JP2004324778A - トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1対の油圧室67、68を設けた油圧式の押圧装置10bを、組み立て易い構造とする。
【解決手段】上記1対の油圧室67、68のうちで、入力側ディスク2aの外側面により軸方向片側面を仕切られた第二の油圧室68内に、皿板ばね81a及びシム板82aを設ける。この結果、上記押圧装置10bを構成する第一のシリンダ部材69及び第二のピストン部材72を入力回転軸1aに圧入固定した後に、上記皿板ばね81aやシム板82aの組み付け、交換等の作業を行なえる。この為、組立作業の簡素化を図れ、製造コストの低減や量産化に寄与できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機及び無段変速装置は、自動車用自動変速装置として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速装置として、図4に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、特許請求の範囲に記載した回転軸に相当する入力回転軸1の両端部周囲に、それぞれが特許請求の範囲に記載した外側ディスクに相当する入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記入力回転軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力回転軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に、特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する出力側ディスク5、5を、スプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。
【0003】
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれ特許請求の範囲に記載した支持部材に相当するトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図4の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた枢軸(図示せず)を中心として、揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、図示しない油圧式のアクチュエータによりこれら各トラニオン7、7を上記枢軸の軸方向に変位させる事により行なうが、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
【0004】
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸9により一方(図4の左方)の入力側ディスク2を、ローディングカム式の押圧装置10を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
【0005】
上記入力回転軸1と出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図4に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面をこの図4に示す様に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図4と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面を、図4に示した状態とは逆に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、入力回転軸1と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
【0006】
更に、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成する事が、特許文献1〜5等に記載されて、従来から知られている。図5は、この様な従来から提案されている無段変速装置のうち、特許文献2に記載されたものを示している。この無段変速装置は、特許請求の範囲に記載したトロイダル型無段変速機に対応するトロイダル型無段変速ユニット11と遊星歯車式変速ユニット12とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速ユニット11は、入力回転軸1と、1対の入力側ディスク2、2と、出力側ディスク5aと、複数のパワーローラ6、6とを備える。図示の例では、この出力側ディスク5aは、1対の出力側ディスクの外側面同士を突き合わせて一体とした如き構造を有する。
【0007】
又、上記遊星歯車式変速ユニット12は、上記入力回転軸1及び一方(図5の右方)の入力側ディスク2に結合固定されたキャリア13を備える。このキャリア13の径方向中間部に、その両端部にそれぞれ遊星歯車素子14a、14bを固設した第一の伝達軸15を、回転自在に支持している。又、上記キャリア13を挟んで上記入力回転軸1と反対側に、その両端部に太陽歯車16a、16bを固設した第二の伝達軸17を、上記入力回転軸1と同心に、回転自在に支持している。そして、上記第一の伝達軸15の両端部に固設した上記各遊星歯車素子14a、14bと、上記出力側ディスク5aにその基端部(図5の左端部)結合した中空回転軸18の先端部(図5の右端部)に固設した太陽歯車19又は上記第二の伝達軸17の一端部(図5の左端部)に固設した太陽歯車16aとを、それぞれ噛合させている。又、一方(図5の左方)の遊星歯車素子14aを、別の遊星歯車素子20を介して、上記キャリア13の周囲に回転自在に設けたリング歯車21に噛合させている。
【0008】
一方、上記第二の伝達軸17の他端部(図5の右端部)に固設した太陽歯車16bの周囲に設けた第二のキャリア22に遊星歯車素子23a、23bを、回転自在に支持している。尚、この第二のキャリア22は、上記入力回転軸1及び第二の伝達軸17と同心に配置された、出力軸24の基端部(図5の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車素子23a、23bは、互いに噛合すると共に、一方の遊星歯車素子23aを上記太陽歯車16bに、他方の遊星歯車素子23bを、上記第二のキャリア22の周囲に回転自在に設けた第二のリング歯車25に、それぞれ噛合させている。又、上記リング歯車21と上記第二のキャリア22とを低速用クラッチ26により係脱自在とすると共に、上記第二のリング歯車25とケーシング等の固定の部分とを、高速用クラッチ27により係脱自在としている。
【0009】
