JP2004311186A - 有機エレクトロルミネッセンス素子とそれを用いた偏光面光源および表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子とそれを用いた偏光面光源および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】色変換方式により任意の発光光として、かつ直線偏光リッチな偏光光として効率良く取り出すことができる有機EL素子を提供する。
【解決手段】発光層を含む少なくとも1層の有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光取り出し面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成された有機EL素子において、発光光が発光層から透明電極を介して観測者側に出射するまでの間に、透光性樹脂中に複屈折特性の相違する微小領域を分散分布させた異方散乱性樹脂層が実質的に空気層を介することなく形成され、この樹脂層内に発光層から放射される発光光を励起光源として吸収し、蛍光発光または燐光発光する少なくとも1種の発光性材料を含ませたことを特徴とする有機EL素子。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光層から放射される発光光を励起光源として用い、発光性材料の励起発光光を外部光として取り出す色変換方式の有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、とくに発光層から放射される自然発光光を直線偏光リッチな偏光光として取り出すことができる、またその取り出し効率にすぐれた有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、さらにこの有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた高効率な偏光面光源および表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電極問に発光層を設け、電気的に発光を得るエレクトロルミネッセンス素子や発光ダイオードは、ディスプレイ表示装置としての利用はもちろん、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライトなどの各種光源としても、盛んに研究開発が進んでいる。とくに、有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光効率、低電圧駆動、軽量、低コストという点ですぐれており、近年、注目を浴びている。これらの光源用途で最大の関心事は発光効率の向上であり、蛍光灯に匹敵する発光効率を目標として、素子構成、材料、駆動方法、製造方法などの改良が検討されている。
【0003】
しかし、有機エレクトロルミネッセンス素子のように発光層自体から発光を取り出す固体内発光素子では、発光層の屈折率と出射媒質との屈折率により決まる臨界角以上の発光光は全反射し内部に閉じ込められ、導波光として失われる。古典論的な屈折の法則(スネルの法則)による計算では、発光層の屈折率をnとすると、発生した光が外部に取り出される光取り出し効率ηは、η=1/(2n)で近似される。仮に発光層の屈折率が1.7であると、η≒17%程度となり、80%以上の光は導波光として素子側面方向の損失光として失われる。
【0004】
また、有機エレクトロルミネッセンス素子では、電極から注入された電子・正孔の再結合により生成する励起子のうち、発光に寄与するのは1重項励起子のみであり、その生成確率は1/4である。すなわち、これだけを考慮しても、効率は5%以下と極めて低いものとなる。
近年、発光層自体の発光効率を上げる方法として、3重項励起子からの燐光からも発光が得られる発光材料の開発(特開2001−313178号公報)も進んでおり、量子効率を飛躍的に向上できる可能性も見い出されている。しかし、仮に量子効率を向上できても、取り出し効率としてはそれに乗ずる形で発光効率を低下させてしまう。言い換えると、取り出し効率を改善できれば、相乗効果として飛羅的に効率を向上できる余地が残されている。
【0005】
このように、導波光を外部に取り出すには、発光層と出射面との間に反射・屈折角を乱れさせる領域を形成し、スネルの法則を崩して、本来導波光として全反射される光の伝送角を変化させてやるか、発光自体に集光性を持たせる必要がある。しかし、導波光をすべて外部に出射させる領域を形成するのは容易でなく、このため、できるだけ多くの導波光を取り出す提案がなされている。
【0006】
たとえば、取り出し効率を改善する方法として、基板自体に集光性を持たせることで取り出し効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)や、発光層をディスコチック液晶で形成し、発光光自体の正面指向性を向上させる方法(特開平10−321371号公報)、素子自体に立体構造や傾斜面、回折格子などを形成する方法(特開平11−214162号、特開平11−214163号、特開平11−283751号公報)が提案されている。
しかしながら、これらの提案では複雑な構成になってしまったり、発光層自体の発光効率が低くなるなどの問題がある。
【0007】
また、比較的簡単な方法として、光拡散層を形成し、光の屈折角を変化させて全反射条件にある光を減らす方法も提案されている。
たとえば、内部と表面で屈折率の異なる屈折率分布構造を有する粒子を透明基材中に分散させた拡散板を使用する方法(特開平6−347617号公報)、透光性基体上に単粒子層を並べた拡散部材を使用する方法(特開2001−356207号公報)、発光層と同じ材質中に散乱粒子を分散させる方法(特開平6−151061号公報)などが、数多く提案されている。
これらの提案では、散乱粒子の特性、分散マトリックスとの屈折率差、粒子の分散形態、散乱層の形成場所などに特徴を見い出したものである。
【0008】
ところで、有機エレクトロルミネッセンス素子は、電界を印加することで、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子とが再結合して励起子となり、蛍光物質(または燐光物質)が発光する原理を利用したものである。よって、量子効率を上げるためには、この再結合が効率良く行われる必要がある。その方法として一般的に行われるのが、素子を積層構造とする方法である。積層構造の例としては、正孔輸送層/電子輸送性発光層の2層型、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の3層型などが挙げられる。また、効率を上げるために、ダブルヘテロ構造とするような積層型素子も多数提案されている。
【0009】
このような積層構造の場合、再結合はある領域で、ほぼ集中して起こる。
たとえば、前記2層型の有機エレクトロルミネッセンス素子であれば、図7に示すように、支持基板1上で反射性電極3と透明電極2とからなる一対の電極間に挟持された正孔輸送層4と電子輸送性発光層5の界面層から、約10nm程度電子輸送性発光層側の領域6で集中的に発生する(Takuya,Ogawa et al,「IEICE TRANS ELECTRON」Vol.E85−C,No.6,p.1239、2002の報告)。
また、発光領域6で発生する光は全方向に放射される。その結果、図8に示すように、透明電極2側の光取り出し面方向に放射した光と、反射性電極3側に放射し反射されて光取り出し面方向に放射される光に光路差が生じる。
【0010】
図8において、通常、有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送性発光層の厚さは数十〜百数十nmであり、可視光波長のオーダーである。したがって、最終的に外部に出射する光は干渉を起こし、発光領域と反射電極との距離dにより強め合ったり弱め合ったりする。
また、図8では正面方向の放射光のみを記述しているが、実際には斜め方向の光も存在し、距離dと発光波長λによっては、放射光の角度により干渉条件が異なる。その結果、正面方向の光は強め合い、広角度方向の光は弱め合う場合や、その反対の場合が起こりうる。すなわち、発光輝度が視角度により変化する。もちろん、距離dが大きくなると、角度により顕著に光の強度が変化することになる。よって、通常は正面方向の光が互いに強め合うように、距離dが発光波長のおよそ1/4波長の長さとなるように膜厚が設定される。
【0011】
また、距離dが、たとえば50nm程度より薄くなると、通常金属が用いられる反射性電極では、光の吸収が顕著になり、発光強度の低下と強度分布にも影響が現れる。すなわち、有機エレクトロルミネッセンス素子では、発光領域と反射性電極との間の距離dにより、放射光分布が顕著に変化し、前述した導波光成分もそれに伴い大きく変化する。
さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルは、比較的広い波長にわたってブロードな特性をもっている。したがって、距離dにより強め合う波長域が変化する結果、発光ピーク波長が変化する。また、距離dによっては、発光スペクトルも視角度により変化する。
【0012】
