JP2004264887A - 画像処理方法、画像処理システム、及び画像形成装置 - Google Patents
画像処理方法、画像処理システム、及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】画像処理システムは、画像形成装置2及び該画像形成装置2との間で情報を送受信するPOS端末等の情報処理装置PTにより構成される。画像形成装置2は、読み取ったまたは外部から出力された画像データを画像データ記憶手段に記憶する。そして、情報処理装置PTから記憶した画像データを無効化すべき情報を受信した場合、画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置及び該画像形成装置に接続される情報処理装置により構成される画像処理システムに適用される画像処理方法、画像処理システム及び画像形成装置に関し、特に情報処理装置からの無効化指示に従い画像形成装置内の画像データを無効化する画像処理方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では街角のコンビニエンスストア等において、コピー機等の画像形成装置が設置されコピーサービスとして提供されている光景が一般的となっている。そして、複数の利用者がブック原稿や、シート原稿などを持ち込んで気軽に利用している。また近年、画像形成装置のデジタル化が進み、原稿画像をスキャナ装置により電子的に走査してレーザープリンタなどによりプリントアウトするプリンタ機能、コピー機能及びFAX機能を備える複合機能型の画像形成装置が商品化されている。このデジタル化のメリットは、高画質出力、画像の加工が自在、1スキャンマルチコピー、原稿の電子データ保存などであり、デジタル化のメリットを新たなドキュメントサービスとして市場に提案している。
【0003】
また、画像形成装置のデジタル化が進んでいることから、スキャナにより読み取られ、ハードディスク等に記憶されたデータが第3者に、無断で利用されることを防止するために、記憶した画像データを消去する技術が開示されている(例えば、特許文献1乃至3)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−50660号公報
【特許文献2】
特開平9−223061号公報
【特許文献3】
特開平9−284572号公報
【特許文献4】
特開昭63−6575号公報
【特許文献5】
特開平6−4766号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
コンビニエンスストア等の店舗においては、複数人が共通の画像形成装置を利用するため、記憶した画像データを確実に消去する必要があった。しかし、特許文献1等に記載された画像情報処理方法は、画像データを読み取った直後、または画像データの読取り後の所定時間経過後に画像データを消去するため、一の利用者が、すでに読み取った画像データを再度読み出してコピーする機能(所謂電子ファイルリング機能)を活用することができないという問題があった。そのためコンビニエンスストア等の店舗においては、一利用者の画像データのセキュリティを確実に保護しつつ、デジタル化する画像形成装置の機能を有効に活用することが可能な画像処理システムの開発要請が高まっていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、情報処理装置からの指示により記憶した画像データを無効化することにより、一利用者の画像データのセキュリティを確実に保護しつつ、デジタル化する画像形成装置の機能を有効に活用することが可能な画像処理方法、画像処理システム及び画像形成装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、情報処理装置において、無効化対象の画像データに関する精算処理が終了したことを条件に、記憶した前記画像データを無効化することにより、一の利用者の画像形成が確実に終了してから画像データを無効化することが可能な画像処理システム等を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理方法は、画像データを画像データ記憶手段に記憶させる制御手段を有する画像形成装置及び演算手段を有し前記画像形成装置に接続される情報処理装置により構成される画像処理システムに適用される画像処理方法おいて、前記演算手段から画像データを無効化すべき情報を受信した場合に、前記制御手段により前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する無効化ステップを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像処理システムは、画像形成装置及び該画像形成装置に接続される情報処理装置により構成される画像処理システムにおいて、前記画像形成装置は、画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記情報処理装置から画像データを無効化すべき情報を受信した場合に、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する無効化手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像処理システムは、前記情報処理装置は、無効化対象の画像データに関する精算処理を実行する精算処理手段と、精算処理が終了したことを示す精算終了情報を前記画像形成装置へ送信する精算終了情報送信手段とを備え、前記無効化手段は、前記精算終了情報送信手段により精算終了情報を受け付けた場合に前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化するよう構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像処理システムは、前記画像形成装置は、画像データ記憶手段に記憶した画像データの画像形成が終了した場合、前記画像データに関連づけられた識別情報が付加された媒体を出力する媒体出力手段をさらに備え、前記情報処理装置は、前記媒体に付加された識別情報を認識する認識手段と、認識した識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額を表示部へ表示する金額表示手段とをさらに備え、前記精算処理手段は、前記識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額が精算されたか否かを判断するよう構成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像処理システムは、前記情報処理装置は、前記無効化手段による画像データの無効化に関する情報を表示部に表示する無効化情報表示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像処理システムは、前記画像形成装置へ画像データを出力する端末装置をさらに備え、前記端末装置は、画像データ及び該画像データを特定するための識別情報を前記画像形成装置へ出力する出力手段と、前記出力手段により出力した識別情報が付加された媒体を出力する補助媒体出力手段とを備え、前記画像形成装置は、識別情報を受け付ける識別情報受付手段と、該受け付けた識別情報と前記出力手段により出力された識別情報とが一致する場合に、対応する画像データを抽出する抽出手段とをさらに備え、前記認識手段は、前記補助媒体出力手段により出力された媒体の識別情報を認識するよう構成してあり、前記精算終了情報送信手段は、前記抽出された画像データの画像形成が終了し、かつ、前記精算処理手段により