JP2005001243A - シリンダ洗浄用洗浄液供給装置およびシリンダ洗浄用ブラシユニットおよびシリンダ洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を解決することで、作業効率、労働安全、生産性向上を図ること。
【解決手段】ブラシユニット1の主要部はブラシローラ4、スプレーバー5、フリッパーバー6、空間50に飛散する洗浄液ミストの吸引手段7、洗浄液ミストの液状化手段8で構成されている。スプレーバーは洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体10から成り、洗浄液供給時の液圧による可撓部の弾性変形により開口し、非洗浄液供給時に可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴が穿設されている。フリッパーバーの硬質部材20をブラシローラに浅く又は深く当接させるよう変位可能に設け、硬質部材の先端部にスプレーバーの1つの管状体のノズル穴が向けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】ブラシユニット1の主要部はブラシローラ4、スプレーバー5、フリッパーバー6、空間50に飛散する洗浄液ミストの吸引手段7、洗浄液ミストの液状化手段8で構成されている。スプレーバーは洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体10から成り、洗浄液供給時の液圧による可撓部の弾性変形により開口し、非洗浄液供給時に可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴が穿設されている。フリッパーバーの硬質部材20をブラシローラに浅く又は深く当接させるよう変位可能に設け、硬質部材の先端部にスプレーバーの1つの管状体のノズル穴が向けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷機、製紙機、紙加工機、繊維機械などの加工機のシリンダ(ローラを含む)等の洗浄対象の表面に付着した異物を除去する為の洗浄液供給装置およびブラシユニットおよびシリンダ洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、各種印刷機のシリンダ表面には、印刷紙粉等の汚れが付着するため、高い印刷品質を維持するためには周期的にシリンダ表面を洗浄する必要がある。この洗浄を自動的に行う装置としては、従来から種々の装置が提案されている。
図17は従来のシリンダ洗浄装置の側面図、図18は斜視図である。シリンダ洗浄装置は、ブラシローラ101がフレーム102に回転可能に支持され、ブラシローラ101の後方上部に溶剤を噴射する溶剤用ノズル103と水を噴射する水用ノズル104が設けられており、ブラシローラ101の後方下部にはフレーム102に固定されたステー105にフリッパーバー106が取り付けられている。ブラシローラ101とノズル103,104の上方にはノズルを覆うようにカバー107が設けられている。ブラシローラ101の下部域にはブラシローラ101でシリンダ100の表面に付着した異物と共に掻き取られた洗浄廃液を受ける受け皿108が配設されている。受け皿108は、排液口109を有し、この排液口109からドレインパイプ110を通して排出される。符号111はブラシローラ101を回転駆動するモータ等の駆動装置である。
一方、上記洗浄廃液のドレイン機構が配備されていない受け皿を使用する場合は、受け皿に溜まった洗浄廃液を別容器に移し廃棄処分される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来のシリンダ洗浄装置においては次に述べるような問題があった。先ず、第1の課題はブラシローラへの洗浄液供給はノズルを使用しているので、設備費が高かったり、ノズルのオリフィスが詰まってその取替えおよび掃除のために洗浄装置を取り外して解体しなければならない。その対策として金属製管に微細な穴を開けたノズル手段を用いる事も行なわれているが、0.4mm程度の微細な穴を開けるのに細いドリルやレーザー装置を使用するため、高価なノズル手段となる。また、微細な穴には微細なダストが侵入し、それを阻止するための有効な手段が無かった。
【0004】
第2の課題はシリンダ表面から掻き取ったダスト等を付着したブラシローラに接触して、そのブラシの表面からダスト等を離脱させるフリッパーバーに耐磨耗性の優れた硬質な部材及び構造であることが求められるので重い部材となってしまい、ブラシユニットの重量を増加させ、ブラシユニットが扱い難くなってしまう要因の1つになっている。また、ブラシの表面から離脱させられたダスト等がフリッパーバー及びその周囲に付着し、それが増大するという問題があった。
【0005】
第3の課題はノズル等から洗浄液をブラシローラに供給する際、或いは洗浄液を含んだダスト等をフリッパーバーによりブラシの表面から離脱させる際に、洗浄液が微細なミスト状(洗浄液ミスト)となり、これがシリンダ洗浄装置の外部に漏洩すると作業環境を悪化させる。ブラシローラをフレームで良く包囲しシリンダとの隙間もブラシ等でシールして、これらのミストの漏洩を防止する対策は取られるが、完全な漏洩防止は困難である。
【0006】
第4の課題はドレイン機構が配備されていない受け皿を使用した場合に、受け皿を所定の位置から頻繁に取り外し、その受け皿に溜まった洗浄廃液を溢さないように注意深く別容器に移さなければならず、かつ異物により汚れた受け皿内部を洗浄するという時間と労力を要する汚れ仕事を必要とし多数のブラシユニットを取り付けた機械においては作業員に多大な負担となっている。
また、ドレイン機構を配備した受け皿においては通常ドレイン機構にドレインパイプを接続し、このドレインパイプを通して洗浄廃液を別容器に移しているが、洗浄廃液中の異物がドレインパイプの内壁に付着堆積し、パイプ内部を詰まらせ受け皿に落ちる溶剤が充分ドレインできなくなり、オーバーフローする原因となっていると共に、詰まったドレイン機構、ドレインパイプの洗浄は時間及び労力を伴う汚れ仕事を必要とし、パイプの交換を必要とすることもある。
【0007】
本発明の目的はコストが低く、開口部のダストによる閉鎖トラブルが無く、シリンダ洗浄装置用として好適な洗浄液供給装置を提供することにある。
本発明の他の目的は軽量で、フリッパーバーへのダスト等の付着・増大を抑え、ブラシローラの再生を可能にしたブラシユニットを提供することにある。
本発明の他の目的は洗浄液ミストの漏洩を防止し、作業環境の保全を可能にしたブラシユニットを提供することにある。
本発明の他の目的はメンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を解決することで、作業効率、労働安全、生産性向上を図ったシリンダ洗浄装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、シリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄装置に使用される洗浄液供給装置であって、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成り、該可撓部にノズル穴を有するスプレーバーを備え、ノズル穴は洗浄液供給時の液圧による可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には可撓部の弾性変形により閉口することを特徴とする。
請求項1によれば、液圧によって弾性変形する可撓部には液圧により開口するノズル穴を穿設しているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。また、スプレーバーに全部を可撓部として形成された管状体を用い、その可撓性を利用することで、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。また、
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、スプレーバーが複数の可撓部を配置した管状体で構成されていることを特徴とする。
請求項2によれば、可撓部のみの交換が可能なので、特定の可撓部によるスプレーに不具合が発生した際に、該当する可撓部の取替え作業が容易である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1において、スプレーバーは弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする。
請求項3によれば、複数の可撓管を一体化して他部材によりブラシユニットに固定されるので、1本だけの管状体を用いる場合に比べると複数の管状体からスプレーされる流体の吐き出し方向が安定する為、効果的な洗浄が可能となる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの項において、ノズル穴は針工具を刺して穿設されていることを特徴とする。
請求項4によれば、レーザー等の特別な加工でないから製造コストが安くなる。
【0012】
請求項5の発明に係るシリンダ洗浄用ブラシユニットは、請求項2または3に記載された洗浄液供給装置と、シリンダ表面に付着した異物を除去するブラシローラとを備え、前記洗浄液供給装置は複数の管状体から成るスプレーバーを有し、各管状体が洗浄液および/または水を供給することを特徴とする。
請求項5によれば、複数の管状体から洗浄液および/または水を選択的に供給することができるので、シリンダ表面に付着している異物を除去するのに必要な洗浄液、或いは水の最適な量をブラシローラに供給することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5において、フリッパーバーがブラシローラの長手方向に沿って配置され、該ブラシローラに当接する硬質部材を有し、前記硬質部材の先端部に洗浄液供給装置の複数の管状体の内の少なくとも1つの管状体のノズル穴が向けられていることを特徴とする。
