JP4492007B2 - トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機及び無段変速装置は、自動車用自動変速装置を構成する変速ユニットとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図8〜9に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(後述する図11参照)の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捩れの位置にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】
これら各トラニオン7、7は、両端部外側面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、4の中心軸の方向に対しほぼ直角方向である、捩れの位置に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、各パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】
上記入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム装置10を設け、このローディングカム装置10によって上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転駆動自在としている。
【0005】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記ローディングカム装置10が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図8に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。
【0007】
反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図9に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。これら各変位軸8、8の傾斜角度を図8と図9との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0008】
更に、図10〜11は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側ディスク2との間に、ローディングカム装置10を設けている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車12を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12とが同期して回転する様にしている。
【0009】
1対のトラニオン7、7の両端部に互いに同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板13、13に、揺動並びに軸方向(図10の表裏方向、図11の左右方向)の変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持している。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを互いに偏心させている。そして、このうちの基半部を上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、それぞれの先半部にパワーローラ9、9を回転自在に支持している。
【0010】
尚、上記1対の変位軸8、8は、上記入力軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関して同方向(図11で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ9、9は、上記入力軸11の配設方向に関する若干の変位自在に支持される。
【0011】
又、上記各パワーローラ9、9の外側面と上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、これら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラスト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、15とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、14は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向の変位を自在としている。
【0012】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の場合、入力軸11の回転はローディングカム装置10を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出される。
【0013】
入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、17により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図11の下側のパワーローラ9を同図の右側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図8〜9に示した様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化する。
【0014】
トロイダル型無段変速機による動力伝達時には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーローラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そして、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、14の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。
【0015】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機の場合には、上記入力軸11と出力歯車12との間での動力伝達を2個のパワーローラ9、9により行なっている。従って、各パワーローラ9、9の周面9a、9aと入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの間で伝達される単位面積当たりの力が大きくなり、伝達可能な動力に限界を生じる。この様な事情に鑑みて、トロイダル型無段変速機により伝達可能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増やす事も、従来から考えられている。
【0016】
この様な目的でパワーローラ9、9の数を増やす為の構造の第1例として、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、9を配置し、この3個のパワーローラ9、9によって動力の伝達を行なう事が、例えば特開平3−74667号公報に記載されている様に、従来から知られている。この公報に記載された構造の場合には、図12に示す様に、固定のフレーム18の円周方向等間隔の3個所位置に、それぞれが120度に折れ曲がった支持片19、19の中間部を枢支している。そして、隣り合う支持片19、19同士の間にそれぞれトラニオン7、7を、揺動並びに軸方向の変位を自在に支持している。
【0017】
上記各トラニオン7、7は、それぞれ油圧式のアクチュエータ17、17により、それぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸6の軸方向の変位を自在としている。上記各アクチュエータ17、17を構成する各油圧シリンダ20、20は、制御弁21を介して、油圧源であるポンプ22の吐出口に通じている。この制御弁21は、それぞれが軸方向(図12の左右方向)に変位自在なスリーブ23とスプール24とを備える。
【0018】
