JP2004361801A - ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が容易であり、機械的強度に優れ、不要な入射光の遮光性に優れ、所定方向から見た画像は明るく鮮明であり、かつ、点、縞、格子またはハニカム模様等のパターン形成が自由に出来る、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置を提供することにある。
【解決手段】透明基体上に、インクジェット方式によりライトコントロール用のパターンを形成することを特徴とするライトコントロールフィルムの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】透明基体上に、インクジェット方式によりライトコントロール用のパターンを形成することを特徴とするライトコントロールフィルムの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CRT等の画像面に入射する外光を遮断して画像が見えやすくするため等にライトコントロールフィルムが用いられている。このフィルムは特定の入射角度の光を選択的に透過し、その他の光を遮断することが出来るものである。
【0003】
その代表的作製法を挙げれば、特公昭47−43845号、特開昭50−92751号の各公報、及び下記特許文献1には、ルーバー付きプラスチックフィルムとその製造方法の発明が記載されている。これらは透明な薄い板と半透明または不透明な薄い板を交互に積層して所望の厚さにし、積層方向に対して垂直方向から薄くスライスしてフィルム状にし、ルーバー付きプラスチックフィルムを作製するスカイビング法といわれる方法が開示されている。出来上がったフィルムは積層方向に平行な光を最も透過し、積層方向に対して斜め方向から入射する光は、その入射角度が大きくなるほど不透明部分が光を遮るので、透過することが出来ないという特性を有することになる。
【0004】
また、下記特許文献2および特開昭58−215880号の各公報には、透明支持体上に感光性樹脂を塗布し、光照射にて点、縞、または格子模様のレリーフを形成し、そのレリーフを染色して作製したライトコントロールフィルムが記載されている。
【0005】
しかし、上記の作製方法によるライトコントロールフィルムには、下記のごとき問題点がある。即ち、特公昭47−43845号、特開昭50−92751号、特許文献1の各公報に示される技術においては、不透明領域と透明領域とを一定厚みの板を積層して造り、それを薄くスライスするため、工程的には複雑であり、また、積層体の断面部分をライトコントロールフィルム面として用いるため、大きなサイズのものは極めて造りにくい。
【0006】
一方、特許文献2および特開昭58−215880号の各公報にて開示されている技術では、多様で微細なレリーフ像を形成出来るが、これの機械的強度が十分でないという問題がある。
【0007】
さらに、上記問題を解決すべく、透明支持体上に銀塩感光層を設け、該感光層を露光・現像することによりパターンを形成し、ライトコントロールフィルムを造る発明が開示されている(特許文献3参照)。
【0008】
この方法は生産性が比較的高く、パターン形状も多様なものを形成することが出来るという意味で画期的なものといえる。しかし、パターンを水系現像液により形成する関係で、感光層は吸水性でなければならず膜強度があまり強いものは出来ない。また、露光によりパターンを作るため、高濃度のパターンを作ろうとすると、光の散乱等で膜面に垂直方向(深さ方向)の精度が十分ではなくなるとう問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開昭51−44186号公報
【0010】
【特許文献2】
特公平2−19449号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平11−72603号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造が容易であり、機械的強度に優れ、不要な入射光の遮光性に優れ、所定方向から見た画像は明るく鮮明であり、かつ、点、縞、格子またはハニカム模様等のパターン形成が自由に出来る、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成出来ることが判明した。
【0014】
〔1〕 透明基体上に、インクジェット方式によりライトコントロール用のパターンを形成することを特徴とするライトコントロールフィルムの製造方法。
【0015】
〔2〕 ライトコントロール用のパターンが、点、縞、格子模様またはハニカム模様のいずれかであることを特徴とする〔1〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0016】
〔3〕 ライトコントロール用のパターンを、少なくとも樹脂と、染料または顔料を含有するインク液滴の出射により形成し、該パターン以外の領域は透明樹脂を主成分とするインク液滴の出射により形成することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0017】
〔4〕 パターン形成用インク液滴に含有されている樹脂、及びパターン以外の領域用のインク液滴に含まれる透明樹脂が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする〔3〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0018】
〔5〕 前記インク液滴を透明基材上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする〔4〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0019】
〔6〕 パターン形成用インク液滴に含有されている樹脂、及びパターン以外の領域用のインク液滴に含まれる透明樹脂が、熱硬化型樹脂であることを特徴とする〔3〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0020】
〔7〕 前記インク液滴を透明基材上に着弾させた直後より、加熱処理を行うことを特徴とする〔6〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0021】
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のライトコントロールフィルムの製造方法により造られたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0022】
〔9〕 ライトコントロールフィルムへの垂直入射光の透過率が40%以上であり、かつ、30度斜め方向からくる光線の透過率が20%以下であることを特徴とする〔8〕記載のライトコントロールフィルム。
【0023】
〔10〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上にインクジェット方式により微細な凹凸構造を形成し防眩性を付与したことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0024】
〔11〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上に、少なくとも1層のハードコート層を形成し、その上にインクジェット方式により微細な凹凸構造を形成し防眩性を付与したことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0025】
〔12〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上に、反射防止層を設けたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0026】
〔13〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上に、防眩層を形成した後、該防眩層上に反射防止層を設けたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0027】
〔14〕 〔8〕〜〔13〕のいずれか1項記載のライトコントロールフィルムを製造するためのインクジェット装置であって、インクジェットヘッド部に直接活性光線又は熱が作用しないように活性光線照射部又は加熱部が配置されていることを特徴とするインクジェット装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明で用いることのできる素材、化合物、製造装置等について説明する。
【0029】
〔透明基材〕
本発明に係る透明基材(支持体)としては、製造が容易であること、光学的に等方性であり、透明であること等が好ましい要件として挙げられる。
【0030】
本発明でいう透明とは、可視光の透過率60%以上であることをさし、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
【0031】
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム(アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオネア(以上、日本ゼオン(株)製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム、アクリルフィルムまたはガラス板等を挙げることができる。これらは製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の観点から好ましく用いられる。
【0032】
〔ライトコントロールフィルムの特性〕
垂直入射光の透過率が40%以上とは、ライトコントロールフィルム面に対し垂直に入射してくる光の40%以上が、フィルム面を透過してくると言う意味である。30度(°)斜め光透過率が20%以下であるとは、フィルム面と入射光のなす角が30°であるとき、その光線の透過率が20%以下と言う意味である。なお、この値が入射光の方向により変動するときは、その最低の透過率が20%以下であることをいう。なお、これらの斜め方向からの光線の透過率は、後述するごとくライトコントロールフィルム面に作製する縞状のパターンの幅を、上下方向、左右方向で変えるなどして、意識的に変えることが可能である。
【0033】
又、透明基体上に作製するパターン形状については、点、縞、格子模様またはハニカム模様等を有するものの何れでも良い。
【0034】
得られるライトコントロールフィルムの構造は、例えば図1の通りである(図1(a)は断面図、(b)は上面図)。線幅5μm、深さ30μmのストライプが、15μm間隔で規則正しく構成されているが、2がパターン像、1はPMMA板(1mm厚)透明基体である。
【0035】
またこのライトコントロールフィルムの特性は以下の通りであった。
支持体とのなす角度が90°の垂直入射光の光線透過率は60%であった。また支持体とのなす角度が30°斜め入射光の光線透過率は1%であった。
【0036】
上記ライトコントロールフィルムのストライプ状パターンと直角方向(図1の上下方向)の光入射角度と光透過率の関係は、図2に示す通りであった。
【0037】
ストライプ状パターンの代わりに図3に示した5μmのライン幅(光が透過する部分)及びラインスペース(遮光部分)15μmの格子状のパターンを使用した以外は図1と同様にして、格子模様状パターンを有するライトコントロールフィルムを得た。
【0038】
この場合、格子状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光透過率と光入射角度の関係を図4に示した。
【0039】
上記のように、格子状の原稿を用いれば、上下及び左右方向で入射光の角度により透過率を変えることができる格子状のパターンを有するライトコントロールフィルムを作ることができることがわかる。
【0040】
次に図1と同様にして透明基体上に図3に示すストライプ状の代わりに図5に示した点状のパターンを形成した以外は図1に記載のものと同様の方法で、点状模様を有するライトコントロールフィルムを得た。原稿の点の大きさ及び間隔は図5に示した。
【0041】
点状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光透過率と光入射角度の関係を図6に示した。
【0042】
図6の結果をみると、点状のパターンを用いれば、容易に上下及び左右方向に光の透過率を変えたライトコントロールフィルムを作ることが出来ることがわかる。
【0043】
さらに図1で説明したストライプ状パターンの代わりに図7に示したハニカム状のパターンを使用した以外は同様にして、ハニカム状模様を有するライトコントロールフィルムを得た。原稿のハニカム模様の大きさ及び間隔は図7に示した。
【0044】
ハニカムタイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光透過率と光入射角度の関係を図8に示した。これにより、更に容易に上下及び左右方向に光の透過率を変えたライトコントロールフィルムを作ることが出来ることがわかる。
【0045】
〔パターンの形成〕
上記ライトコントロールフィルムのパターンは、インクジェット方式により作製する。
【0046】
次いで、本発明に係るインクジェット方式について説明する。
図9は、本発明に係るインクジェット方法に用いることのできるインクジェットヘッドの一例を示す断面図である。
【0047】
図9(a)はインクジェットヘッドの断面図であり、図9(b)は図9(a)のA−A線矢視拡大図である。図中、11は基板、12は圧電素子、13は流路板、13aはインク流路、13bは壁部、14は共通液室構成部材、14aは共通液室、15はインク供給パイプ、16はノズルプレート、16aはノズル、17は駆動用回路プリント板(PCB)、18はリード部、19は駆動電極、20は溝、21は保護板、22は流体抵抗、23、24は電極、25は上部隔壁、26はヒータ、27はヒータ電源、28は伝熱部材、10はインクジェットヘッドである。
【0048】
集積化されたインクジェットヘッド10において、電極23、24を有する積層された圧電素子12は、流路13aに対応して、該流路13a方向に溝加工が施され、溝20と駆動圧電素子12bと非駆動圧電素子12aに区分される。溝20には充填剤が封入されている。溝加工が施された圧電素子12には、上部隔壁25を介して流路板13が接合される。すなわち、前記上部隔壁25は、非駆動圧電素子12aと隣接する流路を隔てる壁部13bとで支持される。駆動圧電素子12bの幅は流路13aの幅よりも僅かに狭く、駆動用回路プリント板(PCB)上の駆動回路により選択された駆動圧電素子12bはパルス状信号電圧を印加すると、該駆動圧電素子12bは厚み方向に変化し、上部隔壁25を介して流路13aの容積が変化し、その結果ノズルプレート16のノズル16aよりインク液滴を吐出する。
【0049】
流路板13上には、伝熱部材28を介してヒータ26がそれぞれ接着されている。伝熱部材28はノズル面にまわり込んで設けられている。伝熱部材28は、ヒータ26からの熱を効率良く流路板13に伝え、かつ、ヒータ26からの熱をノズル面近傍に運びノズル面近傍の空気を温めることを目的としており、したがって、熱伝導率の良い材料が用いられる。例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、ステンレス等の金属、あるいは、SiC、BeO、AlN等のセラミックス等が好ましい材料として挙げられる。
【0050】
圧電素子を駆動すると、流路の長手方向に垂直な方向に変位し、流路の容積が変化し、その容積変化によりノズルからインク液滴となって噴射する。圧電素子には常時流路容積が縮小するように保持する信号を与え、選択された流路に対して流路容積を増大する向きに変位させた後、再び流路の容積が縮小する変位を与えるパルス信号を印加することにより、流路と対応するノズルよりインクがインク液滴となって噴射する。
【0051】
図10は、本発明で用いることのできるインクジェットヘッド部、ノズルプレートの一例を示す概略図である。
【0052】
図10において、図10の(a)はヘッド部の断面図、図10の(b)はノズルプレートの平面図である。図中、1は透明基材、31はインク液滴、32はノズル、29は活性光線照射部である。ノズル32より噴射したインク液滴31は透明基材1方向に飛翔して付着する。透明基材1上に着弾したインク液滴は、その上流部に配置されている活性光線照射部29より、活性光線を直ちに照射され、硬化する。なお、35は透明基材1を保持するバックロールである。
【0053】
本発明においては、図10の(b)に記載のように、インクジェットヘッド部のノズルは、千鳥状に配置することが好ましく、また、透明基材1の搬送方向に並列に多段に設けることが好ましい。
【0054】
図11に、本発明で好ましく用いることのできるインクジェット方式の一例の概念図を示す。
【0055】
図11において、図11のa)は、インクジェットヘッド10を透明基材1の幅手方向に配置し、透明基材1を搬送しながらその表面にパターンを形成する方法(ラインヘッド方式)であり、図11のb)はインクジェットヘッド10が副走査方向に移動しながらその表面にパターンを形成する方法(フラットヘッド方式)であり、図11のc)はインクジェットヘッド10が、透明基材1上の幅手方向を走査しながらその表面にパターンを形成する方法(キャプスタン方式)であり、いずれの方式も用いることができる。本発明においては、生産性の観点からラインヘッド方式が好ましい。なお、図11のa)〜c)に記載の29は、インクとして後述の活性光線硬化型樹脂を用いる場合に使用する活性光線照射部である。
【0056】
また、本発明においては、図11のa)、b)、c)の透明基材の搬送方向の下流側に、別の活性光線照射部を設けてもよい。
【0057】
本発明において、インク液滴としては0.1〜100plが好ましく、0.1〜50plがより好ましく、0.1〜10plが特に好ましい。
【0058】
また、インク液滴の粘度は、25℃において0.1〜100mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜50mPa・sである。
【0059】
〔パターン付与組成物〕
次いで、本発明に係るインクジェット方式で用いるパターン付与組成物(インクということあり)について説明する。
【0060】
なお、パターン付与組成物の他に、パターン形成されていない領域には、透明なインクを塗設しライトコントロールフィルムの膜厚が、パターン形成されている領域もそうでない領域もほぼ同一にするのが好ましい。この場合、パターン形成されていない領域に塗設する透明な「インク」は、上記パターン付与組成物の「インク」から、顔料又は染料を除いたものを用いてもよいし、樹脂組成等が異なるものを用いてもよい。いずれの「インク」もインクジェット方式の装置で吐出するなら、予め定められたパターン情報に基づき正確に吐出させることが出来る。だだし、用いる樹脂が活性光線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであるかは、統一することが好ましい。
【0061】
本発明に係るインクは、活性光線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を用いるものであることが好ましい。
