JP2004341668A - 駐車違反者特定システム、その処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車違反者を簡便に特定することができる駐車違反者特定システム及び駐車違反者特定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる駐車違反者特定システムは、駐車違反の車両11と、車両11を取締るための携帯端末12とを有する。車両は11は、運転者を特定する運転者情報を記憶したICチップが埋め込まれた運転免許証21と、その運転者情報を読み取る運転免許証読取装置22と、車両11を走行させて走行状態を監視し、車両11の停車日時を検出する駆動制御装置23と、運転免許証読取装置22から入力された運転者情報と、駆動制御装置23から入力された停車日時とを発信する車載通信装置24とを備える。携帯端末12が、車載通信装置24から運転者情報と停車日時とを受信する車外通信装置25を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかる駐車違反者特定システムは、駐車違反の車両11と、車両11を取締るための携帯端末12とを有する。車両は11は、運転者を特定する運転者情報を記憶したICチップが埋め込まれた運転免許証21と、その運転者情報を読み取る運転免許証読取装置22と、車両11を走行させて走行状態を監視し、車両11の停車日時を検出する駆動制御装置23と、運転免許証読取装置22から入力された運転者情報と、駆動制御装置23から入力された停車日時とを発信する車載通信装置24とを備える。携帯端末12が、車載通信装置24から運転者情報と停車日時とを受信する車外通信装置25を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車違反者特定システムその処理方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駐車違反の取締りにおいて、警察官などの取締官は、駐車中の自動車のタイヤにマークをつけ、一定時間経過した後に、再びマークを確認する。取締官は、一定時間の経過後にマーク位置に変化がない場合、自動車が動かされていないと判断し、その動かされていない自動車を違反車両と判断する。この場合、取締官は、マークを確認するために、その場において一定時間待つか、一定時間後に同じ場所に戻ってくる必要がある。そのため、駐車中の自動車を発見してから違反車両とみなすまでに一定時間を必要とする。特に、都心では駐車違反の車両が目立つので、この従来の取締り方法では人手が多くかかり、効率が悪く、取締り件数に限界がある。
【0003】
近年、ICチップが普及し、低コストでクレジットカード等に埋め込むことができるようになった。このため、運転免許証にも応用可能になってきた。例えば、特許文献1には、運転免許証としてのICカードにスピード違反や駐車違反の履歴等を記憶させる装置が開示されている。例えば、自動車搭載用カード読取装置は、路上駐車中に、車外に設置されている発信器からの駐車違反防止用電波をカウントし、カウントデータを記憶する。
【0004】
特定時間を越えるごとにカウント数は加算される。これによって、駐車違反が判別され、カウント値が違反の程度を示すデータとして、その限度値と共に自動車搭載用カード読取装置の表示画面に表示される。これにより、運転者は駐車違反とその程度を知ることができる。又、駐車違反やスピード違反のカウント数が設定数を超えた場合、ICカードが読取装置に挿入されてもエンジンの始動スイッチが作動しない。
【0005】
一方、取締官は取締用移動型カード読取装置を携行し、取り締まり時には、運転者からICカードを受け取って読取装置に挿入する。読取装置は、ICカードに記憶されている違反データなどを表示画面に表示することができる。取締官は違反内容を容易に確認することができ、適正な警告や罰金などの処分を迅速に行うことができる。上記従来のシステムは、取締官による違反内容の確認をある程度容易にすることができる。しかし、取締官は運転者からICカードを受け取る必要があるので、路上に駐車されている車の駐車違反を効果的に取り締まることはできない。
【0006】
【特許文献1】
特開平4―237398号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の駐車違反者の取締り方法は、効率的に駐車違反車両を特定することができない。多くの人手を必要とし、コストがかかる取り締まり方法は、駐車違反取り締まりの効果を小さくする。一方、ICカードを利用する上記違反防止装置は、取締官による違反確認のために運転者のICカードを必要とするため、路上に駐車されている車の取締官による違反取締りを、実質的に効率化することはできない。本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、駐車違反者を容易に特定することができる駐車違反者特定システム及びその処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下の記載において、本発明の理解容易のために、解決手段の要素に対応する実施の形態における要素が例示される。これらは、本発明の一つの形態に相当するものであって、本発明がこれらに限定されるものではない。又、方法かかる発明の各ステップの記載順序が、各ステップの処理順序を限定するものではない。
【0009】
本発明の第1の態様は、駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するシステムであって、車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得する手段(例えば、運転免許証読取装置22あるいは車載通信装置24)と、前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得する手段(例えば、駆動制御装置23あるいは車載通信装置24)と、前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように出力する手段(例えば、車載通信装置24あるいは表示装置27)と、を備えるものである。この構成を有することによって、駐車違反の取締りを効率的に行うことが可能となる。
【0010】
上記第1の態様において、前記出力する手段は、車外の通信装置からの要求に応答して、前記運転者情報と停車情報とを、前記車外の通信装置に送信する送信装置であることが好ましい。さらに、前記出力する手段から送信された運転者情報と停車情報を受信し、駐車違反車両の運転者と停車時間に関する情報を提示可能な車外通信端末を備えることが好ましい。これによって、取締官の装置によって、容易に駐車違反者を特定することができる。
【0011】
上記第1の態様において、前記出力する手段は、前記運転者情報と停車情報とを車外に表示する表示装置であることが好ましい。これによって、駐車違反者を外部から容易い特定することができる。あるいは、上記第1の態様において、前記停車情報は前記車両が停車した時刻を含むことが好ましい。これによって、駐車違反の特定を容易に行うことができる。
【0012】
上記第1の態様において、前記運転者情報を取得する手段は、可搬記憶媒体から前記運転者情報を取得することが好ましい。可搬記憶媒体は、IC埋め込み型免許証であることが好ましい。これによって、運転者に関する情報を効果的に記憶することができる。さらに、前記運転者情報を取得した場合に、前記車両の走行を許可する駆動制御装置をさらに備えることが好ましい。これによって、車両走行のために運転者情報が必要とされるため、運転者情報を確実に取得することができる。
【0013】
上記第1の態様において、前記停車情報を取得する手段は前記車両の走行状態を検出し、前記車両の走行状態に従って決定された停車情報を取得することが好ましい。これによって、停車時間に関する情報を効果的に取得することができる。
【0014】
本発明の他の態様は、駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するシステムにおける処理方法であって、車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得するステップと、前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得するステップと、前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように、出力するステップと、を備えるものである。この構成を有することによって、駐車違反の取締りを効率的に行うことが可能となる。あるいは、本発明は、駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するための処理をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。
【0016】
実施の形態1.
