JP2004525239A - フルオロポリマーを製造するための無乳化剤水性乳化重合法 - Google Patents

フルオロポリマーを製造するための無乳化剤水性乳化重合法 Download PDF

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Abstract

無乳化剤フルオロポリマーの製造方法であって、(a)重合を開始させるために酸化剤と還元剤の混合物を用い、両方ではなく、一方または他方を重合中にさらに添加するか、または(b)重合を開始させるために酸化性金属イオンを添加し、追加の酸化性金属イオンを重合中に添加する方法。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のフルオロポリマーを製造するための、特にフルオロ熱可塑性物質またはフルオロエラストマーを製造するためのフッ化モノマーの水性乳化重合に関する。詳しくは、本発明は、フッ化モノマーの水性乳化重合の改善であって、乳化剤を添加しない水性乳化重合の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロポリマー、すなわち、フッ化主鎖を有するポリマーは古くから知られており、耐熱性、耐薬品性、耐候性、UV安定性等々の幾つかの望ましい特性のために様々な用途で用いられてきた。様々なフルオロポリマーは、例えば、(非特許文献1)に記載されている。
【0003】
既知のフルオロポリマーには、特にフルオロエラストマーおよびフルオロ熱可塑性物質が挙げられる。こうしたフルオロポリマーは、一般的に、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)および/またはフッ化ビニリデン(VDF)などの気体状フッ化オレフィンと、例えば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)またはパーフルオロビニルエーテル(PVE)あるいはエチレン(E)およびプロピレン(P)などの非フッ化オレフィンなどの一種以上のコモノマーとのコポリマーである。
【0004】
フルオロエラストマーの例には、例えば、TFEとPVEとのコポリマーおよびVDFとHFPとのコポリマーが挙げられる。フルオロエラストマーは、必要ならば硬化できるように硬化部位成分も含むことが可能である。フルオロエラストマーの用途には、例えば塗料、ガスケットおよびシールとしての用途、ならびにポリマー加工助剤(PPA)としての用途が挙げられる。市販の加工助剤には、例えば、ダイナマール(DYNAMAR)(商標)PPAという商品名で、ダイニオンLLC(Dyneon LLC)によって販売されているVDFとHFPとのコポリマーが挙げられる。
【0005】
フルオロ熱可塑性物質の例には、TFEとEとの半結晶質コポリマー(ETFE)、TFEとHFPとのコポリマー(FEP)、TFE、HFPおよびVDFのコポリマー(THV)およびパーフルオロアルコキシコポリマー(PFA)が挙げられる。フルオロ熱可塑性物質の用途の例には、例えば、屋外布地を被覆するためなどの例えば被覆用途、および電線・ケーブルの絶縁に際しての絶縁材料としての用途が挙げられる。特にETFEコポリマーは、絶縁材料として望ましい特性を有する。フルオロ熱可塑性物質の別の用途には、例えば燃料ホースなどのチューブの製造、フィルムの押出および射出成形品が挙げられる。押し出したフルオロ熱可塑性物品、特にフィルムには、フルオロ熱可塑性物質を部分的に硬化させるためにe−ビーム線をさらに照射させてもよい。
【0006】
フルオロポリマーを製造するために幾つかの方法が知られている。こうした方法には、例えば、(特許文献1)、(特許文献2)および(特許文献3)で開示された懸濁重合、例えば、(特許文献4)および(特許文献5)で開示された水性乳化重合、(特許文献6)、(特許文献7)および(特許文献8)で開示された溶液重合、(特許文献9)および(特許文献10)で開示された超臨界COを用いる重合および(特許文献11)で開示された気相重合が挙げられる。
【0007】
現在、最も一般的に用いられる重合方法には、懸濁重合および特に水性乳化重合が挙げられる。水性乳化重合は、フッ化界面活性剤の存在下での重合を通常含み、フッ化界面活性剤は形成されたポリマー粒子の安定化に一般に用いられる。懸濁重合は、一般に界面活性剤の使用を含まないが、水性乳化重合の場合より実質的に大きいポリマー粒子をもたらす。従って、懸濁重合の場合のポリマー粒子は迅速に沈殿する一方で、乳化重合で得られた分散液の場合のポリマー粒子は、一般に長時間にわたって良好なラテックス安定性が得られる。
【0008】
界面活性剤を用いない水性乳化重合は、一般にクロロトリフルオロエチレン(CTFE)のホモポリマーおよびコポリマーを製造するために(特許文献12)、(特許文献13)および(特許文献14)に記載されている。例えば、(特許文献14)には、界面活性剤の存在しない状態での水性乳化重合であって、重合を開始させるために還元剤と酸化剤のラジカル開始剤系を用い、開始剤系を重合中に一回以上の別の投入で添加することを特徴とする水性乳化重合が開示されている。しかし、そこで開示された水性乳化重合法には、還元剤と酸化剤の2重フィードを必要とし、よってプロセスをより厄介にするという欠点がある。これは、例えば、追加のフィード用ラインおよび制御装置を必要とするとともに、2重フィードが重合中の故障の危険性を必然的に高めることを実際的に意味する。また、(特許文献14)は主としてCTFEポリマーに関連し、CTFEポリマー以外のフルオロポリマーのために得ることができる改善された特性を開示していない。
【0009】
フッ化界面活性剤の存在下での水性乳化重合法は、例えば有機溶媒中で実施される重合より環境に優しい方式で且つ高収率で安定なフルオロポリマー粒子分散液を生じさせることができるので、フルオロポリマーを製造するために望ましい方法である。しかし、特定の用途について、水性乳化重合法により製造されたフルオロポリマーは、溶液重合により製造された類似ポリマーを基準として好ましくない特性を有する場合がある。例えば、純度は食品接触を伴う用途において用いられるポリマーに対して要求され、特に抽出物(例えば、フッ化界面活性剤および他の低分子量化合物)の存在は非常に規制されている。さらに、フルオロオクタン酸またはパーフルオロスルホン酸などの水性乳化重合において典型的に用いられるフッ化界面活性剤は高価であり、現在では環境上心配があると考えられている。従って、界面活性剤の存在しない状態で、しかし得られたポリマーの特性を損なわずに水性乳化重合を行うことが望ましい。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第3,855,191号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,439,385号明細書
【特許文献3】
EP649863明細書
【特許文献4】
米国特許第3,635,926号明細書
【特許文献5】
米国特許第4,262,101号明細書
【特許文献6】
米国特許第3,642,742号明細書
【特許文献7】
米国特許第4,588,796号明細書
【特許文献8】
米国特許第5,663,255号明細書
【特許文献9】
JP46011031明細書
【特許文献10】
EP964009明細書
【特許文献11】
米国特許第4,861,845号明細書
【特許文献12】
米国特許第5,453,477号明細書
【特許文献13】
WO96/24622
【特許文献14】
WO97/17381
【特許文献15】
EPA0661304A1明細書
【特許文献16】
EPA0784064A1明細書
【特許文献17】
EPA0769521A1明細書
【特許文献18】
米国特許第5,677,389号明細書
【特許文献19】
米国特許第5,565,512号明細書
【特許文献20】
米国特許第5,668,221号明細書
【特許文献21】
PCT00/09603明細書
【特許文献22】
米国特許第4,233,421号明細書
【特許文献23】
米国特許第4,912,171号明細書
【特許文献24】
米国特許第5,086,123号明細書
【特許文献25】
米国特許第5,262,490号明細書
【特許文献26】
米国特許第5,929,169号明細書
【特許文献27】
米国特許第5,591,804号明細書
【特許文献28】
米国特許第3,876,654号明細書
【特許文献29】
米国特許出願第09/495600号明細書
【特許文献30】
米国特許第5,106,911号明細書
【特許文献31】
米国特許第5,464,904号明細書
【特許文献32】
米国特許第5,710,217号明細書
【特許文献33】
米国特許第5,256,745号明細書
【特許文献34】
米国特許第5,208,305号明細書
【非特許文献1】
John Scheirs, Modern Fluoropolymers, Wiley Science, 1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
