるパージガスの供給方法を提供することに
ある。また、この供給方法を採用してデバイスを効率よ
く製造することのできる露光装置及びデバイスの製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載の発明は、内部を所定の光が通
過するとともに、内部に所定の空間が形成されるように
区画された複数の区画室を有する筐体内へのパージガス
の供給方法において、前記各区画室の形成条件に応じ
て、その各区画室毎にパージガスの供給条件を設定する
ことを特徴とするものである。
【0010】この本願請求項1に記載の発明では、複数
の区画室に対するパージガスの供給条件を、それぞれの
区画室の形成条件に応じて各別に設定することが可能に
なる。これにより、必要に見合った量のパージガスを効
率よく供給することができる。
【0011】また、本願請求項2に記載の発明は、前記
請求項1に記載のパージガスの供給方法において、前記
各区画室毎のパージガスの供給条件を、各区画室の内容
積及び内表面積の少なくとも一方に応じて設定すること
を特徴とするものである。
【0012】区画室内のガスをパージガスに置換するた
めに必要なパージガスの量は、内容積に応じて、各区画
室で異なる。一方、区画室の壁面からの汚染物質や吸光
物質の脱離量は、内表面積に応じて、各区画室で異な
る。そして、これらの脱離成分をパージするために必要
なパージガスの量は、各区画室の内表面積に応じて異な
る。これに対し、この本願請求項2に記載の発明では、
各区画室に対するパージガスの供給条件が、こうした内
容積や内表面積に応じて各別に設定される。これによ
り、各区画室への効率的なパージガスの供給が可能にな
る。
【0013】また、本願請求項3に記載の発明は、前記
請求項1または請求項2に記載のパージガスの供給方法
において、前記供給条件は、前記各区画室内へのパージ
ガスの供給流量、及び同パージガスの供給圧力のうち少
なくとも一方を含むことを特徴とするものである。
【0014】この本願請求項3に記載の発明では、パー
ジガスの供給流量や、供給圧力を調整することで、パー
ジガスの供給条件を容易に制御することが可能になる。
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請
求項3のうちいずれか一項に記載のパージガスの供給方
法において、前記供給条件は、前記各区画室内へのパー
ジガスの供給流量を少なくとも含み、同供給流量は、各
区画室に接続されるパージガス供給管におけるその軸線
と交差する断面における開口面積の合計値に基づいて設
定されることを特徴とするものである。
【0015】この本願請求項4に記載の発明では、パー
ジガス供給管の開口面積の合計値を各区画室毎に各別に
設定することで、パージガスの供給流量を、各区画室そ
れぞれに適した量に設定することが可能になる。
【0016】また、本願請求項5に記載の発明は、前記
請求項4に記載のパージガスの供給方法において、前記
各区画室内へのパージガスの供給流量を、各区画室に接
続されるパージガス供給管の数に基づいて設定すること
を特徴とするものである。
【0017】この本願請求項5に記載の発明では、例え
ば同じ開口面積のパージガス供給管を用い、各区画室毎
に同パージガス供給管の接続される本数を各別に設定す
る。これにより、パージガス供給管の開口面積の合計値
を各区画室それぞれに適した値に設定することができ
る。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、前記請求
項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のパージガス
の供給方法において、前記形成条件は、前記各区画室内
に保持される保持部材の形状を含むことを特徴とするも
のである。
【0019】この本願請求項6に記載の発明では、各区
画室へのパージガスの供給条件の設定に際し、各区画室
内に保持される保持部材の形状を併せて加味すること
で、区画室内に被置換ガスの淀みが生じやすいような部
分がある場合にも、より好適な供給条件の設定が可能に
なる。
【0020】また、請求項7に記載の発明は、前記請求
項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のパージガス
の供給方法において、前記複数の区画室は、それらの各
内壁を形成する壁部のうち少なくとも一部が光学素子の
表面により構成されてなることを特徴とするものであ
る。
【0021】この本願請求項7に記載の発明では、光学
素子表面がパージガスの流れにさらされるため、その光
学素子への汚染物質の付着を、より効果的に抑制するこ
とができる。
【0022】また、請求項8に記載の発明は、マスク上
に形成されたパターンの像を基板上に投影する露光装置
において、所定の光源から出射され前記マスクを介して
基板上に照射される露光光の光路を取り囲むように設け
られる筐体と、その筐体の内部に区画形成される複数の
区画室と、その各区画室内に所定のパージガスを供給す
る供給装置とを備え、その供給装置によるパージガスの
供給条件を、前記各区画室の形成条件に応じて前記各区
画室毎に設定するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0023】この本願請求項8に記載の発明では、複数
の区画室それぞれに対する効率的なパージを行いつつ、
汚染物質の付着による光学素子の曇りや、吸光物質によ
る吸収に伴う露光光の過度の減衰を効果的に抑制するこ
とができる。
【0024】また、請求項9に記載の発明は、リソグラ
フィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソ
グラフィ工程で請求項8に記載の露光装置を用いて露光
を行うことを特徴とするものである。
【0025】この本願請求項9に記載の発明では、デバ
イスの製造に際し、露光光の光路をなす鏡筒内の内部に
必要に見合った量のパージガスを効率よく供給して、真
空紫外域の露光光を用いることが可能となり、解像力の
向上及び露光制御を精度よく行うことが可能になる。
【0026】次に、前記各請求項の発明にさらに含まれ
る技術的思想について、それらの作用とともに以下に記
載する。 (1) 前記形成条件として各区画室内におけるパージ
ガスの流路内に狭小部及び屈曲部の少なくとも一方が存
在する場合には、同区画室へのパージガスの供給条件を
変更することを特徴とする請求項6または請求項7に記
載のパージガスの供給方法。
【0027】このようにすれば、狭小部や屈曲部といっ
たパージガスが到達し難い部分がパージガスの流路内に
存在する場合、それに応じてパージガスの供給条件を変
更することが可能になる。これにより、区画室からの汚
染物質や吸光物質のパージに際し、狭小部や屈曲部の存
在によるパージガスの淀みを効果的に解消することがで
きる。
【0028】(2) 前記パージガスの比重が、そのパ
ージガスにより置換される前記区画室内の被置換ガスの
比重に比べて小さく、前記形成条件として各区画室の底
部に重力方向下側に凹状をなす凹陥部が存在する場合に
は、同区画室へのパージガスの供給条件を変更すること
を特徴とする請求項6、請求項7及び前記(1)のうち
いずれか一項に記載のパージガスの供給方法。
【0029】このようにすれば、区画室内に凹陥部が形
成される場合において、この凹陥部における被置換ガス
の滞留を抑えるべく、パージガスの供給条件を設定する
ことが可能になる。
【0030】(3) 前記パージガスの比重が、そのパ
ージガスにより置換される前記区画室内の被置換ガスの
比重に比べて大きく、前記形成条件として各区画室の天
井部に重力方向上側に凹状をなす蓋部が存在する場合に
は、同区画室へのパージガスの供給条件を変更すること
を特徴とする請求項6、請求項7及び前記(1)のうち
いずれか一項に記載のパージガスの供給方法。
【0031】このようにすれば、区画室内に重力方向上
側に凹状をなす蓋部が形成される場合において、この蓋
部における被置換ガスの滞留を抑えるべく、パージガス
の供給条件を設定することが可能になる。