本形態にかかる駐車違反者特定システムは、ICチップ埋め込み型の運転免許証に格納された運転者を特定する情報と、自動車の走行状態を検出する装置により検出された情報とを、車外に発信することにより、車外から車両の運転者及び停車時間を取得し、駐車違反車両及び運転者を特定することを可能とする。以下、本実施の形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本形態にかかる駐車違反者特定システムの構成例を示す模式図である。本形態の各装置は、ハードウェア構成によって、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにおいて、典型的には、所定の機能を備えるプログラムをマイクロプロセッサなどの演算制御部、およびメモリを備えるハードウェア上において実行することによって、所望の機能を実現することができる。プログラムはハードウェアにロードされ、ハードウェアを制御することによって、本形態にかかる処理を実行させることができる。
【0017】
図1に示すように、本形態にかかる駐車違反者特定システム1は、自動車(車両)11に実装された車載装置と、車載装置からの情報を受信する携帯端末12と備えている。自動車11は、駐車違反の取締り対象となる車両である。自動車11は、運転免許証読取装置22、駆動制御装置23及び車載通信装置24を備えている。自動車11は、ICチップ埋め込み型の運転免許証21が運転免許証読取装置22に挿入されていないと、動かないように構成されている。これにより、運転者は、必ず運転免許証21を運転免許証読取装置22に挿入してから運転することが必要とされる。
【0018】
運転免許証21には、運転者の顔写真とともに、氏名、現住所、生年月日等が印刷されている。さらに、運転免許証21は、ICチップが埋め込まれたICチップ埋め込み型運転免許証である。ICチップは、コントロール回路、メモリ等を備え、ICチップのメモリには、少なくとも運転者の免許証番号、氏名・住所等の個人を特定できる運転者情報が格納されている。また、ICチップに、運転者の交通違反・事故履歴、免許有効期間、故障・修理等の情報などを格納することができる。
【0019】
運転免許証読取装置22は、演算・制御部、メモリ、読取装置、I/O(Input/Output)部を備えている。演算・制御部は各モジュールの制御及び必要なデータ処理を実行することができる。メモリは必要なデータを記憶する。読取装置は、運転免許証読取装置22に挿入された運転免許証21のICチップに格納された情報を読み取る。I/O部は、他の車載装置との間のデータ通信のインターフェースとして機能する。読取装置によって運転免許証21のICチップから読み取られた情報はメモリに記憶され、I/O部によって他の装置に送信される。尚、運転免許証読取装置22は、運転免許証21のICチップから情報を読み取る機能に加えて、ICチップに情報を書き込む機能を備えることができる。
【0020】
駆動制御装置23は、自動車11の走行状態の監視及び走行状態に関する情報の取得、自動車の走行制御、あるいは、他の車載装置との間のデータ通信を行うことができる。駆動制御装置23は、必要な情報を記憶するメモリ、他の装置との間のデータ通信を行うI/O部、あるいは、制御及び必要なデータ処理を実行する演算・制御部等を備えている。駆動制御装置23は、運転免許証読取装置22からの情報に従って自動車の走行の可否を決定し、その走行開始を制御することができる。又、自動車11の走行状態を監視し、自動車11が停車状態にあることを検知する。駆動制御装置23は時計機能を備えており、自動車11が停止した日時を決定することができる。
【0021】
車載通信装置24は車外装置との間においてデータ通信を行い、好ましくは、赤外線や電波等の非接触型の通信方式によりデータ通信を行う。車載通信装置24は、運転免許証読取装置22、及び、駆動制御装置23から、I/O部を介して必要な情報を取得し、メモリに記憶する。メモリに記憶された情報は、携帯端末12からの要求に従って、無線通信モジュールを備えるI/O部を介して携帯端末12に送信される。携帯端末12との通信における相互認証などの通信前処理、あるいは装置全体の制御は演算・制御部によって実行される。
【0022】
携帯端末12は、取締官が所持して駐車違反を取り締るための携帯端末である。図1に示すように、携帯端末12は、車外通信装置25及び表示装置26を有する。車外通信装置25は、I/O部を介して車載通信装置24から必要な情報を受信し、メモリに記憶する。メモリに記憶された情報は、取締官の操作に従って表示装置26に表示される。装置全体の制御あるいは必要なデータ処理は演算・制御部によって実行される。尚、携帯端末と同様の機能を備える車載装置を取締官の車両に実装することも可能である。
【0023】
続いて、図2を用いて、駐車違反者特定システム1の処理について説明する。図2は、駐車違反者特定システム1の処理を示すシーケンス図である。まず、運転者は、自動車11を運転する際、運転免許証21を運転免許証読取装置22に挿入する。運転免許証読取装置22は、運転免許証21のICチップから運転者情報を読み取る。必要な情報を取得することができると、運転免許証読取装置22は、車載通信装置24に送る(S101)。
【0024】
それとともに、運転免許証読取装置22は、駆動制御装置23に自動車11の走行許可を送信する(S102)。これに応じて、駆動制御装置23は、自動車11を走行可能にする。自動車11の運転中、駆動制御装置23は自動車11の走行状態を監視する。駆動制御装置23は、自動車11が停車した場合に、自動車11が停車を開始した時刻である停車日時を車載通信装置24に送る(S103)。車載通信装置24は、運転者情報とともに、停車日時を保持する。
【0025】