水性乳化重合法を改善し、より高い品質のフルオロポリマーを製造できるようにもして、厳しい用途の要求を満たすことも必要とされている。特に、得られたポリマーの機械的特性および物理的特性、純度レベル、抽出性界面活性剤の量の減少、変色の減少、改善された加工性および硬化性フルオロエラストマーの場合の例えば圧縮歪みおよび透過性などのフルオロポリマーの性能の改善などの特性を改善することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、互いに異なる少なくとも一種の第1のモノマーおよび少なくとも一種の第2のモノマーから誘導された反復単位を含むフルオロポリマーを製造する方法を提供する。従って、このフルオロポリマーはコポリマーである。本発明に関連したコポリマーという用語は、2元コポリマー、すなわち、2種のみの異なるモノマーのコポリマー、ならびにターポリマーおよびクアテルポリマーなどの3種以上の異なるモノマーを含むコポリマーを包含する。このフルオロポリマーは、部分的にフッ化された主鎖または完全にフッ化された主鎖を有してもよい。本発明の一態様において、第1のフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)およびフッ化ビニリデン(VDF)から選択されたフルオロオレフィンであり、第2のモノマーは、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのパーフルオロアルキルビニルモノマー、エチレン、プロピレン、フッ化アリルエーテルおよびフッ化ビニルエーテル、特にパーフルオロビニルエーテル(PVE)、フッ化ビニルおよびフッ化ビニリデン(VDF)からなる群から選択された少なくとも一種のコモノマーである。本方法は、開始剤系としてレドックス系を用いる添加された界面活性剤の存在しない状態での第1のモノマーおよび第2のモノマーの水性乳化重合(以後、無乳化剤重合とも呼ぶ)を含む。一態様において、開始剤系は酸化剤と還元剤の混合物であり、この系は重合を開始させるために用いられる。そして、両方ではなく、酸化剤または還元剤のいずれか一方が重合中にさらに添加される。
【0013】
本発明のもう一つの態様において、無乳化剤重合は、酸化性金属イオンを還元することができる一種以上のフルオロオレフィンと酸化性金属イオンとを含む開始剤系を含む。この開始剤系において、開始種はそのままで形成する。典型的な酸化性金属イオンには、過マンガン酸カリウム、Mn3+塩、過レニウム酸カリウム(per−rheanate)、Ce4+塩などから誘導するものが挙げられる。これらの酸化性金属イオンは、例えば、フルオロオレフィンとしてのテトラフルオロエチレンおよび/またはフッ化ビニリデンと合わせて用いることが可能である。重合は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのパーフルオロアルキルビニルモノマー、エチレン、プロピレン、フッ化アリルエーテルおよびフッ化ビニルエーテル、特にパーフルオロビニルエーテル(PVE)、フッ化ビニリデン(VDF)およびフッ化ビニルからなる群から選択されたコモノマーの使用をさらに含む。この場合、フルオロオレフィンと組み合わせた酸化性金属イオンは重合を開始させるために用いられ、この金属イオンは、重合中にさらに添加される。フルオロオレフィンもフルオロオレフィンの水性乳化重合において一般に行われるように重合中にさらに添加してよい。
【0014】
「添加された界面活性剤の存在しない状態で」という用語は、界面活性剤が重合系に添加されないことを意味する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の方法は、高収率および高重合速度でフルオロポリマーの製造をなお可能にしつつ先行技術の方法より実施するのが容易且つ便利である利点を有する。従って、本発明の方法は、容易、便利且つ費用効果に優れる。さらに、得られたポリマー分散液は、ポリマーの平均粒子サイズが500nm程度に大きい場合があるという事実にかかわらず良好なラテックス安定性(ラテックスが沈殿も凝固もしないことを意味する)を有する。さらに、本発明により製造されたフルオロポリマーは、より高い純度、より少ない抽出性物質を有し、そして添加されたフッ化界面活性剤の存在下で製造された類似ポリマーと比較して類似特性または改善された特性さえも有するフルオロポリマーを一般にもたらす。
【0016】
さらに、多峰分子量分布、例えば双峰分子量分布を有するフルオロポリマーを単一工程重合で製造するために、本発明の無乳化剤重合法を使用できることが見出された。単一工程重合とは、先行技術において実施されたように反応を中断する必要なしに重合を実施できることを意味する。多峰分子量分布をもたらすこうした重合は、典型的には連鎖移動剤の存在下で実施される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、TFEおよび/またはVDFからなる群から選択されたフルオロオレフィンから誘導された反復単位とE、P、例えばヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのパーフルオロアルキルビニルモノマー、フッ化アルキルエーテルおよびフッ化ビニルエーテル、特にPVE、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルからなる群から選択された少なくとも一種のコモノマーから誘導された反復単位とを含むフルオロポリマーの製造に関する。VDFが唯一のフルオロオレフィンとして選択される場合、コポリマーを達成するためにコモノマーがVDF以外であるべきことは明らかであろう。
【0018】
適するPVEモノマーの例には、以下の式に対応するものが挙げられる。
CF=CF−O−R(I)
(式中、Rは、一個以上の酸素原子を含んでもよい過フッ化脂肪族基を表す。)好ましくは、パーフルオロビニルエーテルは以下の式に対応する。
CF=CFO(RO)(R’O)R”(II)
(式中、RおよびR'は、炭素原子数2〜6の異なる直鎖または分岐パーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは独立して0〜10であり、R''は炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキル基である。)上式によるパーフルオロビニルエーテルの例には、パーフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、パーフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、パーフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、パーフルオロ−n−プロピルビニルエーテル(PPVE−1)およびCF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFが挙げられる。
【0019】
適するパーフルオロアルカンモノマーは以下の一般式に対応する。
CF=CF−R (III)またはCH=CH−R (IV)
(式中、R は、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)典型的な例はヘキサフルオロプロピレンである。
【0020】
フルオロポリマーは、乳化剤の添加のない状態で水性乳化重合法により製造される。乳化剤を添加しないという事実にもかかわらず、安定なポリマー分散液が製造される。
【0021】
本発明の水性乳化液重合法において用いられる開始剤系は、酸化剤と還元剤のレドックス系である。適する酸化剤には、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)および過硫酸ナトリウム、好ましくはAPSまたはKPSが挙げられる。適する還元剤には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸水素カリウムなどのメタ重亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩およびチオ硫酸塩、好ましくはNaが挙げられる。重合を開始させるために他のレドックス系も用いることが可能である。但し、前述したレドックス対は、より安定なラテックスを一般に生じさせるので本発明により用いるために好ましい。
【0022】
テトラフルオロエチレンおよび/またはフッ化ビニリデンなどのフルオロオレフィンを含む別の実施形態によると、過マンガン酸カリウム、Mn3+塩(三酢酸マンガン、シュウ酸マンガンなどのような)、過レニウム酸カリウム、Ce4+塩などから誘導するものなどの酸化性金属イオンは重合を開始させるために用いられる。好ましい金属塩はKMnOである。例えば、テトラフルオロエチレンと上で開示された別のコモノマーの重合は、過マンガン酸カリウムを添加することにより開始してもよい。重合中、過マンガン酸カリウムは、一回以上の部分に分けて、または連続でさらに添加される。テトラフルオロエチレンと他のコモノマーも重合中にさらに添加してよい。こうした開始剤系の利点は、重合を開始させるとともに重合を続けさせるために酸化剤(KMnO)のみを添加することである。特定の場合、活性金属錯体の沈殿を避けるために錯化剤(例えば、シュウ酸またはその塩)を添加してもよいが、これは必須ではない。
【0023】
水性乳化重合法は、一方、一般に知られている方式で行われる。
【0024】
いかなる量のフルオロモノマーおよびコモノマーも反応容器に投入してよい。モノマーは、回分式で、または連続方式あるいは半連続方式で投入してもよい。半連続とは、複数のモノマーバッチを重合の過程中に容器に投入することを意味する。モノマーを容器に添加する独立速度は、経時的な特定のモノマーの消費速度に応じて決まる。好ましくは、モノマーの添加速度は、モノマーの消費速度、すなわち、モノマーのポリマーへの転化に等しい。
【0025】