【0062】
はじめに、本発明に係る活性光線硬化型樹脂について説明する。
活性光線硬化型樹脂とは、紫外線や電子線のような活性光線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。活性光線硬化型樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性光線照射によって硬化する樹脂でもよい。
【0063】
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0064】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載の、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
【0065】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号)。
【0066】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
【0067】
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
【0068】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂の例として、有用に用いられるエポキシ系活性光線反応性化合物を示す。
【0069】
(a)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの反応により、重合度の異なる混合物として得られる)
(b)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物
(c)4,4′−メチレンビスフェノールのグリシジルエーテル
(d)ノボラック樹脂またはレゾール樹脂のフェノールフォルムアルデヒド樹脂のエポキシ化合物
(e)脂環式エポキシドを有する化合物、例えば、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルピメレート)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−1′−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−6′−メチル−1′−シクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5′,5′−スピロ−3″,4″−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン
(f)2塩基酸のジグリシジルエーテル、例えば、ジグリシジルオキザレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート
(g)グリコールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
(h)ポリマー酸のグリシジルエステル、例えば、ポリアクリル酸ポリグリシジルエステル、ポリエステルジグリシジルエステル
(i)多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グルコーストリグリシジルエーテル
(j)2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテルとしては、前記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例と同様のもの
(k)含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては、上記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物等
を挙げることができる。
【0070】
上記エポキシ化合物の分子量は、平均分子量として2000以下で、好ましくは1000以下である。
【0071】
上記のエポキシ化合物を活性光線により硬化する場合、より硬度を上げるためには、(h)または(i)の多官能のエポキシ基を有する化合物を混合して用いると効果的である。
【0072】
エポキシ系活性光線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、活性光線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。
【0073】
活性光線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性光線反応性樹脂である。
【0074】
本発明に有用な活性光線反応性エポキシ樹脂は、活性光線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する光重合開始剤または光増感剤により重合する。光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
【0075】
かかる代表的なものは下記一般式(a)で表される化合物である。
一般式(a)
〔(R1)a(R2)b(R3)c(R4)dZ〕w+〔MeXv〕w−
式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
【0076】
上記一般式(a)の陰イオン〔MeXv〕w−の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 −)、テトラフルオロホスフェート(PF4 −)、テトラフルオロアンチモネート(SbF4 −)、テトラフルオロアルセネート(AsF4 −)、テトラクロロアンチモネート(SbCl4 −)等を挙げることができる。
【0077】
また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO4 −)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 −)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 −)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン酸陰イオン等を挙げることができる。
【0078】
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが有効であり、中でも特開昭50−151996号、同50−158680号等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、同52−30899号、同59−55420号、同55−125105号等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、同56−149402号、同57−192429号等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号等に記載のチオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性けい素化合物系重合開始剤等を挙げることができる。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することができる。
【0079】
また、エポキシアクリレート基を有する活性光線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の光増感剤を用いることができる。この活性光線反応性化合物に用いられる光増感剤や光開始剤は、紫外線反応性化合物100質量部に対して0.1〜15質量部で光反応を開始するには十分であり、好ましくは1〜10質量部である。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
【0080】
本発明に有用な活性光線硬化型樹脂組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性光線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質量部に対して0.1〜15質量部の使用が好ましく、更に好ましくは1〜10質量部の範囲の添加が好ましい。
【0081】
また、エポキシ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等と併用することもでき、この場合、活性光線ラジカル重合開始剤と活性光線カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
【0082】
また、本発明においては、オキセタン化合物を用いることもできる。用いられるオキセタン化合物は、酸素または硫黄を含む3員環のオキセタン環を有する化合物である。中でも酸素を含むオキセタン環を有する化合物が好ましい。オキセタン環は、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アリールアルキル基、アルコキシル基、アリルオキシ基、アセトキシ基で置換されていてもよい。具体的には、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、3,3−ビス(ヨードメチル)オキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−メチル−3クロルメチルオキセタン、3,3−ビス(アセトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フルオロメチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等が挙げられる。尚、本発明ではモノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。
【0083】
本発明で用いることのできる紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、アデカオプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業(株)製)、コーエイハードのA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業(株)製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業(株)製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー(株))、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製)、サンラッド H−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業(株)製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製)、RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成(株)製)、またはその他の市販のものから適宜選択して利用することができる。
【0084】
本発明に係るインクには、公知の熱可塑性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダを上記記載の活性光線硬化型樹脂に混合して使用することができる。これらの樹脂は、その分子中に極性基を持っていることが好ましい。極性基としては、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO3M2、−OPO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げることができる。
【0085】
本発明に使用する上記活性光線反応性化合物を光重合または光架橋反応を開始させるには、上記活性光線反応性化合物のみでも開始するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かったりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましく、それにより重合を早めることができる。
【0086】
本発明に係るインクが、活性光線硬化型樹脂を含有する場合、活性光線の照射時においては、光反応開始剤、光増感剤を用いることができる。
【0087】
具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリレート系樹脂の合成に光反応剤を使用する際に、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
【0088】
また、活性光線硬化型樹脂として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合、前記紫外線硬化性樹脂の光硬化を妨げない程度に、紫外線吸収剤を紫外線硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。
【0089】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0090】
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式(1)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0092】
【化1】
【0093】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0094】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していてよい。
以下に本発明に係る紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0095】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、Ciba社製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、Ciba社製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式(2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0096】
【化2】
【0097】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0098】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までのアルコキシル基を表し、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基でアリル基、2−ブテニル基等を表す。また、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)等が挙げられる。
【0099】
以下に一般式(2)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0100】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0101】
また、特開2001−187825号に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤は、支持体の面品質を向上させ、塗布性にも優れている。特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
【0102】
また、特開平6−148430号に記載の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039号の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
【0103】
また、インクジェット方式により形成したパターンの耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。具体的には、例えば、4,4′−チオビス(6−tert−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスフェート等を挙げることができる。
【0104】
本発明に係るインクには、SnO2、ITO、ZnO等の導電性微粒子や架橋カチオンポリマー粒子等の帯電防止剤を含有させることが好ましい。また、これらの化合物は、透明基材上に設ける後述のハードコート層に添加してもよい。
【0105】
本発明において、インクジェット方式により形成した層が活性光線硬化型樹脂を含む場合、活性光線の照射方法としては、インク液滴を透明基体上に着弾させた直後に、活性光線を照射することが好ましい。
【0106】
〔インクの吐出及び硬化条件〕
本発明でいうインク液滴を透明基体上に着弾させた直後とは、具体的にはインク液滴が着弾後0.001〜2.0秒の間が好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒の間である。照射光源の照射間隔が0.001秒より短いと、ノズル部と照射光源の距離が接近しすぎて、硬化反応により昇華物質によるヘッドの汚染や、照射光のインク出射部への回り込みにより、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため好ましくない。また、照射光源の照射間隔が2.0秒を超えると、着弾したインク液滴の流動、変形等により、本発明で規定する所望の凹凸構造を得ることが困難となる。
【0107】
上記照射時のノズル部への光の回り込みを防止するため、本発明のインクジェット方式においては、活性光源照射部をインクジェットヘッド(特にそのノズル部)に直接作用させない位置に配置することが好ましく、更に、照射される活性光線が、インクジェットヘッドのノズル部に作用しないように遮光板をその間に設けることが好ましい。
【0108】
また、インク液滴が着弾した直後の活性光線の照射は、着弾したインク液滴の流動性を低下させ、所望の凹凸構造が形成できる程度に照射すればよく、ハーフキュア状態でもよい。この場合には、別途下流側に設置した活性光源を照射して、完全に硬化させることができる。このようにすることにより、インクジェットヘッドのノズル部に、活性光線が作用し目詰まりを起こすことを防止することができる。
【0109】
本発明に使用することができる活性光線としては、紫外線、電子線、γ線等で、パターン形成組成物である活性光線硬化型樹脂を活性化させる光源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は1mJ/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、20〜10000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜2000mJ/cm2である。
【0110】
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