それぞれが上記各トラニオン7、7に、変位軸8、8により枢支されたパワーローラ9、9の傾斜角度を変える場合には、制御モータ25により上記スリーブ23を軸方向(図12の左右方向)に変位させる。この結果、上記ポンプ22から吐出された圧油が、油圧配管を通じて上記各油圧シリンダ20、20に送り込まれる。そして、これら各油圧シリンダ20、20に嵌装された、上記各トラニオン7、7を枢軸の軸方向に変位させる為の駆動ピストン26、26が、入力側ディスク2及び出力側ディスク4(図8〜9参照)の回転方向に関して同方向に変位する。又、上記各駆動ピストン26、26の変位に伴って上記各油圧シリンダ20、20から押し出された作動油は、やはり上記制御弁21を含む油圧配管(一部図示せず)を通じて、油溜27に戻される。
【0019】
一方、上記圧油の送り込みに伴う駆動ピストン26の変位は、プリセスカム28、リンク29を介して上記スプール24に伝達され、このスプール24を軸方向に変位させる。この結果、上記駆動ピストン26が所定量変位した状態で、上記制御弁21の流路が閉じられ、上記各油圧シリンダ20、20への圧油の給排が停止される。従って、上記各トラニオン7、7の軸方向に関する変位量は、上記制御モータ25によるスリーブ23の変位量に応じただけのものとなる。
【0020】
更に、トロイダル型無段変速機により伝達可能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増やす為の構造の第2例として、図13に示す様に、入力軸11aの周囲に入力側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個ずつ設け、これら2個ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを動力の伝達方向に関して互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型の構造も、従来から知られている。この図13に示した構造は、上記入力軸11aの中間部周囲に出力歯車12aを、この入力軸11aに対する回転を自在として支持し、この出力歯車12aの中心部に設けた円筒部の両端部に上記各出力側ディスク4、4を、スプライン係合させている。又、上記各入力側ディスク2A、2Bは、上記入力軸11aの両端部に、この入力軸11aと共に回転自在に支持している。この入力軸11aは、駆動軸100により、ローディングカム装置10を介して回転駆動する。この様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合には、入力軸11aから出力歯車12aへの動力の伝達を、一方の入力側ディスク2Aと出力側ディスク4との間と、他方の入力側ディスク2Bと出力側ディスク4との間との、2系統に分けて行なうので、大きな動力の伝達を行なえる。
【0021】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成する事が、特開平1−169169号公報、同1−312266号公報、同10−196759号公報、同11−63146号公報等に記載されている様に、従来から提案されている。即ち、低速走行時にはエンジンの駆動力をトロイダル型無段変速機のみで伝達し、高速走行時には上記駆動力を遊星歯車機構で伝達する事により、高速走行時に上記トロイダル型無段変速機に加わるトルクの低減を図る様にしている。この様に構成する事により、上記トロイダル型無段変速機の構成各部材の耐久性を向上させる事ができる。
【0022】
図14は、上記各公報のうちの特開平11−63146号公報に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機30と遊星歯車機構31とを組み合わせて成る。そして、低速走行時には動力をこのトロイダル型無段変速機30のみで伝達し、高速走行時には動力を、主として上記遊星歯車機構31により伝達すると共に、この遊星歯車機構31による変速比を、上記トロイダル型無段変速機30の変速比を変える事により調節自在としている。
【0023】
この為に、上記トロイダル型無段変速機30の中心部を貫通し、両端部に1対の入力側ディスク2A、2Bを支持した入力軸11aの先端部(図14の右端部)と上記遊星歯車機構31を構成するリング歯車32を支持した支持板33の中心部に固定した伝達軸34とを、高速用クラッチ35を介して結合している。尚、上記1対の入力側ディスク2A、2Bのうち、先端側(図14の右側)の入力側ディスク2Bは上記入力軸11aに対し、例えば前述の図13に示した従来構造の場合と同様にして、この入力軸11aと同期した回転並びにこの入力軸11aの軸方向に関する実質的な移動を阻止した状態で支持している。これに対して基端側(図14の左側)の入力側ディスク2Aは上記入力軸11aに対し、例えばやはり図13に示した従来構造の場合と同様にして、この入力軸11aと同期した回転並びにこの入力軸11aの軸方向に関する移動自在に支持している。何れにしても、上記トロイダル型無段変速機30の構成は、次述する押圧装置36の点を除き、前述の図13に示した従来構造の場合と、実質的に同様である。
【0024】
又、駆動源であるエンジン37のクランクシャフト38の出力側端部(図14の右端部)と上記入力軸11aの入力側端部(=基端部=図14の左端部)との間に、発進クラッチ39と油圧式の押圧装置36とを、動力の伝達方向に関して互いに直列に設けている。この押圧装置36には、図示しない制御器の信号に基づき、上記クランクシャフト38から前記トロイダル型無段変速機30に伝えられる動力の大きさ(トルク)に応じた押圧力を発生できるだけの、所望の油圧を導入自在としている。
【0025】
又、上記入力軸11aの回転に基づく動力を取り出す為の出力軸40を、この入力軸11aと同心に配置している。そして、この出力軸40の周囲に前記遊星歯車機構31を設けている。この遊星歯車機構31を構成する太陽歯車41は、上記出力軸40の入力側端部(図14の左端部)に固定している。従ってこの出力軸40は、上記太陽歯車41の回転に伴って回転する。この太陽歯車41の周囲には前記リング歯車32を、上記太陽歯車41と同心に、且つ回転自在に支持している。そして、このリング歯車32の内周面と上記太陽歯車41の外周面との間に、それぞれが1対ずつの遊星歯車42a、42bを組み合わせて成る、複数の遊星歯車組43、43を設けている。これら1対ずつの遊星歯車42a、42bは、互いに噛合すると共に、外径側に配置した遊星歯車42aが上記リング歯車32に噛合し、内径側に配置した遊星歯車42bが上記太陽歯車41に噛合している。この様な遊星歯車組43、43は、キャリア44の片側面(図14の左側面)に回転自在に支持している。又、このキャリア44は、上記出力軸40の中間部に、回転自在に支持している。
【0026】
又、上記キャリア44と、前記トロイダル型無段変速機30を構成する1対の出力側ディスク4、4とを、第一の動力伝達機構45により、回転力の伝達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機構45は、上記入力軸11a及び上記出力軸40と平行な伝達軸46と、この伝達軸46の一端部(図14の左端部)に固定したスプロケット47aと、上記各出力側ディスク4、4に固定したスプロケット47bと、これら両スプロケット47a、47b同士の間に掛け渡したチェン48と、上記伝達軸46の他端(図14の右端)と上記キャリア44とにそれぞれ固定されて互いに噛合した第一、第二の歯車49、50とにより構成している。従って上記キャリア44は、上記各出力側ディスク4、4の回転に伴って、これら出力側ディスク4、4と反対方向に、上記第一、第二の歯車49、50の歯数に応じた速度で回転する。尚、これは、上記1対のスプロケット47a、47bの歯数が互いに同じ場合である。
【0027】
一方、上記入力軸11aと上記リング歯車32とは、この入力軸11aと同心に配置された前記伝達軸34を介して、回転力の伝達を可能な状態に接続自在としている。この伝達軸34と上記入力軸11aとの間には、前記高速用クラッチ35を、これら両軸34、11aに対し直列に設けている。従って本例の場合には、請求項2に記載した第二の動力伝達機構53は、上記伝達軸34が構成する。そして、上記高速用クラッチ35の接続時にこの伝達軸34は、上記入力軸11aの回転に伴って、この入力軸11aと同方向に同速で回転する。
【0028】
又、無段変速装置は、請求項4に記載したモード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。このクラッチ機構は、上記高速用クラッチ35と、上記キャリア44の外周縁部と上記リング歯車32の軸方向一端部(図14の右端部)との間に設けた低速用クラッチ51と、このリング歯車32と無段変速装置のハウジング(図示省略)等、固定の部分との間設けた後退用クラッチ52とから成る。各クラッチ35、51、52は、何れか1個のクラッチが接続された場合には、残り2個のクラッチの接続が断たれる。
【0029】
