JP2004327894A - 超臨界乾燥方法及び超臨界乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態が、従来より迅速に実現できるようにする。
【解決手段】表面が洗浄液102で濡れている基板101を、所定の高圧容器内において、超臨界状態となる液体(超臨界物質の液体)103に浸漬した状態とする。この状態を、所定の時間継続する。超臨界状態となる液体103は、洗浄液102より比重が大きものとする。この後、超臨界状態となる液体103の上層に浮遊分離した洗浄液102を排出し、超臨界状態となる液体103を超臨界状態にする。
【選択図】 図1
【解決手段】表面が洗浄液102で濡れている基板101を、所定の高圧容器内において、超臨界状態となる液体(超臨界物質の液体)103に浸漬した状態とする。この状態を、所定の時間継続する。超臨界状態となる液体103は、洗浄液102より比重が大きものとする。この後、超臨界状態となる液体103の上層に浮遊分離した洗浄液102を排出し、超臨界状態となる液体103を超臨界状態にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水やアルコールなどの液体による処理をした後の乾燥における液体の表面張力による微細なパターンの倒れを抑制する超臨界乾燥方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
よく知られているように、LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、極微細パターンが必要となる。この極微細パターンは、例えば、露光,現像,リンス処理を経て形成される、光やX線または電子線に感光性を有するレジストのパターンである。また、これらレジストパターンをマスクとした選択エッチングによる、エッチング,水洗,リンス処理を経て形成される酸化物などの無機材料からなるエッチングパターンである。
【0003】
前述したレジストパターンは、有機材料である感光性レジストの膜をリソグラフィー技術で加工することにより形成できる。感光性レジストの膜に露光を行うと、露光された領域の分子量や分子構造が変化し、未露光の領域との間に現像液に対する溶解性に差が発生するので、この差を利用した現像処理により感光性レジストの膜より微細なパターンが形成できる。
【0004】
上述した現像処理では、現像を続けていけば、やがて未露光の領域も現像液に溶解し始めてパターンが消滅してしまうので、リンス液によるリンス処理を行って現像を停止している。最終的に、乾燥してリンス液を除去することで、加工マスクとしてのレジストパターンがレジスト膜に形成できる。
このような微細パターン形成における乾燥時の大きな問題点として、図5(a)〜図5(c)の工程図に示すようなパターンの倒れがある。
【0005】
アスペクト比の大きい微細なレジストのパターンは、現像を施した後でリンス洗浄,乾燥を経て形成される。レジスト以外でもアスペクト比の大きな微細パターンは形成される。例えば、レジストパターンをマスクに基板をエッチングし、高アスペクト比の基板パターンを形成する場合、エッチングの後で洗浄し、図5(a)に示すように、基板501と共に基板パターン502を水503に浸漬してリンス洗浄する。この後、乾燥を行うことになる。
【0006】
ところが、図5(b)に示すように、乾燥時には、基板パターン502の間に残った水503と、外部の空気504との圧力差により、曲げ力(毛細管力)505が働く。この結果、図5(c)に示すように、基板501上で基板パターン502のパターン倒れが発生する。この倒れる現象は、パターンが高アスペクト比になるほど顕著になる。上記毛細管力は、水などのリンス液とパターンとの間での液体と気体との界面で生じる表面張力に依存することが報告されている(非特許文献1参照)。
【0007】
水の表面張力は約72×10−3N/mと大きく、上述した毛細管力は、有機材料からなるレジストパターンを倒すだけでなく、無機材料であるシリコンなどのより丈夫なパターンをも歪める力を有している。このため、上述したリンス液や洗浄液などによる表面張力の問題は、重要となっている。
ここで、リンスや洗浄などの液処理をした後、表面張力の小さな液体を用いて乾燥することで、表面張力による乾燥時の問題を低減する技術が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0008】
この技術では、表面張力が10×10−3N/m程度のパーフルオロエーテルなどのフッ素不活性液体を用い、この液体で洗浄液を置換してから乾燥させるようにしている。表面張力がより小さい液体で置換してから乾燥することで、パターン倒れをある程度抑制できるようにしている。しかしながら、表面張力の小さい液体を用いればパターン倒れの発生を低減できるが、液体を用いている限りはある程度の表面張力を持つためパターン倒れをなくすことはできない。
【0009】
以上の技術に対し、超臨界状態の流体を用い、表面張力が作用しない状態としてから乾燥を行うことで、パターンの倒れなどの問題を解消する技術が提案されている(特許文献3,4,5、非特許文献2参照)。
超臨界状態の流体(超臨界流体)は、臨界温度及び臨界圧力を超えた温度及び圧力下の物質であり、液体に近い溶解力を持つが、張力や粘度は気体に近い性質を示すもので、気体の状態を保った液体といえる。このような特徴を有する超臨界流体は、液体と気体との界面を形成しないため、表面張力はゼロになる。従って、超臨界状態で乾燥すれば、表面張力の概念はなくなるため、パターン倒れはなくなることになる。
【0010】
超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性(高密度性)を兼ね備えたもので、液体から気体へ平衡線を介さずに状態変化できる。このため、超臨界流体で満たされた状態から徐々にこの超臨界流体を放出すると、液体と気体との界面が形成されないことから、乾燥対象の超微細パターンに表面張力を作用させずに乾燥させることができる。
【0011】
超臨界流体としては、多くの場合、臨界点が低く取り扱いの容易な二酸化炭素が使われている。超臨界流体を用いた超臨界乾燥では、洗浄液による洗浄処理などをした後、基板表面に付着している洗浄液を、密閉された容器内において液化二酸化炭素に置換することで開始される。二酸化炭素は、6MPa程度に加圧すれば常温で液化するため、上記置換は、容器内の圧力を6MPa程度に圧力上昇させた状態で行う。基板に付着していた洗浄液が液化二酸化炭素に置換された後、容器内を二酸化炭素の臨界点以上の温度と圧力(二酸化炭素の臨界点;31度、7.3MPa)にして液化二酸化炭素を超臨界二酸化炭素に変換する。
【0012】
最後に、上記温度を保持したまま、容器の一部を開放して超臨界二酸化炭素を外部に放出し、容器内を大気圧にまで減圧し、容器内の超臨界二酸化炭素を気化させることで乾燥を終了する。この減圧時には、二酸化炭素は液化せずに気化するため、表面張力が作用する液体と気体との界面は基板の上に形成されない。このため、基板の上に形成されている超微細パターンに倒れを発生させることなく、これらを乾燥させることができる。
【0013】
上記の超臨界乾燥のための装置としては、例えば図6に示すように、密閉可能な容器601内の反応室602に、ボンベ603に封入してある液化二酸化炭素を圧送ポンプ604により圧送する装置がある。この装置では、液化二酸化炭素導入側のバルブ605を開けることで、容器601内に液化二酸化炭素を導入し、バルブ605に連通している導入口606先端より液化二酸化炭素を吐出し、反応室602内のステージ612の上に載置されている基板611の上に液化二酸化炭素を注入する。
【0014】
このとき、例えば、ボンベ603内の液化二酸化炭素を圧送ポンプ604により反応室602内に圧送し、この状態で排出側のバルブ607の開度を調節し、排出口609より排出される液化二酸化炭素の量を制限することで、反応室602内の圧力を制御している。排出側のバルブ607に、例えば自動圧力弁などを用いれば、上記圧力制御が可能となる。
【0015】
上述したように、液化二酸化炭素を導入口606により基板の上に注入している状態で、ヒータ613により容器601を例えば31℃程度に加温し、反応室602内の圧力を7.5MPa以上とすれば、反応室602内の基板611上に注入された液化二酸化炭素が超臨界状態となる。反応室602内の圧力は、例えば、圧送ポンプ604による圧送量を増加し、また、バルブ607を調節して反応室602から排出される液化二酸化炭素の量を減ずることで、上昇させることができる。
この後、バルブ605を閉じてバルブ607を開放し、反応室602内の圧力を低下させ、反応室602内に注入された超臨界状態の二酸化炭素を気化させれば、超臨界乾燥が終了する。
【0016】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件の出願時までに発見するには至らなかった。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−226358号公報
【特許文献2】
特開平9−82629号公報
【特許文献3】
特公平1−220828号公報
【特許文献4】
特開平8−197021号公報
【特許文献5】
特公平1−170026号公報
【非特許文献1】
アプライド・フィジクス・レターズ、66巻、2655−2657頁、1995年
【非特許文献2】
第44回応用物理学関係連合講演会予稿集p778、1997年春
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような超臨界乾燥を行う場合、洗浄液が液化二酸化炭素に完全に置換されないと、パターン倒れなどの問題を完全に解消することができない。
例えば、超臨界乾燥では、図7(a)に示すように、基板701上のパターン702が洗浄液703に浸漬している状態に、図7(b)に示すように、液化二酸化炭素704を追加する。この追加により、図7(c)に示すように、基板701の表面を濡らしていた洗浄液703のほとんどは除去される。しかしながら、パターン702の微細な隙間までは液化二酸化炭素704が含浸しにくいため、隙間には洗浄液703が残る場合がある。
【0019】
この状態で液化二酸化炭素704を超臨界状態にしても、図7(d)に示すように、パターン702の間には液体である洗浄液703が残り、結果として、図7(e)に示すように、パターン702の倒れが発生する。
微細なパターンの間であっても、液化二酸化炭素を導入した状態を長時間保持すれば、パターン間の洗浄液を液化二酸化炭素に置換することも可能である。しかしながら、置換に長時間を必要とする状態では、実際の洗浄プロセスに適用することは現実的ではない。
【0020】
洗浄液などの液体を液化二酸化炭素に置換する効率を、攪拌することなどにより向上させようとする技術も提案されている(特開平11−87306号公報,特開2001−324263号公報)。しかしながら、攪拌を行うようにしても、置換に要する時間をある程度短縮できるが、実用的な時間内で、問題のない状態にまで置換を完了させることができていない。
以上説明したように、従来の超臨界乾燥では、洗浄などの液処理をした後で、超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態を、実用的な時間内で達成できていないという問題があった。