請求項6によれば、上記請求項5の作用を生ずると共に、フリッパーバーの硬質部材の先端部に洗浄液、或いは水を供給することにより該先端部が洗浄され、ダスト等が付着し、増大するトラブルを防止できる。
【0014】
請求項7の発明は、洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するブラシユニットにおいて、ブラシローラの長手方向に沿って変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に硬質部材を固定した長尺棒状のフリッパーバーと、フリッパーバーを第1位置および第2位置に変位させるフリッパーバー可変手段とを備え、第1位置が硬質部材をブラシローラに浅く当接させ、第2位置が硬質部材をブラシローラに深く当接させ、該ブラシローラに付着したシリンダ表面から除去された異物を離脱させることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7において、洗浄液供給装置が洗浄液を供給するスプレーバーを備え、該スプレーバーは洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該可撓部に穿設された複数のノズル穴が洗浄液供給時の液圧による当該可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には当該可撓部の弾性変形により閉口することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8において、スプレーバーは弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする。
【0017】
請求項7〜9によれば、フリッパーバーを変位させることにより硬質部材のブラシローラへの接触の程度を簡単に調整できる。特に長尺棒状部材として軽量な部材が選択できるのでブラシユニットの軽量化も可能となる。ブラシローラに対する硬質部材の当接状態はフリッパーバーの可変操作によってシリンダ洗浄時に浅く当接させ、後退させて洗浄しない時に深く当接させるので、シリンダ表面の洗浄とブラシローラの再生を行なうことできる。
【0018】
請求項10の発明は、請求項7において、硬質部材が板状に形成されていると共に、ブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されていることを特徴とする。
請求項10によれば、硬質部材の先端部におけるブラシローラに付着したダスト等の離脱が良くなり、硬質部材へのダスト等の付着・増大を極力抑えられ、安定したシリンダ洗浄が行なえる。
【0019】
請求項11の発明は、洗浄液供給装置から洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄用ブラシユニットにおいて、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていると共に、洗浄液供給時の液圧による可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴が当該可撓部に有するスプレーバーと、ブラシローラに対して変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に板状の硬質部材を固定し、該硬質部材がブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されているフリッパーバーと、硬質部材をブラシローラに浅く当接させる第1位置および硬質部材をブラシローラに深く当接させる第2位置に前記フリッパーバーを変位させるフリッパーバー可変手段とを備え、硬質部材の先端部にスプレーバーの少なくとも1つの管状体のノズル穴が向けられていることを特徴とする。
請求項11によれば、液圧によって弾性変形する可撓部には液圧により開口するノズル穴を穿設しているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。
また、液圧によって弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された管状体を用いると、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。更に可撓性を有する複数の管状体を一体化して他部材によりブラシユニットに固定されるので、1本だけの管状体を用いる場合に比べると複数の管状体からスプレーされる流体の吐き出し方向が安定する為、効果的な洗浄が可能となる。
また、フリッパーバーの硬質部材の先端部に洗浄液、或いは水を供給することにより該先端部が洗浄され、ダスト等が付着し、増大するトラブルを防止できる。
また、フリッパーバーを変位させることにより硬質部材のブラシローラへの接触の程度を簡単に調整できる。特に長尺棒状部材として軽量な部材が選択できるのでブラシユニットの軽量化も可能となる。ブラシローラに対する硬質部材の当接状態は、フリッパーバーの可変操作によってシリンダ洗浄時に浅く当接させ、後退させて洗浄しない時に深く当接させるので、シリンダ表面の洗浄とブラシローラの再生を行なうことできる。
【0020】
請求項12の発明は、洗浄液を供給し、ブラシローラにより洗浄対象の表面に付着した異物を除去するブラシユニットにおいて、ブラシローラと受け皿とシリンダ洗浄装置のフレームとで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引する吸引手段と、吸引手段により吸引した洗浄液ミストを捕集し、液状にする液状化手段とを装備したことを特徴とする。
【0021】
請求項13の発明は、請求項12において、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成るスプレーバーを備え、可撓部には洗浄液供給時の液圧による当該可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には当該可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴を有することを特徴とする。
【0022】
請求項14の発明は、請求項13において、スプレーバーは全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする。
【0023】
請求項15の発明は、請求項12〜14のいずれかの項において、ブラシローラに対して変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に硬質部材を固定した長尺棒状のフリッパーバーと、フリッパーバーを第1位置および第2位置に変位させるフリッパーバー可変手段とを備え、第1位置が前記硬質部材をブラシローラに浅く当接させ、第2位置が硬質部材を前記ブラシローラに深く当接させ、該ブラシローラに付着した前記シリンダ表面から除去された異物を離脱させることを特徴とする。
請求項15によれば、ブラシローラが良く自己洗浄されるので、メンテナンスの間隔を広げられてメンテナンス業務としての時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を軽減できる。
【0024】
請求項16の発明は、請求項15において、硬質部材が板状に形成されていると共に、ブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されていることを特徴とする。
【0025】
請求項17の発明は、請求項16において、硬質部材の先端部には洗浄液および/または水が供給されることを特徴とする。
【0026】
請求項18の発明は、請求項17において、洗浄液が硬質部材の先端部に向けられたノズル穴を有する管状体から供給されると共に、管状体は弾性変形する材料で全部が可撓部として形成されており、複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化された管構造の1つとして設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項12〜18によれば、ブラシローラと受け皿とシリンダ洗浄装置のフレームとで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引することによりシリンダ洗浄装置の外部へ洗浄液ミストの漏洩を防止でき、作業環境を悪化させない。
【0028】
請求項19の発明に係るシリンダ洗浄装置は、請求項12〜18のいずれかの項において、ブラシローラの下部域に位置し、フレームに着脱可能に配備される受け皿を備え、受け皿はシリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を受ける第1受け皿部と、該第1受け皿部と隣接し、その境界壁の両端に連絡開口を設け、該境界壁により固形、又は粒子状物質を分離した洗浄廃液および液状化手段で作られる液体を受ける第2受け皿部とから構成されていることを特徴とする。
請求項19によれば、洗浄廃液の中の固形、又は粒子状物質は第1受け皿部に収容し、残りの液体部分が第2受け皿部に分離されて排出口から外部に連続的に排出され、洗浄廃液の分別処理を容易にすることができるのでメンテナンス業務が軽減され、一方ブラシユニット内で発生する洗浄液ミストを液化して第2受け皿に収容することで、洗浄液ミストの装置外への漏洩による作業環境の悪化を少なくできる。
【0029】