上述の様に構成する無段変速装置は、先ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ51を接続すると共に、上記高速用クラッチ35及び後退用クラッチ52の接続を断つ。この状態で上記発進クラッチ39を接続し、前記入力軸11aを回転させると、トロイダル型無段変速機30のみが、この入力軸11aから上記出力軸40に動力を伝達する。この様な低速走行時には、それぞれ1対ずつの入力側ディスク2A、2Bと、出力側ディスク4、4との間の変速比を、前述の図13に示したトロイダル型無段変速機単独の場合と同様にして調節する。
【0030】
これに対して、高速走行時には、上記高速用クラッチ35を接続すると共に、上記低速用クラッチ51及び後退用クラッチ52の接続を断つ。この状態で上記発進クラッチ39を接続し、上記入力軸11aを回転させると、この入力軸11aから上記出力軸40には、前記伝達軸34と前記遊星歯車機構31とが、動力を伝達する。即ち、上記高速走行時に上記入力軸11aが回転すると、この回転は上記高速用クラッチ35及び伝達軸34を介してリング歯車32に伝わる。そして、このリング歯車32の回転が複数の遊星歯車組43、43を介して太陽歯車41に伝わり、この太陽歯車41を固定した上記出力軸40を回転させる。この状態で、上記トロイダル型無段変速機30の変速比を変える事により上記各遊星歯車組43、43の公転速度を変化させれば、上記無段変速装置全体としての変速比を調節できる。
【0031】
即ち、上記高速走行時に上記各遊星歯車組43、43が、上記リング歯車32と同方向に公転する。そして、これら各遊星歯車組43、43の公転速度が遅い程、上記太陽歯車41を固定した出力軸40の回転速度が速くなる。例えば、上記公転速度とリング歯車32の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、上記リング歯車32と出力軸40の回転速度が同じになる。これに対して、上記公転速度がリング歯車32の回転速度よりも遅ければ、上記リング歯車32の回転速度よりも出力軸40の回転速度が速くなる。反対に、上記公転速度がリング歯車32の回転速度よりも速ければ、上記リング歯車32の回転速度よりも出力軸40の回転速度が遅くなる。
【0032】
従って、上記高速走行時には、前記トロイダル型無段変速機30の変速比を減速側に変化させる程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。この様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変速機30に、入力側ディスク2A、2Bからではなく、出力側ディスク4からトルクが加わる(低速時に加わるトルクをプラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わる)。即ち、前記高速用クラッチ35を接続した状態では、前記エンジン37から入力軸11aに伝達されたトルクは、前記伝達軸34を介して前記遊星歯車機構31のリング歯車32に伝達される。従って、入力軸11aの側から各入力側ディスク2A、2Bに伝達されるトルクは殆どなくなる。
【0033】
一方、前記第二の動力伝達装置53を介して前記遊星歯車機構31のリング歯車32に伝達されたトルクの一部は、前記各遊星歯車組43、43から、キャリア44及び第一の動力伝達機構45を介して各出力側ディスク4、4に伝わる。この様に各出力側ディスク4、4からトロイダル型無段変速機30に加わるトルクは、無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダル型無段変速機30の変速比を減速側に変化させる程小さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無段変速機30に入力されるトルクを小さくして、このトロイダル型無段変速機30の構成部品の耐久性向上を図れる。
【0034】
更に、自動車を後退させるべく、前記出力軸40を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両クラッチ51、35の接続を断つと共に、前記後退用クラッチ52を接続する。この結果、上記リング歯車32が固定され、上記各遊星歯車組43、43が、このリング歯車32並びに前記太陽歯車41と噛合しつつ、この太陽歯車41の周囲を公転する。そして、この太陽歯車41並びにこの太陽歯車41を固定した出力軸40が、前述した低速走行時並びに上述した高速走行時とは逆方向に回転する。
【0035】
尚、上述した無段変速装置は、高速走行時にトロイダル型無段変速機30を通過するトルクを低減する事を目的とした、所謂パワー・スプリット式と呼ばれるものである。この方式の無段変速装置の場合には、入力軸11aを回転させたまま出力軸40を停止させる事はできない為、発進クラッチ39が必要になる。これに対して、遊星歯車機構の仕様並びにこの遊星歯車機構とトロイダル型無段変速機との組み合わせを工夫する事により、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させられる、所謂ギヤード・ニュートラル式と呼ばれる無段変速装置も、例えば特開平11−63148号公報、英国特許公報GB2 256 015 A等に記載されている。このギヤード・ニュートラル式の無段変速装置の場合、出力軸の停止若しくは低速回転時にトロイダル型無段変速機を通過するトルクが大きくなる代わりに発進クラッチを省略できる。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
前述した各従来技術のうち、図14に示した無段変速装置が、耐久性を確保しつつ大きなトルクの伝達を可能にする点からは優れているが、十分な耐久性を確保しつつより大きなトルクを伝達可能にする事を考慮した場合、単に従来技術を組み合わせただけでは、十分に対応できない可能性がある。即ち、図14に示した構造で大きなトルク伝達を行なう構造を実現する事を考慮した場合、発進クラッチ39の出力部と入力軸11aとの間、この入力軸11aと高速用クラッチ35との間で、それぞれ大きな動力を伝達する必要が生じる。これに対して従来は、これら各部で大きなトルクを伝達可能な、実用的な構造が知られていなかった。例えば、特開平11−303961号公報には、出力側ディスクの外側面内径寄り部分とスリーブの端部とを凹凸係合させた構造が記載されているが、トルク伝達部の直径が小さい為、必ずしも大きなトルクの伝達を行なえない。
本発明の無段変速装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に配置されてこの入力軸とは独立した回転を自在とされた出力側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間に設けられ、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出した、これら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、これら各変位軸に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスクと出力側ディスクとの内側面同士の間に挟持された、上記各トラニオン毎に1個ずつのパワーローラとを備える。
【0038】
特に、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機に於いては、上記入力側ディスクと出力側ディスクとのうちの少なくとも一方のディスクの外側面の一部で、この外側面の内周縁から、この外側面の径方向に関する幅寸法の丁度1/2だけ外径寄り位置として規定されるこの外側面の中央部よりも当該ディスクの外周縁寄り部分である、この外側面の外径寄り半部に突設した複数の凸部と、当該ディスクとの間でトルクの伝達を行なわせる伝達部材に設けた伝達用突片の先端部とを係合させる事で、当該ディスクと伝達部材との間でのトルク伝達を可能としている。更に、上記各凸部の外周面よりも径方向に関して外側に位置する、上記外側面の外径寄り部分に平坦部を形成している。
【0040】
又、請求項2に記載した無段変速装置は、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構と、第一の動力伝達機構と、第二の動力伝達機構とを備える。
このうちの入力軸は、駆動源につながってこの駆動源により回転駆動されるものである。
又、上記出力軸は、上記入力軸の回転に基づく動力を取り出す為のものである。
