JP2004281329A - 電極パターン形成方法およびディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリの発生および浮きによる隙間の発生の虞を解消し、信頼性を向上させた電極パターンの形成方法およびその電極パターンの形成方法を用いたディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上に、基板1に隣接する第1レジスト層21と、第1レジスト層21に隣接する第2レジスト層22と、を積層する第1工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部20Pを形成する第2工程と、開口凹部20Pを介して、基板1上に金属膜3aを成膜し、このとき、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着する金属膜3cと基板1上の金属膜3aとを分離するように形成する第3工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、基板1から剥離することで、基板1上の金属膜3aを残す第4工程と、を含む電極パターンの形成方法。
【選択図】 図2
【解決手段】基板1上に、基板1に隣接する第1レジスト層21と、第1レジスト層21に隣接する第2レジスト層22と、を積層する第1工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部20Pを形成する第2工程と、開口凹部20Pを介して、基板1上に金属膜3aを成膜し、このとき、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着する金属膜3cと基板1上の金属膜3aとを分離するように形成する第3工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、基板1から剥離することで、基板1上の金属膜3aを残す第4工程と、を含む電極パターンの形成方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極パターンの形成方法およびその電極パターンの形成方法を用いたディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスやディスプレイパネル等の電子デバイスを製造する際に、電極パターン等の金属膜の形成工程に用いられる方法として、リフトオフ法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のリフトオフ法について図1を用いて説明する。従来のリフトオフ法では、まず図1の(a)に示すように、基板101上にレジスト層102を形成し、所定パターンのマスクを介してレジスト層102を露光、現像することにより、レジスト層102に所定の電極パターンに対応した開口部102Pを形成する。
【0004】
次に、図1の(b)に示すように、開口部102Pが形成されたレジスト層102の上から、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属材料を、スパッタまたは蒸着等の方法により堆積させて金属膜103を成膜する。その後、レジスト層102を剥離、除去することにより、図1の(c)に示すように、開口部102Pの形状にパターニングされた電極パターン105が形成される。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−278474号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のリフトオフ法を用いた電極パターン形成方法においては、図1の(b)に示すように、レジスト層102の開口縁部102aに付着した金属膜103cが、基板101上に堆積した金属膜103aとつながっている。
【0007】
そのため、レジスト層102の剥離時に、レジスト層102の開口縁部102aに付着した金属膜103cが、図1の(c)に示すように、完全に除去されずに、電極パターン105の端部にバリ106として残る虞があった。
【0008】
また、レジスト層102の剥離時に、レジスト層102の開口縁部102aに付着した金属膜103cに引きづられて、電極パターン105の端部が浮き上がるように剥離し、この浮きによって隙間107が生じてしまう虞があった。
【0009】
また、上記電極パターン105が、プラズマディスプレイパネルの背面基板に形成される列電極(アドレス電極)である場合は、上記のようなバリ106や隙間107が残ったままパネルの組立を行うと、組立完了後に行われるエージング工程で絶縁破壊が生じる虞がある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題としては、上述した従来技術において生じているバリの発生および浮きによる隙間の発生の虞を解消し、信頼性を向上させた電極パターンの形成方法およびその電極パターンの形成方法を用いたディスプレイパネルの製造方法を提供することが一例として挙げられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、請求項1に記載の電極パターンの形成方法は、基板上に、前記基板に隣接する第1レジスト層と、前記第1レジスト層に隣接する第2レジスト層と、を積層する第1工程と、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部を形成する第2工程と、前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜し、このとき、前記第2レジスト層の開口縁部に付着する金属膜と前記基板上の金属膜とを分離するように形成する第3工程と、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、前記基板から剥離することで、前記基板上の金属膜を残す第4工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の電極パターンの形成方法は、基板上に、前記基板に隣接するように第1レジスト層を形成する第1工程と、所定パターンのマスクを介して、前記第1レジスト層を露光、現像し、前記基板を露出させる第1開口部を形成する第2工程と、前記第1レジスト層に隣接するように、第2レジスト層を形成する第3工程と、所定パターンのマスクを介して、前記第2レジスト層を露光、現像し、前記第1開口部と連通するように、第2開口部を形成することにより、内広がりの開口凹部を形成する第4工程と、前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜し、このとき、前記第2レジスト層の開口縁部に付着する金属膜と前記基板上の金属膜とを分離するように形成する第5工程と、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、前記基板から剥離することで、前記基板上の金属膜を残す第6工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項13に記載の発明のディスプレイパネルの製造方法は、請求項1〜12のいずれかに記載の電極パターンの形成方法を用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の各実施の形態に係る電極パターン形成方法は、例えば、プラズマディスプレイなどのディスプレイパネルの背面基板に形成される列電極(アドレス電極)の電極パターン形成などに適用されるものであるが、適用分野はこれに限らず、一般的な電子デバイスの金属膜形成に適用できるものである。