これらの問題を解決するため、視角により発光色が異なる現象を抑制するように、膜厚を選定する提案がなされている(特許文献1参照)。しかしながら、導波光に関する記述はなく、この提案で発光色の視角依存性が抑制できる膜厚は、後述する本発明の範囲とは明らかに異なるものである。
【0013】
以上の理由より、発光光のうち約80%は導波光として素子内部に閉じ込められているという古典論的な計算では、積層型の有機エレクトロルミネッセンス素子の外部取り出し効率は正しく見積もれないことになる。すなわち、導波光成分も、素子構成により顕著に変化しているのである。たとえば、M.H.Luらの報告(J.Appl.Phys.,Vol.91,No.2,p.595,2002)によれば、マイクロキヤビティー効果を考慮した量子論的計算手法により、素子構成による導波光成分の変化について詳細な研究がなされている。
したがって、全反射条件を崩すべく、光拡散層などを形成しても、古典論から期待されるほど大きな効果が得られない場合も起こりうる。
【0014】
一方で、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光を吸収して、可視光域の蛍光を発する発光性材料をフィルタに用いる色変換方式が提案されている(特許文献2,3参照)。この方式は、発光性材料の種類や添加量、材料の混合比などを調整することで、白色発光をはじめとする任意の可視発光光を取り出すことができる。また、ディスプレイ表示装置においてフルカラー表示を行う場合、通常は画素ごとにそれぞれ赤色、緑色、青色の有機エレクトロルミネッセンス層を形成する必要があるが、上記方式では、画素はすべて同一の有機エレクトロルミネッセンス層として形成し、別途、赤色、緑色、青色の発光性材料を塗り分けたカラーフィルタを用いることで、フルカラー表示が可能となる。カラーフィルタの製造方法は、従来の液晶表示装置用のカラーフィルタで培われた製造技術をそのまま応用でき、製造コストの低減も可能となる。
【0015】
しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子の励起光を吸収し、発光性材料が発光する場合、その変換効率による効率低下はもちろんのこと、固体内での発光であるため、その発光光の大部分は導波光として内部に閉じ込められてしまうという状況は同じである。これに対して、発光性材料を分散させた領域にそのマトリックスとは屈折率の異なる粒子を分散させたり、発光性材料の上部に光拡散層やレンズシートを形成するという従来の技術を用いることで、ある程度、導波光を外部に取り出すことは可能である。
【0016】
また、これらの有機エレクトロルミネッセンス素子を液晶表示装置用のバックライト光源として用いる場合、素子から放射される発光光は自然光であるため、液晶表示に際しては、それらを偏光板を介して直線偏光に変換する必要がある。その結果、偏光板による吸収ロスを生じることになり、光の利用効率を50%を超える値とすることができないという問題があった。
【0017】
このような問題を改善する方法として、配向膜上に有機エレクトロルミネッセンス素子層を形成し、発光光自体を直線偏光発光として取り出す提案がなされている(特許文献4参照)。しかしながら、この提案により偏光板での吸収ロスは最大で1/2に低減できるものの、有機薄膜を配向させるための配向膜などの挿入により、素子の発光効率が低下するおそれがある。また、全反射による導波光に関しては従来の素子と同様、改良されていない。仮に、このような直線偏光発光素子に光拡散層を形成すると、その直線偏光発光が散乱を受けることにより、自然光となってしまい、全く意味をなさなくなる。
【0018】
また、本件出願人は、偏光散乱フィルムを介して有機エレクトロルミネッセンス素子による発光を出射させる方法を提案している(特許文献5参照)。この提案は、光散乱により導波光として失われている光が取り出され、かつ出射光は直線偏光リッチな偏光として取り出されるため、偏光板での吸収ロスを低減でき、液晶表示装置用の光源として高効率な面光源を提供できる。
しかし、たとえば前記した発光領域と反射性電極との距離による干渉の影響と導波光の関係については言及されておらず、液晶表示装置用の光源として、その効果を最大限に引き出せるものとはいえない。
【0019】
以上説明してきたように、従来の技術では、色変換方式により任意の可視光発光が偏光光として得られるという特徴を生かし、かつ素子構成による導波光成分の変化などについて詳しく研究し、その上で外部取り出し効率の向上に注目して詳細に検討した報告は、これまでなされておらず、偏光を利用した表示装置用に最適な高効率な偏光面光源の出現が強く切望されている。
【0020】
【特許文献1】
特開平5−3081号公報(第2〜4頁)
【特許文献2】
特開平3−152897号公報(第1〜3頁)
【特許文献3】
特開平5−258860号公報(第1〜3頁)
【特許文献4】
特開平11−316376号公報(第2〜4頁)
【特許文献5】
特開2001−203074号公報(第2〜6頁)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に照らして、有機エレクトロルミネッセンス素子において、従来、素子内部に導波光として閉じ込められていた損失光を効率良く取り出し、色変換方式により任意の発光光として、かつ直線偏光リッチな偏光光として取り出すことができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、またこの有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた高効率な偏光面光源および表示装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。
まず、図6は、前記の図7に示した2層型の有機エレクトロルミネッセンス素子に関して、その発光領域6からの発光光が外部に出射される場合の模式図を、上半球面のみについて、示したものである。実際には、反射性電極3方向の発光光も存在するが、ここでは省略している。
【0023】
この図6において、支持基板(ガラス基板)1の屈折率と空気層の屈折率差により決まる臨界角は約40度である。すなわち、40度より大きな角度の光は、ガラス/空気界面で全反射し、導波光として素子内部に閉じ込められる。紙面上では40度/90度、すなわち、45%近くの光は、外部に出射するように見えるが、実際の発光は全方位に放射される。したがって、立体角の関係から、より広角度の成分になるほどその光量は大きくなる。上述の古典論的計算で発光効率が20%以下と算出されるのはそのためである。
【0024】
本発明者らは、このような有機エレクトロルミネッセンス素子において、支持基板(ガラス基板)1上の光取り出し面側、つまり透明電極2とは反対面側に、透光性樹脂中に複屈折特性の相違する微小領域を分散分布させた異方散乱性樹脂層であって、かつこの樹脂層の内部に発光性材料を含ませて異方散乱性色変換層としたものを実質的に空気層を介することなく形成して、このときの発光領域6からの発光光の外部への出射の様子を調べてみた。
【0025】
発光光のうち、紙面上半球の光は透明電極、ガラス基板を通過し、上記の異方散乱性色変換層に入射する。また、下半球の光は陰極により反射されたのち、同様に異方散乱性色変換層に入射する。この過程で屈折率の低い空気層(屈折率=1)が介在しないため、発光光は全反射を受けることなく異方散乱性色変換層に入射することができる(ただし、透明電極やガラス基板の屈折率によっては、一部の光が全反射される場合がある)。図6に示すように、通常の素子では、ガラス基板の屈折率と空気層の屈折率差により決まる臨界角以上の角度の光は全反射して導波光として失われ、通常の20%程度しか外部に出射されない。
【0026】
全反射することなく異方散乱性色変換層に入射した発光光は、発光性材料の励起光となる波長域に選ばれており、このため、発光性材料は、入射した発光光を吸収し、蛍光発光または燐光発光する。この過程において、有機エレクトロルミネッセンス素子からの励起光は、全反射による光の損失が最小限に抑えられる。この蛍光発光または燐光発光の発光色は、使用する発光性材料の種類を変えることにより任意に選択することができる。複数の発光性材料を用いて、その添加量を調整することにより、白色発光を得ることも可能である。
ここで、上記発光性材料を含ませた樹脂層が異方散乱性を有しない、つまり、光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域でない場合、図6に示すように、その発光光は、再度、空気層界面で全反射を受け、導波光として失われるという状況は、従来となんら変わるところはない。
【0027】
しかし、上記発光性材料を含ませた樹脂層が異方散乱性色変換層であるため、この層で発生した上記の励起発光光の一部は、この層と空気界面との屈折率差により全反射され、異方散乱性色変換層内を伝送する。この伝送光は、異方散乱性色変換層内で微小領域との最大屈折率差(Δn)を示す軸方向(Δn方向)に平行な振動面を有する直線偏光成分が選択的に強く散乱され、その一部が全反射角よりも小さい角度となり、外部(空気)へ出射する。ちなみに、微小領域が存在せず選択的な偏光散乱が起きない場合、発光光は、立体角の関係上、約80%が閉じ込められ、全反射を繰り返している状態である。