取締官が自動車11を取り締る際、取締り用の携帯端末12から車載通信装置24に、車載通信装置24に格納された運転者情報と停車日時との発信を指示する発信指示が送信される(S104)。車載通信装置24は、この発信指示に応じて、運転者情報と停車日時とを携帯端末12に発信する(S105)。携帯端末12は車外通信装置25を介して運転者情報と停車日時を取得し、表示装置26に送られた各情報は(S106)、表示装置26において表示される。
【0026】
次に、図3乃至図7を参照して、本発明にかかる駐車違反者特定システム1を構成する各装置の処理について説明する。図3のフローチャートは、運転免許証読取装置22の処理(図2:S101、S102)を示している。運転免許証読取装置22は、ICチップ埋め込み型の運転免許証21が免許証入口を介して挿入されたことを検出する(S111)。運転免許証21の挿入が検出されると、運転免許証読取装置22は、運転免許証21のICチップに格納された情報を取得する。取得した情報の検証を行い、必要な運転者情報を取得することができたかを判定する(S112)。
【0027】
適正な運転者情報を取得できなかった場合、走行不可として処理が終了する。この結果、運転者は自動車11を始動することはできない。一方、適正な運転者情報を取得した場合、運転免許証読取装置22は、取得した運転者情報を車載通信装置24に送信する(S113)。さらに、運転免許証読取装置22は、自動車11の走行を許可する走行許可信号を生成し、駆動制御装置23に送信する(S114)。
【0028】
駆動制御装置23の処理(図2:S102、S103)について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4に示すように、駆動制御装置23は、運転者による自動車11の始動操作がなされると、運転免許証読取装置22からの走行許可の取得を判定する。走行許可を取得していない場合、駆動制御装置23はエンジンの始動を禁止するなど、自動車が走行できないように制御する。走行許可を取得している場合、駆動制御装置23は走行可であると決定し、運転者の始動操作あるいは自動車11の走行を許可する(S121)。自動車11の動作中、駆動制御装置23は、自動車11の走行状態を常に監視する(S123)。駆動制御装置23は、自動車11が走行状態から停車状態に変わったことを検出した場合(S124)、時計機能を使用してその停車日時を決定、取得し(S125)、車載通信装置24に送信する(S126)。
【0029】
図5のフローチャートは、車載通信装置24の処理(図2:S103、S105)を示している。図5に示すように、車載通信装置24は、運転免許証読取装置22から運転者情報を取得する(S131)。この取得した運転者情報241は、図6に示すように、メモリに記憶されているテーブルに登録される(S132)。さらに、車載通信装置24は、駆動制御装置23から停車日時を取得すると(S133)、取得した停車日時242を運転者情報241と関連付けてテーブルに登録する(S134)。
【0030】
運転者情報241と停車日時242は、自動車11が走行を開始した場合、新たなデータに書き換えられる。過去データは、必要に従って、一定期間の間、テーブルに記憶しておくことが可能である。例えば、テーブルの各データの更新履歴を保持することによって、必要とされるデータの識別を行うことができる。車載通信装置24は、外部装置からアクセスを受けると、携帯端末12からの適正なアクセスであることを検証する。情報発信の指示を示す適正な発信指示を携帯端末12から受信すると(S135)、テーブルに登録されている運転者情報241と停車日時242を、携帯端末12に送信する(S136)。
【0031】
続いて、携帯端末12による処理について説明する。図7は、携帯端末12の処理(図2:S104、S105、S106)を示すフローチャートである。駐車違反の取締りを行う際、携帯端末12に実装された車外通信装置25は、取締官の操作に応じて、車載通信装置24に発信指示を送信する(S141)。発信指示に応答して、車載通信装置24は、車外通信装置25に運転者情報241と停車日時242を送信する。一定時間内に応答を受信しない場合、車外通信装置25は発信指示の送信を繰り返す。所定回数以上の送信に応答がない場合、通信は終了する。車外通信装置25は、運転者情報241と停車日時242とを受信すると(S142)、これらメモリ内のテーブルに登録する(S143)。表示装置26は登録された運転者情報241と停車日時242を取得し、スクリーン上にそれらを表示する(S144)。
【0032】
以上のように、自動車11の車載通信装置24は、運転免許証読取装置22により取得された運転者情報241と、駆動制御装置23により取得された停車日時242とを保持する。取締官は、携帯端末12を用いて、運転者情報241と停車日時242を車載通信装置24から取得することができる。これにより、取締官は、長時間停車している自動車11を容易に判別し、その自動車11の運転者を特定することができる。取締官は、一定時間を経過するのをその場で待つことなく、また一定時間後に同じ場所まで戻ってくる必要もなく、駐車中の自動車を発見した時点で、駐車時間を確認することができ、駐車違反の取締り業務の作業効率を向上させることができる。
【0033】
さらに、運転者は、自動車11を運転するために、ICチップ埋め込み型の運転免許証21を運転免許証読取装置22に挿入する必要があるので、停車した時点で運転していた運転者の運転者情報241が、車載通信装置24に保持される。これにより、車載通信装置24を通して、停車時点での運転者の運転者情報241を車外から読み取ることができ、違反車両だけでなく、違反者も正確に特定することができる。
【0034】
尚、本実施の形態においては、取締官が停車日時を知ることができるように構成したが、取締官が停車時間を認知できるように構成してもよい。例えば、車載通信装置24は、車外通信装置25から発信指示を受信すると、発信指示を駆動制御装置23に転送する。時計機能を有する駆動制御装置23は、この指示を受信した時刻と記憶していた停車日時とに基づいて停車時間を算出し、この停車時間を車載通信装置24に送信する。車載通信装置24は、車外通信装置25に対して、運転者情報とともに停車時間を送信する。
