JP2005003067A - 伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フランジ部を設けることなくプーリに対するベルトのずれを抑制する。
【解決手段】プーリ3にタイミングベルト5を巻掛けて回転駆動する伝動装置1において、前記プーリ3の外周面及びタイミングベルト5の内側面に該タイミングベルト5の長手方向に交差する方向に沿って形成され相互に噛み合う複数の歯15,23を有した歯部11,19と、前記プーリ3側の歯部11とタイミングベルト5側の歯部19とのいずれか一方に設けられた凸部21と、他方に設けられ前記凸部21に係合する凹部13とを備え、前記凸部21と凹部13との係合により、前記プーリ3に対する前記タイミングベルト5のベルト幅方向の位置決めを行うことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】プーリ3にタイミングベルト5を巻掛けて回転駆動する伝動装置1において、前記プーリ3の外周面及びタイミングベルト5の内側面に該タイミングベルト5の長手方向に交差する方向に沿って形成され相互に噛み合う複数の歯15,23を有した歯部11,19と、前記プーリ3側の歯部11とタイミングベルト5側の歯部19とのいずれか一方に設けられた凸部21と、他方に設けられ前記凸部21に係合する凹部13とを備え、前記凸部21と凹部13との係合により、前記プーリ3に対する前記タイミングベルト5のベルト幅方向の位置決めを行うことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プーリからのベルトの外れを防止する伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の伝動装置としては、例えば、図8に示すようなものがある。この伝動装置101は、一対のプーリ103間にベルト105を巻掛けて構成されている。そして、伝動装置101は、プーリ103の外周面及びベルト105の内側面に設けられた歯部107、109が相互に噛み合うことによって、駆動力を伝動するようになっている。
【0003】
この伝動措置101では、プーリ103の外周面に、その幅方向両縁に沿ってフランジ部111が突設されている。これらのフランジ部111は、プーリ103に巻掛けられたベルト105が、プーリ103に対してずれることを抑制している。このため、伝動装置101では、ベルト105がプーリ103から外れること防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特願平8−194492号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記伝動装置101では、プーリ103にフランジ部111を設けているので、その分、重量増となり、高速回転の妨げとなっていた。
【0006】
また、上記伝動装置101の組み付けは、一対のプーリ103間にそのプーリ103間よりも長く形成されたベルト105を巻掛け、その後、前記プーリ103間においてベルト105を図示しないテンショナーにより弛みなく張ることで行われる。ここで、伝動装置101では、フランジ部111がプーリ103の外周面から外側に向けて突設されているため、フランジ部111を乗り越える分だけベルト105を長くしておく必要がある。従って、伝動装置101では、プーリ103間においてベルト105を弛みなく張る際に、テンショナーにかかる負荷が大きくなっていた。
【0007】
これに対し、図9〜11に示すような伝動装置113が提案されている。この伝動装置113では、プーリ115とフランジ部117とが別体に形成されている。
【0008】
すなわち、プーリ115は、その両側面に嵌合用の段部119を有している。前記フランジ部117は、円板上に形成され中心部に嵌合用の孔121が貫通形成されている。そして、フランジ部117は、その孔121にプーリ115の段部119を嵌合し、図10のように、段部119との間に加締部120を設けることによって、プーリ115に取り付けられている。
【0009】
このような伝動装置113では、図11のように、予めプーリ115の一側にのみフランジ部117を取り付け、その後、ベルト123をプーリ115にその他側から矢印のように巻掛ける。そして、プーリ115の他側にフランジ部117を前記のように加締めて取り付けることによりベルト123をプーリ115に巻掛けることができる。従って、伝動装置113では、フランジ部117を乗り越える分だけベルト123を長くしておく必要が無い。
【0010】
しかしながら、伝動装置113においても、プーリ115にフランジ部117を設ける構成であるため、プーリ115が重量増となっていた。さらに、伝動装置113では、部品点数が増加すると共に組み付け作業工数も増加していた。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、フランジ部を設けることなくプーリに対するベルトのずれを抑制することができる伝動装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、プーリにベルトを巻掛けて回転駆動する伝動装置において、前記プーリの外周面及びベルトの内側面に該ベルトの長手方向に交差する方向に沿って形成され相互に噛み合う複数の歯を有した歯部と、前記プーリ側の歯部とベルト側の歯部とのいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられ前記凸部に係合する凹部とを備え、前記凸部と凹部との係合により、前記プーリに対する前記ベルトのベルト幅方向の位置決めを行うことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の伝動装置であって、前記凸部及び凹部は、前記ベルト及びプーリの幅方向中間部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の伝動装置であって、前記凸部は、前記ベルト側に設けられ、前記凹部は、前記プーリ側に設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の伝動装置であって、前記凸部の幅方向外面と前記凹部の幅方向内面との少なくとも一方が、前記凸部と凹部との係合を案内可能なように傾斜していることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、プーリ又はベルトのいずれか一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部とが係合することによって、プーリに対するベルトのずれを抑制することができる。従って、フランジ部を用いることなく、ベルトがプーリから外れることを確実に抑制することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、凸部及び凹部がベルト及びプーリの幅方向中間部に設けられているため、ベルトがプーリから外れることを、より確実に防止することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加え、凹部がプーリ側に設けられ、凸部がベルト側に設けられているため、軽量化を図ることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加え、前記凸部の外面と前記凹部の内面との少なくとも一方が傾斜していることにより、前記凸部と凹部との係合を案内することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る伝動装置の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る伝動装置の概略構成を示す側面図、図2は図1に示す伝動装置の要部拡大側面図、図3は図2のA−A線における断面図、図4は図1に示す伝動装置に用いられているタイミングベルトを一部断面にした斜視図である。
【0021】
本発明の伝動装置1は、いわゆるタイミングベルト装置であり、図1のように、一対のプーリ3と、これらのプーリ3間に巻掛けられたタイミングベルト5とを備えている。また、伝動装置1では、テンショナー7によりプーリ3間においてタイミングベルト5が弛みなく張られている。
【0022】
前記プーリ3は、図2,図3のように、円盤状に形成されている。このプーリ3は、その中心部に軸孔9が貫通形成され、この軸孔9により図示しない駆動軸などに回転自在に軸支持される。前記プーリ3は、例えば、鉄、アルミ合金、ジュラルミンなどの鋳物や鍛造品からなっている。このプーリ3は、外周面に形成された歯部11と、この歯部11に形成された凹部13とを有している。
【0023】
前記歯部11は、複数の歯15からなっている。これらの歯15は、プーリ3の周方向に所定のピッチ毎に配置されている。また、各歯15は、プーリ3の外周面から外側に向けて一体に突設されプーリ3の幅方向に沿って形成されている。
【0024】
前記凹部13は、前記歯15の隣接間ごとに設けられている。但し、1つおきなど任意に設定することができる。凹部13は、プーリ3の幅方向中間部に形成され、前記外周面から中心側に向けて穿設されている。但し、プーリ3の幅方向一側にずらして、凹部13を形成することもできる。この凹部13の内面13a,13bは、底部に向けて次第に凹部13を小さくするように傾斜している。
【0025】
一方、前記タイミングベルト5は、図1のように、無端帯状であり前記プーリ3間よりも若干長く形成されている。このタイミングベルト5は、例えば、樹脂、合成樹脂、特殊織物や、スチールプレートなどからなっている。タイミングベルト5が樹脂などの場合には、内部に、図4のように、金属や合成樹脂製のワイヤなどからなる複数の心線17が埋設されている。このタイミングベルト5は、内側面に形成された歯部19と、この歯部19に形成された凸部21とを有している。
【0026】
前記歯部19は、図2〜図4のように、複数の歯23からなっている。これらの歯23は、タイミングベルト5の内側面にその長手方向に所定のピッチごとに配置されている。また、各歯23は、タイミングベルト5の内側面から内側に向けて一体に突設され、前記タイミングベルト5の長手方向に交差する幅方向に沿って形成されている。これらの歯23は、前記プーリ3側歯部11の歯15と対応しており、それらの歯15と相互に噛み合うようになっている。この歯15,23の噛み合い、すなわちプーリ3側及びタイミングベルト5側の歯部11,19の噛み合いにより、前記タイミングベルト5は回転駆動されて駆動力を伝達することになる。
【0027】
前記凸部21は、前記歯部19の各歯23ごとに設けられている。但し、前記凹部13に対向させ、一歯おきなど任意に設定することができる。この凸部21は、前記歯23の先端の幅方向中間部に一体に突設されている。但し、幅方向にずらして設けることもできる。この凸部21は、断面形状が台形形状に形成され、その外面21a,21bが先端に向けて次第に凸部21を小さくするように傾斜している。そして、凸部21は、前記凹部13に対応しており、前記歯部11,19の噛み合いに応じてその部分において前記凹部13に順次入り込んで係合する。
【0028】