閉じ込められた光は、微小領域と透光性樹脂との界面での散乱にて全反射条件が壊されたときのみ外部に出射するため、微小領域のサイズや存在の程度により出射の効率を任意に制御可能である。
【0028】
一方、前記のΔn方向の散乱で大きい角度で散乱された光と、Δn方向条件を満足したが散乱を受けなかった光と、さらにΔn方向以外の振動方向を有する光は、異方散乱性色変換層内に閉じ込められて全反射を繰り返しつつ伝送され、複屈折位相差などにより偏光状態も解消されて前記のΔn方向条件を満足して出射する機会を待つ。この繰り返しにより、異方散乱性色変換層より所定振動面の直線偏光が効率よく出射される。すなわち、最終的に本来導波光として閉じ込められている光を直線偏光成分として取り出すことが可能になる。
【0029】
よって、この方法では、マイクロレンズや反射ドットなどの特別な光出射手段を形成することなく、全反射による損失を受けずに効率良く異方散乱性色変換層に入射した励起光によって発光性材料を励起発光させることができるばかりか、この励起発光した光もいずれは全反射条件を破り、直線偏光リッチな状態で効率良く外部へ出射させることができる。また、異方散乱性色変換層の設置角度によって直線偏光の振動方向を任意に変えることができる。このため、液晶表示装置用のバックライトに用いる場合、消費電力を低減することが可能となる。
【0030】
本発明者らは、さらに発光効率を向上させるべく、研究を重ねた。
既述したとおり、実際の有機エレクトロルミネッセンス素子では、図8に示すように光の干渉効果が起こる。通常の有機エレクトロルミネッセンス素子では、外部に出射できる正面方向の光が強め合うように素子構成を決定するのが普通である。この場合、導波光は逆に弱め合うように干渉する。
【0031】
しかし、本発明者らは、わざと正面方向の光は弱めあい、通常は導波光として素子内部に閉じ込められる広角度成分の光を強め合うように素子構成を決定し、立体角の関係上、大部分の光量が分布する広角度の光を増幅した上で、上記した異方散乱性色変換層を空気層を介することなく一体形成すると、従来の方法に比べ、さらに発光効率を高められることがわかった。
つまり、通常の素子ではかえって発光効率が低下するが、異方散乱性色変換層と組み合わせると、励起光である有機エレクトロルミネッセンス発光を最大限に利用し、かつその励起発光光をも効率良くしかも直線偏光リッチな偏光光として外部に取り出せるので、最終的に液晶表示装置用のバックライトなどに用いる場合、発光効率を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0032】
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の最大の欠点として、微量の湿気、酸素により素子が劣化し、発光効率の低下はもちろん、微小な欠陥を起点にダークスポットが発生するという問題がある。ダークスポットについては、たとえばJ.McElvainらによる報告(J.Appl.Phys.Vol.80,No.10,p.6002,1996)などに詳細に記載されている。
この問題を防止するため、通常は素子を完全に封止するが、それでもダークスポットの発生を完全に防止することは容易ではない。ダークスポットは、面光源や表示装置としての外観、視認性を著しく低下させる。
しかるに、異方散乱性色変換層を形成すると、多少のダークスポットが発生しても、最終的に観測者側に出射する光は、異方散乱性色変換層内に分散された発光性材料の励起発光光であり、しかもこの励起発光光が幾度も散乱されて外部に出射するため、ダークスポットの発生による視認性の低下がほとんど気にならなくなるという、非常にすぐれた効果が奏される。
【0033】
本発明は、以上の知見にもとづいて、完成されたものである。
すなわち、本発明は、発光層を含む少なくとも1層の有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光取り出し面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光光が発光層から透明電極を介して観測者側に出射するまでの間に、透光性樹脂中に複屈折特性の相違する微小領域を分散分布させた異方散乱性樹脂層が実質的に空気層を介することなく形成され、この樹脂層内またはこの樹脂層と発光層との間に、発光層から放射される発光光を励起光源として吸収し、蛍光発光または燐光発光する少なくとも1種の発光性材料を含ませたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単に有機EL素子という)に係るものである。
また、本発明は、上記有機EL素子のとくに好ましい態様として、正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離をd(nm)、発光層に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ(nm)、発光層と反射性電極との問の有機層の屈折率をnとしたときに、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たす有機EL素子に係るものである。
【0034】
また、本発明は、異方散乱性樹脂層における微小領域が、液晶性材料、液晶相を過冷却固定したガラス状態材料または重合性液晶の液晶相をエネルギー線により架橋固定した材料から構成されている上記構成の有機EL素子、異方散乱性樹脂層が、透光性樹脂中にこの樹脂のガラス転移温度よりも低温でネマチック液晶相を呈するガラス転移温度が50℃以上の液晶ポリマーからなる微小領域を分散含有させたものである上記構成の有機EL素子、異方散乱性樹脂層が、微小領域とそれ以外の部分との間で、微小領域の各光軸方向における屈折率差Δn、Δn、Δnが最大値を示す軸方向(Δn方向)において0.03〜0.5(Δn)であり、この軸方向と直交する2軸方向(Δn方向、Δn方向)において0.03以下である上記構成の有機EL素子に係るものである。
さらに、本発明は、上記各構成の有機EL素子を具備することを特徴とする偏光面光源に係るものであり、また上記各構成の有機EL素子を具備することを特徴とする表示装置に係るものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参考にして、説明する。
図1は、本発明の2層型の有機EL素子の一例を示したものである。この素子は、基本構成として、支持基板1上に透明電極2、正孔輸送層4、電子輸送性発光層5および反射性電極3が順次積層された構成を有している。
つまり、上記の正孔輸送層4および電子輸送性発光層5からなる有機層が透明電極2と反射性電極3とからなる一対の電極間に挟持された構成を有しており、動作時に電極間に電圧を印加すると、正孔輸送層4と電子輸送性発光層5の界面層から約10nm程度電子輸送性発光層側の領域で正孔と電子の再結合が生じ、図示される発光領域6で集中してEL発光が生じる。
なお、この2層型とは異なる、たとえば正孔輸送層/発光層/電子輸送層の3層型の有機EL素子では、電極間に電圧を印加すると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が注入され、これらがそれぞれのキャリア輸送層を移動し発光層にて再結合して励起子が発生し、上記同様にEL発光が生じる。
【0036】
また、本発明では、上記の基本構成として、とくに、正面方向の発光光は弱め合うが、素子内部に閉じ込められる導波光は強め合うような構成とされている。このことを、図2の特性図を用いて、説明する。
図2は、上記の基本構成のみからなる(すなわち、後述する異方散乱性色変換層を設ける前の)有機EL素子の輝度の角度分布を、正面0度から80度まで、10度おきに測定した特性図を示したものである。図中、曲線−aは本発明のもの、曲線−bは従来のものである。なお、輝度値は、正面0度での輝度値を1とした相対値で示している。
ただし、基本構成中、透明電極2の厚さは100nm、正孔輸送層4の厚さは40nmであり、電子輸送性発光層5の厚さは、95nm(本発明のもの)および60nm(従来のもの)となっている。また、素子に流す電流は上記本発明のものと従来のものとで同じとなるように電圧を印加して測定してある。
【0037】
この図2から、従来のものは、正面輝度値つまり正面0度方向の輝度値が高く広角度になるほど輝度値が低下しているのに対し、本発明のものは、正面輝度値が低く広角度になるほど輝度が高くなる特性を示している。つまり、本発明のものは、輝度の角度依存性において、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように構成されている。
なお、この関係は、上記の例では、電子輸送性発光層5の厚さの違いにより、達成しているが、発光層5を含む有機層と一対の電極との材料や厚さなどを適宜選択することにより、任意に達成できるものである。
【0038】
また、本発明のさらに好ましい態様として、正孔と電子の再結合発光領域6の中心部と反射性電極3との距離をd(この例では、電子輸送性発光層5の厚さにほぼ近似する)、発光層(この例では、電子輸送性発光層5)に使用している材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ、発光層と反射性電極3の間の有機層(この例では、電子輸送性発光層5)の屈折率をnとしたときに、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たすように、構成されているのがとくに望ましい。