なお、各実施の形態において同一又は相当する構成には同一の符号を付してある。
【0015】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明に係る第1の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
まず最初に、図2の(a)に示すように、レジスト転写工程(第1工程)を行う。このレジスト転写工程(第1工程)では、フィルム状の多層レジスト20(例えば2層)をローラ30によって、基板1に圧着して貼り付けることによって、基板1上に第1レジスト層21、第2レジスト層22を積層する。これにより、複数のレジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)の形成が1回の転写工程によって容易に実現できる。
【0016】
次に、図2の(b)に示すように、レジスト露光・現像工程(第2工程)を行う。このレジスト露光・現像工程(第2工程)では、所定パターンのマスクを介して、第1レジスト層21および第2レジスト層22に対して露光、現像を行うことによって、第1レジスト層21および第2レジスト層22に連通した開口凹部20Pを形成し、この部分の基板1を露出させる。
【0017】
このレジスト露光・現像工程(第2工程)における現像は、レジスト露光後に現像液に浸すことによりレジストがエッチングされ、上記の開口凹部20Pが形成される。
【0018】
なお、一般的に、レジスト現像の際には使用するレジスト素材の種類や現像液の種類等の諸条件によって、所謂現像レート(レジストをエッチングする速度)が異なる。
そこで本実施の形態では、開口凹部20Pを内広がりの形状にするべく、基板1に隣接する第1レジスト層21の現像レートは、それより上層の第2レジスト層22の現像レートよりも速くなるような条件を選定して現像を行うようにする。例えば、下層の現像レートが上層の現像レートよりも速くなるように、組成の異なる素材の層を積層した多層レジストを用いる。
このように現像レートを異ならせるためには、上層および下層にネガ型感光性樹脂を使用した場合は、感光硬化性の異なる素材を用いて、下層の現像レートを上層の現像レートよりも速くすることができる。
あるいは、上層および下層にポジ型感光性樹脂を使用した場合は、現像液に対する溶解速度が異なる素材を用いて、下層の現像レートを上層の現像レートよりも速くすることができる。
また、下層には感光性樹脂の代わりに非感光性樹脂を用いることにより、上層の感光性樹脂でパターニングされた開口部から浸透してくる現像液によって、下層の非感光性樹脂が溶解するので、このような場合でも下層の現像レートを上層の現像レートよりも速くすることができる。なお、この場合は、上層の感光性樹脂としては、ポジ型感光性樹脂またはネガ型感光性樹脂を用いることができる。
【0019】
上述のように、第1レジスト層21の現像レートが第2レジスト層22の現像レートよりも速くなる条件を選定して現像を行うことにより、第1レジスト層21の開口縁部21aよりも第2レジスト層22の開口縁部22aが突出し、上記開口縁部21aが第2レジスト層22によって覆われた内広がりの開口凹部20P(図2の(b)参照)が形成される。
【0020】
次に、図2の(c)に示すように、金属膜堆積工程(第3工程)を行う。
この金属膜堆積工程では、第2レジスト層22上から、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの電極材料をスパッタまたは蒸着等の方法で堆積させ金属膜3(3a、3b、3c)を形成する。
【0021】
これにより、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態で形成され、さらに、第2レジスト層22表面に堆積した金属膜3bが形成される。
【0022】
すなわち、本実施の形態では、第1レジスト層21の開口縁部21aが、第2レジスト層22によって覆われた状態(内広がりの開口凹部20P)であるので、金属膜3をスパッタ法または蒸着法等で堆積させる際に、第1レジスト層21の開口縁部21aへの金属膜の付着が発生しない。
【0023】
次に、図2の(d)に示すように、レジスト剥離工程(第4工程)を行う。
このレジスト剥離工程では、例えば、アルカリ溶液(例えば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン)等のレジスト剥離液を基板1上に供給する。これにより、第1レジスト層21、第2レジスト層22がレジスト剥離液を吸収して膨らみ基板1から剥離する。そして、このレジスト剥離液を洗い流すことにより、剥離したレジストが除去される。
【0024】
このとき、第2レジスト層22上の金属膜3bと開口縁部22aに付着した金属膜3cとが、剥離したレジストと共に除去されることにより、基板1上に形成された金属膜3aのみが残り、この金属膜3aを電極パターン5とする。
以上の第1〜第4工程を実施することにより、電極パターン5を形成することができる。
【0025】
本実施の形態に係る電極パターン形成方法では、上述のように、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態(不連続の状態)となり、次のレジスト剥離工程(第4工程)において全レジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)を剥離するとき基板1上の金属膜3aに外力が加わらないので、従来のようにバリが残ったり、電極パターン5の端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じてしまうことがない。