【0032】(4) 前記パージガスを各区画室内に供
給する際に、前記各区画室の内容積に応じて設定した各
区画室毎のパージガスの供給条件により各区画室内にパ
ージガスを供給し、前記各区画室内が所定のガスの状態
となった後、前記各区画室の内表面積に応じて設定した
各区画室毎のパージガスの供給条件により各区画室内に
パージガスを供給することを特徴とする請求項1〜請求
項7及び前記(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載
のパージガスの供給方法。
【0033】大気状態にある区画室内を所定のガスの状
態にまで置換するために必要なパージガスの量は、内容
積に応じて各区画室で異なる。一方、一旦区画室内が所
定のガスの状態となり初期パージが完了した後において
は、その壁面からの脱離により各区画室内に汚染物質や
吸光物質が存在するようになる。この場合、この脱離成
分をパージして区画室内を所定のガスの状態に維持する
ための「維持パージ」に必要なパージガスの供給流量
は、内表面積に応じて各区画室で異なる。これに対し、
この(4)に記載の発明では、こうした大気状態からの
初期パージ、及びその後の維持パージにおいて、効率的
なパージガスの供給が併せて図られるようになる。
【0034】(5) 前記区画室には、その内部のガス
の状態を検出するガス状態検出装置が設けられ、そのガ
ス状態検出装置の検出結果に基づいて前記各区画室毎の
パージガスの供給条件を変更することを特徴とする請求
項1〜請求項7及び前記(1)〜(4)のうちいずれか
一項に記載のパージガスの供給方法。
【0035】このようにすれば、区画室内へのパージガ
スの供給に際し、区画室内の実際のパージガスの状態に
応じて供給条件を変更することができ、パージガスの供
給を精度よく制御することが可能になる。また、各区画
室の内部が所定のガス状態になったことを確認した上で
露光光を導くことができ、露光光の効率低下をより確実
に抑制することが可能になる。
【0036】(6) 前記パージガスにより置換される
前記区画室内の被置換ガスが空気であり、前記ガス状態
検出装置が酸素センサからなることを特徴とする前記
(5)に記載のパージガスの供給方法。
【0037】このようにすれば、区画室中におけるパー
ジ状態を、検出の感度が高く空気中における存在割合が
大きい酸素を指標として、酸素センサによる酸素濃度の
検出を通じて監視することができる。このため、各区画
室のパージ状態を精度よく検出することができ、パージ
ガスの供給を一層精度よく制御することが可能になる。
【0038】(7) 前記各区画室毎のパージガスの供
給条件を、各区画室の密閉度に応じて設定することを特
徴とする請求項1〜請求項7及び前記(1)〜(6)の
うちいずれか一項に記載のパージガス供給方法。
【0039】例えば、複数の区画室のうちのいくつかが
その内外の間で交換される交換部材を収容する収容室で
構成される等、各区画室間においてその密閉度に差が生
じる構成では、区画室内のガスを効率よくパージガスに
置換するために必要なパージガスの量が、この密閉度に
応じて異なる。これに対して、前記(7)に記載の発明
では、各区画室に対するパージガスの供給条件が、こう
した密閉度に応じて設定される。これにより、複数の区
画室それぞれへの効率的なパージガスの供給が可能にな
る。
【0040】(8) 少なくとも一部の前記区画室が、
その内部を通過する所定の光に曝されるとともに、その
区画室の内外の間で交換される交換部材を収容する収容
室であり、その収容室及び外部の空間に断続可能に接続
されるとともに前記パージガスが供給される予備室を介
して、前記交換部材を交換することを特徴とする請求項
8に記載の露光装置。
【0041】このようにすれば、交換部材の交換に際
し、区画室内が筐体の外部に直接開放されることがな
く、外部から区画室内への汚染物質や吸光物質の流入を
さらに抑制することができる。これにより、その流入に
基づく区画室内におけるこれら両物質の濃度の上昇が抑
制され、その区画室内を所定のガス状態に戻すために必
要なパージガスの供給時間を短縮することが可能にな
る。
【0042】(9) 前記パージガスの供給条件を、前
記各区画室毎の密閉度に応じて前記区画室毎に設定する
ようにしたことを特徴とする請求項8または前記(8)
に記載の露光装置。
【0043】このようにすれば、密閉度の違いに起因し
て、複数の区画室間において生じる必要なパージガスの
量の差異を好適に補償することが可能になる。これによ
り、露光光の過度の減衰をより効果的に抑制することが
できる。
【0044】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、本発明
を、半導体素子製造用の露光装置、及び同露光装置内へ
のパージガスの供給方法、及び半導体素子の製造方法に
具体化した第1実施形態について、図1及び図2に基づ
いて説明する。
【0045】図1に示すように、前記露光装置は、所定
の光源としての露光光源21と露光装置本体22とビー
ム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」とい
う。)23とから構成されている。前記露光光源21
は、所定の光及び露光光ELとして、例えばF2レーザ
光(λ=157nm)を出射するレーザ光源となってい
る。前記BMU23は複数の光学素子で構成され、これ
ら複数の光学素子はBMU室39に収容される。このB
MU23は、前記露光光源21と露光装置本体22とを
光学的に接続し、このBMU23を介して露光光源21
から出射された露光光ELが露光装置本体22内に導か
れるようになっている。
【0046】前記露光装置本体22は、前記露光光EL
の照射によりマスクとしてのレチクルR上に形成された
パターンの像を基板としてのウエハW上に転写するもの
であり、以下に露光装置本体22の概略構成について説
明する。
【0047】露光装置本体22のチャンバ25内には、
照明系鏡筒26、レチクル室27、投影系鏡筒28、及
びウエハ室29が、前記BMU23を介して導入された
露光光ELの光軸方向に順次配置されている。なお、前
記BMU室39、照明系鏡筒26、レチクル室27、投
影系鏡筒28、及びウエハ室29が、前記露光光ELを
取り囲む筐体を構成する。このチャンバ25は図示しな
い空調装置を備えており、露光装置全体の動作を制御す
る主制御系30の制御の下で、このチャンバ25の内部
が所定の温度及び湿度に保たれるようになっている。
【0048】区画室をなす前記レチクル室27には、レ
チクルステージRSTが配置されている。このレチクル
ステージRSTにより、所定のパターンが形成されたレ
チクルRが、前記露光光ELの光軸と直交するように保
持されるようになっている。また、区画室をなす前記ウ
エハ室29には、ウエハステージWSTが配置されてい
る。そして、このウエハステージWSTにより、前記露
光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布
された前記ウエハWが、その露光光ELの光軸と直交す
る面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可
能に保持されるようになっている。
【0049】前記照明系鏡筒26内には、前記レチクル
Rを照明するための照明光学系31が収容されている。
この照明光学系31は、複数のミラー32、オプティカ
ルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドイン
テグレータでもよい)33、リレー光学系34、コンデ
ンサレンズ35等の光学素子からなっている。前記フラ
イアイレンズ33は、前記露光光源21からの露光光E
Lの入射により、その後方面に前記レチクルRを均一な
照度分布で照明する多数の二次光源を形成する。前記リ
レー光学系34の後方には、前記露光光ELの形状を整
形するためのレチクルブラインド36が配置されてい
る。
【0050】前記照明系鏡筒26の両端におけるBMU
側開口部37a及びマスク側開口部37bには、照明光
学系31の一部の光学素子として円板状の平行平板38
