JP4250430B2 - Vリブドベルト及びvリブドプーリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Vリブドベルト及びVリブドプーリに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、心線が埋設されたベルト本体の下面にベルト長さ方向に延びかつベルト幅方向に並ぶ複数のリブ部を一体的に形成してなるVリブドベルトと、外周面に複数のリブ溝が形成され、このリブ溝にそれぞれ上記Vリブドベルトのリブ部が係合することで、そのベルトが巻き掛けられるVリブドプーリとを備えるベルト伝動装置は知られている。このVリブドベルトは高伝動能力を有しかつ長寿命であることから、例えばエンジンの補機駆動用ベルトとしてVベルトに代わり広く用いられている。
【0003】
図8に示すように、このようなVリブドベルトaは、通常、ベルト本体bと、このベルト本体bの上面(背面)側に一体的に接着された背面帆布層cとを備え、上記ベルト本体bのベルト厚さ方向中心には、略ベルト長さ方向に延びかつベルト幅方向に所定ピッチをあけて並ぶように螺旋状に巻かれた心線d,d,…が埋設されている。また、ベルト本体bの下面(底面)側にはリブゴム層eが形成され、このリブゴム層eの下面側にはそれぞれベルト長さ方向に延びる複数のリブ部f,f,…がベルト幅方向に所定の基準リブピッチで並んだ状態で一体的に設けられている。
【0004】
ところで、このようなVリブドベルト及びこのVリブドベルトが巻き掛けられるVリブドプーリを備えるベルト伝動装置においては、製作誤差等の理由によりVリブドプーリとVリブドベルトとの間で、Vリブドプーリの軸方向(ベルト幅方向)にミスアラインメントが生じたとき、ベルトに滑りが生じて異音が発生するという問題がある。
【0005】
そこで、従来、Vリブドベルトの全てのリブ部のリブピッチをVリブドプーリのリブ溝ピッチに対して小さく設定して、リブ部のリブ面とリブ溝面との面圧を増加させ、スリップを防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、全てのリブピッチをリブ溝ピッチよりも小さくすると、リブ部の数が増えたときに、ベルト幅方向でピッチの誤差が蓄積し、複数のリブ部のうち一部のリブ部にのみ偏摩耗が起こり、かえって異音が発生するおそれがある。
【0007】
また、従来、Vリブドベルトの全てのリブ部における幅方向側面たるリブ面の、リブ幅中央を通る平面とのなす傾斜角度(以下、リブ角度という)をリブ溝の側面のリブ溝幅中央を通る平面とのなす傾斜角度(以下、リブ溝角度という)よりも大きくすることも知られている(例えば、特許文献2又は3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−39291号公報
【0009】
【特許文献2】
実開昭63−147951号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2000−74153号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記リブ角度をリブ溝角度よりも大きくするものでも、図8に示すように、Vリブドベルトaの上記リブ部f,f,…のうち、ベルト幅方向両端に位置する端リブ部g,gの片側はフリーで他のリブ部fとの連続による干渉がないため、他のリブ部f,f,…よりも変形を起こしやすい。例えば、VリブドベルトaがVリブドプーリhに巻き付いたときに、端リブ部g,gがベルト背面側に向かって変形する反りが発生し、この反りの発生に伴い、ベルト張力がベルト幅方向で増大するので、このベルト張力により、端リブ部g,gを押し戻そうとするラジアル方向の力が働いて端リブ部g,gが溝i内にスリップして入る。このことで、Vリブドプーリhの半径方向に滑りと密着とを交互に繰り返すスティックスリップ現象が生じ、この滑りにより、ベルト伝動装置に異音が発生するという問題がある。