前記認識した識別情報に対応する画像データの精算処理が終了した場合に、精算終了情報を前記画像形成装置へ送信するよう構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像処理システムは、前記画像形成装置、情報処理装置及び端末装置は店舗内のLANにより相互に接続されていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像処理システムは、前記情報処理装置は、POS端末であることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る画像処理装置は、画像データを記憶する画像データ記憶手段と、外部から、無効化対象の画像データに関する精算処理が終了したことを示す精算終了情報を受信した場合に、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する無効化手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、画像データ記憶手段に記憶した画像データの画像形成が終了した場合、前記画像データに関連づけられた識別情報が付加された媒体を出力する媒体出力手段をさらに備え、前記無効化手段は、外部から前記発行手段により発行された識別情報に対応する画像データに関する精算処理が終了したことを示す精算終了情報を受け付けた場合に、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化するよう構成してあることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、前記無効化手段による画像データの無効化に関する情報を外部へ出力する無効化情報出力手段をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、画像処理システムは、画像形成装置及び該画像形成装置との間で情報を送受信するPOS端末等の情報処理装置により構成される。画像形成装置は、読み取ったまたは外部から出力された画像データを画像データ記憶手段に記憶する。そして、情報処理装置から記憶した画像データを無効化すべき情報を受信した場合、画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する。このように構成したので、一利用者の画像データが第3者に悪用される虞がなくなり、その一方で、電子ファイリング機能等の機能を用いて記憶した画像データを効果的に活用することが可能となる。
【0020】
また、本発明にあっては、情報処理装置は、無効化対象の画像データに関する精算処理を実行する。精算処理は、例えば画像形成装置が、画像データ記憶手段に記憶した画像データの画像形成が終了した場合に、画像データに関連づけられた識別情報が付加された媒体を出力する。利用者はこの出力された媒体を情報処理装置へ精算のため持参する。情報処理装置は、この識別情報を認識し、認識した識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額を表示部へ表示する。
【0021】
情報処理装置は、識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額が精算されたか否かを判断する。このようにして精算が完了した場合は、精算処理が終了したことを示す精算終了情報を前記画像形成装置へ送信する。そして、画像形成装置は、精算終了情報を受け付けた場合、画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する。このように構成したので、一の利用者の画像形成装置の使用終了を示す精算処理をトリガーに、一の利用者の画像データを確実に消去することができる。
【0022】
また、本発明にあっては、画像形成装置は無効化処理に関する情報、例えば画像データの記憶領域を、乱数を発生させて複数回書き込むことによって画像データを無効化する場合等は、その進捗状況に関する情報を、情報処理装置へ出力する。そして、情報処理装置は出力された無効化処理に関する情報を表示するようにしたので、利用者または店舗のスタッフはデータが確実に消去されていることを認識し、安心して画像形成装置を利用することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明にあっては、画像形成装置へ画像データを出力する端末装置をさらに備える。端末装置は例えば、インターネットを介してWebサーバ上の画像をダウンロードし、ダウンロードした画像データを画像形成のために画像形成装置へ出力する機能を果たす。端末装置は、画像データ及び該画像データを特定するための識別情報を前記画像形成装置へ出力する。これとは別に、画像形成装置へ出力した識別情報が付加された媒体を出力する。画像形成装置は、識別情報を受け付け、該受け付けた識別情報と前記出力手段により出力された識別情報とが一致する場合に、対応する画像データを抽出する抽出する。そして、抽出した画像データを画像形成する。
【0024】
情報処理装置は、抽出された画像データの画像形成が終了し、かつ、媒体に付加された識別情報を認識して識別情報に対応する画像データの精算処理が終了した場合、精算終了情報を画像形成装置へ送信する。そして、画像形成装置は抽出された画像データを無効化する。つまり、端末装置から出力された画像データについても、端末装置にて発行された識別情報を基に、画像形成、精算及び無効化の処理を実現したので、より幅広いサービスを提供した場合にも、利用者のデータを保護することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る画像処理システムの概要を示す模式図である。図において1はコンビニエンスストア等の店舗に設置される端末装置(以下、ポート端末という)であり、店舗内のLAN(Local Area Network)S及びルータRTを介して通信網(以下、インターネットという)Iに接続されており、Webサーバ5との間で、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルにより、HTMLファイル、コンピュータプログラム、画像データ等を送受信する。
【0026】
ポート端末1は、Webサーバ5と通信を行うことによりコンサートチケットの購入、Webサーバ5に格納されたネットワークアルバムから画像のダウンロード等の各種機能を備えている。インターネットIを経由してダウンロードした画像データまたは、ポート端末1に備えられたメモリーカード等の記録媒体のリーダにより読みとった画像データは、印刷データとして、同じく店舗内に設置され、LANS及びルータRTを介して接続された画像形成装置2へ印刷データとして送信され印刷が行われる。画像形成装置(以下、複合機という)2は、コピー機能及びプリンタ機能等の複合機能を有している。その一つとして、ポート端末1からの要求に応じたプリンタとしての機能を果たす。
【0027】
他方、複合機2は、原稿台に載置された原稿を読取り、読み取った画像データ(コピーデータ)をコピーするコピー機としての機能を果たす。なお、以下では区別を容易にするために、複合機2で読み取った画像データをコピーデータといい、ポート端末1から出力される画像データを印刷データという。また、本実施の形態においては、これらの機器及びネットワークがコンビニエンスストア等の店舗内に構築された場合について説明するが、必ずしもこれに限るものではなく、大学、オフィス等に構築されるネットワーク内に適用してもよい。さらに、複合機2はコピー機能及びプリンタ機能を有しているが、ファクシミリ機能を有していてもよいことはもちろんである。