【0111】
本発明においては、活性線照射の時の雰囲気中の酸素濃度が1%以下であることがより好ましい。
【0112】
また、本発明においては、活性光線の硬化反応を効率的に進めるため、透明基材等を加熱することもできる。加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、あるいは着弾したインク表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、インクジェット出射部の透明支持体を挟んで反対側に用いられるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。
【0113】
加熱温度としては、使用する活性光線硬化型樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
【0114】
〔熱硬化性樹脂〕
次いで、本発明に係る熱硬化性樹脂について説明する。
【0115】
本発明で用いることのできる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミドなどを挙げることができる。
【0116】
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、オルソフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、ビスフェノール系樹脂、プロピレングリコール−マレイン酸系樹脂、ジシクロペンタジエンないしその誘導体を不飽和ポリエステル組成に導入して低分子量化した、或いは被膜形成性のワックスコンパウンドを添加した低スチレン揮発性樹脂、熱可塑性樹脂(ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、飽和ポリエステルなど)を添加した低収縮性樹脂、不飽和ポリエステルを直接Br2でブロム化する、或いはヘット酸、ジブロムネオペンチルグリコールを共重合するなどした反応性タイプ、塩素化パラフィン、テトラブロムビスフェノール等のハロゲン化物と三酸化アンチモン、燐化合物の組み合わせや水酸化アルミニウムなどを添加剤として用いる添加タイプの難燃性樹脂、ポリウレタンやシリコーンとハイブリッド化、またはIPN化した強靭性(高強度、高弾性率、高伸び率)の強靭性樹脂等がある。
【0117】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ノボラックフェノール型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型を含むグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系、グリシジルエステル系、環式脂肪系、複素環式エポキシ系を含む特殊エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0118】
ビニルエステル樹脂としては、例えば、普通エポキシ樹脂とメタクリル酸等の不飽和一塩基酸とを開環付加反応して得られるオリゴマーをスチレン等のモノマーに溶解した物である。また、分子末端や側鎖にビニル基を持ちビニルモノマーを含有する等の特殊タイプもある。グリシジルエーテル系エポキシ樹脂のビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノール系、ノボラック系、臭素化ビスフェノール系等があり、特殊ビニルエステル樹脂としてはビニルエステルウレタン系、イソシアヌル酸ビニル系、側鎖ビニルエステル系等がある。
【0119】
フェノール樹脂は、フェノール類とフォルムアルデヒド類を原料として重縮合して得られ、レゾール型とノボラック型がある。
【0120】
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例えば、マレイン酸系ポリイミド、例えばポリマレイミドアミン、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド−O,O′−ジアリルビスフェノール−A樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等、またナジック酸変性ポリイミド、及びアセチレン末端ポリイミド等がある。
【0121】
また、上述した活性光線硬化型樹脂の一部も、熱硬化性樹脂として用いることができる。
【0122】
なお、本発明に係る熱硬化性樹脂からなるインクには、活性光線硬化型樹脂を含むインクに記載した酸化防止剤や紫外線吸収剤を適宜用いてもよい。
【0123】
本発明において、インクジェット方式により形成した層が熱硬化性樹脂を含む場合、加熱方法としては、インク液滴を透明基体上に着弾させた直後に、加熱処理を行うことが好ましい。
【0124】
本発明でいうインク液滴を透明基体上に着弾させた直後とは、具体的にはインク液滴が着弾と同時または5秒以内に加熱が開始されることが好ましく、より好ましくは0.001〜2.0秒の間である。加熱間隔が0.001秒より短いと、ノズル部と加熱部の距離が接近しすぎて、熱がヘッド部に伝達すると、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため注意が必要である。また、加熱間隔が5.0秒を超えると、着弾したインク液滴の流動、変形等により、本発明で規定する所望の特性を得ることが困難となる。
【0125】
これらをインクとして使用する場合につき、活性光線硬化型インクと異なる事項を中心に記載する。
【0126】
上記加熱時のノズル部への熱の伝達を防止するため、本発明のインクジェット方式においては、加熱部をインクジェットヘッド(特にノズル部)に直接作用させない位置に配置することが好ましい。
【0127】
加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、あるいは着弾したインク表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、インクジェット出射部の透明支持体を挟んで反対側に設けるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。加熱温度としては、使用する熱硬化性樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
【0128】
本発明に係るインクにおいては、上述した活性光線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができるが、好ましくは活性光線硬化型樹脂を用いることである。
【0129】
本発明に係る上記インクには、必要に応じて溶媒を含有させることができる。例えば、水系溶媒に前記活性光線硬化型樹脂モノマー成分、あるいは熱硬化性樹脂モノマー成分を溶解もしくは分散させてもよく、あるいは有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒は低沸点のものでも高沸点のものでも適宜選択して用いることができ、これらの溶媒の添加量や種類、組成はインクの粘度を調整するため適宜調整することが好ましい。
【0130】
本発明に係るインクで用いることができる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類も好ましく用いられる。
【0131】
グリコールエーテル類としては、具体的には下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルAc、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルAc、エチレングリコールジエチルエーテル等を挙げることができる、なおAcはアセテートを表す。本発明に係るインクにおいては、上記溶剤の中でも、沸点が100℃未満の溶剤が好ましい。
【0132】
〔パターン形成層以外の層〕
次いで、本発明におけるインクジェット方式によるパターン形成層以外の層を形成する好ましい態様について説明する。
【0133】
本発明のライトコントロールフィルムは、透明基材上に好ましくは防眩層を有し、その上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されていることが好ましい。
【0134】
防眩層とは、表面に微細な凹凸構造を有し、不要な表面反射を防止して、画面を見やすくするために塗設される層である。その凹凸の度合いは中心線平均粗さ(Ra)が0.05〜5.0μm程度であり、樹脂と無機或いは有機の微粒子を含有させた透明インク状の防眩性付与組成物を、インクジェット方式により吐出させて形成するのが好ましい方法である。ライトコントロールフィルム面に形成される粗さをコントロールするには、無機或いは有機の微粒子の粒径を調整すればよい。
【0135】
本発明に係る反射防止層は、防眩層の上に、防眩層側から複数の屈折率層を設けることが好ましく、更には、高屈折率層、低屈折率層を順に積層したものであることが好ましい。屈折率の高低は、そこに含まれる金属または化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定により計算して算出し得る。
【0136】
反射防止層は、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成されている。得に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体または防眩層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましく用いられる。または、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。
【0137】
また、必要に応じて、汚れや指紋のふき取りが容易となるように、最表面の低屈折率層の上に、さらに防汚層を設けることも好ましい。防汚層としては、含フッ素有機シラン化合物が好ましく用いられる。
【0138】
本発明に係る反射防止層は、前述の塗布方式により形成することもでき、また大気圧プラズマ処理、CVD等のドライプロセスによって金属酸化物層(SiO2、TiO2、Ta2O5、ZrO2、ZnO、SnO2、ITOなど)を設けることができる。
【0139】
本発明に係る高屈折率層としては、好ましくはチタン酸化物を含有することが望ましい。これらは微粒子として添加することもできるが、より好ましくは、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層である。
【0140】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−n−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−i−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−n−C4H9)4の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。中でもTi(O−n−C3H7)4、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−n−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−n−C4H9)4の2〜10量体が特に好ましい。
【0141】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50〜90質量%がより好ましく、55〜90質量%が更に好ましい。このほか、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(あらかじめ有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)あるいは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
【0142】
また、本発明においては、塗布液中に上記有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーの部分または完全加水分解物を含むが、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーは、自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機けい素化合物、光による酸発生剤(光酸発生剤)等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光酸発生剤である。アルミキレート化合物の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、光酸発生剤の例としては、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、その他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることができる。
【0143】
反射防止層の塗布液中の固形分比率として0.5〜20質量%のバインダが含まれることが好ましい。
【0144】
バインダとしては、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基、オキセタン環等の重合性基を2つ以上有し、活性光線照射により架橋構造または網目構造を形成するインクで用いたのと同様なアクリルまたはメタクリル系活性エネルギー線反応性化合物、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物またはオキセタン系活性エネルギー線反応性化合物を用いることができる。これらの化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマーを含む。重合速度、反応性の点から、これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が好ましく、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。また、前述のインク及びハードコート層に用いられる活性光線硬化型樹脂も好ましく用いることができる。更に、アルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられる。
【0145】
チタン化合物を含む中〜高屈折率層には、バインダとしてアルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられ、これによって、膜厚むらが少ない中、高屈折率層を得ることができる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート重合体またはアルキル(メタ)アクリレート共重合体、例えばn−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等の共重合体が好ましく用いられるが、共重合成分としてはこれらに限定されるものではない。市販品としては、ダイヤナールBR−50、BR−51、BR−52、BR−60、BR−64、BR−65、BR−70、BR−73、BR−75、BR−76、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−89、BR−90、BR−93、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)製)等が使用できる。これらのモノマー成分も中〜高屈折率層用バインダとして添加することができる。バインダの添加比率を変更することによって屈折率を調整することができる。
【0146】
低屈折率層にはすべり剤を添加することが好ましく、滑り性を付与することによって耐傷性を改善することができる。すべり剤としては、シリコーンオイルまたはワックス状物質が好ましく用いられる。
【0147】
具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然物としてこれらの成分を多く含んでいるカルナウバワックス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特公昭53−292号に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号、英国特許第927,446号または特開昭55−126238号及び同58−90633号に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜24の脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステル)、そして米国特許第3,933,516号に開示されているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−37217号に開示されているような炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリエステル化合物、特開平7−13292号に開示されているジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル等を挙げることができる。
【0148】
低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は0.01〜10mg/m2が好ましい。必要に応じて、中屈折率層や高屈折率層に添加することもできる。
【0149】
本発明の低屈折率層には、界面活性剤、柔軟剤、柔軟平滑剤等を添加することが好ましく、これによって耐擦り傷性が改善される。中でもアニオン系または非イオン系の界面活性剤が好ましく、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、多価アルコール脂肪酸エステルの非イオン界面活性剤乳化物等が好ましい。例えば、リポオイルNT−6、NT12、NT−33、TC−1、TC−68、TC−78、CW−6、TCF−208、TCF−608、NKオイルCS−11、AW−9、AW−10、AW−20、ポリソフターN−606、塗料用添加剤PC−700(日華化学(株)製)等が用いられる。
【0150】
本発明に係る低屈折率層は、酸化珪素等の珪素化合物微粒子あるいはフッ素含有化合物微粒子等を塗設して設けることが好ましい。好ましい有機けい素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方法により行うことができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2個以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平均重合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることができる。
【0151】
硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、本発明においては酸、特にスルホニル基またはカルボキシル基を有する有機酸が好ましく用いられる。例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が用いられる。有機酸は1分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物であればいっそう好ましく、例えば、クエン酸または酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸が用いられる。また、有機酸は水溶性の酸であることが更に好ましく、例えば上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等が好ましく用いられる。また、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アトロバ酸等も適宜用いることができる。
【0152】
上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでなく、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部がよい。また、水の添加量については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加するのがよい。
【0153】
このようにして得られた低屈折率層用の塗布組成物は極めて安定である。
(熟成工程)
更に、本発明では熟成工程により、有機けい素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間である。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した変性物であってもよく、単独または上記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0154】
また、本発明においては上記低屈折率層に酸化けい素微粒子を含有させることができる。粒径0.1μm以下の酸化けい素微粒子を含むことが好ましい。例えば、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)等を添加することができる。特に表面がアルキル基で修飾された酸化けい素微粒子が好ましく用いられ、例えばアエロジルR972、R972V(日本アエロジル(株)製)として市販されている表面がメチル基で修飾された酸化けい素微粒子を好ましく添加することができる。このほか特開2001−2799号に記載されている表面がアルキル基で置換された酸化けい素微粒子を用いることもでき、前述のシリケートオリゴマーの加水分解後にアルキルシランカップリング剤により処理することでも容易に得ることができる。添加量としては低屈折率層中の固形分比率で0.1〜40質量%の範囲となるように添加することが好ましい。
【0155】
本発明の各屈折率層には、屈折率の調整あるいは膜質の改善のために更にシラン化合物を添加することができる。
【0156】
本発明に係る高〜低屈折率層(光学干渉層ともいう)を塗設する際の塗布液に使用する溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0157】
また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0158】
グリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルであり、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルとしては特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられ、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は、塗布液中に全有機溶媒の1〜90質量%添加されていることが好ましい。
【0159】
また、本発明に係る高〜低屈折率層の各層の塗布液には各種のレベリング剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の低表面張力物質を添加することが好ましい。
【0160】
本発明に係る中〜高屈折率層及び低屈折率層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解または硬化を促進するため、活性光線を照射することが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに活性エネルギー線を照射することである。
【0161】
本発明に使用する活性光線は、インクの硬化で用いるのと同様の光源を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ましくは、100〜2,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、400〜2,000mJ/cm2である。
【0162】
紫外線を用いる場合、多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよいが、多層を積層した後、紫外線を照射することが特に好ましい。
【0163】
また、本発明においては、ドライプロセスにより反射防止層を設ける方法も好ましく用いることができ、例えば、特開平7−333404号、同11−133205号、同11−61406、特開2002−228803号に記載の方法に従って、反射防止層あるいは防汚層を形成することができるが、本発明においては、大気圧プラズマ処理方法により反射防止層を形成することが、特に好ましい。
【0164】
【実施例】
次に、本発明の具体的態様とその効果を記載して、本発明を更に説明するが、無論、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0165】
〔実施例1〕
透明基材の作製
下記のようにドープを調製して、透明基材であるセルロースエステルフィルムを作製した。
【0166】
ドープ組成物を密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながらセルローストリアセテート(TAC)を完全に溶解しドープを得た。溶解に要した時間は4時間であった。ドープ組成物を濾過した後、ベルト流延装置を用い、ドープ(温度35℃)を22℃のステンレスバンド支持体上に均一に流延した。ステンレスバンド支持体の温度は20℃であった。
【0167】
その後、剥離可能な範囲まで乾燥させた後、ステンレスバンド支持体上からドープを剥離した。このときのドープの残留溶媒量は25%であった。ドープ流延から剥離までに要した時間は3分であった。ステンレスバンド支持体から剥離した後、幅方向に保持しながら120℃で乾燥させた後、幅保持を解放して、多数のロールで搬送させながら120℃、135℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施して、膜厚40μmのセルローストリアセテートフィルムを作製した。フィルム幅は1300mm、巻き取り長は3000mとした。巻き取り張力は、初期張力150N/1300mm、最終巻張力100N/1300mmとした。
【0168】
上記作製したセルロースエステルフィルムにおいて、縞(ストライプ)パターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0169】
ライトコントロールフィルムの作製
セルロースエステルフィルム上に、下記の黒色インク液1をインクジェット方式によりインク液滴として1plで出射し、0.2秒後に活性光線照射部より100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射して硬化させた後、線幅5μmの縞パターンを形成する。また縞以外の場所を下記透明インク液2を同様にインクジェット方式によりインク液滴として1plで出射し、0.2秒後に活性光線照射部より100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射して硬化させる。これを繰り返して、膜厚を30μmとする。その後、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、更に100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射してライトコントロールフィルムを形成した。
【0170】
〈インクジェット出射方法〉
インクジェット出射装置は、ラインヘッド方式(図10(a)と同様構造)を使用し、ノズル径が3.5μmのノズルを所定数有するインクジェットヘッド10基を準備した。インクジェットヘッドは図9に記載の構成のものを使用した。
【0171】
インク供給系は、インク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッド及び配管から構成されており、インク供給タンクからインクジェットヘッド部までは、断熱及び加温(40℃)し、出射温度は40℃、駆動周波数は20kHzで行った。
【0172】
〈黒色インク液1の組成〉
カーボンブラック 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30質量部
メチルエチルケトン 100質量部
〈透明インク液2の組成〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30質量部
メチルエチルケトン 100質量部
形成されたのは図1(a)、(b)に示すものと同様のライトコントロールフィルムである。
【0173】
上記ライトコントロールフィルムの縞(ストライプ)と直角方向(図bの上下方向)の光入射角度と光透過率の関係は、図2に示す通りであった。
【0174】
〔実施例2〕
実施例1と同様な方法により、図3に示す通りの格子パターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0175】
上記格子状パターンのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率の関係は、図4(a)、(b)の如くであった。
【0176】
〔実施例3〕
実施例1と同様な方法により、図5に示す点状パターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0177】
上記点状パターンのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率の関係は、図6(a)、(b)の如くであった。
【0178】
〔実施例4〕
実施例1と同様な方法により、図7に示すハニカムパターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0179】
上記ハニカムパターンのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率は図8(a)、(b)に示した通りである。
【0180】
〔実施例5〕
実施例1で作製したセルロースエステルフィルムにおいて、下記ハードコート層を塗設した後、実施例1記載のインクジェット方式で、ライトコントロールフィルムを形成した。
【0181】
ハードコート層の塗布
セルロースエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層塗布組成物をスリットダイで塗布し、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、続いて活性光線照射部より115mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で5μmの中心線平均表面粗さ(Ra)12nmのハードコート層を設けた。
【0182】
〔実施例6〕
実施例1で作製したライトコントロールフィルム上に、下記の防眩層を塗布方式で用いて形成した。
【0183】
防眩層の塗布
ライトコントロールフィルム上に、下記の防眩層塗布組成物をウェット膜厚で10μmとなるようにスリットダイで塗布し、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、続いて活性光線照射部より115mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で5μmの防眩層を設けた。
【0184】
得られたライトコントロールフィルムを 液晶表示パネル(NEC(株)製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の前面に装着して、視認性の評価を実施した。
【0185】
その結果、オフィス内のもっとも近い蛍光灯の写り込みが全く気にならず、またフォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める状態であった。
【0186】
〔実施例7〕
実施例1で作製したライトコントロールフィルム上に、下記のようにして中屈折率層、高屈折率層、次いで低屈折率層の順に反射防止層を塗設した。
【0187】
中屈折率層の塗布
ライトコントロールフィルム上に、下記中屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さが78nmとなるように中屈折率層を設けた。なお、この中屈折率層の屈折率は1.70であった。
【0188】
高屈折率層の形成
上記中屈折率層上に、下記の高屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さが66nmとなるように高屈折率層を設けた。尚、この高屈折率層の屈折率は1.85であった。
【0189】
低屈折率層の形成
上記高屈折率層上に、下記の低屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、更に120℃で5分間熱硬化させ、さらに紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さ95nmとなるように低屈折率層を設けた。尚、この低屈折率層の屈折率は1.45であった。
【0190】
〈テトラエトキシシラン加水分解物Aの調製〉
まず、テトラエトキシシラン580gとエタノール1144gを混合し、これにクエン酸水溶液(クエン酸1水和物5.4gを水272gに溶解したもの)を添加した後に、室温(25℃)にて1時間撹拌することでテトラエトキシシラン加水分解物Aを調製した。
【0191】
〈低屈折率層組成物〉
プロピレングリコールモノメチルエーテル 303質量部
イソプロピルアルコール 305質量部
テトラエトキシシラン加水分解物A 139質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学(株)製 KBM503) 1.6質量部
10%FZ−2207、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液
(日本ユニカー(株)製) 1.3質量部
得られたライトコントロールフィルムを 液晶表示パネル(NEC(株)製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の前面に装着して、視認性の評価を実施した。
【0192】
その結果、オフィス内のもっとも近い蛍光灯の写り込みが全く気にならず、またフォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める状態であった。
【0193】
また、動画及び鮮鋭性評価用のテストチャート画像を出力し、画像のしまり及び鮮鋭性を下記の基準に則り評価した。その結果、動画の黒のしまりが非常に良好で、かつテストパターンが、極めて鮮鋭に映し出されていた。
【0194】
〔比較例1〕
特開昭51−44186号記載の方法により、膜厚180μmの透明な薄い板(セルロースアセチルブチレート)と膜厚20μm黒色の薄い板(カーボンブラックを含有したセルロースアセチルブチレート)と交互に積層し、所望の厚さになった処で積層方向に対して垂直方向にフィルム状にスライスしてルーバー付きライトコントロールフィルムを作製した。
【0195】
しかし、断面に形成されたパターンが不規則になり、透過率が30%と低くなってしまった。
【0196】
【発明の効果】
本発明により、製造が容易であり、機械的強度に優れ、不要な入射光の遮光性に優れ、所定方向から見た画像は明るく鮮明であり、かつ、点、縞、格子またはハニカム模様等のパターン形成が自由に出来る、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライトコントロールフィルムの構造を説明する断面図と上面図。
【図2】ストライプ状パターンと直角方向(図1の上下方向)の光入射角度と光透過率の関係を説明する図。
【図3】格子状パターンを説明する図。
【図4】格子状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率との関係を説明する図。
【図5】点状パターンを説明する図。
【図6】点状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率との関係を説明する図。
【図7】ハニカム状パターンを説明する図。
【図8】ハニカムタイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率との関係を説明する図。
【図9】インクジェットヘッドの断面図とその矢視拡大図。
【図10】インクジェットヘッド部、ノズルプレートの一例を示す概略図。
【図11】インクジェット方式の一例の概念図。
【符号の説明】
1 透明基体(支持体)
2 パターン像
10 インクジェットヘッド
11 基板
12 圧電素子
13 流路板
13a インク流路
13b 壁部
14 共通液室構成部材
14a 共通液室
15 インク供給パイプ
16 ノズルプレート
16a ノズル
17 駆動用回路プリント板(PCB)
18 リード部
19 駆動電極
20 溝
21 保護板
22 流体抵抗
23、24 電極
25 上部隔壁
26 ヒータ
27 ヒータ電源
28 伝熱部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CRT等の画像面に入射する外光を遮断して画像が見えやすくするため等にライトコントロールフィルムが用いられている。このフィルムは特定の入射角度の光を選択的に透過し、その他の光を遮断することが出来るものである。
【0003】
その代表的作製法を挙げれば、特公昭47−43845号、特開昭50−92751号の各公報、及び下記特許文献1には、ルーバー付きプラスチックフィルムとその製造方法の発明が記載されている。これらは透明な薄い板と半透明または不透明な薄い板を交互に積層して所望の厚さにし、積層方向に対して垂直方向から薄くスライスしてフィルム状にし、ルーバー付きプラスチックフィルムを作製するスカイビング法といわれる方法が開示されている。出来上がったフィルムは積層方向に平行な光を最も透過し、積層方向に対して斜め方向から入射する光は、その入射角度が大きくなるほど不透明部分が光を遮るので、透過することが出来ないという特性を有することになる。
【0004】
また、下記特許文献2および特開昭58−215880号の各公報には、透明支持体上に感光性樹脂を塗布し、光照射にて点、縞、または格子模様のレリーフを形成し、そのレリーフを染色して作製したライトコントロールフィルムが記載されている。