水を反応容器に投入する。水の量は重要ではない。一般に、モノマーの初期投入後、重合を開始させるために開始剤系は水相に添加される。酸化剤と還元剤の混合物が開始剤系として用いられる場合、酸化剤または還元剤のいずれかを最初に水相に添加してもよく、その後、レドックス系の他方の薬剤が添加される。添加される開始剤系の初期量(酸化剤と還元剤の組み合わせ量)は、製造されたポリマー分散液の全量を基準にして典型的には0.01〜0.2重量%の間、好ましくは0.02〜0.12重量%の間である。初期投入における還元剤対酸化剤のモル比は、一般には1/20〜1/2の間、好ましくは1/10〜1/4の間である。重合反応中、還元剤または酸化剤のいずれかの別の量が添加される。重合中の還元剤または酸化剤の別の添加は、連続フィードとして、または独立のばらばらの投入で行ってもよい。例えば、重合全体を通して還元剤を容器に連続的に投入する場合、典型的に選択されるフィード速度は、還元剤に対する酸化剤の等モル量を重合時間6時間後に達成することを確実にする。例えば、鉄、銅および銀の水溶性塩などの促進剤は好ましくは添加してもよい。
【0026】
酸化性金属錯体(例えばKMnO)のみを開始剤系の一部として用いる場合、重合全体を通して連続的に添加される開始剤の量は、製造されたポリマー分散液の全量を基準にして典型的には0.001〜0.3重量%の間、好ましくは0.005〜0.1重量%の間である。
【0027】
重合反応の開始中、密封反応器容器およびその内容物は反応温度に予熱される。好ましい重合温度は、10〜100℃、好ましくは30〜80℃であり、圧力は、典型的には2〜30バールの間、特に5〜20バールである。反応温度は、分子量分布に影響を及ぼすため、すなわち、広い分子量分布を得るか、または双峰分布を得るために変えてもよい。
【0028】
重合を開始させる初期温度は、速い初期速度を確保するために重合の残り中より高く、例えば、10℃〜50℃高く設定することが可能である。より高い温度で重合を行うこの初期期間の関する時間は、重合反応の開始から5分〜60分であることが可能である。より高い温度を初期期間中に使用すると、酸化剤と還元剤を含むレドックス系と酸化性金属イオンに基づく開始系の両方のために有益である場合がある。
【0029】
水性乳化重合系は、緩衝剤、および必要ならば錯体形成剤または連鎖移動剤などの補助剤をさらに含んでもよい。本発明に関連した好ましい実施形態によると、連鎖移動剤は、フルオロポリマーの所望の分子量を調節するために用いられる。好ましくは、連鎖移動剤は、アルカンまたはジアルキルエーテル、特にメタン、エタン、ターシャリーブチルメチルエーテルおよび/またはジメチルエーテルである。ジアルキルエーテルは、一般構造R−O−CHの部分的にフッ化されたエーテルを含む(式中、Rは、C〜C10の直鎖または分岐の部分的ベストまたはパーフルオロベストであることが可能である)。ジアルキル連鎖移動剤濃度も、分子量分布に影響を及ぼすため、すなわち、広い分子量分布を得るか、または双峰分布を得るために重合全体を通して変えてよい。
【0030】
ジアルキルエーテル連鎖移動剤が無乳化剤重合法に実質的に影響を及ぼさずに効果的に分子量を制御するので無乳化剤重合において用いるために特に適することが見出された。従って、所望の分子量のフルオロポリマーを便利で速い方式で且つ高収率で得ることが可能である。さらに、ジアルキルエーテル連鎖移動剤は、少ない量の抽出性化合物を有する非常に純粋なフルオロポリマーを製造することが可能である。さらに、こうして製造されたポリマーは、一般に、より変色を被りにくい。ジアルキルエーテル連鎖移動剤は、好ましくは、弗素含有率約70%未満の部分的にフッ化された主鎖を有するフルオロポリマーを製造するために用いられる。
【0031】
約70%より高い弗素含有率を有する部分的にフッ化された主鎖を有するか、または過フッ化主鎖を有するフルオロポリマーを製造するために、本発明の水性乳化重合法は、好ましくは、例えば、メタン、エタン、プロパンまたはn−ペンタンなどのより低級のアルカン(炭素原子数1〜5)、あるいはCHF−CF(R134a)などのヒドロフルオロカーボン化合物の使用を含めて、必要ならばフルオロポリマーの分子量を制御する。
【0032】
単一工程重合において多峰フルオロポリマー、好ましくは双峰分子量分布を有するフルオロポリマーを製造するために無乳化剤重合法を使用できることが見出された。こうしたポリマーは、好ましくは、所望のフルオロポリマーの性質に応じてジアルキルエーテルまたはより低級の炭化水素あるいは炭素原子数1〜5のヒドロフルオロカーボンのような連鎖移動剤の存在下で所定の一般的一定温度で製造される。
【0033】
こうした多峰フルオロポリマーは、重合の始めに連鎖移動剤の少ない初期量を投入するか、または全く投入せず、そして重合中に連鎖移動剤の一回以上の後続の投入によって製造してもよい。
【0034】
多峰フルオロポリマーを製造するこうした方法は、先行技術で知られているように重合の過程中に重合温度を変えることにより多峰フルオロポリマーを製造するよりも厄介ではない。多峰フルオロポリマーは、典型的には加工の利点および低レベルの抽出物を有する。
【0035】
重合の終わりに得ることができるポリマー固形物の量は、典型的には10%〜45%の間であり、得られたフルオロポリマーの平均粒子サイズは、典型的には200nm〜500nmの間である。
【0036】
本発明の方法により好ましくは製造されるフルオロポリマーの例には、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとプロピレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテル(例えば、PMVE、PPVE−1、PPVE−2またはPPVE−1とPPVE−2の組み合わせ)とのコポリマー、フッ化ビニリデンとパーフルオロビニルエーテル(例えば、PMVE、PPVE−1、PPVE−2またはPPVE−1とPPVE−2の組み合わせ)とのコポリマー、テトラフルオロエチレン、エチレンまたはプロピレンおよびパーフルオロビニルエーテル(例えば、PMVE、PPVE−1、PPVE−2またはPPVE−1とPPVE−2の組み合わせ)のコポリマー、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロビニルエーテル(例えば、PMVE、PPVE−1、PPVE−2またはPPVE−1とPPVE−2との組み合わせ)のコポリマー、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロビニルエーテル(例えば、PMVE、PPVE−1、PPVE−2またはPPVE−1とPPVE−2との組み合わせ)のコポリマー、ならびにテトラフルオロエチレン、エチレンまたはプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロビニルエーテル(例えば、PMVE、PPVE−1、PPVE−2またはPPVE−1とPPVE−2との組み合わせ)のコポリマーが挙げられる。
【0037】
本発明の方法により製造できるフルオロポリマーは、一般に、非晶質または半結晶質フルオロポリマーである。フルオロエラストマーは、一般に、硬化するとゴム弾性の特性を有するフルオロポリマーであり、一般には溶融ピークを示さないか、または非常に小さい溶融ピークを有する。すなわち、フルオロエラストマーは、一般に、殆どまたは全く結晶性を有していない。フルオロ熱可塑性物質は、明確な溶融ピークを有するとともに結晶性を一般に有するポリマーである。本発明により製造しうるフルオロ熱可塑性物質は、一般に溶融加工性である。すなわち、以下の実施例で記載されたように5kgの支持重量を用い、265℃の温度で測定して、典型的には少なくとも0.1g/10分のメルトフローインデックスを有する。製造された特定のフルオロポリマーがフルオロ熱可塑性物質またはフルオロエラストマーであるかどうかは、当業者に周知されているように、フルオロポリマーを誘導するモノマーの性質および量に応じて決まる。
【0038】
フルオロ熱可塑性物質
本発明の方法により製造できるフルオロ熱可塑性物質は、一般には60℃〜250℃の間、好ましくは60℃〜200℃の間、最も好ましくは170℃未満の融点を有する。本発明により製造できる特に望ましいフルオロ熱可塑性物質には、TFEとVDFとのコポリマー、VDFとHFPとのコポリマー、TFE、EおよびHFPのコポリマーならびにTFE、HFPおよびVDFのコポリマーが挙げられる。
【0039】
本発明に関連して製造できるフルオロ熱可塑性物質には、一般に、より変色を被りにくく、少ない量の抽出性化合物を有し、高純度を有するという利点がある。従って、フルオロ熱可塑性物質は、一般に、より加工し易く、一般に高い耐熱性、高い耐薬品性、同じかまたは改善された電気特性、良好な離型性および少ない量の臭気を有する。さらに、フルオロ熱可塑性物質は、押し出した時に、典型的には、より少ないダイドロールを生じさせる。
【0040】
本発明の方法により得ることができるフルオロポリマー熱可塑性ポリマーは、フルオロ熱可塑性物質を典型的に用いる用途のいずれにおいても使用することが可能である。例えば、フルオロ熱可塑性物質は電線・ケーブルを絶縁するために用いることが可能である。本発明によるフルオロ熱可塑性物質で絶縁されたケーブルまたは電線を製造するために、フルオロ熱可塑性物質は、中心導体、例えば、銅電線まわりに溶融押出することが可能である。例えば、加熱ケーブルを製造するために、導電性金属層を押し出されたフルオロ熱可塑性物質層まわりに形成してもよい。
【0041】
製造されたフルオロ熱可塑性ポリマーは、ホース、特に燃料ホースおよび燃料管を製造するためにさらに使用してもよく、特に熱交換用途において用いることが可能である。フルオロ熱可塑性物質は、フィルムまたはいわゆるモノフィラメントに押し出してもよく、そしてモノフィラメントは、それらは、続いて織布に織られる。なおさらに、例えば、屋外布地を被覆するため、または射出成形品を製造するために、フルオロ熱可塑性物質を被覆用途において用いることが可能である。