【0028】
そのほかLANSには、レジに設置されるPOS端末PT及びパーソナルコンピュータ4が接続されている。POS端末PTは、売り上げデータ等を管理し、バッチ処理により管理した管理データをコンビニエンスストア本部のサーバコンピュータ(図示せず)へインターネットIを介して送信する。パーソナルコンピュータ4は、顧客が使用するものではなく、店舗内の管理者が、売り上げデータ、アルバイトスタッフのシフト表、ポスター等の作成のために、店舗裏で使用する公知のパーソナルコンピュータである。
【0029】
複合機2には印刷し終えた場合に、コピーデータを特定するためのバーコード等の識別情報が付加された媒体Rを出力する媒体発行手段としてのレシート発行機30が設けられている。レシート発行機30はコピーに要した金額情報及びコピーデータを特定するための情報をバーコードとしてレシートR上に印字して排出する。利用者はレシートRをレジに設置されるPOS端末PTへ持参し、店舗のスタッフがレシートRをリーダで読取る。利用者が所定の金額を支払い精算処理が終了した場合は、精算が終了したことを示す精算終了情報、例えばコピーデータを特定するための識別情報が複合機2へ出力され、複合機2は対応するコピーデータを無効化する。なお、本実施の形態においては媒体をレシートR、媒体出力手段をレシート発行機30として説明するが、これに限るものではなく、媒体をICカード、磁気カード等とし、媒体出力手段をICカード等のリーダ/ライタとしてもよい。またリーダ/ライタは非接触式のものであってもよい。さらに、媒体出力手段を複合機2自身とし、複合機2に格納される記録紙を媒体として、必要な情報を印刷して排出するようにしてもよい。
【0030】
一方、ポート端末1から印刷データを複合機2へ出力した場合、媒体として補助レシートSRが補助媒体出力手段としての印刷部(図2参照)から排出される。補助レシートSRには識別情報として4桁の番号及び印刷に要する金額の情報が印字される他、4桁の番号及び金額の情報がバーコードとして印字される。利用者は4桁の番号を複合機2に入力し、印刷を行う。印刷後はコピーの場合と同様にレシートRをレジに設置されるPOS端末PTへ持参し、店舗のスタッフがレシートRをリーダで読取る。利用者が所定の金額を支払い精算処理が終了した場合は、精算が終了したことを示す精算終了情報、例えば印刷データを特定するための情報が複合機2へ出力され、複合機2は対応する印刷データを無効化する。
【0031】
図2は複合機2のハードウェア構成を示す模式的断面図であり、また図3は、レシート発行機30、複合機2の制御部(制御手段)、及びポート端末1のハードウェア構成を示すブロック図、図4はPOS端末PTのハードウェア構成を示すブロック図である。複合機2の上面には透明なガラス体の原稿台20が配置されており、その下方には読み取り手段としてのスキャナ部3が配置されている。スキャナ部3は、露光ランプ31,第1反射ミラー32a、第2反射ミラー32b、第3反射ミラー32c、レンズ33及びCCDを用いてなる光電変換素子34を含み、露光ランプ31及び第1反射ミラー32aを原稿台20の下面において水平方向に往復運動させて原稿台20上面に載置された原稿の画像を露光ランプ31から照射された光によって露光走査する。なお原稿台20の下部には、原稿台20におかれた原稿のサイズを認識する認識センサ35sが設けられている。
【0032】
露光ランプ31による反射光は第1反射ミラー32a乃至第3反射ミラー32c及びレンズ33を介して光電変換素子34の受光面に結像し、光電変換素子34は受光面における受光量に応じた信号を出力する。光電変換素子34から出力された信号は、制御部50のA/D変換器3Aによりデジタル化され、ハードディスク等の記憶部55内の画像データ記憶手段としてのコピーデータファイル553に記憶される。そして、操作パネル等の入力部53から出力される操作信号に従って、記憶部55のコピーデータファイル553から画像データを読み出して、光走査装置70へ出力する。
【0033】
続いて、図3に示す複合機2の制御部50の内容を詳述する。図3に示すように演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)51にはバス57を介してRAM(Random Access Memory)52,ハードディスク等の記憶部55、表示手段としての液晶ディスプレィ等の表示部54、並びに、テンキー、スタートキー等の各種入力キー、及び表示部54上に設けられるタッチパネルから構成される入力手段としての入力部53等が接続される。
【0034】
その他、光電変換素子34からの信号をデジタル信号に変換するA/D変換器3A、時間情報をCPU51へ出力する時計部(図示せず)及び画像データに基づく変調光を感光体4Cへ照射する等して画像を記録紙Pに形成する画像形成部6、ポート端末1と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート56、レシート発行機30と情報を送受信するためのRS232Cポート等の補助通信ポート561が接続される。CPU51は、バス57を介して制御部50等の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部55に記憶された制御プログラム55Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0035】
記憶部55には、第2の印刷処理(コピー処理)としてスキャナ部3で読み取られた画像データを記憶する画像データ記憶手段としてのコピーデータファイル553、及びポート端末装置1からの第1の印刷処理(プリント処理)として送信されたプリント用の印刷データを記憶する画像データ記憶手段としての印刷データファイル551が格納されている。なお、以下では第1の印刷処理(画像形成処理)を複合機2のプリンタ機能に係るプリント処理といい、第2の印刷処理(画像形成処理)を複合機2のコピー機能に係るコピー処理という。さらに、記憶部55には、第1の印刷処理であるプリント処理に関するガイダンス、手順案内等の第1の情報、及び、第2の印刷処理であるコピー処理に関するガイダンス、手順案内等の第2情報を記憶した案内情報ファイル552が記憶されている。これらの案内情報はCPU51により適宜読み出されて表示部54または図示しない音声出力部から出力される。なお、以下では第1情報をプリント処理に関する情報といい、第2情報をコピー処理に関する情報という。
【0036】
続いてトナー現像処理について説明する。複合機2の略中央部には感光体4Cが矢印方向に回転自在に支持されており、この感光体4Cには、例えば、所定電圧に印加された導電性ブラシ等の帯電器5Cが接触可能に設けられており、帯電器5Cにより感光体4Cの表面は所定電圧に帯電される。そして、感光体4Cに、制御部50のコピーデータファイル553または印刷データファイル551から出力される画像データに基づいて変調された画像光を、遮光性のケースに覆われた光走査装置70から照射し、感光体4C上に静電潜像を形成する。
【0037】
トナーが貯留された現像槽7は、感光体4Cの表面に現像ローラ7aを通じてトナーを供給し、静電潜像をトナー像に形成する。その後、感光体4Cの回転に先立って給紙ローラ120の回転によって給紙カセット100内の記録紙Pが一枚ずつ用紙搬送路内に給紙される。給紙された記録紙Pは、搬送ローラ120によりレジストローラ130へ搬送される。なお、給紙カセット100は記録紙Pのサイズに応じて複数の給紙カセット101,102,103…が設けられており、認識センサ35sにより認識されたサイズ、または利用者が入力部53により入力した記録紙Pのサイズに応じた一の給紙カセット100が選択される。
【0038】