【0005】
しかし、上記の作製方法によるライトコントロールフィルムには、下記のごとき問題点がある。即ち、特公昭47−43845号、特開昭50−92751号、特許文献1の各公報に示される技術においては、不透明領域と透明領域とを一定厚みの板を積層して造り、それを薄くスライスするため、工程的には複雑であり、また、積層体の断面部分をライトコントロールフィルム面として用いるため、大きなサイズのものは極めて造りにくい。
【0006】
一方、特許文献2および特開昭58−215880号の各公報にて開示されている技術では、多様で微細なレリーフ像を形成出来るが、これの機械的強度が十分でないという問題がある。
【0007】
さらに、上記問題を解決すべく、透明支持体上に銀塩感光層を設け、該感光層を露光・現像することによりパターンを形成し、ライトコントロールフィルムを造る発明が開示されている(特許文献3参照)。
【0008】
この方法は生産性が比較的高く、パターン形状も多様なものを形成することが出来るという意味で画期的なものといえる。しかし、パターンを水系現像液により形成する関係で、感光層は吸水性でなければならず膜強度があまり強いものは出来ない。また、露光によりパターンを作るため、高濃度のパターンを作ろうとすると、光の散乱等で膜面に垂直方向(深さ方向)の精度が十分ではなくなるとう問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開昭51−44186号公報
【0010】
【特許文献2】
特公平2−19449号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平11−72603号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造が容易であり、機械的強度に優れ、不要な入射光の遮光性に優れ、所定方向から見た画像は明るく鮮明であり、かつ、点、縞、格子またはハニカム模様等のパターン形成が自由に出来る、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成出来ることが判明した。
【0014】
〔1〕 透明基体上に、インクジェット方式によりライトコントロール用のパターンを形成することを特徴とするライトコントロールフィルムの製造方法。
【0015】
〔2〕 ライトコントロール用のパターンが、点、縞、格子模様またはハニカム模様のいずれかであることを特徴とする〔1〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0016】
〔3〕 ライトコントロール用のパターンを、少なくとも樹脂と、染料または顔料を含有するインク液滴の出射により形成し、該パターン以外の領域は透明樹脂を主成分とするインク液滴の出射により形成することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0017】
〔4〕 パターン形成用インク液滴に含有されている樹脂、及びパターン以外の領域用のインク液滴に含まれる透明樹脂が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする〔3〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0018】
〔5〕 前記インク液滴を透明基材上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする〔4〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0019】
〔6〕 パターン形成用インク液滴に含有されている樹脂、及びパターン以外の領域用のインク液滴に含まれる透明樹脂が、熱硬化型樹脂であることを特徴とする〔3〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0020】
〔7〕 前記インク液滴を透明基材上に着弾させた直後より、加熱処理を行うことを特徴とする〔6〕記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
【0021】
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のライトコントロールフィルムの製造方法により造られたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0022】
〔9〕 ライトコントロールフィルムへの垂直入射光の透過率が40%以上であり、かつ、30度斜め方向からくる光線の透過率が20%以下であることを特徴とする〔8〕記載のライトコントロールフィルム。
【0023】
〔10〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上にインクジェット方式により微細な凹凸構造を形成し防眩性を付与したことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0024】
〔11〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上に、少なくとも1層のハードコート層を形成し、その上にインクジェット方式により微細な凹凸構造を形成し防眩性を付与したことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0025】
〔12〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上に、反射防止層を設けたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0026】
〔13〕 〔8〕又は〔9〕記載のライトコントロールフィルム面上に、防眩層を形成した後、該防眩層上に反射防止層を設けたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
【0027】
〔14〕 〔8〕〜〔13〕のいずれか1項記載のライトコントロールフィルムを製造するためのインクジェット装置であって、インクジェットヘッド部に直接活性光線又は熱が作用しないように活性光線照射部又は加熱部が配置されていることを特徴とするインクジェット装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明で用いることのできる素材、化合物、製造装置等について説明する。
【0029】
〔透明基材〕
本発明に係る透明基材(支持体)としては、製造が容易であること、光学的に等方性であり、透明であること等が好ましい要件として挙げられる。
【0030】
本発明でいう透明とは、可視光の透過率60%以上であることをさし、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
【0031】
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム(アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオネア(以上、日本ゼオン(株)製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム、アクリルフィルムまたはガラス板等を挙げることができる。これらは製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の観点から好ましく用いられる。
【0032】
〔ライトコントロールフィルムの特性〕
垂直入射光の透過率が40%以上とは、ライトコントロールフィルム面に対し垂直に入射してくる光の40%以上が、フィルム面を透過してくると言う意味である。30度(°)斜め光透過率が20%以下であるとは、フィルム面と入射光のなす角が30°であるとき、その光線の透過率が20%以下と言う意味である。なお、この値が入射光の方向により変動するときは、その最低の透過率が20%以下であることをいう。なお、これらの斜め方向からの光線の透過率は、後述するごとくライトコントロールフィルム面に作製する縞状のパターンの幅を、上下方向、左右方向で変えるなどして、意識的に変えることが可能である。
【0033】
又、透明基体上に作製するパターン形状については、点、縞、格子模様またはハニカム模様等を有するものの何れでも良い。
【0034】
得られるライトコントロールフィルムの構造は、例えば図1の通りである(図1(a)は断面図、(b)は上面図)。線幅5μm、深さ30μmのストライプが、15μm間隔で規則正しく構成されているが、2がパターン像、1はPMMA板(1mm厚)透明基体である。
【0035】
またこのライトコントロールフィルムの特性は以下の通りであった。
支持体とのなす角度が90°の垂直入射光の光線透過率は60%であった。また支持体とのなす角度が30°斜め入射光の光線透過率は1%であった。
【0036】
上記ライトコントロールフィルムのストライプ状パターンと直角方向(図1の上下方向)の光入射角度と光透過率の関係は、図2に示す通りであった。
【0037】
ストライプ状パターンの代わりに図3に示した5μmのライン幅(光が透過する部分)及びラインスペース(遮光部分)15μmの格子状のパターンを使用した以外は図1と同様にして、格子模様状パターンを有するライトコントロールフィルムを得た。
【0038】
この場合、格子状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光透過率と光入射角度の関係を図4に示した。
【0039】
上記のように、格子状の原稿を用いれば、上下及び左右方向で入射光の角度により透過率を変えることができる格子状のパターンを有するライトコントロールフィルムを作ることができることがわかる。
【0040】
次に図1と同様にして透明基体上に図3に示すストライプ状の代わりに図5に示した点状のパターンを形成した以外は図1に記載のものと同様の方法で、点状模様を有するライトコントロールフィルムを得た。原稿の点の大きさ及び間隔は図5に示した。
【0041】
点状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光透過率と光入射角度の関係を図6に示した。
【0042】
図6の結果をみると、点状のパターンを用いれば、容易に上下及び左右方向に光の透過率を変えたライトコントロールフィルムを作ることが出来ることがわかる。
【0043】
さらに図1で説明したストライプ状パターンの代わりに図7に示したハニカム状のパターンを使用した以外は同様にして、ハニカム状模様を有するライトコントロールフィルムを得た。原稿のハニカム模様の大きさ及び間隔は図7に示した。
【0044】
ハニカムタイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光透過率と光入射角度の関係を図8に示した。これにより、更に容易に上下及び左右方向に光の透過率を変えたライトコントロールフィルムを作ることが出来ることがわかる。
【0045】
〔パターンの形成〕
上記ライトコントロールフィルムのパターンは、インクジェット方式により作製する。
【0046】
次いで、本発明に係るインクジェット方式について説明する。
図9は、本発明に係るインクジェット方法に用いることのできるインクジェットヘッドの一例を示す断面図である。
【0047】
図9(a)はインクジェットヘッドの断面図であり、図9(b)は図9(a)のA−A線矢視拡大図である。図中、11は基板、12は圧電素子、13は流路板、13aはインク流路、13bは壁部、14は共通液室構成部材、14aは共通液室、15はインク供給パイプ、16はノズルプレート、16aはノズル、17は駆動用回路プリント板(PCB)、18はリード部、19は駆動電極、20は溝、21は保護板、22は流体抵抗、23、24は電極、25は上部隔壁、26はヒータ、27はヒータ電源、28は伝熱部材、10はインクジェットヘッドである。
【0048】
集積化されたインクジェットヘッド10において、電極23、24を有する積層された圧電素子12は、流路13aに対応して、該流路13a方向に溝加工が施され、溝20と駆動圧電素子12bと非駆動圧電素子12aに区分される。溝20には充填剤が封入されている。溝加工が施された圧電素子12には、上部隔壁25を介して流路板13が接合される。すなわち、前記上部隔壁25は、非駆動圧電素子12aと隣接する流路を隔てる壁部13bとで支持される。駆動圧電素子12bの幅は流路13aの幅よりも僅かに狭く、駆動用回路プリント板(PCB)上の駆動回路により選択された駆動圧電素子12bはパルス状信号電圧を印加すると、該駆動圧電素子12bは厚み方向に変化し、上部隔壁25を介して流路13aの容積が変化し、その結果ノズルプレート16のノズル16aよりインク液滴を吐出する。
【0049】
流路板13上には、伝熱部材28を介してヒータ26がそれぞれ接着されている。伝熱部材28はノズル面にまわり込んで設けられている。伝熱部材28は、ヒータ26からの熱を効率良く流路板13に伝え、かつ、ヒータ26からの熱をノズル面近傍に運びノズル面近傍の空気を温めることを目的としており、したがって、熱伝導率の良い材料が用いられる。例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、ステンレス等の金属、あるいは、SiC、BeO、AlN等のセラミックス等が好ましい材料として挙げられる。
【0050】
圧電素子を駆動すると、流路の長手方向に垂直な方向に変位し、流路の容積が変化し、その容積変化によりノズルからインク液滴となって噴射する。圧電素子には常時流路容積が縮小するように保持する信号を与え、選択された流路に対して流路容積を増大する向きに変位させた後、再び流路の容積が縮小する変位を与えるパルス信号を印加することにより、流路と対応するノズルよりインクがインク液滴となって噴射する。
【0051】
図10は、本発明で用いることのできるインクジェットヘッド部、ノズルプレートの一例を示す概略図である。
【0052】
図10において、図10の(a)はヘッド部の断面図、図10の(b)はノズルプレートの平面図である。図中、1は透明基材、31はインク液滴、32はノズル、29は活性光線照射部である。ノズル32より噴射したインク液滴31は透明基材1方向に飛翔して付着する。透明基材1上に着弾したインク液滴は、その上流部に配置されている活性光線照射部29より、活性光線を直ちに照射され、硬化する。なお、35は透明基材1を保持するバックロールである。
【0053】
本発明においては、図10の(b)に記載のように、インクジェットヘッド部のノズルは、千鳥状に配置することが好ましく、また、透明基材1の搬送方向に並列に多段に設けることが好ましい。
【0054】
図11に、本発明で好ましく用いることのできるインクジェット方式の一例の概念図を示す。
【0055】
図11において、図11のa)は、インクジェットヘッド10を透明基材1の幅手方向に配置し、透明基材1を搬送しながらその表面にパターンを形成する方法(ラインヘッド方式)であり、図11のb)はインクジェットヘッド10が副走査方向に移動しながらその表面にパターンを形成する方法(フラットヘッド方式)であり、図11のc)はインクジェットヘッド10が、透明基材1上の幅手方向を走査しながらその表面にパターンを形成する方法(キャプスタン方式)であり、いずれの方式も用いることができる。本発明においては、生産性の観点からラインヘッド方式が好ましい。なお、図11のa)〜c)に記載の29は、インクとして後述の活性光線硬化型樹脂を用いる場合に使用する活性光線照射部である。
【0056】
また、本発明においては、図11のa)、b)、c)の透明基材の搬送方向の下流側に、別の活性光線照射部を設けてもよい。
【0057】
本発明において、インク液滴としては0.1〜100plが好ましく、0.1〜50plがより好ましく、0.1〜10plが特に好ましい。
【0058】
また、インク液滴の粘度は、25℃において0.1〜100mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜50mPa・sである。
【0059】
〔パターン付与組成物〕
次いで、本発明に係るインクジェット方式で用いるパターン付与組成物(インクということあり)について説明する。
【0060】
なお、パターン付与組成物の他に、パターン形成されていない領域には、透明なインクを塗設しライトコントロールフィルムの膜厚が、パターン形成されている領域もそうでない領域もほぼ同一にするのが好ましい。この場合、パターン形成されていない領域に塗設する透明な「インク」は、上記パターン付与組成物の「インク」から、顔料又は染料を除いたものを用いてもよいし、樹脂組成等が異なるものを用いてもよい。いずれの「インク」もインクジェット方式の装置で吐出するなら、予め定められたパターン情報に基づき正確に吐出させることが出来る。だだし、用いる樹脂が活性光線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであるかは、統一することが好ましい。
【0061】
本発明に係るインクは、活性光線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂を用いるものであることが好ましい。
【0062】
はじめに、本発明に係る活性光線硬化型樹脂について説明する。
活性光線硬化型樹脂とは、紫外線や電子線のような活性光線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。活性光線硬化型樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性光線照射によって硬化する樹脂でもよい。
【0063】
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0064】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載の、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
【0065】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号)。
【0066】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
【0067】
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
【0068】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂の例として、有用に用いられるエポキシ系活性光線反応性化合物を示す。
【0069】
(a)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの反応により、重合度の異なる混合物として得られる)
(b)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物
(c)4,4′−メチレンビスフェノールのグリシジルエーテル
(d)ノボラック樹脂またはレゾール樹脂のフェノールフォルムアルデヒド樹脂のエポキシ化合物