【0035】
本実施の形態においては、駆動制御装置23が時計機能を有したが、車載通信装置24が時計機能を備え、停車日時や停車時間を生成してもよい。例えば、駆動制御装置23が、自動車の停車に応じて、自動車が停車したことを示す信号を車載通信装置24に送信する。車載通信装置24は、この車載通信装置24から受信した信号に応じて、停車日時を決定して保持する。車載通信装置24は、車外通信装置25からの発信指示に応答して、停車日時と運転者情報を車外通信装置25に送信することができる。車載通信装置24は、停車日時と車外通信装置25からの発信指示の受信日時から、停車時間を算出する構成としてもよい。
【0036】
実施の形態2.
本発明にかかる駐車違反者特定システムの他の構成例について説明する。図8は、駐車違反者特定システムの他の構成例を示す模式図である。図8に示すように、本実施の形態における駐車違反者特定システム81は、図1における車載通信装置24を表示装置27に置き換えたものである。この表示装置27は、自動車11の車外から視認できる箇所に設置される。例えば、自動車11の運転席と助手席との間で、表示面がフロントガラスに対向するように設置されている。なお、本実施の形態においては、車載通信装置24に換えて表示装置27を用いたが、音声出力装置等、運転者及び停車日時を車外に出力し、車外で認識できるようにする他の出力装置を利用することが可能である。
【0037】
図8に示す表示装置27は、運転免許証読取装置22から運転者情報を受信するとともに、駆動制御装置23から停車日時を受信する。表示装置27は、受信した運転者情報、停車日時を文字情報に加工する。表示装置27は、この文字情報を自動車11の車外から視認可能な箇所に表示する。これにより、取締官は自動車11の車外において、上記携帯端末12のような特別な装置を用いることなく、運転者情報と停車日時を確認することができ、駐車違反者の取締りを容易に行うことができる。
【0038】
表示装置27は、運転者情報そのものを表示してもよいし、その運転者を特定可能な他の情報を表示してもよい。例えば、運転免許証読取装置22において、免許証番号に対応した運転者IDを生成し、この運転者IDを表示装置27において表示するようにしてもよい。この場合、取締官は、この運転者IDから運転者を割り出し、駐車違反者を特定する。これによって、運転者の個人情報が漏洩するのを防ぐことができる。またさらに、運転者情報は、文字情報として表示されたが、他の図形情報として表示されるようにしてもよい。
【0039】
表示装置27は、取締官の所有する外部装置からの要求に応じて、運転者情報と停車日時を表示するように構成することが可能である。これによって、第3者への情報の漏洩を防止することができる。本形態の、実施の形態1と同様に、停車時間が表示されるように構成してもよい。すなわち、表示装置27は時計機能を備え、駆動装置制御装置23から取得した停車日時と現在日時から停車時間を算出し、停車時間を表示する。これにより、取締り業務の効率を向上させることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、駐車違反の取締りを効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる駐車違反者特定システムの構成例を示す模式図である。
【図2】本発明にかかる駐車違反者特定システムの処理を示すシーケンス図である。
【図3】本発明にかかる運転免許証読取装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかる駆動制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる車載通信装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明にかかる車載通信装置が保持する情報を示すデータテーブルである。
【図7】本発明にかかる車外通信装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる駐車違反者特定システムの他の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 駐車違反者特定システム、11 自動車(車両)、12 携帯端末、21 運転免許証、22 運転免許証読取装置、221 免許証入口、23 駆動制御装置、24 車載通信装置、25 車外通信装置、26、27 表示装置、81駐車違反者特定システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車違反者特定システムその処理方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駐車違反の取締りにおいて、警察官などの取締官は、駐車中の自動車のタイヤにマークをつけ、一定時間経過した後に、再びマークを確認する。取締官は、一定時間の経過後にマーク位置に変化がない場合、自動車が動かされていないと判断し、その動かされていない自動車を違反車両と判断する。この場合、取締官は、マークを確認するために、その場において一定時間待つか、一定時間後に同じ場所に戻ってくる必要がある。そのため、駐車中の自動車を発見してから違反車両とみなすまでに一定時間を必要とする。特に、都心では駐車違反の車両が目立つので、この従来の取締り方法では人手が多くかかり、効率が悪く、取締り件数に限界がある。
【0003】
近年、ICチップが普及し、低コストでクレジットカード等に埋め込むことができるようになった。このため、運転免許証にも応用可能になってきた。例えば、特許文献1には、運転免許証としてのICカードにスピード違反や駐車違反の履歴等を記憶させる装置が開示されている。例えば、自動車搭載用カード読取装置は、路上駐車中に、車外に設置されている発信器からの駐車違反防止用電波をカウントし、カウントデータを記憶する。