請求項20の発明は、洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄用ブラシユニットのフレームの下部域に位置して配備され、前記シリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を収容する受け皿を備えたシリンダ洗浄装置において、洗浄廃液を受ける第1受け皿部と、該第1受け皿部と隣接し、その境界壁の両端に連絡開口を設け、該境界壁により固形、又は粒子状物質を分離した洗浄廃液を受ける第2受け皿部とから構成されていることを特徴とする。
請求項20によれば、洗浄廃液の中の固形、又は粒子状物質は第1受け皿部に収容し、残りの液体部分が第2受け皿部に分離されて排出口から外部に連続的に排出され、洗浄廃液の分別処理を容易にすることができる。
【0030】
請求項21の発明は、請求項20記載のシリンダ洗浄装置において、請求項5〜10のいずれかに記載されたブラシユニットを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を軽減することで、作業効率、労働安全、生産性向上が図れる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のブラシユニットの実施例を図面を参照して説明する。図1はシリンダ洗浄装置の主要部を示す平面図、図2は図1のI−I断面図である。ここでは、洗浄に使用する洗浄液および/または水を、単に洗浄液で総称する。本実施例はブラシユニット1と、このブラシユニット1のフレーム2の下部に位置して洗浄廃液を収容する受け皿3とからシリンダ洗浄装置が構成されており、被洗浄回転体としてシリンダの方向に進退可能に設置される。
【0032】
ブラシユニット1の主要部はシリンダ表面を洗浄する為に、回転可能に支持されたブラシローラ4、洗浄液供給装置のスプレーバー5、ブラシローラ4の背部に配置されたフリッパーバー6、ブラシローラ4と受け皿3とシリンダ洗浄装置のフレーム2とで囲まれた空間に飛散する洗浄液ミストを吸引する吸引手段7、吸引した洗浄液ミストを液化する液状化手段8、およびブラシローラ4を回転駆動するブラシローラ駆動手段9が装備されている。
【0033】
上記の各部を詳しく説明する。図3は受け皿の一部破断した平面図、図4は受け皿の一部破断した正面図、図5は図3の左側面図、図6は図3の右側面図である。受け皿3は図2に示すようにブラシローラ4の下部域51に位置し、フレーム2aに着脱可能に配備される。図3において、受け皿3はシリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を受容する第1受け皿部31、この第1受け皿部31に隣接して、固形物又は粒子状物質を分離した洗浄廃液および後述の液状化手段で作られる液体を受容する第2受け皿部32により構成されている。
【0034】
第1受け皿部31と第2受け皿部32とを区画する境界壁33にはその両側端近傍に連絡開口34が形成されており、境界壁33により固形物又は粒子状物質が分離されて洗浄廃液が第2受け皿部32に収容される。第2受け皿部32の一方の側壁の下部には排液口35が設けられており、皿底が排液口35に向けて傾斜している。受け皿3の側壁上部にはブラシユニット1に受け皿3を水平に挿し込んで装着する為の支持部36が設けられている。
【0035】
スプレーバー5は洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体10を、少なくとも1または複数本によって構成されている。弾性変形する材料としては、例えばポリウレタン、ナイロン、フッ素系樹脂(テフロン(登録商標))、シリコンゴム、ポリエチレン等の高分子材料が用いられる。図7において、弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された管状体10(以下、可撓管と記す)には洗浄液供給時の液圧で開口すると共に、非洗浄液供給時には材料の弾性復元力により閉口するよう穿設された複数のノズル穴11が設けられている。ノズル穴11は、図8に示す針工具12で可撓管10を刺して穿設される。非洗浄液供給時には、図8に示す如く材料の弾性復元力により閉口され、一方洗浄液供給時にはその液圧により可撓管10の径が大になるよう弾性変形し、図9に示すよう開口し、洗浄液が噴出する。
【0036】
スプレーバー5を複数本の可撓管により構成する場合は、例えば図10に示すように3本の可撓管10a、10b、10cを並列させかつ隣接する管が接合16により一体化されている。このスプレーバー5をブラシユニット1に適用した実施例を図2により説明する。ブラシローラ4の背部のフレームの垂直壁13にはブラシローラ4の長手方向に3本の可撓管10a、10b、10cを沿わせて配管する為の上部取付体14が固定される。上部取付体14の先端には可撓管10cを当てる円弧状の受け部14aが設けられている。下部取付体15は可撓管10cを下方から支える円弧状の受け部15aが設けられており、上部取付体14に対して上下に移動可能に支持され、下方の重なり合った部分でネジ止めされる。
【0037】
一体化された可撓管からなるスプレーバー5を配設する際には下部取付体15の固定を解除して円弧状の受け部15aを下方に移動させ、受け部14aと15aの間を広げ、スプレーバー5をブラシローラ4の長手方向でかつ垂直壁13に沿わせて配置した後、下部取付体15を上に移動させ、受け部15aで可撓管10cを下から支えるようにしてネジ止めする。可撓管10a、10bのノズル穴はフリッパーバー6より下流側のブラシローラ4に洗浄液を供給するように向けられている。可撓管10cのノズル穴は硬質部材20の先端部に洗浄液を供給するように向けられている。
【0038】
洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部を可撓部として形成された管状体から成るスプレーバーの具体例を説明する。図11に示すスプレーバーは、金属管などの剛性を有する管状体10に、管軸方向に沿ったスリット状の開口17を設け、この開口17に洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で作られたシート18を貼着して可撓部19を形成し、この可撓部19にノズル穴11が穿設されている。
【0039】
図12に示すスプレーバーは、複数の可撓部22を配置した管状体10で構成されており、金属管などの剛性を有する管状体10にはフランジ付きのノズル取付部21を設け、上記の材料で作られた可撓部22をフランジに合わせて、取付け金具23で挟むようにしてネジ24止めされている。
【0040】
フリッパーバー6は、図1に示すようにブラシローラ4に対して変位可能に配置され、ブラシローラ4に当接する板状の硬質部材20を有する。フリッパーバー6は断面が円形の長尺棒状の軸体構造で、その一部を削除した面に硬質部材20が固定されており、フレームの側壁2aを貫通した軸端はフリッパーバー可変手段40に連係され、フリッパーバー6を第1位置および第2位置に変位させる。硬質部材20はブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、その先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつ該ブラシローラに当接されている。
【0041】
フリッパーバー6の第1位置はシリンダ洗浄時において、硬質部材20をブラシローラ4に浅く当接させる(図13の状態)。フリッパーバー6の第2位置はシリンダ非洗浄時において、硬質部材20をブラシローラ4に深く当接させる(図14の状態)。このシリンダ非洗浄時にはブラシローラ4に付着したシリンダ表面から除去された異物を離脱させ、ブラシローラ4をクリーニングする。
【0042】
フリッパーバー可変手段40について図1および図15を参照しながら説明する。図15は図1のII−II矢視の側面図である。図1において、フリッパーバー6の軸端には作動レバー41の基部42が取着されており、この作動レバー41の中間にエアシリンダ43のピストンロッド43aに固定された二山のナックル44がピン45により可動自在に連結されている。作動レバー41の自由端近傍はフリッパーバー6の可動範囲を規制する為のストッパーが配置されている。ストッパーはフリッパーバー6の第1位置を規制する第1ストッパー46とフリッパーバー6の第2位置を規制する第2ストッパー47が設けられている。
【0043】
エアシリンダ43のピストンロッド43aの突出により作動レバー41が揺動してフリッパーバー6を変位させる。作動レバー41が第1ストッパー46に突き当たるとフリッパーバー6を第1位置に規制し、硬質部材20を図13に示すブラシローラ4に浅く当接させる。一方エアシリンダ43のピストンロッド43aの引込みにより作動レバー41が揺動してフリッパーバー6を変位させる。作動レバー41が第2ストッパー47に突き当たるとフリッパーバー6を第2位置に規制し、硬質部材20を図14に示すブラシローラ4に深く当接させる。
【0044】
上記のフリッパーバーの具体例においては、板状の硬質部材を用いているが、断面多角形の部材で構成することもできる。またフリッパーバー可変手段の実施例は長尺棒状の軸体を回転可能に支持し、フリッパーバーを回動させる構成により説明したが、他の形態としてはアームの一端を枢着し、他端に硬質部材を支持し、アームを揺動させ、ブラシローラ4に対する当接状態を可変する構造、或いは直線的な往復運動によりブラシローラ4に近づけたり、或いは遠ざけたりさせ、ブラシローラ4に対する当接状態を可変する構造などが適宜選択できる。
【0045】
吸引手段7はブラシローラ4と受け皿3とシリンダ洗浄装置のフレーム2とで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引する機能を有する。この機能は圧縮空気によるベンチュリー効果を利用する方式、真空を利用する方式、或いは小型ファンを使う方式などで実現される。ここでは圧縮空気によるベンチュリー効果を利用する方式の具体例を説明する。
【0046】