記録紙Pは前端部をレジストローラ130に当接した状態で停止しており、所定のタイミングで回転し記録紙Pを感光体4C方向へ導く。そして記録紙Pの表面に、感光体4Cに担持されたトナー像を所定の転写バイアスが印加された転写器8により転写する。転写された記録紙Pは定着ローラ140を通過する間に加熱及び加圧される。これによりトナー像が溶融して記録紙Pの下面に固着する。
【0039】
トナー像が固着された記録紙Pは排紙ローラ150により搬送され、そして多段の排紙トレイ110(111,112,…11n…)に排出される。ここで両面コピーである場合は、表面の画像形成後、定着ローラ140の通過後、再度レジストローラ130へ搬送され、所定のタイミングで裏面の画像形成が開始される。なお、感光体4Cに残着したトナーはクリーナCのクリーニングブレードC1により除去される。なお、本実施例においては説明を簡略化するために、一色(黒色)のみの画像形成部6について説明したが、カラーコピー機である場合同様の画像形成部6がタンデム状に各色(シアン、マゼンダ、イエロー)分用意されている。
【0040】
続いて、レシート発行機30のハードウェア構成について説明する。レシート発行機30は制御手段としての制御部301、複合機2との間で情報を送受信する通信ポート303及びレシートRを印字して排出する印刷部302により構成される。複合機2においてコピーデータの印刷が終了した場合は、印刷枚数に応じた金額の情報及びコピーデータを特定するための識別情報がレシート発行機30へ出力される。レシート発行機30の制御部301は受信した金額の情報及び識別情報をバーコードへ変換し印刷部302からバーコードを印字して排出する。なお、金額は白黒の場合一枚10円、カラーの場合一枚30円等と設定すればよい。
【0041】
次にポート端末1のハードウェア構成について説明する。図に示すように、CPU11にはバス17を介してRAM12,ROM15、複合機2と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート16,液晶ディスプレィ等の表示部14、タッチパネル、キーボード等の入力部13、そのほかリーダ1R、及び補助媒体出力手段としての印刷部18が接続される。CPU11は、バス17を介してポート端末1の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、ROM15に格納された制御プログラム15Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0042】
また、ROM15には複合機2用のプリンタドライバ151がインストールされている。ポート端末1を用いて印刷を行う場合、利用者が入力部13を操作することによりWebサーバ5のネットワークアルバムからダウンロードされた印刷データまたはリーダ1Rに挿入された、CD−ROM、メモリーカード等の記録媒体から読み取った印刷データを複合機2へ出力することにより実行される。印刷データが複合機2に出力された後は、補助媒体出力手段としての印刷部18から印刷データを特定するための固有の識別情報、たとえば4桁の暗証番号を記録用紙としてのレシートRに印字して出力する。また補助レシートSRには識別情報及び印刷のために必要な金額情報がバーコードとして印字される。なお、上述したように媒体はICカード等であってもよく、また補助媒体出力手段は、ICカード等のリーダ/ライタ等であってもよい。
【0043】
印刷データを複合機2で印刷する場合は、利用者が補助レシートSRに印字された識別情報を入力することにより、識別情報に対応する印刷データが印刷データファイル551から読み出されて印刷される。
【0044】
次に、POS端末PTのハードウェア構成について説明する。図に示すように、CPU1Pにはバス7Pを介してRAM2P,ROM5P、複合機2と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート6P,液晶ディスプレィ等の表示部4P、テンキー等の入力部3P、及びリーダRPが接続される。CPU1Pは、バス7Pを介してPOS端末PTの上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、ROM5Pに格納された制御プログラム(図示せず)に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0045】
リーダRPからレシートRのバーコードが読み取られた場合、CPU1Pはバーコード中の金額情報を読み出し、コピーの金額を表示部4Pへ表示する。所定の金額が精算された場合は、リーダPRにて読み取られたコピーデータを特定するための識別情報を精算終了情報として複合機2へ出力する。複合機2のCPU51はPOS端末PTから出力された識別情報を基に、コピーデータファイル553を検索して対応するコピーデータが記憶されている領域を無効化する処理を行う。無効化処理はCPU51により、乱数を発生させて上書きする、または所定の数値(例えば連続する0の値)を上書きする等すればよい。なお、本実施の形態においては、コピーデータファイル553のコピーデータを消去することとしたが、画像形成部6へコピーデータを出力する際に一時的にRAM52に記憶されたコピーデータをも消去するようにしてもよい。
【0046】
同様に、リーダRPから補助レシートSRが読み取られた場合、CPU1Pはバーコード中の金額情報を読み出し、印刷金額を表示部4Pへ表示する。所定の金額が精算され、かつ印刷が終了した場合は、リーダPRにて読み取られた印刷データを特定するための識別情報を精算終了情報として複合機2へ出力する。複合機2のCPU51はPOS端末PTから出力された識別情報を基に、印刷データファイル551を検索して対応するコピーデータが記憶されている領域を無効化する処理を行う。
【0047】
図5は表示部54及び入力部53のイメージを示す説明図である。入力部53は表示部54上に積層されたタッチパネル536及びテンキー533等から構成されている。図5の表示部54には、コピー処理に関する情報(第1情報)とプリント処理に関する情報(第2情報)とを同時に利用者が認識することができるように表示されている。本発明に係る画像処理システムにおいては、ポート端末1からの印刷処理命令がない場合は、コピー処理に関する情報のみを表示しておき、ポート端末からの印刷処理命令があり、かつコピー処理を行っていない場合のみ、図5の如くコピー処理に関する情報及びプリント処理に関する情報を表示する。
【0048】
まず、コピー処理命令が複合機2に受け付けられた場合の処理について説明する。図6乃至図13はコピー処理の手順を示すイメージ図である。図6(a)はポート端末1からの印刷処理命令がなく、コピー処理の待機状態を示す図である。図6(a)の待機状態または、図5に示すようにポート端末1から印刷処理命令を受け付けている場合に、利用者がコピーボタン535を操作することにより、コピー処理が開始される。
【0049】
利用者は原稿台20に原稿をセットし、各種モードを設定する。まず、図6(b)に示すようにカラーモード選択画面が表示される。利用者は白黒、フルカラー、または単色カラーのいずれかをタッチパネル536から入力する。図7(a)ではフルカラーが選択された状態を示しており、図7(b)では単色カラーが選択された状態を示している。図7(b)に示す単色カラーが選択された場合は、さらに、赤、緑等の単色の情報が表示部54に表示される。なお、これらの表示部54に表示される一連のコピー処理に関する情報は、案内情報ファイル552に記憶されており、CPU51は入力部53からの指示に従い適切なファイルを読み出して表示部54へ出力する。
【0050】
