JP2004296463A - 洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents

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Makoto Miyamoto
誠 宮本
Tetsuo Fukada
哲生 深田
Hiroyuki Chibahara
宏幸 千葉原
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Abstract

【課題】半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板などの高い清浄度を要求される電子材料を、表面に損傷を与えるおそれなく洗浄する。
【解決手段】水素ガス溶解手段20で超純水に水素ガスを溶解し、H添加手段30で過酸化水素を添加し、得られた洗浄液に超音波印加手段40で超音波を照射しながら、洗浄部50で洗浄対象80を洗浄する。超純水を、脱気手段10で脱気しておくとよい。さらに、pH調整手段により、洗浄液のpHを調整するとよい。また、H分解剤添加手段からH分解剤を供給しつつ洗浄を行なうとよい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体基板、ガラス基板、電子部品基板、さらに、これらの製造装置部品などの電子部品類の洗浄方法および洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子材料の洗浄方法としては、従来からRCA洗浄と呼ばれる高濃度の薬液を用いる高温洗浄技術が多くの工場で使われている。RCA洗浄とは、硫酸と過酸化水素水の混合液(SPM)を120〜150℃に加熱したもの、アンモニアと過酸化水素水の混合液(APM)を60〜80℃に加温したもの、あるいは、塩酸と過酸化水素水の混合液(HPM)を60〜80℃に加温したものを洗浄液として用いる洗浄方法である。RCA洗浄を用いると、確かに清浄な表面が得られる。しかし、使用する薬液、薬液切り替えに要する時間、切り替えの合間および最終工程で行なわれるリンスに要する超純水などによるコスト圧迫、大量に排出される薬液含有排水や薬液排気による環境負荷などが問題視されており、薬液を極力使用しない省資源型洗浄への移行が求められている。
【0003】
これに対して、超純水にオゾンや水素といった特定の気体をわずかに溶解しただけのオゾン水や水素水などによる洗浄技術が開発されている。オゾン水は非常に高い酸化力を有し、基板上の有機物の除去と金属の除去に効果を発揮することが知られている。とくに酸を添加すると、オゾン水の有機物と金属の除去効果は一層高められる。一方、水素水、酸素水、希ガス水などを用い、超音波照射を併用して洗浄すると、微粒子の除去に高い効果が発揮されることが、明らかにされている。
【0004】
たとえば、特許文献1に記載の装置では、水素ガス溶解部で超純水に水素ガスを溶解し、pH調整部でアンモニア水などを添加してpHを調整し、超音波印加部で洗浄液に超音波を照射することによって、粒子の除去性を向上させている。
【0005】
また、特許文献2では、超純水に還元性ガスまたは酸化性ガスを溶解させた洗浄水を、ジェット流体として基板に噴射することで粒子の洗浄を行なう方法が検討されている。
【0006】
超純水に、わずかに数ppmオーダーの水素ガスを溶解させただけの水が、粒子除去能力を高めることができる理由については、現段階で2点考えられる。1つは水素水の酸化還元電位である。水素水の酸化還元電位は還元領域にあり、酸化還元電位が負の領域にある場合には、pHが中性付近でもウエハ表面および微粒子の表面電位を負に帯電させることができ、電気的反発による微粒子の再付着を防止できる。また、水素水にアルカリ性の物質を添加し、pHをアルカリ領域とすることで、さらに再付着の防止作用を向上させることも試みられている。もう1つは、ラジカルの作用である。水素水に超音波を照射すると微粒子の洗浄効率が増加するのは、超音波と水素分子および水分子の相互作用によって、水素ラジカル(・H)あるいは水酸化ラジカル(・OH)が生成し、それが粒子除去に強く影響を及ぼすことが分かった。
【0007】