が配置されている。この平行平板38は、露光光ELを
透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されて
いる。
【0051】前記BMU側開口部37aに配置された平
行平板38によって、前記BMU室39の内部空間と、
照明系鏡筒26の内部空間とが分離される。また、前記
照明系鏡筒26は、前記平行平板38を介して区画室を
なす複数の照明気密室40に区画されている。そして、
各照明気密室40には、前記ミラー32、前記フライア
イレンズ33、前記リレー光学系34、及びコンデンサ
レンズ35の各光学素子や、前記レチクルブラインド3
6が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されて
いる。
【0052】前記投影系鏡筒28内には、前記照明光学
系31によって照明されるレチクルR上のパターンの像
を前記ウエハW上に投影するための投影光学系41が収
容されている。この投影光学系41は、該投影光学系4
1を構成する光学素子としての複数のレンズエレメント
42からなっている。そして、その投影系鏡筒28の内
部には、前記投影系鏡筒28の内壁、前記レンズエレメ
ント42、及び同レンズエレメント42を保持する保持
部材43によって、複数の区画室としての投影気密室4
5a,45b,45cが区画形成されている(図2参
照)。
【0053】前記BMU室39、前記照明気密室40、
前記レチクル室27、各投影気密室45a〜45c及び
ウエハ室29には、パージガスの供給装置としてのパー
ジガス供給系48が接続されている。このパージガス供
給系48を介して、前記BMU室39及び各室27,2
9,40,45a〜45cに対して、マイクロデバイス
工場のユーティリティプラント内のタンク49より、不
活性ガスからなるパージガスが供給されるようになって
いる。ここで、前記不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の
中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスで
ある。
【0054】前記パージガス供給系48の給気配管50
中には、パージガス中に含まれる不純物を除去するため
のフィルタ51及びパージガスを所定の温度に調整する
とともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器52
が介装されている。そして、前記BMU室39及び各室
27,29,40,45a〜45cは、パージガス排出
管53を介して半導体素子製造工場の排気ダクト54に
接続されている。また、前記チャンバ25も同排気ダク
ト54に接続されている。これにより、前記BMU室3
9、各室27,29,40,45a〜45c内に供給さ
れたパージガスは、前記排気ダクト54を介して、工場
の外部に排出されるようになっている。
【0055】なお、前記パージガス中に含まれる不純物
には、前記ミラー32,フライアイレンズ33、リレー
光学系34、コンデンサレンズ35、平行平板38及び
レンズエレメント42等の光学素子の表面上に、露光光
ELの照射下で堆積して曇り現象を生じせしめる汚染物
質、あるいはF2レーザ光を強く吸収する酸素等の吸光
物質が含まれる。また、前記汚染物質としては、例えば
有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW
上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に
使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ25内
の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被
覆層からの揮散物等がある。
【0056】次に、前記パージガス供給系48及びパー
ジガス排出管53の、前記投影系鏡筒28内の各投影気
密室45a〜45cへの接続構造を説明する。ここで、
本実施形態の露光装置では、例えば露光装置の稼動直後
等のパージガスの供給の開始初期において、各投影気密
室45a〜45c内の不純物を多く含むガスをパージガ
スに置換するための「初期パージ」が行われる。そし
て、この初期パージを効率的に行うためには、各投影気
密室45a〜45c内に存在する不純物を多く含むガス
の量、すなわち各投影気密室45a〜45cの内容積に
応じた量のパージガスを、各投影気密室45a〜45c
に毎に供給することが望ましい。
【0057】また、各投影気密室45a〜45cの壁面
からは、前記初期パージによって各投影気密室45a〜
45c内のガスがパージガスに十分に置換された後にお
いても、若干であるとはいえ不純物が揮散していること
がある。こうした壁面から離脱する不純物によって、各
投影気密室45a〜45c内の不純物濃度が上昇するお
それがある。そこで、本実施形態の露光装置では、前記
初期パージが実行された後に、各投影気密室45a〜4
5cを所定のガス状態に維持するための「維持パージ」
が行われる。そして、この維持パージを効率的に行うた
めには、離脱成分が離脱する壁面の総面積、すなわち前
記投影系鏡筒28の内壁、レンズエレメント42、及び
保持部材43によって区画形成される各投影気密室45
a〜45cの内表面積に応じた量のパージガスを、各投
影気密室45a〜45c毎に供給することが望ましい。
【0058】そこで、本実施形態の露光装置では、前記
各投影気密室45a〜45cに対するパージガスの供給
条件を、各投影気密室45a〜45cの形成条件に応じ
て、各投影気密室45a〜45c毎に設定するようにし
ている。具体的には、各投影気密室45a〜45cに接
続されるパージガス供給系48を構成する各管は、その
軸線と直交する断面における開口面積が、各投影気密室
45a〜45cの内容積や内表面積に応じて各別に設定
されている。
【0059】図2に示すように、前記パージガス供給系
48は、主供給管61と、前記初期パージに用いられる
初期用パージガス供給管62〜64と、前記維持パージ
に用いられる維持用パージガス供給管65〜67とから
構成されている。前記主供給管61は、各パージガス供
給管62〜64,65〜67の開口面積に対して開口面
積が大きく、且つ前記各投影気密室45a,45b,4
5cの近傍まで延びている。前記初期用パージガス供給
管62及び維持用パージガス供給管65は、この主供給
管61と前記投影気密室45aとを連通している。前記
初期用パージガス供給管63及び維持用パージガス供給
管66は、主供給管61と投影気密室45bとを連通し
ている。前記初期用パージガス供給管64及び維持用パ
ージガス供給管67は、主供給管61と投影気密室45
cとを連通している。また、この主供給管61には、ほ
ぼ一定の圧力のパージガスが供給されている。前記各パ
ージガス供給管62〜67には、主供給管61と各投影
気密室45a〜45cとの連通及びその遮断を切替可能
な切替弁62a〜67aがそれぞれ設けられている。
【0060】ここで、主供給管61にほぼ一定の圧力で
パージガスを供給したときにおける各投影気密室45a
〜45cへのパージガス供給における圧力損失を考え
る。なぜならば、各パージガス供給管62〜67の入口
付近における圧力が大きく変動すると、各投影気密室4
5a〜45cへのパージガスの供給流量の制御が困難に
なるためである。
【0061】一般に、管路のコンダクタンスをC、同管
路の入口と出口との圧力差をΔPとすると、同管路内を
流れる流体の流量ΔQは、次の(1)式により定まる。 ΔQ=C×ΔP …(1) このコンダクタンスCは、流体が粘性流である場合に
は、管路の断面開口の直径を4乗した値に比例して変化
する。
【0062】ここで、前記主供給管61の軸線との直交
断面における開口の直径(内径)をα1とし、各パージ
ガス供給管62〜67のうちで最も開口面積の大きくな
る(圧力損失を大きくする)初期用パージガス供給管6
2の内径をα2とする。そして、層流条件下で前記圧力
損失が1%以内であれば、その圧力損失は無視できる。
このように、圧力損失を1%以下に抑えるためには、主