(e)脂環式エポキシドを有する化合物、例えば、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキザレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルピメレート)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−1′−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシ−6′−メチル−1′−シクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5′,5′−スピロ−3″,4″−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン
(f)2塩基酸のジグリシジルエーテル、例えば、ジグリシジルオキザレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート
(g)グリコールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
(h)ポリマー酸のグリシジルエステル、例えば、ポリアクリル酸ポリグリシジルエステル、ポリエステルジグリシジルエステル
(i)多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グルコーストリグリシジルエーテル
(j)2−フルオロアルキル−1,2−ジオールのジグリシジルエーテルとしては、前記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物に挙げた化合物例と同様のもの
(k)含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては、上記低屈折率物質のフッ素含有樹脂のフッ素含有エポキシ化合物等
を挙げることができる。
【0070】
上記エポキシ化合物の分子量は、平均分子量として2000以下で、好ましくは1000以下である。
【0071】
上記のエポキシ化合物を活性光線により硬化する場合、より硬度を上げるためには、(h)または(i)の多官能のエポキシ基を有する化合物を混合して用いると効果的である。
【0072】
エポキシ系活性光線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤または光増感剤は、活性光線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。
【0073】
活性光線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性光線反応性樹脂である。
【0074】
本発明に有用な活性光線反応性エポキシ樹脂は、活性光線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する光重合開始剤または光増感剤により重合する。光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
【0075】
かかる代表的なものは下記一般式(a)で表される化合物である。
一般式(a)
〔(R1)a(R2)b(R3)c(R4)dZ〕w+〔MeXv〕w−
式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
【0076】
上記一般式(a)の陰イオン〔MeXv〕w−の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 −)、テトラフルオロホスフェート(PF4 −)、テトラフルオロアンチモネート(SbF4 −)、テトラフルオロアルセネート(AsF4 −)、テトラクロロアンチモネート(SbCl4 −)等を挙げることができる。
【0077】
また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO4 −)、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3 −)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3 −)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン酸陰イオン等を挙げることができる。
【0078】
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが有効であり、中でも特開昭50−151996号、同50−158680号等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、同52−30899号、同59−55420号、同55−125105号等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、同56−149402号、同57−192429号等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号等に記載のチオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性けい素化合物系重合開始剤等を挙げることができる。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することができる。
【0079】
また、エポキシアクリレート基を有する活性光線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の光増感剤を用いることができる。この活性光線反応性化合物に用いられる光増感剤や光開始剤は、紫外線反応性化合物100質量部に対して0.1〜15質量部で光反応を開始するには十分であり、好ましくは1〜10質量部である。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
【0080】
本発明に有用な活性光線硬化型樹脂組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性光線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質量部に対して0.1〜15質量部の使用が好ましく、更に好ましくは1〜10質量部の範囲の添加が好ましい。
【0081】
また、エポキシ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等と併用することもでき、この場合、活性光線ラジカル重合開始剤と活性光線カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
【0082】
また、本発明においては、オキセタン化合物を用いることもできる。用いられるオキセタン化合物は、酸素または硫黄を含む3員環のオキセタン環を有する化合物である。中でも酸素を含むオキセタン環を有する化合物が好ましい。オキセタン環は、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アリールアルキル基、アルコキシル基、アリルオキシ基、アセトキシ基で置換されていてもよい。具体的には、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、3,3−ビス(ヨードメチル)オキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−メチル−3クロルメチルオキセタン、3,3−ビス(アセトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フルオロメチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等が挙げられる。尚、本発明ではモノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。
【0083】
本発明で用いることのできる紫外線硬化性樹脂の具体例としては、例えば、アデカオプトマーKR、BYシリーズのKR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業(株)製)、コーエイハードのA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業(株)製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業(株)製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー(株))、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製)、サンラッド H−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業(株)製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製)、RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成(株)製)、またはその他の市販のものから適宜選択して利用することができる。
【0084】
本発明に係るインクには、公知の熱可塑性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダを上記記載の活性光線硬化型樹脂に混合して使用することができる。これらの樹脂は、その分子中に極性基を持っていることが好ましい。極性基としては、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO3M2、−OPO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げることができる。
【0085】
本発明に使用する上記活性光線反応性化合物を光重合または光架橋反応を開始させるには、上記活性光線反応性化合物のみでも開始するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かったりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましく、それにより重合を早めることができる。
【0086】
本発明に係るインクが、活性光線硬化型樹脂を含有する場合、活性光線の照射時においては、光反応開始剤、光増感剤を用いることができる。
【0087】
具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、エポキシアクリレート系樹脂の合成に光反応剤を使用する際に、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
【0088】
また、活性光線硬化型樹脂として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合、前記紫外線硬化性樹脂の光硬化を妨げない程度に、紫外線吸収剤を紫外線硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。
【0089】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0090】
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式(1)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0092】
【化1】
【0093】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0094】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していてよい。
以下に本発明に係る紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0095】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、Ciba社製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、Ciba社製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式(2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0096】
【化2】
【0097】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0098】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシル基としては例えば、炭素数18までのアルコキシル基を表し、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基でアリル基、2−ブテニル基等を表す。また、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、フェニル基(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等を置換していてもよい)等が挙げられる。
【0099】
以下に一般式(2)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0100】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0101】
また、特開2001−187825号に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤は、支持体の面品質を向上させ、塗布性にも優れている。特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
【0102】
また、特開平6−148430号に記載の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039号の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
【0103】
また、インクジェット方式により形成したパターンの耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。具体的には、例えば、4,4′−チオビス(6−tert−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスフェート等を挙げることができる。
【0104】
本発明に係るインクには、SnO2、ITO、ZnO等の導電性微粒子や架橋カチオンポリマー粒子等の帯電防止剤を含有させることが好ましい。また、これらの化合物は、透明基材上に設ける後述のハードコート層に添加してもよい。
【0105】
本発明において、インクジェット方式により形成した層が活性光線硬化型樹脂を含む場合、活性光線の照射方法としては、インク液滴を透明基体上に着弾させた直後に、活性光線を照射することが好ましい。
【0106】
〔インクの吐出及び硬化条件〕
本発明でいうインク液滴を透明基体上に着弾させた直後とは、具体的にはインク液滴が着弾後0.001〜2.0秒の間が好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒の間である。照射光源の照射間隔が0.001秒より短いと、ノズル部と照射光源の距離が接近しすぎて、硬化反応により昇華物質によるヘッドの汚染や、照射光のインク出射部への回り込みにより、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため好ましくない。また、照射光源の照射間隔が2.0秒を超えると、着弾したインク液滴の流動、変形等により、本発明で規定する所望の凹凸構造を得ることが困難となる。
【0107】
上記照射時のノズル部への光の回り込みを防止するため、本発明のインクジェット方式においては、活性光源照射部をインクジェットヘッド(特にそのノズル部)に直接作用させない位置に配置することが好ましく、更に、照射される活性光線が、インクジェットヘッドのノズル部に作用しないように遮光板をその間に設けることが好ましい。
【0108】
また、インク液滴が着弾した直後の活性光線の照射は、着弾したインク液滴の流動性を低下させ、所望の凹凸構造が形成できる程度に照射すればよく、ハーフキュア状態でもよい。この場合には、別途下流側に設置した活性光源を照射して、完全に硬化させることができる。このようにすることにより、インクジェットヘッドのノズル部に、活性光線が作用し目詰まりを起こすことを防止することができる。
【0109】
本発明に使用することができる活性光線としては、紫外線、電子線、γ線等で、パターン形成組成物である活性光線硬化型樹脂を活性化させる光源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は1mJ/cm2以上が好ましく、更に好ましくは、20〜10000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜2000mJ/cm2である。
【0110】
また、電子線も同様に使用できる。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
【0111】
本発明においては、活性線照射の時の雰囲気中の酸素濃度が1%以下であることがより好ましい。
【0112】
また、本発明においては、活性光線の硬化反応を効率的に進めるため、透明基材等を加熱することもできる。加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、あるいは着弾したインク表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、インクジェット出射部の透明支持体を挟んで反対側に用いられるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。
【0113】
加熱温度としては、使用する活性光線硬化型樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
【0114】
〔熱硬化性樹脂〕
次いで、本発明に係る熱硬化性樹脂について説明する。
【0115】
本発明で用いることのできる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミドなどを挙げることができる。
【0116】
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、オルソフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、ビスフェノール系樹脂、プロピレングリコール−マレイン酸系樹脂、ジシクロペンタジエンないしその誘導体を不飽和ポリエステル組成に導入して低分子量化した、或いは被膜形成性のワックスコンパウンドを添加した低スチレン揮発性樹脂、熱可塑性樹脂(ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、飽和ポリエステルなど)を添加した低収縮性樹脂、不飽和ポリエステルを直接Br2でブロム化する、或いはヘット酸、ジブロムネオペンチルグリコールを共重合するなどした反応性タイプ、塩素化パラフィン、テトラブロムビスフェノール等のハロゲン化物と三酸化アンチモン、燐化合物の組み合わせや水酸化アルミニウムなどを添加剤として用いる添加タイプの難燃性樹脂、ポリウレタンやシリコーンとハイブリッド化、またはIPN化した強靭性(高強度、高弾性率、高伸び率)の強靭性樹脂等がある。