カラーモードの選択が終了した場合、次に用紙選択メニューが図8の如く表示される。利用者はタッチパネル536からコピーを希望する用紙のサイズを選択する。なお、図8(b)の例ではA4用紙が選択された状態を示している。これによりコピー準備が整ったことを示す案内画面が図9(a)及び(b)の如く表示される。ここで、入力部53のスタートボタン534を押すと、コピーが開始され、図10(a)に示す如くコピー中であることを示すイメージが表示される。
【0051】
また、図10(a)に示すように、コピーに要した金額がCPU11により演算され表示部54に表示される。さらに、表示部54には「終了する場合は「終了」ボタンを押してください。」と表示される。利用者はコピーを終了する場合は、終了ボタン537を操作する。拡大/縮小コピーを行う場合は、表示部54に表示されている拡大/縮小ボタンをタッチパネル536から入力する。この操作により図10(b)の如く倍率設定を行うための画面が表示される。また、コピーの濃度を設定する場合は、「コピーの濃さ」と表示部54に表示されるボタンをタッチパネル536から入力する。この操作により、図11(a)の如く濃度設定用のガイダンスが表示される。図11(a)に示すように、原稿の種類に応じて適切な濃度とすべく、「文字」、「写真」、「地図」、「自動」の中から利用者が原稿の種類を入力することができるようになっている。そのほか、濃度の微調整が可能となるように、濃度を数値で段階的(濃度レベル5がもっとも濃く、濃度レベル1がもっとも薄い)に表示し、好みの濃度を利用者に選択させるようになっている。この場合、タッチパネル536またはテンキー533から濃度に対応する数値を選択する。
【0052】
図5に示す便利コピーボタン535を利用者が操作した場合、図11(b)に示す便利コピーモードが表示される。便利コピーモードでは、枠消しモードと焼き増しモードとの2種類の特殊コピーが選択可能になっている。枠消しコピーでは厚手の原稿、または本等などの原稿をコピーした場合に原稿周囲に発生する影を消去するために用いられる。枠消しを希望する利用者は図12(a)の如くタッチパネル536から枠消しボタンを入力する。一方、焼き増しボタンは、一枚の写真を同じ用紙に複数回繰り返してコピーするためのものであり、図12(b)に示すように、一枚の写真が、用紙上に2等分または4等分されてコピーされる。
【0053】
図5または図6(a)に表示したように、本実施の形態においては、白黒コピーの場合は1枚10円、フルカラーまたは単色カラーが一枚30円(A3用紙の場合は50円)と設定されている。CPU51はコピー処理の度に、上述した各モードのコピー対価に応じた金額データをRAM52に格納し、表示部54へ図5の如く金額を表示する。利用者がコピーを終了するために、終了ボタン537を操作した場合、CPU51は操作信号を受けてRAM52に記憶した金額情報及びコピーデータファイル553に記憶したコピーデータを特定するための識別情報をバーコードに変換してレシート発行機30へ出力する。レシート発行機30の制御部301は金額情報及び識別情報を含むバーコードを印刷部302により印字してレシートRを発行する。表示部54には図13(b)の如くレシートRが発行されるイメージを表す画面が表示される。
【0054】
POS端末PTにおいて、精算が終了し精算終了情報として識別情報が複合機2に出力された場合は、複合機2のCPU51は識別情報を基に、コピーデータを検索し、コピーデータファイル553内の前記コピーデータが記憶された記憶領域の無効化処理を実行する。無効化処理が開始された場合、無効化処理に関する情報、例えば図13(b)に示す如く、無効化処理の進捗状況が表示される。なお、無効化処理については、CPU51が予め定められた乱数発生アルゴリズムにしたがい、乱数を発生させコピーデータファイル553の画像データを記憶した領域に上書きする、または連続する「0」または「1」の値をコピーデータファイル553の画像データを記憶した領域に上書きする処理などを行えばよい。なお、データの無効化処理(消去処理)については上述した方法に限られるものではなく他の公知の方法を用いて無効化(消去)処理を行うようにすればよい。また、ハードディスク等の記憶部55のみならず、画像形成のためにRAM52を一時的に使用した場合は、RAM52についても無効化処理を行うようにしても良い。
【0055】
図14はコピーデータファイル553のレコードレイアウトを示す説明図である。図に示すように識別情報に対応させて、金額、コピーデータ等が記憶されている。読取日時フィールドは原稿台20に載置された原稿を読み取った日時の情報を記憶している。原稿が複数枚からなり、複数回読み取る場合は最初の原稿ページを読み取った日時を記憶するようにすればよい。識別情報フィールドには読み取ったコピーデータを特定するためのユニークな番号がCPU51により発生されて記憶されている。この識別情報は読取り日時などに対応させて発行するようにすればよい。
【0056】
金額フィールドにはコピーに要した金額が記憶されている。精算状態フィールドには精算が終了したか否かを示す情報が記憶されている。「済」はすでに利用者がPOS端末PTにおいて精算を終了したことを示す。「未」は、コピーは終了したがPOS端末PTにおいて精算がまだ終了していないことを示す。「使用中」は利用者がまだ、複合機2を利用している状態を示す。コピーデータフィールドはコピーデータの他、無効化に関する情報を記憶している精算が終了しているコピーデータについては、無効化がすでに終了していることを示す「無効化済み」フラグがセットされる。精算が終了していない場合及びまだ利用者が複合機2を利用している場合は、コピーデータは記憶された状態で保持される。
【0057】
以上のハードウェア構成において本発明の画像処理の手順を、フローチャートを用いて説明する。図15及び図16は無効化処理の手順を示すフローチャートである。まず、利用者は原稿台20に原稿をセットし、コピーボタン535を操作する。CPU51はコピーボタン535の操作信号をトリガーに原稿の読取りを開始する(ステップS151)。CPU51は、読み取った原稿のコピーデータを識別情報に対応させてコピーデータファイル553に記憶する(ステップS152)。続いて、CPU51は、画像形成部6を動作させて、読み取ったコピーデータを記録紙Pに画像形成する(ステップS153)。
【0058】
CPU51は画像形成が終了する度に、コピーに必要な金額を算出する(ステップS154)。COU51は算出した金額の情報を識別情報に対応させてコピーデータファイル553に記憶する。CPU51は、終了ボタン537が操作されたか否かを判断する(ステップS155)。終了ボタンが操作されていないと判断した場合は(ステップS155でNO)、ステップS155へ移行し以上の処理を繰り返し実行する。一方、終了ボタンが操作されたと判断した場合は(ステップS155でYES)、利用者がコピーを終了するものと判断し、CPU51は識別情報及び金額の情報をコピーデータファイル553から読み出し(ステップS156)、RAM52に展開する。
【0059】
CPU51は読み出した識別情報、金額情報を図示しない変換テーブルを参照してバーコードに変換し、変換したバーコードをレシート発行機30の印刷部302へ出力する(ステップS157)。これにより、レシート発行機30から識別情報及び金額の情報を含むバーコードが印刷されたレシートRが発行される(ステップS158)。利用者がレシートRをPOS端末PTに持参した場合、レシートRのバーコードはリーダRPにより読み取られる。CPU1Pは読み取ったレシートRのバーコードを認識し(ステップS161)、金額の情報を表示部4Pへ表示する(ステップS162)。CPU1Pは精算が終了したか否かを判断する(ステップS163)。精算が終了していないと判断した場合(ステップS163でNO)、精算が終了するまでステップS163の処理を繰り返し実行する。