上述の様な、図5に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ26を接続すると共に上記高速用クラッチ27の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力回転軸1の動力が上記リング歯車21を介して上記出力軸24に伝えられる。そして、前記トロイダル型無段変速ユニット11の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力回転軸1と上記出力軸24との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速ユニット11の変速比を調節する事により、上記入力回転軸1を回転させた状態のまま上記出力軸24の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
【0010】
これに対して、上記低速用クラッチ26の接続を断ち、上記高速用クラッチ27を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力回転軸1の動力が上記第一、第二の伝達軸15、17を介して上記出力軸24に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速ユニット11の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速ユニット11の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
【0011】
尚、前述の図4に示したトロイダル型無段変速機及び上述の図5に示した無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速ユニット11の場合、ローディングカム式の押圧装置10により、入力側ディスク2、2の内側面及び出力側ディスク5、5aの内側面と各パワーローラ6、6の周面との転がり接触部(トラクション部)に、所定の押し付け力を付与している。但し、この様なローディングカム式の押圧装置10が発生する押し付け力は、入力回転軸1に加わるトルクに応じて変化するのみである。これに対して特許文献6〜7には、油圧室に圧油を導入する事により転がり接触部に所望の押し付け力を付与する、油圧式の押圧装置を組み込んだトロイダル型無段変速機が記載されている。この様な構造の場合には、上記転がり接触部に付与される押し付け力(トラクション部の面圧)を、油圧を制御する事により所望の値に調節できる。尚、上記特許文献6には、1個の油圧室を設けた所謂シングルピストン型の押圧装置を組み込んだ構造が、上記特許文献7には、1対の油圧室を力の伝達方向に関して互いに並列に設けた所謂ダブルピストン型の押圧装置を組み込んだ構造が、それぞれ記載されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−174033号公報
【特許文献2】
特開2000−220719号公報
【特許文献3】
特開2002−139124号公報
【特許文献4】
米国特許第5607372号明細書
【特許文献5】
米国特許第6099431号明細書
【特許文献6】
特開2002−206608号公報
【特許文献7】
特開2001−12573号公報
【0013】
【先発明の説明】
前述した様な特許文献1〜5に記載される等により従来から知られている無段変速装置に関する発明は、この無段変速装置の基本構造に関するものであって、実際に自動車用自動変速機等を構成する場合に就いて考慮した、具体的なものではない。この様な事情に鑑みて、特願2002−243389号には、図6〜8に示す様な、より具体的なトロイダル型無段変速機及び無段変速装置に関する発明が開示されている。この図6〜8に示した無段変速装置は、特許請求の範囲に記載したトロイダル型無段変速機に対応するトロイダル型無段変速ユニット11aと、第一〜第三の遊星歯車式変速ユニット28〜30とを組み合わせて成り、入力軸31と出力軸24aとを有する。図示の例では、これら入力軸31と出力軸24aとの間に、上記トロイダル型無段変速ユニット11aの入力回転軸1aと伝達軸32とを、これら両軸31、24aと同心に設けている。そして、上記第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29を上記入力回転軸1aと上記伝達軸32との間に掛け渡す状態で、上記第三の遊星歯車式変速ユニット30をこの伝達軸32と上記出力軸24aとの間に掛け渡す状態で、それぞれ設けている。
【0014】
このうちのトロイダル型無段変速ユニット11aは、それぞれが特許請求の範囲に記載した外側ディスクである1対の入力側ディスク2a、2bと、同じく特許請求の範囲に記載した内側ディスクである一体型の出力側ディスク5bと、複数のパワーローラ6、6とを備える。そして、上記1対の入力側ディスク2a、2bは、上記入力回転軸1aを介して互いに同心に、且つ、同期した回転を自在として結合されている。又、上記出力側ディスク5bは、上記両入力側ディスク2a、2b同士の間に、これら両入力側ディスク2a、2bと同心に、且つ、これら両入力側ディスク2a、2bに対する相対回転を自在として支持されている。更に、上記各パワーローラ6、6は、上記出力側ディスク5bの軸方向両側面と上記両入力側ディスク2a、2bの軸方向片側面との間に、それぞれ複数個(本例の場合は2個)ずつ挟持されている。そして、これら両入力側ディスク2a、2bの回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク2a、2bから上記出力側ディスク5bに動力を伝達する。
【0015】
更に、本例の場合には、上記出力側ディスク5bの軸方向両端部を、1対のスラストアンギュラ玉軸受33、33により、回転自在に支持している。この為に本例の場合には、ケーシング35の内側に1対の支柱37a、37bを、アクチュエータボディー36を介して設けている。これら各支柱37a、37bはそれぞれ、各トラニオン7、7の両端部を支持する為の1対の支持板34a、34bを支持する為のもので、前記入力回転軸1aを挟んで径方向反対側に、互いに同心に設けられた1対の支持ポスト部38a、38bを、環状の支持環部39、39により連結して成る。上記入力回転軸1aは、この支持環部39、39の内側を緩く挿通している。
【0016】
又、上記各支柱37a、37bの下端部は、上記アクチュエータボディー36の上面に、それぞれ複数本ずつのボルト40、40により結合固定している。この為に上記アクチュエータボディー36の上面には、上記各支柱37a、37bの下端部を内嵌する為の凹部41、41を形成している。又、これら各支柱37a、37bの下端部には、下端面に開口する複数のねじ孔を形成している。これら各支柱37a、37bは、それぞれの下端部を上記各凹部41、41に内嵌した状態で、上記アクチュエータボディー36を下方から挿通して上記各ねじ孔に螺合し、更に緊締した上記各ボルト40、40により、上記アクチュエータボディー36の上面の所定位置に固定している。
【0017】
これに対して上記各支柱37a、37bの上端部は、連結板42の下面に、それぞれボルト43、43により取付位置を規制した状態で結合固定している。この為に上記連結板42の下面には、上記各支柱37a、37bの上端部を内嵌する為の凹部44、44を形成している。又、これら各支柱37a、37bの上端部には、上端面中央部に開口する1個ずつのねじ孔を形成している。これら各支柱37a、37bは、それぞれの上端部を上記各凹部44、44に内嵌した状態で、上記連結板42を上方から挿通して上記各ねじ孔に螺合し、更に緊締した上記各ボルト43、43により、上記連結板42の下面に固定している。