【0042】
フルオロエラストマー
フルオロ熱可塑性物質に加えて、本発明の方法は、望ましいとともに改善された特性を有するフルオロエラストマーを製造することも考慮にいれている。特に、製造されたフルオロエラストマーは、より高い純度、より少ない量の抽出性化合物を有し、より変色を被りにくく、より加工し易く、より少ない臭気を生じる。さらに、フルオロエラストマーの機械的および物理的特性を本発明の方法によって改善することが可能である。例えば、本発明により製造された硬化性フルオロエラストマーは、改善された圧縮歪みを有することが可能であり、または改善された透過特性を有することが可能である。
【0043】
本発明に関連して製造できるフルオロエラストマーは、完全にはフッ化されていないエラストマーだけでなくパーフルオロエラストマーも包含する。フルオロエラストマーは、硬化性フルオロエラストマーを提供するために、硬化部位成分、特に硬化部位モノマー(CSM)から誘導された一個以上の硬化部位を含んでもよい。ゴム弾性コポリマーの特定の例には、VDF−HFP、VDF−TFE−HFP、VDF−TFE−HFP−CSM、VDF−TFE−PMVE−CSM、TFE−P、E−TFE−PVME−CSM、TFE−VDF−P−CSM、およびTFE−PMVE−CSMのようなモノマーの組み合わせを有するコポリマーが挙げられる。
【0044】
硬化性フルオロエラストマーを得るために、別の硬化部位成分を重合反応において含めて、硬化性フルオロエラストマーを得てもよい。一般に、硬化部位成分は、少量で、典型的には0.1〜5モル%の間、好ましくは0.2〜3モル%、最も好ましくは0.5〜2モル%の硬化部位を有するフルオロエラストマーを得るような量で用いられる。
【0045】
硬化部位成分は、ニトリル基含有硬化部位モノマーを含んでもよい。硬化部位成分は部分的にフッ化されるか、または完全にフッ化されることが可能である。好ましい有用なニトリル基含有硬化部位モノマーには、ニトリル含有フッ化オレフィンおよび以下に記載されたようなニトリル含有フッ化ビニルエーテルが挙げられる。
CF=CF−(CF−O−R−CN
CF=CFO(CFCN
CF=CFO[CFCF(CF)O](CFO)CF(CF)CN
CF=CF[OCFCF(CF)]O(CFCN
式中、上式に関して、n=1〜5、l=2〜12、g=0〜4、k=1〜2、v=0〜6、u=1〜4であり、Rは、直鎖または分岐パーフルオロアルキレンまたは2価パーフルオロエーテル基である。こうしたモノマーの代表的な例には、パーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、CF=CFO(CFCNおよびCF=CFO(CFOCF(CF)CNが挙げられる。
【0046】
あるいは、硬化部位成分は、過酸化物硬化反応に関わることができるハロゲンを有するフッ化モノマーを含んでもよい。典型的には、ハロゲンは臭素または沃素である。適する硬化部位成分には、ブロモジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ヨードトリフルオロエチレンおよび4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1などの炭素原子数2〜4の末端不飽和モノオレフィンが挙げられる。適する他の硬化部位成分の例には、CF=CFOCFCFBr、CF=CFOCFCFCFBrおよびCF=CFOCFCFCFOCFCFBrが挙げられる。好ましくは、これらの成分のすべてまたは本質的にすべてはエチレン系不飽和モノマーである。
【0047】
硬化性フルオロエラストマー組成物は、一般に、硬化性フルオロエラストマーと、硬化性フルオロエラストマー中に含まれる硬化部位の種類に応じて過酸化物および/または一種以上の触媒などの一種以上の硬化剤とを含む。適する過酸化物硬化剤は硬化温度でラジカルを発生させるものである。50℃より高い温度で分解するジアルキルペルオキシドまたはビス(ジアルキルペルオキシド)は本質的に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素に結合された第3炭素原子を有するジターシャリーブチルペルオキシドを用いることが好ましい。この種の最も有用な過酸化物の中には、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキシン−3および2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキサンがある。他の過酸化物は、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、ターシャリーブチルパーベンゾエート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)およびジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートなどの化合物から選択することが可能である。一般に、パーフルオロエラストマー100部当たり過酸化物約1〜3部が用いられる。
【0048】
硬化系の一部として組成物と通常ブレンドされるもう一種の材料は、有用な硬化を提供するために過酸化物と協働できるポリ不飽和化合物からなる共薬剤である。これらの共薬剤は、パーフルオロエラストマー100部当たり0.1〜10部に等しい量で、好ましくはパーフルオロエラストマー100部当たり2〜5部の間の量で添加することが可能である。有用な共薬剤の例には、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メチルアリルイソシアヌレート)、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスフィット、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホラミド、N,N,N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサンおよびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートが挙げられる。トリアリルイソシアヌレートは特に有用である。有用な他の共薬剤には、(特許文献15)、(特許文献16)および(特許文献17)で開示されたビスオレフィンが挙げられる。
【0049】
フルオロエラストマーがニトリル含有硬化部位成分を含む時、硬化を引き起こすために、一種以上のアンモニア発生化合物を含む触媒を用いてもよい。「アンモニア発生化合物」は、周囲条件で固体または液体であるが、硬化の条件下でアンモニアを発生させる化合物を含む。こうした化合物には、例えば、(特許文献18)で開示されたアミノフェノール、アンモニア塩(特許文献19)、アミドキシン(特許文献20)、イミデート、ヘキサメチレンテトラミン(ウロトロピン)、ジシアンジアミドおよび以下の式の金属含有化合物が挙げられる。
w+(NHw−
式中、AW+は、Cu2+、Co2+、Co3+、CuおよびNi2+などの金属カチオンであり、wは金属カチオンの原子価に等しい。YW−は、対イオン、典型的にはハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩または酢酸塩などであり、vは1〜約7の整数である。なお別のアンモニア発生化合物は(特許文献21)で開示されている。
【0050】
フルオロエラストマー、特にVDF含有フルオロエラストマーは、ポリヒドロキシ硬化系を用いてさらに硬化させてもよい。こうした例において、フルオロエラストマーが硬化部位成分を含むことは必要ではない。ポリヒドロキシ硬化系は、一般に、一種以上のポリヒドロキシ化合物と一種以上の有機オニウム促進剤を含む。本発明において有用な有機オニウム化合物は、典型的には、有機部分または無機部分に結合された少なくとも一個のヘテロ原子、すなわち、N、P、S、Oなどの非炭素原子を含む。第四有機オニウム化合物の一つの有用な種類は、広くは、比較的正のイオンと比較的負のイオンを含み、ここで燐、砒素、アンチモンまたは窒素は一般に正イオンの中心原子を含み、負イオンは、有機アニオンまたは無機アニオン(例えば、ハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、ホスホン酸塩、水酸化物、アルコキシド、フェノキシド、ビフェノキシドなど)であることが可能である。
【0051】
本発明において有用な有機オニウム化合物の多くは記載され、技術上知られている。例えば、(特許文献22)(ワーム(Worm))、(特許文献23)(グルータート(Grootaert)ら)、(特許文献24)(グエントナー(Guenthner)ら)および(特許文献25)(コルブ(Kolb)ら)、(特許文献26)を参照のこと。それらの記載のすべては本明細書に引用して援用する。有用な有機オニウム化合物のもう一つの種類には、一個以上の側鎖フッ化アルキル基を有する化合物が挙げられる。一般に、最も有用なフッ化オニウム化合物は、(特許文献27)においてコギオ(Coggio)らによって開示されている。
【0052】