【0060】
一方、精算が終了した場合(ステップS163でYES)、CPU1Pは、ステップS161にて認識した識別情報を精算終了情報として複合機2へ送信する(ステップS164)。複合機2のCPU51は、送信された識別情報に対応するコピーデータをコピーデータファイル553から検索し、検索したコピーデータを無効化する処理を行う(ステップS165)。CPU51は無効化処理と共にその進捗状況を示す情報を図13(b)の如く表示する(ステップS166)。CPU51は精算済、及びコピーデータの無効化済のフラグをコピーデータファイル553の精算状態フィールド及びコピーデータフィールドにそれぞれセットする(ステップS167)。なお、複合機2における無効化処理が終了した場合は、終了したことを示す情報をPOS端末PTに送信し、POS端末PTの表示部4Pにこの情報を表示するようにしても良い。
【0061】
実施の形態2
実施の形態2はポート端末1から出力された印刷データを精算後に無効化処理する技術に関する。図17は印刷データファイル551のレコードレイアウトを示す説明図である。図に示すように識別情報に対応させて、印刷データのファイル名、金額、印刷データ等が記憶されている。受信日時フィールドはポート端末1から、印刷データが送信され、CPU51が印刷データを受信した日時を記憶している。印刷データ(ファイル名)フィールドには、送信された印刷データのファイル名が記憶されている。なお、送信されるデータとしては、bmpデータ、jpegデータ、htmlデータ等が該当する。識別情報フィールドには受信した印刷データを特定するための番号が記憶されている。この識別情報はポート端末1から印刷データと共に、複合機2へ送信される。また、この番号はポート端末1の印刷部18で発行された補助レシートSRに記述された番号と同一のものである。
【0062】
履歴フィールドには、ポート端末1から複合機2へ送信された印刷データの印刷が終了したか否かを示す情報が記憶されている。「済」はすでに印刷が終了していることを示し、「未」はまだ印刷が終了しておらず、ジョブとして待機中であることを示している。金額フィールドには印刷に要する金額が記憶されている。この金額の情報は、識別情報及び印刷データと共に、ポート端末1から複合機2へ送信される。なお、この金額の情報はポート端末1の印刷部18で発行された補助レシートSRに記述された金額の情報と同一のものである。精算状態フィールドには精算が終了したか否かを示す情報が記憶されている。「済」はすでに利用者がPOS端末PTにおいて精算を終了したことを示す。「未」は、POS端末PTにおいて精算がまだ終了していないことを示す。印刷データフィールドは印刷データの他、無効化に関する情報を記憶している。精算が終了している印刷データについては、無効化がすでに終了していることを示す「無効化済み」フラグがセットされる。精算が終了していない場合は、印刷データは記憶された状態で保持される。
【0063】
図18乃至図20はプリント処理の手順を示すイメージ図である。図5のようにコピー処理に関する情報及びプリント処理に関する情報が表示されている状態で、ポート端末ボタン531を入力した場合、表示部54には図18(a)に示すようにプリント処理に関する第1情報のみが表示部54に表示され、最初に識別情報の入力を要求する画面が表示される。利用者はポート端末1の印刷部18から出力された補助レシートSRに印字された識別情報を、テンキー533から入力する。利用者のテンキー533の操作により、図18(b)の如く識別情報が表示される。利用者は、識別情報を入力し終えた場合、図19(a)のように表示部54に表示されている「OK」ボタンを、タッチパネル536を通じて入力する。なお、本実施の形態においては識別情報受付手段としてテンキー533から識別情報の入力を受け付けるようにしたが、これに限るものではなく、複合機2に識別情報受付手段として、バーコードリーダを設けておきレシートRに印字された識別情報であるバーコードを読み取らせるようにしてもよい。または複合機2に備えられる赤外線通信機能を有する赤外線受信部(図示せず)またはBluethooth機能を有する通信モジュール(図示せず)を用いて、携帯電話(図示せず)と識別情報を送受信するようにしてもよい。
【0064】
CPU51は入力された識別情報を元に、印刷データファイル533を検索し、対応する印刷データを読み出してプリントアウトを開始する。一方、対応する識別情報が存在しない場合は、図19(b)の如く、識別情報が存在しないことを示す案内情報を表示部54へ表示する。なお、これらの印刷処理に関する情報はコピー処理に関する情報と同じく、案内情報ファイル552に記憶されており、CPU51が適宜のタイミングで対応するファイルを読み出して表示部54へ出力する。
【0065】
印刷処理が開始された後は、図20(a)に示すように印刷中であることを示す案内情報が表示され、印刷終了後は、図20(b)に示すように印刷が終了したことを示す案内情報が表示される。また、精算を促すため、補助レシートSRをPOS端末PT1へ持参するためのガイダンスを表示する。POS端末1で、バーコードが読み取られ、読み取った金額の精算が終了した場合は、精算終了情報としての識別情報が複合機2へ送信される。その後、識別情報に対応する印刷データが、印刷データファイル551から抽出され、無効化処理が実行される。なお、無効化処理中はその進捗状況を示すイメージ図が図13(b)の如く表示される。
【0066】
図21乃至図24は印刷データの無効化処理の手順を示すフローチャートである。まず、ポート端末1は利用者の指示により、Webサーバ5へアクセスし、印刷データをダウンロードする(ステップS211)。CPU11はダウンロードした印刷データをRAM12に記憶する。さらに、CPU11は印刷データを特定するための識別情報を生成し(ステップS212)、RAM12に記憶する。CPU11は印刷データの印刷枚数に応じて金額を算出する(ステップS213)。例えば、1枚30円として、印刷に必要な金額を算出する。CPU11は算出した金額の情報、RAM12に記憶された印刷データ及び識別情報を複合機2へ送信する(ステップS214)。
【0067】
さらに、CPU11は識別情報及び金額の情報をバーコードに変換する(ステップS215)。CPU21は、識別情報、金額の情報、及び変換後のバーコードを印刷部18へ出力し、補助レシートSRに印字する(ステップS216)。印字後の補助レシートSRは利用者に提供すべく排出される。ポート端末1のCPU11は、最後にRAM12に一時的に記憶した印刷データを無効化する処理を行う(ステップS2110)。複合機2のCPU21は、ステップS214により、送信された印刷データ、識別情報、及び金額の情報を受信した場合、識別情報に対応させて、印刷データ及び金額の情報を印刷データファイル551に図17の如く記憶する(ステップS217)。
【0068】
複合機2のCPU51は図5に示すポート端末ボタン531の入力を受け付ける(ステップS218)。CPU51はポート端末ボタン531の入力信号を受け付けた場合、案内情報ファイル552から案内情報を読み出し識別情報の入力を促す画面を図18(a)の如く表示する。入力部53から識別情報が入力された場合は、CPU51は入力された識別情報を受け付ける(ステップS219)。CPU51は受け付けた識別情報を基に、印刷データファイル553を検索する(ステップS221)。そして、CPU21は識別情報に対応する印刷データが存在するか否かを判断する(ステップS222)。
【0069】