たとえば、上記の例で、電子輸送性発光層5の蛍光発光のピーク波長が450nmの青色光であり、その屈折率が1.65であれば、上記距離dは81.8〜136.4nmの範囲となるようにされているのが、望ましい。
【0039】
本発明では、このように式(1)を満たし、また好ましくは式(2)を満たす基本構成としたうえで、さらに発光光が電子輸送性発光層5から透明電極2を介して観測者側に出射するまでの間、ここでは、支持基板1の光取り出し面側に、光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域として、とくに透光性樹脂中に複屈折特性の相違する微小領域70を分散分布させた異方散乱性樹脂層7を、実質的に空気層を介することなく設けたことをひとつの特徴とする。また、もうひとつの特徴として、上記樹脂層7内に発光層から放射される発光光を励起光源として吸収し、蛍光発光または燐光発光する少なくとも1種の発光性材料80を含ませ、上記樹脂層7を異方散乱性色変換層としたことを特徴とする。
【0040】
この構成により、既述のとおり、本来、素子内部に閉じ込められる導波光成分が増幅されて、空気層を介することなく異方散乱性色変換層に入射し、これに含まれる発光性材料の励起光源として有効に作用し、発光性材料の種類や添加量の調整によって、白色をはじめとした任意の発光色を効率良く得ることができる。また、この励起発光光は、異方散乱性色変換層の微小領域の働きにより、内部に閉じ込められることなくかつ直線偏光リッチな偏光光として出射でき、また異方散乱性色変換層の設置角度により直線偏光の振動方向を任意に変えることができる。このため、液晶表示装置などに利用すると、消費電力が大幅に低減され、また動作電圧や素子電流も低減され、素子寿命を大幅に向上できる。さらに、ダークスポットの影響がほとんど現れなくなるなどの効果も奏される。
【0041】
なお、上記の図1では、異方散乱性色変換層を構成させる異方散乱性樹脂層7を、支持基板1の光取り出し面側に設けたものであるが、これに限定されず、たとえば、支持基板1と透明電極2との間に設けるようにしてもよい。要は、発光光が透明電極2を介して観測者側に出射するまでの間のいずれかの位置に設けることにより、上記同様の効果が奏されるものである。
【0042】
異方散乱性樹脂層7の形状は、少なくとも2面の対向するフラットな面を有していればとくに制限はないが、面光源としての利用や、全反射の効率からフィルム状やシート状、プレート状の形状であることが望ましい。中でも、取り扱い性の容易性などより、フィルム形状であることが望ましい。厚みとしては10mm以下、とくに0.1〜5mm、中でも0.4〜2mmが好ましい。
【0043】
対向する2面の平滑性は、全反射による発光光の閉じこめ効率の観点より、鏡面に近いほどよい。異方散乱性樹脂層7の対向する2面が平滑性に乏しい場合は、別途、平滑性にすぐれた透光性のフィルムやシートを透明な接着剤や粘着剤で貼り合わせ、全反射界面を貼り合わせた透光性のフィルムやシートの平滑な表面とすることでも同様の効果が得られる。
【0044】
異方散乱性樹脂層7の形成は、たとえば、ポリマー類や液晶類などの透明性にすぐれる適宜の材料の1種または2種以上を、延伸処理などによる適宜な配向処理で複屈折性が相違する領域を形成する組み合わせで用いて配向フィルムを得る方式などの適宜の方式にて行うことができる。
なお、この異方散乱性樹脂層中に発光性材料を含ませる場合、発光性材料が可及的に小さなサイズで分散されているのが望ましく、上記材料の少なくとも一方は発光性材料と相溶性良く混和するものが望ましい。
上記の組み合わせ例には、ポリマー類と液晶類の組み合わせ、等方性ポリマーと異方性ポリマーの組み合わせ、異方性ポリマー同士の組み合わせなどが挙げられる。微小領域の分散分布性などの点より、相分離する組み合わせが好ましく、組み合わせる材料の相溶性により、分散分布性を制御できる。相分離は、たとえば、非相溶性の材料を溶媒にて溶液化する方式や、非相溶性の材料を加熱溶融下に混合する方式などの適宜の方式で行うことができる。
【0045】
上記組み合せで延伸方式により配向処理する場合、ポリマー類と液晶類の組み合せおよび等方性ポリマーと異方性ポリマーの組合せでは任意の延伸温度や延伸倍率にて、異方性ポリマー同士の組み合せでは延伸条件を適宜に制御することにて、目的の異方散乱性樹脂層を形成することができる。
なお、異方性ポリマーでは延伸方向の屈折率変化の特性に基づいて正負に分類されるが、本発明では正負いずれの異方性ポリマーも用いることができ、正同士や負同士、または正負の組み合せのいずれにても用いうる。
【0046】
上記のポリマー類の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのエステル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体などのスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体などのオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、二酢酸セルロース、三酢酸セルロースなどのセルロース系ポリマー、ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマーが挙げられる。
【0047】
また、カーボネート系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフイド、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン、シリコーン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エーテル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、上記ポリマーのブレンド物、あるいは、フェノール系、メラミン系、アクリル系、ウレタン系、ウレタンアクリル系、エポキシ系、シリコーン系などの熱硬化型ないし紫外線硬化型のポリマー類なども、前記したポリマー類の例として挙げられる。
【0048】
液晶類の例としては、シアノビフェニル系、シアノフェニルシクロヘキサン系、シアノフェニルエステル系、安息香酸フェニルエステル系、フェニルピリミジン系、それらの混合物などの室温または高温でネマチック相やスメクチック相を呈する低分子液晶や架橋性液晶モノマー、あるいは室温または高温でネマチック相やスメクチック相を呈する液晶ポリマーなどが挙げられる。
上記の架橋性液晶モノマーは、通常は、配向処理したのち、熱や光などによる適宜の方式で架橋処理されてポリマーとされる。
【0049】
耐熱性や耐久性などにすぐれる異方散乱性樹脂層7を得るには、ガラス転移温度が50℃以上、とくに80℃以上、中でも120℃以上のポリマー類と、架橋性液晶モノマーないし液晶ポリマーとの組み合せで用いるのが好ましい。
上記の液晶ポリマーとしては、主鎖型や側鎖型などの適宜のものを用いることができ、その種類についてとくに限定はない。粒径分布の均一性にすぐれる微小領域の形成性や熱的安定性、フィルムヘの成形性や配向処理の容易性などの点より、とくに好ましく使用できる液晶ポリマーは、重合度が8以上、とくに10以上、中でも15〜5,000のものが挙げられる。
【0050】
このような液晶ポリマーを用いて異方散乱性樹脂層7を形成するには、たとえば、ポリマー類の1種または2種以上と、微小領域を形成するための液晶ポリマーの1種または2種以上を混合し、液晶ポリマーを微小領域の状態で分散含有するポリマーフィルムを形成して適宜な方式で配向処理し、複屈折性が相違する領域を形成する方法などにて行うことができる。
【0051】
配向処理による屈折率差Δn,Δnの制御性などの点からは、ガラス転移温度が50℃以上で、併用するポリマー類のガラス転移温度よりも低い温度域でネマチック液晶相を呈するものが、好ましく用いられる。
具体的には、つぎの一般式(A);
Figure 2004311186
で表されるモノマー単位を有する側鎖型の液晶ポリマーが挙げられる。
このような側鎖型の液晶ポリマーは、一般式(A)で表されるモノマー単位を有するホモポリマーやコポリマーなどの適宜の熱可塑性ポリマーであればよく、モノドメイン配向性にすぐれるものが好ましい。
【0052】
一般式(A)において、Xは、液晶ポリマーの主鎖を形成する骨格基であり、線状、分岐状、環状などの適宜の連結鎖で構成されたものであってよい。具体的には、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリ−α−ハロアクリレート類、ポリ−α−シアノアクリレート類、ポリアクリルアミド類、ポリアクリロニトリル類、ポリメタクリロニトリル類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリイミド類、ポリシロキサン類などである。
また、Yは、主鎖より分岐するスペーサ基であり、屈折率制御などの偏光散乱性部位の形成性などの点より、エチレン、プロピレン、プチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エトキシエチレン、メトキシブチレンなどであるのがよい。さらに、Zは、液晶配向性を付与するメソゲン基である。