【0021】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態が、従来より迅速に実現できるようにすることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超臨界乾燥方法は、所定のパターンが形成された基板のパターンの形成面を所定の液体からなる処理液に晒して処理液による処理を行う第1工程と、この第1工程の後、パターンの形成面に処理液が付着している状態で基板のパターンの形成面を大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体に所定時間浸漬する第2工程と、パターンの形成面が浸漬されている超臨界物質の上部に浮遊分離した処理液を除去する第3工程と、この第3工程の後、超臨界物質を超臨界状態とする第4工程と、この第4工程の後、超臨界状態の超臨界物質を気化させる第5工程とを少なくとも備え、第2工程では、超臨界物質の液体の比重を処理液の比重より大きい状態とするようにしたものである。
この方法では、第2工程において、超臨界物質の液体より比重の小さい処理液は、超臨界物質の液体の液面に浮いてくる。
【0023】
上記超臨界乾燥方法において、超臨界物質の液体は、処理液より比重が大きいものを用いるようにすればよい。
また、第2工程において、超臨界物質の液体の温度を所定温度以下とすることで、超臨界物質の液体の比重を処理液の比重より大きい状態とするようにしてもよい。
【0024】
上記超臨界乾燥方法において、第2工程では、超臨界物質の液体が攪拌された状態とするようにしてもよく、第2工程では、基板が揺動された状態としてもよい。
また、上記超臨界乾燥方法において、超臨界物質は、フッ素化合物であれば良く、例えば、フッ化メタン,フッ化エタン,またはフッ化エチレンのいずれか1つであればよい。また、超臨界物質は、六フッ化硫黄であってもよく、超臨界物質は、亜酸化窒素であってもよい。
【0025】
また、本発明に係る他の超臨界乾燥方法は、所定のパターンが形成された基板のパターンの形成面を所定の液体からなる処理液に晒して処理液による処理を行う第1工程と、この第1工程の後、パターンの形成面に処理液が付着している状態で基板のパターンの形成面を、処理液より比重の大きい置換液体に所定時間浸漬する第2工程と、パターンの形成面が浸漬されている置換液体の上部に浮遊分離した処理液を除去する第3工程と、この第3工程の後、置換液体の代わりに、大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体に、基板のパターンの形成面が浸漬された状態とする第4工程と、この第4工程の後、超臨界物質を超臨界状態とする第5工程と、この第5工程の後、超臨界状態の超臨界物質を気化させる第6工程とを少なくとも備え、置換液体として、超臨界物質の液体に溶解するものを用いるようにした。
この方法によれば、第2工程において、置換液体より比重の小さい処理液は、置換液体の液面に浮いてくる。
【0026】
また、本発明に係る超臨界乾燥装置は、処理対象となる基板が内部に載置されて密閉可能な反応室と、反応室の内部に大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体を供給する液体供給手段と、反応室の内部圧力を超臨界物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する圧力制御手段と、反応室の内部に導入された超臨界物質の温度を所定の温度に制御する温度制御手段と、反応室の上部に設けられた反応室の内部の流体を排出する排出口とを少なくとも備えたものである。
【0027】
上記超臨界乾燥装置において、超臨界物質は、液体の状態における比重が、基板に予め付着している液体の比重よりも大きいものである。
また、上記超臨界乾燥装置において、反応室の内部の圧力を変動させる手段を備えるようにしてもよく、基板を揺動させる手段を備えるようにしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態の超臨界乾燥方法では、まず、図1(a)に示すように、パターン101aが形成された基板101を洗浄液102に浸漬して洗浄した後、図1(b)に示すように、表面が洗浄液102で濡れている基板101が、例えば高圧容器内において、超臨界状態となる液体(超臨界物質の液体)103に浸漬した状態とする。この状態は、適宜設定した所定の時間継続されればよい。ここで、超臨界状態となる液体103は、洗浄液102より比重が大きものとする。
【0029】
従って、重力が作用している方向を下として、基板101の上にパターン101aが配置されている状態にすると、図1(c)に示すように、より比重の小さい洗浄液102は、超臨界状態となる液体103の上方に移動する。この結果、パターン101aの微細な隙間にあった洗浄液102も、効率よく迅速に除去されるようになり、基板101及びパターン101aの表面は、ほぼすべてが超臨界状態となる液体103に覆われた状態となる。
【0030】
このように、本実施の形態では、比重の違いを利用して洗浄液102をパターン101aの部分より分離するようにした。この結果、本実施の形態によれば、基板101及びパターン101aに付着している洗浄液102を、短時間で分離することが可能となる。分離した一部の洗浄液102は、超臨界状態となる液体103の上層に浮遊分離される。また、一部の洗浄液102は、超臨界状態となる液体103に溶解する。
【0031】
この後、超臨界状態となる液体103の上層に浮遊分離された洗浄液102を、例えば高圧容器外に排出するなどのことにより除去することにより、上記高圧容器内においては、洗浄液102がない状態とする。これらのことにより、図1(d)に示すように、基板101の上には、超臨界状態となる液体103だけが存在する状態とする。
【0032】
ついで、高圧容器の内部を所定の圧力,所定の温度とすることで、図1(e)に示すように、基板101及びパターン101aの表面が、超臨界流体104に覆われた状態とする。最後に、高圧容器内の圧力を徐々に低下させることで、超臨界流体104を気化させれば、図1(f)に示すように、パターン101aが倒れることなど無く乾燥した状態が得られる。なお、上記の超臨界状態は亜臨界状態も含むものとし、これに関しては以降も同様である。
【0033】
つぎに、本発明の他の形態について説明する。
上述では、洗浄液102より比重が大きい超臨界状態となる液体103を用いるようにしたが、これに限るものではない。
図1(a)に示すように、パターン101aが形成された基板101を洗浄液102に浸漬して洗浄した後、図1(g)に示すように、表面が洗浄液102で濡れている基板101が、例えば高圧容器内において、洗浄液102より比重が大きい置換液体113に浸漬した状態とする。ここで、置換液体113は、以降に示す超臨界状態となる液体に容易に溶解する相溶性の高いものとする。
【0034】
この状態で、重力が作用している方向を下として、基板101の上にパターン101aが配置されている状態にすると、より比重の小さい洗浄液102は、置換液体113の上方に移動する。この結果、パターン101aの微細な隙間にあった洗浄液102も、効率よく迅速に除去されるようになり、図1(h)に示すように、基板101及びパターン101aの表面は、ほぼすべてが置換液体113に覆われた状態となる。
【0035】
つぎに、上層に分離した置換液体113を除去した後、表面が置換液体113で濡れている基板101が、高圧容器内において、超臨界状態となる液体114に浸漬した状態とする。例えば、置換液体113が充填されている高圧容器内より、置換液体113を排出するとともに、超臨界状態となる液体114を導入することで、上述した状態が得られる。
【0036】
ここで、置換液体113は、前述したように、超臨界状態となる液体114に容易に溶解する。従って、パターン101aの微細な隙間の置換液体113も、超臨界状態となる液体114に溶解して効率よく迅速に除去されるようになる。この結果、図1(h)に示すように、基板101及びパターン101aのほぼすべての表面は、超臨界状態となる液体114に覆われた状態となる。
【0037】
ついで、高圧容器の内部を所定の圧力,所定の温度とすることで、超臨界状態となる液体114を超臨界状態とし、この後、超臨界流体を気化させれば、パターン101aが倒れることなど無く乾燥した状態が得られる。
本実施例の場合、洗浄液がどの様なものであっても、超臨界状態となる液体114として、超臨界処理に一般的に良く用いられている液化二酸化炭素を用いることが可能となる。
【0038】
つぎに、各物質(液体)について説明する。
洗浄水が水やエチルアルコール,イソプロピルアルコールであれば、超臨界状態となる液体103は、液体の状態における比重が1より大きいものであればよい。例えば、液体の比重が1.23程度の亜酸化窒素であればよい。また、フッ素化合物や塩素化合物などのハロゲン原子をもつ化合物も、用いることが可能である。例えば、三フッ化メタン(CHF3:臨界点温度26℃,臨界点圧力4.82MPa),二フッ化メタン(CH2F2:臨界点温度78℃,臨界点圧力5.83MPa),およびフッ化メタン(CH3F:臨界点温度44℃,臨界点圧力5.88MPa)などの比重が1.3〜1.5のフッ化メタン類を、超臨界状態となる液体として用いることができる。
【0039】
また、超臨界状態となる液体103は、ジフロロエタン(C2H4F2:臨界点温度113℃,臨界点圧力4.5MPa),トリフロロエタン(C2H3F3:臨界点温度73℃,臨界点圧力3.76MPa),テトラフロロエタン(C2H2F4:臨界点温度101℃,臨界点圧力4.06MPa),ペンタフロロエタン(C2HF5:臨界点温度66℃,臨界点圧力3.62MPa)などのフッ化エタン類であっても良い。これらは、100℃程度の低温で超臨界状態が得られるので、扱いやすい材料である。また、これらを構成するいずれかの炭素原子の間に酸素が入った構造の物質であっても何ら問題はない。また、超臨界状態となる液体103は、フッ化エチレン類や、フッ化カルボニル、さらには、六フッ化硫黄も用いることができる。
【0040】
フッ化カルボニルは、液体の状態で比重が1.39程度であり、上述した洗浄液に比較して、大きな比重となっている。また、六フッ化硫黄は、液体の状態で比重が1.9程度であり、前述した洗浄液を分離上昇させる効果が最も高い。
また、パターン101aが、有機材料から構成されているフォトレジストなどの場合、超臨界状態となる液体103は、臨界点の温度が有機材料のガラス転移点や融点よりも低い必要がある。
【0041】
また、洗浄液102が比重0.8程度のアルコールの場合、超臨界状態となる液体103が液化二酸化炭素であっても良い。超臨界状態となる液体103を導入した状態で、温度を10℃以下とすれば、アルコールの比重は0.8程度であるが、液化二酸化炭素の比重は0.9以上となり、洗浄液102に比較して比重が大きくなる。なお、超臨界状態となる液体103としては、臨界状態となり得る物質の中で、液体の状態における比重が可能な限り大きいものが好ましい。
一方、前述した置換液としては、上述した超臨界状態となる液体のすべてを用いることが可能である。これらはすべて、液化二酸化炭素を初めとする様々な超臨界状態となる物質の液体に容易に溶解する。
【0042】
つぎに、上述した超臨界乾燥方法を実施する超臨界乾燥装置について説明する。図2は、上述した超臨界乾燥方法を実施する超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
この装置は、密閉可能な容器201と、容器201の内部に設けられた反応室202から構成されている。容器201は、例えばステンレスで構成され、壁の厚さが20mm程度に形成されている。このように形成された容器201は、外壁と内壁との間にヒータ213を備え、ヒータ制御部221の制御により反応室202の内部を加熱可能としている。
【0043】
また、本装置は、大気圧状態では気体で超臨界状態となる物質(超臨界物質)の液体が、加圧されて収容された加圧容器(液体供給手段)203を備えている。大気雰囲気とは、一般的に標準大気とよばれる状態の雰囲気であり、例えば、地球上(地上)気圧1013.25hPa,地上気温15℃の状態である。加圧容器203から反応室202への間の配管は、途中に導入バルブ206を備え、反応室202の内部に設けられた導入口207へと連通している。
【0044】