供給管61側のコンダクタンスC1を、初期用パージガ
ス供給管62側のコンダクタンスC2の100倍以上に
すればよい。ここで、前述のようにコンダクタンスは、
管径の4乗に比例することから、この関係を満たす主供
給管61と初期用パージガス供給管62との管径の比を
求めると、次の(2)式のようになる。 α1:α2 ≒ 3.16:1 …(2) そこで、本実施形態の主供給管61は、初期用パージガ
ス供給管62の約3倍の管径を有するように設定されて
いる。これにより、前記各パージガス供給管62〜67
の入口には、ほぼ一定の圧力のパージガスが供給される
ようになっている。
【0063】そして、前記初期パージを行うときには、
前記各切替弁62a,63a,64aが開弁されるとと
もに、各切替弁65a,66a,67aが閉弁される。
これにより、主供給管61と各投影気密室45a,45
b,45cとが、それぞれ初期用パージガス供給管6
2,63,64を通じて連通される。
【0064】ここで、各投影気密室45a,45b,4
5cの内容積をX,Y,Zとすると、前記初期パージ時
において最低限必要な各投影気密室45a,45b,4
5cに対するパージガスの供給流量の比が、ほぼこれら
内容積の比「X:Y:Z」になることが発明者によって
確認されている。
【0065】また、前記(1)式の関係により、前記圧
力差ΔP及び管路長が一定の条件の下では、管路の直径
を設定することで、コンダクタンスCが定まり、これに
より同管路内を流れる流体の流量を設定することができ
る。
【0066】そこで、本実施形態の装置では、前記各初
期用パージガス供給管62,63,64は、その内径を
それぞれα2,α3,α4として、次の(3)式を満た
すように設定されている。 「(α2の4乗):(α3の4乗):(α4の4乗)」 = 「X:Y:Z」 …(3) また、この装置では、各初期用パージガス供給管62,
63,64は、所定の時間内において最低限必要な量の
パージガスを各投影気密室45a〜45cに対して供給
可能なようにその内径α2,α3,α4が設定されてい
る。例えば、各投影気密室45a,45b,45cの内
容積比が「81:16:1」であるような場合には、各
初期用パージガス供給管62,63,64の内径比を
「3:2:1」に設定すればよい。
【0067】一方、前記維持パージを行うときには、前
記各切替弁65a,66a,67aが開弁されるととも
に、各切替弁62a,63a,64aが閉弁される。こ
れにより、主供給管61と各投影気密室45a,45
b,45cとが、それぞれ維持用パージガス供給管6
5,66,67を通じて連通される。
【0068】ここで、各投影気密室45a,45b,4
5cの内表面積をA,B,Cとして、前記維持パージ時
における各投影気密室45a,45b,45cに対して
それぞれ最低限必要なパージガスの供給流量の比が、ほ
ぼこれら内表面積の比「A:B:C」になることが発明
者によって確認されている。
【0069】そこで、本実施形態の装置では、前記各維
持用パージガス供給管65,66,67は、その内径を
それぞれα5,α6,α7として、次の(4)式を満た
すように設定されている。 「(α5の4乗):(α6の4乗):(α7の4乗)」 = 「A:B:C」 …(4) また、この装置では、各パージガス供給管65,66,
67は、その内径α5,α6,α7が、前記維持パージ
時においてそれぞれ最低限必要な量のパージガスを各投
影気密室45a〜45cに対して供給可能なように設定
されている。例えば、各投影気密室45a,45b,4
5cの内表面積比が「81:16:1」であるような場
合には、各維持用パージガス供給管65,66,67の
内径比を「3:2:1」に設定すればよい。
【0070】こうした構成により、初期パージ時には、
前記各投影気密室45a〜45cの内容積に応じて各投
影気密室45a〜45c毎に設定された流量のパージガ
スが、各投影気密室45a〜45cに供給される。ま
た、前記維持パージ時には、前記各投影気密室45a〜
45cの内表面積に応じて各投影気密室45a〜45c
毎に設定された流量のパージガスが、各投影気密室45
a〜45cに供給される。
【0071】なお、前記各パージガス供給管62〜67
の前記開口面積は、維持用パージガス供給管65〜67
よりも初期用パージガス供給管62〜64の方が大きく
なるように設定される。すなわち、初期パージが行われ
るときには、維持パージが行われるときに比べて、多量
のパージガスが各投影気密室45a〜45cに供給され
るようになっている。
【0072】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (イ) この露光装置では、投影系鏡筒28の各投影気
密室45a〜45cに対するパージガスの供給流量が、
各投影気密室45a〜45cの形成条件に応じて各別に
設定されている。これにより、必要に見合った量のパー
ジガスを各投影気密室45a〜45cに効率よく供給す
ることができる。
【0073】(ロ) この露光装置では、各投影気密室
45a〜45cに接続されるパージガス供給管62〜6
7について、その内径α2〜α4,α5〜α7が各投影
気密室45a〜45c毎に各別に設定されている。これ
により、パージガスの供給流量を、各投影気密室45a
〜45cそれぞれに適した量に設定することができる。
【0074】(ハ) 初期パージに必要なパージガスの
供給流量は、内容積に応じて、各投影気密室45a〜4
5c毎に異なる。一方、前記維持パージに必要なパージ
ガスの供給流量は、各投影気密室45a〜45cの内表
面積に応じて異なる。これに対して、この露光装置で
は、各パージガス供給管62〜67についてその内径α
2〜α4,α5〜α7が、各投影気密室45a〜45c
間における内容積の比「X:Y:Z」や内表面積の比
「A:B:C」に基づいて、各投影気密室45a〜45
c毎に設定されている。このため、各投影気密室45a
〜45cに対するパージガスの供給流量を初期パージや
維持パージに適した量に設定することが可能になり、パ
ージガスを各投影気密室45a〜45cに対して効率的
に供給することができる。
【0075】(ニ) この露光装置では、各投影気密室
45a〜45cの内壁の一部がレンズエレメント42の
表面により構成されている。このため、各レンズエレメ
ント42がパージガスにさらされた状態となり、露光装
置の露光性能に大きな影響を与えるレンズエレメント4
2への汚染物質の付着を効果的に抑制することができ
る。
【0076】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に
説明する。
【0077】この第2実施形態においては、図3に示す
ように、そのパージガス供給系70が、主供給管71及
び同主供給管71と各投影気密室45a〜45cとを連
通する複数のパージガス供給管72等により構成されて
いる。複数のパージガス供給管72としては、同じ管
材、すなわちその軸線と直交する断面における開口面積
が等しい管材が用いられる。そして、前記主供給管71
と各投影気密室45a〜45cとを連通するパージガス
供給管72の本数が、各投影気密室45a〜45c毎に
設定されている。さらに、1つの投影気密室45a〜4
5cについても、初期パージと維持パージとで使用され
るパージガス供給管72の本数が変更されるようになっ
ている。
【0078】すなわち、初期パージ時には、各投影気密
室45a〜45cに接続されるパージガス供給管72の
本数は、その比、換言すれば、その本数分の前記開口面
積を加算した合計値の比が前記各投影気密室45a〜4
5c間における内容積の比「X:Y:Z」となるように
設定されている。
【0079】一方、維持パージ時には、各投影気密室4
5a〜45cに接続されるパージガス供給管72の本数
は、その比が前記各投影気密室45a〜45c間におけ
る内表面積の比「A:B:C」となるように設定されて
いる。すなわち、任意のパージガス供給管72に、主供
給管71と各投影気密室45a〜45cとの連通及びそ
の遮断を切替える切替弁(図示略)を設け、その切替弁
の開閉を切替えるようになっている。
【0080】このようにすることで、例えば前記本数の