【0012】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、Vリブドベルトの端リブ部又はこの端リブ部が係合するVリブドプーリの端リブ溝の形状を工夫することにより、Vリブドベルトの反り変形による異音の発生を防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、心線が埋設されたベルト本体の下面に、ベルト長さ方向に延びかつベルト幅方向に並ぶ複数のリブ部を一体的に形成してなるVリブドベルトを前提とし、リブ部がVリブドプーリのリブ溝に係合したときに、ベルト幅方向両端に位置する端リブ部と、該端リブ部に隣接する中間リブ部との間のリブピッチが基準リブピッチよりも小さくされ、該中間リブ部同士のリブピッチは基準リブピッチとされ、端リブ部におけるベルト幅方向端側の外側リブ面と、この外側リブ面が当接するVリブドプーリのリブ溝面との面圧が、他のリブ面とリブ溝面との面圧よりも低く設定されるようにする。請求項2の発明では、上記前提において、Vリブドベルトは、リブ部がVリブドプーリのリブ溝に係合したときに、ベルト幅方向両端に位置する端リブ部と、この端リブ部に隣接する中間リブ部との間のリブピッチ及び該中間リブ部同士のリブピッチが基準リブピッチと同じであり、端リブ部においてこの端リブ部に隣接する中間リブ部のリブ幅中央位置から基準リブピッチだけ離れた位置を通る平面に対する外側リブ面の距離が、この平面に対するベルト幅方向中央側の内側リブ面の距離よりも小さくなるようにする。
【0014】
上記の構成によると、端リブ部の外側リブ面とリブ溝面との面圧が他のリブ面とリブ溝面との面圧よりも低く設定されているため、Vリブドベルトの端リブ部の変形を防止し、この端リブ部を押し戻そうとするラジアル方向の力を抑えることができる。従って、Vリブドプーリの半径方向に滑りと密着とを交互に繰り返すというスティックスリップ現象が防がれ、VリブドプーリとVリブドベルトとの間でミスアラインメントが生じていても異音の発生が抑えられる。また、Vリブドベルトの両端の端リブ部の外側リブ面と、これに当接するVリブドプーリのリブ溝面との間隔のみを他のリブ面とリブ溝面との間隔よりも大きくなるようにしているため、端リブ部以外の他のリブ面とリブ溝面との位置関係は変わらず、両者の当接に悪影響を及ぼすことなく端リブ部の外側リブ面とリブ溝面との面圧を、他のリブ部のリブ面とリブ溝面との面圧よりも低くすることができる。
【0015】
請求項3の発明では、外周面に、内周方向に延びかつプーリ幅方向に並ぶ複数のリブ溝を形成してなるVリブドプーリを前提とし、このVリブドプーリは、リブ溝にVリブドベルトのリブ部が係合したときに、プーリ幅方向両端に位置する端リブ溝と、該端リブ溝に隣接する中間リブ溝との間のリブ溝ピッチが基準リブ溝ピッチよりも大きくされ、該中間リブ溝同士のリブ溝ピッチは基準リブピッチとされ、上記端リブ溝におけるプーリ幅方向端側の外側溝面と、この外側溝面が当接するVリブドベルトのリブ部のリブ面との面圧が、他のリブ溝面とリブ面との面圧よりも低く設定されるようにする。請求項4の発明では、上記前提のVリブドプーリにおいて、リブ溝にVリブドベルトのリブ部が係合したときに、プーリ幅方向両端に位置する端リブ溝と、該端リブ溝に隣接する中間リブ溝との間のリブ溝ピッチ及び該中間リブ溝同士のリブ溝ピッチが基準リブ溝ピッチと同じであり、端リブ溝において該端リブ溝に隣接する中間リブ溝のリブ溝幅中央位置から上記基準リブ溝ピッチだけ離れた位置を通る平面に対するリブ溝の外側溝面の距離が、該平面に対するベルト幅方向中央側のリブ溝の内側溝面よりも大きくなるようにする。
【0016】
上記の構成によると、Vリブドプーリの端リブ溝の外側溝面と、Vリブドベルトのリブ部のリブ面との面圧が他のリブ溝面とリブ面との面圧よりも低くされているため、請求項1の発明と同様の作用効果が得られるVリブドプーリが得られる。また、Vリブドプーリの両端における端リブ溝の外側溝面と、これに当接するリブ部の外側リブ面との間隔のみを他の内側溝面とリブ面との間隔よりも大きくしているため、他の内側溝面とリブ面との当接に悪影響を及ぼすことなく、端リブ溝の外側溝面と、端リブ部のリブ面との面圧を、他のリブ溝面とリブ面との面圧よりも低くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は本発明の実施形態1に係るベルト伝動装置1を示し、このベルト伝動装置1は、詳細は図示しないが、例えば自動車に搭載されるエンジンによりその補機を駆動するもので、図外のエンジンのクランク軸に取り付けられた駆動プーリ2と、オートテンショナ9に設けられるテンションプーリ3と、図示しない補機の回転軸に取り付けられた第1及び第2補機プーリ4,5とを有する。上記駆動プーリ2と、第1及び第2補機プーリ4,5とはいずれもVリブドプーリからなる一方、テンションプーリ3は平プーリからなる。これらのプーリ2〜5間にVリブドベルトBが巻き掛けられており、自動車エンジンの運転に伴う駆動プーリ2の回転によりVリブドベルトBを駆動プーリ2→テンションプーリ3→第1補機プーリ4→第2補機プーリ5→駆動プーリ2の順に図2で時計回り方向に走行させて、各補機を駆動するようにしている。