しかしながら、特許文献1に示された方法では、水素水に超音波を照射するだけの洗浄では、実際の製造工程で必要とされる洗浄度を満たすには不充分であった。また、アルカリの添加は、静電反発に作用するだけで、基板から粒子を離す、いわゆるリフトオフ作用は付与されないために、基板からの微粒子の除去効率は殆ど向上しないという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2では、洗浄水をジェット流体として基板に噴射する方法では、ジェット洗浄することで微粒子のリフトオフ作用は付与されているが、超音波印加によって生成する水素ラジカルや水酸化ラジカルは生成しないために、基板の除去効率が不充分であるという問題点があった。
【0009】
超音波を印加した水素水を用いて洗浄度を向上させるためには、印加する超音波の出力をあげる方法、または、ラジカル濃度をあげるために溶存水素濃度をあげる方法などが考えられる。しかし、超音波の出力をあげすぎると、電子素子などの配線にダメージを与えるため、好ましくない。一方、常圧下での水素水濃度は1.5ppm程度であり、通常の水素水洗浄では飽和濃度レベルで行なっているために、これ以上溶存水素濃度をあげることもできない。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−64867号公報
【特許文献2】
特開平11−265870号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板などの高い清浄度を要求される電子材料を、表面に損傷を与えるおそれなく洗浄することができる洗浄方法および洗浄装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
飽和濃度の水素水に、さらに超音波と相互作用してラジカルを生成する化学物質を添加することにより、洗浄液中のラジカル濃度を増加させ、洗浄効率を大幅に改善させることができた。
【0013】
すなわち、本発明は、超純水に水素ガスを溶解してなる洗浄液を用い、該洗浄液に超音波を照射しながら被洗浄物を洗浄する洗浄方法であって、前記洗浄液に過酸化水素を添加する洗浄方法に関する。
【0014】
また、本発明は、超純水に水素ガスを溶解して洗浄液を生成する水素ガス溶解手段、洗浄液に超音波を印加する超音波印加手段、および被洗浄物に洗浄液を供給して洗浄する洗浄手段を備える洗浄装置であって、さらに洗浄液に過酸化水素を添加する過酸化水素添加手段を具備する洗浄装置に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の基板洗浄方法では、洗浄液として、超純水に水素ガスを溶解した水素水を使用する。
【0016】
超純水としては、半導体工場などの超純水製造装置で製造された超純水などをあげることができるが、半導体などの基板洗浄に用いられるものであれば、とくに限定されない。超純水は、25℃における電気抵抗率が17MΩ・cm以上であり、有機体炭素が10μg/リットル以下であり、微粒子が10,000個/リットル以下であることが好ましい。
【0017】
超純水には水素ガスが溶解されるが、その前に超純水中に溶解しているガスを脱気装置で除去し、超純水中の溶存ガス濃度を極限まで低くしておくことが好ましい。脱気後の超純水に含まれる酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの溶存ガス濃度は、10ppm以下が好ましく、2ppm以下がより好ましい。溶存ガス濃度が10ppmを超えると、水素ガスが溶解しがたくなり、所望の水素濃度が得られなくなる傾向がある。
【0018】
超純水中に水素ガスを溶解して得た水素水は、負の酸化還元電位を有する。溶存水素ガス濃度は、25℃、1気圧で0.05ppm以上が好ましく、とくに0.5〜1.5ppmであることが好ましい。溶存水素ガス濃度が0.05ppmより低いと洗浄効果が不充分となる傾向がある。
【0019】
超純水に水素ガスを溶解させる方法としては、超純水にガス透過膜を介して水素ガスを注入して溶解する方法、超純水中に水素ガスをバブリングして溶解させる方法、超純水中にエジェクターを介して水素ガスを溶解させる方法、ガス溶解槽に超純水を供給するポンプの上流側に水素ガスを供給し、ポンプ内の攪拌によって溶解させる方法などがあげられる。ガス溶解槽において超純水に溶解せしめる水素ガスは、高純度水素ガスを用いることが好ましい。