ポリヒドロキシ化合物は、その遊離塩形態または非塩形態で、あるいは選択された有機オニウム促進剤のアニオン部分として用いてもよい。架橋剤は、(特許文献28)(パティソン(Pattison))および(特許文献22)(ワーム(Worm))で開示されたポリヒドロキシ化合物などの、フルオロエラストマーのための架橋剤または共架橋剤として機能することが技術上知られているポリヒドロキシ化合物のどれであってもよい。最も有用なポリヒドロキシ化合物の一種には、ビスフェノールAFとしてより一般に知られている4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンビスフェノールなどの芳香族ポリフェノールが含まれる。化合物4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールSとしても知られている)および4,4’−イソプロピリデニルビスフェノール(ビスフェノールAとしても知られている)も実際には広く用いられている。
【0053】
硬化の前に、酸受容体は、ポリヒドロキシ硬化系を含むフルオロエラストマー組成物に混合される。酸受容体は、無機であるか、または無機と有機のブレンドであることが可能である。無機受容体の例には、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、二塩基性亜燐酸鉛、酸化亜鉛、炭酸バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。有機受容体には、エポキシド、ステアリン酸ナトリウムおよびシュウ酸マグネシウムが挙げられる。好ましい酸受容体は酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムである。酸受容体は単独または組み合わせで用いることが可能であり、好ましくは、フルオロエラストマー100重量部当たり約2〜25部の範囲の量で用いられる。
【0054】
硬化性フルオロエラストマー組成物は、カーボンブラック、安定剤、可塑剤、潤滑剤、充填剤などの別の添加剤を含んでもよく、フルオロエラストマーのコンパウンディングにおいて典型的に用いられる加工助剤は、意図した使用条件のために適切な安定性を有する限り組成物に配合することが可能である。
【0055】
カーボンブラック充填剤も、組成物の弾性率、引張強度、伸び、硬度、耐摩耗性、導電性および加工性を調和させる手段としてエラストマー中で典型的に用いられる。適する例には、N−991、N−990、N−908およびN−907と呼ばれるMTブラック(メジアンサーマルブラック)および大粒子サイズファーネスブラックが挙げられる。それらを用いる時、1〜70phrの大粒子サイズファーネスブラックが一般に十分である。
【0056】
フルオロポリマー充填剤も硬化性組成物中に存在してよい。一般に、フルオロエラストマー100部当たり1〜50部のフルオロポリマー充填剤が用いられる。フルオロポリマー充填剤は微細であることが可能であり、フルオロエラストマー組成物の2次加工および硬化において用いられる最高温度で固形物として容易に分散することが可能である。固形物とは、充填剤が部分的に結晶質である場合、充填剤がフルオロエラストマーの加工温度より高い結晶溶融温度を有することを意味する。フルオロポリマー充填剤を配合する最も効率的な方式はラテックスをブレンドすることによる。種々の種類のフルオロポリマー充填剤を含むこの手順は、2000年2月1日出願の(特許文献29)に記載されている。
【0057】
硬化性組成物は、従来のゴム加工装置内でフルオロエラストマー、硬化剤および/または触媒、選択された一種以上の添加剤および存在するなら他の補助剤を混合することにより調製することが可能である。所望量のコンパウンディング用原料および他の従来の補助剤または原料は、未加硫フルオロカーボンゴム素材に添加することが可能であり、内部ミキサー(例えば、バンバリー(Banbury)ミキサー)、ロールミル、または他の従来の一切の混合装置などの通常のゴム混合装置のどれかを用いることにより前記素材と密に混合するか、またはコンパウンディングすることが可能である。最良の結果のためには、混合プロセス中の混合物の温度は、典型的には約120℃より高く上昇しないのがよい。混合中、効果的な硬化のためにゴム全体を通して成分および補助剤を均一に分配することが好ましい。その後、混合物は、例えば押出(例えば、ホースまたはホースライニングの形状で)または成形(例えば、O−リングシールの形で)によって加工され成形される。その後、成形品は、ゴム組成物を硬化させるとともに硬化したエラストマー物品を形成するために加熱することが可能である。
【0058】
コンパウンディングされた混合物のプレス作業(すなわち、プレス硬化)は、約1分〜15時間、典型的には5分〜30分にわたって約95℃〜約230℃の間、好ましくは約150℃〜約205℃の間の温度で通常行われる。約700kPa〜約20,600kPaの間の圧力は、型内のコンパウンディングされた混合物に通常加えられる。型は最初に離型剤で被覆してもよく、前もって焼き付けてもよい。その後、成形された加硫ゴムは、通常、物品の断面厚さに応じて約2時間〜50時間以上にわたり通常は約150℃〜約300℃の間、典型的には約232℃の温度で後硬化(例えば、オーブン硬化)される。厚い断面については、後硬化中の温度は、通常、この範囲の下限界から所望最高温度まで徐々に上昇させる。用いられる最高温度は好ましくは約300℃であり、この値で約4時間以上にわたって保持される。
【0059】
硬化性フルオロポリマー組成物は、ガスケット、管材料およびシールなどの物品の製造において有用である。こうした物品は、硬化性組成物のコンパウンディングされた配合物を圧力下で種々の添加剤と合わせて成形し、部品を硬化させ、その後、後硬化サイクルに部品を供することにより製造される。無機酸受容体なしで配合された硬化性組成物は、半導体デバイスを製造するためのシールおよびガスケットなどの用途向けに、および高温自動車用途のためのシールにおいて特に適合する。
【0060】
本発明を以下の実施例に限定しようとする意図なしに以下の実施例を用いて本発明を今からさらに例示する。すべての部および百分率は特に指示がないかぎり重量による。
【実施例】
【0061】
試験方法:
メルトフローインデックス(MFI)は、5.0kgの支持体重量および265℃または297℃のいずれかの温度でDIN53735、ISO12086またはASTM D−1238に準拠して行った。ここで記載したMFIは、直径2.1mmおよび長さ8.0mmの標準化押出ダイを用いて得た。
【0062】
ムーニー粘度は、ASTM D1646に準拠して決定した。特に注記がない限り、ムーニー粘度は、1分の予熱および10分の121℃での試験(121℃でML1+10)を用いて硬化剤を配合したフルオロエラストマーガムのみを含む組成物または最終コンパウンドから決定した。
【0063】
フルオロポリマーの加工性を評価するために、モンサント(Monsanto)加工性試験器(MPT)を用いた。これによって、剪断速度180、361、726および1446l/sで各コンパウンドを押し出すのに必要な圧力を決定した。この計器にはL/D=10、直径1.5mmのダイが装着されていた。特に注記がない限り、すべてのコンパウンドを105℃で試験した。
【0064】
特に注記がない限り、5〜7MPaおよび163℃で50分にわたりプレスすることにより、物理的特性試験のために76×152×2mmのプレス硬化シートを調製した。これらのプレス硬化シートから、破断点引張強度および破断点伸びをASTM D412に準拠して決定した。硬度はASTM D2240方法Aに準拠して決定した。ショアAデュロメータを用いた。圧縮歪みはASTM395−89方法Bに準拠して決定した。
【0065】
フルオロ樹脂の溶融ピークは、窒素流れ下および10℃/分の加熱速度でパーキンエルマー(Perkin−Elmer DSC7.0)によってASTM4591に準拠して決定した。示された融点は溶融ピーク最大に関連する。
【0066】
希釈ポリマー溶液の溶液粘度は、DIN53726に準拠して35℃でメチルエチルケトン(MEK)中の0.2%ポリマー溶液で決定した。ISO/DIS3105およびASTM D2515を満たすCannon−Fenske−Routine−Viskosimeter(ドイツ国マインツのショット(Fa.Schott))を測定のために用いた。
【0067】
分子量分布は、テトラヒドロフラン−UVグレード中で35℃において記録されたサイズ排除クロマトグラフ(SEC)によって決定した。SEC装置は、Waters510アイソクラティックポンプ、Perkin Elmer ISS−100オートサンプラー、Watersカラムオーブン、ポリマー・ラボラトリーズ(Polymer Laboratories)によって販売されている3つのゲル混合床型Bカラム(10μm)(300mm×7.5mm)およびWaters410RI検出器から構成されていた。この計器は、1280g/モル〜7,300,000g/モルの範囲の10種の狭い分布のポリスチレン標準サンプル(ドイツ国マインツのPSS)を用いて更正した。ポリスチレンを基準にして更正されたSEC−エルグラムは、Mark−Houwink係数α=0.751およびK=0.045396ml/gを用いる普遍的更正手順により分子量分布に変換した。
【0068】
ラテックス粒子サイズの決定は、ISO/DIS13321に準拠してMalvern Zetazizer1000HSAによる動的光散乱法によって行った。測定の前に、重合から生じたままのポリマーラテックスを0.001モル/LのKCl溶液で希釈した。すべての場合、測定温度は20℃であった。
【0069】