【0053】
上記ネマチック配向性の液晶ポリマーを用いた異方散乱性樹脂層の形成は、たとえば、ポリマーフィルムを形成するためのポリマー類と、そのポリマー類のガラス転移温度よりも低い温度域でネマチック液晶相を呈するガラス転移温度が50℃以上、とくに60℃以上、中でも70℃以上の液晶ポリマーを混合して、液晶ポリマーを微小領域の状態で分散含有するポリマーフィルムを形成したのち、その微小領域を形成する液晶ポリマーを加熱処理してネマチック液晶相に配向させ、その配向状態を冷却固定する方法などにて行うことができる。
【0054】
このような微小領域を分散含有するポリマーフィルム、すなわち、配向処理対象のフィルムの形成は、たとえばキャスティング法、押出成形法、射出成形法、ロール成形法、流延成形法などの適宜の方式にて作製することができる。モノマー状態で展開しそれを加熱処理や紫外線などの放射線処理などにより重合して、フィルム状に製膜する方式などにても行うことができる。
【0055】
微小領域の均等分布性にすぐれる異方散乱性樹脂層を得る点などよりは、溶媒を介した形成材の混合液をキャスティング法や流延成形法などにて製膜する方式を採用するのが好ましい。この場合、溶媒の種類や混合液の粘度、混合液展開層の乾燥速度などにより、微小領域の大きさや分布性などを適当に制御することができる。ちなみに、微小領域の小面積化には、混合液の低粘度化や混合液展開層の乾燥速度の急速化などが有利である。
【0056】
配向処理の対象となるフィルムの厚さとしては、適宜に決定しうるが、一般には配向処理性などの点より、1μm〜3mm、とくに5μm〜1mm、中でも10〜500μmとするのが望ましい。なお、フィルムの形成に際しては、たとえば、分散剤、界面活性剤、色調調節剤、難燃剤、離型剤、酸化防止剤などの適宜の添加剤を配合することができる。
【0057】
配向処理は、上記したように、たとえば、1軸や2軸、逐次2軸やZ軸などによる延伸処理方式や圧延方式、ガラス転移温度または液晶転移温度以上の温度で電場または磁場を印加して急冷し配向を固定化する方式、製膜時に流動配向させる方式、等方性ポリマーの僅かな配向に基づいて液晶を自己配向させる方式などの、配向により屈折率を制御しうる各種方式の中から、その1種または2種以上を用いて行うことができる。したがって、得られる異方散乱性樹脂層7は、延伸フィルムであってもよいし、非延伸フィルムであってもよい。
なお、延伸フィルムとする場合には、脆性ポリマーも使用できるが、延び性にすぐれるポリマーがとくに好ましく用いうる。
【0058】
微小領域が液晶ポリマーからなる場合、ポリマーフィルム中に微小領域として分散分布する液晶ポリマーがネマチック相などの目的とする液晶相を呈する温度に加熱して溶融させ、それを配向規制力の作用下で配向させて急冷し、配向状態を固定化する方式などでも行える。微小領域の配向状態は、可及的にモノドメイン状態にあることが光学特性のバラツキ防止などの点より、好ましい。
なお、上記配向規制力は、ポリマーフィルムを適宜の倍率で延伸処理する方式による延伸力やフィルム形成時のシェアリング力、電界や磁界などの、液晶ポリマーを配向しうる適宜の規制力を適用でき、その1種または2種以上の規制力を作用させて液晶ポリマーの配向処理を行うことができる。
【0059】
したがって、異方散乱性樹脂層における微小領域以外の部分は、複屈折性を示すものであってもよいし、等方性のものであってもよい。
異方散乱性樹脂層の全体が複屈折性を示すものは、フィルム形成用のポリマー類に配向複屈折性のものを用いて上記した製膜過程における分子配向などにより得ることができ、必要に応じて、たとえば廷伸処理などの公知の配向手段を加えて複屈折性を付与ないし制御することができる。
微小領域以外の部分が等方性である異方散乱性樹脂層は、フィルム形成用のポリマー類に等方性のものを用い、そのフィルムを上記ポリマー類のガラス転移温度以下の温度領域で延伸処理する方式などで、得ることができる。
【0060】
本発明において、上記微小領域とそれ以外の部分、つまり透光性樹脂からなる部分との間で、微小領域の各光軸方向における屈折率差Δn、Δn、Δnが最大値を示す軸方向(Δn方向)において0.03〜0.5(Δn)であり、かつそのΔn方向と直交する2軸方向(Δn方向、Δn方向)において0.03以下(Δn、Δn)となるように制御したものであるのが好ましく、ΔnとΔnの等しいものがより好ましい。
このような屈折率差とすることにより、Δn方向の直線備光が強く散乱され臨界角よりも小さい角度で散乱されて異方散乱性樹脂層より出射する光量を増やすことができ、それ以外の方向の直線偏光は散乱されにくくて全反射を繰り返し、異方散乱性樹脂層内に閉じ込めることができる。
【0061】
なお、微小領域の各光軸方向と微小領域以外の部分との屈折率差は、透光性樹脂が光学的等方性のものである場合は、微小領域の各光軸方向の屈折率と透光性樹脂の平均屈折率との差を意味する。また、光学的異方性のものである場合は、透光性樹脂の主光軸方向と微小領域の主光軸方向とが通常は一致しているため、それぞれの軸方向における各屈折率の差を意味する。
【0062】
本発明においては、前記した全反射の点より、Δn方向における屈折率差Δnは適度に大きいことが好ましく、とくに0.035〜0.5、中でも0.040〜0.45であるのが好ましい。また、Δn方向とΔn方向における屈折率差Δn,Δnは、小さければ小さいほどよく、可及的にゼロであることが望ましい。このような屈折率差としては、使用材料の屈折率や上記した配向操作などにより、制御することができる。
【0063】
また、前記のΔn方向としては、異方散乱性樹脂層より出射される直線偏光の振動面であることより、このΔn方向は異方散乱性樹脂層の対向する2面に平行であることが好ましい。なお、面内での上記Δn方向は、目的とする液晶セルなどに応じた適宜の方向とすることができる。
【0064】
異方散乱性樹脂層における微小領域は、前記した散乱効果などの均質性などの点より、可及的に均等に分散分布していることが好ましい。微小領域の大きさ、とくに散乱方向であるΔn方向の長さとしては、後方散乱(反射)や波長依存性に関係する。光利用効率の向上や波長依存性による着色の防止、微小領域の視覚による視認阻害の防止ないし鮮明な表示の阻害防止、さらには製膜性やフィルム強度などの点より、徹小領域の好ましい大きさ、とくに、Δn方向の好ましい長さは、0.05〜500μm、とくに0.1〜250μm、中でも1〜100μmである。なお、微小領域は、通例ドメインの状態で異方散乱性樹脂層内に存在するが、そのΔnなどの長さについてはとくに限定はない。
【0065】
異方散乱性樹脂層7中に占める微小領域の割合としては、Δn方向の散乱性などの点より、適宜に決定することができるが、一般には、フィルム強度なども踏まえて、0.1〜70重量%とするのが望ましく、とくに0.5〜50重量%、中でも1〜30重量%とするのが望ましい。
【0066】
本発明において、異方散乱性樹脂層7は、単層により形成することもできるし、2層以上重畳したものとして形成することもできる。重畳化により、厚さ増加以上の相乗的な散乱効果を発揮させることができる。重畳体は、散乱効果の拡大などの点よりは、Δn方向が上下の層で平行関係となるように重畳したものが、好ましい。重畳数は2層以上の適宜の数とすることができる。
【0067】
重畳する異方散乱性樹脂層7は、ΔnまたはΔnなどが同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
なお、Δn方向などにおける上下の層での平行関係は、可及的に平行であることが好ましいが、作業誤差によるズレなどは許容される。また、Δn方向なにバラツキがある場合には、その平均方向に基づくものである。
【0068】
異方散乱性樹脂層7は、この層を光が伝送する過程で適当に偏光状態が解消される必要があるため、面光源の全体または部分的に位相差を有することが好ましい。基本的には、異方散乱性樹脂層の位相軸と、散乱されにくい直線偏光の偏光軸(振動面)とは直交関係にあるため、位相差による偏光変換は起きにくいが、僅かな散乱で見かけの角度が変化し、偏光変換が生じるものと考えられる。
【0069】
上記した偏光変換の点よりは、異方散乱性樹脂層の厚さにて変化するが、一般には5nm以上の面内位相差があることが好ましい。なお、その位相差の付与は、複屈折性の微粒子を含有させる方式、表面に付着させる方式、透光性樹脂を複屈折性とする方式、それらを併用する方式、さらに複屈折性フィルムを一体化積層するなどの適宜の方式にて行うことができる。
【0070】
本発明において、発光性材料80は、図1に示すように、支持基板1上に設けられる異方散乱性樹脂層7の内部に含ませて、この樹脂層7を異方散乱性色変換層とすることができる。この態様において、発光性材料80は、異方散乱性樹脂層7の透光性樹脂中に含ませてもよいし、微小領域70中に含ませてもよく、さらに両方に含ませてもよい。いずれにおいても、樹脂層7中に均一に溶解ないし分散されているのが望ましい。発光性材料による散乱は好ましくないため、溶解する材料がとくに好ましい。分散して存在する場合、不必要な散乱を抑制する観点より、分散サイズはできるだけ小さい方がよい。