【0018】
上記1対の支柱37a、37bは、上述の様に上記アクチュエータボディー36の上面と上記連結板42の下面との間に、掛け渡す様に連結固定している。この状態で、上記各支柱37a、37bの両端部近傍に設けた、前記各支持ポスト部38a、38bのうち、下側の支持ポスト部38a、38aは、上記アクチュエータボディー36の上面の直上位置に存在する。そして、上記両支柱37a、37bの支持ポスト部38a、38aに、前記1対の支持板34a、34bのうちの下側の支持板34aに形成した支持孔45a、45aを、がたつきなく外嵌している。又、上側の支持ポスト部38b、38bは、上記連結板42の下面の直下位置に存在する。そして、上記両支柱37a、37bの支持ポスト部38b、38bに、前記1対の支持板34a、34bのうちの上側の支持板34bに形成した支持孔45b、45bを、がたつきなく外嵌している。
【0019】
この様にして設けた上記両支持板34a、34b同士の間には、それぞれが特許請求の範囲に記載した支持部材に相当する複数のトラニオン7、7と、これら各トラニオン7、7に支持された支持軸8a、8aとを介して、前記パワーローラ6、6を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ6、6の周面46と、前記各入力側ディスク2a、2bの入力側面47、47及び前記出力側ディスク5bの出力側面48、48とを転がり接触させている。
【0020】
又、上記1対の支柱37a、37bにより互いに結合された、上記アクチュエータボディー36と上記連結板42とのうち、アクチュエータボディー36は前記ケーシング35の下部に、上記連結板42はこのケーシング35内に、それぞれ長さ方向(図6の左右方向、図7の表裏方向)及び幅方向の位置を規制した状態で支持固定されている。このうちの連結板42の位置規制を行なう為に、この連結板42の上面と、上記ケーシング35の天板部49の下面との、互いに対向する部分にそれぞれ形成した、位置決め凹部50a、50b同士の間に、円筒状の位置決めスリーブ51、51を掛け渡している。又、上記アクチュエータボディー36の位置決めは、図示しない複数本の位置決めピンにより図っている。
【0021】
この様にして上記ケーシング35内の所定位置に固定した1対の支柱37a、37bの中間部に設けられ、それぞれが前記入力側ディスク2a、2bと前記出力側ディスク5bとの入力側、出力側両面47、48同士の間の各キャビティ(空間)の中央部に存在する前記各支持環部39、39により、上記出力側ディスク5bを、回転自在に支持している。この為に、これら各支持環部39、39と、この出力側ディスク5bの軸方向両端部面、即ち、この出力側ディスク5bの軸方向両側面に設けた出力側面48、48よりも内径側部分との間に、前記各スラストアンギュラ玉軸受33、33を設けている。
【0022】
又、図示の無段変速装置の場合、前記入力回転軸1aの基端部(図6の左端部)を図示しないエンジンのクランクシャフトに前記入力軸31を介して結合し、このクランクシャフトにより上記入力回転軸1aを回転駆動する様にしている。又、前記両入力側ディスク2a、2bの軸方向片側面(入力側面47、47)及び上記出力側ディスク5bの軸方向両側面(出力側面48、48)と前記各パワーローラ6、6の周面46、46との転がり接触部(トラクション部)に適正な面圧を付与する為の押圧装置10aとして、油圧式のものを使用している。又、上記入力軸31の基端部周囲にギヤポンプ84を設けて、上記押圧装置10a及び変速の為に前記各トラニオン7、7を変位させる為の油圧式のアクチュエータ52、52、並びに後述する低速用クラッチ26a及び高速用クラッチ27aを断接させる為の油圧シリンダに、圧油を供給自在としている。
【0023】
又、上記出力側ディスク5bに中空回転軸18aの基端部(図6の左端部)をスプライン係合させている。そして、この中空回転軸18aを、エンジンから遠い側(図6の右側)の入力側ディスク2bの内側に挿通して、上記出力側ディスク5bの回転力を取り出し自在としている。更に、上記中空回転軸18aの先端部(図6の右端部)で上記入力側ディスク2bの外側面から突出した部分に、前記第一の遊星歯車式変速ユニット28を構成する為の、第一の太陽歯車53を固設している。
【0024】
一方、上記入力回転軸1aの先端部(図6の右端部)で上記中空回転軸18aから突出した部分と上記入力側ディスク2bとの間に、第一のキャリア54を掛け渡す様に設けて、この入力側ディスク2bと上記入力回転軸1aとが、互いに同期して回転する様にしている。そして、上記第一のキャリア54の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4個所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である前記第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29を構成する為の遊星歯車55〜57を、回転自在に支持している。更に、上記第一のキャリア54の片半部(図6の右半部)周囲に第一のリング歯車58を、回転自在に支持している。
【0025】
上記各遊星歯車55〜57のうち、前記トロイダル型無段変速ユニット11a寄り(図6の左寄り)で上記第一のキャリア54の径方向に関して内側に設けた遊星歯車55は、上記第一の太陽歯車53に噛合している。又、上記トロイダル型無段変速ユニット11aから遠い側(図6の右側)で上記第一のキャリア54の径方向に関して内側に設けた遊星歯車56は、前記伝達軸32の基端部(図6の左端部)に固設した第二の太陽歯車59に噛合している。又、上記第一のキャリア54の径方向に関して外側に設けた、残りの遊星歯車57は、上記内側に設けた遊星歯車55、56よりも軸方向寸法を大きくして、これら両遊星歯車55、56に噛合させている。更に、上記残りの遊星歯車57と上記第一のリング歯車58とを噛合させている。尚、径方向外寄りの遊星歯車を、第一、第二の遊星歯車ユニット28、29同士の間で互いに独立させる代りに、幅広のリング歯車をこれら両遊星歯車に噛合させる構造も、採用可能である。
【0026】
一方、前記第三の遊星歯車式変速ユニット30を構成する為の第二のキャリア60を、前記出力軸24aの基端部(図6の左端部)に結合固定している。そして、この第二のキャリア60と上記第一のリング歯車58とを、前記低速用クラッチ26aを介して結合している。又、上記伝達軸32の先端寄り(図6の右端寄り)部分に第三の太陽歯車61を固設している。又、この第三の太陽歯車61の周囲に、第二のリング歯車62を配置し、この第二のリング歯車62と前記ケーシング35等の固定の部分との間に、前記高速用クラッチ27aを設けている。更に、上記第二のリング歯車62と上記第三の太陽歯車61との間に配置した復数組の遊星歯車63、64を、上記第二のキャリア60に回転自在に支持している。これら各遊星歯車63、64は、互いに噛合すると共に、上記第二のキャリア60の径方向に関して内側に設けた遊星歯車63を上記第三の太陽歯車61に、同じく外側に設けた遊星歯車64を上記第二のリング歯車62に、それぞれ噛合している。