【0026】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る電極パターン形成方法の工程説明図である。本実施の形態では、複数のレジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)の形成を、液体レジストを使用して行う。
【0027】
まず、第1レジスト層21を形成するために、第1レジストの塗布・乾燥工程(第1工程の1)を行う。図3の(a)に示すように、基板1上にノズル31から第1の液体レジスト23を滴下するなどして塗布する。そして、乾燥させることにより、図3の(b)に示すように、基板1上に第1レジスト層21が形成される。
【0028】
次に、第2レジスト層22を形成するために、第2レジストの塗布・乾燥工程を行う(第1工程の2)。図3の(c)に示すように、第1レジスト層21上にノズル31から第2の液体レジスト24を滴下するなどして塗布する。そして、乾燥させることにより、図3の(d)に示すように、第1レジスト層21の上に第2レジスト層22が積層される。
【0029】
本実施の形態では、第1レジスト層21を形成する第1の液体レジスト23は、第2レジスト層22を形成する第2の液体レジスト24よりも現像レートの速い組成の素材を使用する。
【0030】
次に、図3の(e)に示すように、レジスト露光・現像工程(第2工程)を行う。このレジスト露光・現像工程(第2工程)では、所定パターンのマスクを介して、第1レジスト層21および第2レジスト層22に対して露光、現像を行うことによって、第1レジスト層21および第2レジスト層22に連通した開口凹部20Pを形成し、この部分の基板1を露出させる。
【0031】
本実施の形態も前述の第1の実施の形態と同様に、第1レジスト層21の現像レートが第2レジスト層22の現像レートよりも速くなる条件で、現像を行うことにより、第1レジスト層21の開口縁部21aよりも第2レジスト層22の開口縁部22aが突出し、上記開口縁部21aが第2レジスト層22によって覆われた状態の内広がりの開口凹部20P(図3の(e)参照)が形成される。
【0032】
以降は、図3の(f)、図3の(g)に示すように、前述の第1の実施の形態と同様に、金属膜堆積工程(第3工程)、レジスト剥離工程(第4工程)を実施することにより、基板1上に電極パターン5が形成される。
【0033】
本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態(不連続の状態)となり、次のレジスト剥離工程(第4工程)において全レジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)を剥離するとき基板1上の金属膜3aに外力が加わらないので、従来のようにバリが残ったり、電極パターン5の端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じてしまうことがない。
【0034】
(第3の実施の形態)
図4は第3の実施の形態に係る電極パターン形成方法の工程説明図である。本実施の形態では、フィルム状の(単層)レジストを一層ずつ順次積層する。
【0035】
本実施の形態は、まず最初に、図4の(a)に示すように、第1レジスト転写工程(第1工程)を行う。
この第1レジスト転写工程(第1工程)では、例えばローラ30を回転させながら、フィルム状の第1レジスト25を基板1に圧着することにより、基板1上に第1レジスト層21を形成する。
【0036】
次に、図4の(b)に示すように、第1レジスト露光・現像工程(第2工程)を行う。この第1レジスト露光・現像工程(第2工程)では、所定パターンのマスクを介して第1レジスト層21を露光、現像し、第1レジスト層21に、基板1を露出させる第1開口部21Pを形成する。
【0037】
次に、図4の(c)に示すように、第2レジスト転写工程(第3工程)を行う。この第2レジスト転写工程(第3工程)では、例えばローラ30を回転させながら、フィルム状の第2レジスト26を第1レジスト層21に圧着することにより、第1レジスト層21上に第2レジスト層22を形成する。
【0038】
次に、図4の(d)に示すように、第2レジスト露光・現像工程(第4工程)を行う。
この第2レジスト露光・現像工程(第4工程)では、所定パターンのマスクを介して第2レジスト層22を露光、現像し、第2レジスト層22に、第1レジスト層21の第1開口部21Pと連通するように第2開口部22Pを形成する。このとき、第2開口部22Pは第1開口部21Pよりも狭くなるように形成する。
【0039】
これにより、第1レジスト層21の開口縁部21aよりも第2レジスト層22の開口縁部22aが突出し、上記開口縁部21aが第2レジスト層22によって覆われた状態の内広がりの開口凹部20P(図3の(e)参照)が形成される。
【0040】
以降は、図4の(e)、図4の(f)に示すように、第1の実施の形態と同様に、金属膜堆積工程(第5工程)、レジスト剥離工程(第6工程)を実施することにより、基板1上に電極パターン5が形成される。
【0041】
本実施の形態においても、前述の第1、第2の実施の形態と同様に、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態(不連続の状態)となり、次のレジスト剥離工程(第6工程)において全レジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)を剥離するとき基板1上の金属膜3aに外力が加わらないので、従来のようにバリが残ったり、電極パターン5の端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じてしまうことがない。
【0042】
本実施の形態では、前述の内広がりの開口凹部20Pを形成する方法として、第1、第2の実施の形態と同様に、現像レートの異なるレジストを用いる方法を適用することができる。
【0043】
さらに、本実施の形態では、各レジスト層の現像工程において、第1レジスト層21の現像工程の現像時間を、第2レジスト層22の現像工程の現像時間よりも長く設定することによっても、上記現像レートの異なるレジストを用いる方法と同様の効果が得られる。
【0044】
あるいは、第1レジスト層21の現像工程の現像液を第2レジスト層22の現像工程の現像液よりも溶解が速い種類の溶液とする方法によっても、上記現像レートの異なるレジストを用いる方法と同様の効果が得られる。
【0045】
また、本実施の形態の第1レジスト転写工程(第1工程)および第2レジスト転写工程(第3工程)は、第2の実施の形態と同様に、液体レジストを塗布、乾燥させて、一層ずつ順次積層するようにしてもよい。
【0046】