識別情報に対応する印刷データが存在しない場合(ステップS222でNO)、対応する印刷データが存在しないことを示す案内情報を図19(b)の如く表示する(ステップS223)。なお、後述するようにすでに印刷データが無効化処理されている場合、すなわちCPU21が識別情報を基に印刷データファイル551を検索した結果、精算状態フィールドに「済」、または印刷データフィールドに「無効化済み」フラグがセットされていると判断した場合、ステップS223と同様に対応する印刷データが存在しないことを示す情報を表示部54に表示する。
【0070】
一方、識別情報に対応する印刷データが存在すると判断した場合(ステップS222でYES)、CPU51は印刷データファイル551から対応する印刷データファイルを抽出する(ステップS224)。CPU51は抽出した印刷データを画像形成部6へ出力し(ステップS225)、画像形成を実行する(ステップS226)。これにより、印刷データが記録紙Pに印刷されて排出される。さらにCPU51は識別情報に対応する印刷データファイル551の履歴フラグを「済」にセットする。
【0071】
利用者は印刷終了後、レジへ補助レシートSRをPOS端末PTへ持参する。POS端末PTのCPU1PはリーダRPから、バーコードを認識し(ステップS231)、RAM2Pに記憶する。CPU1Pは記憶したバーコードを、識別情報及び金額に変換しRAM2Pに記憶する。そしてCPU1Pは記憶した識別情報を読み出して複合機2へ送信する(ステップS232)。複合機2のCPU51は、送信された識別情報を基に、印刷データファイル551を検索し、識別情報に対応する履歴フィールドのフラグが「済」にセットされているか否かを判断する(ステップS233)。その後、ステップS219へ再度移行する。
【0072】
フラグが「済」にセットされていないと判断した場合(ステップS233でNO)、まだ印刷データの印刷が終了していないものと判断して、印刷が終了していないことを示す情報をPOS端末PTへ送信する(ステップS234)。POS端末PTのCPU1Pは、表示部4Pに印刷が終了していないことを示す情報を表示する(ステップS235)。例えば、表示部4Pに「まだ、印刷が終了していません。複合機2で印刷を終えてから、再度レジへお越しください。」等の情報を表示すればよい。
【0073】
複合機2のCPU51は、ステップS233において、履歴フラグが「済」にセットされていると判断した場合(ステップS233でYES)、印刷が終了していることを示す情報をPOS端末PTへ送信する(ステップS236)。POS端末PTのCPU1Pは、印刷が終了していることを示す情報を受信した場合は、ステップS231で認識した金額の情報を表示部4Pへ表示する(ステップS237)。CPU1Pは、利用者が所定の金額を支払い精算処理が終了したか否かを判断する(ステップS241)。精算処理が終了していない場合は(ステップS241でNO)、精算処理が終了するまでステップS241の処理を繰り返し実行する。
【0074】
一方、精算処理が終了したと判断した場合は(ステップS241でYES)、CPU1Pは識別情報を精算終了情報として複合機2へ送信する(ステップS242)。続いて複合機2のCPU51は、送信された識別情報に対応する印刷データを印刷データファイル551から検索し(ステップS243)、検索した印刷データを無効化する処理を行う(ステップS244)。CPU51は無効化処理と共にその進捗状況を示す情報を図13(b)の如く表示する(ステップS245)。CPU51は精算済、及び印刷データの無効化済のフラグを印刷データファイル551の精算状態フィールド及び印刷データフィールドにそれぞれセットする(ステップS246)。なお、複合機2における無効化処理が終了した場合は、終了したことを示す情報をPOS端末PTに送信し、POS端末PTの表示部4Pにこの情報を表示するようにしても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明にあっては、画像処理システムは、画像形成装置及び該画像形成装置との間で情報を送受信するPOS端末等の情報処理装置により構成される。画像形成装置は、読み取ったまたは外部から出力された画像データを画像データ記憶手段に記憶する。そして、情報処理装置から記憶した画像データを無効化すべき情報を受信した場合、画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する。このように構成したので、一利用者の画像データが第3者に悪用される虞がなくなり、その一方で、電子ファイリング機能等の機能を用いて記憶した画像データを効果的に活用することが可能となる。
【0076】
また、本発明にあっては、情報処理装置は、無効化対象の画像データに関する精算処理を実行する。精算処理は、例えば画像形成装置が、画像データ記憶手段に記憶した画像データの画像形成が終了した場合に、画像データに関連づけられた識別情報が付加された媒体を出力する。利用者はこの出力された媒体を情報処理装置へ精算のため持参する。情報処理装置は、この識別情報を認識し、認識した識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額を表示部へ表示する。
【0077】
情報処理装置は、識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額が精算されたか否かを判断する。このようにして精算が完了した場合は、精算処理が終了したことを示す精算終了情報を前記画像形成装置へ送信する。そして、画像形成装置は、精算終了情報を受け付けた場合、画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する。このように構成したので、一の利用者の画像形成装置の使用終了を示す精算処理をトリガーに、一の利用者の画像データを確実に消去することができる。
【0078】
また、本発明にあっては、画像形成装置は無効化処理に関する情報を、情報処理装置へ出力する。そして、情報処理装置は出力された無効化処理に関する情報を表示するようにしたので、利用者または店舗のスタッフはデータが確実に消去されていることを認識し、安心して画像形成装置を利用することが可能となる。
【0079】
さらに、本発明にあっては、画像形成装置へ画像データを出力する端末装置をさらに備える。端末装置は、画像データ及び該画像データを特定するための識別情報を前記画像形成装置へ出力する。これとは別に、画像形成装置へ出力した識別情報が付加された媒体を出力する。画像形成装置は、識別情報を受け付け、該受け付けた識別情報と前記出力手段により出力された識別情報とが一致する場合に、対応する画像データを抽出する抽出する。そして、抽出した画像データを画像形成する。
【0080】
情報処理装置は、抽出された画像データの画像形成が終了し、かつ、媒体に付加された識別情報を認識して識別情報に対応する画像データの精算処理が終了した場合、精算終了情報を画像形成装置へ送信する。そして、画像形成装置は抽出された画像データを無効化する。つまり、端末装置から出力された画像データについても、端末装置にて発行された識別情報を基に、画像形成、精算及び無効化の処理を実現したので、より幅広いサービスを提供した場合にも、利用者のデータを保護することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理システムの概要を示す模式図である。
【図2】複合機のハードウェア構成を示す模式的断面図である。
【図3】レシート発行機、複合機の制御部(制御手段)、及びポート端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】表示部及び入力部のイメージを示す説明図である。