【0027】
上述の様に構成する先発明に係る無段変速装置の場合、入力回転軸1aから1対の入力側ディスク2a、2b、各パワーローラ6、6を介して一体型の出力側ディスク5bに伝わった動力は、前記中空回転軸18aを通じて取り出される。そして、前記低速用クラッチ26aを接続し、前記高速用クラッチ27aの接続を断った状態では、前記トロイダル型無段変速ユニット11aの変速比を変える事により、上記入力回転軸1aの回転速度を一定にしたまま、前記出力軸24aの回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。
【0028】
即ち、この状態では、上記入力回転軸1aと共に正方向に回転する第一のキャリア54と、上記中空回転軸18aと共に逆方向に回転する前記第一の太陽歯車53との差動成分が、前記第一のリング歯車58から、前記低速用クラッチ27a、前記第二のキャリア60を介して、上記出力軸24aに伝達される。この状態では、上記トロイダル型無段変速ユニット11aの変速比を所定値にする事で上記出力軸24aを停止させられる他、このトロイダル型無段変速ユニット11aの変速比を上記所定値から増速側に変化させる事により上記出力軸24aを、車両を後退させる方向に回転させられる。これに対して、上記トロイダル型無段変速ユニット11aの変速比を上記所定値から減速側に変化させる事により上記出力軸24aを、車両を前進させる方向に回転させられる。
【0029】
上述の様に構成し作用する先発明に係る無段変速装置の組立時には、上記トロイダル型無段変速ユニット11a及び前記第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29を、これら各ユニット11a、28、29を前記ケーシング35内に収納するのに先立って、図8に示す様に、予めこのケーシング35外で組み立てる。即ち、前記アクチュエータボディー36にそれぞれの下端を結合固定した1対の支柱37a、37b(図6〜7参照)により、出力側ディスク5b及び中空回転軸18aを回転自在に支持する。又、上記両支柱37a、37bの上下両端部に設けた各支持ポスト部38a、38bに外嵌支持した上下1対の支持板34a、34bにより、複数のトラニオン7、7及びパワーローラ6、6を所定位置に支持する。更に、上記中空回転軸18aを挿通した前記入力回転軸1aに、前記押圧装置10a、前記1対の入力側ディスク2a、2b、上記第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29等を組み付ける。
【0030】
従って、無段変速装置を構成する上記トロイダル型無段変速ユニット11a及び第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29の主要部を、上記ケーシング35内に組み込む以前に、このケーシング35外で組み立てて、上記図8に示す様な、上記無段変速装置の主要部となる、モジュール65とする事ができる。このモジュール65の組立作業は、上記ケーシング35に邪魔される事なく、広い空間で行なう事ができて、組立作業が容易になる。又、上記モジュール65を組立後、上記ケーシング35内に収納する以前に、このモジュール65の作動状態を確認できる。そして、この作動状態が不良である場合には、上記ケーシング35外の広い空間で、分解・再組立を容易に行なえる。
【0031】
これに対して、上記モジュール65の作動状態が適正であった場合には、このモジュール65を、前記連結板42を上にして上記ケーシング35内に、このケーシング35の下端開口から挿入する。そして、この連結板42の上面に形成した各位置決め凹部50a、50aと前記天板部49の下面に形成した位置決め凹部50b、50bとの間に円筒状の位置決めスリーブ51、51を掛け渡しつつ、前記アクチュエータボディー36を上記ケーシング35に図示しないボルトにより固定し、上記モジュール65を上記ケーシング35内に固定する。この固定作業の後、このケーシング35の下端開口は、オイルパン66により塞ぐ。又、前記伝達軸32、低速用、高速用両クラッチ26a、27a、第三の遊星歯車式変速ユニット30、出力軸24a等、上記モジュール65に含まれない構成部分は、このモジュール65を上記ケーシング35内に組み付けた後、このケーシング35に組み付ける。
【0032】
又、上述した先発明に係る無段変速装置の場合、トロイダル型無段変速ユニット11aを構成する押圧装置10aとして、油圧式のものを組み込んでいる。この押圧装置10aは、図9に示す様に、第一のシリンダ部材69と第一のピストン部材70とにより構成される第一の油圧室67と、第二のシリンダ部材71と第二のピストン部材72とにより構成される第二の油圧室68とを備えた、ダブルピストン型のものとしている。このうちの第一のシリンダ部材69は、入力回転軸1aの一端部(図9の左端部)に設けた鍔部73に一側面(図9の左側面)を当接させた状態でこの入力回転軸1aの一端部外周面に締まり嵌めにより圧入嵌合させている。又、上記第一のピストン部材70は、円環状に形成され、上記第一のシリンダ部材69の外周縁に設けられた第一のシリンダ筒74の内周面と上記入力回転軸1aの外周面との間に、シールリングを介して油密に嵌装させている。
【0033】
又、上記第二のシリンダ部材71は、上記入力回転軸1aにボールスプライン3により軸方向変位を自在に支持された(一方の)入力側ディスク2aの外側面と、この入力側ディスク2aの外周縁に設けられた第二のシリンダ筒75とにより構成している。そして、このうちの第二のシリンダ筒75の開口縁を、上記第一のピストン部材70の他側面(図9の右側面)に当接させている。尚、上記第二のシリンダ筒75の先端縁には1乃至複数の切り欠き87、87を形成して、第一、第二のピストン部材70、72同士の間の空間に、空気を吸排自在としている。又、上記第二のピストン部材72は、断面L字状に形成され、円筒部76とこの円筒部76の一端縁(図9の左端縁)から径方向外方に突出する円輪部77とを備えた、円環状のものとしている。そして、このうちの円輪部77の一端縁(図9の左端縁)内径側部分を上記入力回転軸1aの一端寄り部に設けた段差面78に当接させた状態で、上記円筒部76を上記入力回転軸1aに締まり嵌めにより圧入嵌合させている。そして、この状態で、上記円輪部77の外周縁を、シールリングを介して、上記第二のシリンダ筒75の内周面に油密に嵌装させている。
【0034】
この様に構成する押圧装置10aの押圧力の発生時には、上記入力回転軸1aの中心部に設けた給油通路79及びこの給油通路79と入力回転軸1aの外周面とを連通させた各給油孔80、80を通じて、上記第一、第二の油圧室67、68に油圧を導入する。そして、この油圧に基づき、上記第一のピストン部材70により入力側ディスク2aを軸方向に押圧する事に加えて、この入力側ディスク2aを直接同方向に押圧する。この結果、これら入力側ディスク2a、2bの内側面(入力側面47、47)及び出力側ディスク5bの内側面(出力側面48、48)と各パワーローラ6、6の周面46、46との転がり接触部(トラクション部)に、適正な押し付け力が付与される。上記第一、第二の油圧室67、6 8は、力の伝達方向に関して、上記入力側回転軸1aと上記入力側ディスク2aとの間に、互いに並列に設けている。従って、上記第一、第二の油圧室67、68(を構成する第一、第二のシリンダ部材69、71)の直径を小さく抑えつつ、上記押し付け力を十分に大きくできる。