以上の各実施の形態の金属膜堆積工程において、金属膜3をスパッタ法または蒸着法等で堆積させる際に、第1レジスト層21の開口縁部21aに金属が回り込んで付着するのを抑えるように、第1レジスト層21の膜厚を20μm以下とするとよい。さらに、より好ましくは、膜厚を10μm以下とするとよい。
【0047】
また、基板1に隣接する第1レジスト層21は、レジスト層の剥離時(レジスト剥離工程)に、剥離の容易な組成の素材のレジストを使用することが好ましい。これにより、全てのレジスト層を剥離する際に、最下層の第1レジスト層21が剥がれれば、当然その上層の第2レジスト層22は剥がれるので、容易に全てのレジスト層を剥離できる。
【0048】
また、第1、第3の実施の形態で使用されるフィルム状のレジストとしては、ドライフィルムレジスト(DFR)、コンポジットDFR等を用いることができる。
【0049】
また、各実施の形態で使用されるフィルム状のレジストや液体レジストは、ポジ型、ネガ型のどちらの型のものを用いてもよい。
【0050】
また、前述の各実施の形態は、レジスト層を2層積層する場合について述べているが、基板に隣接するレジスト層の開口縁部を、それよりも上層のレジスト層によって覆った状態で金属膜を堆積するならば、レジスト層を3層以上に積層してもよい。
【0051】
以上説明したように、第1および第2の実施の形態に係る電極パターンの形成方法は、基板1上に、基板1に隣接する第1レジスト層21と、第1レジスト層21に隣接する第2レジスト層22と、を積層する第1工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部20Pを形成する第2工程と、開口凹部20Pを介して、基板1上に金属膜3aを成膜し、このとき、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着する金属膜3cと基板1上の金属膜3aとを分離するように形成する第3工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、基板1から剥離することで、基板1上の金属膜3aを残す第4工程と、を含むので、レジスト剥離工程において全レジスト層を剥離するときに、従来のようなバリが残ったり、電極パターンの端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じることがなくなり、信頼性の高い電極パターン形成が可能となる。
【0052】
また、第3の実施の形態に係る電極パターンの形成方法は、基板1上に、基板1に隣接するように第1レジスト層21を形成する第1工程と、所定パターンのマスクを介して、第1レジスト層21を露光、現像し、基板1を露出させる第1開口部21Pを形成する第2工程と、第1レジスト層21に隣接するように、第2レジスト層22を形成する第3工程と、所定パターンのマスクを介して、第2レジスト層22を露光、現像し、第1開口部21Pと連通するように、第2開口部22Pを形成することにより、内広がりの開口凹部20Pを形成する第4工程と、開口凹部20Pを介して、基板1上に金属膜3aを成膜し、このとき、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着する金属膜3cと基板1上の金属膜3aとを分離するように形成する第5工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、基板1から剥離することで、基板1上の金属膜3aを残す第6工程と、を含むので、レジスト剥離工程において全レジスト層を剥離するときに、従来のようなバリが残ったり、電極パターンの端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じることがなくなり、信頼性の高い電極パターン形成が可能となる。
さらに、第1レジスト層21の現像工程の現像時間を、第2レジスト層22の現像工程の現像時間よりも長く設定する方法、あるいは、第1レジスト層21の現像工程の現像液を第2レジスト層22の現像工程の現像液よりも溶解が速い種類の溶液とする方法を用いれば、第1レジスト25と第2レジスト26とを同じ組成の素材のレジストとすることもできる。
【0053】
さらに、前記各実施の形態の電極パターンの形成方法は、ディスプレイパネルの製造工程における電極パターン形成に適用できるので、列電極(アドレス電極)の電極パターン形成等に用いることができる。この場合、列電極(アドレス電極)の電極パターン形成において、バリや電極パターンの端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じる虞がないので、パネルの組立完了後に行われるエージング工程で絶縁破壊が生じる虞がなくなるなど、信頼性が向上し、不良率が低くなり、製造歩留まりが上がるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のリフトオフ法による電極パターン形成方法の工程説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
【符号の説明】
1 基板
3、3a、3b、3c 金属膜
5 電極パターン
20 多層レジスト
20a 第1レジスト
20b 第2レジスト
20P (内広がりの)開口凹部
21 第1レジスト層
21P 第1開口部
21a 開口縁部
22 第2レジスト層
22P 第2開口部
22a 開口縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極パターンの形成方法およびその電極パターンの形成方法を用いたディスプレイパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスやディスプレイパネル等の電子デバイスを製造する際に、電極パターン等の金属膜の形成工程に用いられる方法として、リフトオフ法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のリフトオフ法について図1を用いて説明する。従来のリフトオフ法では、まず図1の(a)に示すように、基板101上にレジスト層102を形成し、所定パターンのマスクを介してレジスト層102を露光、現像することにより、レジスト層102に所定の電極パターンに対応した開口部102Pを形成する。
【0004】