比を、切替弁を開けた時には前記内容積の比「X:Y:
Z」に設定するとともに、切替弁の閉弁時には前記内表
面積の比「A:B:C」に設定することができる。これ
により、各投影気密室45a〜45cに接続されるパー
ジガス供給管72の前記開口面積の合計値の比が、各投
影気密室45a〜45cそれぞれに適した比に設定され
る。また、各投影気密室45a〜45cについての前記
開口面積の合計値は、前記各パージ時において最低限必
要な流量でパージガスを各投影気密室45a〜45cに
供給可能なように設定されている。
【0081】従って、この第2の実施形態においても、
前記第1実施形態における(イ)及び(ニ)に記載の効
果とほぼ同様の効果に加えて、以下に記載するような効
果を得ることができる。
【0082】(ホ) パージガス供給管72として同じ
管材が用いられるとともに、同パージガス供給管72が
接続される本数が各投影気密室45a〜45c毎に設定
されている。これにより、パージガス供給管72につい
ての軸線と直交する断面における開口面積の合計値を各
投影気密室45a〜45cそれぞれに適した値に設定す
ることができる。
【0083】(ヘ) 特に、各投影気密室45a〜45
cに接続されるパージガス供給管72についての開口面
積の合計値の比が、初期パージ時には、各投影気密室4
5a〜45c間における内容積の比「X:Y:Z」に設
定されている。また、維持パージ時には、その開口面積
の合計値の比が、各投影気密室45a〜45c間におけ
る内表面積の比「A:B:C」に設定されている。この
ため、各パージ時における各投影気密室45a〜45c
への効率的なパージガスの供給を図ることができる。
【0084】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に
説明する。
【0085】この第3実施形態においては、図4に示す
ように、そのパージガス供給系80が、主供給管81及
びその主供給管81と各投影気密室45a〜45cとを
連通するパージガス供給管82,83,84等により構
成されている。各パージガス供給管82,83,84の
途中には、後述する電子制御装置85からの駆動信号に
基づき同パージガス供給管82,83,84の通路面積
を可変とする流量制御弁82a,83a,84aが設け
られている。また、その流量制御弁82a,83a,8
4aの下流側には、各パージガス供給管82,83,8
4内を通過するパージガスの流量に応じた信号を出力す
る流量センサ82b,83b,84bが設けられてい
る。
【0086】また、この露光装置は、例えばマイクロコ
ンピュータ等により構成される電子制御装置85を備え
ている。そして、この電子制御装置85は、前記流量セ
ンサ82b,83b,84bの出力信号を取り込むとと
もに、それら出力信号に基づいて前記各流量制御弁82
a,83a,84aに駆動信号を出力する。これによ
り、各投影気密室45a〜45cへのパージガスの供給
流量が、それぞれ所望の流量に調節される。
【0087】なお、前記初期パージ時における前記各投
影気密室45a〜45cへのパージガスの供給流量は、
その比が同各投影気密室45a〜45c間における内容
積の比「X:Y:Z」となるように設定されている。ま
た、これら供給流量は、初期パージ時において最低限必
要な量のパージガスを各投影気密室45a〜45cに対
して所定時間内において供給可能な流量に設定されてい
る。
【0088】一方、前記維持パージ時における前記各投
影気密室45a〜45cへのパージガスの供給流量は、
その比が前記各投影気密室45a〜45c間における内
表面積の比「A:B:C」となるように設定されてい
る。また、これら供給流量は、維持パージ時において最
低限必要な量のパージガスを各投影気密室45a〜45
cに対して供給可能な流量に設定されている。
【0089】従って、この第3の実施形態においても、
前記第1実施形態における(イ)及び(ニ)に記載の効
果とほぼ同様の効果に加えて、以下のような効果を得る
ことができる。
【0090】(ト) 初期パージ時において、流量制御
弁82a〜84aの開度調整により各投影気密室45a
〜45cに供給されるパージガスの流量の比が、各投影
気密室45a〜45c間における内容積の比「X:Y:
Z」となるように設定されている。一方、維持パージ時
において、流量制御弁82a〜84aの開度調整により
各投影気密室45a〜45cに供給されるパージガスの
流量の比は、各投影気密室45a〜45c間における内
表面積の比「A:B:C」となるように設定されてい
る。これにより、各投影気密室45a〜45cに対し
て、初期パージや維持パージに適した量のパージガスを
供給することが可能になり、パージガスを各投影気密室
45a〜45cに対して効率的に供給することができ
る。
【0091】(変形例)なお、本発明の各実施形態は、
以下のように変形してもよい。 ・ 前記第1実施形態の装置は、各投影気密室45a〜
45cについて、初期パージに適した内径の初期用パー
ジガス供給管62〜64と、維持パージに適した内径の
維持用パージガス供給管65〜67と、それらパージガ
ス供給管62〜67に設けられる切替弁62a〜67a
とを備えている。そして、これら切替弁62a〜67a
の開弁及び閉弁を切替えることにより、初期用パージガ
ス供給管62〜64または維持用パージガス供給管65
〜67を通じて主供給管61と各投影気密室45a〜4
5cとを各別に連通させる。これにより、各投影気密室
45a〜45cに対するパージガスの供給流量を初期パ
ージ時と維持パージ時とで切替えるようにした。
【0092】これに代えて、いずれか一方のパージガス
供給管のみに切替弁を設けるとともに、この切替弁の開
弁及び閉弁を、初期パージ時と維持パージ時とで切替え
るようにしてもよい。こうした構成によっても、パージ
ガスの流量が適宜の量となるように各パージガス供給管
の内径を設定することで、より簡易な構成によって前記
第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】・ 前記第1実施形態では、パージガス供
給管62〜67として、その軸線と直交する断面におけ
る開口の形状が円形の管材を用いるようにしたが、これ
に限られない。要は、内部を通過するパージガスの流量
を好適に設定することができる材料であれば、どのよう
な開口形状の材料を用いるようにしてもよい。
【0094】・ 前記第3実施形態では、流量センサ8
2b〜84bを設け、それらの検出信号に基づいて各流
量制御弁82a〜84aの駆動を制御するようにした
が、それら流量センサ82b〜84bを省略するように
してもよい。こうした構成によっても、各流量制御弁8
2a〜84aに出力する駆動信号を、予め実験などによ
り求めた必要量に応じた値に設定しておくことで、若干
精度が低下するとはいえ、必要量に応じたパージガスの
供給流量を各投影気密室45a〜45c毎に設定するこ
とができる。すなわち、より簡易な構成により、前記第
3実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0095】・ また、より精度の高い制御を実行すべ
く、各投影気密室45a〜45c内の酸素濃度に応じた
信号を出力する酸素センサを設け、その検出信号に基づ
いて各流量制御弁82a〜84aの駆動を制御するよう
にしてもよい。こうした構成によれば、各投影気密室4
5a〜45c内におけるパージ状態を、検出の感度が高
く空気中における存在割合が大きい酸素を指標として、
酸素センサによる酸素濃度の検出を通じてより精度よく
監視することができる。これにより、各投影気密室45
a〜45cへのパージガスの供給に際し、各投影気密室
45a〜45c内の実際のパージガスの状態に応じて流
量制御弁82a〜84aの駆動信号を制御することがで
きる。そして、パージガスの供給を、精度よく制御する
ことができる。また、各投影気密室45a〜45cの内
部が所定のガス状態になったことを確認した上で各投影
気密室45a〜45c内に露光光ELを導くことがで
き、露光光ELの効率低下をより確実に抑制することも
できる。
【0096】・ また、酸素センサに限らず、各投影気