【0035】
尚、上記第一、第二の油圧室67、68のうちで、上記入力側ディスク2aから遠い側の油圧室である第一の油圧室67内に、上記第一のシリンダ部材69と第一のピストン部材70とに互いに離れる方向の弾性力を付与する皿板ばね81を設けている。そして、この皿板ばね81により、上記各油圧室67、68内に油圧が導入されていない状態でも、上記トラクション部に動力伝達の為に必要な最低限以上の押し付け力を付与すると共に、同じく圧油が供給されない状態で構成部材同士ががたつくのを防止している。又、上記皿板ばね81と第一のシリンダ部材69の側面との間にシム板82を設け、このシム板82によりこの皿板ばね81の弾性力を所望の値に規制すると共に、この皿板ばね81により上記第一のピストン部材70を介して押圧される上記入力側ディスク2aの位置決めを図っている。
【0036】
この様に構成し作用する押圧装置10aは、次の様に組立を行なう。先ず、図10に示す様に、入力回転軸1aの一端部に第一のシリンダ部材69を、前記鍔部73に突き当たるまで圧入固定する。次いで、図11に示す様に、上記入力回転軸1aの一端寄り部外周面と第一のシリンダ筒74の内周面との間に第一のピストン部材70を、この第一のピストン部材70と第一のシリンダ部材69との間に皿板ばね81及びシム板82を挟持した状態で嵌装する。そして、図12に示す様に、上記入力回転軸1aの一端寄り部に、{第二のピストン部材72(図9参照)を圧入固定する事なく}第二のシリンダ部材71となる一方の入力側ディスク2aを外嵌する。
【0037】
次いで、図13に示す様に、前述したモジュール65(図8参照)と同様の状態まで仮組立し、治具83により上記入力回転軸1aと連結板42とを支持する。即ち、上述の図12に示す様な第一のピストン部材70、一方の入力側ディスク2a等を組み付けた入力回転軸1a、アクチュエータボディー36、1対の支柱37a、37b、出力側ディスク5b、中空回転軸18a、支持板34a、34b、連結板42、複数のトラニオン7、7及びパワーローラ6、6(図6参照)、他方の入力側ディスク2b、第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29等の上記モジュール65の構成部材を、前述したこのモジュール65を組み立てる場合と同様にして、仮組立をする。
【0038】
そして、上記入力回転軸1aと連結板42とを上記治具83により支持すると共に、上記入力回転軸1aの他端寄り部(図6、13の右端寄り部)にローディングナット85を所定のトルクで緊締した状態で、上記皿板ばね81の弾性力に基づいて上記一方の入力側ディスク2aが所定の位置まで押圧されているか(所定の位置に存在するか)否かを調べる。即ち、上記図13に示す様に、上記第一のシリンダ筒74の開口縁と第一のピストン部材70の他側面との距離Xが、所定の値か否かを測定する。そして、この距離Xが所定の値でない場合には、上記治具83を取り外すと共に、上述した図10の状態(入力回転軸2aに第一のシリンダ部材69を外嵌固定した状態)まで分解し、上記第一の油圧室67内に設けるシム板82の厚さを変える(違う厚さのシム板82に交換する)。そして、上記図13に示す状態まで再度仮組立をし、上記距離Xが所定の値になるまで、分解、再組立、距離Xの測定を繰り返す。
【0039】
これに対して、この距離Xが所定の値の(若しくは所定の値になった)場合には、上記治具83を取り外すと共に、上述した図11の状態(入力回転軸1aに第一のシリンダ部材69及び第一のピストン部材70を外嵌した状態)まで分解する。そして、図14に示す様に、上記入力回転軸1aの一端寄り部分に第二のピストン部材72を圧入固定し、次いで、この入力回転軸1aに上記入力側ディスク2aを組み付け、前記図9に示す状態とする。そして、この様に押圧装置10aを組み付けた入力回転軸1a、上記アクチュエータボディー36、1対の支柱37a、37b、出力側ディスク5b、中空回転軸18a、支持板34a、34b、連結板42、複数のトラニオン7、7及びパワーローラ6、6、他方の入力側ディスク2b、第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29等を前述の様に組み立てて、前記図8に示したモジュール65とする。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に構成する先発明に係るトロイダル型無段変速機(トロイダル型無段変速ユニット11a)及び無段変速装置の場合、トロイダル型無段変速ユニット11aを構成する押圧装置10aを、力の伝達方向に関して1対の油圧室67、68を並列に設けた、ダブルピストン型のものとしている。そして、これら両油圧室67、68を、入力回転軸1aの軸方向に配列している。この様なダブルピストン型の押圧装置10aの場合、前記特許文献6に記載された様な1個の油圧室を設けたシングルピストン型のものに比べ、上記各油圧室67、68内に送り込む圧油を低圧にできる。この為、これら各油圧室67、68内に圧油を供給する為のポンプの効率を確保できる。但し、この様な先発明に係るトロイダル型無段変速機及び無段変速装置を実用化する為には、上述の様な押圧装置10aの組立性(組み立てのし易さ)を確保する事が望まれる。この理由は、次の通りである。
【0041】
上記押圧装置10aを組み立てる場合、前述の様に、上記入力回転軸1aに上記第一のシリンダ部材69を圧入固定する作業と、同じく上記第二のピストン部材72を圧入固定する作業との間に、仮組立、距離Xの測定、更に分解等の作業を行なう。一方、上記圧入固定を行なう際には、上記入力回転軸1aや第一のシリンダ部材69、第二のピストン部材72等を、この圧入固定を行なう為の圧入機械に設置する必要がある。この為、上記入力回転軸1aと上記第一のシリンダ部材69とを上記圧入機械に載置して圧入作業を行なったらば、これら各部材1a、69を上記圧入機械から取り外し、これら各部材1a、69を上述の様な仮組立、距離Xの測定、分解等の作業を行なえる広い場所に搬送する必要がある。そして、この様な広い場所で仮組立、距離Xの測定、分解等を行なったらば、上記入力回転軸1a及び第一のシリンダ部材69等を上記第二のピストン部材72と共に、再度上記圧入機械に設置し、この第二のピストン部材72をこの入力回転軸1aに圧入固定する。この様に仮組立、距離Xの測定、分解等を2度の圧入作業の間に行なう事は、作業効率が悪く面倒であり、製造コストの低減や量産化を図る面からは好ましくない。
【0042】
又、上述の様な仮組立をした状態で上記距離Xが所定の値であったとしても、上記第二のピストン部材72を上記入力回転軸1aに圧入固定した後、上述の様に各部材を組み立ててモジュール65とした状態で、上記距離Xが所定の値からずれる可能性もある。この様な場合には、上記第二のピストン部材72を上記入力回転軸1aから取り外さなければならない。しかしながら、この様な互いに締まり嵌めで圧入した上記第二のピストン部材72と入力回転軸1aとを取り外す(分解する)作業は面倒である。しかも、これら第二のピストン部材72と入力回転軸1aとを取り外せたとしても、一度締まり嵌めを行なった部材1a、72同士を再度組み直すのは、寸法精度や嵌合強度を確保する面からは好ましくない。