上記配管の途中には圧送ポンプ217を備え、加圧容器203内の液体を、反応室202の内部へ圧送することを可能としている。加えて、圧送ポンプ217の吐出側圧力を測定する圧力計218を備え、圧力計218の圧力測定結果により導入バルブ206の開度を制御することを可能としている。
【0045】
また、本装置は、反応室202の内部圧力を測定する圧力計219と、反応室202の上部より反応室202内部の流体を排出する排出口209と、排出口209の途中に設けられた圧力制御バルブ210とを備えている。圧力制御バルブ210は、圧力計219の圧力測定結果により開度を制御し、排出口209より排出する流体の量を制御する。
図2に示す超臨界乾燥装置によれば、反応室202の内部において、図1(c)に示したように、上部に分離された洗浄液102を排出することが容易に可能となる。
【0046】
また、反応室202の底面には、処理対象となる基板211が載置されるステージ212が配置されている。ステージ212は、ステージ駆動部222に連結し、反応室202の底面で揺動可能とされている。
従って、図2に示す超臨界乾燥装置によれば、例えば、反応室202の内部を超臨界状態となる液体中で充填した状態で、ステージ212の上に固定されている基板211を揺動させることが可能となる。
【0047】
この超臨界乾燥装置では、加圧容器203より吐出された超臨界状態となる液体は、圧送ポンプ217に圧送され、配管を通過して導入口207より反応室202に輸送される。例えば、高圧で超臨界状態となる液体が圧送されている状態で、輸送された超臨界状態となる液体で反応室202の内部が充填された後、圧力制御バルブ210を閉じた状態とすれば、反応室202の内部を、臨界点の圧量状態とすることが可能である。この状態で、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202の内部温度を臨界点の温度以上とすれば、反応室202の内部に充填された超臨界状態となる液体は、超臨界状態となる。
【0048】
また、圧力計219が測定した圧力値が臨界点の圧力を保持する範囲で、圧力制御バルブ210の開度を調整し、圧力計218が測定した圧力値が臨界点の圧力を保持する範囲で、圧送ポンプ217による圧送の圧力を調整することも可能である。このようにすることで、反応室202の内部に、常に新たな超臨界流体が供給され、反応室202の内部の超臨界流体が常に更新されている状態が得られる。
【0049】
また、図2に示す超臨界乾燥装置によれば、つぎに示すことにより、反応室202の内部に充填された液体や超臨界流体が、攪拌されている状態を形成することが可能である。
【0050】
例えば、加圧容器203より吐出された超臨界状態となる液体が、圧送ポンプ217により加圧され、配管を通過して導入口207より反応室202の内に圧送される状態とする。
また、圧力計219の圧力測定値により圧力制御バルブ210の開度を制御することで、反応室202の内部圧力を例えば8MPaの状態とし、加えて、ヒータ制御部221に制御されたヒータ213により、反応室202内の温度を23℃とする。この圧力温度は、二酸化炭素が超臨界状態となる温度である。
【0051】
引き続き、圧送ポンプ217により反応室202内に超臨界状態となる液体を供給(圧送)し、反応室202の内部を超臨界状態の流体で充填された状態を維持する。
この状態で、圧力制御バルブ210を閉じ、圧力計218の圧力測定値により導入バルブ206の開度を制御し、圧力計218の圧力測定値が、10MPaとなるまで導入バルブ206を閉じた状態とする。
【0052】
このことにより、まず、反応室202の内部は、圧力8MPaの状態がほぼ維持される。一方、圧送ポンプ217を動作させた状態で導入バルブ206を閉じておけば、圧送ポンプ217の排出側と導入バルブ206との間の配管内の圧力は瞬時に上昇する。この後、圧力計218の測定値が10MPaとなったところで、導入バルブ206を開放する。このことにより、高い圧力とされた配管内の超臨界状態となる液体が反応室202内に導入され、反応室202の内部圧力は瞬時に上昇する。
【0053】
このとき、反応室202内の内部圧力が8MPaとなるように、圧力計219の圧力測定値により圧力制御バルブ210の開度を制御すれば、反応室202の内部圧力は、直ちに8MPa程度に低下する。
反応室202内の圧力が8MPa程度に低下したことは、導入バルブ206を開放しているので、圧力計218にも検出される。圧力計218の測定値が8MPaとなったところで、再度、導入バルブ206を閉じる。
【0054】
このことにより、再び、圧送ポンプ217の排出側と導入バルブ206との間の圧力は瞬時に上昇する。一方、反応室202の内部は、圧力計219と圧力制御バルブ210とにより、8MPa程度に維持されている。
再度、導入バルブ206を閉じることにより、圧力計218の圧力測定値が10MPaとなるまで、圧送ポンプ217の排出側と導入バルブ206との間の圧力を上昇させ、この後、直ちに導入バルブ206を開放させる。このことにより、再度、反応室202の内部圧力は瞬時に上昇する。
【0055】
以上のことを繰り返すことで、反応室202の内部圧力を、変動させることができる。このような圧力変動により、反応室202内のに充填されている流体を攪拌した状態にすることが可能となる。すなわち、圧力計218,圧送ポンプ217,圧力制御バルブ210,圧力計219により、反応室202の内部の圧力を変動させる手段が構成されていることになる。
【0056】
つぎに、上述した超臨界乾燥方法を実施する他の超臨界乾燥装置について説明する。図3は、上述した超臨界乾燥方法を実施する超臨界乾燥装置の他の構成例を示す模式的な断面図である。
この装置では、まず、ステージ212が、ステージ212の下面中央部に配置された支持部212aを中心に回転可能な状態とされている。また、ステージ212の下方の容器201外部に、回転制御部223により回転制御される回転子224を配置し、回転子224の発する磁力により、回転子224の回転とともにステージ212が回転するものとした。
【0057】
従って、図3に示す超臨界乾燥装置によれば、例えば、反応室202の内部を超臨界状態となる液体中で充填した状態で、ステージ212の上に固定されている基板211を回転させることが可能となる。
なお、図3に示した超臨界乾燥装置の他の構成は、図2に示した超臨界乾燥装置とほぼ同様であり、説明は省略する。
【0058】
また、図4に示すように、重力が作用している方向を下として、処理対象の基板を立てて配置する超臨界乾燥装置であっても、本発明の超臨界乾燥方法を適用することができる。
図4(a)に示す超臨界乾燥装置は、蓋301aを閉じることで密閉可能な容器301と、容器301の内部に設けられた反応室302から構成されている。なお、図4において、上から下に向かって重力が作用している状態とする。
【0059】
この装置では、反応室302は、断面視縦長に構成され、反応室302の下部に導入口303が設けられ、反応室302の上部に排出口304が設けられている。なお、図示していないが、導入口303には、図2,図3に示した装置と同様に、超臨界状態となる液体などの供給機構が設けられている。同様に、排出口304には、圧力制御を可能とする機構が設けられている。
【0060】
また、反応室302の内部には、ステージ駆動部306に連結したステージ305が設けられ、反応室302の内部で、縦方向に揺動可能とされている。
この装置によれば、反応室302の内部において、前述したように比重の差により情報に分離された洗浄液を、上部に設けられた排出口304により容易に排出することが可能となっている。また、ステージ305を揺動させることができるので、ステージ305に固定される基板311を、反応室302の内部に充填された流体の中で、揺動させることが可能である。
【0061】
例えば、洗浄して乾燥する対象が、マイクロマシンなどの微細な可動部が形成されている基板である場合、基板の表面には、基板の平面方向(横方向)に形成された凹部を備える場合がある。このような凹部の中に洗浄液が含浸している場合、図2に示す装置のように、基板の平面の法線方向に重力が作用する状態では、比重の差を利用して含浸している洗浄液を分離させることができない場合がある。このような場合、図4に示すような縦型の装置を用い、基板の平面方向に重力が作用する状態とすれば、上述した状態であっても、凹部に含浸している洗浄液を、比重の差を利用して除去することが可能となる。
【0062】
図4(a)に示す超臨界乾燥装置では、ステージ駆動部306によりステージ305を揺動させるようにしたが、図4(b)に示す超臨界乾燥装置により、ステージ305aを回転させるようにしても良い。まず、図4(b)に示す装置では、円板状のステージ305aが、容器301の内側に一部が固定された外輪305bの内側に回転可能に保持されている。また、本装置では、容器301の外部に、回転制御部307により回転制御される回転子308を配置し、回転子308の発する磁力により、回転子308の回転とともにステージ305aが回転するものとした。
【0063】
つぎに、図4(c)に示す超臨界乾燥装置について説明すると、本装置では、容器301の内側に固定されたステージ305の裏面側に、複数の導入口303を設けるようにした。本装置によれば、前述した圧力変動を複数の導入口303により行うことで、ステージ305を振動させることができる。
【0064】
つぎに、本発明の超臨界乾燥方法について、より詳細に説明する。
まず、公知のフォトリソグラフィー技術の現像により、基板の上にレジストパターンを形成する。例えば、シリコン基板の上に、紫外線レジスト(SEPR551:信越化学製)を塗布して膜厚500nm程度のレジスト膜を形成し、このレジスト膜にKrF露光により所定のパターンの潜像を形成し、加えて、熱処理を施す。露光するパターンは、例えば、パターン幅が90nm,パターン間隔が90nmである。
【0065】
つぎに、この基板を、例えば、図2に示したような超臨界乾燥装置のステージ212上に固定し、反応室202の内部に現像液を導入することで、現像処理を行う。現像液は、濃度が2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドライド水溶液である。この現像処理の後、反応室202の内部より現像液を排出した後、反応室202の内部に純水を導入し、現像により基板211の上に形成したパターンのリンス処理を行う。
【0066】
ついで、反応室202を密閉した状態とし、ステージ212の上に固定した基板211の表面の水が乾燥する前に、加圧容器203に収容されている三フッ化メタンを、圧送ポンプ217により圧送し、反応室202の内部を液化三フッ化メタンで充填された状態とする。三フッ化メタンは、圧力が5MPa以上で液化する。ここでは、反応室202の内部圧力は、7MPa程度とする。また、このとき、内部の温度をあまり高くすると、導入した三フッ化メタンが超臨界状態となるので、反応室202の内部温度は、10℃程度とする。
【0067】
引き続き、圧力計219により測定される圧力値が7MPa程度である状態が保持されるように、圧力制御バルブ210の開度が制御された状態で、圧送ポンプ217による三フッ化メタンの供給(圧送)を、例えば10分程度継続する。このことにより、反応室202の内部では、液化三フッ化メタンで充填された状態が保持される。従って、この状態においては、基板211の表面に付着していた液化三フッ化メタンより比重の小さい水は、反応室202の上部に浮遊していく。基板211の上に形成されている微細なパターンの微細な隙間の水も、反応室202の上部に浮遊していく。
【0068】
反応室202の内部では、導入口207より液化三フッ化メタンが導入され、排出口209より排出されているので、反応室202の上部に浮遊した水は、排出口209より排出される。