次に、図1の(b)に示すように、開口部102Pが形成されたレジスト層102の上から、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属材料を、スパッタまたは蒸着等の方法により堆積させて金属膜103を成膜する。その後、レジスト層102を剥離、除去することにより、図1の(c)に示すように、開口部102Pの形状にパターニングされた電極パターン105が形成される。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−278474号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のリフトオフ法を用いた電極パターン形成方法においては、図1の(b)に示すように、レジスト層102の開口縁部102aに付着した金属膜103cが、基板101上に堆積した金属膜103aとつながっている。
【0007】
そのため、レジスト層102の剥離時に、レジスト層102の開口縁部102aに付着した金属膜103cが、図1の(c)に示すように、完全に除去されずに、電極パターン105の端部にバリ106として残る虞があった。
【0008】
また、レジスト層102の剥離時に、レジスト層102の開口縁部102aに付着した金属膜103cに引きづられて、電極パターン105の端部が浮き上がるように剥離し、この浮きによって隙間107が生じてしまう虞があった。
【0009】
また、上記電極パターン105が、プラズマディスプレイパネルの背面基板に形成される列電極(アドレス電極)である場合は、上記のようなバリ106や隙間107が残ったままパネルの組立を行うと、組立完了後に行われるエージング工程で絶縁破壊が生じる虞がある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題としては、上述した従来技術において生じているバリの発生および浮きによる隙間の発生の虞を解消し、信頼性を向上させた電極パターンの形成方法およびその電極パターンの形成方法を用いたディスプレイパネルの製造方法を提供することが一例として挙げられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、請求項1に記載の電極パターンの形成方法は、基板上に、前記基板に隣接する第1レジスト層と、前記第1レジスト層に隣接する第2レジスト層と、を積層する第1工程と、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部を形成する第2工程と、前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜し、このとき、前記第2レジスト層の開口縁部に付着する金属膜と前記基板上の金属膜とを分離するように形成する第3工程と、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、前記基板から剥離することで、前記基板上の金属膜を残す第4工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の電極パターンの形成方法は、基板上に、前記基板に隣接するように第1レジスト層を形成する第1工程と、所定パターンのマスクを介して、前記第1レジスト層を露光、現像し、前記基板を露出させる第1開口部を形成する第2工程と、前記第1レジスト層に隣接するように、第2レジスト層を形成する第3工程と、所定パターンのマスクを介して、前記第2レジスト層を露光、現像し、前記第1開口部と連通するように、第2開口部を形成することにより、内広がりの開口凹部を形成する第4工程と、前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜し、このとき、前記第2レジスト層の開口縁部に付着する金属膜と前記基板上の金属膜とを分離するように形成する第5工程と、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、前記基板から剥離することで、前記基板上の金属膜を残す第6工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項13に記載の発明のディスプレイパネルの製造方法は、請求項1〜12のいずれかに記載の電極パターンの形成方法を用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の各実施の形態に係る電極パターン形成方法は、例えば、プラズマディスプレイなどのディスプレイパネルの背面基板に形成される列電極(アドレス電極)の電極パターン形成などに適用されるものであるが、適用分野はこれに限らず、一般的な電子デバイスの金属膜形成に適用できるものである。
なお、各実施の形態において同一又は相当する構成には同一の符号を付してある。
【0015】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明に係る第1の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
まず最初に、図2の(a)に示すように、レジスト転写工程(第1工程)を行う。このレジスト転写工程(第1工程)では、フィルム状の多層レジスト20(例えば2層)をローラ30によって、基板1に圧着して貼り付けることによって、基板1上に第1レジスト層21、第2レジスト層22を積層する。これにより、複数のレジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)の形成が1回の転写工程によって容易に実現できる。
【0016】
次に、図2の(b)に示すように、レジスト露光・現像工程(第2工程)を行う。このレジスト露光・現像工程(第2工程)では、所定パターンのマスクを介して、第1レジスト層21および第2レジスト層22に対して露光、現像を行うことによって、第1レジスト層21および第2レジスト層22に連通した開口凹部20Pを形成し、この部分の基板1を露出させる。
【0017】
このレジスト露光・現像工程(第2工程)における現像は、レジスト露光後に現像液に浸すことによりレジストがエッチングされ、上記の開口凹部20Pが形成される。
【0018】
なお、一般的に、レジスト現像の際には使用するレジスト素材の種類や現像液の種類等の諸条件によって、所謂現像レート(レジストをエッチングする速度)が異なる。
そこで本実施の形態では、開口凹部20Pを内広がりの形状にするべく、基板1に隣接する第1レジスト層21の現像レートは、それより上層の第2レジスト層22の現像レートよりも速くなるような条件を選定して現像を行うようにする。例えば、下層の現像レートが上層の現像レートよりも速くなるように、組成の異なる素材の層を積層した多層レジストを用いる。
このように現像レートを異ならせるためには、上層および下層にネガ型感光性樹脂を使用した場合は、感光硬化性の異なる素材を用いて、下層の現像レートを上層の現像レートよりも速くすることができる。
あるいは、上層および下層にポジ型感光性樹脂を使用した場合は、現像液に対する溶解速度が異なる素材を用いて、下層の現像レートを上層の現像レートよりも速くすることができる。