又、上記トロイダル型無段変速機は、上記入力軸の両端部に支持されてこの入力軸の回転に伴って回転する1対の入力側ディスクと、それぞれの内側面をこれら各入力側ディスクの内側面に対向させた状態で上記入力軸の中間部周囲にこれら各入力側ディスクと同心に配置され、これら各入力側ディスクとは独立した、且つ互いに同期した回転を自在とされた1対の出力側ディスクと、これら各入力側ディスクと各出力側ディスクとの間に設けられ、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心として揺動する、1対の入力側ディスク及び出力側ディスク毎に複数個ずつのトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出した、これら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、これら各変位軸に回転自在に支持された状態で、上記各入力側ディスクと各出力側ディスクとの内側面同士の間に挟持された、上記各トラニオン毎に1個ずつのパワーローラと、油圧に基づいて上記各入力側ディスクと上記各出力側ディスクとがこれら各パワーローラを挟持する力を、これら各入力側ディスクと各出力側ディスク同士の間で伝達する力の大きさに対応して付与する、動力の伝達方向に関して上記入力軸に対し並列に、且つこの入力軸の周囲に設けられた押圧装置とを備える。
又、前記遊星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽歯車の周囲に配置したリング歯車との間に設けられてこの太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに回転自在に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリング歯車とに噛合させて成るものであり、前記第一の動力伝達機構を通じて送られる動力と前記第二の動力伝達機構を通じて送られる動力とを、上記太陽歯車と上記リング歯車と上記キャリアとのうちの2個の部材に伝達自在とすると共に、これら太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの残りの1個の部材に上記出力軸を結合している。
又、上記第一の動力伝達機構は、前記入力軸に入力された動力を前記トロイダル型無段変速機を介して伝達するものである。
又、上記第二の動力伝達機構は、上記入力軸に入力された動力を上記トロイダル型無段変速機を介する事なく伝達するもので、伝達軸を有し、上記入力軸の一端部に支持された一方の入力側ディスクの外側面の一部で、この外側面の内周縁から、この外側面の径方向に関する幅寸法の丁度1/2だけ外径寄り位置として規定されるこの外側面の中央部よりも当該ディスクの外周縁寄り部分である、この外側面の外径寄り半部に突設した複数の凸部と上記伝達軸の端部から径方向外方に伸びた伝達用突片の先端部とを係合させる事で、上記一方の入力側ディスクから上記伝達軸への回転力の伝達を自在としている。
更に、上記各凸部の外周面よりも径方向に関して外側に位置する、上記外側面の外径寄り部分に平坦部を形成している。
【0041】
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、上記入力軸の他端部外周面に外向フランジ状の鍔部を備え、この鍔部の外周縁部に形成した複数の切り欠きと駆動軸の先端部に形成した駆動用凸部とを係合させる事により、この駆動軸により上記入力軸を回転駆動自在とする。
更に、自動車用自動変速装置を構成する変速ユニットとして利用する場合等、低速時に大きなトルクを必要としたり、回転方向を逆転する必要がある場合には、請求項4に記載した様に、上記入力軸に入力された動力が上記第一の動力伝達機構と上記第二の動力伝達機構とを通じて上記遊星歯車機構に送られる状態を切り換えるモード切換手段を設ける。
そして、このモード切換手段は、上記第一の動力伝達機構のみで動力の伝達を行なう第一のモードと、この第一の動力伝達機構と上記第二の動力伝達機構との双方で動力の伝達を行なう第二のモードと、この第一の動力伝達機構のみで動力の伝達を行なうと共に上記出力軸の回転方向を上記第一、第二のモードの場合とは逆にする第三のモードとの切換を行なう。
【0042】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置が、入力側ディスクと出力側ディスクとの間、或は入力軸と出力軸との間で動力を伝達すると共に、これら両ディスク同士或は両軸同士の間の変速比を変化させる場合に於ける基本的な作用は、前述の図8〜14に示した、従来から知られているトロイダル型無段変速機或は無段変速装置の場合と同様である。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機或は無段変速装置の場合には、ディスクの外側面の外径寄り半部に形成した複数の凸部とトルクの伝達を行なわせる伝達部材に設けた伝達用突片の先端部との係合により、動力伝達部で大きなトルク伝達を無理なく行なえる。
更に、当該ディスクの内側面の仕上加工時に、上記各凸部を形成したディスクの外側面の外径寄り部分に形成した平坦部を利用して、当該ディスクの外側面外径寄り部分を支えられる。
【0043】
【発明の実施の形態】
図1〜7は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、図示の例は、トロイダル型無段変速機30aと遊星歯車機構31aとを組み合わせて無段変速装置を構成した場合に就いて示している。この無段変速装置は、入力軸11bと、出力軸40aと、上記トロイダル型無段変速機30aと、上記遊星歯車機構31aと、第一の動力伝達機構45aと、第二の動力伝達機構53とを備える。このうちの入力軸11bは、エンジン37(図14参照)等の駆動源につながって、この駆動源により回転駆動される。又、上記出力軸40aは、上記入力軸11bの回転に基づく動力を取り出す為のもので、図示しないデファレンシャルギヤ等を介して、やはり図示しない車輪駆動軸に接続される。
【0044】
又、上記トロイダル型無段変速機30aは、前述の図13〜14に示した様なダブルキャビティ型で、且つ、各キャビティ内にトラニオン7、7及びパワーローラ9、9を3個ずつ、合計6個設けたものである。この様なトロイダル型無段変速機30aを構成する為に、上記入力軸11bの両端部に1対の入力側ディスク2A、2Bを、互いの内側面2a、2a同士を対向させた状態で、上記入力軸11bと同期した回転自在に支持している。このうち、基端側(駆動源側で、図1〜2の左側)の入力側ディスク2Aは上記入力軸11bに、ボールスプライン54を介して、軸方向の変位自在に支持している。これに対して、先端側(駆動源から遠い側で、図1、2の右側)の入力側ディスク2Bは、上記入力軸11bの先端部にスプライン係合させた状態でその背面をローディングナット55により抑える事により、上記入力軸11bに固定している。
【0045】
そして、この入力軸11bの中間部周囲で上記1対の入力側ディスク2A、2B同士の間部分に1対の出力側ディスク4、4を、それぞれの内側面4a、4aを上記各入力側ディスク2A、2Bの内側面2a、2aに対向させた状態で、互いに同期した回転自在に支持している。そして、上記各入力側ディスク2A、2Bと上記各出力側ディスク4、4との内側面2a、4a同士の間に、それぞれがトラニオン7、7の内側面に回転自在に支持されたパワーローラ9、9を挟持している。
【0046】
これら各トラニオン7、7を支持する為に、ケーシング5aの内面に設けた取付部56にフレーム57を、このフレーム57の外径側端部3個所位置の取付孔58、58に挿通したスタッド59、59と、これら各スタッド59、59に螺合したナット60、60とにより結合固定している。図示の例では、これら各スタッド59、59及びナット60、60により、上記取付部56とフレーム57との間に、ギヤハウジング61を固定している。このギヤハウジング61の内径側には、上記1対の出力側ディスク4、4をその両端部に凹凸係合させた出力スリーブ62を、1対の転がり軸受63、63により回転自在に支持すると共に、この出力スリーブ62の中間部外周面に設けた出力歯車12bを、上記ギヤハウジング61の内部に収納している。
【0047】
又、上記フレーム57は全体を星形に形成すると共に、その径方向中間部乃至は外径側部分を二股に形成して、3個所の保持部64、64を、円周方向等間隔に形成している。そして、これら各保持部64、64の径方向中間部に、それぞれ支持片19a、19aの中間部を、第二の枢軸65、65により枢支している。これら各支持片19a、19aは、これら第二の枢軸65、65の周囲に配置される円筒状の取付部66と、この取付部66の外周面から径方向外方に突出した1対の支持板部67、67とから成る。これら1対の支持板部67、67同士の交差角度は120度である。従って、円周方向に隣り合う支持片19a、19aの支持板部67、67同士は、互いに平行である。