上述した三フッ化メタンの供給を10分程度継続した後、例えば、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202内の温度を、例えば40℃程度と、三フッ化メタンの臨界点の温度以上とする。
【0069】
このことにより、反応室202の内部は、超臨界状態の三フッ化メタンで充填された状態となる。反応室202の内部に充填されていた三フッ化メタンがほぼすべて超臨界状態となった後、まず、導入バルブ206を閉じ、また、圧送ポンプ217の圧送動作を停止する。ついで、圧力制御バルブ210を所定の開度とし、三フッ化メタンを排出して反応室202の内部圧力を低下させる。このことにより、反応室202の内部では、超臨界状態の三フッ化メタンが気化し、基板211の上に形成されているパターンにおいては、液体と気体との界面が形成されることなく、乾燥が行われる。
【0070】
最終的に、反応室202の内部圧力が大気圧程度となった状態で、反応室202を開放して基板211を取り出すことで、超臨界乾燥が終了する。
以上説明した超臨界乾燥方法によれば、10分程度の時間内で、パターンの倒れなどがない状態で、乾燥処理を行うことが可能となる。
【0071】
つぎに、他の実施例について説明する。
まず、公知のフォトリソグラフィー技術の現像により、基板の上にレジストパターンを形成する。つぎに、この基板を、例えば、図2に示したような超臨界乾燥装置のステージ212上に固定し、反応室202の内部に現像液を導入することで、現像処理を行う。この現像処理の後、反応室202の内部より現像液を排出した後、反応室202の内部に純水を導入し、現像により基板211の上に形成したパターンのリンス処理を行う。
【0072】
ついで、反応室202を密閉した状態とし、ステージ212の上に固定した基板211の表面の水が乾燥する前に、加圧容器203に収容されている六フッ化硫黄を、圧送ポンプ217により圧送し、反応室202の内部を液化六フッ化硫黄で充填された状態とする。ここで、反応室202の内部は、六フッ化硫黄が液化する温度,圧力の状態とする。
【0073】
引き続き、上記状態が保持できる条件で圧力制御バルブ210の開度が制御された状態で、圧送ポンプ217による六フッ化硫黄の供給(圧送)を継続する。このことにより、反応室202の内部では、液化六フッ化硫黄で充填された状態が保持される。従って、この状態においては、基板211の表面に付着していた液化六フッ化硫黄より比重の小さい水は、反応室202の上部に浮遊していく。基板211の上に形成されている微細なパターンの微細な隙間の水も、反応室202の上部に浮遊していく。
【0074】
また、この状態で、ステージ駆動部222によりステージ212を微振動させ、液化六フッ化硫黄に浸漬している基板211が振動(揺動)している状態とする。このことにより、微細なパターンの間隔に入り込んでいる水が、より容易に浮遊するようになる。
反応室202の内部では、導入口207より液化六フッ化硫黄が導入され、排出口209より排出されているので、反応室202の上部に浮遊した水は、排出口209より排出される。
上述した六フッ化硫黄の供給をある程度継続した後、例えば、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202内の温度を、六フッ化硫黄の臨界点の温度以上とする。また、反応室202内の圧力を、六フッ化硫黄の臨界点の圧力以上とする。
【0075】
このことにより、反応室202の内部は、超臨界状態の六フッ化硫黄で充填された状態となる。反応室202の内部に充填されていた六フッ化硫黄がほぼすべて超臨界状態となった後、まず、導入バルブ206を閉じ、また、圧送ポンプ217の圧送動作を停止する。ついで、圧力制御バルブ210を所定の開度とし、六フッ化硫黄を排出して反応室202の内部圧力を低下させる。このことにより、反応室202の内部では、超臨界状態の六フッ化硫黄が気化し、基板211の上に形成されているパターンにおいては、液体と気体との界面が形成されることなく、乾燥が行われる。
【0076】
最終的に、反応室202の内部圧力が大気圧程度となった状態で、反応室202を開放して基板211を取り出すことで、超臨界乾燥が終了する。
以上説明した超臨界乾燥方法によれば、実用的な時間内で、パターンの倒れなどがない状態で、乾燥処理を行うことが可能となる。また、本方法では、液化六フッ化硫黄に浸漬した状態の基板を微振動させるようにした。このことにより、パターンに付着している水を、より迅速に比重の大きい液化六フッ化硫黄中に浮遊させることが可能となる。
【0077】
つぎに、本発明の他の実施例について説明する。
まず、公知のフォトリソグラフィー技術の現像により、基板の上にレジストパターンを形成する。つぎに、この基板を、例えば、図2に示したような超臨界乾燥装置のステージ212上に固定し、反応室202の内部に現像液を導入することで、現像処理を行う。この現像処理の後、反応室202の内部より現像液を排出した後、反応室202の内部に純水を導入し、現像により基板211の上に形成したパターンのリンス処理を行う。
【0078】
ついで、反応室202を密閉した状態とし、ステージ212の上に固定した基板211の表面の水が乾燥する前に、加圧容器203に収容されている亜酸化窒素を、圧送ポンプ217により圧送し、反応室202の内部を液化亜酸化窒素で充填された状態とする。ここで、反応室202の内部は、亜酸化窒素が液化する温度,圧力の状態とする。
【0079】
引き続き、上記状態が保持できる条件で圧力制御バルブ210の開度が制御された状態で、圧送ポンプ217による亜酸化窒素の供給(圧送)を継続する。このことにより、反応室202の内部では、液化亜酸化窒素で充填された状態が保持される。従って、この状態においては、基板211の表面に付着していた液化亜酸化窒素より比重の小さい水は、反応室202の上部に浮遊していく。基板211の上に形成されている微細なパターンの微細な隙間の水も、反応室202の上部に浮遊していく。
【0080】
また、この状態で、反応室202に圧送される液化亜酸化窒素に圧力変動を与え、反応室202の内部に充填されている液化亜酸化窒素が攪拌された状態とする。このことにより、微細なパターンの間隔に入り込んでいる水が、より容易に分離浮遊するようになる。
反応室202の内部では、導入口207より液化亜酸化窒素が導入され、排出口209より排出されているので、反応室202の上部に浮遊した水は、排出口209より排出される。
上述した亜酸化窒素の供給をある程度継続した後、例えば、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202内の温度を、亜酸化窒素の臨界点の温度以上とする。また、反応室202内の圧力を、亜酸化窒素の臨界点の圧力以上とする。
【0081】
このことにより、反応室202の内部は、超臨界状態の亜酸化窒素で充填された状態となる。反応室202の内部に充填されていた亜酸化窒素がほぼすべて超臨界状態となった後、まず、導入バルブ206を閉じ、また、圧送ポンプ217の圧送動作を停止する。ついで、圧力制御バルブ210を所定の開度とし、亜酸化窒素を排出して反応室202の内部圧力を低下させる。このことにより、反応室202の内部では、超臨界状態の亜酸化窒素が気化し、基板211の上に形成されているパターンにおいては、液体と気体との界面が形成されることなく、乾燥が行われる。
【0082】
最終的に、反応室202の内部圧力が大気圧程度となった状態で、反応室202を開放して基板211を取り出すことで、超臨界乾燥が終了する。
以上説明した超臨界乾燥方法によれば、実用的な時間内で、パターンの倒れなどがない状態で、乾燥処理を行うことが可能となる。また、本方法では、反応室202の内部に充填されている液化亜酸化窒素が攪拌された状態とした。このことにより、パターンに付着している水を、より迅速に比重の大きい液化亜酸化窒素中に浮遊させることが可能となる。
【0083】
なお、上述では、反応室202の温度を上昇させることで、超臨界状態を得るようにしたが、これに限るものではない。例えば、ステージを加熱して基板を加熱することで、反応室内の基板雰囲気を超臨界状態とするようにしても良い。また、超臨界乾燥処理の前に行う、現像や洗浄などの液処理は、反応室内で行うようにしても良く、他の処理装置で行うようにしても良い。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、水洗やリンスなどの処理などをした後の基板を、前段階で行った処理に用いた処理液より比重の大きい状態とした超臨界物質の液体や置換液に基板を浸漬し、比重の小さい処理液を液面に浮遊させるようにすることで、処理液をより迅速に基板表面より除去するようにした。この結果、本発明によれば、超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態が、従来より迅速に実現できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超臨界乾燥方法を説明するための工程を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
【図5】パターン倒れを示す模式的な断面図である。
【図6】従来よりある超臨界乾燥装置の構成を概略的に示す模式的な断面図である。
【図7】従来よりある超臨界乾燥方法を説明するための工程を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
101…基板、101a…パターン、102…洗浄液、103,114…超臨界状態となる液体(超臨界物質の液体)、104…超臨界流体、113…置換液体、201…容器、202…反応室、203…加圧容器(液体供給手段)、206…導入バルブ、207…導入口、209…排出口、210…圧力制御バルブ、211…基板、212…ステージ、213…ヒータ、217…圧送ポンプ、218…圧力計、219…圧力計、221…ヒータ制御部、222…ステージ駆動部、223…回転制御部、224…回転子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水やアルコールなどの液体による処理をした後の乾燥における液体の表面張力による微細なパターンの倒れを抑制する超臨界乾燥方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
よく知られているように、LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、極微細パターンが必要となる。この極微細パターンは、例えば、露光,現像,リンス処理を経て形成される、光やX線または電子線に感光性を有するレジストのパターンである。また、これらレジストパターンをマスクとした選択エッチングによる、エッチング,水洗,リンス処理を経て形成される酸化物などの無機材料からなるエッチングパターンである。
【0003】
前述したレジストパターンは、有機材料である感光性レジストの膜をリソグラフィー技術で加工することにより形成できる。感光性レジストの膜に露光を行うと、露光された領域の分子量や分子構造が変化し、未露光の領域との間に現像液に対する溶解性に差が発生するので、この差を利用した現像処理により感光性レジストの膜より微細なパターンが形成できる。
【0004】
上述した現像処理では、現像を続けていけば、やがて未露光の領域も現像液に溶解し始めてパターンが消滅してしまうので、リンス液によるリンス処理を行って現像を停止している。最終的に、乾燥してリンス液を除去することで、加工マスクとしてのレジストパターンがレジスト膜に形成できる。
このような微細パターン形成における乾燥時の大きな問題点として、図5(a)〜図5(c)の工程図に示すようなパターンの倒れがある。
【0005】
アスペクト比の大きい微細なレジストのパターンは、現像を施した後でリンス洗浄,乾燥を経て形成される。レジスト以外でもアスペクト比の大きな微細パターンは形成される。例えば、レジストパターンをマスクに基板をエッチングし、高アスペクト比の基板パターンを形成する場合、エッチングの後で洗浄し、図5(a)に示すように、基板501と共に基板パターン502を水503に浸漬してリンス洗浄する。この後、乾燥を行うことになる。