また、下層には感光性樹脂の代わりに非感光性樹脂を用いることにより、上層の感光性樹脂でパターニングされた開口部から浸透してくる現像液によって、下層の非感光性樹脂が溶解するので、このような場合でも下層の現像レートを上層の現像レートよりも速くすることができる。なお、この場合は、上層の感光性樹脂としては、ポジ型感光性樹脂またはネガ型感光性樹脂を用いることができる。
【0019】
上述のように、第1レジスト層21の現像レートが第2レジスト層22の現像レートよりも速くなる条件を選定して現像を行うことにより、第1レジスト層21の開口縁部21aよりも第2レジスト層22の開口縁部22aが突出し、上記開口縁部21aが第2レジスト層22によって覆われた内広がりの開口凹部20P(図2の(b)参照)が形成される。
【0020】
次に、図2の(c)に示すように、金属膜堆積工程(第3工程)を行う。
この金属膜堆積工程では、第2レジスト層22上から、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの電極材料をスパッタまたは蒸着等の方法で堆積させ金属膜3(3a、3b、3c)を形成する。
【0021】
これにより、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態で形成され、さらに、第2レジスト層22表面に堆積した金属膜3bが形成される。
【0022】
すなわち、本実施の形態では、第1レジスト層21の開口縁部21aが、第2レジスト層22によって覆われた状態(内広がりの開口凹部20P)であるので、金属膜3をスパッタ法または蒸着法等で堆積させる際に、第1レジスト層21の開口縁部21aへの金属膜の付着が発生しない。
【0023】
次に、図2の(d)に示すように、レジスト剥離工程(第4工程)を行う。
このレジスト剥離工程では、例えば、アルカリ溶液(例えば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン)等のレジスト剥離液を基板1上に供給する。これにより、第1レジスト層21、第2レジスト層22がレジスト剥離液を吸収して膨らみ基板1から剥離する。そして、このレジスト剥離液を洗い流すことにより、剥離したレジストが除去される。
【0024】
このとき、第2レジスト層22上の金属膜3bと開口縁部22aに付着した金属膜3cとが、剥離したレジストと共に除去されることにより、基板1上に形成された金属膜3aのみが残り、この金属膜3aを電極パターン5とする。
以上の第1〜第4工程を実施することにより、電極パターン5を形成することができる。
【0025】
本実施の形態に係る電極パターン形成方法では、上述のように、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態(不連続の状態)となり、次のレジスト剥離工程(第4工程)において全レジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)を剥離するとき基板1上の金属膜3aに外力が加わらないので、従来のようにバリが残ったり、電極パターン5の端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じてしまうことがない。
【0026】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る電極パターン形成方法の工程説明図である。本実施の形態では、複数のレジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)の形成を、液体レジストを使用して行う。
【0027】
まず、第1レジスト層21を形成するために、第1レジストの塗布・乾燥工程(第1工程の1)を行う。図3の(a)に示すように、基板1上にノズル31から第1の液体レジスト23を滴下するなどして塗布する。そして、乾燥させることにより、図3の(b)に示すように、基板1上に第1レジスト層21が形成される。
【0028】
次に、第2レジスト層22を形成するために、第2レジストの塗布・乾燥工程を行う(第1工程の2)。図3の(c)に示すように、第1レジスト層21上にノズル31から第2の液体レジスト24を滴下するなどして塗布する。そして、乾燥させることにより、図3の(d)に示すように、第1レジスト層21の上に第2レジスト層22が積層される。
【0029】
本実施の形態では、第1レジスト層21を形成する第1の液体レジスト23は、第2レジスト層22を形成する第2の液体レジスト24よりも現像レートの速い組成の素材を使用する。
【0030】
次に、図3の(e)に示すように、レジスト露光・現像工程(第2工程)を行う。このレジスト露光・現像工程(第2工程)では、所定パターンのマスクを介して、第1レジスト層21および第2レジスト層22に対して露光、現像を行うことによって、第1レジスト層21および第2レジスト層22に連通した開口凹部20Pを形成し、この部分の基板1を露出させる。
【0031】
本実施の形態も前述の第1の実施の形態と同様に、第1レジスト層21の現像レートが第2レジスト層22の現像レートよりも速くなる条件で、現像を行うことにより、第1レジスト層21の開口縁部21aよりも第2レジスト層22の開口縁部22aが突出し、上記開口縁部21aが第2レジスト層22によって覆われた状態の内広がりの開口凹部20P(図3の(e)参照)が形成される。
【0032】
以降は、図3の(f)、図3の(g)に示すように、前述の第1の実施の形態と同様に、金属膜堆積工程(第3工程)、レジスト剥離工程(第4工程)を実施することにより、基板1上に電極パターン5が形成される。
【0033】
本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態(不連続の状態)となり、次のレジスト剥離工程(第4工程)において全レジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)を剥離するとき基板1上の金属膜3aに外力が加わらないので、従来のようにバリが残ったり、電極パターン5の端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じてしまうことがない。
【0034】
(第3の実施の形態)
図4は第3の実施の形態に係る電極パターン形成方法の工程説明図である。本実施の形態では、フィルム状の(単層)レジストを一層ずつ順次積層する。
【0035】
本実施の形態は、まず最初に、図4の(a)に示すように、第1レジスト転写工程(第1工程)を行う。
この第1レジスト転写工程(第1工程)では、例えばローラ30を回転させながら、フィルム状の第1レジスト25を基板1に圧着することにより、基板1上に第1レジスト層21を形成する。