【0048】
この様な各支持板部67、67には、それぞれ円孔68、68を形成している。上記各支持片19a、19aが中立状態にある場合、円周方向に隣り合う支持片19a、19aの支持板部67、67に形成した円孔68、68同士は互いに同心である。そして、これら各円孔68、68内に、各トラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6を、ラジアルニードル軸受69、69により支持している。これら各ラジアルニードル軸受69、69を構成する外輪70、70の外周面は、球状凸面としている。この様な外輪70、70は上記各円孔68、68内に、がたつきなく、且つ揺動変位自在に内嵌している。又、上記各支持板部67、67の一部には、上記各円孔68、68と同心で円弧状の長孔71、71を形成し、これら各長孔71、71に、上記各トラニオン7、7の端面(肩部)に突設したスタッド72、72を緩く係合させて、上記各枢軸6、6を中心とする上記各トラニオン7、7の傾斜角度を制限する為のストッパ機構を構成している。
【0049】
この様にして前記ケーシング5a内に支持した上記各トラニオン7、7の内側面には、前述した従来構造と同様に、変位軸8を介してパワーローラ9、9を支持している。そして、これら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと、前記各ディスク2A、2B、4の内側面2a、4aとを当接させている。又、基端側の入力側ディスク2Aと前記入力軸11bとの間に、油圧式の押圧装置36aを組み付けて、上記各面9a、2a、4a同士の当接部(トラクション部)の面圧を確保し、前記トロイダル型無段変速機30aによる動力の伝達を効率良く行なえる様にしている。
【0050】
上記押圧装置36aを構成する為に、上記入力軸11bの外周面の基端寄り部分に、外向フランジ状の鍔部73を固設すると共に、上記基端側の入力側ディスク2Aにシリンダ筒74を、この入力側ディスク2Aの外側面(図1、2の左面)から軸方向に突出する状態で、油密に外嵌支持している。上記シリンダ筒74の内径は、軸方向中間部で小さく、両端部で大きくなっており、上記入力側ディスク2Aは、このうちの先端側の大径部分に、油密に且つ軸方向の変位自在に内嵌されている。又、上記シリンダ筒74の中間部内周面には、内向フランジ状の仕切板部75を設けている。更に、上記シリンダ筒74の内周面と上記入力軸11bの外周面との間に、第一ピストン部材76を設けている。
【0051】
この第一ピストン部材76は、上記入力軸11bに外嵌自在な支持筒部77の中間部外周面に、外向フランジ状の隔壁板78を形成したもので、この隔壁板78の外周縁を上記シリンダ筒74の内周面中間部の小径部分に、油密に且つ軸方向の変位自在に摺接させている。又、この状態で上記仕切板部75の内周縁を、上記支持筒部77の外周面に、油密に且つ軸方向の変位自在に摺接させている。更に、上記支持筒部77の基端部外周面と上記シリンダ筒74の基端部内周面との間には、円輪状の第二ピストン部材79を設けている。この第二ピストン部材79は、その基端側側面を上記鍔部73に当接させる事により軸方向の変位を阻止すると共に、内外両周縁と上記支持筒部77の基端部外周面及び上記シリンダ筒74の基端部内周面との間の油密を保持している。
【0052】
又、上記仕切板部75を備えた上記シリンダ筒74は、この仕切板部75と上記第二ピストン部材79との間に設けた、皿板ばね80等の予圧ばねにより、上記入力側ディスク2Aに向け押圧している。従ってこの入力側ディスク2Aは、少なくとも(前記押圧装置36a内に圧油を導入していない状態でも)上記皿板ばね80の弾力に見合う押圧力により押圧され、前記各面9a、2a、4a同士の当接部に、この弾力に見合う面圧を付与する。従って、この弾力は、前記トロイダル型無段変速機30aにより極く小さな動力の伝達を行なう際に、上記各面9a、2a、4a同士の各当接部で(不可避であるスピンを除く)滑りが生じない程度に規制する。
【0053】
又、上記第二ピストン部材79と上記仕切板部75との間、並びに前記隔壁板78と上記入力側ディスク2Aとの間にそれぞれ存在する油圧室内に、前記入力軸11bの中心孔81を介して、油圧を導入自在としている。この中心孔81は、図示しない油圧調整弁を介して、やはり図示しない、加圧ポンプ等の油圧源に通じている。上記トロイダル型無段変速機30aを含む無段変速装置の運転時には、伝達すべき動力の大きさに応じて上記油圧調整弁により調整された油圧を、上記各油圧室内に導入し、上記入力側ディスク2Aを押圧して、上記各面9a、2a、4a同士の各当接部に、上記動力の大きさに見合う面圧を付与する。
【0054】
この際に各当接部に付与される面圧は、油圧に基づくものと上記皿板ばね80に基づくものとの合計となる。従って、動力伝達時に上記各当接部での滑り防止を図る為に必要とする油圧は、上記皿板ばね80の弾力分だけ低くて済み、この皿板ばね80を設けた分だけ、上記油圧源の駆動に基づく損失(ポンプロス)を低く抑えられる。又、図示の例では、前記押圧装置36aをダブルピストン型として、直径を大きくする事なく受圧面積を確保し、必要とする押圧力を確保する為の油圧を低く抑えている為、この面からもポンプロスを低く抑える事ができる。尚、上記油圧を調整する際に考慮する要素は、伝達すべき動力の大きさに加えて、変速比、トラクションオイルの温度等、上記トロイダル型無段変速機30aの運転に影響を及ぼす、各種要素を取り入れる事ができる。
【0055】
又、駆動軸82から前記入力軸11bへの回転力の伝達を、前記鍔部73を介して行なう様にしている。この為に、この鍔部73の外周縁部複数個所に、図6〜7に示す様な切り欠き83、83を形成すると共に、これら各切り欠き83、83と、上記駆動軸82の端部に形成した駆動用凸部84、84とを係合させている。この為に本例の場合には、上記駆動軸82の端部に外向フランジ状の連結部85を設け、この連結部85の片面外径寄り端部に、上記各駆動用凸部84、84を突設している。
【0056】
更に、前記各トラニオン7、7に油圧式のアクチュエータ17a、17bを設けて、これら各トラニオン7、7を、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位駆動自在としている。このうち、図3の下側中央部のトラニオン7は、それぞれが(押し出し方向の力のみ得られる)単動型であり押圧方向を互いに反対方向とした1対のアクチュエータ17a、17aにより、それぞれ梃子腕86、86を介して、両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位駆動自在としている。上記トラニオン7を変位させる場合には、何れか一方のアクチュエータ17aの油圧室にのみ圧油を送り込み、他方のアクチュエータ17aの油圧室は解放状態とする。これに対して、図3の上部両側のトラニオン7、7は、それぞれ(圧油の給排方向の切換に基づいて押し出し方向又は引き込み方向の力を得られる)複動型のアクチュエータ17b、17bにより、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位駆動自在としている。
【0057】
前記トロイダル型無段変速機30aに設けた、合計6個のトラニオン7、7の変位は、制御弁21(図12参照)により上記各アクチュエータ17a、17bに等量の圧油を給排する事により、互いに同期して、同じ長さずつ行なう。この為に、何れか(図示の例では図3の上部左側)のトラニオン7と共に変位するロッド87の端部にプリセスカム28を固定し、このトラニオン7の姿勢を、リンク29を介して、上記制御弁21のスプール24に伝達自在としている。
【0058】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機30a単独での作用は、次の通りである。運転時には前記押圧装置36aにより基端側の入力側ディスク2Aを押圧しつつ、前記入力軸11bを回転させる。この結果、この入力軸11bの両端部に設けられた1対の入力側ディスク2A、2Bが、前記各出力側ディスク4、4に向け押圧されつつ回転する。この回転は、前記各パワーローラ9、9を介して上記各出力側ディスク4、4に伝わり、これら両出力側ディスク4、4の回転が、前記出力スリーブ62と出力歯車12bとを通じて取り出される。
【0059】