【0006】
ところが、図5(b)に示すように、乾燥時には、基板パターン502の間に残った水503と、外部の空気504との圧力差により、曲げ力(毛細管力)505が働く。この結果、図5(c)に示すように、基板501上で基板パターン502のパターン倒れが発生する。この倒れる現象は、パターンが高アスペクト比になるほど顕著になる。上記毛細管力は、水などのリンス液とパターンとの間での液体と気体との界面で生じる表面張力に依存することが報告されている(非特許文献1参照)。
【0007】
水の表面張力は約72×10−3N/mと大きく、上述した毛細管力は、有機材料からなるレジストパターンを倒すだけでなく、無機材料であるシリコンなどのより丈夫なパターンをも歪める力を有している。このため、上述したリンス液や洗浄液などによる表面張力の問題は、重要となっている。
ここで、リンスや洗浄などの液処理をした後、表面張力の小さな液体を用いて乾燥することで、表面張力による乾燥時の問題を低減する技術が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0008】
この技術では、表面張力が10×10−3N/m程度のパーフルオロエーテルなどのフッ素不活性液体を用い、この液体で洗浄液を置換してから乾燥させるようにしている。表面張力がより小さい液体で置換してから乾燥することで、パターン倒れをある程度抑制できるようにしている。しかしながら、表面張力の小さい液体を用いればパターン倒れの発生を低減できるが、液体を用いている限りはある程度の表面張力を持つためパターン倒れをなくすことはできない。
【0009】
以上の技術に対し、超臨界状態の流体を用い、表面張力が作用しない状態としてから乾燥を行うことで、パターンの倒れなどの問題を解消する技術が提案されている(特許文献3,4,5、非特許文献2参照)。
超臨界状態の流体(超臨界流体)は、臨界温度及び臨界圧力を超えた温度及び圧力下の物質であり、液体に近い溶解力を持つが、張力や粘度は気体に近い性質を示すもので、気体の状態を保った液体といえる。このような特徴を有する超臨界流体は、液体と気体との界面を形成しないため、表面張力はゼロになる。従って、超臨界状態で乾燥すれば、表面張力の概念はなくなるため、パターン倒れはなくなることになる。
【0010】
超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性(高密度性)を兼ね備えたもので、液体から気体へ平衡線を介さずに状態変化できる。このため、超臨界流体で満たされた状態から徐々にこの超臨界流体を放出すると、液体と気体との界面が形成されないことから、乾燥対象の超微細パターンに表面張力を作用させずに乾燥させることができる。
【0011】
超臨界流体としては、多くの場合、臨界点が低く取り扱いの容易な二酸化炭素が使われている。超臨界流体を用いた超臨界乾燥では、洗浄液による洗浄処理などをした後、基板表面に付着している洗浄液を、密閉された容器内において液化二酸化炭素に置換することで開始される。二酸化炭素は、6MPa程度に加圧すれば常温で液化するため、上記置換は、容器内の圧力を6MPa程度に圧力上昇させた状態で行う。基板に付着していた洗浄液が液化二酸化炭素に置換された後、容器内を二酸化炭素の臨界点以上の温度と圧力(二酸化炭素の臨界点;31度、7.3MPa)にして液化二酸化炭素を超臨界二酸化炭素に変換する。
【0012】
最後に、上記温度を保持したまま、容器の一部を開放して超臨界二酸化炭素を外部に放出し、容器内を大気圧にまで減圧し、容器内の超臨界二酸化炭素を気化させることで乾燥を終了する。この減圧時には、二酸化炭素は液化せずに気化するため、表面張力が作用する液体と気体との界面は基板の上に形成されない。このため、基板の上に形成されている超微細パターンに倒れを発生させることなく、これらを乾燥させることができる。
【0013】
上記の超臨界乾燥のための装置としては、例えば図6に示すように、密閉可能な容器601内の反応室602に、ボンベ603に封入してある液化二酸化炭素を圧送ポンプ604により圧送する装置がある。この装置では、液化二酸化炭素導入側のバルブ605を開けることで、容器601内に液化二酸化炭素を導入し、バルブ605に連通している導入口606先端より液化二酸化炭素を吐出し、反応室602内のステージ612の上に載置されている基板611の上に液化二酸化炭素を注入する。
【0014】
このとき、例えば、ボンベ603内の液化二酸化炭素を圧送ポンプ604により反応室602内に圧送し、この状態で排出側のバルブ607の開度を調節し、排出口609より排出される液化二酸化炭素の量を制限することで、反応室602内の圧力を制御している。排出側のバルブ607に、例えば自動圧力弁などを用いれば、上記圧力制御が可能となる。
【0015】
上述したように、液化二酸化炭素を導入口606により基板の上に注入している状態で、ヒータ613により容器601を例えば31℃程度に加温し、反応室602内の圧力を7.5MPa以上とすれば、反応室602内の基板611上に注入された液化二酸化炭素が超臨界状態となる。反応室602内の圧力は、例えば、圧送ポンプ604による圧送量を増加し、また、バルブ607を調節して反応室602から排出される液化二酸化炭素の量を減ずることで、上昇させることができる。
この後、バルブ605を閉じてバルブ607を開放し、反応室602内の圧力を低下させ、反応室602内に注入された超臨界状態の二酸化炭素を気化させれば、超臨界乾燥が終了する。
【0016】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件の出願時までに発見するには至らなかった。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−226358号公報
【特許文献2】
特開平9−82629号公報
【特許文献3】
特公平1−220828号公報
【特許文献4】
特開平8−197021号公報
【特許文献5】
特公平1−170026号公報
【非特許文献1】
アプライド・フィジクス・レターズ、66巻、2655−2657頁、1995年
【非特許文献2】
第44回応用物理学関係連合講演会予稿集p778、1997年春
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような超臨界乾燥を行う場合、洗浄液が液化二酸化炭素に完全に置換されないと、パターン倒れなどの問題を完全に解消することができない。
例えば、超臨界乾燥では、図7(a)に示すように、基板701上のパターン702が洗浄液703に浸漬している状態に、図7(b)に示すように、液化二酸化炭素704を追加する。この追加により、図7(c)に示すように、基板701の表面を濡らしていた洗浄液703のほとんどは除去される。しかしながら、パターン702の微細な隙間までは液化二酸化炭素704が含浸しにくいため、隙間には洗浄液703が残る場合がある。
【0019】
この状態で液化二酸化炭素704を超臨界状態にしても、図7(d)に示すように、パターン702の間には液体である洗浄液703が残り、結果として、図7(e)に示すように、パターン702の倒れが発生する。
微細なパターンの間であっても、液化二酸化炭素を導入した状態を長時間保持すれば、パターン間の洗浄液を液化二酸化炭素に置換することも可能である。しかしながら、置換に長時間を必要とする状態では、実際の洗浄プロセスに適用することは現実的ではない。
【0020】
洗浄液などの液体を液化二酸化炭素に置換する効率を、攪拌することなどにより向上させようとする技術も提案されている(特開平11−87306号公報,特開2001−324263号公報)。しかしながら、攪拌を行うようにしても、置換に要する時間をある程度短縮できるが、実用的な時間内で、問題のない状態にまで置換を完了させることができていない。
以上説明したように、従来の超臨界乾燥では、洗浄などの液処理をした後で、超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態を、実用的な時間内で達成できていないという問題があった。
【0021】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態が、従来より迅速に実現できるようにすることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超臨界乾燥方法は、所定のパターンが形成された基板のパターンの形成面を所定の液体からなる処理液に晒して処理液による処理を行う第1工程と、この第1工程の後、パターンの形成面に処理液が付着している状態で基板のパターンの形成面を大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体に所定時間浸漬する第2工程と、パターンの形成面が浸漬されている超臨界物質の上部に浮遊分離した処理液を除去する第3工程と、この第3工程の後、超臨界物質を超臨界状態とする第4工程と、この第4工程の後、超臨界状態の超臨界物質を気化させる第5工程とを少なくとも備え、第2工程では、超臨界物質の液体の比重を処理液の比重より大きい状態とするようにしたものである。
この方法では、第2工程において、超臨界物質の液体より比重の小さい処理液は、超臨界物質の液体の液面に浮いてくる。
【0023】
上記超臨界乾燥方法において、超臨界物質の液体は、処理液より比重が大きいものを用いるようにすればよい。
また、第2工程において、超臨界物質の液体の温度を所定温度以下とすることで、超臨界物質の液体の比重を処理液の比重より大きい状態とするようにしてもよい。
【0024】
上記超臨界乾燥方法において、第2工程では、超臨界物質の液体が攪拌された状態とするようにしてもよく、第2工程では、基板が揺動された状態としてもよい。
また、上記超臨界乾燥方法において、超臨界物質は、フッ素化合物であれば良く、例えば、フッ化メタン,フッ化エタン,またはフッ化エチレンのいずれか1つであればよい。また、超臨界物質は、六フッ化硫黄であってもよく、超臨界物質は、亜酸化窒素であってもよい。
【0025】
また、本発明に係る他の超臨界乾燥方法は、所定のパターンが形成された基板のパターンの形成面を所定の液体からなる処理液に晒して処理液による処理を行う第1工程と、この第1工程の後、パターンの形成面に処理液が付着している状態で基板のパターンの形成面を、処理液より比重の大きい置換液体に所定時間浸漬する第2工程と、パターンの形成面が浸漬されている置換液体の上部に浮遊分離した処理液を除去する第3工程と、この第3工程の後、置換液体の代わりに、大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体に、基板のパターンの形成面が浸漬された状態とする第4工程と、この第4工程の後、超臨界物質を超臨界状態とする第5工程と、この第5工程の後、超臨界状態の超臨界物質を気化させる第6工程とを少なくとも備え、置換液体として、超臨界物質の液体に溶解するものを用いるようにした。
この方法によれば、第2工程において、置換液体より比重の小さい処理液は、置換液体の液面に浮いてくる。
【0026】
また、本発明に係る超臨界乾燥装置は、処理対象となる基板が内部に載置されて密閉可能な反応室と、反応室の内部に大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体を供給する液体供給手段と、反応室の内部圧力を超臨界物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する圧力制御手段と、反応室の内部に導入された超臨界物質の温度を所定の温度に制御する温度制御手段と、反応室の上部に設けられた反応室の内部の流体を排出する排出口とを少なくとも備えたものである。