ASTM D814に準拠して蒸気透過性(透過率)を評価するために、42.5体積%のトルエン、42.5体積%のイソオクタンおよび15体積%のメタノールの混合物を試験流体として用いた。各ポリマー組成物の厚さ0.75〜0.90mmのシートをプレス硬化させた。直径3インチのサンプルを各シートから打ち抜いた。2.5インチの開口(露出サンプル表面4.909平方インチ)および約160mlの容量を各々が有する蒸気透過カップを用いた。それらのカップは、スイング・アルバート・インストルメント(Thwing−Albert Instrument Co.)によって販売されている。高弗素で低デュロメータのフルオロエラストマーガスケットは、サンプルと試験流体との間の良好なシールを確実にした。カップ内に100mlの流体を入れ、カップとサンプルとの間に0.5mmガスケットを入れ、サンプルとクランプリングとの間に1.5mmのガスケットを入れることによりカップを組み立てた。サンプルが試験中に伸張可能であったので、上方ガスケットとクランプリングとの間に16メッシュの円形スクリーンを入れた。カップを直立位置に維持して、すべての試験を40℃で32日にわたり行った。試験の最初の7日間には、サンプルが蒸気透過平衡に到達することを可能にするためにデータを集めなかった。その後、およそ一日おきにカップを秤量した。その後、各値を正規化するために透過率にミリメートルのサンプル厚さを乗じた。
【0070】
抽出性の評価のため、硬化したエラストマーシートを40℃で70時間にわたりメチルエチルケトン(MEK)に浸漬した。この浸漬時間後に、硬化したゴムシートをMEKから取り除いた。MEKを蒸留により母液から除去し、残りの残留物を80℃で70時間にわたり乾燥させ、秤量した。
【0071】
パーフルオロオクタン酸アンモニウム(APFO)の含有率は、DIN38409−H23−1で記載された比色法によって行った。DIN38409−H23−1の修正として、メチレンブルーの代わりにアニオン界面活性剤のためのカラーインジケータとしてAzur B(フルカ(Fluka))を用いた。638nmのフィルタが装着されたランゲ博士(Dr.Lange)LP2W計器を色錯体の光度定量化のために用いた。
【0072】
実施例1
インペラー型攪拌機システムが装備された全体積47.5lの重合容器に29.0lの脱イオン水および3.3gの二亜硫酸ナトリウム(Na)を投入した。その後、酸素のない容器を70℃に至るまで加熱し、攪拌システムを240rpmに設定した。8.1バールの絶対圧力まで9.7gのジメチルエーテル(MeO)および852gのヘキサフルオロプロピレン(HFP)ならびに15.5バールの絶対圧力まで378gのフッ化ビニリデン(VDF)を容器に投入した。130mlの31%ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)水溶液の添加によって重合を開始した。反応が始まるにつれて、反応温度を維持するとともに、HFP(kg)/VDF(kg)のフィード比0.653でVDFおよびHFPを気相にフィードすることにより15.5バールの絶対反応圧力を維持した。さらに、二亜硫酸ナトリウム(Na)の10%水溶液をフィード速度50ml/時間で反応器に連続的にフィードした。8040gのVDFの合計フィードに248分後に到達した時、Na溶液のフィードおよびモノマーのフィードをモノマー弁を閉じることにより中断した。10分以内に、モノマー気相を5.6バールの容器圧力に至るまで反応させた。その後、反応器をベントし、3サイクルでNを用いてフラッシュした。
【0073】
固形物含有率31.5%のこうして得られた42.3kgのポリマー分散液を反応器の底で回収した。ポリマー分散液は動的光散乱法により直径292nmのラテックス粒子から構成されていた。重合全体を通して凝固ゴムは生じなかった。ポリマー分散液を反応チューブ内で激しく振とうした時、ラテックスの認めうる凝固は起きなかった。
【0074】
このポリマー分散液の5.0lを冷凍庫内で一晩凍結凝固させた。材料を解凍後、こうして得られたスポンジ様粗ポリマーを脱イオン水で5回洗浄し、ポリマーを絞り出し、130℃のオーブン内で12時間にわたり乾燥させた。ポリマーは半透明であり、変色の兆候を全く示さなかった。ポリマーは14.0g/10分のMFI(265/5)および88ml/gの溶液粘度を有していた。粗ゴムのムーニー粘度は、82(121℃でML1+10)であった。
【0075】
実施例2〜4
以下の実施例2、3および4において、実施例1で用いたのと似た重合装置および重合条件を用いた。しかし、MeO連鎖移動剤の量を実施例2〜4において変えた。ポリマーの分析データを表1にまとめている。これらの実施例は、短い重合時間において高いポリマー収率を維持しつつジメチルエーテル連鎖移動剤の量によってポリマー溶融粘度を十分に制御できたことを実証している。
【0076】
【表1】
Figure 2004525239
【0077】
サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって得た分子量分布(MWD)に関して実施例3のフルオロポリマーを先行技術のフルオロポリマーと比較した。比較フルオロポリマー(比較例1)は、(特許文献30)、(特許文献31)および(特許文献32)で開示されたように調製されたVDF78/HFP22のコポリマーであり、上の実施例3のポリマーと似た化学組成および似た分子量(溶液粘度67ml/g、121℃でML1+10:50)を有していた。
【0078】
SEC分析の結果を表2で報告している。表2で示した多分散性指数M/Mによって示されたように、実施例3のポリマーのMWDは比較例1のポリマーより顕著に狭い。特に、MWDの低分子量前線(低分子量部分)は非常に少なかった。本発明の重合方法のこの特徴は、最終物品の低い抽出量に関して要求が厳しいどんな用途(例えば半導体産業)のためにも大きな利点である。
【0079】
【表2】
Figure 2004525239
【0080】
実施例5
ポリマー溶融加工添加剤としての実施例2のフルオロポリマーの性能を試験した。メルトフラクチャーを排除するとともにゲート圧力を低下させる実施例2のフルオロポリマーの性能を(特許文献30)、(特許文献31)および(特許文献32)で開示されたようなVDF78/HFP22のコポリマーと比較した。この先行技術のポリマー(比較例2)は、実施例2のポリマーと殆ど同じ溶液粘度(115ml/g、MEK@35℃)を有していた。
【0081】
試験のために用いたポリオレフィンは、0.7g/10分のMFI(190/2.16)を有する市販のブテン変性線状低密度ポリエチレン(母体樹脂)(エクソンモービル(ExxonMobil)によって販売されているLLDPE)であった。押出前に、フルオロポリマーのマスターバッチを2.8g/10分のMFI(190/2.16)を有するキャリア樹脂(エクソンモービルによって販売されているLLDPE)中で2重量%の添加剤濃度に混合した。十分な混転によって、LLDPE母体樹脂とLLDPEキャリア樹脂とをブレンドし、LLDPE中のフルオロポリマーのこうして得られた濃度は400ppmであった。以下の構成部品の実験室規模コリン(Collin)ブローフィルムラインで押出実験を行った。
モーター:性能16kW
スクリュー:区画5/10/10 圧縮比:2.73
直径:45mm 長さ:25×D
ダイ:直径:50mm ギャップ:0.6mm、2重リップ空気環
タワー:高さ:3.14〜4.44m バブル安定化ケージ
【0082】
46rpmのスクリュー速度で、押出機の押出量は11kg/時間であった。温度分布は以下の通りであった。
ゾーン1:205℃
ゾーン2:205℃
ゾーン3:210℃
ゾーン4:220℃
ダイ:205℃
【0083】
母体樹脂配合物を少なくとも60分にわたり流すことによりベースライン条件を確立した。押出機ゲート圧力、溶融温度およびフィルムの状態をこの時点で記録した。全部の押出条件組を5分ごとに記録した。評価しようとする樹脂に関するベースラインを一旦確立すると、フルオロポリマー400ppmを含む樹脂(キャリア樹脂と母体樹脂のブレンド樹脂)を押出機に投入し、時間を記録した。フィルムサンプルを5分間隔で取り出し、すべての押出条件を記録した。メルトフラクチャーが60分以内に0%に減少した場合、データ点は完成であった。そうでない場合、フルオロポリマーレベルを100ppmだけ増やし、プロセスをもう60分にわたり繰り返した。メルトフラクチャーが完全になくなるまで、このプロセスを続けた。この点を達成するのに要したフルオロポリマーのレベルを記録した。
【0084】
結果を表3にまとめている。
【0085】
【表3】
Figure 2004525239
【0086】
表2のメルトフラクチャー排除データ(対数目盛のY軸)を押出時間(等分目盛のX軸)に対してプロットした時、以下の線形近似関数を得ることができた(括弧内のデータをこの考察に含めなかった)。
フルオロポリマー比較例:
log{メルトフラクチャー[%]}=2−0.0174×t[分](相関係数:r=0.97)
フルオロポリマー実施例2:
log{メルトフラクチャー[%]}=2−0.0258×t[分](相関係数:r=0.98)
【0087】
上の2つの回帰関数の勾配から分かるように、実施例2のフルオロポリマーは、化学組成が同じで分子量が類似の先行技術材料より1.48倍(48%)速くLLDPEのメルトフラクチャーを除いている。この実施例は、本発明の方法により製造されたフルオロポリマーが先行技術の重合方法により製造されたフルオロポリマーより溶融加工添加剤として良好な性能を示すことを実証している。
【0088】
比較例3
実施例6(以下参照)に対する比較例として、以下のポリマーを以下の手順により調製した。
【0089】