上記各入力側ディスク2A、2Bと上記各出力側ディスク4、4との間の変速比を変えるべく、上記各パワーローラ9、9を支持した上記各トラニオン7、7を揺動変位させる際には、前記各アクチュエータ17a、17bにより上記各トラニオン7、7を、それその両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に、上記各入力側ディスク2A、2B及び上記各出力側ディスク4、4の円周方向に関して、同方向に同じストローク分だけ変位させる。この様に上記各トラニオン7、7を変位させる事に伴って、前述した従来構造の場合と同様に、これら各トラニオン7、7に支持されたパワーローラ9、9の周面9a、9aと、入力側、出力側各ディスク2A、2B、4の内側面2a、4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化し、前述の図8〜9に示した様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化して、変速比が変化する。
【0060】
一方、上記各アクチュエータ17a、17bへの圧油の給排に伴う、前記図3の上部左側のトラニオン7の変位は、前記プリセスカム28とリンク29とを介して前記スプール24に伝達され、このスプール24を軸方向に変位させる。この結果、上記各アクチュエータ17a、17bが所定量ストロークした状態で、前記制御弁21の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ17a、17bへの圧油の給排が停止される。従って、上記各トラニオン7、7の、枢軸6、6の軸方向の変位量は、制御モータ25によるスリーブ23(図12参照)の変位量に応じただけのものとなる。
【0061】
トロイダル型無段変速機30aの構造及び作用は、上述の通りであるが、このトロイダル型無段変速機30aと組み合わされる、前記遊星歯車機構31aは、太陽歯車41と、リング歯車32と、遊星歯車組43、43とを備える。このうちの太陽歯車41は、前記出力軸40aの入力側端部(図1の左端部)に固定している。従ってこの出力軸40aは、上記太陽歯車41の回転に伴って回転する。この太陽歯車41の周囲には上記リング歯車32を、上記太陽歯車41と同心に、且つ回転自在に支持している。そして、このリング歯車32の内周面と上記太陽歯車41の外周面との間に、それぞれが1対ずつの遊星歯車42a、42bを組み合わせて成る、複数組の遊星歯車組43、43を設けている。そして、これら1対ずつの遊星歯車42a、42bは、互いに噛合すると共に、外径側に配置した遊星歯車42aを上記リング歯車32に噛合させ、内径側に配置した遊星歯車42bを上記太陽歯車41に噛合させている。この様な遊星歯車組43、43は、キャリア44の片側面(図1の左側面)に回転自在に支持している。又、このキャリア44は、上記出力軸40aの中間部周囲に、回転自在に支持している。
【0062】
又、上記キャリア44と前記トロイダル型無段変速機30aを構成する1対の出力側ディスク4、4とを、前記第一の動力伝達機構45aにより、回転力の伝達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機構45aを構成する為に、前記入力軸11b及び上記出力軸40aと平行な伝達軸46aを設け、この伝達軸46aの一端部(図1の左端部)に固定した歯車88を、前記出力歯車12bと噛合させている。又、上記出力軸40aの中間部周囲にスリーブ89を回転自在に配置し、このスリーブ89の外周面に支持した歯車90と、上記伝達軸46aの他端部(図1の右端部)に固設した歯車91とを、図示しないアイドラ歯車を介して噛合させている。更に、上記スリーブ89の周囲に上記キャリア44を、円環状の結合ブラケット101を介して、このスリーブ89と同期した回転自在に支持している。従って上記キャリア44は、上記各出力側ディスク4、4の回転に伴って、これら出力側ディスク4、4と反対方向に、上記各歯車12b、88、90、91の歯数に応じた速度で回転する。又、上記キャリア44と上記出力軸40aとの間に、低速用クラッチ51aを設けている。
【0063】
一方、上記入力軸11bと前記リング歯車32とは、この入力軸11bの先端部に支持した入力側ディスク2Bと、この入力軸11bと同心に配置された伝達軸34aとを介して、回転力の伝達を可能な状態に接続自在としている。この為に、上記入力側ディスク2Bの外側面(図1、2の右側面)の一部で、径方向に関してこの外側面の中央部よりも外径寄り半部に、図4〜5に示す様に、複数の凸部92、92を突設している。本例の場合には、これら各凸部92、92は、それぞれ円弧状で、上記入力側ディスク2Bの中心軸をその中心とする同一円弧上に、間欠的に且つ等間隔に配置している。そして、円周方向に隣り合う凸部92、92の円周方向端面同士の間を、係止切り欠き93、93としている。言い換えれば、上記入力側ディスク2Bの外側面に突設した短円筒部を等間隔で除去する事により上記各係止切り欠き93、93を形成し、円周方向に隣り合う係止切り欠き93、93同士の間を、上記各凸部92、92としている。
【0064】
一方、請求項1に記載した伝達部材である、上記伝達軸34aの基端部には、円すい筒状の伝達筒部94を介して伝達フランジ95を設けている。そして、この伝達フランジ95の外周縁部に、上記各係止切り欠き93、93と同数の伝達用突片96、96を、円周方向に関して等間隔に形成している。そして、これら各伝達用突片96、96と上記各係止切り欠き93、93とを係合させて、上記入力側ディスク2Bと上記伝達軸34aとの間でのトルク伝達を可能にしている。上記各伝達用突片96、96と上記各係止切り欠き93、93との係合部の径は十分に大きいので、上記入力側ディスク2Bと上記伝達軸34aとの間で、十分に大きなトルクを伝達自在である。
【0065】
尚、上記入力側ディスク2Bと上記伝達軸34aとの間で伝達可能なトルクを少しでも大きくする為には、上記各凸部92、92を、上記入力側ディスク2Bの外側面の外径寄り端部(外周縁部)に形成する事が好ましい。但し、上記各凸部92、92を上記入力側ディスク2Bの外側面の外径寄り端部に形成した場合、この入力側ディスク2Bの内側面2aの仕上精度を確保する事が難しくなる。即ち、パワーローラ9の周面9aとの転がり接触に基づいてトルク伝達を行なう、上記内側面2aは、形状並びに寸法精度を厳密に仕上げる必要がある。この内側面2aの仕上加工は、上記入力側ディスク2Bの外側面を支えつつ、この内側面2aに砥石を強く押し付ける事により行なう。この際に、上記入力側ディスク2Bの弾性変形を抑え、上記形状並びに寸法精度を厳密に仕上げる為には、上記外側面の外径寄り部分を支える必要がある。
【0066】
この為、上記各凸部92、92の外周面よりも径方向に関して外側に位置する、上記外側面の外径寄り部分に、例えば径方向に関する幅W97が10mm以上の平坦部97を形成し、この平坦部97を利用して、上記仕上加工時に上記入力側ディスク2Bの外側面外径寄り部分を支えられる様にしている。又、前記各伝達用突片96、96の円周方向に関する長さは、前記各係止切り欠き93、93の円周方向に関する幅とできるだけ近くして、これら各係止切り欠き93、93内に上記各伝達用突片96、96を、がたつきなく係合させられる様にしている。
【0067】
又、前記伝達軸34aの先端部(図1の右端部)は、前記太陽歯車41の中心部に、回転自在に支持している。更に、上記伝達軸34aの中間部周囲に前記リング歯車32を、円環状の結合ブラケット98と後述する高速用クラッチ35aとを介して、上記伝達軸34aと同期した回転自在に支持している。従って上記リング歯車32は、上記高速用クラッチ35aの接続時には、上記入力軸11bの回転に伴って、この入力軸11bと同方向に同速で回転する。
【0068】
又、無段変速装置は、請求項4に記載したモード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。このクラッチ機構は、上記高速用クラッチ35aと、前記低速用クラッチ51aと、上記リング歯車32と無段変速装置のハウジング内に設けた固定壁99等、固定の部分との間に設けた後退用クラッチ52aとから成る。各クラッチ35a、51a、52aは、何れも湿式多板クラッチであって、それぞれに付属した油圧シリンダ内への圧油の給排に基づいて断接させられる。又、何れか1個のクラッチが接続された場合には、残り2個のクラッチの接続が断たれる。
【0069】