【0036】
次に、図4の(b)に示すように、第1レジスト露光・現像工程(第2工程)を行う。この第1レジスト露光・現像工程(第2工程)では、所定パターンのマスクを介して第1レジスト層21を露光、現像し、第1レジスト層21に、基板1を露出させる第1開口部21Pを形成する。
【0037】
次に、図4の(c)に示すように、第2レジスト転写工程(第3工程)を行う。この第2レジスト転写工程(第3工程)では、例えばローラ30を回転させながら、フィルム状の第2レジスト26を第1レジスト層21に圧着することにより、第1レジスト層21上に第2レジスト層22を形成する。
【0038】
次に、図4の(d)に示すように、第2レジスト露光・現像工程(第4工程)を行う。
この第2レジスト露光・現像工程(第4工程)では、所定パターンのマスクを介して第2レジスト層22を露光、現像し、第2レジスト層22に、第1レジスト層21の第1開口部21Pと連通するように第2開口部22Pを形成する。このとき、第2開口部22Pは第1開口部21Pよりも狭くなるように形成する。
【0039】
これにより、第1レジスト層21の開口縁部21aよりも第2レジスト層22の開口縁部22aが突出し、上記開口縁部21aが第2レジスト層22によって覆われた状態の内広がりの開口凹部20P(図3の(e)参照)が形成される。
【0040】
以降は、図4の(e)、図4の(f)に示すように、第1の実施の形態と同様に、金属膜堆積工程(第5工程)、レジスト剥離工程(第6工程)を実施することにより、基板1上に電極パターン5が形成される。
【0041】
本実施の形態においても、前述の第1、第2の実施の形態と同様に、基板1上に堆積した金属膜3aと、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着した金属膜3cが分離された状態(不連続の状態)となり、次のレジスト剥離工程(第6工程)において全レジスト層(第1レジスト層21、第2レジスト層22)を剥離するとき基板1上の金属膜3aに外力が加わらないので、従来のようにバリが残ったり、電極パターン5の端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じてしまうことがない。
【0042】
本実施の形態では、前述の内広がりの開口凹部20Pを形成する方法として、第1、第2の実施の形態と同様に、現像レートの異なるレジストを用いる方法を適用することができる。
【0043】
さらに、本実施の形態では、各レジスト層の現像工程において、第1レジスト層21の現像工程の現像時間を、第2レジスト層22の現像工程の現像時間よりも長く設定することによっても、上記現像レートの異なるレジストを用いる方法と同様の効果が得られる。
【0044】
あるいは、第1レジスト層21の現像工程の現像液を第2レジスト層22の現像工程の現像液よりも溶解が速い種類の溶液とする方法によっても、上記現像レートの異なるレジストを用いる方法と同様の効果が得られる。
【0045】
また、本実施の形態の第1レジスト転写工程(第1工程)および第2レジスト転写工程(第3工程)は、第2の実施の形態と同様に、液体レジストを塗布、乾燥させて、一層ずつ順次積層するようにしてもよい。
【0046】
以上の各実施の形態の金属膜堆積工程において、金属膜3をスパッタ法または蒸着法等で堆積させる際に、第1レジスト層21の開口縁部21aに金属が回り込んで付着するのを抑えるように、第1レジスト層21の膜厚を20μm以下とするとよい。さらに、より好ましくは、膜厚を10μm以下とするとよい。
【0047】
また、基板1に隣接する第1レジスト層21は、レジスト層の剥離時(レジスト剥離工程)に、剥離の容易な組成の素材のレジストを使用することが好ましい。これにより、全てのレジスト層を剥離する際に、最下層の第1レジスト層21が剥がれれば、当然その上層の第2レジスト層22は剥がれるので、容易に全てのレジスト層を剥離できる。
【0048】
また、第1、第3の実施の形態で使用されるフィルム状のレジストとしては、ドライフィルムレジスト(DFR)、コンポジットDFR等を用いることができる。
【0049】
また、各実施の形態で使用されるフィルム状のレジストや液体レジストは、ポジ型、ネガ型のどちらの型のものを用いてもよい。
【0050】
また、前述の各実施の形態は、レジスト層を2層積層する場合について述べているが、基板に隣接するレジスト層の開口縁部を、それよりも上層のレジスト層によって覆った状態で金属膜を堆積するならば、レジスト層を3層以上に積層してもよい。
【0051】
以上説明したように、第1および第2の実施の形態に係る電極パターンの形成方法は、基板1上に、基板1に隣接する第1レジスト層21と、第1レジスト層21に隣接する第2レジスト層22と、を積層する第1工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部20Pを形成する第2工程と、開口凹部20Pを介して、基板1上に金属膜3aを成膜し、このとき、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着する金属膜3cと基板1上の金属膜3aとを分離するように形成する第3工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、基板1から剥離することで、基板1上の金属膜3aを残す第4工程と、を含むので、レジスト剥離工程において全レジスト層を剥離するときに、従来のようなバリが残ったり、電極パターンの端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じることがなくなり、信頼性の高い電極パターン形成が可能となる。
【0052】
また、第3の実施の形態に係る電極パターンの形成方法は、基板1上に、基板1に隣接するように第1レジスト層21を形成する第1工程と、所定パターンのマスクを介して、第1レジスト層21を露光、現像し、基板1を露出させる第1開口部21Pを形成する第2工程と、第1レジスト層21に隣接するように、第2レジスト層22を形成する第3工程と、所定パターンのマスクを介して、第2レジスト層22を露光、現像し、第1開口部21Pと連通するように、第2開口部22Pを形成することにより、内広がりの開口凹部20Pを形成する第4工程と、開口凹部20Pを介して、基板1上に金属膜3aを成膜し、このとき、第2レジスト層22の開口縁部22aに付着する金属膜3cと基板1上の金属膜3aとを分離するように形成する第5工程と、第1レジスト層21および第2レジスト層22を、基板1から剥離することで、基板1上の金属膜3aを残す第6工程と、を含むので、レジスト剥離工程において全レジスト層を剥離するときに、従来のようなバリが残ったり、電極パターンの端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じることがなくなり、信頼性の高い電極パターン形成が可能となる。