密室45a〜45c内におけるガスの状態を好適に監視
することのできるセンサであれば、どのようなセンサを
用いるようにしてもよい。
【0097】・ 前記各実施形態では、初期パージ時に
おける各投影気密室45a〜45cへのパージガスの供
給流量が、その比が同各投影気密室45a〜45c間に
おける内容積の比「X:Y:Z」となるように設定され
る。また、維持パージ時における前記各投影気密室45
a〜45cへのパージガスの供給流量が、その比が各投
影気密室45a〜45c間における内表面積の比「A:
B:C」となるように設定される。
【0098】これに代えて、初期パージ時における各投
影気密室45a〜45cへのパージガスの供給流量を、
その比が同各投影気密室45a〜45c間における内表
面積の比「A:B:C」となるように設定するととも
に、維持パージ時における前記各投影気密室45a〜4
5cへのパージガスの供給流量を、その比が各投影気密
室45a〜45c間における内容積の比「X:Y:Z」
となるように設定してもよい。要は、各投影気密室45
a〜45cに対して、必要に見合った量のパージガスを
効率よく供給することができればよい。また、各投影気
密室45a〜45cの形成条件によっては、上記内表面
積の比「A:B:C」と上記内容積の比「X:Y:Z」
とが等しくなることも想定される。
【0099】・ 前記各実施形態では、主供給管61,
71,81内におけるパージガスの圧力、すなわちパー
ジガスの供給圧力を一定の圧力としたが、これを可変と
してもよい。パージガスの供給圧力を変更することによ
っても、各投影気密室45a〜45cへのパージガスの
供給流量を可変とすることができる。これにより、露光
装置としての自由度、及びその制御の自由度を高めるこ
とが可能になる。具体的には、例えばパージガスの供給
圧力を前記初期パージ時と維持パージ時とで可変とする
ことで、供給圧力を可変とする機構が新たに必要になる
とはいえ、切替弁や流量制御弁を設けることなく、初期
パージ時と維持パージ時とにおけるパージガスの供給流
量の切替えが可能になる。
【0100】・ 前記各実施形態において、例えば図5
に示すレンズエレメント91〜94間のように、各投影
気密室95a〜95d内に狭小部96,97が形成され
ている場合には、それら狭小部96,97の形状に応じ
て、パージガス供給管98b〜98dの内径や、その開
口面積の合計値等といったパージガスの供給条件を変更
するようにしてもよい。例えば、狭小部96,97の存
在する各投影気密室95b,95dには、内径の大きな
パージガス供給管98b,98dを通じて、あるいは、
パージガス供給管98b,98dの開口面積の合計値を
大きくして、パージガスを供給する。
【0101】こうした構成によれば、狭小部96,97
が形成され、パージガスが到達し難い部分が各投影気密
室95a〜95d内に存在する場合であっても、それに
応じてパージガスの供給条件を変更することができるよ
うになる。これにより、各投影気密室95a〜95dか
らの汚染物質や吸光物質のパージに際し、狭小部96,
97の存在によるパージガスの淀みを効果的に解消する
ことが可能になる。
【0102】・ また、狭小部に限らず、各投影気密室
内に屈曲部が形成されている場合にも、その形状に応じ
て、パージガスの供給条件を変更するようにしてもよ
い。 ・ 前記各実施形態において、例えばパージガスとして
ヘリウムを用いて空気をパージするような場合では、パ
ージガスの比重が同パージガスによりパージされる各投
影気密室内のガスの比重と比べて小さくなる。このよう
な条件下で、例えば図6に示すように、投影気密室10
3cの底部に重力方向下側に凹状をなす凹陥部104が
存在する場合には、同投影気密室103cへのパージガ
スの供給条件を変更するようにしてもよい。例えば、投
影気密室103cにパージガスを供給するパージガス供
給管105cを、そのパージガスの流量が他の投影気密
室103a,103bにパージガスを供給するパージガ
ス供給管105a,105bに比べて大きくなるように
形成してもよい。このようにすれば、凹陥部104にお
ける被置換ガスの滞留を抑えるべく、パージガスの供給
条件を設定することが可能になる。
【0103】・ また、これとは逆に、例えばパージガ
スとしてアルゴンを用いて空気をパージするような場合
では、パージガスの比重が同パージガスによりパージさ
れる各投影気密室内のガスの比重と比べて大きくなる。
このような条件下で、投影気密室の天井部に重力方向上
側に凹状をなす蓋部が存在する場合には、同投影気密室
へのパージガスの供給条件を変更するようにしてもよ
い。これにより、この蓋部における被置換ガスの滞留を
抑えるべくパージガスの供給条件を設定することが可能
になる。
【0104】・ また、各投影気密室へのパージガスの
供給条件を、例えば各投影気密室内においてレンズエレ
メントを保持する部材等、投影気密室内に設けられる保
持部材の形状に応じて変更するようにしてもよい。これ
により、保持部材の影響により被置換ガスの淀みが生じ
やすい部分がある場合にも、より好適な供給条件の設定
が可能になる。
【0105】・ パージガスの供給条件として、パージ
ガスの供給圧力を用いるようにしてもよい。例えば、各
パージガス供給管へのパージガスの供給圧力を各パージ
ガス供給管毎に設定することで、各投影気密室へのパー
ジガスの供給流量を各投影気密室毎に設定することがで
きる。
【0106】・ 前記各実施形態では、投影系鏡筒28
内に区画形成される各投影気密室へのパージガスの供給
条件を各別に設定するようにした。これに対して、例え
ば照明系鏡筒26内に区画形成される各照明気密室40
や、レチクル室27、ウエハ室29等、内部を露光光E
Lが通過するとともにパージガスが供給される空間につ
いても同様に、パージガスの供給条件を設定することが
できる。
【0107】・ また、こうした構成において、各区画
室へのパージガスの供給条件を、各区画室の密閉度に応
じて設定するようにしてもよい。一般に、各照明気密室
40や、各投影気密室45a〜45cは、その密閉度が
比較的高く設定される。一方、レチクル室27やウエハ
室29は、その内外の間でレチクルRやウエハWといっ
た交換部材の交換が必要であるために、その密閉度が低
くなり易い。そして、各区画室間においてその密閉度に
差が生じる構成では、区画室内のガスを効率よくパージ
ガスに置換するために必要とされるパージガスの量が、
密閉度が低い区画室ほど多くなる。
【0108】従って、こうした各区画室の密閉度に応じ
てパージガスの供給条件を設定することで、密閉度の違
いに起因する複数の区画室間での必要なパージガスの量
の差異を、好適に補償することが可能になる。これによ
り、各区画室それぞれへの効率的なパージガスの供給が
可能になり、ひいては露光光ELの過度の減衰をより効
果的に抑制することができる。
【0109】・ 前記各実施形態において、レチクル室
27との連通及びその遮断を切替可能であり、且つ露光
装置の外部との連通及びその遮断を切替可能な予備室を
設けるとともに、この予備室にパージガス供給系及びパ
ージガス排出管を接続するようにしてもよい。また、ウ
エハ室29との連通及びその遮断を切替可能であり、且
つ露光装置の外部との連通及びその遮断を切替可能な予
備室を設けるとともに、この予備室にパージガス供給系
及びパージガス排出管を接続するようにしてもよい。
【0110】これにより、レチクル室27内のレチクル
R、及びウエハ室29内のウエハWのうちの少なくとも
一方を、パージガスが供給される予備室を介して交換す
ることが可能になる。このため、レチクル室27やウエ
ハ室29を外部に直接開放することなく、レチクルRや
ウエハWを交換することが可能になり、これら両室2
7,29への汚染物質や吸光物質の流入を好適に抑制す
ることができる。これにより、その流入に基づく各投影
気密室45a〜45c内におけるこれら両物質の濃度の
上昇が抑制される。そして、各投影気密室45a〜45
c内を所定のガス状態に戻すために必要なパージガスの
供給時間を短縮することが可能になり、ひいては、製品
ウエハの製造効率の低下の抑制を図ることができる。