上述の様に構成する無段変速装置は、先ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ51aを接続すると共に、上記高速用クラッチ35a及び後退用クラッチ52aの接続を断つ。この状態で前記入力軸11bを回転させると、トロイダル型無段変速機30aのみが、この入力軸11bから前記出力軸40aに動力を伝達する。即ち、この状態では、上記トロイダル型無段変速機30aの出力歯車12bの回転が、前記第一の動力伝達機構45aを介して前記キャリア44に伝わる。上記低速用クラッチ51aが接続される事により、このキャリア44の回転は、そのまま上記出力軸40aに伝わり、太陽歯車41を固設したこの出力軸40aが回転する。この様な低速走行時には、それぞれ1対ずつの入力側ディスク2A、2Bと、出力側ディスク4、4との間の変速比を、前述の図13に示した様な、トロイダル型無段変速機単独の場合と同様にして調節する。尚、低速用クラッチは、前記遊星歯車機構31aを構成する各歯車32、41、42a、42b同士の相対変位を不能にするものであれば良く、必ずしも上記キャリア44と上記出力軸40aとの間に設ける必要はない。
【0070】
但し、本例の無段変速装置の場合には、上記1対ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4との間に、それぞれ3個ずつ、合計6個のパワーローラ9、9を設けている為、これら各パワーローラ9、9毎に伝達する動力を低く抑える事ができる。この為、上記各ディスク2A、2B、4の内側面2a、4aと上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aとの当接部の面圧を低くしても、当接部に滑りを生じさせる事なく、動力の伝達を行なえる。尚、上記各当接部の面圧の調整は、前記油圧式の押圧装置36a内に導入する油圧を調整する事により、容易且つ確実に行なえる。そして、上記各当接部の面圧を低く抑えられる事により、上記各面2a、4a、9aの転がり疲れ寿命を向上させる事ができる。逆に、転がり疲れ寿命を同じとした場合には、より大きな動力の伝達が可能になる。
【0071】
これに対して、高速走行時には、前記高速用クラッチ35aを接続すると共に、前記低速用クラッチ51a及び後退用クラッチ52aの接続を断つ。この状態で前記入力軸11bを回転させると、この入力軸11bから前記出力軸40aには、前記伝達軸34aを含む前記第二の動力伝達機構53と、前記遊星歯車機構31aとが、動力を伝達する。即ち、上記高速走行時に上記入力軸11aが回転すると、この回転は上記伝達軸34aと前記結合ブラケット98と上記高速用クラッチ35aとを介して、前記リング歯車32に伝わる。そして、このリング歯車32の回転が複数の遊星歯車組43、43を介して太陽歯車41に伝わり、この太陽歯車41を固定した上記出力軸40aを回転させる。この状態で、上記トロイダル型無段変速機30aの変速比を変える事により上記各遊星歯車組43、43の公転速度を変化させれば、上記無段変速装置全体としての変速比を調節できる。
【0072】
即ち、上記高速走行時に上記各遊星歯車組43、43が、上記リング歯車32と同方向に公転する。そして、これら各遊星歯車組43、43の公転速度が遅い程、上記太陽歯車41を固定した出力軸40aの回転速度が速くなる。例えば、上記公転速度とリング歯車32の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、上記リング歯車32と出力軸40aの回転速度が同じになる。これに対して、上記公転速度がリング歯車32の回転速度よりも遅ければ、上記リング歯車32の回転速度よりも出力軸40の回転速度が速くなる。反対に、上記公転速度がリング歯車32の回転速度よりも速ければ、上記リング歯車32の回転速度よりも出力軸40の回転速度が遅くなる。
【0073】
従って、上記高速走行時には、前記トロイダル型無段変速機30aの変速比を減速側に変化させる程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。この様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変速機30aに、入力側ディスク2A、2Bからではなく、出力側ディスク4、4からトルクが加わる(低速時に加わるトルクをプラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わる)。即ち、前記高速用クラッチ35aを接続した状態では、前記入力軸11bに伝達されたトルクは、前記伝達軸34aを介して前記遊星歯車機構31aのリング歯車32に伝達される。従って、入力軸11bの側から各入力側ディスク2A、2Bに伝達されるトルクは殆どなくなる。
【0074】
一方、前記第二の動力伝達機構53を介して上記遊星歯車機構31aのリング歯車32に伝達されたトルクの一部は、前記各遊星歯車組43、43から、キャリア44及び前記第一の動力伝達機構45aを介して各出力側ディスク4、4に伝わる。この様に各出力側ディスク4、4からトロイダル型無段変速機30aに加わるトルクは、無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダル型無段変速機30aの変速比を減速側に変化させる程小さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無段変速機30aに入力されるトルクを小さくして、このトロイダル型無段変速機30aの構成部品の耐久性向上を図れる。又、この様な高速走行時にも、このトロイダル型無段変速機30aを通過する動力の大きさが変化するが、前記押圧装置36a内に導入する油圧を調整する事により、前記各面2a、4a、9a同士の当接部の面圧を適正値にする。
【0075】
更に、自動車を後退させるべく、前記出力軸40aを逆回転させる際には、前記低速用、高速用両クラッチ51a、35aの接続を断つと共に、前記後退用クラッチ52aを接続する。この結果、上記リング歯車32が固定され、上記各遊星歯車組43、43が、このリング歯車32並びに前記太陽歯車41と噛合しつつ、この太陽歯車41の周囲を公転する。そして、この太陽歯車41並びにこの太陽歯車41を固定した上記出力軸40aが、前述した低速走行時並びに上述した高速走行時とは逆方向に回転する。
【0076】
尚、本発明の無段変速装置を自動車用の自動変速機として使用する場合には、駆動源であるエンジンと前記入力軸11bとの間に、トルクコンバータ或は電磁クラッチ等の発進クラッチを設ける。但し、前記低速用クラッチ51aに発進クラッチとしての機構を持たせ、独立した発進クラッチを省略する事もできる。この場合には、自動車の停止状態では、上記低速用クラッチ51aの他、前記高速用クラッチ35a及び上記後退用クラッチ52aの接続を何れも断っておく。この状態では、前記トロイダル型無段変速機30a及び前記第一、第二の動力伝達機構45a、53が空回りし、上記出力軸40aには動力が伝達されない。この状態から、上記低速用クラッチ51aを徐々に接続すれば、停止状態にある自動車を円滑に発進させる事ができる。
【0077】
又、図示の例は、本発明の無段変速装置を自動車用の自動変速機として使用する事を前提としている為、上記高速用、低速用、後退用の各クラッチ35a、51a、52aを設けている。これに対して、本発明の無段変速装置を、例えばポンプ等の各種産業機械の運転速度を、駆動源の運転速度を一定とした状態のまま調節する為の変速機として使用する場合には、上記無段変速装置を、上述した説明の高速走行時の状態でのみ運転すれば足りる。従って、本発明の無段変速装置をこの様な用途に使用する場合には、図1に示した伝達軸34aとリング歯車32とを、(上記高速用クラッチ35aを介する事なく)同期した回転自在に結合固定する。又、遊星歯車機構31aのロック状態を実現する為の上記低速用クラッチ51a、及び、上記リング歯車32をケーシング5aに対し固定する為の後退用クラッチ52aを省略する。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、構成部材同士の間で大きなトルク伝達を行なえる構造を、特にトロイダル型無段変速機やこのトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置を大型化する事なく行なえる。これらにより、大きな動力の伝達が可能で、しかもより優れた耐久性を有し、しかも小型且つ軽量なトロイダル型無段変速機及び無段変速装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す要部断面図。
【図2】図1の左半部拡大図。
【図3】図1のA−A断面図。
【図4】伝達軸との間でトルク伝達を行なう入力側ディスクを取り出して図1と同方向から見た断面図。
【図5】図4の右方から見た図。
【図6】入力軸を取り出して図1と同方向から見た側面図。
【図7】図6の左方から見た図。
【図8】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図9】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図10】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図11】図10のB−B断面図。