【0117】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ノボラックフェノール型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型を含むグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系、グリシジルエステル系、環式脂肪系、複素環式エポキシ系を含む特殊エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0118】
ビニルエステル樹脂としては、例えば、普通エポキシ樹脂とメタクリル酸等の不飽和一塩基酸とを開環付加反応して得られるオリゴマーをスチレン等のモノマーに溶解した物である。また、分子末端や側鎖にビニル基を持ちビニルモノマーを含有する等の特殊タイプもある。グリシジルエーテル系エポキシ樹脂のビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノール系、ノボラック系、臭素化ビスフェノール系等があり、特殊ビニルエステル樹脂としてはビニルエステルウレタン系、イソシアヌル酸ビニル系、側鎖ビニルエステル系等がある。
【0119】
フェノール樹脂は、フェノール類とフォルムアルデヒド類を原料として重縮合して得られ、レゾール型とノボラック型がある。
【0120】
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例えば、マレイン酸系ポリイミド、例えばポリマレイミドアミン、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド−O,O′−ジアリルビスフェノール−A樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等、またナジック酸変性ポリイミド、及びアセチレン末端ポリイミド等がある。
【0121】
また、上述した活性光線硬化型樹脂の一部も、熱硬化性樹脂として用いることができる。
【0122】
なお、本発明に係る熱硬化性樹脂からなるインクには、活性光線硬化型樹脂を含むインクに記載した酸化防止剤や紫外線吸収剤を適宜用いてもよい。
【0123】
本発明において、インクジェット方式により形成した層が熱硬化性樹脂を含む場合、加熱方法としては、インク液滴を透明基体上に着弾させた直後に、加熱処理を行うことが好ましい。
【0124】
本発明でいうインク液滴を透明基体上に着弾させた直後とは、具体的にはインク液滴が着弾と同時または5秒以内に加熱が開始されることが好ましく、より好ましくは0.001〜2.0秒の間である。加熱間隔が0.001秒より短いと、ノズル部と加熱部の距離が接近しすぎて、熱がヘッド部に伝達すると、ノズル部での硬化によりノズル詰まりを起こすため注意が必要である。また、加熱間隔が5.0秒を超えると、着弾したインク液滴の流動、変形等により、本発明で規定する所望の特性を得ることが困難となる。
【0125】
これらをインクとして使用する場合につき、活性光線硬化型インクと異なる事項を中心に記載する。
【0126】
上記加熱時のノズル部への熱の伝達を防止するため、本発明のインクジェット方式においては、加熱部をインクジェットヘッド(特にノズル部)に直接作用させない位置に配置することが好ましい。
【0127】
加熱方法としては、特に制限はないが、ヒートプレート、ヒートロール、サーマルヘッド、あるいは着弾したインク表面に熱風を吹き付ける等の方法を使用するのが好ましい。また、インクジェット出射部の透明支持体を挟んで反対側に設けるバックロールを、ヒートロールとして、連続的に加熱を施してもよい。加熱温度としては、使用する熱硬化性樹脂の種類により一概には規定できないが、透明基材への熱変形等の影響を与えない温度範囲であることが好ましく、30〜200℃が好ましく、更に50〜120℃が好ましく、特に好ましくは70〜100℃である。
【0128】
本発明に係るインクにおいては、上述した活性光線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができるが、好ましくは活性光線硬化型樹脂を用いることである。
【0129】
本発明に係る上記インクには、必要に応じて溶媒を含有させることができる。例えば、水系溶媒に前記活性光線硬化型樹脂モノマー成分、あるいは熱硬化性樹脂モノマー成分を溶解もしくは分散させてもよく、あるいは有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒は低沸点のものでも高沸点のものでも適宜選択して用いることができ、これらの溶媒の添加量や種類、組成はインクの粘度を調整するため適宜調整することが好ましい。
【0130】
本発明に係るインクで用いることができる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類も好ましく用いられる。
【0131】
グリコールエーテル類としては、具体的には下記の溶剤が挙げられるが、特にこれらに限定されない。プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルAc、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルAc、エチレングリコールジエチルエーテル等を挙げることができる、なおAcはアセテートを表す。本発明に係るインクにおいては、上記溶剤の中でも、沸点が100℃未満の溶剤が好ましい。
【0132】
〔パターン形成層以外の層〕
次いで、本発明におけるインクジェット方式によるパターン形成層以外の層を形成する好ましい態様について説明する。
【0133】
本発明のライトコントロールフィルムは、透明基材上に好ましくは防眩層を有し、その上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されていることが好ましい。
【0134】
防眩層とは、表面に微細な凹凸構造を有し、不要な表面反射を防止して、画面を見やすくするために塗設される層である。その凹凸の度合いは中心線平均粗さ(Ra)が0.05〜5.0μm程度であり、樹脂と無機或いは有機の微粒子を含有させた透明インク状の防眩性付与組成物を、インクジェット方式により吐出させて形成するのが好ましい方法である。ライトコントロールフィルム面に形成される粗さをコントロールするには、無機或いは有機の微粒子の粒径を調整すればよい。
【0135】
本発明に係る反射防止層は、防眩層の上に、防眩層側から複数の屈折率層を設けることが好ましく、更には、高屈折率層、低屈折率層を順に積層したものであることが好ましい。屈折率の高低は、そこに含まれる金属または化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定により計算して算出し得る。
【0136】
反射防止層は、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成されている。得に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体または防眩層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましく用いられる。または、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。
【0137】
また、必要に応じて、汚れや指紋のふき取りが容易となるように、最表面の低屈折率層の上に、さらに防汚層を設けることも好ましい。防汚層としては、含フッ素有機シラン化合物が好ましく用いられる。
【0138】
本発明に係る反射防止層は、前述の塗布方式により形成することもでき、また大気圧プラズマ処理、CVD等のドライプロセスによって金属酸化物層(SiO2、TiO2、Ta2O5、ZrO2、ZnO、SnO2、ITOなど)を設けることができる。
【0139】
本発明に係る高屈折率層としては、好ましくはチタン酸化物を含有することが望ましい。これらは微粒子として添加することもできるが、より好ましくは、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層である。
【0140】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−n−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−i−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−n−C4H9)4の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。中でもTi(O−n−C3H7)4、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−n−C3H7)4の2〜10量体、Ti(O−n−C4H9)4の2〜10量体が特に好ましい。
【0141】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50〜90質量%がより好ましく、55〜90質量%が更に好ましい。このほか、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(あらかじめ有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)あるいは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
【0142】
また、本発明においては、塗布液中に上記有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーの部分または完全加水分解物を含むが、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーは、自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機けい素化合物、光による酸発生剤(光酸発生剤)等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光酸発生剤である。アルミキレート化合物の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、光酸発生剤の例としては、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、その他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることができる。
【0143】
反射防止層の塗布液中の固形分比率として0.5〜20質量%のバインダが含まれることが好ましい。
【0144】
バインダとしては、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基、オキセタン環等の重合性基を2つ以上有し、活性光線照射により架橋構造または網目構造を形成するインクで用いたのと同様なアクリルまたはメタクリル系活性エネルギー線反応性化合物、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物またはオキセタン系活性エネルギー線反応性化合物を用いることができる。これらの化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマーを含む。重合速度、反応性の点から、これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が好ましく、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。また、前述のインク及びハードコート層に用いられる活性光線硬化型樹脂も好ましく用いることができる。更に、アルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられる。
【0145】
チタン化合物を含む中〜高屈折率層には、バインダとしてアルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられ、これによって、膜厚むらが少ない中、高屈折率層を得ることができる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート重合体またはアルキル(メタ)アクリレート共重合体、例えばn−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等の共重合体が好ましく用いられるが、共重合成分としてはこれらに限定されるものではない。市販品としては、ダイヤナールBR−50、BR−51、BR−52、BR−60、BR−64、BR−65、BR−70、BR−73、BR−75、BR−76、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−89、BR−90、BR−93、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)製)等が使用できる。これらのモノマー成分も中〜高屈折率層用バインダとして添加することができる。バインダの添加比率を変更することによって屈折率を調整することができる。
【0146】
低屈折率層にはすべり剤を添加することが好ましく、滑り性を付与することによって耐傷性を改善することができる。すべり剤としては、シリコーンオイルまたはワックス状物質が好ましく用いられる。
【0147】
具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然物としてこれらの成分を多く含んでいるカルナウバワックス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特公昭53−292号に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号、英国特許第927,446号または特開昭55−126238号及び同58−90633号に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜24の脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステル)、そして米国特許第3,933,516号に開示されているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−37217号に開示されているような炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリエステル化合物、特開平7−13292号に開示されているジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル等を挙げることができる。
【0148】
低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は0.01〜10mg/m2が好ましい。必要に応じて、中屈折率層や高屈折率層に添加することもできる。
【0149】
本発明の低屈折率層には、界面活性剤、柔軟剤、柔軟平滑剤等を添加することが好ましく、これによって耐擦り傷性が改善される。中でもアニオン系または非イオン系の界面活性剤が好ましく、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、多価アルコール脂肪酸エステルの非イオン界面活性剤乳化物等が好ましい。例えば、リポオイルNT−6、NT12、NT−33、TC−1、TC−68、TC−78、CW−6、TCF−208、TCF−608、NKオイルCS−11、AW−9、AW−10、AW−20、ポリソフターN−606、塗料用添加剤PC−700(日華化学(株)製)等が用いられる。
【0150】
本発明に係る低屈折率層は、酸化珪素等の珪素化合物微粒子あるいはフッ素含有化合物微粒子等を塗設して設けることが好ましい。好ましい有機けい素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方法により行うことができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2個以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平均重合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることができる。
【0151】
硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、本発明においては酸、特にスルホニル基またはカルボキシル基を有する有機酸が好ましく用いられる。例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が用いられる。有機酸は1分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物であればいっそう好ましく、例えば、クエン酸または酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸が用いられる。また、有機酸は水溶性の酸であることが更に好ましく、例えば上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等が好ましく用いられる。また、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アトロバ酸等も適宜用いることができる。
【0152】
上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでなく、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部がよい。また、水の添加量については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加するのがよい。
【0153】
このようにして得られた低屈折率層用の塗布組成物は極めて安定である。
(熟成工程)
更に、本発明では熟成工程により、有機けい素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間である。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した変性物であってもよく、単独または上記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0154】