【0004】
特定時間を越えるごとにカウント数は加算される。これによって、駐車違反が判別され、カウント値が違反の程度を示すデータとして、その限度値と共に自動車搭載用カード読取装置の表示画面に表示される。これにより、運転者は駐車違反とその程度を知ることができる。又、駐車違反やスピード違反のカウント数が設定数を超えた場合、ICカードが読取装置に挿入されてもエンジンの始動スイッチが作動しない。
【0005】
一方、取締官は取締用移動型カード読取装置を携行し、取り締まり時には、運転者からICカードを受け取って読取装置に挿入する。読取装置は、ICカードに記憶されている違反データなどを表示画面に表示することができる。取締官は違反内容を容易に確認することができ、適正な警告や罰金などの処分を迅速に行うことができる。上記従来のシステムは、取締官による違反内容の確認をある程度容易にすることができる。しかし、取締官は運転者からICカードを受け取る必要があるので、路上に駐車されている車の駐車違反を効果的に取り締まることはできない。
【0006】
【特許文献1】
特開平4―237398号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の駐車違反者の取締り方法は、効率的に駐車違反車両を特定することができない。多くの人手を必要とし、コストがかかる取り締まり方法は、駐車違反取り締まりの効果を小さくする。一方、ICカードを利用する上記違反防止装置は、取締官による違反確認のために運転者のICカードを必要とするため、路上に駐車されている車の取締官による違反取締りを、実質的に効率化することはできない。本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、駐車違反者を容易に特定することができる駐車違反者特定システム及びその処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下の記載において、本発明の理解容易のために、解決手段の要素に対応する実施の形態における要素が例示される。これらは、本発明の一つの形態に相当するものであって、本発明がこれらに限定されるものではない。又、方法かかる発明の各ステップの記載順序が、各ステップの処理順序を限定するものではない。
【0009】
本発明の第1の態様は、駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するシステムであって、車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得する手段(例えば、運転免許証読取装置22あるいは車載通信装置24)と、前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得する手段(例えば、駆動制御装置23あるいは車載通信装置24)と、前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように出力する手段(例えば、車載通信装置24あるいは表示装置27)と、を備えるものである。この構成を有することによって、駐車違反の取締りを効率的に行うことが可能となる。
【0010】
上記第1の態様において、前記出力する手段は、車外の通信装置からの要求に応答して、前記運転者情報と停車情報とを、前記車外の通信装置に送信する送信装置であることが好ましい。さらに、前記出力する手段から送信された運転者情報と停車情報を受信し、駐車違反車両の運転者と停車時間に関する情報を提示可能な車外通信端末を備えることが好ましい。これによって、取締官の装置によって、容易に駐車違反者を特定することができる。
【0011】
上記第1の態様において、前記出力する手段は、前記運転者情報と停車情報とを車外に表示する表示装置であることが好ましい。これによって、駐車違反者を外部から容易い特定することができる。あるいは、上記第1の態様において、前記停車情報は前記車両が停車した時刻を含むことが好ましい。これによって、駐車違反の特定を容易に行うことができる。
【0012】
上記第1の態様において、前記運転者情報を取得する手段は、可搬記憶媒体から前記運転者情報を取得することが好ましい。可搬記憶媒体は、IC埋め込み型免許証であることが好ましい。これによって、運転者に関する情報を効果的に記憶することができる。さらに、前記運転者情報を取得した場合に、前記車両の走行を許可する駆動制御装置をさらに備えることが好ましい。これによって、車両走行のために運転者情報が必要とされるため、運転者情報を確実に取得することができる。
【0013】
上記第1の態様において、前記停車情報を取得する手段は前記車両の走行状態を検出し、前記車両の走行状態に従って決定された停車情報を取得することが好ましい。これによって、停車時間に関する情報を効果的に取得することができる。
【0014】
本発明の他の態様は、駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するシステムにおける処理方法であって、車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得するステップと、前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得するステップと、前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように、出力するステップと、を備えるものである。この構成を有することによって、駐車違反の取締りを効率的に行うことが可能となる。あるいは、本発明は、駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するための処理をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。
【0016】
実施の形態1.