さらに、第1レジスト層21の現像工程の現像時間を、第2レジスト層22の現像工程の現像時間よりも長く設定する方法、あるいは、第1レジスト層21の現像工程の現像液を第2レジスト層22の現像工程の現像液よりも溶解が速い種類の溶液とする方法を用いれば、第1レジスト25と第2レジスト26とを同じ組成の素材のレジストとすることもできる。
【0053】
さらに、前記各実施の形態の電極パターンの形成方法は、ディスプレイパネルの製造工程における電極パターン形成に適用できるので、列電極(アドレス電極)の電極パターン形成等に用いることができる。この場合、列電極(アドレス電極)の電極パターン形成において、バリや電極パターンの端部が浮き上がるように剥離し隙間が生じる虞がないので、パネルの組立完了後に行われるエージング工程で絶縁破壊が生じる虞がなくなるなど、信頼性が向上し、不良率が低くなり、製造歩留まりが上がるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のリフトオフ法による電極パターン形成方法の工程説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の電極パターン形成方法の工程説明図である。
【符号の説明】
1 基板
3、3a、3b、3c 金属膜
5 電極パターン
20 多層レジスト
20a 第1レジスト
20b 第2レジスト
20P (内広がりの)開口凹部
21 第1レジスト層
21P 第1開口部
21a 開口縁部
22 第2レジスト層
22P 第2開口部
22a 開口縁部
Claims (13)
- 基板上に、前記基板に隣接する第1レジスト層と、前記第1レジスト層に隣接する第2レジスト層と、を積層する第1工程と、
前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、所定パターンのマスクを介して露光、現像し、内広がりの開口凹部を形成する第2工程と、
前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜し、このとき、前記第2レジスト層の開口縁部に付着する金属膜と前記基板上の金属膜とを分離するように形成する第3工程と、
前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、前記基板から剥離することで、前記基板上の金属膜を残す第4工程と、を含むことを特徴とする電極パターンの形成方法。 - 前記第1工程において、前記基板上にフィルム状の多層レジストを圧着することによって、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を積層することを特徴とする請求項1に記載の電極パターンの形成方法。
- 前記第1工程において、前記基板上に液状レジストの塗布、乾燥を複数回繰り返すことにより、前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を積層することを特徴とする請求項1に記載の電極パターンの形成方法。
- 前記第1レジスト層の現像レートを、前記第2レジスト層の現像レートよりも速くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電極パターンの形成方法。
- 感光硬化性の異なる素材を用いて、前記第1レジスト層の現像レートを、前記第2レジスト層の現像レートよりも速くすることを特徴とする請求項4に記載の電極パターンの形成方法。
- 基板上に、前記基板に隣接するように第1レジスト層を形成する第1工程と、
所定パターンのマスクを介して、前記第1レジスト層を露光、現像し、前記基板を露出させる第1開口部を形成する第2工程と、
前記第1レジスト層に隣接するように、第2レジスト層を形成する第3工程と、
所定パターンのマスクを介して、前記第2レジスト層を露光、現像し、前記第1開口部と連通するように、第2開口部を形成することにより、内広がりの開口凹部を形成する第4工程と、
前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜し、このとき、前記第2レジスト層の開口縁部に付着する金属膜と前記基板上の金属膜とを分離するように形成する第5工程と、
前記第1レジスト層および前記第2レジスト層を、前記基板から剥離することで、前記基板上の金属膜を残す第6工程と、を含むことを特徴とする電極パターンの形成方法。 - 前記第1工程において、前記基板上にフィルム状の第1レジストを圧着して前記第1レジスト層を形成し、
前記第3工程において、前記第1レジスト層上にフィルム状の第2レジストを圧着して前記第2レジスト層を形成することを特徴とする請求項6に記載の電極パターンの形成方法。 - 前記第1工程において、前記基板上に第1液状レジストを塗布、乾燥することによって前記第1レジスト層を形成し、
前記第3工程において、前記第1レジスト層上に第2液状レジストを塗布、乾燥することによって前記第2レジスト層を形成することを特徴とする請求項6に記載の電極パターンの形成方法。 - 前記第1レジスト層の現像レートを、前記第2レジスト層の現像レートよりも速くすることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の電極パターンの形成方法。
- 前記第2工程における前記第1レジスト層の現像時間を、前記第4工程における前記第2レジスト層の現像時間よりも長く設定することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の電極パターンの形成方法。
- 前記第2工程における前記第1レジスト層の現像液を、前記第4工程における前記第2レジスト層の現像液よりもレジストの溶解が速い溶液とすることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の電極パターンの形成方法。
- 前記開口凹部を介して、前記基板上に金属膜を成膜させる成膜方法として、スパッタ法または蒸着法を用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電極パターンの形成方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の電極パターンの形成方法を用いることを特徴とするディスプレイパネルの製造方法。
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