【0018】
上記VリブドベルトBは、図1に示すように、ベルト本体10と、このベルト本体10の上面(背面)側に一体的に形成された背面帆布層11とを備え、上記ベルト本体10のベルト厚さ方向中心には、略ベルト長さ方向に延びかつベルト幅方向に所定ピッチをあけて並ぶように螺旋状に巻かれた心線12,12,…が埋設されている。また、ベルト本体10の下面(底面)側にはリブゴム層13が形成され、このリブゴム層13の下面側にはそれぞれベルト長さ方向に延びる複数のリブ部14,14,…がベルト幅方向に並んだ状態で一体的に設けられている。この各リブ部14を含むリブゴム層13には、補強等の目的で短繊維(図示せず)がベルト幅方向に配向された状態で含有されている。
【0019】
そして、上記リブゴム層13の各リブ部14がベルト伝動装置1の上記各Vリブドプーリ(駆動プーリ2、第1及び第2補機プーリ4,5)に当接して動力伝達の主体となる一方、ベルト背面がフラットなテンションプーリ3に当接するように巻き掛けられて動力伝達の一端を担っている。
【0020】
以下、上記Vリブドプーリの中で、特にVリブドベルトBとのミスアラインメントが現れやすい第1補機プーリ4について記載する。
【0021】
本発明の特徴として、上記VリブドベルトBにおいて、ベルト幅方向両端に位置する各端リブ部14a及びこの端リブ部14aに隣接する中間リブ部としてのリブ部14間のリブピッチPr´のみが他のリブ部14,14同士間のリブピッチである基準リブピッチPrよりも小さくされている(Pr´<Pr)。
【0022】
一方、上記第1補機プーリ4は、上記リブ部14,14,…の基準リブピッチPrに対応するように、全てこの基準リブピッチPrと同じ間隔のリブ溝ピッチPgでその外周面に、内周方向に延びかつプーリ幅方向に並ぶ複数のリブ溝20,20,…を有している。
【0023】
そして、上記VリブドベルトBが第1補機プーリ4に巻き掛けられ、各リブ部14が第1補機プーリ4のリブ溝20に係合したときには、各端リブ部14aにおけるベルト幅方向端側の外側リブ面14bと、この外側リブ面14bが当接する第1補機プーリ4のリブ溝20の外側溝面20aとの面圧が、他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの面圧よりも低くなるように構成されている。
【0024】
次に、本発明の実施形態1に係るVリブドベルトB及びそれを備えるベルト伝動装置1の作動を説明する。自動車エンジンの運転により駆動プーリ2が回転し、その駆動力がVリブドベルトBを介して第1補機プーリ4に伝達されて補機が駆動される。
【0025】
このとき、通常、図2に示すように、テンションプーリ3と第1補機プーリ4との間には、製造誤差等の要因により、第1補機プーリ4の幅方向中央とベルト駆動ラインxとがずれるというミスアラインメントyが生じる。このミスアラインメントyが大きくなると、VリブドベルトBと第1補機プーリ4との間で異音が発生しようとする。
【0026】
つまり、従来、Vリブドベルトの各端リブ部の片側はフリーで他のリブ部との連続による干渉がないため、他のリブ部よりも変形を起こしやすい。このことで、端リブ部がベルト背面側に向かって変形する反りが発生し、この反りの発生に伴い、ベルト張力がベルト幅方向で増大するので、このベルト張力により、端リブ部を押し戻そうとするラジアル方向の力が働いて端リブ部内にスリップして入る。また、特に各リブ部に短繊維が含まれている場合には、各端リブ部の外側リブ面から突出している短繊維がこのスリップにより摩耗してしまい、外側リブ面の摩擦係数が増加して引っかかりやすくなる。このことで、Vリブドプーリの半径方向に滑りと密着とを交互に繰り返すスティックスリップ現象が生じ、この滑りにより、ベルト伝動装置に異音を発生させようとする。
【0027】
しかし、本発明の実施形態1にかかるVリブドベルトBによると、各端リブ部14aと、この端リブ部14aに隣接する中間のリブ部14との間のリブピッチPr´が基準リブピッチPrよりも小さいため、端リブ部14aの外側リブ面14bと、これに当接するリブ溝20の外側溝面20aとの間隔のみが他の各リブ部14の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの間隔よりも大きくなる。