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、回転軸と、第一のディスクと、第二のディスクと、複数の支持部材と、複数個のパワーローラと、押圧装置とを備える。
このうちの第一のディスクは、上記回転軸の中間部に、この回転軸と同期した回転及びこの回転軸の軸方向の変位自在に支持されている。
又、上記第二のディスクは、上記回転軸の中間部周囲に、この回転軸に対する相対回転を自在に設けられている。
又、上記各支持部材は、上記第一のディスク及び第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する。
又、上記各パワーローラは、その周面を球状凸面としており、上記各支持部材に支持された状態で上記第一のディスク及び第二のディスクの内側面同士の間に挟持されている。
又、上記押圧装置は、上記第一のディスクと第二のディスクとを互いに近づける方向に押圧する。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記押圧装置は、力の伝達方向に関して互いに並列に、且つ、上記回転軸の軸方向にずらせた状態で設けられた1対のシリンダ内にそれぞれピストンを嵌装し、これら各シリンダとピストンとにより構成される1対の油圧室内へ圧油を導入する事により、この圧油に応じた押圧力を発生させるものである。そして、これら1対の油圧室のうちで、上記第一のディスクの外側面により軸方向片側面を仕切られた一方の油圧室内に、この第一のディスクとこの一方の油圧室内に嵌装したピストンとに、互いに離れる方向の弾性力を付与する弾性材を設けている。
又、より好ましくは、上記弾性材を皿板ばねとすると共に、上記一方の油圧室内にこの皿板ばねとこの皿板ばねの弾性力を所望の値に規制する為のシム板とを設ける。
更には、それぞれの油圧室を構成する上記シリンダとピストンとのうちの何れか一方の部材を、回転軸に締まり嵌めにより圧入嵌合させる。
【0044】
又、請求項5に記載した無段変速装置は、トロイダル型無段変速ユニットと遊星歯車式変速ユニットとを組み合わせると共に、このうちのトロイダル型無段変速ユニットの回転軸に繋がる入力軸と、上記遊星歯車式変速ユニットの構成部材に繋がる出力軸とを備える。
そして、このうちのトロイダル型無段変速ユニットを、上述の様なトロイダル型無段変速機としている。
又、上記遊星歯車式変速ユニットは、上記トロイダル型無段変速ユニットの回転軸と内側ディスクとから動力を伝達されるものであって、動力の伝達経路を2系統に切り換える切換手段を有するものとしている。
【0045】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置によれば、第一のディスクの外側面により構成される油圧室に弾性材となる皿板ばねやシム板を設ける為、1対の油圧室を構成するシリンダ及びピストンのうちで回転軸に締まり嵌めで圧入固定する必要のある部材を総てこの回転軸に圧入固定した後に、上記皿板ばねやシム板の取り付け、交換等の作業を行なえる。言い換えれば、押圧装置を組み立てる際の圧入作業を総て行なってから(圧入作業をまとめて行なってから)、組立、各部材の位置関係を確認する為の測定、分解、皿板ばねやシム板の交換等の作業を行なえる。しかも、組立を行なった状態で各部材の位置関係が適正であれば、前述した先発明に係る構造の様な分解作業をする必要がなくなり、そのままモジュールとしてケーシングに組み付ける事が可能となる。又、上記各部材の位置関係が適正でない場合でも、上記回転軸に軸方向変位自在に支持された上記第一のディスクをこの回転軸から着脱するだけで、上記シム板や皿板ばねを交換できる為、上記先発明に係る構造の様な圧入した部材同士を取り外す必要もなくなる。この為、作業効率の向上を図れ、製造コストの低減や量産化に寄与できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、入力側ディスク2a、2bの入力側面47、47及び出力側ディスク5bの出力側面48、48と各パワーローラ6、6の周面46、46(図7参照)との転がり接触部(トラクション部)に適正な押し付け力を付与する押圧装置10bの構造を工夫する事により、この押圧装置10bの組立性(組み立てのし易さ)を確保する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6〜8に示した先発明に係る構造と同じであるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0047】
本例の押圧装置10bは、力の伝達方向に関して互いに並列に、且つ、入力回転軸1aの軸方向にずらせた状態で設けられた1対のシリンダ部材69、71内にそれぞれピストン部材70、72を嵌装し、これら各シリンダ部材69、71とピストン部材70、72とにより構成される1対の油圧室67、68内に油圧を導入する事により、この油圧に応じた押圧力を発生させるものである。即ち、本例の押圧装置10bの場合、第一のシリンダ部材69と第一のピストン部材70とにより構成される第一の油圧室67と、第二のシリンダ部材71と第二のピストン部材72とにより構成される第二の油圧室68とを備える。このうちの第一のシリンダ部材69は、入力回転軸1aの一端部(図1〜3の左端部)に設けた鍔部73に一側面(図1〜3の左側面)を当接させた状態でこの入力回転軸1aの一端部外周面に締まり嵌めにより圧入嵌合させている。又、上記第一のピストン部材70は、円環状に形成され、上記第一のシリンダ部材69の外周縁に設けられた第一のシリンダ筒74の内周面と上記入力回転軸1aの外周面との間に、シールリングを介して油密に嵌装させている。
【0048】
又、上記第二のシリンダ部材71は、上記入力回転軸1aにボールスプライン3により軸方向変位を自在に支持された(一方の)入力側ディスク2aの外側面と、この入力側ディスク2aの外周縁に設けられた第二のシリンダ筒75とにより構成している。そして、このうちの第二のシリンダ筒75の開口縁を、上記第一のピストン部材70の他側面(図1〜3の右側面)に当接させている。又、上記第二のピストン部材72は、断面L字状に形成され、円筒部76とこの円筒部76の一端縁(図1〜3の左端縁)から径方向外方に突出する円輪部77とを備えた、円環状のものとしている。そして、このうちの円輪部77の一端縁(図1〜3の左端縁)内径側部分を上記入力回転軸1aの一端寄り部に設けた段差面78に当接させた状態で、上記円筒部76を上記入力回転軸1aに締まり嵌めにより圧入嵌合させている。そして、この状態で、上記円輪部77の外周縁を、上記第二のシリンダ筒75の内周面に、シールリングを介して油密に嵌装させている。
【0049】