図16は洗浄液ミストの吸引手段と液状化手段の一実施例を示す断面図である。吸引手段7はブラシローラ4の背部の垂直壁13で仕切られた区画室にブラシローラ4の長手方向に複数配置されている。複数の吸引手段7は同一構造を採用しているので、ここでは1つの吸引手段7について説明する。
【0047】
吸引管70は垂直壁13を貫通し、ブラシローラ4と受け皿3とシリンダ洗浄装置のフレーム2とで囲まれた空間50に開口する吸引口71を有する。ノズルブロック72には吸引管70に通じる通路と、その通路に交差する通路とが形成されている。交差する通路の一方側はノズル73が配設されており、圧縮空気源から供給される圧縮空気を通路の交差部に噴出し、この交差部にベンチュリー効果を利用して負圧を発生させる。交差する通路の他方側は出口74に向けて絞られ、吸引した洗浄液ミストを圧縮空気と共に後述の液状化手段8へ吐き出す。
【0048】
液状化手段8は複数の吸引手段7の共通の処理部として構成されており、上部はそれぞれの吸引手段7に接続されている。図1においては1つの吸引手段7が描かれており、他の吸引手段は連通管75によって接続されている。チャンバー80は上方が閉じられ、下方が開放されて受け皿3の第2受け皿部32に位置されている。チャンバー80の上部には吸引手段の出口74が配置され、下部にバッフルプレート又は金網で構成される液状化部81が配置されている。吸引手段7により吸引した洗浄液ミストをチャンバー80内に捕集し、液状化部81を通過中に液化させ、第2受け皿部32に滴下させる。
【0049】
ブラシローラ駆動手段9は図1に示すようにブラシローラ軸4aに取り付けた従動プ―リーと、モータ90の回転軸に取り付けた主プーリーとの間にベルト91を懸け、モータ90の回転をベルト91を介してブラシローラ4に伝えるよう構成されている。
【0050】
次に本実施例の作用を説明する。
フリッパーバー6を第1位置に回動させ、硬質部材20をブラシローラ4に浅く当接させる。ブラシユニット1をシリンダ方向に移動させ、回転しているブラシローラ4をシリンダ表面に接触させると共に、スプレーバー5の可撓管10aと10bから供給される洗浄液をブラシローラ4を介してシリンダ表面に与える。この状態でブラシローラ4はシリンダ表面を洗浄する。シリンダ洗浄時には図2に示す方向にブラシローラ4が回転し、シリンダ表面に付着している異物を除去する。ブラシローラ4に付いた異物はフリッパーバー6の硬質部材20によって洗浄液と共に下方に飛ばされ、ユニット開口から受け皿3の第1受け皿部31に落下する。第1受け皿31では境界壁33により固形物又は粒子状物質が分離されて洗浄廃液のみを開口34から第2受け皿32に排出する。
【0051】
同時に、吸引手段7の動作により空間50に浮遊している洗浄液ミストを吸引し、液状化手段8に捕集し、液化して第2受け皿32に滴下させる。第2受け皿32に入った第1受け皿31からの洗浄廃液と液状化手段8で液化された洗浄液ミストの液体は排液口35から外部に連続的に排出され、装置外に設備された洗浄廃液処理部へ送られる。
【0052】
シリンダ洗浄が終了すると洗浄液の供給を停止させ、ブラシローラ4をシリンダ表面から離し待機位置にシリンダ洗浄装置を後退させた後、フリッパーバー6を第2位置に回動させ、硬質部材20を回転しているブラシローラ4に深く当接させる。スプレーバー5の可撓管10cから洗浄液をフリッパーバー6の硬質部材20の先端部をめがけて供給し、硬質部材20で広げられたブラシローラ4のブラシの奥に洗浄液を与えることで、ブラシの奥に侵入した異物が洗浄される。
【0053】
【発明の効果】
本発明の洗浄液供給装置によれば、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成り、該可撓部に液圧により開口するノズル穴を穿設しているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。また可撓管を用いるので、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。
【0054】
本発明のブラシユニットによれば、複数の可撓管を並列させかつ隣接する管が接合により一体化された可撓管を用いているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。また可撓管を用いるので、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。更に複数の可撓管から洗浄液および/または水を選択的に供給するので、シリンダ表面に付着している異物を除去するのに必要な洗浄液、或いは水の最適な量をブラシローラに供給することができる。
【0055】
本発明のシリンダ洗浄装置によれば、メンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を軽減できるので、作業効率、労働安全、生産性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダ洗浄装置の主要部を示す平面図である。
【図2】図1のI−I断面図である。
【図3】受け皿の一部破断した平面図である。
【図4】受け皿の一部破断した正面図である。
【図5】図3の左側面図である。
【図6】図3の右側面図である。
【図7】可撓管構造のスプレーバーの平面図である。
【図8】可撓管にノズル穴を開ける加工と非加圧時に弾性変形により閉口するノズル穴の説明図である。
【図9】加圧時の弾性変形により開口するノズル穴の説明図である。
【図10】複数本の可撓管で構成されるスプレーバーを示す図である。
【図11】スプレーバーの他の実施形態を説明するための具体例を示す図である。
【図12】スプレーバーの他の具体例を示す図である。
【図13】フリッパーバーの硬質部材をブラシローラに浅く当接させた状態を示す図である。
【図14】フリッパーバーの硬質部材をブラシローラに深く当接させた状態を示す図である。
【図15】図1のII−II矢視の側面図である。
【図16】洗浄液ミストの吸引手段と液状化手段の一実施例を示す断面図である。
【図17】従来のシリンダ洗浄装置の側面図である。
【図18】従来のシリンダ洗浄装置の斜視図である。
【符号の説明】
1…ブラシユニット、2…フレーム、3…受け皿、4…ブラシローラ、5…スプレーバー、6…フリッパーバー、7…吸引手段、8…液状化手段、9…ブラシローラ駆動手段、10a〜10c…可撓管、20…硬質部材、31…第1受け皿部、32…第2受け皿部、33…境界壁、70…吸引手段の吸引管、73…吸引手段のノズル、80…液状化手段のチャンバー、81…液状化手段の液状化部。
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷機、製紙機、紙加工機、繊維機械などの加工機のシリンダ(ローラを含む)等の洗浄対象の表面に付着した異物を除去する為の洗浄液供給装置およびブラシユニットおよびシリンダ洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、各種印刷機のシリンダ表面には、印刷紙粉等の汚れが付着するため、高い印刷品質を維持するためには周期的にシリンダ表面を洗浄する必要がある。この洗浄を自動的に行う装置としては、従来から種々の装置が提案されている。
図17は従来のシリンダ洗浄装置の側面図、図18は斜視図である。シリンダ洗浄装置は、ブラシローラ101がフレーム102に回転可能に支持され、ブラシローラ101の後方上部に溶剤を噴射する溶剤用ノズル103と水を噴射する水用ノズル104が設けられており、ブラシローラ101の後方下部にはフレーム102に固定されたステー105にフリッパーバー106が取り付けられている。ブラシローラ101とノズル103,104の上方にはノズルを覆うようにカバー107が設けられている。ブラシローラ101の下部域にはブラシローラ101でシリンダ100の表面に付着した異物と共に掻き取られた洗浄廃液を受ける受け皿108が配設されている。受け皿108は、排液口109を有し、この排液口109からドレインパイプ110を通して排出される。符号111はブラシローラ101を回転駆動するモータ等の駆動装置である。
一方、上記洗浄廃液のドレイン機構が配備されていない受け皿を使用する場合は、受け皿に溜まった洗浄廃液を別容器に移し廃棄処分される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来のシリンダ洗浄装置においては次に述べるような問題があった。先ず、第1の課題はブラシローラへの洗浄液供給はノズルを使用しているので、設備費が高かったり、ノズルのオリフィスが詰まってその取替えおよび掃除のために洗浄装置を取り外して解体しなければならない。その対策として金属製管に微細な穴を開けたノズル手段を用いる事も行なわれているが、0.4mm程度の微細な穴を開けるのに細いドリルやレーザー装置を使用するため、高価なノズル手段となる。また、微細な穴には微細なダストが侵入し、それを阻止するための有効な手段が無かった。
【0004】
第2の課題はシリンダ表面から掻き取ったダスト等を付着したブラシローラに接触して、そのブラシの表面からダスト等を離脱させるフリッパーバーに耐磨耗性の優れた硬質な部材及び構造であることが求められるので重い部材となってしまい、ブラシユニットの重量を増加させ、ブラシユニットが扱い難くなってしまう要因の1つになっている。また、ブラシの表面から離脱させられたダスト等がフリッパーバー及びその周囲に付着し、それが増大するという問題があった。
【0005】
第3の課題はノズル等から洗浄液をブラシローラに供給する際、或いは洗浄液を含んだダスト等をフリッパーバーによりブラシの表面から離脱させる際に、洗浄液が微細なミスト状(洗浄液ミスト)となり、これがシリンダ洗浄装置の外部に漏洩すると作業環境を悪化させる。ブラシローラをフレームで良く包囲しシリンダとの隙間もブラシ等でシールして、これらのミストの漏洩を防止する対策は取られるが、完全な漏洩防止は困難である。