【0020】
つぎに、水素水に過酸化水素を添加する。過酸化水素は、過酸化水素水として添加することができる。過酸化水素の添加濃度は0.01〜3%、さらには0.1〜3%、とくには0.1〜1%であることが好ましい。過酸化水素の添加濃度が0.01%未満では、洗浄効果が不充分となる傾向があり、また、3%をこえると、基板にダメージを与えたりする傾向がある。
【0021】
過酸化水素を添加することによって、pHが中性のままでも、充分に洗浄度を向上させることができるが、pHを2〜12、とくには4〜10に調製することが好ましい。pH2未満もしくはpH12をこえると、洗浄効果が不充分になったり、基板にダメージを与えたりする傾向がある。
【0022】
つぎに、水素水に過酸化水素を添加して得られた洗浄液に、超音波を照射しながら基板を洗浄する。
【0023】
被洗浄物(基板)を洗浄液によって洗浄する方法としては、洗浄液中に被洗浄物を浸漬して洗浄するバッチ洗浄法、洗浄液を循環させながら被洗浄物と接触させて洗浄する循環洗浄法、洗浄槽の底部側から洗浄液を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせながら洗浄するフロー洗浄法、被洗浄物に洗浄液をシャワー状に吹き掛けて洗浄する方法、高速回転させた基板に洗浄液を吹き掛けて洗浄する方法などがあげられる。
【0024】
枚葉式で、被洗浄物に洗浄液を吹き掛けて洗浄する場合、洗浄液の供給速度は0.3〜3.0リットル/分、とくには1.0〜2.0リットル/分とすることが好ましい。0.3リットル/分未満では洗浄性が不充分となる傾向があり、3.0リットル/分をこえると、同様に洗浄性が不充分となる傾向がある。
【0025】
超音波としては30kHz以上、さらには400〜3000kHz、とくには800〜3000kHzの周波数のものが好ましい。30kHz未満では、基板の微細構造に損傷を与えてしまう傾向がある。
【0026】
超音波を照射する場合、たとえば、バッチ洗浄法では洗浄槽内に供給した洗浄液に被洗浄物を浸漬した状態で照射するなどの方法が採用され、洗浄液を被洗浄物にノズルなどから吹き掛けて洗浄する方法の場合には、洗浄液噴射ノズルの上流部において洗浄液に超音波を照射する方法が採用される。
【0027】
このとき、同時に基板上に過酸化水素分解剤(過酸化水素を分解する物質)を供給することが好ましい。過酸化水素分解剤の供給によって、さらに洗浄度を向上させることができるとともに、電子素子のダメージを低減させることができる。
【0028】
過酸化水素分解剤としては、カタラーゼ、スーパーオキサイドディスムスターゼ(SOD)、チトクロームオキシダ−ゼ、パーオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの化学物質およびその誘導体、オゾン、アルカリ物質などがあげられる。
【0029】
これらの過酸化水素分解剤は、水溶液などの溶液として供給することができる。このとき、過酸化水素分解剤の濃度は0.01〜3重量%、とくには0.1〜3重量%であることが好ましい。0.01重量%未満では、過酸化水素との反応が充分でなくなり洗浄性が不充分となる傾向がある。3重量%をこえると、分解剤自身が汚染源となって洗浄性が不充分となる傾向がある。
【0030】
なお、化学物質の添加のほかにも、Hを分解する方法はあり、たとえば、紫外線を照射する方法、電子線を照射する方法、熱を与えて分解する方法なども有効である。紫外線を照射する方法では、たとえば、水素放電管、キセノン放電管、水銀ランプ、レーザーなどを備えた紫外線照射装置を用いることができる。
【0031】
本発明において、洗浄の対象となる電子部品部剤類(被洗浄物)としては、電子部品製造分野などにおいて用いられる種々の部品、材料などがあげられ、たとえばシリコン基板、III−V族半導体ウエハなどの半導体基板、液晶用ガラス基板などの基板材料、メモリ素子、CPU、センサー素子などの電子部品などの完成品やその半製品、石英反応管、洗浄槽、基板キャリヤなどの電子部品製造装置用部品などがあげられる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を用いて本発明の方法およびそれに用いる装置を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