【0028】
このため、各端リブ部14aの外側リブ面14bにおけるリブ溝20の外側溝面20aに対する局所的な当たりが防がれるとともに、各端リブ部14aの外側リブ面14bとリブ溝20の外側溝面20aとの面圧が他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの面圧よりも低くなる。
【0029】
このことで、VリブドベルトBの各端リブ部14aの変形を防止し、端リブ部14aを押し戻そうとするラジアル方向の力を抑えることができる。従って、第1補機プーリ4の半径方向に滑りと密着とを交互に繰り返すスティックスリップ現象が防がれる。
【0030】
また、端リブ部14b以外の他の各リブ部14の内側リブ面14cと各リブ溝20の内側溝面20bとの位置関係は変わらないため、全リブピッチを基準リブピッチPrよりも小さくする場合のように、ピッチ誤差がベルト幅方向に重なった部分の第1補機プーリとVリブドベルトとの間の面圧に偏りが生じて偏摩耗が発生するようなことはない。
【0031】
従って、第1補機プーリ4とVリブドベルトBとの間でミスアラインメントyが生じていても異音の発生が抑えられる。
【0032】
(実施形態2)
図3は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、VリブドベルトBの端リブ部14a,14aの形状が異なる点で上記実施形態1と異なる。
【0033】
具体的には、各端リブ部14aと、この端リブ部14aに隣接する中間リブ部としてのリブ部14との間のリブピッチPr´が基準リブピッチPrと等しくなっている(Pr´=Pr)。一方、上記各端リブ部14aにおいて、この端リブ部14aに隣接するリブ部14のリブ幅中央位置から上記基準リブピッチPrだけ離れた位置を通る平面Aに対する外側リブ面14bの距離が、ベルト幅方向中央側の内側リブ面14cの平面Aからの距離よりも小さくなっている。
【0034】
つまり、外側リブ面14bの端リブ部14aの平面Aとの傾斜角度θr´は他の各中間リブ部14の内側リブ面14cの傾斜角度(以下、基準リブ角度という)θrと同じであるが(θr´=θr)、例えばベルト背面側のリブ面の頂点に着目すると、上記平面Aから外側リブ面14bのリブ面頂点までのベルト幅方向の距離zが、平面Aから内側リブ面14cのベルト背面側のリブ面頂点までのベルト幅方向の距離Pr/2よりも小さくなっている(z<Pr/2)。
【0035】
従って、本実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、VリブドベルトBの端リブ部14aの外側リブ面14bと、これに当接するリブ溝20の外側溝面20aとの間隔のみが他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの間隔よりも大きくなり、他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの当接に悪影響を及ぼすことなく、本発明の作用効果が得られるVリブドベルトBが得られる。
【0036】
(実施形態3)
図4は本発明の実施形態3を示し、VリブドベルトBの端リブ部14a,14aの形状が異なる点で上記実施形態1と異なる。
【0037】
すなわち、各端リブ部14aのリブピッチPr´は基準リブピッチPrと等しいが(Pr´=Pr)、外側リブ面14bの端リブ部14aのリブ幅中央を通る平面との傾斜角度(以下、端リブ角度という)θr´が他のリブ部14の基準リブ角度θrよりも小さくなっている(θr´<θr)。
【0038】
従って、本実施形態3においても、上記実施形態1と同様に、VリブドベルトBの端リブ部14aの外側リブ面14bと、これに当接するリブ溝20の外側溝面20aとの間隔のみが他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの間隔よりも大きくなり、他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの当接に悪影響を及ぼすことなく、本発明の作用効果が発揮されるVリブドベルトBが得られる。
【0039】
(実施形態4)
図5は本発明の実施形態4を示し、VリブドベルトBの端リブ部14a,14a及び第1補機プーリ4の両端の端リブ溝20c,20cの形状が異なる点で上記実施形態1と異なる。