【0006】
第4の課題はドレイン機構が配備されていない受け皿を使用した場合に、受け皿を所定の位置から頻繁に取り外し、その受け皿に溜まった洗浄廃液を溢さないように注意深く別容器に移さなければならず、かつ異物により汚れた受け皿内部を洗浄するという時間と労力を要する汚れ仕事を必要とし多数のブラシユニットを取り付けた機械においては作業員に多大な負担となっている。
また、ドレイン機構を配備した受け皿においては通常ドレイン機構にドレインパイプを接続し、このドレインパイプを通して洗浄廃液を別容器に移しているが、洗浄廃液中の異物がドレインパイプの内壁に付着堆積し、パイプ内部を詰まらせ受け皿に落ちる溶剤が充分ドレインできなくなり、オーバーフローする原因となっていると共に、詰まったドレイン機構、ドレインパイプの洗浄は時間及び労力を伴う汚れ仕事を必要とし、パイプの交換を必要とすることもある。
【0007】
本発明の目的はコストが低く、開口部のダストによる閉鎖トラブルが無く、シリンダ洗浄装置用として好適な洗浄液供給装置を提供することにある。
本発明の他の目的は軽量で、フリッパーバーへのダスト等の付着・増大を抑え、ブラシローラの再生を可能にしたブラシユニットを提供することにある。
本発明の他の目的は洗浄液ミストの漏洩を防止し、作業環境の保全を可能にしたブラシユニットを提供することにある。
本発明の他の目的はメンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を解決することで、作業効率、労働安全、生産性向上を図ったシリンダ洗浄装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、シリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄装置に使用される洗浄液供給装置であって、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成り、該可撓部にノズル穴を有するスプレーバーを備え、ノズル穴は洗浄液供給時の液圧による可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には可撓部の弾性変形により閉口することを特徴とする。
請求項1によれば、液圧によって弾性変形する可撓部には液圧により開口するノズル穴を穿設しているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。また、スプレーバーに全部を可撓部として形成された管状体を用い、その可撓性を利用することで、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。また、
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、スプレーバーが複数の可撓部を配置した管状体で構成されていることを特徴とする。
請求項2によれば、可撓部のみの交換が可能なので、特定の可撓部によるスプレーに不具合が発生した際に、該当する可撓部の取替え作業が容易である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1において、スプレーバーは弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする。
請求項3によれば、複数の可撓管を一体化して他部材によりブラシユニットに固定されるので、1本だけの管状体を用いる場合に比べると複数の管状体からスプレーされる流体の吐き出し方向が安定する為、効果的な洗浄が可能となる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの項において、ノズル穴は針工具を刺して穿設されていることを特徴とする。
請求項4によれば、レーザー等の特別な加工でないから製造コストが安くなる。
【0012】
請求項5の発明に係るシリンダ洗浄用ブラシユニットは、請求項2または3に記載された洗浄液供給装置と、シリンダ表面に付着した異物を除去するブラシローラとを備え、前記洗浄液供給装置は複数の管状体から成るスプレーバーを有し、各管状体が洗浄液および/または水を供給することを特徴とする。
請求項5によれば、複数の管状体から洗浄液および/または水を選択的に供給することができるので、シリンダ表面に付着している異物を除去するのに必要な洗浄液、或いは水の最適な量をブラシローラに供給することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5において、フリッパーバーがブラシローラの長手方向に沿って配置され、該ブラシローラに当接する硬質部材を有し、前記硬質部材の先端部に洗浄液供給装置の複数の管状体の内の少なくとも1つの管状体のノズル穴が向けられていることを特徴とする。
請求項6によれば、上記請求項5の作用を生ずると共に、フリッパーバーの硬質部材の先端部に洗浄液、或いは水を供給することにより該先端部が洗浄され、ダスト等が付着し、増大するトラブルを防止できる。
【0014】
請求項7の発明は、洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するブラシユニットにおいて、ブラシローラの長手方向に沿って変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に硬質部材を固定した長尺棒状のフリッパーバーと、フリッパーバーを第1位置および第2位置に変位させるフリッパーバー可変手段とを備え、第1位置が硬質部材をブラシローラに浅く当接させ、第2位置が硬質部材をブラシローラに深く当接させ、該ブラシローラに付着したシリンダ表面から除去された異物を離脱させることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7において、洗浄液供給装置が洗浄液を供給するスプレーバーを備え、該スプレーバーは洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該可撓部に穿設された複数のノズル穴が洗浄液供給時の液圧による当該可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には当該可撓部の弾性変形により閉口することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8において、スプレーバーは弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする。
【0017】
請求項7〜9によれば、フリッパーバーを変位させることにより硬質部材のブラシローラへの接触の程度を簡単に調整できる。特に長尺棒状部材として軽量な部材が選択できるのでブラシユニットの軽量化も可能となる。ブラシローラに対する硬質部材の当接状態はフリッパーバーの可変操作によってシリンダ洗浄時に浅く当接させ、後退させて洗浄しない時に深く当接させるので、シリンダ表面の洗浄とブラシローラの再生を行なうことできる。
【0018】
請求項10の発明は、請求項7において、硬質部材が板状に形成されていると共に、ブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されていることを特徴とする。
請求項10によれば、硬質部材の先端部におけるブラシローラに付着したダスト等の離脱が良くなり、硬質部材へのダスト等の付着・増大を極力抑えられ、安定したシリンダ洗浄が行なえる。
【0019】
請求項11の発明は、洗浄液供給装置から洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄用ブラシユニットにおいて、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていると共に、洗浄液供給時の液圧による可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴が当該可撓部に有するスプレーバーと、ブラシローラに対して変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に板状の硬質部材を固定し、該硬質部材がブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されているフリッパーバーと、硬質部材をブラシローラに浅く当接させる第1位置および硬質部材をブラシローラに深く当接させる第2位置に前記フリッパーバーを変位させるフリッパーバー可変手段とを備え、硬質部材の先端部にスプレーバーの少なくとも1つの管状体のノズル穴が向けられていることを特徴とする。
請求項11によれば、液圧によって弾性変形する可撓部には液圧により開口するノズル穴を穿設しているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。
また、液圧によって弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された管状体を用いると、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。更に可撓性を有する複数の管状体を一体化して他部材によりブラシユニットに固定されるので、1本だけの管状体を用いる場合に比べると複数の管状体からスプレーされる流体の吐き出し方向が安定する為、効果的な洗浄が可能となる。
また、フリッパーバーの硬質部材の先端部に洗浄液、或いは水を供給することにより該先端部が洗浄され、ダスト等が付着し、増大するトラブルを防止できる。
また、フリッパーバーを変位させることにより硬質部材のブラシローラへの接触の程度を簡単に調整できる。特に長尺棒状部材として軽量な部材が選択できるのでブラシユニットの軽量化も可能となる。ブラシローラに対する硬質部材の当接状態は、フリッパーバーの可変操作によってシリンダ洗浄時に浅く当接させ、後退させて洗浄しない時に深く当接させるので、シリンダ表面の洗浄とブラシローラの再生を行なうことできる。