本形態にかかる駐車違反者特定システムは、ICチップ埋め込み型の運転免許証に格納された運転者を特定する情報と、自動車の走行状態を検出する装置により検出された情報とを、車外に発信することにより、車外から車両の運転者及び停車時間を取得し、駐車違反車両及び運転者を特定することを可能とする。以下、本実施の形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本形態にかかる駐車違反者特定システムの構成例を示す模式図である。本形態の各装置は、ハードウェア構成によって、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにおいて、典型的には、所定の機能を備えるプログラムをマイクロプロセッサなどの演算制御部、およびメモリを備えるハードウェア上において実行することによって、所望の機能を実現することができる。プログラムはハードウェアにロードされ、ハードウェアを制御することによって、本形態にかかる処理を実行させることができる。
【0017】
図1に示すように、本形態にかかる駐車違反者特定システム1は、自動車(車両)11に実装された車載装置と、車載装置からの情報を受信する携帯端末12と備えている。自動車11は、駐車違反の取締り対象となる車両である。自動車11は、運転免許証読取装置22、駆動制御装置23及び車載通信装置24を備えている。自動車11は、ICチップ埋め込み型の運転免許証21が運転免許証読取装置22に挿入されていないと、動かないように構成されている。これにより、運転者は、必ず運転免許証21を運転免許証読取装置22に挿入してから運転することが必要とされる。
【0018】
運転免許証21には、運転者の顔写真とともに、氏名、現住所、生年月日等が印刷されている。さらに、運転免許証21は、ICチップが埋め込まれたICチップ埋め込み型運転免許証である。ICチップは、コントロール回路、メモリ等を備え、ICチップのメモリには、少なくとも運転者の免許証番号、氏名・住所等の個人を特定できる運転者情報が格納されている。また、ICチップに、運転者の交通違反・事故履歴、免許有効期間、故障・修理等の情報などを格納することができる。
【0019】
運転免許証読取装置22は、演算・制御部、メモリ、読取装置、I/O(Input/Output)部を備えている。演算・制御部は各モジュールの制御及び必要なデータ処理を実行することができる。メモリは必要なデータを記憶する。読取装置は、運転免許証読取装置22に挿入された運転免許証21のICチップに格納された情報を読み取る。I/O部は、他の車載装置との間のデータ通信のインターフェースとして機能する。読取装置によって運転免許証21のICチップから読み取られた情報はメモリに記憶され、I/O部によって他の装置に送信される。尚、運転免許証読取装置22は、運転免許証21のICチップから情報を読み取る機能に加えて、ICチップに情報を書き込む機能を備えることができる。
【0020】
駆動制御装置23は、自動車11の走行状態の監視及び走行状態に関する情報の取得、自動車の走行制御、あるいは、他の車載装置との間のデータ通信を行うことができる。駆動制御装置23は、必要な情報を記憶するメモリ、他の装置との間のデータ通信を行うI/O部、あるいは、制御及び必要なデータ処理を実行する演算・制御部等を備えている。駆動制御装置23は、運転免許証読取装置22からの情報に従って自動車の走行の可否を決定し、その走行開始を制御することができる。又、自動車11の走行状態を監視し、自動車11が停車状態にあることを検知する。駆動制御装置23は時計機能を備えており、自動車11が停止した日時を決定することができる。
【0021】
車載通信装置24は車外装置との間においてデータ通信を行い、好ましくは、赤外線や電波等の非接触型の通信方式によりデータ通信を行う。車載通信装置24は、運転免許証読取装置22、及び、駆動制御装置23から、I/O部を介して必要な情報を取得し、メモリに記憶する。メモリに記憶された情報は、携帯端末12からの要求に従って、無線通信モジュールを備えるI/O部を介して携帯端末12に送信される。携帯端末12との通信における相互認証などの通信前処理、あるいは装置全体の制御は演算・制御部によって実行される。
【0022】
携帯端末12は、取締官が所持して駐車違反を取り締るための携帯端末である。図1に示すように、携帯端末12は、車外通信装置25及び表示装置26を有する。車外通信装置25は、I/O部を介して車載通信装置24から必要な情報を受信し、メモリに記憶する。メモリに記憶された情報は、取締官の操作に従って表示装置26に表示される。装置全体の制御あるいは必要なデータ処理は演算・制御部によって実行される。尚、携帯端末と同様の機能を備える車載装置を取締官の車両に実装することも可能である。
【0023】
続いて、図2を用いて、駐車違反者特定システム1の処理について説明する。図2は、駐車違反者特定システム1の処理を示すシーケンス図である。まず、運転者は、自動車11を運転する際、運転免許証21を運転免許証読取装置22に挿入する。運転免許証読取装置22は、運転免許証21のICチップから運転者情報を読み取る。必要な情報を取得することができると、運転免許証読取装置22は、車載通信装置24に送る(S101)。
【0024】
それとともに、運転免許証読取装置22は、駆動制御装置23に自動車11の走行許可を送信する(S102)。これに応じて、駆動制御装置23は、自動車11を走行可能にする。自動車11の運転中、駆動制御装置23は自動車11の走行状態を監視する。駆動制御装置23は、自動車11が停車した場合に、自動車11が停車を開始した時刻である停車日時を車載通信装置24に送る(S103)。車載通信装置24は、運転者情報とともに、停車日時を保持する。
【0025】
取締官が自動車11を取り締る際、取締り用の携帯端末12から車載通信装置24に、車載通信装置24に格納された運転者情報と停車日時との発信を指示する発信指示が送信される(S104)。車載通信装置24は、この発信指示に応じて、運転者情報と停車日時とを携帯端末12に発信する(S105)。携帯端末12は車外通信装置25を介して運転者情報と停車日時を取得し、表示装置26に送られた各情報は(S106)、表示装置26において表示される。
【0026】