発光性材料の溶解または分散は、たとえば、素子の形成にあたり、あらかじめ透光性樹脂や微小領域を形成する材料中に発光材料を必要により他の添加剤とともに配合しておく方式など、適宜の方法で行うことができる。
【0071】
また、発光性材料80は、必ずしも、異方散乱性樹脂層7中に含ませる必要はなく、異方散乱性樹脂層7とは異なる層に含ませてもよい。重要なのは、発光性材料80を含ませた層が異方散乱性樹脂層7と発光層との間に位置することである。異方散乱性樹脂層7よりも観測者側に、発光性材料を含ませた層を形成すると、励起光が散乱を受けるだけであり、全反射が空気層界面で起こるばかりか、仮に励起光が偏光光となっても、発光性材料から得られる励起発光光は自然光しかならないため、本発明の効果は発揮されない。
図3および図4は、上記例を示したものである。図3は、支持基板1と異方散乱性樹脂層7との間に、発光性材料80を含ませた異方散乱性のない単なる色変換層8を設けたものであり、図4は、支持基板1中に発光性材料80を含ませて、この基板1に色変換層を兼ねさせたものである。両図において、他の構成は、図1と同じであり、図1と同一番号を付して、その説明を省略する。
【0072】
上記の図3の構成では、色変換層8において、発光性材料80が発光層からの励起光により蛍光発光または燐光発光し、この光がそのまま異方散乱性樹脂層7に入射するため、全反射による光のロスがなく、本発明の効果が十分に得られるものである。また、図4の構成では、色変換層を兼ねる支持基板1において、上記同様に蛍光発光または燐光発光し、この光がそのまま異方散乱性樹脂層7に入射することで、上記同様に本発明の効果が十分に得られる。
なお、発光性材料80を異方散乱性のない色変換層8に含ませる場合、異方散乱性色変換層を構成させる場合と同様に、発光性材料80が色変換層8中に均一に溶解または分散されていることが望ましい。
【0073】
また、発光性材料は、必要により、異方散乱性樹脂層7の内部と、異方散乱性樹脂層7と発光層との間の任意の位置との両方に、含ませてもよいし、異なる発光性材料を別々に含ませてもよい。さらに、異なる発光性材料を含ませた層を積層構成として形成するなど、その実施形態は任意である。たとえば、積層構成のものを、透明性樹脂に発光性材料を分散させたフィルムを貼り合わせて形成したり、溶剤で溶解させたものを塗布して形成してもよい。また、これらの各層は直接積層してもよいし、透明粘着剤や接着剤を介して貼り合わせてもよい。さらに、粘着剤や接着剤に発光性材料を含ませることもできる。
【0074】
本発明において、発光性材料には、紫外線または可視光線を吸収して、可視光領域の波長の光を発光する材料であれば、とくに制限はない。励起1重項からの発光である蛍光や3重項からの発光である燐光などを放射する、有機染料や無機顔料などが用いられる。発光波長として青色、緑色、赤色の材料を単独または混合して用いることが望ましい。たとえば、有機蛍光染料の例としては、下記の青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体などが挙げられる。
【0075】
青色蛍光体は、溶液状態での蛍光ピーク波長が380nm以上、480nm未満である有機化合物であれば、とくに制限はないが、スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体およびトリススチリルアリーレン誘導体の中から選ばれる、少なくとも1種を含有させるのが望ましい。その他の青色蛍光体としては、アントラセン、ベリリン、コロネンなどの多環芳香族やそのアルキル置換体が挙げられる。
【0076】
緑色蛍光体は、溶液状態での蛍光ピーク波長が480nm以上、580nm未満である有機化合物であれば、とくに制限はない。具体的には、3−(2′−ベンジミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン535)、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン540)、2,3,5,6,−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン(クマリン540A)、3−(5−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン34)、4−トリフルオロメチル−ピペリジノ[3,2−g]クマリン(クマリン340)、N−エチル−4−トリフルオロメチル−ピペリジノ[3,2−g]クマリン(クマリン355)、N−メチル−4−トリフルオロメチル−ピペリジノ[2,3−h]クマリン、9−シアノ−1,2,4,5−3H,6H,10H−テトラヒドロ−1−ベンゾピラノ[9,9al−gh]キノリジン−10−オン(クマリン377)などのクマリン化合物、2,7−ジクロロフルオレセンなどのキサンチン色素、テトラセン、キナクリドン化合物などが挙げられる。
【0077】
赤色蛍光体としては、溶液状態でのピーク波長が580nm以上、650nm以下である有機化合物であれば、とくに制限はない。具体的には、ヨーロッパ公開特許第281381号公報に記載されている赤色発振レーザー色素として用いられるジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、フルオレセイン誘導体、ペリレン誘導体などが挙げられる。
【0078】
これらの発光性材料は、異方散乱性色変換層または単なる色変換層形成時のプロセスや使用環境下での発光効率の低下を考慮し、堅牢性にすぐれた材料を用いるのが望ましい。発光性材料の使用量は、色変換層を構成する樹脂材料などに対し、0.1〜10モル%、好ましくは0.5〜5モル%の割合とするのがよい。この量は、濃度消光を生じないための濃度範囲である。
【0079】
なお、発光性材料に有機EL素子からの励起光をすべて吸収させることなく、その一部を吸収させてより長波長の色に変換させ、吸収されなかった励起光源はそのまま外部に出射させてもよい。たとえば、励起光に青色を用い、黄色に発光する有機染料を適量添加することで、また緑色と赤色に発光する有機染料を適量添加することで、いずれも、白色を得ることができる。これらの量は、励起発光の発光スペクトル、有機染料の吸収スペクトル、赤外スペクトルなどから、目的の発光色が得られるように、適宜、濃度調整すればよい。
【0080】
本発明の有機EL素子において、前記の基本構成となる有機材料、電極材料、層構成や各層の膜厚に関してはとくに限定はなく、従来技術をそのまま適用することができる。有機層は低分子系材料を真空蒸着して形成してもよいし、高分子系材料を塗布法などにより形成してもよく、とくに制限はない。
【0081】
具体的な構成として、前記した2層型の有機EL素子である陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/陰極や、3層型の有機EL素子である陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極のほか、陽極/発光層/陰極などの種々の構成形態を選択することができ、とくに限定はない。
陽極界面に正孔注入層や陰極界面に電子注入層を設けたり、再結合効率を高めるための電子ブロック層、正孔ブロック層を挿入した構成としてもよい。基本的には、発光効率がより高くなる構成、材料、形成方法を選択すると、少ない消費電力で強度のEL発光が得られ、色変換層中の発光性材料を効率良く励起発光させることができ、本発明の効果がより高められる。
【0082】
電極材料も、適宜最適なものを選択できる。通常の有機EL素子において、陽極には酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫などの透明導電膜が用いられ、陰極にはMgとAgをおよそ10:1の原子比で共蒸着したものや、Ca電極、Liを微量ドープしたAl電極などが陰極の低仕事関数化による電子注入効率向上の観点から応用されているが、とくに限定されるものではない。
【0083】
本発明における支持基板としては、透明性の有無に関わらず、一般的なものが使用できる。ガラス基板を用い、発光を透明電極を介してガラス基板側に取り出す方法のほかに、不透明な金属板を支持基板に用い、透明電極の上に異方散乱性樹脂層を形成するようにしてもよい。
また、陽極を透明電極とする以外に、たとえば陰極として有機層界面から厚さ数nm〜十数nmの透光性を維持できる薄さの金属電極を形成し、その後、ITOを形成するなどして、陰極を透明電極としてもよい。さらには、支持基板と透明電極の間に異方散乱性樹脂層を形成してもよい。本発明において、異方散乱性樹脂層上に支持基板があっても、本発明の効果は同様に奏される。
【0084】
また、支持基板としては高分子フィルムも使用でき、具体的な材料には、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。
ただし、支持基板が異方散乱性樹脂層より出射面側に形成されている場合には、異方散乱性樹脂層により得られる直線偏光を維持するため、支持基板には複屈折を示す光学異方性のないものを選択する必要がある。
仮に複屈折があると、異方散乱性樹脂層から出射する直線偏光と、その光軸、位相差の関係によっては直線偏光が楕円偏光に変換され、液晶表示装置などに適用する場合、偏光板で吸収される成分が増加してしまう場合がある。したがって、ガラス板、エポキシ樹脂基板、三酢酸セルロースフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルムやその他市販の光学異方性のない基板を用いる必要がある。