【0040】
すなわち、VリブドベルトBの各リブ部14,14間のリブピッチが全て基準リブピッチPrと等しい一方、第1補機プーリ4の各端リブ溝20cと、この各端リブ溝20cに隣接する中間リブ溝としてのリブ溝20との間のリブ溝ピッチPg´が他のリブ溝20,20間の基準リブ溝ピッチPgよりも大きくなっている(Pg´>Pg)。
【0041】
従って、本実施形態4おいては、第1補機プーリ4側のリブ溝ピッチPg´のみを基準リブ溝ピッチPgよりも大きくすることで、リブ溝20,20,…にVリブドベルトBのリブ部14,14,…が係合したときに、第1補機プーリ4の端リブ溝20cの外側溝面20aと、これに当接するVリブドベルトBの端リブ部14aの外側リブ面14bとの間隔のみが他の内側リブ面14cとリブ溝20の内側溝面20bとの間隔よりも大きくなっている。このことで、外側溝面20aと外側リブ面14bとの面圧が他の内側溝面20bと内側リブ面14cとの面圧よりも低くなっているため、実施形態1の発明と同様の作用効果が得られる第1補機プーリ4が得られる。
【0042】
(実施形態5)
図6は本発明の実施形態5を示し、VリブドベルトBの端リブ部14a,14a及び第1補機プーリ4の両端の端リブ溝20c,20cの形状が異なる点で上記実施形態1と異なる。
【0043】
すなわち、第1補機プーリ4の各端リブ溝20cと、この端リブ溝20cに隣接する中間のリブ溝20との間のリブ溝ピッチPg´が基準リブ溝ピッチPgと同じとなっている(Pg´=Pg)。そして、各端リブ溝20cにおいて、この端リブ溝20cに隣接するリブ溝20のリブ溝幅中央位置から基準リブ溝ピッチPgだけ離れた位置を通る平面A´に対する端リブ溝20cの外側溝面20aの距離が、ベルト幅方向中央側のリブ溝20の内側溝面20bの平面A´からの距離よりも大きくなっている。
【0044】
つまり、端リブ溝20cの外側溝面20aの平面A´との傾斜角度(以下、端リブ溝角度という)θg´は他の各中間のリブ溝20の内側溝面20bの傾斜角度(以下、基準リブ溝角度という)θgと同じであるが(θg´=θg)、例えばベルト背面側の溝側面の頂点に着目すると、上記平面A´から外側溝面20aの頂点までのベルト幅方向の距離wが、平面A´からベルト幅方向中央側のリブ溝20の内側溝面20bの頂点までのベルト幅方向の距離Pg/2よりも大きくなっている(w>Pg/2)。
【0045】
従って、本実施形態5おいては、第1補機プーリ4の端リブ溝20cの外側溝面20aのみを平面A´から遠ざけることで、外側溝面20aと、リブ部14の外側リブ面14bとの面圧が他のリブ溝20の内側溝面20bと内側リブ面14cとの面圧よりも低くなっているため、実施形態1の発明と同様の作用効果が得られる第1補機プーリ4が得られる。
【0046】
(実施形態6)
図7は本発明の実施形態6を示し、VリブドベルトBの端リブ部14a,14a及び第1補機プーリ4の両端の端リブ溝20c,20cの形状が異なる点で上記実施形態1と異なる。
【0047】
すなわち、端リブ溝20cの外側溝面20aにおける端リブ溝20cのリブ溝幅中央を通る平面との傾斜角度(以下、端リブ溝角度という)θg´が他のリブ溝20の基準リブ溝角度θgよりも大きくなっている(θg´>θg)。
【0048】
従って、本実施形態6おいては、端リブ溝20cの端リブ溝角度θg´のみを基準リブ溝角度θgよりも大きくすることで、端リブ溝20cの外側溝面20aと、リブ部14の外側リブ面14bとの面圧が他のリブ溝20の内側溝面20bと内側リブ面14cとの面圧よりも低くなっているため、実施形態1の発明と同様の作用効果が得られる第1補機プーリ4が得られる。
【0049】
尚、上記各実施形態では、Vリブドプーリとして、第1補機プーリ4についてのみ述べたが、他のVリブドプーリに本発明が適用できるのは勿論のことである。
【0050】
また、上記各実施形態では、VリブドベルトB又は第1補機プーリ4のどちらか一方の形状について述べているが、上記実施形態1〜3のいずれか1つのVリブドベルトB又は上記実施形態4〜6のいずれか1つの第1補機プーリ4の少なくとも1つを備えるベルト伝動装置であれば、本発明が適用できる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のVリブドベルトによると、リブ部がVリブドプーリのリブ溝に係合したときに、端リブ部におけるベルト幅方向端側の外側リブ面と、この外側リブ面が当接するVリブドプーリのリブ溝面との面圧を、他のリブ部のリブ面とリブ溝面との面圧よりも低く設定したことにより、Vリブドプーリとの間でミスアラインメントが生じていてもVリブドベルトの反り変形を抑制して、異音の発生が抑えられる。