次に、図3乃至図7を参照して、本発明にかかる駐車違反者特定システム1を構成する各装置の処理について説明する。図3のフローチャートは、運転免許証読取装置22の処理(図2:S101、S102)を示している。運転免許証読取装置22は、ICチップ埋め込み型の運転免許証21が免許証入口を介して挿入されたことを検出する(S111)。運転免許証21の挿入が検出されると、運転免許証読取装置22は、運転免許証21のICチップに格納された情報を取得する。取得した情報の検証を行い、必要な運転者情報を取得することができたかを判定する(S112)。
【0027】
適正な運転者情報を取得できなかった場合、走行不可として処理が終了する。この結果、運転者は自動車11を始動することはできない。一方、適正な運転者情報を取得した場合、運転免許証読取装置22は、取得した運転者情報を車載通信装置24に送信する(S113)。さらに、運転免許証読取装置22は、自動車11の走行を許可する走行許可信号を生成し、駆動制御装置23に送信する(S114)。
【0028】
駆動制御装置23の処理(図2:S102、S103)について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4に示すように、駆動制御装置23は、運転者による自動車11の始動操作がなされると、運転免許証読取装置22からの走行許可の取得を判定する。走行許可を取得していない場合、駆動制御装置23はエンジンの始動を禁止するなど、自動車が走行できないように制御する。走行許可を取得している場合、駆動制御装置23は走行可であると決定し、運転者の始動操作あるいは自動車11の走行を許可する(S121)。自動車11の動作中、駆動制御装置23は、自動車11の走行状態を常に監視する(S123)。駆動制御装置23は、自動車11が走行状態から停車状態に変わったことを検出した場合(S124)、時計機能を使用してその停車日時を決定、取得し(S125)、車載通信装置24に送信する(S126)。
【0029】
図5のフローチャートは、車載通信装置24の処理(図2:S103、S105)を示している。図5に示すように、車載通信装置24は、運転免許証読取装置22から運転者情報を取得する(S131)。この取得した運転者情報241は、図6に示すように、メモリに記憶されているテーブルに登録される(S132)。さらに、車載通信装置24は、駆動制御装置23から停車日時を取得すると(S133)、取得した停車日時242を運転者情報241と関連付けてテーブルに登録する(S134)。
【0030】
運転者情報241と停車日時242は、自動車11が走行を開始した場合、新たなデータに書き換えられる。過去データは、必要に従って、一定期間の間、テーブルに記憶しておくことが可能である。例えば、テーブルの各データの更新履歴を保持することによって、必要とされるデータの識別を行うことができる。車載通信装置24は、外部装置からアクセスを受けると、携帯端末12からの適正なアクセスであることを検証する。情報発信の指示を示す適正な発信指示を携帯端末12から受信すると(S135)、テーブルに登録されている運転者情報241と停車日時242を、携帯端末12に送信する(S136)。
【0031】
続いて、携帯端末12による処理について説明する。図7は、携帯端末12の処理(図2:S104、S105、S106)を示すフローチャートである。駐車違反の取締りを行う際、携帯端末12に実装された車外通信装置25は、取締官の操作に応じて、車載通信装置24に発信指示を送信する(S141)。発信指示に応答して、車載通信装置24は、車外通信装置25に運転者情報241と停車日時242を送信する。一定時間内に応答を受信しない場合、車外通信装置25は発信指示の送信を繰り返す。所定回数以上の送信に応答がない場合、通信は終了する。車外通信装置25は、運転者情報241と停車日時242とを受信すると(S142)、これらメモリ内のテーブルに登録する(S143)。表示装置26は登録された運転者情報241と停車日時242を取得し、スクリーン上にそれらを表示する(S144)。
【0032】
以上のように、自動車11の車載通信装置24は、運転免許証読取装置22により取得された運転者情報241と、駆動制御装置23により取得された停車日時242とを保持する。取締官は、携帯端末12を用いて、運転者情報241と停車日時242を車載通信装置24から取得することができる。これにより、取締官は、長時間停車している自動車11を容易に判別し、その自動車11の運転者を特定することができる。取締官は、一定時間を経過するのをその場で待つことなく、また一定時間後に同じ場所まで戻ってくる必要もなく、駐車中の自動車を発見した時点で、駐車時間を確認することができ、駐車違反の取締り業務の作業効率を向上させることができる。
【0033】
さらに、運転者は、自動車11を運転するために、ICチップ埋め込み型の運転免許証21を運転免許証読取装置22に挿入する必要があるので、停車した時点で運転していた運転者の運転者情報241が、車載通信装置24に保持される。これにより、車載通信装置24を通して、停車時点での運転者の運転者情報241を車外から読み取ることができ、違反車両だけでなく、違反者も正確に特定することができる。
【0034】
尚、本実施の形態においては、取締官が停車日時を知ることができるように構成したが、取締官が停車時間を認知できるように構成してもよい。例えば、車載通信装置24は、車外通信装置25から発信指示を受信すると、発信指示を駆動制御装置23に転送する。時計機能を有する駆動制御装置23は、この指示を受信した時刻と記憶していた停車日時とに基づいて停車時間を算出し、この停車時間を車載通信装置24に送信する。車載通信装置24は、車外通信装置25に対して、運転者情報とともに停車時間を送信する。
【0035】
本実施の形態においては、駆動制御装置23が時計機能を有したが、車載通信装置24が時計機能を備え、停車日時や停車時間を生成してもよい。例えば、駆動制御装置23が、自動車の停車に応じて、自動車が停車したことを示す信号を車載通信装置24に送信する。車載通信装置24は、この車載通信装置24から受信した信号に応じて、停車日時を決定して保持する。車載通信装置24は、車外通信装置25からの発信指示に応答して、停車日時と運転者情報を車外通信装置25に送信することができる。車載通信装置24は、停車日時と車外通信装置25からの発信指示の受信日時から、停車時間を算出する構成としてもよい。
【0036】
実施の形態2.