又、本例の場合には、上記第一、第二の油圧室67、68のうちで、上記一方の入力側ディスク2aの外側面により軸方向片側面を仕切られた上記第二の油圧室68内に、特許請求の範囲に記載した弾性材である皿板ばね81aを設けている。即ち、上記第二の油圧室68を構成する上記第二のシリンダ部材71と上記第二のピストン部材72との間に、これら各部材同士に互いに離れる方向の弾性力を付与する上記皿板ばね81aを設けている。そして、この皿板ばね81により、上記各油圧室67、68内に油圧が導入されない状態でも、上記トラクション部に、動力伝達の為に必要な最低限以上の押し付け力を付与すると共に、同じく油圧が導入されない状態で構成部材同士ががたつくのを防止している。
【0050】
又、これと共に、上記第二のピストン部材72の他端面の外径寄り部分にこの他端面から凹入する状態で凹部86を設け、この凹部86に上記皿板ばね81aと当接する状態で、この皿板ばね81aの弾性力を所望の値に規制する為のシム板82aを設けている。そして、この様なシム板82aにより弾性力を所望の値に規制された上記皿板ばね81aにより、上記第一のピストン部材70を介して押圧される上記一方の入力側ディスク2aに、所望の弾力を付与する様にしている。又、上記凹部86の円周方向複数個所に、この凹部86の内外両周縁同士を連通させる凹溝88、88を形成して、上記皿板ばね81a及びシム板82aの内径側と外径側とに油圧が行き亙る様にしている。尚、本例の場合は、上記一方の入力側ディスク2aが、特許請求の範囲に記載した第一のディスクであると共に一方の外側ディスクに相当し、上記第二の油圧室68が、特許請求の範囲に記載した一方の油圧室に相当する。
【0051】
上述の様に構成する押圧装置10bにより押圧力を発生させる際には、上記入力回転軸1aの中心部に設けた給油通路79及びこの給油通路79と入力回転軸1aの外周面とを連通させた各給油孔80、80を通じて、上記第一、第二の油圧室67、68に油圧を導入する。そして、この油圧に基づき、上記第一のピストン部材70及び入力側ディスク2aを軸方向に押圧し(軸方向に変位させ)、上記トラクション部に適正な押し付け力を付与する。
【0052】
この様に構成し作用する押圧装置10aは、次の様に組み立てを行なう。先ず、入力回転軸1aの一端部に第一のシリンダ部材69を圧入固定する。次に、上記入力回転軸1aの一端寄り部分の外周面と第一のシリンダ筒74の内周面との間に第一のピストン部材70を嵌装する。次に、上記入力回転軸1aの一端寄り部分に第二のピストン部材72を圧入固定する。次に、上記入力回転軸1aの一端寄り部分に一方の入力側ディスク2aを、この入力側ディスク2aの外側面と第二のピストン部材70との間に皿板ばね81a及びシム板82aを挟持した状態で外嵌し、図2の状態とする。
【0053】
そして、図3に示す様に、前述したモジュール65(図8参照)と同様の状態に組み立てて、治具83により上記入力回転軸1aと連結板42とを支持する。即ち、上記図2に示す様な押圧装置10aを組み付けた入力回転軸1a、アクチュエータボディー36、1対の支柱37a、37b、出力側ディスク5b、中空回転軸18a、支持板34a、34b、連結板42、複数のトラニオン7、7及びパワーローラ6、6(図7参照)、他方の入力側ディスク2b、第一、第二の遊星歯車式変速ユニット28、29等の上記モジュール65を構成する部材を、前述したモジュール65を組み立てる場合と同様に組み立てる。
【0054】
そして、上記入力回転軸1aと連結板42とを上記治具83により支持すると共に、上記入力回転軸1aの他端寄り部分(図1、3の右端寄り部分)にローディングナット85を所定のトルクで緊締した状態で、上記皿板ばね81aの弾性力に基づいて上記一方の入力側ディスク2aが所定の位置まで押圧されているか(所定の位置に存在するか)否かを調べる。即ち、上記図3に示す様に、上記第一のシリンダ筒74の開口縁と第一のピストン部材70の他側面との距離Xが、所定の値か否かを測定する。
【0055】
そして、この距離Xが所定の値でない場合には、上記治具83を取り外すと共に、上記入力回転軸2aに第一のシリンダ部材69及び第一、第二のピストン部材70、72を外嵌した状態まで分解し、上記第二の油圧室68内に設けるシム板82aの厚さを変え(違う厚さのシム板82aに交換し)、必要に応じて上記皿板ばね81aも交換する。そして、上記図3に示す状態まで再度組み立てて、上記距離Xが所定の値になるまで、分解、再組立、距離Xの測定を繰り返す。これに対して、この距離Xが所定の値の(若しくは所定の値になった)場合には、上記治具83を取り外して、前述の図8に示した様なモジュール65とする。
【0056】
この様に押圧装置10bの組立を行なう本例の場合には、一方の入力側ディスク2aの外側面により構成される第二の油圧室68に皿板ばね81a及びシム板82aを設ける為、第一のシリンダ部材69及び第二のピストン部材72を入力回転軸1aに圧入固定した後に、上記皿板ばね81a及びシム板82aの組み付け、交換等の作業を行なえる。言い換えれば、上記押圧装置10bを組み立てる際の圧入作業を総て行なってから(圧入作業をまとめて行なってから)、組立、距離Xの測定、分解、上記皿板ばね81aやシム板82aの交換作業等を行なえる。しかも、組立を行なった状態で距離Xの値が適正であれば(各部材の位置関係が適正であれば)、前述した先発明に係る構造の様な分解作業をする必要がなくなり、そのままモジュール65としてケーシング35に組み付ける事が可能となる。又、上記距離Xの値が適正でない(各部材の位置関係が適正でない)場合でも、上記入力回転軸1aにボールスプライン3により軸方向変位自在に支持された上記一方の入力側ディスク2aをこの入力回転軸1aから着脱するだけで、上記シム板82aや皿板ばね81aを交換できる。この為、上記先発明に係る構造の様に、圧入した部材同士を取り外す必要もなくなる。この為、作業効率の向上を図れ、製造コストの低減や量産化に寄与できる。
【0057】
尚、図示は省略するが、入力回転軸と平行に設けた伝達軸に出力側ディスクからの動力を取り出し自在とした構造に、本発明を適用しても良い。又、本例の様な、入力部から出力部への動力の伝達を互いに並列に設けられた2系統に分けて行なう所謂ダブルキャビティ型の構造だけでなく、動力の伝達を1系統で行なうシングルキャビディ型の構造にも、本発明を適用できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、組立性の優れた実用的な構造を実現して、トロイダル型無段変速機及びこのトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の実用化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】回転軸に押圧装置及び一方の外側ディスクを取り付けた状態を示す断面図。
【図3】無段変速機の組立途中の状態を示す断面図。
【図4】従来から知られているトロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。
【図5】従来から知られている無段変速装置の1例を示す略断面図。
【図6】先発明の構造を示す断面図。
【図7】図6の拡大A―A断面図。
【図8】ケーシングに収納する以前に組み立てた無段変速装置の主要部であるモジュールの斜視図。
【図9】押圧装置部分を取り出して示す断面図。
【図10】回転軸に押圧装置を組み付ける初期工程を示す断面図。
【図11】同じく続く工程を示す断面図。