【0052】
また、本発明のVリブドプーリによると、リブ溝にVリブドベルトのリブ部が係合したときに、プーリ幅方向両端に位置する端リブ溝におけるプーリ幅方向端側の外側溝面と、この外側溝面が当接するVリブドベルトのリブ部のリブ面との面圧を、他のリブ溝面とリブ面との面圧よりも低く設定したことにより、Vリブドベルトとの間でミスアラインメントが生じていてもVリブドベルトの反り変形が抑制され、異音の発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係るVリブドベルトとVリブドプーリとの関係を表す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態1に係るVリブドベルト及びVリブドプーリを用いたベルト伝動装置の全体図である。
【図3】 実施形態2を示す図1相当図である。
【図4】 実施形態3を示す図1相当図である。
【図5】 実施形態4を示す図1相当図である。
【図6】 実施形態5を示す図1相当図である。
【図7】 実施形態6を示す図1相当図である。
【図8】 従来例に係るVリブドベルトとVリブドプーリとの関係を表す断面図である。
【符号の説明】
B Vリブドベルト
Pr 基準リブピッチ
Pr´ リブピッチ
Pg 基準リブ溝ピッチ
Pg´ リブ溝ピッチ
1 ベルト伝動装置
4 第1補機プーリ(Vリブドプーリ)
10 ベルト本体
12 心線
14 リブ部
14a 端リブ部
14b 外側リブ面
14c 内側リブ面
20 リブ溝
20a 外側溝面
20b 内側溝面
20c 端リブ溝
Claims (4)
- 心線が埋設されたベルト本体の下面に、ベルト長さ方向に延びかつベルト幅方向に並ぶ複数のリブ部を一体的に形成してなるVリブドベルトにおいて、
上記リブ部がVリブドプーリのリブ溝に係合したときに、ベルト幅方向両端に位置する端リブ部と、該端リブ部に隣接する中間リブ部との間のリブピッチが基準リブピッチよりも小さくされ、該中間リブ部同士のリブピッチは基準リブピッチとされ、
上記端リブ部におけるベルト幅方向端側の外側リブ面と、該外側リブ面が当接するVリブドプーリのリブ溝面との面圧が、他のリブ面とリブ溝面との面圧よりも低く設定されていることを特徴とするVリブドベルト。 - 心線が埋設されたベルト本体の下面に、ベルト長さ方向に延びかつベルト幅方向に並ぶ複数のリブ部を一体的に形成してなるVリブドベルトにおいて、
上記リブ部がVリブドプーリのリブ溝に係合したときに、ベルト幅方向両端に位置する端リブ部と、該端リブ部に隣接する中間リブ部との間のリブピッチ及び該中間リブ部同士のリブピッチが基準リブピッチと同じであり、
上記端リブ部において該端リブ部に隣接する中間リブ部のリブ幅中央位置から上記基準リブピッチだけ離れた位置を通る平面に対する外側リブ面の距離が、該平面に対するベルト幅方向中央側の内側リブ面の距離よりも小さいことを特徴とするVリブドベルト。 - 外周面に、内周方向に延びかつプーリ幅方向に並ぶ複数のリブ溝を形成してなるVリブドプーリにおいて、
上記リブ溝にVリブドベルトのリブ部が係合したときに、プーリ幅方向両端に位置する端リブ溝と、該端リブ溝に隣接する中間リブ溝との間のリブ溝ピッチが基準リブ溝ピッチよりも大きくされ、該中間リブ溝同士のリブ溝ピッチは基準リブピッチとされ、
上記端リブ溝におけるプーリ幅方向端側の外側溝面と、該外側溝面が当接するVリブドベルトのリブ部のリブ面との面圧が、他のリブ溝面とリブ面との面圧よりも低く設定されていることを特徴とするVリブドプーリ。 - 外周面に、内周方向に延びかつプーリ幅方向に並ぶ複数のリブ溝を形成してなるVリブドプーリにおいて、
上記リブ溝にVリブドベルトのリブ部が係合したときに、プーリ幅方向両端に位置する端リブ溝と、該端リブ溝に隣接する中間リブ溝との間のリブ溝ピッチ及び該中間リブ溝同士のリブ溝ピッチが基準リブ溝ピッチと同じであり、
上記端リブ溝において該端リブ溝に隣接する中間リブ溝のリブ溝幅中央位置から上記基準リブ溝ピッチだけ離れた位置を通る平面に対するリブ溝の外側溝面の距離が、該平面に対するベルト幅方向中央側のリブ溝の内側溝面よりも大きいことを特徴とするVリブドプーリ。
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