また、本発明においては上記低屈折率層に酸化けい素微粒子を含有させることができる。粒径0.1μm以下の酸化けい素微粒子を含むことが好ましい。例えば、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)等を添加することができる。特に表面がアルキル基で修飾された酸化けい素微粒子が好ましく用いられ、例えばアエロジルR972、R972V(日本アエロジル(株)製)として市販されている表面がメチル基で修飾された酸化けい素微粒子を好ましく添加することができる。このほか特開2001−2799号に記載されている表面がアルキル基で置換された酸化けい素微粒子を用いることもでき、前述のシリケートオリゴマーの加水分解後にアルキルシランカップリング剤により処理することでも容易に得ることができる。添加量としては低屈折率層中の固形分比率で0.1〜40質量%の範囲となるように添加することが好ましい。
【0155】
本発明の各屈折率層には、屈折率の調整あるいは膜質の改善のために更にシラン化合物を添加することができる。
【0156】
本発明に係る高〜低屈折率層(光学干渉層ともいう)を塗設する際の塗布液に使用する溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0157】
また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0158】
グリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルであり、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルとしては特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられ、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は、塗布液中に全有機溶媒の1〜90質量%添加されていることが好ましい。
【0159】
また、本発明に係る高〜低屈折率層の各層の塗布液には各種のレベリング剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の低表面張力物質を添加することが好ましい。
【0160】
本発明に係る中〜高屈折率層及び低屈折率層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解または硬化を促進するため、活性光線を照射することが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに活性エネルギー線を照射することである。
【0161】
本発明に使用する活性光線は、インクの硬化で用いるのと同様の光源を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ましくは、100〜2,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、400〜2,000mJ/cm2である。
【0162】
紫外線を用いる場合、多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよいが、多層を積層した後、紫外線を照射することが特に好ましい。
【0163】
また、本発明においては、ドライプロセスにより反射防止層を設ける方法も好ましく用いることができ、例えば、特開平7−333404号、同11−133205号、同11−61406、特開2002−228803号に記載の方法に従って、反射防止層あるいは防汚層を形成することができるが、本発明においては、大気圧プラズマ処理方法により反射防止層を形成することが、特に好ましい。
【0164】
【実施例】
次に、本発明の具体的態様とその効果を記載して、本発明を更に説明するが、無論、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
【0165】
〔実施例1〕
透明基材の作製
下記のようにドープを調製して、透明基材であるセルロースエステルフィルムを作製した。
【0166】
ドープ組成物を密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながらセルローストリアセテート(TAC)を完全に溶解しドープを得た。溶解に要した時間は4時間であった。ドープ組成物を濾過した後、ベルト流延装置を用い、ドープ(温度35℃)を22℃のステンレスバンド支持体上に均一に流延した。ステンレスバンド支持体の温度は20℃であった。
【0167】
その後、剥離可能な範囲まで乾燥させた後、ステンレスバンド支持体上からドープを剥離した。このときのドープの残留溶媒量は25%であった。ドープ流延から剥離までに要した時間は3分であった。ステンレスバンド支持体から剥離した後、幅方向に保持しながら120℃で乾燥させた後、幅保持を解放して、多数のロールで搬送させながら120℃、135℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施して、膜厚40μmのセルローストリアセテートフィルムを作製した。フィルム幅は1300mm、巻き取り長は3000mとした。巻き取り張力は、初期張力150N/1300mm、最終巻張力100N/1300mmとした。
【0168】
上記作製したセルロースエステルフィルムにおいて、縞(ストライプ)パターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0169】
ライトコントロールフィルムの作製
セルロースエステルフィルム上に、下記の黒色インク液1をインクジェット方式によりインク液滴として1plで出射し、0.2秒後に活性光線照射部より100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射して硬化させた後、線幅5μmの縞パターンを形成する。また縞以外の場所を下記透明インク液2を同様にインクジェット方式によりインク液滴として1plで出射し、0.2秒後に活性光線照射部より100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射して硬化させる。これを繰り返して、膜厚を30μmとする。その後、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、更に100mJ/cm2の照射強度で紫外線照射してライトコントロールフィルムを形成した。
【0170】
〈インクジェット出射方法〉
インクジェット出射装置は、ラインヘッド方式(図10(a)と同様構造)を使用し、ノズル径が3.5μmのノズルを所定数有するインクジェットヘッド10基を準備した。インクジェットヘッドは図9に記載の構成のものを使用した。
【0171】
インク供給系は、インク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッド及び配管から構成されており、インク供給タンクからインクジェットヘッド部までは、断熱及び加温(40℃)し、出射温度は40℃、駆動周波数は20kHzで行った。
【0172】
〈黒色インク液1の組成〉
カーボンブラック 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30質量部
メチルエチルケトン 100質量部
〈透明インク液2の組成〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(ジメトキシベンゾフェノン) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30質量部
メチルエチルケトン 100質量部
形成されたのは図1(a)、(b)に示すものと同様のライトコントロールフィルムである。
【0173】
上記ライトコントロールフィルムの縞(ストライプ)と直角方向(図bの上下方向)の光入射角度と光透過率の関係は、図2に示す通りであった。
【0174】
〔実施例2〕
実施例1と同様な方法により、図3に示す通りの格子パターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0175】
上記格子状パターンのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率の関係は、図4(a)、(b)の如くであった。
【0176】
〔実施例3〕
実施例1と同様な方法により、図5に示す点状パターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0177】
上記点状パターンのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率の関係は、図6(a)、(b)の如くであった。
【0178】
〔実施例4〕
実施例1と同様な方法により、図7に示すハニカムパターンを有するライトコントロールフィルムをインクジェット方式で形成した。
【0179】
上記ハニカムパターンのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率は図8(a)、(b)に示した通りである。
【0180】
〔実施例5〕
実施例1で作製したセルロースエステルフィルムにおいて、下記ハードコート層を塗設した後、実施例1記載のインクジェット方式で、ライトコントロールフィルムを形成した。
【0181】
ハードコート層の塗布
セルロースエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層塗布組成物をスリットダイで塗布し、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、続いて活性光線照射部より115mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で5μmの中心線平均表面粗さ(Ra)12nmのハードコート層を設けた。
【0182】
〔実施例6〕
実施例1で作製したライトコントロールフィルム上に、下記の防眩層を塗布方式で用いて形成した。
【0183】
防眩層の塗布
ライトコントロールフィルム上に、下記の防眩層塗布組成物をウェット膜厚で10μmとなるようにスリットダイで塗布し、熱風の温度、風速を徐々に強め最終的に85℃で乾燥し、続いて活性光線照射部より115mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で5μmの防眩層を設けた。
【0184】
得られたライトコントロールフィルムを 液晶表示パネル(NEC(株)製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の前面に装着して、視認性の評価を実施した。
【0185】
その結果、オフィス内のもっとも近い蛍光灯の写り込みが全く気にならず、またフォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める状態であった。
【0186】
〔実施例7〕
実施例1で作製したライトコントロールフィルム上に、下記のようにして中屈折率層、高屈折率層、次いで低屈折率層の順に反射防止層を塗設した。
【0187】
中屈折率層の塗布
ライトコントロールフィルム上に、下記中屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さが78nmとなるように中屈折率層を設けた。なお、この中屈折率層の屈折率は1.70であった。
【0188】
高屈折率層の形成
上記中屈折率層上に、下記の高屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さが66nmとなるように高屈折率層を設けた。尚、この高屈折率層の屈折率は1.85であった。
【0189】
低屈折率層の形成
上記高屈折率層上に、下記の低屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、更に120℃で5分間熱硬化させ、さらに紫外線を175mJ/cm2照射して硬化させ、厚さ95nmとなるように低屈折率層を設けた。尚、この低屈折率層の屈折率は1.45であった。
【0190】
〈テトラエトキシシラン加水分解物Aの調製〉
まず、テトラエトキシシラン580gとエタノール1144gを混合し、これにクエン酸水溶液(クエン酸1水和物5.4gを水272gに溶解したもの)を添加した後に、室温(25℃)にて1時間撹拌することでテトラエトキシシラン加水分解物Aを調製した。
【0191】
〈低屈折率層組成物〉
プロピレングリコールモノメチルエーテル 303質量部
イソプロピルアルコール 305質量部
テトラエトキシシラン加水分解物A 139質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学(株)製 KBM503) 1.6質量部
10%FZ−2207、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液
(日本ユニカー(株)製) 1.3質量部
得られたライトコントロールフィルムを 液晶表示パネル(NEC(株)製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の前面に装着して、視認性の評価を実施した。
【0192】
その結果、オフィス内のもっとも近い蛍光灯の写り込みが全く気にならず、またフォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める状態であった。
【0193】
また、動画及び鮮鋭性評価用のテストチャート画像を出力し、画像のしまり及び鮮鋭性を下記の基準に則り評価した。その結果、動画の黒のしまりが非常に良好で、かつテストパターンが、極めて鮮鋭に映し出されていた。
【0194】
〔比較例1〕
特開昭51−44186号記載の方法により、膜厚180μmの透明な薄い板(セルロースアセチルブチレート)と膜厚20μm黒色の薄い板(カーボンブラックを含有したセルロースアセチルブチレート)と交互に積層し、所望の厚さになった処で積層方向に対して垂直方向にフィルム状にスライスしてルーバー付きライトコントロールフィルムを作製した。
【0195】
しかし、断面に形成されたパターンが不規則になり、透過率が30%と低くなってしまった。
【0196】
【発明の効果】
本発明により、製造が容易であり、機械的強度に優れ、不要な入射光の遮光性に優れ、所定方向から見た画像は明るく鮮明であり、かつ、点、縞、格子またはハニカム模様等のパターン形成が自由に出来る、ライトコントロールフィルムとその製造方法、及び製造に用いるインクジェット装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライトコントロールフィルムの構造を説明する断面図と上面図。
【図2】ストライプ状パターンと直角方向(図1の上下方向)の光入射角度と光透過率の関係を説明する図。
【図3】格子状パターンを説明する図。
【図4】格子状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率との関係を説明する図。
【図5】点状パターンを説明する図。
【図6】点状タイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率との関係を説明する図。
【図7】ハニカム状パターンを説明する図。
【図8】ハニカムタイプのライトコントロールフィルムの上下方向と左右方向の光入射角度と光透過率との関係を説明する図。
【図9】インクジェットヘッドの断面図とその矢視拡大図。
【図10】インクジェットヘッド部、ノズルプレートの一例を示す概略図。
【図11】インクジェット方式の一例の概念図。
【符号の説明】
1 透明基体(支持体)
2 パターン像
10 インクジェットヘッド
11 基板
12 圧電素子
13 流路板
13a インク流路
13b 壁部
14 共通液室構成部材
14a 共通液室
15 インク供給パイプ
16 ノズルプレート
16a ノズル
17 駆動用回路プリント板(PCB)
18 リード部
19 駆動電極
20 溝
21 保護板
22 流体抵抗
23、24 電極
25 上部隔壁
26 ヒータ
27 ヒータ電源
28 伝熱部材
Claims (14)
- 透明基体上に、インクジェット方式によりライトコントロール用のパターンを形成することを特徴とするライトコントロールフィルムの製造方法。
- ライトコントロール用のパターンが、点、縞、格子模様またはハニカム模様のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
- ライトコントロール用のパターンを、少なくとも樹脂と、染料または顔料を含有するインク液滴の出射により形成し、該パターン以外の領域は透明樹脂を主成分とするインク液滴の出射により形成することを特徴とする請求項1又は2記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
- パターン形成用インク液滴に含有されている樹脂、及びパターン以外の領域用のインク液滴に含まれる透明樹脂が、活性光線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項3記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
- 前記インク液滴を透明基材上に着弾させた直後より、活性光線を照射することを特徴とする請求項4記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
- パターン形成用インク液滴に含有されている樹脂、及びパターン以外の領域用のインク液滴に含まれる透明樹脂が、熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項3記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
- 前記インク液滴を透明基材上に着弾させた直後より、加熱処理を行うことを特徴とする請求項6記載のライトコントロールフィルムの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のライトコントロールフィルムの製造方法により造られたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
- ライトコントロールフィルムへの垂直入射光の透過率が40%以上であり、かつ、30度斜め方向からくる光線の透過率が20%以下であることを特徴とする請求項8記載のライトコントロールフィルム。
- 請求項8又は9記載のライトコントロールフィルム面上にインクジェット方式により微細な凹凸構造を形成し防眩性を付与したことを特徴とするライトコントロールフィルム。
- 請求項8又は9記載のライトコントロールフィルム面上に、少なくとも1層のハードコート層を形成し、その上にインクジェット方式により微細な凹凸構造を形成し防眩性を付与したことを特徴とするライトコントロールフィルム。
- 請求項8又は9記載のライトコントロールフィルム面上に、反射防止層を設けたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
- 請求項8又は9記載のライトコントロールフィルム面上に、防眩層を形成した後、該防眩層上に反射防止層を設けたことを特徴とするライトコントロールフィルム。
- 請求項8〜13のいずれか1項記載のライトコントロールフィルムを製造するためのインクジェット装置であって、インクジェットヘッド部に直接活性光線又は熱が作用しないように活性光線照射部又は加熱部が配置されていることを特徴とするインクジェット装置。
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