【図12】従来から知られた、伝達可能な動力を大きくする構造の第1例を、一部を切断した状態で示す要部正面図。
【図13】同第2例を示す部分断面図。
【図14】トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせた無段変速装置の1例を示す略断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2、2A、2B 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5、5a ケーシング
6 枢軸
7 トラニオン
8 変位軸
9 パワーローラ
9a 周面
10 ローディングカム装置
11、11a、11b 入力軸
12、12a、12b 出力歯車
13 支持板
14 スラスト玉軸受
15 スラストニードル軸受
16 外輪
17、17a、17b アクチュエータ
18 フレーム
19、19a 支持片
20 油圧シリンダ
21 制御弁
22 ポンプ
23 スリーブ
24 スプール
25 制御モータ
26 駆動ピストン
27 油溜
28 プリセスカム
29 リンク
30、30a トロイダル型無段変速機
31、31a 遊星歯車機構
32 リング歯車
33 支持板
34、34a 伝達軸
35、35a 高速用クラッチ
36、36a 押圧装置
37 エンジン
38 クランクシャフト
39 発進クラッチ
40、40a 出力軸
41 太陽歯車
42a、42b 遊星歯車
43 遊星歯車組
44 キャリア
45、45a 第一の動力伝達機構
46、46a 伝達軸
47a、47b スプロケット
48 チェン
49 第一の歯車
50 第二の歯車
51、51a 低速用クラッチ
52、52a 後退用クラッチ
53 第二の動力伝達機構
54 ボールスプライン
55 ローディングナット
56 取付部
57 フレーム
58 取付孔
59 スタッド
60 ナット
61 ギヤハウジング
62 出力スリーブ
63 転がり軸受
64 保持部
65 第二の枢軸
66 取付部
67 支持板部
68 円孔
69 ラジアルニードル軸受
70 外輪
71 長孔
72 スタッド
73 鍔部
74 シリンダ筒
75 仕切板部
76 第一ピストン部材
77 支持筒部
78 隔壁板
79 第二ピストン部材
80 皿板ばね
81 中心孔
82 駆動軸
83 切り欠き
84 駆動用凸部
85 連結部
86 挺子腕
87 ロッド
88 歯車
89 スリーブ
90 歯車
91 歯車
92 凸部
93 係止切り欠き
94 伝達筒部
95 伝達フランジ
96 伝達用突片
97 平坦部
98 結合ブラケット
99 固定壁
100 駆動軸
101 結合ブラケット

Claims (4)

  1. 入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に配置されてこの入力軸とは独立した回転を自在とされた出力側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間に設けられ、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出した、これら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、これら各変位軸に回転自在に支持された状態で、上記入力側ディスクと出力側ディスクとの内側面同士の間に挟持された、上記各トラニオン毎に1個ずつのパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記入力側ディスクと出力側ディスクとのうちの少なくとも一方のディスクの外側面の一部で、この外側面の内周縁から、この外側面の径方向に関する幅寸法の丁度1/2だけ外径寄り位置として規定されるこの外側面の中央部よりも当該ディスクの外周縁寄り部分である、この外側面の外径寄り半部に突設した複数の凸部と、当該ディスクとの間でトルクの伝達を行なわせる伝達部材に設けた伝達用突片の先端部とを係合させる事で、当該ディスクと伝達部材との間でのトルク伝達を可能としており、上記各凸部の外周面よりも径方向に関して外側に位置する、上記外側面の外径寄り部分に平坦部を形成している事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 駆動源につながってこの駆動源により回転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構と、上記入力軸に入力された動力をこのトロイダル型無段変速機を介して伝達する第一の動力伝達機構と、上記入力軸に入力された動力を上記トロイダル型無段変速機を介する事なく伝達する第二の動力伝達機構とを備え、上記トロイダル型無段変速機は、上記入力軸の両端部に支持されてこの入力軸の回転に伴って回転する1対の入力側ディスクと、それぞれの内側面をこれら各入力側ディスクの内側面に対向させた状態で上記入力軸の中間部周囲にこれら各入力側ディスクと同心に配置され、これら各入力側ディスクとは独立した、且つ互いに同期した回転を自在とされた1対の出力側ディスクと、これら各入力側ディスクと各出力側ディスクとの間に設けられ、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心として揺動する、1対の入力側ディスク及び出力側ディスク毎に複数個ずつのトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出した、これら各トラニオン毎に1本ずつの変位軸と、これら各変位軸に回転自在に支持された状態で、上記各入力側ディスクと各出力側ディスクとの内側面同士の間に挟持された、上記各トラニオン毎に1個ずつのパワーローラと、油圧に基づいて上記各入力側ディスクと上記各出力側ディスクとがこれら各パワーローラを挟持する力を、これら各入力側ディスクと各出力側ディスク同士の間で伝達する力の大きさに対応して付与する、動力の伝達方向に関して上記入力軸に対し並列に、且つこの入力軸の周囲に設けられた押圧装置とを備えたものであり、上記遊星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽歯車の周囲に配置したリング歯車との間に設けられてこの太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに回転自在に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリング歯車とに噛合させて成るものであり、上記第一の動力伝達機構を通じて送られる動力と上記第二の動力伝達機構を通じて送られる動力とを、上記太陽歯車と上記リング歯車と上記キャリアとのうちの2個の部材に伝達自在とすると共に、これら太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの残りの1個の部材に上記出力軸を結合しており、上記第二の動力伝達機構は、伝達軸を有し、上記入力軸の一端部に支持された一方の入力側ディスクの外側面の一部で、この外側面の内周縁から、この外側面の径方向に関する幅寸法の丁度1/2だけ外径寄り位置として規定されるこの外側面の中央部よりも当該ディスクの外周縁寄り部分である、この外側面の外径寄り半部に突設した複数の凸部と上記伝達軸の端部から径方向外方に伸びた伝達用突片の先端部とを係合させる事で、上記一方の入力側ディスクから上記伝達軸への回転力の伝達を自在としており、上記各凸部の外周面よりも径方向に関して外側に位置する、上記外側面の外径寄り部分に平坦部を形成している無段変速装置。
  3. 入力軸の他端部外周面に外向フランジ状の鍔部を備え、この鍔部の外周縁部に形成した複数の切り欠きと駆動軸の先端部に形成した駆動用凸部とを係合させる事により、この駆動軸により上記入力軸を回転駆動自在としている、請求項2に記載した無段変速装置。
  4. 入力軸に入力された動力が第一の動力伝達機構と第二の動力伝達機構とを通じて遊星歯車機構に送られる状態を切り換えるモード切換手段を設けており、このモード切換手段は、上記第一の動力伝達機構のみで動力の伝達を行なう第一のモードと、この第一の動力伝達機構と上記第二の動力伝達機構との双方で動力の伝達を行なう第二のモードと、この第一の動力伝達機構のみで動力の伝達を行なうと共に出力軸の回転方向を上記第一、第二のモードの場合とは逆にする第三のモードとの切換を行なうものである、請求項2〜3の何れかに記載した無段変速装置。
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