【0027】
上記超臨界乾燥装置において、超臨界物質は、液体の状態における比重が、基板に予め付着している液体の比重よりも大きいものである。
また、上記超臨界乾燥装置において、反応室の内部の圧力を変動させる手段を備えるようにしてもよく、基板を揺動させる手段を備えるようにしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態の超臨界乾燥方法では、まず、図1(a)に示すように、パターン101aが形成された基板101を洗浄液102に浸漬して洗浄した後、図1(b)に示すように、表面が洗浄液102で濡れている基板101が、例えば高圧容器内において、超臨界状態となる液体(超臨界物質の液体)103に浸漬した状態とする。この状態は、適宜設定した所定の時間継続されればよい。ここで、超臨界状態となる液体103は、洗浄液102より比重が大きものとする。
【0029】
従って、重力が作用している方向を下として、基板101の上にパターン101aが配置されている状態にすると、図1(c)に示すように、より比重の小さい洗浄液102は、超臨界状態となる液体103の上方に移動する。この結果、パターン101aの微細な隙間にあった洗浄液102も、効率よく迅速に除去されるようになり、基板101及びパターン101aの表面は、ほぼすべてが超臨界状態となる液体103に覆われた状態となる。
【0030】
このように、本実施の形態では、比重の違いを利用して洗浄液102をパターン101aの部分より分離するようにした。この結果、本実施の形態によれば、基板101及びパターン101aに付着している洗浄液102を、短時間で分離することが可能となる。分離した一部の洗浄液102は、超臨界状態となる液体103の上層に浮遊分離される。また、一部の洗浄液102は、超臨界状態となる液体103に溶解する。
【0031】
この後、超臨界状態となる液体103の上層に浮遊分離された洗浄液102を、例えば高圧容器外に排出するなどのことにより除去することにより、上記高圧容器内においては、洗浄液102がない状態とする。これらのことにより、図1(d)に示すように、基板101の上には、超臨界状態となる液体103だけが存在する状態とする。
【0032】
ついで、高圧容器の内部を所定の圧力,所定の温度とすることで、図1(e)に示すように、基板101及びパターン101aの表面が、超臨界流体104に覆われた状態とする。最後に、高圧容器内の圧力を徐々に低下させることで、超臨界流体104を気化させれば、図1(f)に示すように、パターン101aが倒れることなど無く乾燥した状態が得られる。なお、上記の超臨界状態は亜臨界状態も含むものとし、これに関しては以降も同様である。
【0033】
つぎに、本発明の他の形態について説明する。
上述では、洗浄液102より比重が大きい超臨界状態となる液体103を用いるようにしたが、これに限るものではない。
図1(a)に示すように、パターン101aが形成された基板101を洗浄液102に浸漬して洗浄した後、図1(g)に示すように、表面が洗浄液102で濡れている基板101が、例えば高圧容器内において、洗浄液102より比重が大きい置換液体113に浸漬した状態とする。ここで、置換液体113は、以降に示す超臨界状態となる液体に容易に溶解する相溶性の高いものとする。
【0034】
この状態で、重力が作用している方向を下として、基板101の上にパターン101aが配置されている状態にすると、より比重の小さい洗浄液102は、置換液体113の上方に移動する。この結果、パターン101aの微細な隙間にあった洗浄液102も、効率よく迅速に除去されるようになり、図1(h)に示すように、基板101及びパターン101aの表面は、ほぼすべてが置換液体113に覆われた状態となる。
【0035】
つぎに、上層に分離した置換液体113を除去した後、表面が置換液体113で濡れている基板101が、高圧容器内において、超臨界状態となる液体114に浸漬した状態とする。例えば、置換液体113が充填されている高圧容器内より、置換液体113を排出するとともに、超臨界状態となる液体114を導入することで、上述した状態が得られる。
【0036】
ここで、置換液体113は、前述したように、超臨界状態となる液体114に容易に溶解する。従って、パターン101aの微細な隙間の置換液体113も、超臨界状態となる液体114に溶解して効率よく迅速に除去されるようになる。この結果、図1(h)に示すように、基板101及びパターン101aのほぼすべての表面は、超臨界状態となる液体114に覆われた状態となる。
【0037】
ついで、高圧容器の内部を所定の圧力,所定の温度とすることで、超臨界状態となる液体114を超臨界状態とし、この後、超臨界流体を気化させれば、パターン101aが倒れることなど無く乾燥した状態が得られる。
本実施例の場合、洗浄液がどの様なものであっても、超臨界状態となる液体114として、超臨界処理に一般的に良く用いられている液化二酸化炭素を用いることが可能となる。
【0038】
つぎに、各物質(液体)について説明する。
洗浄水が水やエチルアルコール,イソプロピルアルコールであれば、超臨界状態となる液体103は、液体の状態における比重が1より大きいものであればよい。例えば、液体の比重が1.23程度の亜酸化窒素であればよい。また、フッ素化合物や塩素化合物などのハロゲン原子をもつ化合物も、用いることが可能である。例えば、三フッ化メタン(CHF3:臨界点温度26℃,臨界点圧力4.82MPa),二フッ化メタン(CH2F2:臨界点温度78℃,臨界点圧力5.83MPa),およびフッ化メタン(CH3F:臨界点温度44℃,臨界点圧力5.88MPa)などの比重が1.3〜1.5のフッ化メタン類を、超臨界状態となる液体として用いることができる。
【0039】
また、超臨界状態となる液体103は、ジフロロエタン(C2H4F2:臨界点温度113℃,臨界点圧力4.5MPa),トリフロロエタン(C2H3F3:臨界点温度73℃,臨界点圧力3.76MPa),テトラフロロエタン(C2H2F4:臨界点温度101℃,臨界点圧力4.06MPa),ペンタフロロエタン(C2HF5:臨界点温度66℃,臨界点圧力3.62MPa)などのフッ化エタン類であっても良い。これらは、100℃程度の低温で超臨界状態が得られるので、扱いやすい材料である。また、これらを構成するいずれかの炭素原子の間に酸素が入った構造の物質であっても何ら問題はない。また、超臨界状態となる液体103は、フッ化エチレン類や、フッ化カルボニル、さらには、六フッ化硫黄も用いることができる。
【0040】
フッ化カルボニルは、液体の状態で比重が1.39程度であり、上述した洗浄液に比較して、大きな比重となっている。また、六フッ化硫黄は、液体の状態で比重が1.9程度であり、前述した洗浄液を分離上昇させる効果が最も高い。
また、パターン101aが、有機材料から構成されているフォトレジストなどの場合、超臨界状態となる液体103は、臨界点の温度が有機材料のガラス転移点や融点よりも低い必要がある。
【0041】
また、洗浄液102が比重0.8程度のアルコールの場合、超臨界状態となる液体103が液化二酸化炭素であっても良い。超臨界状態となる液体103を導入した状態で、温度を10℃以下とすれば、アルコールの比重は0.8程度であるが、液化二酸化炭素の比重は0.9以上となり、洗浄液102に比較して比重が大きくなる。なお、超臨界状態となる液体103としては、臨界状態となり得る物質の中で、液体の状態における比重が可能な限り大きいものが好ましい。
一方、前述した置換液としては、上述した超臨界状態となる液体のすべてを用いることが可能である。これらはすべて、液化二酸化炭素を初めとする様々な超臨界状態となる物質の液体に容易に溶解する。
【0042】
つぎに、上述した超臨界乾燥方法を実施する超臨界乾燥装置について説明する。図2は、上述した超臨界乾燥方法を実施する超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
この装置は、密閉可能な容器201と、容器201の内部に設けられた反応室202から構成されている。容器201は、例えばステンレスで構成され、壁の厚さが20mm程度に形成されている。このように形成された容器201は、外壁と内壁との間にヒータ213を備え、ヒータ制御部221の制御により反応室202の内部を加熱可能としている。
【0043】
また、本装置は、大気圧状態では気体で超臨界状態となる物質(超臨界物質)の液体が、加圧されて収容された加圧容器(液体供給手段)203を備えている。大気雰囲気とは、一般的に標準大気とよばれる状態の雰囲気であり、例えば、地球上(地上)気圧1013.25hPa,地上気温15℃の状態である。加圧容器203から反応室202への間の配管は、途中に導入バルブ206を備え、反応室202の内部に設けられた導入口207へと連通している。
【0044】
上記配管の途中には圧送ポンプ217を備え、加圧容器203内の液体を、反応室202の内部へ圧送することを可能としている。加えて、圧送ポンプ217の吐出側圧力を測定する圧力計218を備え、圧力計218の圧力測定結果により導入バルブ206の開度を制御することを可能としている。
【0045】
また、本装置は、反応室202の内部圧力を測定する圧力計219と、反応室202の上部より反応室202内部の流体を排出する排出口209と、排出口209の途中に設けられた圧力制御バルブ210とを備えている。圧力制御バルブ210は、圧力計219の圧力測定結果により開度を制御し、排出口209より排出する流体の量を制御する。
図2に示す超臨界乾燥装置によれば、反応室202の内部において、図1(c)に示したように、上部に分離された洗浄液102を排出することが容易に可能となる。
【0046】
また、反応室202の底面には、処理対象となる基板211が載置されるステージ212が配置されている。ステージ212は、ステージ駆動部222に連結し、反応室202の底面で揺動可能とされている。
従って、図2に示す超臨界乾燥装置によれば、例えば、反応室202の内部を超臨界状態となる液体中で充填した状態で、ステージ212の上に固定されている基板211を揺動させることが可能となる。
【0047】
この超臨界乾燥装置では、加圧容器203より吐出された超臨界状態となる液体は、圧送ポンプ217に圧送され、配管を通過して導入口207より反応室202に輸送される。例えば、高圧で超臨界状態となる液体が圧送されている状態で、輸送された超臨界状態となる液体で反応室202の内部が充填された後、圧力制御バルブ210を閉じた状態とすれば、反応室202の内部を、臨界点の圧量状態とすることが可能である。この状態で、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202の内部温度を臨界点の温度以上とすれば、反応室202の内部に充填された超臨界状態となる液体は、超臨界状態となる。
【0048】
また、圧力計219が測定した圧力値が臨界点の圧力を保持する範囲で、圧力制御バルブ210の開度を調整し、圧力計218が測定した圧力値が臨界点の圧力を保持する範囲で、圧送ポンプ217による圧送の圧力を調整することも可能である。このようにすることで、反応室202の内部に、常に新たな超臨界流体が供給され、反応室202の内部の超臨界流体が常に更新されている状態が得られる。
【0049】
また、図2に示す超臨界乾燥装置によれば、つぎに示すことにより、反応室202の内部に充填された液体や超臨界流体が、攪拌されている状態を形成することが可能である。
【0050】
例えば、加圧容器203より吐出された超臨界状態となる液体が、圧送ポンプ217により加圧され、配管を通過して導入口207より反応室202の内に圧送される状態とする。
また、圧力計219の圧力測定値により圧力制御バルブ210の開度を制御することで、反応室202の内部圧力を例えば8MPaの状態とし、加えて、ヒータ制御部221に制御されたヒータ213により、反応室202内の温度を23℃とする。この圧力温度は、二酸化炭素が超臨界状態となる温度である。