【0020】
請求項12の発明は、洗浄液を供給し、ブラシローラにより洗浄対象の表面に付着した異物を除去するブラシユニットにおいて、ブラシローラと受け皿とシリンダ洗浄装置のフレームとで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引する吸引手段と、吸引手段により吸引した洗浄液ミストを捕集し、液状にする液状化手段とを装備したことを特徴とする。
【0021】
請求項13の発明は、請求項12において、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成るスプレーバーを備え、可撓部には洗浄液供給時の液圧による当該可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には当該可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴を有することを特徴とする。
【0022】
請求項14の発明は、請求項13において、スプレーバーは全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする。
【0023】
請求項15の発明は、請求項12〜14のいずれかの項において、ブラシローラに対して変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に硬質部材を固定した長尺棒状のフリッパーバーと、フリッパーバーを第1位置および第2位置に変位させるフリッパーバー可変手段とを備え、第1位置が前記硬質部材をブラシローラに浅く当接させ、第2位置が硬質部材を前記ブラシローラに深く当接させ、該ブラシローラに付着した前記シリンダ表面から除去された異物を離脱させることを特徴とする。
請求項15によれば、ブラシローラが良く自己洗浄されるので、メンテナンスの間隔を広げられてメンテナンス業務としての時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を軽減できる。
【0024】
請求項16の発明は、請求項15において、硬質部材が板状に形成されていると共に、ブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されていることを特徴とする。
【0025】
請求項17の発明は、請求項16において、硬質部材の先端部には洗浄液および/または水が供給されることを特徴とする。
【0026】
請求項18の発明は、請求項17において、洗浄液が硬質部材の先端部に向けられたノズル穴を有する管状体から供給されると共に、管状体は弾性変形する材料で全部が可撓部として形成されており、複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化された管構造の1つとして設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項12〜18によれば、ブラシローラと受け皿とシリンダ洗浄装置のフレームとで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引することによりシリンダ洗浄装置の外部へ洗浄液ミストの漏洩を防止でき、作業環境を悪化させない。
【0028】
請求項19の発明に係るシリンダ洗浄装置は、請求項12〜18のいずれかの項において、ブラシローラの下部域に位置し、フレームに着脱可能に配備される受け皿を備え、受け皿はシリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を受ける第1受け皿部と、該第1受け皿部と隣接し、その境界壁の両端に連絡開口を設け、該境界壁により固形、又は粒子状物質を分離した洗浄廃液および液状化手段で作られる液体を受ける第2受け皿部とから構成されていることを特徴とする。
請求項19によれば、洗浄廃液の中の固形、又は粒子状物質は第1受け皿部に収容し、残りの液体部分が第2受け皿部に分離されて排出口から外部に連続的に排出され、洗浄廃液の分別処理を容易にすることができるのでメンテナンス業務が軽減され、一方ブラシユニット内で発生する洗浄液ミストを液化して第2受け皿に収容することで、洗浄液ミストの装置外への漏洩による作業環境の悪化を少なくできる。
【0029】
請求項20の発明は、洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄用ブラシユニットのフレームの下部域に位置して配備され、前記シリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を収容する受け皿を備えたシリンダ洗浄装置において、洗浄廃液を受ける第1受け皿部と、該第1受け皿部と隣接し、その境界壁の両端に連絡開口を設け、該境界壁により固形、又は粒子状物質を分離した洗浄廃液を受ける第2受け皿部とから構成されていることを特徴とする。
請求項20によれば、洗浄廃液の中の固形、又は粒子状物質は第1受け皿部に収容し、残りの液体部分が第2受け皿部に分離されて排出口から外部に連続的に排出され、洗浄廃液の分別処理を容易にすることができる。
【0030】
請求項21の発明は、請求項20記載のシリンダ洗浄装置において、請求項5〜10のいずれかに記載されたブラシユニットを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を軽減することで、作業効率、労働安全、生産性向上が図れる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のブラシユニットの実施例を図面を参照して説明する。図1はシリンダ洗浄装置の主要部を示す平面図、図2は図1のI−I断面図である。ここでは、洗浄に使用する洗浄液および/または水を、単に洗浄液で総称する。本実施例はブラシユニット1と、このブラシユニット1のフレーム2の下部に位置して洗浄廃液を収容する受け皿3とからシリンダ洗浄装置が構成されており、被洗浄回転体としてシリンダの方向に進退可能に設置される。
【0032】
ブラシユニット1の主要部はシリンダ表面を洗浄する為に、回転可能に支持されたブラシローラ4、洗浄液供給装置のスプレーバー5、ブラシローラ4の背部に配置されたフリッパーバー6、ブラシローラ4と受け皿3とシリンダ洗浄装置のフレーム2とで囲まれた空間に飛散する洗浄液ミストを吸引する吸引手段7、吸引した洗浄液ミストを液化する液状化手段8、およびブラシローラ4を回転駆動するブラシローラ駆動手段9が装備されている。
【0033】
上記の各部を詳しく説明する。図3は受け皿の一部破断した平面図、図4は受け皿の一部破断した正面図、図5は図3の左側面図、図6は図3の右側面図である。受け皿3は図2に示すようにブラシローラ4の下部域51に位置し、フレーム2aに着脱可能に配備される。図3において、受け皿3はシリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を受容する第1受け皿部31、この第1受け皿部31に隣接して、固形物又は粒子状物質を分離した洗浄廃液および後述の液状化手段で作られる液体を受容する第2受け皿部32により構成されている。
【0034】
第1受け皿部31と第2受け皿部32とを区画する境界壁33にはその両側端近傍に連絡開口34が形成されており、境界壁33により固形物又は粒子状物質が分離されて洗浄廃液が第2受け皿部32に収容される。第2受け皿部32の一方の側壁の下部には排液口35が設けられており、皿底が排液口35に向けて傾斜している。受け皿3の側壁上部にはブラシユニット1に受け皿3を水平に挿し込んで装着する為の支持部36が設けられている。
【0035】
スプレーバー5は洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体10を、少なくとも1または複数本によって構成されている。弾性変形する材料としては、例えばポリウレタン、ナイロン、フッ素系樹脂(テフロン(登録商標))、シリコンゴム、ポリエチレン等の高分子材料が用いられる。図7において、弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された管状体10(以下、可撓管と記す)には洗浄液供給時の液圧で開口すると共に、非洗浄液供給時には材料の弾性復元力により閉口するよう穿設された複数のノズル穴11が設けられている。ノズル穴11は、図8に示す針工具12で可撓管10を刺して穿設される。非洗浄液供給時には、図8に示す如く材料の弾性復元力により閉口され、一方洗浄液供給時にはその液圧により可撓管10の径が大になるよう弾性変形し、図9に示すよう開口し、洗浄液が噴出する。
【0036】
スプレーバー5を複数本の可撓管により構成する場合は、例えば図10に示すように3本の可撓管10a、10b、10cを並列させかつ隣接する管が接合16により一体化されている。このスプレーバー5をブラシユニット1に適用した実施例を図2により説明する。ブラシローラ4の背部のフレームの垂直壁13にはブラシローラ4の長手方向に3本の可撓管10a、10b、10cを沿わせて配管する為の上部取付体14が固定される。上部取付体14の先端には可撓管10cを当てる円弧状の受け部14aが設けられている。下部取付体15は可撓管10cを下方から支える円弧状の受け部15aが設けられており、上部取付体14に対して上下に移動可能に支持され、下方の重なり合った部分でネジ止めされる。
【0037】