以下の実施例および比較例において、洗浄評価は以下の手法で行なった。
【0034】
評価用の基板として、8インチのシリコンウエハ、および、銅、アルミニウム、タングステンなどの金属薄膜をウエハ全面に500nmの厚さで成膜した8インチウエハを用いた。これらの基板を、平均粒径0.3μmのアルミナ研磨剤微粒子で強制的に汚染したものを被洗浄物として用いた。ウエハ上の微粒子を、KLAテンコール製のレーザー散乱異物検査装置を用いて測定した。汚染ウエハの初期汚染状態では、粒径0.3μm以上の微粒子が5万個以上であった。
【0035】
ウエハの洗浄には、スピン洗浄機を用い、ウエハを150rpmで回転し、1.4ppmの水素ガスを溶解した水素水を1.5リットル/分でノズルより噴射し、ノズルをウエハ中心とエッジとの間を30秒単位でスイングさせながら、1分間洗浄した。超音波を照射する場合は、0.95MHzの超音波を照射した。洗浄終了後、ウエハの回転速度を3000rpmにあげて、20秒間乾燥した。
【0036】
乾燥後のウエハ上の微粒子数を異物検査装置で測定した。洗浄後にウエハ上に残る粒子は、製造歩留まりの観点から100個以下であることが好ましく、50個以下であることがさらに好ましい。また、枚葉式洗浄を前提とした場合、洗浄時間は1分以内に終了することが好ましい。
【0037】
洗浄後の金属薄膜のダメージ評価は、洗浄前後の金属薄膜のエッチング量を測定することで行なった。膜厚の測定には、(株)アルバック製の触針式膜厚測定装置、および、(株)リガク製の蛍光X線分析装置を用いた。
【0038】
実施例1
本実施例に用いた洗浄装置の概略図を図1に示す。
【0039】
図1の装置は、超純水中の溶存ガスを除去するための脱気手段10、超純水に水素ガスを溶解する水素ガス溶解手段20、水素ガスが溶解した水素水に過酸化水素(H)を添加するためのH添加手段30、洗浄液に超音波を照射する超音波印加手段40、および洗浄対象80を洗浄する洗浄手段50からなる。
【0040】
前記のごとく脱気した超純水中に飽和濃度に近い水素ガスを溶解したのち、超音波照射手段40の前段に設けたH添加手段30より所定量のHを添加した液に対して、超音波を照射しながら、シリコンウエハの洗浄を行なった。洗浄結果を表1に示す。
【0041】
また、比較例として、溶存水素を含まず超純水のみで洗浄した場合(比較実験例1)、超純水にHのみを添加した場合(比較実験例2〜4)、水素水のみで洗浄した場合(比較実験例5)、さらに、従来例で示したように水素水にアルカリ(この場合、アンモニア水)を添加した水素水で洗浄した場合(比較実験例6、7)も合わせて示す。
【0042】
水素水にHを添加した実験例1〜3では、Hの添加濃度に依存して洗浄度が向上した。水素水のみの比較実験例5と比較すると、H添加によって5倍〜50倍の洗浄度の向上が確認された。
【0043】
一方、比較実験例1〜7のいずれの洗浄条件も、水素水にHを添加した実験例1〜3に比べて、洗浄度が劣ることが確認された。とくに、従来例として示した中性水素水およびアルカリ水素水を用いた比較実験例5〜7は、洗浄度の点で実験例1〜3に及ばなかった。
【0044】
【表1】
Figure 2004296463
【0045】
前記実施例においては、アルミナ研磨剤微粒子を用いたが、その他の粒子、たとえば、シリカ系研磨剤粒子、チッ化シリコン系粒子、ポリビニルアルコールやポリビニルスチレンなどの有機系ラテックス粒子、タングステン、銅などの金属粒子に関しても、同様の効果が確認された。
【0046】
また、前記実施例においては、周波数が0.95MHzの超音波印加素子を用いたが、その他の周波数、たとえば、周波数が0.45MHz、3.0MHzなどの超音波素子を用いても、同様の効果が確認された。
【0047】
実施例2
つぎに、溶存水素濃度を変え、溶存水素濃度による洗浄度の違いを確認した。結果を図2に示す。なお、本実施例において、Hの添加濃度は0.5%とした。
【0048】
溶存水素が0.05ppm以上で洗浄度の向上効果が得られることが確認された。洗浄度は溶存水素濃度に依存して向上した。飽和濃度に近い1.2ppm以上で効果は一定となり、ほとんどの粒子が除去された。
【0049】
実施例3