【0051】
引き続き、圧送ポンプ217により反応室202内に超臨界状態となる液体を供給(圧送)し、反応室202の内部を超臨界状態の流体で充填された状態を維持する。
この状態で、圧力制御バルブ210を閉じ、圧力計218の圧力測定値により導入バルブ206の開度を制御し、圧力計218の圧力測定値が、10MPaとなるまで導入バルブ206を閉じた状態とする。
【0052】
このことにより、まず、反応室202の内部は、圧力8MPaの状態がほぼ維持される。一方、圧送ポンプ217を動作させた状態で導入バルブ206を閉じておけば、圧送ポンプ217の排出側と導入バルブ206との間の配管内の圧力は瞬時に上昇する。この後、圧力計218の測定値が10MPaとなったところで、導入バルブ206を開放する。このことにより、高い圧力とされた配管内の超臨界状態となる液体が反応室202内に導入され、反応室202の内部圧力は瞬時に上昇する。
【0053】
このとき、反応室202内の内部圧力が8MPaとなるように、圧力計219の圧力測定値により圧力制御バルブ210の開度を制御すれば、反応室202の内部圧力は、直ちに8MPa程度に低下する。
反応室202内の圧力が8MPa程度に低下したことは、導入バルブ206を開放しているので、圧力計218にも検出される。圧力計218の測定値が8MPaとなったところで、再度、導入バルブ206を閉じる。
【0054】
このことにより、再び、圧送ポンプ217の排出側と導入バルブ206との間の圧力は瞬時に上昇する。一方、反応室202の内部は、圧力計219と圧力制御バルブ210とにより、8MPa程度に維持されている。
再度、導入バルブ206を閉じることにより、圧力計218の圧力測定値が10MPaとなるまで、圧送ポンプ217の排出側と導入バルブ206との間の圧力を上昇させ、この後、直ちに導入バルブ206を開放させる。このことにより、再度、反応室202の内部圧力は瞬時に上昇する。
【0055】
以上のことを繰り返すことで、反応室202の内部圧力を、変動させることができる。このような圧力変動により、反応室202内のに充填されている流体を攪拌した状態にすることが可能となる。すなわち、圧力計218,圧送ポンプ217,圧力制御バルブ210,圧力計219により、反応室202の内部の圧力を変動させる手段が構成されていることになる。
【0056】
つぎに、上述した超臨界乾燥方法を実施する他の超臨界乾燥装置について説明する。図3は、上述した超臨界乾燥方法を実施する超臨界乾燥装置の他の構成例を示す模式的な断面図である。
この装置では、まず、ステージ212が、ステージ212の下面中央部に配置された支持部212aを中心に回転可能な状態とされている。また、ステージ212の下方の容器201外部に、回転制御部223により回転制御される回転子224を配置し、回転子224の発する磁力により、回転子224の回転とともにステージ212が回転するものとした。
【0057】
従って、図3に示す超臨界乾燥装置によれば、例えば、反応室202の内部を超臨界状態となる液体中で充填した状態で、ステージ212の上に固定されている基板211を回転させることが可能となる。
なお、図3に示した超臨界乾燥装置の他の構成は、図2に示した超臨界乾燥装置とほぼ同様であり、説明は省略する。
【0058】
また、図4に示すように、重力が作用している方向を下として、処理対象の基板を立てて配置する超臨界乾燥装置であっても、本発明の超臨界乾燥方法を適用することができる。
図4(a)に示す超臨界乾燥装置は、蓋301aを閉じることで密閉可能な容器301と、容器301の内部に設けられた反応室302から構成されている。なお、図4において、上から下に向かって重力が作用している状態とする。
【0059】
この装置では、反応室302は、断面視縦長に構成され、反応室302の下部に導入口303が設けられ、反応室302の上部に排出口304が設けられている。なお、図示していないが、導入口303には、図2,図3に示した装置と同様に、超臨界状態となる液体などの供給機構が設けられている。同様に、排出口304には、圧力制御を可能とする機構が設けられている。
【0060】
また、反応室302の内部には、ステージ駆動部306に連結したステージ305が設けられ、反応室302の内部で、縦方向に揺動可能とされている。
この装置によれば、反応室302の内部において、前述したように比重の差により情報に分離された洗浄液を、上部に設けられた排出口304により容易に排出することが可能となっている。また、ステージ305を揺動させることができるので、ステージ305に固定される基板311を、反応室302の内部に充填された流体の中で、揺動させることが可能である。
【0061】
例えば、洗浄して乾燥する対象が、マイクロマシンなどの微細な可動部が形成されている基板である場合、基板の表面には、基板の平面方向(横方向)に形成された凹部を備える場合がある。このような凹部の中に洗浄液が含浸している場合、図2に示す装置のように、基板の平面の法線方向に重力が作用する状態では、比重の差を利用して含浸している洗浄液を分離させることができない場合がある。このような場合、図4に示すような縦型の装置を用い、基板の平面方向に重力が作用する状態とすれば、上述した状態であっても、凹部に含浸している洗浄液を、比重の差を利用して除去することが可能となる。
【0062】
図4(a)に示す超臨界乾燥装置では、ステージ駆動部306によりステージ305を揺動させるようにしたが、図4(b)に示す超臨界乾燥装置により、ステージ305aを回転させるようにしても良い。まず、図4(b)に示す装置では、円板状のステージ305aが、容器301の内側に一部が固定された外輪305bの内側に回転可能に保持されている。また、本装置では、容器301の外部に、回転制御部307により回転制御される回転子308を配置し、回転子308の発する磁力により、回転子308の回転とともにステージ305aが回転するものとした。
【0063】
つぎに、図4(c)に示す超臨界乾燥装置について説明すると、本装置では、容器301の内側に固定されたステージ305の裏面側に、複数の導入口303を設けるようにした。本装置によれば、前述した圧力変動を複数の導入口303により行うことで、ステージ305を振動させることができる。
【0064】
つぎに、本発明の超臨界乾燥方法について、より詳細に説明する。
まず、公知のフォトリソグラフィー技術の現像により、基板の上にレジストパターンを形成する。例えば、シリコン基板の上に、紫外線レジスト(SEPR551:信越化学製)を塗布して膜厚500nm程度のレジスト膜を形成し、このレジスト膜にKrF露光により所定のパターンの潜像を形成し、加えて、熱処理を施す。露光するパターンは、例えば、パターン幅が90nm,パターン間隔が90nmである。
【0065】
つぎに、この基板を、例えば、図2に示したような超臨界乾燥装置のステージ212上に固定し、反応室202の内部に現像液を導入することで、現像処理を行う。現像液は、濃度が2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドライド水溶液である。この現像処理の後、反応室202の内部より現像液を排出した後、反応室202の内部に純水を導入し、現像により基板211の上に形成したパターンのリンス処理を行う。
【0066】
ついで、反応室202を密閉した状態とし、ステージ212の上に固定した基板211の表面の水が乾燥する前に、加圧容器203に収容されている三フッ化メタンを、圧送ポンプ217により圧送し、反応室202の内部を液化三フッ化メタンで充填された状態とする。三フッ化メタンは、圧力が5MPa以上で液化する。ここでは、反応室202の内部圧力は、7MPa程度とする。また、このとき、内部の温度をあまり高くすると、導入した三フッ化メタンが超臨界状態となるので、反応室202の内部温度は、10℃程度とする。
【0067】
引き続き、圧力計219により測定される圧力値が7MPa程度である状態が保持されるように、圧力制御バルブ210の開度が制御された状態で、圧送ポンプ217による三フッ化メタンの供給(圧送)を、例えば10分程度継続する。このことにより、反応室202の内部では、液化三フッ化メタンで充填された状態が保持される。従って、この状態においては、基板211の表面に付着していた液化三フッ化メタンより比重の小さい水は、反応室202の上部に浮遊していく。基板211の上に形成されている微細なパターンの微細な隙間の水も、反応室202の上部に浮遊していく。
【0068】
反応室202の内部では、導入口207より液化三フッ化メタンが導入され、排出口209より排出されているので、反応室202の上部に浮遊した水は、排出口209より排出される。
上述した三フッ化メタンの供給を10分程度継続した後、例えば、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202内の温度を、例えば40℃程度と、三フッ化メタンの臨界点の温度以上とする。
【0069】
このことにより、反応室202の内部は、超臨界状態の三フッ化メタンで充填された状態となる。反応室202の内部に充填されていた三フッ化メタンがほぼすべて超臨界状態となった後、まず、導入バルブ206を閉じ、また、圧送ポンプ217の圧送動作を停止する。ついで、圧力制御バルブ210を所定の開度とし、三フッ化メタンを排出して反応室202の内部圧力を低下させる。このことにより、反応室202の内部では、超臨界状態の三フッ化メタンが気化し、基板211の上に形成されているパターンにおいては、液体と気体との界面が形成されることなく、乾燥が行われる。
【0070】
最終的に、反応室202の内部圧力が大気圧程度となった状態で、反応室202を開放して基板211を取り出すことで、超臨界乾燥が終了する。
以上説明した超臨界乾燥方法によれば、10分程度の時間内で、パターンの倒れなどがない状態で、乾燥処理を行うことが可能となる。
【0071】
つぎに、他の実施例について説明する。
まず、公知のフォトリソグラフィー技術の現像により、基板の上にレジストパターンを形成する。つぎに、この基板を、例えば、図2に示したような超臨界乾燥装置のステージ212上に固定し、反応室202の内部に現像液を導入することで、現像処理を行う。この現像処理の後、反応室202の内部より現像液を排出した後、反応室202の内部に純水を導入し、現像により基板211の上に形成したパターンのリンス処理を行う。
【0072】
ついで、反応室202を密閉した状態とし、ステージ212の上に固定した基板211の表面の水が乾燥する前に、加圧容器203に収容されている六フッ化硫黄を、圧送ポンプ217により圧送し、反応室202の内部を液化六フッ化硫黄で充填された状態とする。ここで、反応室202の内部は、六フッ化硫黄が液化する温度,圧力の状態とする。
【0073】
引き続き、上記状態が保持できる条件で圧力制御バルブ210の開度が制御された状態で、圧送ポンプ217による六フッ化硫黄の供給(圧送)を継続する。このことにより、反応室202の内部では、液化六フッ化硫黄で充填された状態が保持される。従って、この状態においては、基板211の表面に付着していた液化六フッ化硫黄より比重の小さい水は、反応室202の上部に浮遊していく。基板211の上に形成されている微細なパターンの微細な隙間の水も、反応室202の上部に浮遊していく。
【0074】
また、この状態で、ステージ駆動部222によりステージ212を微振動させ、液化六フッ化硫黄に浸漬している基板211が振動(揺動)している状態とする。このことにより、微細なパターンの間隔に入り込んでいる水が、より容易に浮遊するようになる。
反応室202の内部では、導入口207より液化六フッ化硫黄が導入され、排出口209より排出されているので、反応室202の上部に浮遊した水は、排出口209より排出される。