水性乳化重合によってラテックス(「ラテックス1」)の形でフルオロエラストマー前駆体を調製した。インペラー型攪拌機システムが装備された全体積47.5lの重合容器に29lの脱イオン水、118.6gのヘキサメチルジシラン連鎖移動剤および80gのFC−128フルオロ界面活性剤(スリーエム社(3M Company)によって販売されているC17SON(C)CHCOO塩)を投入した。後続の三サイクルにおいて、容器を脱気し、その後、窒素を投入して、すべての酸素を確実に除去した。その後、容器を71℃に至るまで加熱し、攪拌システムを240rpmに設定した。4.34バールの絶対圧力までヘキサフルオロプロピレン(HFP)、7.88バールの絶対圧力までフッ化ビニリデン(VDF)および9.5バールの絶対反応圧力までテトラフルオロエチレン(TFE)を容器に投入した。水に溶解した109gのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により重合を開始させた。反応が始まるにつれて、TFE(kg)/VDF(kg)のフィード比0.705およびHFP(kg)/VDF(kg)のフィード比1.185でTFE、VDFおよびHFPを気相にフィードすることにより9.5バールの絶対反応圧力を維持した。反応温度は71℃を維持した。6.5時間の合計反応時間において3.96kgのVDFをフィードした後、モノマーフィードを中断し、モノマー弁を閉じた。反応器をベントし、3サイクルでNを用いてフラッシュした。固形物含有率28.3%のこうして得られた40.4kgのポリマー分散液を反応器の底で回収し、ポリマー分散液は動的光散乱法により直径92nmのラテックス粒子から構成されていた。攪拌しながらMgCl水溶液に滴下することにより、このポリマー分散液の100mlを凝固させ、その後、脱水し、脱イオン水(60〜70℃)で3回洗浄した。ポリマーを空気循環炉内で130℃において一晩乾燥させた。ポリマーは褐色シロップの外観を有し、14ml/gの溶液粘度を示した。
【0090】
29lの脱イオン水および160gのFC−128フルオロ界面活性剤を用いて「ラテックス1」の調製と同じ反応器内で水性乳化重合によってラテックス(「ラテックス2」)の形で第2のフルオロエラストマー前駆体を調製した。この重合において連鎖移動剤を用いなかった。後続の3サイクルにおいて、容器を脱気し、その後、窒素を投入して、すべての酸素を確実に除去した。71℃に容器を加熱し、攪拌システムを240rpmに設定し、3サイクルで窒素を用いて脱ガスし、窒素を投入した後、4.21バールの絶対圧力までヘキサフルオロプロピレン(HFP)、7.34バールの絶対圧力までフッ化ビニリデン(VDF)および8.8バールの絶対反応圧力までテトラフルオロエチレン(TFE)を容器に投入した。水に溶解した21gのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により重合を開始させた。反応が始まるにつれて、71℃の反応温度とTFE(kg)/VDF(kg)のフィード比0.705およびHFP(kg)/VDF(kg)のフィード比1.185でTFE、VDFおよびHFPを気相にフィードすることにより8.8バールの絶対反応圧力を維持した。8.0時間の合計反応時間において3.96kgのVDFをフィードした後、モノマーフィードを中断し、モノマー弁を閉じた。反応器をベントし、3サイクルでNを用いてフラッシュした。固形物含有率28.2%のこうして得られた40.3kgのポリマー分散液を反応器の底で回収し、メッシュサイズ80μmのフィルターを通して分散液を濾過することにより分散液から85gの湿り凝固物を除去した。分散液は動的光散乱法により直径104nmのラテックス粒子から構成されていた。このポリマー分散液の100mlをラテックス1と同じ方式で仕上げた。粗ポリマーは殆ど白色の外観を有し、108ml/gの溶液粘度を示した。
【0091】
固形物ポリマーが50:50重量比であるようにラテックス1とラテックス2を希釈せずにブレンドした。攪拌しながらMgCl水溶液に滴下することにより、ラテックスを凝固させ、その後、脱水し、脱イオン水(60〜70℃)で3回洗浄した。ポリマーを空気循環炉内で130℃において一晩乾燥させた。粗ポリマーは若干変色した外観を有し、59ml/gの溶液粘度を示した。サイズ排除クロマトグラフ(SEC)によって示されたように、ポリマーは明確な双峰分子量分布(MWD)を示した。低分子量側の独立ピークはM=10,700g/モルの重量平均分子量、M/M=2.2の多分散性および合計MWDの55%の面積を有していた。高分子量側の独立ピークはM=200,000g/モルの重量平均分子量、M/M=1.9の多分散性および合計MWDの45%の面積を有していた。サンプルの総合的多分散性はM/M=11.2であった。
【0092】
実施例6
インペラー型攪拌機システムが装備された全体積47.5lの重合容器に29lの脱イオン水および3.3gの二亜硫酸ナトリウム(Na)を投入した。その後、酸素のない容器を70℃に至るまで加熱し、攪拌システムを240rpmに設定した。10.25バールの絶対圧力まで0.6gのジメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)および1210gのヘキサフルオロプロピレン(HEP)、13.55バールの絶対圧力まで176gのフッ化ビニリデン(VDF)ならびに15.5バールの絶対反応圧力まで190gのテトラフルオロエチレン(TFE)を容器に投入した。水に溶解した40gのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加によって重合を開始した。反応が始まるにつれて、TFE(kg)/VDF(kg)のフィード比0.705およびHFP(kg)/VDF(kg)のフィード比1.185でTFE、VDFおよびHFPを気相にフィードすることにより15.5バールの絶対反応圧力を維持した。さらに、二亜硫酸ナトリウム(Na)の10%水溶液をフィード速度50ml/時間で反応器に連続的にフィードした。70℃の反応温度も維持した。
【0093】
2.51kgのVDFをフィードした後(重合時間62分後の50%モノマー目標フィードに対応する)、54gのMTBE連鎖移動剤の一部を容器に添加した。それはモノマー消費量の劇的な減少をもたらした。5.01kgのVDFモノマーフィードが完了するまで、もう200分の重合時間にわたってモノマーフィードを維持した。モノマーフィードを中断し、モノマー弁を閉じた。10分以内に、モノマー気相を8.4バールの容器圧力に至るまで反応させた。その後、反応器をベントし、3サイクルでNを用いてフラッシュした。
【0094】
固形物含有率33.2%のこうして得られた43.4kgのポリマー分散液を反応器の底で回収した。ポリマー分散液は動的光散乱法により直径274nmのラテックス粒子から構成されていた。
【0095】
このポリマー分散液の5.0lを冷蔵庫内で一晩凍結凝固させた。材料を解凍後、こうして得られたスポンジ様粗ポリマーを脱イオン水で5回洗浄し、ポリマーを絞り出し、130℃のオーブン内で12時間にわたり乾燥させた。ポリマーは透明であり、変色の兆候を全く示さなかった。ポリマーは12.8g/10分のMFI(265/5)および68ml/gの溶液粘度を有していた。サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって得られたように、ポリマーは、明確な双峰分子量分布(MWD)を示した。低分子量側の独立ピークはM=13.600g/モルの重量平均分子量、M/M=2.2の多分散性および合計MWDの53%の面積を有していた。高分子量側の独立ピークはM=279.000g/モルの重量平均分子量、M/M=1.9の多分散性および合計MWDの47%の面積を有していた。サンプルの総合的多分散性はM/M=12.3であった。
【0096】
ポリマー100部を2台のロールミルで以下の原料と混合した。
●5.94(mmhr)のビスフェノールAF
●0.54(mmhr)の以下のホスホニウム錯体
(CCHCH(CH)OCH OCC(CFOH
これは、トリブチルホスフェン(サイテック(Cytec)によって販売されている)アリルクロリドとメタノールから、そしてビスフェノールAFのナトリウム塩と反応させることにより調製されたトリブチルメトキシプロピルホスホニウムクロリドである。
●1.03(mmhr)の別の錯体
これは、トリブチルメトキシプロピルホスホニウムクロリドをパーフルオロオクチル−n−メチルスルホンアミドのナトリウム塩と反応させることにより調製された錯体である。
【0097】
硬化剤ブレンド(121℃で「ML1+10硬化剤を配合」)のムーニー粘度を測定した後、以下の他の混合用原料を添加した。3g/100g(phr)の酸化マグネシウム(モートンインターナショナル(morton International)によって販売されているエラストマグ(Elastomag)170)、6phrの水酸化カルシウムおよび13phrのカーボンブラック(N762)。165℃で50分にわたり5〜7MPaでプレスすることにより76×152×2mmの寸法の個々のシートの形で組成物を調製した。(特許文献33)および(特許文献34)(比較例3)で開示された比較先行技術のポリマーで同じ硬化手順を行った。最後に、両方の硬化したコンパウンドを試験し、上で記載した試験プロトコルにより種々の特性について比較した。試験結果を表4で報告している。
【0098】
【表4】
Figure 2004525239
【0099】
この実施例は、特性を大幅に改善して双峰分子量分布を唯一の単一工程重合で生じさせるために本発明の重合方法を便利に使用できることを実証している。
【0100】
比較例4
実施例7に対する比較例として、先行技術のポリマーを次の通り調製した。