【0111】・ 半導体素子の製造に用いられる露光装
置だけでなく、CCD等の撮像素子の製造に用いられる
露光装置、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプ
レイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレ
ート上へ転写する露光装置、及び薄膜磁気ヘッド等の製
造に用いられてデバイスパターンをセラミックウエハ等
へ転写する露光装置などにも本発明を適用することがで
きる。
【0112】・ また、露光装置の光源としては、例え
ばKrFエキシマレーザ(λ=248nm)や、ArF
エキシマレーザ(λ=193nm)、Kr2レーザ(λ
=146nm)、Ar2レーザ(λ=126nm)等を
用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイ
バレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波
長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムと
イッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプ
で増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換し
た高調波を用いてもよい。
【0113】なお、前記各実施形態の露光装置は、例え
ば次のように製造される。すなわち、まず、照明光学系
31、投影光学系41を構成する複数のレンズ、ミラー
及び平行平板38等の光学素子の少なくとも一部を保持
部材43,102で保持し、この照明光学系31及び投
影光学系41を露光装置本体22に組み込み、光学調整
を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステー
ジWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチク
ルステージRSTも含む)を露光装置本体22に取り付
けて配線を接続する。そして、露光光ELの光路内にパ
ージガスを供給するパージガス供給系48の配管を接続
した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)
を行う。
【0114】ここで、前記保持部材43,102及びそ
の周辺部材を構成する各部品は、超音波洗浄などによ
り、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえ
で、組み上げられる。なお、露光装置の製造は、温度、
湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたク
リーンルーム内で行うことが望ましい。
【0115】次に、上述した露光装置をリソグラフィ工
程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説
明する。図7は、デバイス(ICやLSI等の半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘ
ッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを
示す図である。図7に示すように、まず、ステップS2
01(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデ
バイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの
回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパター
ン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製
作ステップ)において、設計した回路パターンを形成し
たマスク(レチクルR等)を製作する。一方、ステップ
S203(基板製造ステップ)において、シリコン、ガ
ラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用
いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
【0116】次に、ステップS204(基板処理ステッ
プ)において、ステップS201〜S203で用意した
マスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフ
ィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次
いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)にお
いて、ステップS204で処理された基板を用いてデバ
イス組立を行う。このステップS205には、ダイシン
グ工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程
(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0117】最後に、ステップS206(検査ステッ
プ)において、ステップS205で作製されたデバイス
の動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こう
した工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0118】図8は、半導体デバイスの場合における、
図7のステップS204の詳細なフローの一例を示す図
である。図8において、ステップS211(酸化ステッ
プ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS2
12(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を
形成する。ステップS213(電極形成ステップ)で
は、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステッ
プS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWに
イオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214
のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成
しており、各段階において必要な処理に応じて選択され
て実行される。
【0119】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに
感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光
ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステ
ム(露光装置)によってマスク(レチクルR)の回路パ
ターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS21
7(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、
ステップS218(エッチングステップ)において、レ
ジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッ
チングにより取り去る。そして、ステップS219(レ
ジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不
要となったレジストを取り除く。
【0120】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パター
ンが形成される。以上説明した本実施形態のデバイス製
造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)にお