【図12】各部材が所定の位置関係かを調べる為の仮組立の初期工程を示す断面図。
【図13】所定の位置関係にあるかを調べる工程を示す断面図。
【図14】所定の位置関係にあった場合に、続いて行なう工程を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a 入力回転軸
2、2a、2b 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5、5a、5b 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8、8a 支持軸
9 駆動軸
10、10a、10b 押圧装置
11、11a トロイダル型無段変速ユニット
12 遊星歯車式変速ユニット
13 キャリア
14a、14b 遊星歯車素子
15 第一の伝達軸
16a、16b 太陽歯車
17 第二の伝達軸
18、18a 中空回転軸
19 太陽歯車
20 遊星歯車素子
21 リング歯車
22 第二のキャリア
23a、23b 遊星歯車素子
24、24a 出力軸
25 第二のリング歯車
26、26a 低速用クラッチ
27、27a 高速用クラッチ
28 第一の遊星歯車式変速ユニット
29 第二の遊星歯車式変速ユニット
30 第三の遊星歯車式変速ユニット
31 入力軸
32 伝達軸
33 スラストアンギュラ玉軸受
34a、34b 支持板
35 ケーシング
36 アクチュエータボディー
37a、37b 支柱
38a、38b 支持ポスト部
39 支持環部
40 ボルト
41 凹部
42 連結板
43 ボルト
44 凹部
45a、45b 支持孔
46 周面
47 入力側面
48 出力側面
49 天板部
50a、50b 位置決め凹部
51 位置決めスリーブ
52 アクチュエータ
53 第一の太陽歯車
54 第一のキャリア
55 遊星歯車
56 遊星歯車
57 遊星歯車
58 第一のリング歯車
59 第二の太陽歯車
60 第二のキャリア
61 第三の太陽歯車
62 第二のリング歯車
63 遊星歯車
64 遊星歯車
65 モジュール
66 オイルパン
67 第一の油圧室
68 第二の油圧室
69 第一のシリンダ部材
70 第一のピストン部材
71 第二のシリンダ部材
72 第二のピストン部材
73 鍔部
74 第一のシリンダ筒
75 第二のシリンダ筒
76 円筒部
77 円輪部
78 段差面
79 給油通路
80 給油孔
81、81a 皿板ばね
82、82a シム板
83 治具
84 ギヤポンプ
85 ローディングナット
86 凹部
87 切り欠き
88 凹溝

Claims (6)

  1. 回転軸と、この回転軸の中間部に、この回転軸と同期した回転及びこの回転軸の軸方向の変位自在に支持された第一のディスクと、上記回転軸の中間部周囲に、この回転軸に対する相対回転を自在に設けられた第二のディスクと、これら第一のディスク及び第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数の支持部材と、これら各支持部材に支持された状態で上記第一のディスク及び第二のディスクの内側面同士の間に挟持された、その周面を球状凸面としたパワーローラと、上記第一のディスクと第二のディスクとを互いに近づける方向に押圧する押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、この押圧装置は、力の伝達方向に関して互いに並列に、且つ、上記回転軸の軸方向にずらせた状態で設けられた1対のシリンダ内にそれぞれピストンを嵌装し、これら各シリンダとピストンとにより構成される1対の油圧室内へ圧油を導入する事により、この圧油に応じた押圧力を発生させるものであり、これら1対の油圧室のうちで、上記第一のディスクの外側面により軸方向片側面を仕切られた一方の油圧室内に、この第一のディスクとこの一方の油圧室内に嵌装したピストンとに互いに離れる方向の弾性力を付与する弾性材を設けた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 弾性材が皿板ばねであり、一方の油圧室内にこの皿板ばねとこの皿板ばねの弾性力を所望の値に規制する為のシム板とを設けた、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. それぞれの油圧室を構成するシリンダとピストンとのうちの何れか一方の部材を、回転軸に締まり嵌めにより圧入嵌合した、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 互いに同期した回転を自在に設けられた1対の外側ディスクのうちの一方の外側ディスクを回転軸に、この回転軸の軸方向の変位自在に支持する事で、この一方の外側ディスクを第一のディスクとすると共に、上記両外側ディスク同士の間にこれら両外側ディスクと同心に且つこれら両外側ディスクとは独立した回転を自在として設けられた内側ディスクを第二のディスクとし、押圧装置を構成する1対の油圧室のうちで、上記一方の外側ディスクの外側面により軸方向片側面を仕切られた一方の油圧室内に、この一方の外側ディスクとこの一方の油圧室内に嵌装したピストンとに互いに離れる方向の弾性力を付与する弾性材を設けた、請求項1〜3の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
  5. トロイダル型無段変速ユニットと遊星歯車式変速ユニットとを組み合わせると共に、このうちのトロイダル型無段変速ユニットの回転軸に繋がる入力軸と、上記遊星歯車式変速ユニットの構成部材に繋がる出力軸とを備え、
    このうちのトロイダル型無段変速ユニットは、請求項1〜4の何れかに記載されたトロイダル型無段変速機であり、
    上記遊星歯車式変速ユニットは、上記トロイダル型無段変速ユニットの回転軸と内側ディスクとから動力を伝達されるものであって、動力の伝達経路を2系統に切り換える切換手段を有するものである
    無段変速装置。
  6. 遊星歯車式変速ユニットは、トロイダル型無段変速ユニットを構成する1対の外側ディスクにこれら両外側ディスクと同心に結合固定されてこれら両外側ディスクと共に回転するキャリアと、このキャリアの軸方向両側面のうちで他方の外側ディスクに対向する軸方向片面に回転自在に支持された複数の第一の遊星歯車と、上記トロイダル型無段変速ユニットを構成する回転軸の周囲に配置された中空回転軸により内側ディスクに結合された状態で上記各ディスクと同心に且つ回転自在に設けられ、上記各第一の遊星歯車と噛合した第一の太陽歯車と、上記キャリアの他面に回転自在に支持された複数の第二の遊星歯車と、上記各ディスクと同心に且つ回転自在に設けられてこれら各第二の遊星歯車と噛合した第二の太陽歯車と、上記各ディスクと同心に且つ回転自在に設けられて上記各第一の遊星歯車と噛合したリング歯車とを備えたものであり、
    切換手段は、このリング歯車を通じて上記内側ディスクから取り出した動力を出力軸に伝達するモードと、上記第二の太陽歯車を通じてこの内側ディスクから取り出した動力を出力軸に伝達するモードとを選択するものである、
    請求項5に記載した無段変速装置。
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