このような伝動装置1では、前記プーリ3側及びタイミングベルト5側の歯部11,19の噛み合いに応じてプーリ3に設けられた凹部13とタイミングベルト5に設けられた凸部21とが係合することによって位置決めがなされ、プーリ3に対してタイミングベルト5がその幅方向へのずれることを抑制することができる。従って、伝動装置1では、従来のようにフランジ部を用いることなく、タイミングベルト5がプーリ3から外れることを確実に抑制することができる。
【0029】
このため、伝動装置1では、プーリ3の軽量化を図ることができプーリ3を高速回転させるのに適すると共に、構造が簡素化されて製造、組み付けを容易とし、かつ製造コストをも低減することもできる。
【0030】
また、伝動装置1では、凹部13がプーリ3の幅方向中間部に設けられた凸部21がタイミングベルト5の幅方向中間部に設けられているため、タイミングベルト5にねじれ方向の力が加わった場合でもタイミングベルト5の動きを前記凹部13と凸部21との係合により抑制することができる。このため、タイミングベルト5がプーリ3から外れることを、より確実に防止することができる。
【0031】
また、伝動装置1では、凹部13がプーリ3側に設けられているため、その分、プーリ3を軽量化することができる。
【0032】
さらに、伝動装置1では、プーリ3に対して比重の軽いタイミングベルト5に凸部21を設けたことにより、全体としての重量増を防止することができる。
【0033】
また、伝動装置1では、前記凹部13の内面13a,13bと凸部21の外面21a,21bとの傾斜により、その凹部13と凸部21との係合を案内することができる。このため、伝動装置1では、前記係合を円滑に行うことができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、構成の要素に付随した各種の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、プーリ3側及びタイミングベルト5側の歯部11,19がそれぞれ幅方向に沿って設けられているが、幅方向に対して斜めに形成してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、前記隣接した各歯15間に凹部13を、前記歯23の各先端部に凸部21を設けていたが、プーリ3の少なくとも中心を通って対向する部分に配置された前記隣接した歯15間に凹部13を設け、これに応じて凸部21を前記歯23の先端部に設けてあればよい。さらに、前記凸部21を隣接した歯21間に、前記凹部13を各歯15の先端部にそれぞれ設けてもよい。
【0036】
また、前記凹部13はプーリ3側に、前記凸部21はタイミングベルト5側にそれぞれ設けられていたが、逆に凹部をタイミングベルト5側に、凸部をプーリ3側に設けてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、前記凸部21の断面形状が台形形状であったが、例えば、図5〜図7のような形状にすることもできる。
【0038】
図5〜図7は変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。 図5に示す凸部25は断面形状を三角形形状にしたものであり、図6に示す凸部27は断面形状を四角形形状にしたものであり、図7に示す凸部29は断面形状を半円形状としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る伝動装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す伝動装置の要部拡大側面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図1に示す伝動装置に用いられているタイミングベルトを一部断面にした斜視図である。
【図5】変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。
【図6】別の変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。
【図7】別の変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。
【図8】(a)は従来例に係る伝動装置を示すプーリの断面図、(b)は(a)に示すプーリのB−B線における断面図である。
【図9】別の従来例に係る伝動装置を示す断面図である。
【図10】図9に示す伝動装置の要部拡大図である。
【図11】図9に示す伝動装置の分解図である。
【符号の説明】
1 伝動装置
3 プーリ
5 タイミングベルト(ベルト)
11,19 歯部
13 凹部
15,23 歯
21,25,27,29 凸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、プーリからのベルトの外れを防止する伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の伝動装置としては、例えば、図8に示すようなものがある。この伝動装置101は、一対のプーリ103間にベルト105を巻掛けて構成されている。そして、伝動装置101は、プーリ103の外周面及びベルト105の内側面に設けられた歯部107、109が相互に噛み合うことによって、駆動力を伝動するようになっている。
【0003】
この伝動措置101では、プーリ103の外周面に、その幅方向両縁に沿ってフランジ部111が突設されている。これらのフランジ部111は、プーリ103に巻掛けられたベルト105が、プーリ103に対してずれることを抑制している。このため、伝動装置101では、ベルト105がプーリ103から外れること防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特願平8−194492号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記伝動装置101では、プーリ103にフランジ部111を設けているので、その分、重量増となり、高速回転の妨げとなっていた。