一体化された可撓管からなるスプレーバー5を配設する際には下部取付体15の固定を解除して円弧状の受け部15aを下方に移動させ、受け部14aと15aの間を広げ、スプレーバー5をブラシローラ4の長手方向でかつ垂直壁13に沿わせて配置した後、下部取付体15を上に移動させ、受け部15aで可撓管10cを下から支えるようにしてネジ止めする。可撓管10a、10bのノズル穴はフリッパーバー6より下流側のブラシローラ4に洗浄液を供給するように向けられている。可撓管10cのノズル穴は硬質部材20の先端部に洗浄液を供給するように向けられている。
【0038】
洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部を可撓部として形成された管状体から成るスプレーバーの具体例を説明する。図11に示すスプレーバーは、金属管などの剛性を有する管状体10に、管軸方向に沿ったスリット状の開口17を設け、この開口17に洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で作られたシート18を貼着して可撓部19を形成し、この可撓部19にノズル穴11が穿設されている。
【0039】
図12に示すスプレーバーは、複数の可撓部22を配置した管状体10で構成されており、金属管などの剛性を有する管状体10にはフランジ付きのノズル取付部21を設け、上記の材料で作られた可撓部22をフランジに合わせて、取付け金具23で挟むようにしてネジ24止めされている。
【0040】
フリッパーバー6は、図1に示すようにブラシローラ4に対して変位可能に配置され、ブラシローラ4に当接する板状の硬質部材20を有する。フリッパーバー6は断面が円形の長尺棒状の軸体構造で、その一部を削除した面に硬質部材20が固定されており、フレームの側壁2aを貫通した軸端はフリッパーバー可変手段40に連係され、フリッパーバー6を第1位置および第2位置に変位させる。硬質部材20はブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、その先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつ該ブラシローラに当接されている。
【0041】
フリッパーバー6の第1位置はシリンダ洗浄時において、硬質部材20をブラシローラ4に浅く当接させる(図13の状態)。フリッパーバー6の第2位置はシリンダ非洗浄時において、硬質部材20をブラシローラ4に深く当接させる(図14の状態)。このシリンダ非洗浄時にはブラシローラ4に付着したシリンダ表面から除去された異物を離脱させ、ブラシローラ4をクリーニングする。
【0042】
フリッパーバー可変手段40について図1および図15を参照しながら説明する。図15は図1のII−II矢視の側面図である。図1において、フリッパーバー6の軸端には作動レバー41の基部42が取着されており、この作動レバー41の中間にエアシリンダ43のピストンロッド43aに固定された二山のナックル44がピン45により可動自在に連結されている。作動レバー41の自由端近傍はフリッパーバー6の可動範囲を規制する為のストッパーが配置されている。ストッパーはフリッパーバー6の第1位置を規制する第1ストッパー46とフリッパーバー6の第2位置を規制する第2ストッパー47が設けられている。
【0043】
エアシリンダ43のピストンロッド43aの突出により作動レバー41が揺動してフリッパーバー6を変位させる。作動レバー41が第1ストッパー46に突き当たるとフリッパーバー6を第1位置に規制し、硬質部材20を図13に示すブラシローラ4に浅く当接させる。一方エアシリンダ43のピストンロッド43aの引込みにより作動レバー41が揺動してフリッパーバー6を変位させる。作動レバー41が第2ストッパー47に突き当たるとフリッパーバー6を第2位置に規制し、硬質部材20を図14に示すブラシローラ4に深く当接させる。
【0044】
上記のフリッパーバーの具体例においては、板状の硬質部材を用いているが、断面多角形の部材で構成することもできる。またフリッパーバー可変手段の実施例は長尺棒状の軸体を回転可能に支持し、フリッパーバーを回動させる構成により説明したが、他の形態としてはアームの一端を枢着し、他端に硬質部材を支持し、アームを揺動させ、ブラシローラ4に対する当接状態を可変する構造、或いは直線的な往復運動によりブラシローラ4に近づけたり、或いは遠ざけたりさせ、ブラシローラ4に対する当接状態を可変する構造などが適宜選択できる。
【0045】
吸引手段7はブラシローラ4と受け皿3とシリンダ洗浄装置のフレーム2とで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引する機能を有する。この機能は圧縮空気によるベンチュリー効果を利用する方式、真空を利用する方式、或いは小型ファンを使う方式などで実現される。ここでは圧縮空気によるベンチュリー効果を利用する方式の具体例を説明する。
【0046】
図16は洗浄液ミストの吸引手段と液状化手段の一実施例を示す断面図である。吸引手段7はブラシローラ4の背部の垂直壁13で仕切られた区画室にブラシローラ4の長手方向に複数配置されている。複数の吸引手段7は同一構造を採用しているので、ここでは1つの吸引手段7について説明する。
【0047】
吸引管70は垂直壁13を貫通し、ブラシローラ4と受け皿3とシリンダ洗浄装置のフレーム2とで囲まれた空間50に開口する吸引口71を有する。ノズルブロック72には吸引管70に通じる通路と、その通路に交差する通路とが形成されている。交差する通路の一方側はノズル73が配設されており、圧縮空気源から供給される圧縮空気を通路の交差部に噴出し、この交差部にベンチュリー効果を利用して負圧を発生させる。交差する通路の他方側は出口74に向けて絞られ、吸引した洗浄液ミストを圧縮空気と共に後述の液状化手段8へ吐き出す。
【0048】
液状化手段8は複数の吸引手段7の共通の処理部として構成されており、上部はそれぞれの吸引手段7に接続されている。図1においては1つの吸引手段7が描かれており、他の吸引手段は連通管75によって接続されている。チャンバー80は上方が閉じられ、下方が開放されて受け皿3の第2受け皿部32に位置されている。チャンバー80の上部には吸引手段の出口74が配置され、下部にバッフルプレート又は金網で構成される液状化部81が配置されている。吸引手段7により吸引した洗浄液ミストをチャンバー80内に捕集し、液状化部81を通過中に液化させ、第2受け皿部32に滴下させる。
【0049】
ブラシローラ駆動手段9は図1に示すようにブラシローラ軸4aに取り付けた従動プ―リーと、モータ90の回転軸に取り付けた主プーリーとの間にベルト91を懸け、モータ90の回転をベルト91を介してブラシローラ4に伝えるよう構成されている。
【0050】
次に本実施例の作用を説明する。
フリッパーバー6を第1位置に回動させ、硬質部材20をブラシローラ4に浅く当接させる。ブラシユニット1をシリンダ方向に移動させ、回転しているブラシローラ4をシリンダ表面に接触させると共に、スプレーバー5の可撓管10aと10bから供給される洗浄液をブラシローラ4を介してシリンダ表面に与える。この状態でブラシローラ4はシリンダ表面を洗浄する。シリンダ洗浄時には図2に示す方向にブラシローラ4が回転し、シリンダ表面に付着している異物を除去する。ブラシローラ4に付いた異物はフリッパーバー6の硬質部材20によって洗浄液と共に下方に飛ばされ、ユニット開口から受け皿3の第1受け皿部31に落下する。第1受け皿31では境界壁33により固形物又は粒子状物質が分離されて洗浄廃液のみを開口34から第2受け皿32に排出する。
【0051】
同時に、吸引手段7の動作により空間50に浮遊している洗浄液ミストを吸引し、液状化手段8に捕集し、液化して第2受け皿32に滴下させる。第2受け皿32に入った第1受け皿31からの洗浄廃液と液状化手段8で液化された洗浄液ミストの液体は排液口35から外部に連続的に排出され、装置外に設備された洗浄廃液処理部へ送られる。
【0052】
シリンダ洗浄が終了すると洗浄液の供給を停止させ、ブラシローラ4をシリンダ表面から離し待機位置にシリンダ洗浄装置を後退させた後、フリッパーバー6を第2位置に回動させ、硬質部材20を回転しているブラシローラ4に深く当接させる。スプレーバー5の可撓管10cから洗浄液をフリッパーバー6の硬質部材20の先端部をめがけて供給し、硬質部材20で広げられたブラシローラ4のブラシの奥に洗浄液を与えることで、ブラシの奥に侵入した異物が洗浄される。
【0053】
【発明の効果】
本発明の洗浄液供給装置によれば、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成り、該可撓部に液圧により開口するノズル穴を穿設しているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。また可撓管を用いるので、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。
【0054】
本発明のブラシユニットによれば、複数の可撓管を並列させかつ隣接する管が接合により一体化された可撓管を用いているので、洗浄液を供給しない時(非加圧時)には閉口された状態となり、外部からの異物による目詰まりを防止できる。また可撓管を用いるので、スプレーする場所に制限が無く、かつ故障などによる取替え作業が容易である。更に複数の可撓管から洗浄液および/または水を選択的に供給するので、シリンダ表面に付着している異物を除去するのに必要な洗浄液、或いは水の最適な量をブラシローラに供給することができる。
【0055】
本発明のシリンダ洗浄装置によれば、メンテナンス業務として時間、労力、費用のかかる汚れ仕事を軽減できるので、作業効率、労働安全、生産性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダ洗浄装置の主要部を示す平面図である。
【図2】図1のI−I断面図である。
【図3】受け皿の一部破断した平面図である。
【図4】受け皿の一部破断した正面図である。
【図5】図3の左側面図である。
【図6】図3の右側面図である。
【図7】可撓管構造のスプレーバーの平面図である。