洗浄度の向上要因は、超音波による物理力と、その超音波と溶存水素およびHとの相互作用によって生成する水素ラジカル(・H)やヒドロキシルラジカル(・OH)であると考えられる。そこで、電子スピン共鳴法(ESR)に用いられるラジカルトラップ剤である5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキサイド(DMPO)を、1% H添加水素水に添加して、実施例1と同様の洗浄実験を行なった。
【0050】
その結果、DMPOを添加しない場合、残留粒子数が15個であったのに対し、DMPOを添加した場合、残留粒子数は1200個となった。これは超音波との相互作用によって生成したラジカルが、スピントラップ剤と反応して、ウエハ上の付着粒子に作用したラジカル濃度が減少したためである。したがって、・Hもしくは・OHラジカルの生成が、粒子除去に強く関与していることが確認された。
【0051】
また、ラジカル生成量を水素水のみの場合に対して、0.5% H添加水素水の場合に、ラジカル生成量は約10倍であることを確認した。
【0052】
実施例4
図3に示すように、図1の洗浄装置にpH調整手段60を付加した装置を用いて、洗浄実験を行なった。水素水へのH添加濃度は0.5%とし、pH調整にはアンモニア水を用いて、pH7(実験例1)、pH9(実験例2)およびpH11(実験例3)に調製した。表2に結果を示す。洗浄液をアルカリ性にすることによって、さらに、洗浄度が向上することが確認された。
【0053】
【表2】
Figure 2004296463
【0054】
実施例5
実施例1〜4で用いた超音波印加部は、超音波が印加された液をスポット的に噴出し、ウエハ上を数秒〜数10秒かけてスキャンする方式であった。ラジカルは反応活性という点で利点を有するが、その寿命はミリ秒〜ナノ秒と非常に短い。そのため、前記実施例で用いた洗浄方式では、局所的にしか超音波が印加された洗浄液が供給されず、小さい面積でしかラジカルが有効に作用していない可能性が高かった。短時間で、微粒子を効率よく除去するためには、ラジカルをウエハ全体に存在させることが望ましい。ウエハの径方向全体に超音波印加部を配置すれば、ノズル直下の面積が増え、短時間で洗浄することが可能になるはずである。
【0055】
そこで、図4に示すように、石英棒42を用いてウエハの径方向全体を超音波印加部とした洗浄装置を用いて洗浄評価を行なった。結果を表3に示す。なお、洗浄液のpHは6.2、洗浄時の供給液量やウエハの回転数などはすべて実施例1と同じである。30秒洗浄によって、すべての洗浄条件で基準をクリアする洗浄度が得られた。60秒ではほとんどの粒子が残っていなかった。本実施例の洗浄装置を用いることで、短時間で微粒子を除去することが可能であることが確認された。
【0056】
【表3】
Figure 2004296463
【0057】
実施例6
実施例1〜5においては、水素水にHを添加することで、洗浄度が向上することを証明した。ただし、ラジカル生成に関与しないHは、ウエハ上にHのままで供給されてしまう。このようなHは、pHを変化させることはないが、それ自身は酸化剤であるために、電子デバイスなどで用いられる金属配線などを溶解あるいは腐食させてしまう恐れがある。そこで、図5に示すように、ウエハ上のHを分解除去するために、図1の装置にH分解剤添加手段70を加え、超純水にH分解剤を加え供給するようにした。
【0058】
本実施例では、Hによってダメージを受ける代表的な金属としてタングステンを選択し、タングステン薄膜上にアルミナ微粒子を強制汚染し、これを洗浄した。また、H分解剤としてカタラーゼを選択し、3%のカタラーゼ溶液を150ミリリットル/分の添加速度で、1.35リットル/分の洗浄液に添加した。洗浄後のタングステン薄膜のダメージを評価するために、蛍光X線膜厚測定装置を用いて、膜厚測定を実施した。表4に結果を示す。
【0059】
分解剤を添加しない場合(実験例2)に比べて、分解剤を添加した場合(実験例1)の方が、洗浄度もよく、またタングステン薄膜のエッチングも抑制されることがわかった。
【0060】
また、ダメージ抑制方法として、Hを5秒毎に供給・停止する間欠供給方法も実施した(実験例3)。Hの間欠供給によっても、洗浄度を確保しつつ、ダメージ抑制が可能なことが確認された。
【0061】
【表4】
Figure 2004296463