【0085】
なお、図1、図3および図4においては、異方散乱性樹脂層や色変換層を、直接、支持基板や透明電極上に形成するようにしているが、透明な粘着剤や接着剤を介して、貼り合わせてもよい。その際、有機EL素子の発光光を極力全反射により失わないように、各層の屈折率を考慮して、これらの粘着剤や接着剤の屈折率を調整することが望ましい。
たとえば、図1において、異方散乱性樹脂層7内に発光性材料80を含ませて構成した異方散乱性色変換層を、支持基板(ガラス基板)1上に粘着剤を用いて貼り合わせる場合、この粘着剤の屈折率は、ガラス基板の屈折率より高くかつ異方散乱性樹脂層の屈折率より小さくするのが望ましい。これによりガラス基板/粘着剤および粘着剤/異方散乱性樹脂層の界面で全反射が起こらず効率良く異方散乱性樹脂層に励起光を入射させることができる。ただし、必ずしも、粘着剤の屈折率が上記関係を満足していなくても、屈折率差が0.1程度かそれ以下であれば、本発明の効果を著しく低下させる心配はない。
【0086】
本発明の有機EL素子において、光の取り出し面には偏光維持性のレンズシートや光拡散板、波長カットフィルター、位相差フィルムなどを適宜使用できる。レンズシートは、出射光(直線偏光)をその偏光度を可及的に維持しつつ光路制御して視認に有利な正面方向への指向性を向上させ、散乱性の出射光の強度ピークを正面方向とすることなどを目的とする。
波長カットフィルターは、励起光源からの直接光をたとえば液晶表示素子などに進入することを防止する目的で用いられ、とくに励起光が紫外線である場合、紫外線による液晶や偏光板の劣化を防止する必要がある。また、不必要な波長の可視光線を排除する目的で用いることもできる。
また、本発明においては、上記の波長カットフィルターを設けずに、異方散乱性樹脂層やその他の構成部材に対し、必要により、たとえば紫外線吸収剤などを配合して波長カットの機能をもたせることもできる。
【0087】
本発明においては、このような構成からなる有機EL素子を発光素子として具備することを特徴とする偏光面光源と、さらに上記有機EL素子を発光素子として具備することを特徴とする表示装置を、提供できる。これらにより、発光効率の高い偏光面光源および表示装置を提供できるものである。
【0088】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0089】
実施例1
<有機EL素子の基本構成の作製>
ガラス基板の片面側に、ITOセラミツクターゲット(In:SnO=90重量%:10重量%)から、DCスパッタリング法にて、厚さ100nmのITO膜を形成し、透明電極(陽極)を形成した。
その後、フォトレジストを用いて、ITOをエッチングすることにより、発光面積が15mm×15mmとなるようにパターンを形成した。超音波洗浄を行ったのち、低圧紫外線ランプを用いてオゾン洗浄した。
【0090】
つぎに、励起光として青色発光を用いるため、文献〔Junji.Kido et al.,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.32,Part.2,No.7A,L917〜L920(1993)〕に記載されている方法を、参考にして、ITO面上に、真空蒸着法により、有機層を順次形成した。
まず、正孔注入層として、式(3)で表されるCuPcを、蒸着速度0.3nm/sで、15nmの厚さに形成した。つぎに、正孔輸送性青色発光層として、式(4)で表されるTPDを、蒸着速度0.3nm/sで、40nmの厚さに形成した。ついで、正孔ブロック層として、式(5)で表されるTAZを、蒸着速度0.3nm/sで、15nmの厚さに形成した。最後に、電子輸送層として、式(6)で表されるAlqを、蒸着速度0.3nm/sで、90nmの厚さに形成した。
【0091】
その後、Mgを1nm/s、Agを0.1nm/sの蒸着速度にて共蒸着し、厚さ100nmのMgAgを形成後、MgAgの酸化防止の観点から、さらに、その上にAgを50nm形成して、反射性電極(陰極)とした。
真空蒸着装置から取り出したのち、陰極電極側に紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で高圧紫外線ランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させ、素子を封止した。
【0092】
【化1】
Figure 2004311186
【0093】
このように作製した異方散乱性樹脂層(異方散乱性色変換層)を形成する前の有機EL素子につき、13Vの直流電圧を印加したところ、13.5mA/cmの電流密度で素子に電流が通じ、発光が観測された。発光色は青色がかった白色をしており、ガラス基板の側面にみられる素子内に閉じ込められた導波光成分は青色であり、非常に強いものであった。
図5に示すように、市販の輝度計(トプコン社製の品名「BM9」)を用い、θ方向の素子の輝度を、0度〜80度方向まで、10度おきに測定した。正面0度の輝度値が1となるように規格化し、その角度分布を調べた。
結果は、0度:1.00に対し、10度:1.03、20度:1.06、30度:1.12、40度:1.15、50度:1.18、60度:1.21、70度:1.21、80度:1.15となった。
【0094】
この結果から、上記の有機EL素子は、本発明の式(1)の関係を十分に満たすものであった。また、この素子において、正孔と電子の再結合は、ほぼTAZとTPDの界面のTPD側で起こる。よって、本発明にいう正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離dはおよそ105nmであった。
また、ガラス基板上に蒸着したTPD薄膜の蛍光スペクトルのピーク波長λはおよそ450nmであった。また、分光エリプソメータを用いて測定したTPD薄膜の屈折率nはおよそ1.68であった。よって、上記の有機EL素子は、本発明の式(2)の関係も満足するものであった。
【0095】
<異方散乱性色変換層(異方散乱性樹脂層に発光性材料を含む層)の形成>
ノルボルネン系樹脂(JSR社製のアートン、ガラス転移温度182℃)950部(重量部、以下、同じ)と、つぎの式(7)で表される液晶ポリマー(ガラス転移温度80℃、ネマチック液晶化温度100〜290℃)50部と、さらに緑色蛍光染料としてBASF社製の「LumogenF Yellow−083」と赤色蛍光染料としてBASF社製の「LumogenF Red−305」を1.4:1の割合で混合したもの5部とを、溶解させた20重量%ジクロロメタン溶液を調製した。この溶液を用いて、キャスト法により、厚さが100μmのフィルムを形成し、これを180℃で3倍に廷伸処理したのち、急冷して、異方散乱性色変換層をフィルム形態で得た。
【0096】
【化2】
Figure 2004311186
【0097】
上記異方散乱性色変換層は、ノルボルネン系樹脂からなる透明フィルム中に液晶ポリマーが延伸方向に長軸な状態でほぼ同じ形状のドメイン状に分散したものであり、屈折率差Δnが0.23で、Δn、Δnが0.029であった。また、前記の微小領域の平均径を偏光顕微鏡観察による位相差に基づく着色により測定したところ、Δn方向の長さが約5μmであった。
つぎに、前記のように作製した基本構成としての有機EL素子のガラス基板上に、上記の異方散乱性色変換層を、アクリル系粘着剤を介して、2枚貼り合わせた。この有機EL素子に、前記と同様に、13Vの印加電圧を印加したところ、13.5mA/cmの電流密度で電流が通じ、白色発光が得られた。
【0098】
比較例1
電子輸送層として、式(6)で表されるAlqを45nmの厚さに形成した以外は、実施例1と同様にして、基本構成としての有機EL素子と、これに異方散乱性色変換層を形成した有機EL素子を作製した。
この異方散乱性色変換層の形成前後の有機EL素子に対して、8.3Vの電圧を印加し、10.5mA/cmの電流密度で素子に電流を流して発光させ、実施例1と同様に評価した。
【0099】
異方散乱性色変換層形成前の有機EL素子は、発光色および導波光ともに青色であり、実施例1に比べて、導波光成分の強度は弱かった。また、θ方向の輝度分布は、0度:1.00に対し、10度:1.00、20度:0.93、30度:0.93、40度:0.89、50度:0.89、60度:0.79、70度:0.79、80度:0.71となった。
この結果から、異方散乱性色変換層形成前のθ方向の輝度分布は、本発明の式(1)の関係を満足しなかった。また、Alq層とTAZ層の合計厚さ60nmという値も、本発明の式(2)の関係を満足しなかった。
異方散乱性色変換層形成後の有機EL素子では白色発光が得られた。
【0100】
比較例2
電子輸送層として、式(6)で表されるAlqを140nmの厚さに形成した以外は、実施例1と同様にして、基本構成としての有機EL素子と、これに異方散乱性色変換層を形成した有機EL素子を作製した。
この異方散乱性色変換層の形成前後の有機EL素子に対して、18.2Vの電圧を印加し、10.5mA/cmの電流密度で素子に電流を流して発光させ、実施例1と同様に評価した。
【0101】