【図8】可撓管にノズル穴を開ける加工と非加圧時に弾性変形により閉口するノズル穴の説明図である。
【図9】加圧時の弾性変形により開口するノズル穴の説明図である。
【図10】複数本の可撓管で構成されるスプレーバーを示す図である。
【図11】スプレーバーの他の実施形態を説明するための具体例を示す図である。
【図12】スプレーバーの他の具体例を示す図である。
【図13】フリッパーバーの硬質部材をブラシローラに浅く当接させた状態を示す図である。
【図14】フリッパーバーの硬質部材をブラシローラに深く当接させた状態を示す図である。
【図15】図1のII−II矢視の側面図である。
【図16】洗浄液ミストの吸引手段と液状化手段の一実施例を示す断面図である。
【図17】従来のシリンダ洗浄装置の側面図である。
【図18】従来のシリンダ洗浄装置の斜視図である。
【符号の説明】
1…ブラシユニット、2…フレーム、3…受け皿、4…ブラシローラ、5…スプレーバー、6…フリッパーバー、7…吸引手段、8…液状化手段、9…ブラシローラ駆動手段、10a〜10c…可撓管、20…硬質部材、31…第1受け皿部、32…第2受け皿部、33…境界壁、70…吸引手段の吸引管、73…吸引手段のノズル、80…液状化手段のチャンバー、81…液状化手段の液状化部。
Claims (21)
- シリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄装置に使用される洗浄液供給装置であって、
洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成り、該可撓部にノズル穴を有するスプレーバーを備え、前記ノズル穴は洗浄液供給時の液圧による前記可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には前記可撓部の弾性変形により閉口することを特徴とする洗浄液供給装置。 - 請求項1において、スプレーバーが複数の可撓部を配置した管状体で構成されていることを特徴とする洗浄液供給装置。
- 請求項1において、スプレーバーは弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とする洗浄液供給装置。
- 請求項1〜3のいずれかの項において、ノズル穴は針工具を刺して穿設されていることを特徴とする洗浄液供給装置。
- 請求項2または3に記載された洗浄液供給装置と、シリンダ表面に付着した異物を除去するブラシローラとを備え、前記洗浄液供給装置は複数の管状体から成るスプレーバーを有し、各管状体が洗浄液および/または水を供給することを特徴とするシリンダ洗浄用ブラシユニット。
- 請求項5において、フリッパーバーがブラシローラの長手方向に沿って配置され、該ブラシローラに当接する硬質部材を有し、前記硬質部材の先端部に洗浄液供給装置の複数の管状体の内の少なくとも1つの可撓管のノズル穴が向けられていることを特徴とするシリンダ洗浄用ブラシユニット。
- 洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するブラシユニットにおいて、
前記ブラシローラの長手方向に沿って変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に硬質部材を固定した長尺棒状のフリッパーバーと、
前記フリッパーバーを第1位置および第2位置に変位させるフリッパーバー可変手段と、を備え、
前記第1位置が前記硬質部材を前記ブラシローラに浅く当接させ、第2位置が前記硬質部材を前記ブラシローラに深く当接させ、該ブラシローラに付着した前記シリンダ表面から除去された異物を離脱させることを特徴とするブラシユニット。 - 請求項7において、洗浄液供給装置が洗浄液を供給するスプレーバーを備え、該スプレーバーは洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該可撓部に穿設された複数のノズル穴が洗浄液供給時の液圧による当該可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には当該可撓部の弾性変形により閉口することを特徴とするブラシユニット。
- 請求項8において、スプレーバーは弾性変形する材料で全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とするブラシユニット。
- 請求項7において、硬質部材が板状に形成されていると共に、ブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部を前記ブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されていることを特徴とするブラシユニット。
- 洗浄液供給装置から洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄用ブラシユニットにおいて、
前記洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていると共に、洗浄液供給時の液圧による前記可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には前記可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴が当該可撓部に有するスプレーバーと、
ブラシローラに対して変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に板状の硬質部材を固定し、該硬質部材がブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部をブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されているフリッパーバーと、
前記硬質部材を前記ブラシローラに浅く当接させる第1位置および前記硬質部材を前記ブラシローラに深く当接させる第2位置に前記フリッパーバーを変位させるフリッパーバー可変手段と、を備え、
前記硬質部材の先端部に、前記スプレーバーの少なくとも1つの管状体のノズル穴が向けられていることを特徴とするブラシユニット。 - 洗浄液を供給し、ブラシローラにより洗浄対象の表面に付着した異物を除去するブラシユニットにおいて、
ブラシローラと受け皿とシリンダ洗浄装置のフレームとで囲まれた空間に浮遊する洗浄液ミストを吸引する吸引手段と、前記吸引手段により吸引した洗浄液ミストを捕集し、液状にする液状化手段と、を装備したことを特徴とするブラシユニット。 - 請求項12において、洗浄液を供給する液圧によって弾性変形する材料で一部または全部を可撓部として形成された管状体から成るスプレーバーを備え、前記可撓部には洗浄液供給時の液圧による当該可撓部の弾性変形により開口すると共に、非洗浄液供給時には当該可撓部の弾性変形により閉口する複数のノズル穴を有することを特徴とするブラシユニット。
- 請求項13において、スプレーバーは全部を可撓部として形成された複数の管状体から成り、該複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化されていることを特徴とするブラシユニット。
- 請求項12〜14のいずれかの項において、ブラシローラに対して変位可能に配置され、断面が円形でその一部を削除した面に硬質部材を固定した長尺棒状のフリッパーバーと、
前記フリッパーバーを第1位置および第2位置に変位させるフリッパーバー可変手段と、を備え、
前記第1位置が前記硬質部材を前記ブラシローラに浅く当接させ、第2位置が前記硬質部材を前記ブラシローラに深く当接させ、該ブラシローラに付着した前記シリンダ表面から除去された異物を離脱させることを特徴とするブラシユニット。 - 請求項15において、硬質部材が板状に形成されていると共に、ブラシローラの回転方向上流から下流に向かって、該ブラシローラの概略接線方向に伸び、該硬質部材の先端部を前記ブラシローラの回転方向下流側に位置させ、かつブラシローラに当接されていることを特徴とするブラシユニット。
- 請求項16において、硬質部材の先端部には洗浄液および/または水が供給されることを特徴とするブラシユニット。
- 請求項17において、洗浄液が硬質部材の先端部に向けられたノズル穴を有する管状体から供給されると共に、前記管状体は弾性変形する材料で全部が可撓部として形成されており、複数の管状体を並列させかつ隣接する管が接合により一体化された管構造の1つとして設けられていることを特徴とするブラシユニット。
- 請求項12〜18のいずれかの項において、ブラシローラの下部域に位置し、フレームに着脱可能に配備される受け皿を備え、
前記受け皿はシリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を受ける第1受け皿部と、該第1受け皿部と隣接し、その境界壁の両端に連絡開口を設け、該境界壁により固形、又は粒子状物質を分離した洗浄廃液および液状化手段で作られる液体を受ける第2受け皿部とから構成されていることを特徴とするシリンダ洗浄装置。 - 洗浄液を供給し、ブラシローラによりシリンダ表面に付着した異物を除去するシリンダ洗浄用ブラシユニットのフレームの下部域に位置して配備され、前記シリンダ表面から除去された異物を含む洗浄廃液を収容する受け皿を備えたシリンダ洗浄装置において、
前記洗浄廃液を受ける第1受け皿部と、該第1受け皿部と隣接し、その境界壁の両端に連絡開口を設け、該境界壁により固形、又は粒子状物質を分離した洗浄廃液を受ける第2受け皿部とから構成されていることを特徴とするシリンダ洗浄装置。 - 請求項5〜10のいずれかに記載されたブラシユニットを備えていることを特徴とする請求項20記載のシリンダ洗浄装置。
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