【0006】
また、上記伝動装置101の組み付けは、一対のプーリ103間にそのプーリ103間よりも長く形成されたベルト105を巻掛け、その後、前記プーリ103間においてベルト105を図示しないテンショナーにより弛みなく張ることで行われる。ここで、伝動装置101では、フランジ部111がプーリ103の外周面から外側に向けて突設されているため、フランジ部111を乗り越える分だけベルト105を長くしておく必要がある。従って、伝動装置101では、プーリ103間においてベルト105を弛みなく張る際に、テンショナーにかかる負荷が大きくなっていた。
【0007】
これに対し、図9〜11に示すような伝動装置113が提案されている。この伝動装置113では、プーリ115とフランジ部117とが別体に形成されている。
【0008】
すなわち、プーリ115は、その両側面に嵌合用の段部119を有している。前記フランジ部117は、円板上に形成され中心部に嵌合用の孔121が貫通形成されている。そして、フランジ部117は、その孔121にプーリ115の段部119を嵌合し、図10のように、段部119との間に加締部120を設けることによって、プーリ115に取り付けられている。
【0009】
このような伝動装置113では、図11のように、予めプーリ115の一側にのみフランジ部117を取り付け、その後、ベルト123をプーリ115にその他側から矢印のように巻掛ける。そして、プーリ115の他側にフランジ部117を前記のように加締めて取り付けることによりベルト123をプーリ115に巻掛けることができる。従って、伝動装置113では、フランジ部117を乗り越える分だけベルト123を長くしておく必要が無い。
【0010】
しかしながら、伝動装置113においても、プーリ115にフランジ部117を設ける構成であるため、プーリ115が重量増となっていた。さらに、伝動装置113では、部品点数が増加すると共に組み付け作業工数も増加していた。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、フランジ部を設けることなくプーリに対するベルトのずれを抑制することができる伝動装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、プーリにベルトを巻掛けて回転駆動する伝動装置において、前記プーリの外周面及びベルトの内側面に該ベルトの長手方向に交差する方向に沿って形成され相互に噛み合う複数の歯を有した歯部と、前記プーリ側の歯部とベルト側の歯部とのいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられ前記凸部に係合する凹部とを備え、前記凸部と凹部との係合により、前記プーリに対する前記ベルトのベルト幅方向の位置決めを行うことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の伝動装置であって、前記凸部及び凹部は、前記ベルト及びプーリの幅方向中間部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の伝動装置であって、前記凸部は、前記ベルト側に設けられ、前記凹部は、前記プーリ側に設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の伝動装置であって、前記凸部の幅方向外面と前記凹部の幅方向内面との少なくとも一方が、前記凸部と凹部との係合を案内可能なように傾斜していることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、プーリ又はベルトのいずれか一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部とが係合することによって、プーリに対するベルトのずれを抑制することができる。従って、フランジ部を用いることなく、ベルトがプーリから外れることを確実に抑制することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、凸部及び凹部がベルト及びプーリの幅方向中間部に設けられているため、ベルトがプーリから外れることを、より確実に防止することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加え、凹部がプーリ側に設けられ、凸部がベルト側に設けられているため、軽量化を図ることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加え、前記凸部の外面と前記凹部の内面との少なくとも一方が傾斜していることにより、前記凸部と凹部との係合を案内することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る伝動装置の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る伝動装置の概略構成を示す側面図、図2は図1に示す伝動装置の要部拡大側面図、図3は図2のA−A線における断面図、図4は図1に示す伝動装置に用いられているタイミングベルトを一部断面にした斜視図である。
【0021】
本発明の伝動装置1は、いわゆるタイミングベルト装置であり、図1のように、一対のプーリ3と、これらのプーリ3間に巻掛けられたタイミングベルト5とを備えている。また、伝動装置1では、テンショナー7によりプーリ3間においてタイミングベルト5が弛みなく張られている。