いて上記の露光装置が用いられ、露光光ELの光路をな
す鏡筒に必要に見合った量のパージガスを効率よく供給
することができる。これにより、真空紫外域の露光光E
Lによる解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御
を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線
幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよ
く生産することができる。つまり、デバイスの製造効率
を向上させることができる。
【0121】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項1に記
載の発明によれば、複数の区画室に対するパージガスの
供給条件を、それぞれの区画室の形成条件に応じて各別
に設定することが可能になり、必要に見合った量のパー
ジガスを効率よく供給することができる。
【0122】また、本願請求項2に記載の発明によれ
ば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、各区画
室へのパージガスの供給条件を好適に設定することがで
きる。また、本願請求項3に記載の発明によれば、前記
請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、
パージガスの供給条件を容易に制御することが可能にな
る。
【0123】また、本願請求項4に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載
の発明の効果を簡単な構成で実現することができる。ま
た、本願請求項5に記載の発明によれば、前記請求項4
に記載の発明の効果を簡単な構成で実現することができ
る。
【0124】また、本願請求項6に記載の発明によれ
ば、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載
の発明の効果をより効果的に実現することができる。ま
た、本願請求項7に記載の発明によれば、前記請求項1
〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加
えて、光学素子への汚染物質の付着をより効果的に抑制
することができる。
【0125】また、本願請求項8に記載の発明によれ
ば、複数の区画室それぞれに対する効率的なパージを行
いつつ、汚染物質の付着による光学素子の曇りや、吸光
物質による吸収に伴う露光光の過度の減衰を効果的に抑
制できる。
【0126】また、本願請求項9に記載の発明によれ
ば、デバイスの製造に際し、高集積度のデバイスを歩留
まりよく生産できて、デバイスの製造効率を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の第1実施形態を示す概略
構成図。
【図2】 図1の投影光学系の要部を示す概略構成図。
【図3】 第2実施形態の投影光学系の要部を示す概略
構成図。
【図4】 第3実施形態の投影光学系の要部を示す概略
構成図。
【図5】 変形例の投影光学系の要部を示す概略構成
図。
【図6】 変形例の投影光学系の要部を示す概略構成
図。
【図7】 デバイスの製造工程を示すフローチャート。
【図8】 半導体素子の製造工程を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
21…所定の光源としての露光光源、27…区画室とし
てのレチクル室、28…筐体としての投影系鏡筒、29
…区画室としてのウエハ室、31…筐体としての照明系
鏡筒、32…光学素子としてのミラー、33…光学素子
としてのフライアイレンズ、34…光学素子としてのリ
レー光学系、35…光学素子としてのコンデンサレン
ズ、38…光学素子としての平行平板、40…区画室と
しての照明気密室、42,91〜94,101…光学素
子としてのレンズエレメント、43,102…保持部
材、45a〜45c,95a〜95d,103a〜10
3c…区画室としての投影気密室、48,70,80…
パージガス供給装置としてのパージガス供給系、62〜
64…初期用パージガス供給管、65〜67…維持用パ
ージガス供給管、72,82〜83,98b〜98d…
パージガス供給管、EL…露光光、R…マスク及び交換
部材としてのレチクル、W…基板及び交換部材としての
ウエハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA21 LA01 NA04 NA17 UA09 5F046 AA22 BA03 CA04 CA08 CB20 CB23 CB24 DA27 DB03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を所定の光が通過するとともに、内
    部に所定の空間が形成されるように区画された複数の区
    画室を有する筐体内へのパージガスの供給方法におい
    て、 前記各区画室の形成条件に応じて、その各区画室毎にパ
    ージガスの供給条件を設定することを特徴とするパージ
    ガスの供給方法。
  2. 【請求項2】 前記各区画室毎のパージガスの供給条件
    を、各区画室の内容積及び内表面積の少なくとも一方に
    応じて設定することを特徴とする請求項1に記載のパー
    ジガスの供給方法。
  3. 【請求項3】 前記供給条件は、前記各区画室内へのパ
    ージガスの供給流量、及び同パージガスの供給圧力のう
    ち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載のパージガスの供給方法。
  4. 【請求項4】 前記供給条件は、前記各区画室内へのパ
    ージガスの供給流量を少なくとも含み、同供給流量は、
    各区画室に接続されるパージガス供給管におけるその軸
    線と交差する断面における開口面積の合計値に基づいて
    設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち
    いずれか一項に記載のパージガスの供給方法。
  5. 【請求項5】 前記各区画室内へのパージガスの供給流
    量を、各区画室に接続されるパージガス供給管の数に基
    づいて設定することを特徴とする請求項4に記載のパー
    ジガスの供給方法。
  6. 【請求項6】 前記形成条件は、前記各区画室内に保持
    される保持部材の形状を含むことを特徴とする請求項1
    〜請求項5のうちいずれか一項に記載のパージガスの供
    給方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の区画室は、それらの各内壁を
    形成する壁部のうち少なくとも一部が光学素子の表面に
    より構成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項
    6のうちいずれか一項に記載のパージガスの供給方法。
  8. 【請求項8】 マスク上に形成されたパターンの像を基
    板上に投影する露光装置において、所定の光源から出射
    され前記マスクを介して基板上に照射される露光光の光
    路 を取り囲むように設けられる筐体と、その筐体の内部に
    区画形成される複数の区画室と、その各区画室内に所定
    のパージガスを供給する供給装置とを備え、その供給装
    置によるパージガスの供給条件を、前記各区画室の形成
    条件に応じて前記各区画室毎に設定するようにしたこと
    を特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 リソグラフィ工程を含むデバイスの製造
    方法において、 前記リソグラフィ工程で請求項8に記載の露光装置を用
    いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
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