インペラー型攪拌機システムが装備された全体積186.1lの重合容器に119.8lの脱イオン水、55.4gのシュウ酸、388gのシュウ酸アンモニウム、268gのマロン酸ジエチルおよび1660gの30%パーフルオロオクタン酸アンモニウム溶液(APFO)を投入した。その後、酸素のない容器を43℃に至るまで加熱し、攪拌システムを210rpmに設定した。6.3バールの絶対圧力まで4000gのヘキサフルオロプロピレン(HFP)、11.9バールの絶対圧力まで1210gのフッ化ビニリデン(VDF)および15.0バールの絶対反応圧力まで1170gのテトラフルオロエチレン(TFE)を容器に投入した。50mlの1.34%過マンガン酸カリウム水溶液によって重合を開始した。反応が始まるにつれて、VDF(kg)/TFE(kg)のフィード比0.862およびHFP(kg)/TFE(kg)のフィード比0.472でTFE、VDFおよびHFPを気相にフィードすることにより15.0バールの絶対反応圧力を維持した。さらに、1.34%過マンガン酸カリウム水溶液を反応器にフィード速度110ml/時間で連続的にフィードした。43℃の反応温度も維持した。
【0101】
26.6kgのTFEをフィードした後、モノマーフィードを中断し(重合時間275分後)、モノマー弁を閉じた。固形物含有率32.2%のこうして得られた178.7kgのポリマー分散液を反応器の底で回収した。ポリマー分散液は動的光散乱法により直径92nmのラテックス粒子から構成されていた。このポリマーをダウエックス(DOWEX)650Cカチオン交換樹脂(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.))を含むガラスカラムに通した。その後、分散液を高圧ホモジナイザー(ドイツ国ルエベックのAPV−Gaulin Gmbh(Luebeck,Germany))内で300バールに加圧し、その後、スリットを通して膨張させた後、膨張すると分散液は殆ど定量的に凝固してスラリーを生じた。スラリーをポンプで貯槽に送り、水で希釈し、その後、スラリーをポンプで連続真空フィルタープレス(パネビス(Pannevis))に送り、洗浄し脱水した。脱水した組成物を真空下で70℃において15時間にわたりオーブン内で乾燥させた。
【0102】
乾燥させたポリマーは、120℃の融点最大および6.8J/gの融解熱を示した。ポリマーは、22g/10分のMFI(265/5)を有していた。サイズ排除クロマトグラフによって示されたように、ポリマーは、Mw=77200g/モルの重量平均分子量およびMw/Mn=1.81の多分散性指数を有していた。2000g/モルより小さい分子量の部分は全ポリマーの0.1%になり、5000g/モル未満の分子量の部分は全ポリマーの0.5%になった。
【0103】
2gのフルオロポリマー樹脂を18gのテトラヒドロフランに完全に溶解させた。その後、激しい攪拌下で溶液を80gのメタノールに滴下することによりポリマーを再沈殿させた。沈殿したポリマーを除去した後、上で記載されたように比色法によりメタノール/THF液をAPFOの残留量に関して分析した。この分析によると、ポリマー中でAPFO88ppmの全APFO残留量が生じた。
【0104】
実施例7
インペラー型攪拌機システムが装備された全体積47.5lの重合容器に29lの脱イオン水、2.0gのシュウ酸および12.0gのシュウ酸アンモニウムを投入した。後続の3サイクルにおいて、容器を脱気し、その後、窒素を投入して、すべての酸素を確実に除去した。その後、容器を60℃に至るまで加熱し、攪拌システムを240rpmに設定した。1.4バールの絶対圧力までエタン、8.20バールの絶対圧力まで969gのヘキサフルオロプロピレン(HFP)、12.62バールの絶対圧力まで250gのフッ化ビニリデン(VDF)および15.5バールの絶対反応圧力まで400gのテトラフルオロエチレン(TFE)を容器に投入した。25mlの1.3%過マンガン酸カリウム水溶液によって重合を開始した。反応が始まるにつれて、VDF(kg)/TFE(kg)のフィード比0.821およびHFP(kg)/TFE(kg)のフィード比0.424でTFE、VDFおよびHFPを気相にフィードすることにより15.5バールの絶対反応圧力を維持した。さらに、1.3%過マンガン酸カリウム水溶液を反応器にフィード速度60ml/時間で連続的にフィードした。60℃の反応温度も維持した。
【0105】
3260gのTFEをフィードした後、モノマーフィードを中断し、モノマー弁を閉じた。その後、反応器をベントし、3サイクルでNを用いてフラッシュした。固形物含有率20%のこうして得られた36.3kgのポリマー分散液を反応器の底で回収した。ポリマー分散液は動的光散乱法により直径387nmのラテックス粒子から構成されていた。このポリマーを比較例5に記載されたのと同じ方式で仕上げた。
【0106】
乾燥させたポリマーは、118℃の融点最大および6.5J/gの融解熱を示した。ポリマーは透明であり、17.9g/10分のMFI(265/5)を有していた。SEC分析によって示されたように、ポリマーは、Mw=79.400g/モルの重量平均分子量およびMw/Mn=1.59の多分散性指数を有する対称ガウス分子量分布を有していた。比較例5のフルオロポリマーと比較すると、実施例7のフルオロ樹脂の低分子量部分は非常に少ない。5000g/モルより小さい分子量の部分は全ポリマーの0.2%のみであるが、2000g/モル未満の分子量の部分はSEC装置で全く検出できない。
【0107】
一方で、この実施例は、部分的に結晶質のポリマーも本発明の環境に優しい方法により製造できることを実証している。他方、この実施例は、本発明の方法が便利で経済的に実現可能な方式でフッ化低分子量成分の量が非常に少ないフルオロ樹脂を提供することを実証している。

Claims (18)

  1. 互いに異なる少なくとも一種の第1のモノマーおよび少なくとも一種の第2のモノマーから誘導された反復単位を含むフルオロポリマーを製造する方法であって、前記第1のモノマーがテトラフルオロエチレンおよび/またはフッ化ビニリデンから選択されたフルオロオレフィンであり、前記第2のモノマーがフッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルモノマー、エチレン、プロピレン、フッ化アリルエーテル、フッ化ビニルエーテルおよびフッ化ビニリデンからなる群から選択された少なくとも一種のコモノマーであり、添加された界面活性剤の存在しない状態での前記第1のモノマーと前記第2のモノマーの水性乳化重合を含み、重合を開始させるために酸化剤と還元剤の混合物を用い、両方ではなく、酸化剤または還元剤のいずれかを重合中にさらに添加することを特徴とする方法。
  2. 前記酸化剤は過硫酸塩である請求項1に記載の方法。
  3. 前記フルオロポリマーは半結晶質フルオロポリマーまたは非晶質フルオロポリマーである請求項1に記載の方法。
  4. 前記フルオロポリマーは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとエチレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとのコポリマーおよびフッ化ビニリデンとパーフルオロビニルエーテルとのコポリマーからなる群から選択されたコポリマーである請求項1に記載の方法。
  5. 前記フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロビニルエーテルのコポリマーならびにテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンのコポリマーから選択されたコポリマーである請求項1に記載の方法。
  6. 前記フルオロポリマーは硬化部位成分をさらに含む硬化性フルオロエラストマーである請求項1に記載の方法。
  7. 前記フルオロポリマーは60℃〜250℃の融点を有するフルオロ熱可塑性物質である請求項1に記載の方法。
  8. 前記還元剤は亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩である請求項1に記載の方法。
  9. 前記重合は連鎖移動剤の存在下で行われる請求項1に記載の方法。
  10. 前記連鎖移動剤は、ジアルキルエーテルおよび炭素原子数1〜5のより低級のアルカンからなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  11. 酸化性金属イオンのための還元剤として機能することができるフルオロオレフィンと、フッ化ビニリデン、パーフルオロアルキルビニルモノマー、エチレン、プロピレン、フッ化アリルエーテル、フッ化ビニルエーテルおよびフッ化ビニリデンからなる群から選択された少なくとも一種のコモノマーとから誘導された反復単位を含むフルオロポリマーを製造する方法であって、添加された界面活性剤の存在しない状態での前記フルオロオレフィンと前記コモノマーの水性乳化重合を含み、重合を開始させるために酸化性金属イオンを用い、前記酸化性金属イオンが重合中にさらに添加されることを特徴とする方法。
  12. 前記酸化性金属イオンはマンガン酸塩から誘導する請求項11に記載の方法。
  13. 前記マンガン酸塩は過マンガン酸カリウムである請求項12に記載の方法。
  14. 前記フルオロオレフィンはテトラフルオロエチレンまたはフッ化ビニリデンである請求項11に記載の方法。
  15. 前記重合は連鎖移動剤の存在下で行われる請求項11に記載の方法。
  16. 前記連鎖移動剤は、ジアルキルエーテルおよび炭素原子数1〜5のより低級のアルカンからなる群から選択される請求項15に記載の方法。
  17. 前記方法は、多峰フルオロポリマーを製造するような方式で行われる請求項10または16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記重合は単一工程重合である請求項17に記載の方法。
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