本発明にかかる駐車違反者特定システムの他の構成例について説明する。図8は、駐車違反者特定システムの他の構成例を示す模式図である。図8に示すように、本実施の形態における駐車違反者特定システム81は、図1における車載通信装置24を表示装置27に置き換えたものである。この表示装置27は、自動車11の車外から視認できる箇所に設置される。例えば、自動車11の運転席と助手席との間で、表示面がフロントガラスに対向するように設置されている。なお、本実施の形態においては、車載通信装置24に換えて表示装置27を用いたが、音声出力装置等、運転者及び停車日時を車外に出力し、車外で認識できるようにする他の出力装置を利用することが可能である。
【0037】
図8に示す表示装置27は、運転免許証読取装置22から運転者情報を受信するとともに、駆動制御装置23から停車日時を受信する。表示装置27は、受信した運転者情報、停車日時を文字情報に加工する。表示装置27は、この文字情報を自動車11の車外から視認可能な箇所に表示する。これにより、取締官は自動車11の車外において、上記携帯端末12のような特別な装置を用いることなく、運転者情報と停車日時を確認することができ、駐車違反者の取締りを容易に行うことができる。
【0038】
表示装置27は、運転者情報そのものを表示してもよいし、その運転者を特定可能な他の情報を表示してもよい。例えば、運転免許証読取装置22において、免許証番号に対応した運転者IDを生成し、この運転者IDを表示装置27において表示するようにしてもよい。この場合、取締官は、この運転者IDから運転者を割り出し、駐車違反者を特定する。これによって、運転者の個人情報が漏洩するのを防ぐことができる。またさらに、運転者情報は、文字情報として表示されたが、他の図形情報として表示されるようにしてもよい。
【0039】
表示装置27は、取締官の所有する外部装置からの要求に応じて、運転者情報と停車日時を表示するように構成することが可能である。これによって、第3者への情報の漏洩を防止することができる。本形態の、実施の形態1と同様に、停車時間が表示されるように構成してもよい。すなわち、表示装置27は時計機能を備え、駆動装置制御装置23から取得した停車日時と現在日時から停車時間を算出し、停車時間を表示する。これにより、取締り業務の効率を向上させることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、駐車違反の取締りを効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる駐車違反者特定システムの構成例を示す模式図である。
【図2】本発明にかかる駐車違反者特定システムの処理を示すシーケンス図である。
【図3】本発明にかかる運転免許証読取装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかる駆動制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる車載通信装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明にかかる車載通信装置が保持する情報を示すデータテーブルである。
【図7】本発明にかかる車外通信装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる駐車違反者特定システムの他の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 駐車違反者特定システム、11 自動車(車両)、12 携帯端末、21 運転免許証、22 運転免許証読取装置、221 免許証入口、23 駆動制御装置、24 車載通信装置、25 車外通信装置、26、27 表示装置、81駐車違反者特定システム
Claims (11)
- 駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するシステムであって、
車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得する手段と、
前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得する手段と、
前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように、出力する手段と、を備えるシステム。 - 前記出力する手段は、車外の通信装置からの要求に応答して、前記運転者情報と停車情報とを、前記車外の通信装置に非接触型の通信方式によって送信する送信装置である、請求項1に記載のシステム。
- さらに、前記出力する手段から送信された運転者情報と停車情報を受信し、駐車違反車両の運転者と停車時間に関する情報を提示可能な車外通信端末を備える、請求項2に記載のシステム。
- 前記出力する手段は、前記運転者情報と停車情報とを車外に表示する表示装置である、請求項1に記載のシステム。
- 前記停車情報は前記車両が停車した時刻を含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記運転者情報を取得する手段は、可搬記録媒体から前記運転者情報を取得する、請求項1に記載のシステム。
- 前記可搬記録媒体は、IC埋め込み型免許証である、請求項6に記載のシステム。
- 前記運転者情報を取得した場合に、前記車両の走行を許可する駆動制御装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記停車情報を取得する手段は前記車両の走行状態を検出し、前記車両の走行状態に従って決定された停車情報を取得する、請求項1に記載のシステム。
- 駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するシステムにおける処理方法であって、
車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得するステップと、
前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得するステップと、
前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように、出力するステップと、を備える方法。 - 駐車違反取り締まりのために、駐車違反者を特定するための処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記処理は、
車両の運転者を特定可能な運転者情報を取得するステップと、
前記車両の停車時間を特定可能な停車情報を取得するステップと、
前記運転者情報と停車情報とを、前記車両の車外から確認できるように、出力するステップと、を備えるプログラム。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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