上述した六フッ化硫黄の供給をある程度継続した後、例えば、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202内の温度を、六フッ化硫黄の臨界点の温度以上とする。また、反応室202内の圧力を、六フッ化硫黄の臨界点の圧力以上とする。
【0075】
このことにより、反応室202の内部は、超臨界状態の六フッ化硫黄で充填された状態となる。反応室202の内部に充填されていた六フッ化硫黄がほぼすべて超臨界状態となった後、まず、導入バルブ206を閉じ、また、圧送ポンプ217の圧送動作を停止する。ついで、圧力制御バルブ210を所定の開度とし、六フッ化硫黄を排出して反応室202の内部圧力を低下させる。このことにより、反応室202の内部では、超臨界状態の六フッ化硫黄が気化し、基板211の上に形成されているパターンにおいては、液体と気体との界面が形成されることなく、乾燥が行われる。
【0076】
最終的に、反応室202の内部圧力が大気圧程度となった状態で、反応室202を開放して基板211を取り出すことで、超臨界乾燥が終了する。
以上説明した超臨界乾燥方法によれば、実用的な時間内で、パターンの倒れなどがない状態で、乾燥処理を行うことが可能となる。また、本方法では、液化六フッ化硫黄に浸漬した状態の基板を微振動させるようにした。このことにより、パターンに付着している水を、より迅速に比重の大きい液化六フッ化硫黄中に浮遊させることが可能となる。
【0077】
つぎに、本発明の他の実施例について説明する。
まず、公知のフォトリソグラフィー技術の現像により、基板の上にレジストパターンを形成する。つぎに、この基板を、例えば、図2に示したような超臨界乾燥装置のステージ212上に固定し、反応室202の内部に現像液を導入することで、現像処理を行う。この現像処理の後、反応室202の内部より現像液を排出した後、反応室202の内部に純水を導入し、現像により基板211の上に形成したパターンのリンス処理を行う。
【0078】
ついで、反応室202を密閉した状態とし、ステージ212の上に固定した基板211の表面の水が乾燥する前に、加圧容器203に収容されている亜酸化窒素を、圧送ポンプ217により圧送し、反応室202の内部を液化亜酸化窒素で充填された状態とする。ここで、反応室202の内部は、亜酸化窒素が液化する温度,圧力の状態とする。
【0079】
引き続き、上記状態が保持できる条件で圧力制御バルブ210の開度が制御された状態で、圧送ポンプ217による亜酸化窒素の供給(圧送)を継続する。このことにより、反応室202の内部では、液化亜酸化窒素で充填された状態が保持される。従って、この状態においては、基板211の表面に付着していた液化亜酸化窒素より比重の小さい水は、反応室202の上部に浮遊していく。基板211の上に形成されている微細なパターンの微細な隙間の水も、反応室202の上部に浮遊していく。
【0080】
また、この状態で、反応室202に圧送される液化亜酸化窒素に圧力変動を与え、反応室202の内部に充填されている液化亜酸化窒素が攪拌された状態とする。このことにより、微細なパターンの間隔に入り込んでいる水が、より容易に分離浮遊するようになる。
反応室202の内部では、導入口207より液化亜酸化窒素が導入され、排出口209より排出されているので、反応室202の上部に浮遊した水は、排出口209より排出される。
上述した亜酸化窒素の供給をある程度継続した後、例えば、ヒータ制御部221の制御によりヒータ213を動作させ、反応室202内の温度を、亜酸化窒素の臨界点の温度以上とする。また、反応室202内の圧力を、亜酸化窒素の臨界点の圧力以上とする。
【0081】
このことにより、反応室202の内部は、超臨界状態の亜酸化窒素で充填された状態となる。反応室202の内部に充填されていた亜酸化窒素がほぼすべて超臨界状態となった後、まず、導入バルブ206を閉じ、また、圧送ポンプ217の圧送動作を停止する。ついで、圧力制御バルブ210を所定の開度とし、亜酸化窒素を排出して反応室202の内部圧力を低下させる。このことにより、反応室202の内部では、超臨界状態の亜酸化窒素が気化し、基板211の上に形成されているパターンにおいては、液体と気体との界面が形成されることなく、乾燥が行われる。
【0082】
最終的に、反応室202の内部圧力が大気圧程度となった状態で、反応室202を開放して基板211を取り出すことで、超臨界乾燥が終了する。
以上説明した超臨界乾燥方法によれば、実用的な時間内で、パターンの倒れなどがない状態で、乾燥処理を行うことが可能となる。また、本方法では、反応室202の内部に充填されている液化亜酸化窒素が攪拌された状態とした。このことにより、パターンに付着している水を、より迅速に比重の大きい液化亜酸化窒素中に浮遊させることが可能となる。
【0083】
なお、上述では、反応室202の温度を上昇させることで、超臨界状態を得るようにしたが、これに限るものではない。例えば、ステージを加熱して基板を加熱することで、反応室内の基板雰囲気を超臨界状態とするようにしても良い。また、超臨界乾燥処理の前に行う、現像や洗浄などの液処理は、反応室内で行うようにしても良く、他の処理装置で行うようにしても良い。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、水洗やリンスなどの処理などをした後の基板を、前段階で行った処理に用いた処理液より比重の大きい状態とした超臨界物質の液体や置換液に基板を浸漬し、比重の小さい処理液を液面に浮遊させるようにすることで、処理液をより迅速に基板表面より除去するようにした。この結果、本発明によれば、超臨界状態とした段階では液体状の物質が実質的に残渣していないという状態が、従来より迅速に実現できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超臨界乾燥方法を説明するための工程を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成例を示す模式的な断面図である。
【図5】パターン倒れを示す模式的な断面図である。
【図6】従来よりある超臨界乾燥装置の構成を概略的に示す模式的な断面図である。
【図7】従来よりある超臨界乾燥方法を説明するための工程を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
101…基板、101a…パターン、102…洗浄液、103,114…超臨界状態となる液体(超臨界物質の液体)、104…超臨界流体、113…置換液体、201…容器、202…反応室、203…加圧容器(液体供給手段)、206…導入バルブ、207…導入口、209…排出口、210…圧力制御バルブ、211…基板、212…ステージ、213…ヒータ、217…圧送ポンプ、218…圧力計、219…圧力計、221…ヒータ制御部、222…ステージ駆動部、223…回転制御部、224…回転子。
Claims (14)
- 所定のパターンが形成された基板の前記パターンの形成面を所定の液体からなる処理液に晒して前記処理液による処理を行う第1工程と、
この第1工程の後、前記パターンの形成面に前記処理液が付着している状態で前記基板の前記パターンの形成面を大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体に所定時間浸漬する第2工程と、
前記パターンの形成面が浸漬されている前記超臨界物質の上部に浮遊分離した前記処理液を除去する第3工程と、
この第3工程の後、前記超臨界物質を超臨界状態とする第4工程と、
この第4工程の後、超臨界状態の前記超臨界物質を気化させる第5工程と
を少なくとも備え、
前記第2工程では、前記超臨界物質の液体の比重を前記処理液の比重より大きい状態とする
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1記載の超臨界乾燥方法において、
前記超臨界物質の液体は、前記処理液より比重が大きいものである
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1記載の超臨界乾燥方法において、
前記第2工程では、
前記超臨界物質の液体の温度を所定温度以下とすることで、前記超臨界物質の液体の比重を前記処理液の比重より大きい状態とする
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超臨界乾燥方法において、
前記第2工程では、前記超臨界物質の液体が攪拌された状態とする
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超臨界乾燥方法において、
前記第2工程では、前記基板が揺動された状態とする
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超臨界乾燥方法において、
前記超臨界物質は、フッ素化合物である
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項6記載の超臨界乾燥方法において、
前記超臨界物質は、フッ化メタン,フッ化エタン,またはフッ化エチレンのいずれか1つである
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超臨界乾燥方法において、
前記超臨界物質は、六フッ化硫黄である
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超臨界乾燥方法において、
前記超臨界物質は、亜酸化窒素である
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 所定のパターンが形成された基板の前記パターンの形成面を所定の液体からなる処理液に晒して前記処理液による処理を行う第1工程と、
この第1工程の後、前記パターンの形成面に前記処理液が付着している状態で前記基板の前記パターンの形成面を、前記処理液より比重の大きい置換液体に所定時間浸漬する第2工程と、
前記パターンの形成面が浸漬されている前記置換液体の上部に浮遊分離した前記処理液を除去する第3工程と、
この第3工程の後、前記置換液体の代わりに、大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体に、前記基板の前記パターンの形成面が浸漬された状態とする第4工程と、
この第4工程の後、前記超臨界物質を超臨界状態とする第5工程と、
この第5工程の後、超臨界状態の前記超臨界物質を気化させる第6工程と
を少なくとも備え、
前記置換液体は、前記超臨界物質の液体に溶解するものである
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 処理対象となる基板が内部に載置されて密閉可能な反応室と、
前記反応室の内部に大気雰囲気では気体であり所定の条件で超臨界状態となる超臨界物質の液体を供給する液体供給手段と、
前記反応室の内部圧力を前記超臨界物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する圧力制御手段と、
前記反応室の内部に導入された前記超臨界物質の温度を所定の温度に制御する温度制御手段と、
前記反応室の上部に設けられた前記反応室の内部の流体を排出する排出口と
を少なくとも備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項11記載の超臨界乾燥装置において、
前記超臨界物質は、液体の状態における比重が、前記基板に予め付着している液体の比重よりも大きい
ことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項11または12記載の超臨界乾燥装置において、
前記反応室の内部の圧力を変動させる手段を備える
ことを特徴とする超臨界乾燥装置。 - 請求項11または12記載の超臨界乾燥装置において、
前記基板を揺動させる手段を備える
ことを特徴とする超臨界乾燥装置。
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