【0022】
前記プーリ3は、図2,図3のように、円盤状に形成されている。このプーリ3は、その中心部に軸孔9が貫通形成され、この軸孔9により図示しない駆動軸などに回転自在に軸支持される。前記プーリ3は、例えば、鉄、アルミ合金、ジュラルミンなどの鋳物や鍛造品からなっている。このプーリ3は、外周面に形成された歯部11と、この歯部11に形成された凹部13とを有している。
【0023】
前記歯部11は、複数の歯15からなっている。これらの歯15は、プーリ3の周方向に所定のピッチ毎に配置されている。また、各歯15は、プーリ3の外周面から外側に向けて一体に突設されプーリ3の幅方向に沿って形成されている。
【0024】
前記凹部13は、前記歯15の隣接間ごとに設けられている。但し、1つおきなど任意に設定することができる。凹部13は、プーリ3の幅方向中間部に形成され、前記外周面から中心側に向けて穿設されている。但し、プーリ3の幅方向一側にずらして、凹部13を形成することもできる。この凹部13の内面13a,13bは、底部に向けて次第に凹部13を小さくするように傾斜している。
【0025】
一方、前記タイミングベルト5は、図1のように、無端帯状であり前記プーリ3間よりも若干長く形成されている。このタイミングベルト5は、例えば、樹脂、合成樹脂、特殊織物や、スチールプレートなどからなっている。タイミングベルト5が樹脂などの場合には、内部に、図4のように、金属や合成樹脂製のワイヤなどからなる複数の心線17が埋設されている。このタイミングベルト5は、内側面に形成された歯部19と、この歯部19に形成された凸部21とを有している。
【0026】
前記歯部19は、図2〜図4のように、複数の歯23からなっている。これらの歯23は、タイミングベルト5の内側面にその長手方向に所定のピッチごとに配置されている。また、各歯23は、タイミングベルト5の内側面から内側に向けて一体に突設され、前記タイミングベルト5の長手方向に交差する幅方向に沿って形成されている。これらの歯23は、前記プーリ3側歯部11の歯15と対応しており、それらの歯15と相互に噛み合うようになっている。この歯15,23の噛み合い、すなわちプーリ3側及びタイミングベルト5側の歯部11,19の噛み合いにより、前記タイミングベルト5は回転駆動されて駆動力を伝達することになる。
【0027】
前記凸部21は、前記歯部19の各歯23ごとに設けられている。但し、前記凹部13に対向させ、一歯おきなど任意に設定することができる。この凸部21は、前記歯23の先端の幅方向中間部に一体に突設されている。但し、幅方向にずらして設けることもできる。この凸部21は、断面形状が台形形状に形成され、その外面21a,21bが先端に向けて次第に凸部21を小さくするように傾斜している。そして、凸部21は、前記凹部13に対応しており、前記歯部11,19の噛み合いに応じてその部分において前記凹部13に順次入り込んで係合する。
【0028】
このような伝動装置1では、前記プーリ3側及びタイミングベルト5側の歯部11,19の噛み合いに応じてプーリ3に設けられた凹部13とタイミングベルト5に設けられた凸部21とが係合することによって位置決めがなされ、プーリ3に対してタイミングベルト5がその幅方向へのずれることを抑制することができる。従って、伝動装置1では、従来のようにフランジ部を用いることなく、タイミングベルト5がプーリ3から外れることを確実に抑制することができる。
【0029】
このため、伝動装置1では、プーリ3の軽量化を図ることができプーリ3を高速回転させるのに適すると共に、構造が簡素化されて製造、組み付けを容易とし、かつ製造コストをも低減することもできる。
【0030】
また、伝動装置1では、凹部13がプーリ3の幅方向中間部に設けられた凸部21がタイミングベルト5の幅方向中間部に設けられているため、タイミングベルト5にねじれ方向の力が加わった場合でもタイミングベルト5の動きを前記凹部13と凸部21との係合により抑制することができる。このため、タイミングベルト5がプーリ3から外れることを、より確実に防止することができる。
【0031】
また、伝動装置1では、凹部13がプーリ3側に設けられているため、その分、プーリ3を軽量化することができる。
【0032】
さらに、伝動装置1では、プーリ3に対して比重の軽いタイミングベルト5に凸部21を設けたことにより、全体としての重量増を防止することができる。
【0033】
また、伝動装置1では、前記凹部13の内面13a,13bと凸部21の外面21a,21bとの傾斜により、その凹部13と凸部21との係合を案内することができる。このため、伝動装置1では、前記係合を円滑に行うことができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、構成の要素に付随した各種の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、プーリ3側及びタイミングベルト5側の歯部11,19がそれぞれ幅方向に沿って設けられているが、幅方向に対して斜めに形成してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、前記隣接した各歯15間に凹部13を、前記歯23の各先端部に凸部21を設けていたが、プーリ3の少なくとも中心を通って対向する部分に配置された前記隣接した歯15間に凹部13を設け、これに応じて凸部21を前記歯23の先端部に設けてあればよい。さらに、前記凸部21を隣接した歯21間に、前記凹部13を各歯15の先端部にそれぞれ設けてもよい。
【0036】