異方散乱性色変換層形成前の有機EL素子は、発光色および導波光の色目に違いはみられたが、おおよそともに青色であり、実施例1に比べ、導波光成分の強度は弱かった。また、θ方向の輝度分布は、0度:1.00に対し、10度:0.95、20度:0.86、30度:0.77、40度:0.71、50度:0.63、60度:0.56、70度:0.52、80度:0.45となった。
この結果から、異方散乱性色変換層形成前のθ方向の輝度分布は、本発明の式(1)の関係を満足しなかった。また、Alq層とTAZ層の合計厚さ155nmという値も、本発明の式(2)の関係を満足しなかった。
異方散乱性色変換層形成後の有機EL素子では白色発光が得られた。
【0102】
比較例3
実施例1で作製した基本構成としての有機EL素子のガラス基板上に、実施例1で形成した異方散乱性色変換層に代え、下記の方法で作製した異方散乱性を持たない通常の光散乱性色変換層を、アクリル系粘着剤を介して貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
【0103】
<通常の光散乱性色変換層の作製>
緑色蛍光染料として、BASF社製の「LumogenF Yellow−083」をジクロロメタンに0.2重量%の濃度で溶解させた。また、赤色蛍光染料として、BASF社製の「LumogenF Red−305」をジクロロメタンに0.15重量%の濃度で溶解させた。これらの溶液を10gづつ等量混合し、その溶液中にマトリックス樹脂としてポリメタクリル酸メチルを6.5g、拡散粒子としてアルミナ微粒子(昭和電工社製の「UA−5035」、平均粒径0.9μm)を1.3g、加えて、十分に撹拌した。
この溶液を、アプリケータを用いてキャスティングし、十分に乾燥して、厚さが55μmの光散乱性色変換層をフィルム形態で得た。
【0104】
上記の実施例1および比較例1〜3の各有機EL素子について、同じ素子電流(10.5mA/cm)を通じた状態で、正面輝度値を測定した。
また、液晶表示装置用のバックライトとして適用する場合を想定し、各素子に対して偏光板(日東電工社製の「NPF−SEG1425DU」)を設置したのち、その正面輝度値を測定した。
なお、異方散乱性色変換層を形成した実施例1および比較例1,2の各有機EL素子は、異方散乱性色変換層の延伸軸と偏光板の透過軸が平行となるように、偏光板を設置した。また、異方散乱性のない通常の光散乱性色変換層を形成した比較例3の有機EL素子は、任意の方向に偏光板を設置した。
これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
【0105】
Figure 2004311186
【0106】
上記の結果から明らかなように、実施例1の有機EL素子と比較例1,2の有機EL素子を対比すると、異方散乱性色変換層形成前は、実施例1の方が低い輝度値を示していたが、異方散乱性色変換層形成後は、上記とは逆に、実施例1の方が高い輝度値を示し、単位電流あたりの発光効率にすぐれていた。これは、実施例1の有機EL素子では、正面輝度は低下するが、本来素子内部に閉じ込められて取り出すことのできない導波光成分を強め合うような素子構成とし、空気層を介することなく異方散乱性色変換層を形成したことにより、増強された導波光が全反射されることなく異方散乱性色変換層に入射し、蛍光染料の励起光源として有効に利用されたことに基づくものである。
【0107】
また、比較例3の有機EL素子では、偏光板を設置する前は実施例1の有機EL素子と同等ないしそれ以上の輝度値を示していたが、偏光板設置後は偏光板に半分以上の光が吸収されてしまい、輝度値が大きく低下した。
これに対して、実施例1の有機EL素子では、異方散乱性色変換層から出射する際に直線偏光リッチな偏光光として出射させることができ、そのぶん偏光板での吸収を低減でき、液晶表示装置などに用いる場合に、発光効率によりすぐれた有機EL素子を提供できるものであることがわかる。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、本発明の有機EL素子は、白色LEDに応用されているように励起光源に青色、紫外光などの短波長の発光素子を用い、その励起光源を適宜の発光性材料で色変換する方式と同様に、発光性材料の添加量を調整するだけで、容易に白色をはじめとした任意の発光色を得ることができる。そればかりか、色変換層を形成する前では発光効率は低いが、本来素子内部に閉じ込められる導波光成分を増幅するように工夫しているため、空気層を介することなく色変換層を形成することで、立体角的に光量の多い増強された導波光成分がそのまま色変換層に入射し、これに分散された発光性材料の励起光源として有効に働く。
【0109】
しかも、色変換層自体またはそれより出射面側に、複屈折特性の相違する微小領域を分散させた異方散乱性樹脂層を形成したことにより、励起発光した発光光が空気層界面で全反射し、導波光として内部に閉じ込められるのを抑制し、しかも直線偏光リッチな偏光光として取り出すことができるので、液晶表示装置などに用いる場合、非常に高効率な偏光面光源を提供することできる。また、その偏光方向も任意に選定することができる。
このため、本発明の有機EL素子によれば、表示装置の消費電力を大幅に低減できるばかりか、動作電圧や素子電流を低減でき、素子寿命が大幅に向上する。しかも、励起光源にEL発光光を用い、間接的に発光性材料を発光させ、しかも散乱させて外部に出射させるので、有機EL素子で問題となる素子劣化に伴うダークスポットの影響がほとんど現れなくなるという効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明および従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の基本構成についての(異方散乱性色変換層を形成する前の)特性図である。
【図3】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の別の例を示す断面図である。
【図5】実施例1の有機エレクトロルミネッセンス素子の特性の説明図である。
【図6】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の原理説明図である。
【図7】有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域を示す説明図である。
【図8】有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度についての説明図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 透明電極(陽極)
3 反射性電極(陰極)
4 正孔輸送層
5 電子輸送性発光層
6 発光領域
7 異方散乱性樹脂層
70 微小領域
8 色変換層
80 発光性材料

Claims (7)

  1. 発光層を含む少なくとも1層の有機層とこれを挟持する反射性電極と透明電極とからなる一対の電極が、光取り出し面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光光が発光層から透明電極を介して観測者側に出射するまでの間に、透光性樹脂中に複屈折特性の相違する微小領域を分散分布させた異方散乱性樹脂層が実質的に空気層を介することなく形成され、この樹脂層内またはこの樹脂層と発光層との間に、発光層から放射される発光光を励起光源として吸収し、蛍光発光または燐光発光する少なくとも1種の発光性材料を含ませたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離をd(nm)、発光層に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ(nm)、発光層と反射性電極との問の有機層の屈折率をnとすると、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たす請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 異方散乱性樹脂層における微小領域は、液晶性材料、液晶相を過冷却固定したガラス状態材料または重合性液晶の液晶相をエネルギー線により架橋固定した材料から構成されている請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 異方散乱性樹脂層は、透光性樹脂中にこの樹脂のガラス転移温度よりも低温でネマチック液晶相を呈するガラス転移温度が50℃以上の液晶ポリマーからなる微小領域を分散含有させたものである請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 異方散乱性樹脂層は、微小領域とそれ以外の部分との間で、微小領域の各光軸方向における屈折率差Δn、Δn、Δnが最大値を示す軸方向(Δn方向)において0.03〜0.5(Δn)であり、この軸方向と直交する2軸方向(Δn方向、Δn方向)において0.03以下である請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする偏光面光源。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする表示装置。
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