【0062】
ここでは、タングステンに対して具体的結果を示したが、その他の金属材料、銅、アルミニウム、コバルト、コバルトシリサイド、タングステンナイトライド、タングステンシリサイド、チタン、チタンナイトライド、タングステンチタン、バリウム、ストロンチウム、タンタル、ジルコニウム、ビスマス、また、それらの複合材料などに対しても、洗浄度向上および配線ダメージ低減の効果があることを確認した。
【0063】
また、Hを分解する方法として、ここでは、一化学物質としてカタラーゼを添加したが、スーパーオキサイドディスムスターゼ(SOD)、チトクロームオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの化学物質およびその誘導体を用いても有効である。また、オゾンを添加すること、アルカリ物質を添加することも有効である。
【0064】
また化学物質添加以外にもHを分解する方法はあり、たとえば、紫外線を照射する方法、電子線を照射する方法、熱を与えて分解する方法なども有効である。前記紫外線照射装置にとくに制限はなく、たとえば、水素放電管、キセノン放電管、水銀ランプ、レーザーなどを備えた装置を用いても同様以上の効果が確認された。
【0065】
実施例7
分解剤の添加によって生成するOHラジカルの効果として、ウエハ上の有機物除去効果を検証した。RCA洗浄を行ない完全清浄化したウエハを、ポリプロピレン製ウエハボックスに一週間放置後、図5の装置を用いて、洗浄を行なった。洗浄前後における有機物の除去量は、高感度反射FTIR法を用い、洗浄前後でのCH結合に対応する2800cm−1〜3000cm−1ピークの吸光度変化より求めた。超純水に超音波を印加した場合、20%しか有機物が除去されなかったのに対し、水素水にHを添加した液では、60%が除去され、さらに、水素水にHを添加してH分解剤を併用した場合には、80%の有機物が除去された。
【0066】
【発明の効果】
本発明の洗浄方法および洗浄装置を用いることにより、従来のRCA洗浄法のように大量の洗浄液を使用せずとも、従来法と同等ないしはそれ以上の洗浄効果を得ることができるため、洗浄液に用いる原料や超純水にかかるコストの低減化を図ることができるとともに、使用済の洗浄液などを処理するためのコストを低減化することができる。
【0067】
また、従来の水素水に超音波印加した洗浄法や水素水を用いたジェット洗浄よりも高い微粒子除去効果を実現できる。さらに、本発明によれば、中性の洗浄液でも充分な洗浄効果が得られるので、被洗浄物の荒れや溶解といったダメージを起こすことなく、高清浄な表面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における基板洗浄装置の模式図である。
【図2】溶存水素濃度による洗浄度の違いを示すグラフである。
【図3】本発明の実施例4における基板洗浄装置の模式図である。
【図4】本発明の実施例5における基板洗浄装置の模式図である。
【図5】本発明の実施例6における基板洗浄装置の模式図である。
【符号の説明】
10 脱気手段、20 水素ガス溶解手段、30 H添加手段、
40 超音波印加手段、42 石英棒、50 洗浄手段、60 pH調整手段、70 H分解剤添加手段、80 洗浄対象。

Claims (6)

  1. 超純水に水素ガスを溶解してなる洗浄液を用い、該洗浄液に超音波を照射しながら被洗浄物を洗浄する洗浄方法であって、前記洗浄液に過酸化水素を添加する洗浄方法。
  2. 被洗浄物上で過酸化水素を分解しながら洗浄する請求項1記載の洗浄方法。
  3. 過酸化水素分解剤を含む溶液を、被洗浄物上に供給しながら洗浄する請求項1記載の洗浄方法。
  4. 超純水に水素ガスを溶解して洗浄液を生成する水素ガス溶解手段、洗浄液に超音波を印加する超音波印加手段、および被洗浄物に洗浄液を供給して洗浄する洗浄手段を備える洗浄装置であって、さらに洗浄液に過酸化水素を添加する過酸化水素添加手段を具備する洗浄装置。
  5. 被洗浄物上の過酸化水素を分解する過酸化水素分解手段を具備する請求項4記載の洗浄装置。
  6. 被洗浄物上に過酸化水素分解剤を供給する過酸化水素分解剤添加手段を具備する請求項4記載の洗浄装置。
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