また、前記凹部13はプーリ3側に、前記凸部21はタイミングベルト5側にそれぞれ設けられていたが、逆に凹部をタイミングベルト5側に、凸部をプーリ3側に設けてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、前記凸部21の断面形状が台形形状であったが、例えば、図5〜図7のような形状にすることもできる。
【0038】
図5〜図7は変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。 図5に示す凸部25は断面形状を三角形形状にしたものであり、図6に示す凸部27は断面形状を四角形形状にしたものであり、図7に示す凸部29は断面形状を半円形状としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る伝動装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す伝動装置の要部拡大側面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図1に示す伝動装置に用いられているタイミングベルトを一部断面にした斜視図である。
【図5】変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。
【図6】別の変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。
【図7】別の変形例に係る伝動装置に用いられているタイミングベルトの断面図である。
【図8】(a)は従来例に係る伝動装置を示すプーリの断面図、(b)は(a)に示すプーリのB−B線における断面図である。
【図9】別の従来例に係る伝動装置を示す断面図である。
【図10】図9に示す伝動装置の要部拡大図である。
【図11】図9に示す伝動装置の分解図である。
【符号の説明】
1 伝動装置
3 プーリ
5 タイミングベルト(ベルト)
11,19 歯部
13 凹部
15,23 歯
21,25,27,29 凸部
Claims (4)
- プーリにベルトを巻掛けて回転駆動する伝動装置において、
前記プーリの外周面及びベルトの内側面に該ベルトの長手方向に交差する方向に沿って形成され相互に噛み合う複数の歯を有した歯部と、
前記プーリ側の歯部とベルト側の歯部とのいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられ前記凸部に係合する凹部とを備え、
前記凸部と凹部との係合により、前記プーリに対する前記ベルトのベルト幅方向の位置決めを行うことを特徴とする伝動装置。 - 請求項1記載の伝動装置であって、
前記凸部及び凹部は、前記ベルト及びプーリの幅方向中間部に設けられていることを特徴とする伝動装置。 - 請求項1又は2記載の伝動装置であって、
前記凸部は、前記ベルト側に設けられ、
前記凹部は、前記プーリ側に設けられたことを特徴とする伝動装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の伝動装置であって、
前記凸部の幅方向外面と前記凹部の幅方向内面との少なくとも一方が、前記凸部と凹部との係合を案内可能なように傾斜していることを特徴とする伝動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003166132A JP2005003067A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003166132A JP2005003067A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 伝動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005003067A true JP2005003067A (ja) | 2005-01-06 |
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ID=34092371
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005003067A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009142983A (ja) * | 2007-12-14 | 2009-07-02 | Hilti Ag | 手持ち式打ち込み装置 |
JP2013203156A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Showa Corp | 電動パワーステアリング装置の減速装置 |
JP2015077874A (ja) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 泰一 岡田 | 自転車の変速機構及び自転車の変速方法、並びに前記変速機構を構成する変速ギア体及び伝動ベルト |
WO2017006914A1 (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-12 | Nok株式会社 | 摩擦プーリ |
KR101879624B1 (ko) * | 2016-05-17 | 2018-07-18 | 파코스(주) | 자동차용 메뉴얼모드 스위치 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166132A patent/JP2005003067A/ja active Pending
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