【図6】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図7】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図8】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図9】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図10】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図11】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図12】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図13】コピー処理の手順を示すイメージ図である。
【図14】コピーデータファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図15】無効化処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】無効化処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】印刷データファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図18】プリント処理の手順を示すイメージ図である。
【図19】プリント処理の手順を示すイメージ図である。
【図20】プリント処理の手順を示すイメージ図である。
【図21】印刷データの無効化処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】印刷データの無効化処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】印刷データの無効化処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】印刷データの無効化処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ポート端末(端末装置)
2 複合機(画像形成装置)
30 レシート発行機(媒体出力手段)
S LAN(通信網)
I インターネット(通信網)
RT ルータ
4 パーソナルコンピュータ
5 Webサーバ
PT POS端末(情報処理装置)
3 スキャナ部
50 制御部
6 画像形成部
51 CPU(演算手段)
53 入力部(入力手段)
54 表示部(表示手段)
551 印刷データファイル(画像データ記憶手段)
553 コピーデータファイル(画像データ記憶手段)
552 案内情報ファイル
18 印刷部(識別情報出力手段)
R レシート(媒体)
SR 補助レシート(媒体)
18 印刷部(補助媒体出力部)
1P CPU(演算手段)
3P 入力部
4P 表示部
RP リーダ
535 コピーボタン
Claims (11)
- 画像データを画像データ記憶手段に記憶させる制御手段を有する画像形成装置及び演算手段を有し前記画像形成装置に接続される情報処理装置により構成される画像処理システムに適用される画像処理方法おいて、
前記演算手段から画像データを無効化すべき情報を受信した場合に、前記制御手段により前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する無効化ステップ
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 画像形成装置及び該画像形成装置に接続される情報処理装置により構成される画像処理システムにおいて、
前記画像形成装置は、
画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記情報処理装置から画像データを無効化すべき情報を受信した場合に、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する無効化手段と
を備えることを特徴とする画像処理システム。 - 前記情報処理装置は、無効化対象の画像データに関する精算処理を実行する精算処理手段と、
精算処理が終了したことを示す精算終了情報を前記画像形成装置へ送信する精算終了情報送信手段とを備え、
前記無効化手段は、前記精算終了情報送信手段により精算終了情報を受け付けた場合に前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化するよう構成してあることを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。 - 前記画像形成装置は、
画像データ記憶手段に記憶した画像データの画像形成が終了した場合、前記画像データに関連づけられた識別情報が付加された媒体を出力する媒体出力手段をさらに備え、
前記情報処理装置は、
前記媒体に付加された識別情報を認識する認識手段と、
認識した識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額を表示部へ表示する金額表示手段とをさらに備え、
前記精算処理手段は、前記識別情報に対応する画像データの画像形成に要した金額が精算されたか否かを判断するよう構成してある
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。 - 前記情報処理装置は、
前記無効化手段による画像データの無効化に関する情報を表示部に表示する無効化情報表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の画像処理システム。 - 前記画像形成装置へ画像データを出力する端末装置をさらに備え、
前記端末装置は、
画像データ及び該画像データを特定するための識別情報を前記画像形成装置へ出力する出力手段と、
前記出力手段により出力した識別情報が付加された媒体を出力する補助媒体出力手段と
を備え、
前記画像形成装置は、
識別情報を受け付ける識別情報受付手段と、
該受け付けた識別情報と前記出力手段により出力された識別情報とが一致する場合に、対応する画像データを抽出する抽出手段とをさらに備え、
前記認識手段は、前記補助媒体出力手段により出力された媒体の識別情報を認識するよう構成してあり、
前記精算終了情報送信手段は、前記抽出された画像データの画像形成が終了し、かつ、前記精算処理手段により前記認識した識別情報に対応する画像データの精算処理が終了した場合に、精算終了情報を前記画像形成装置へ送信するよう構成してあることを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理システム。 - 前記画像形成装置、情報処理装置及び端末装置は店舗内のLANにより相互に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の画像処理システム。
- 前記情報処理装置は、POS端末であることを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載の画像処理システム。
- 画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
外部から、無効化対象の画像データに関する精算処理が終了したことを示す精算終了情報を受信した場合に、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化する無効化手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 画像データ記憶手段に記憶した画像データの画像形成が終了した場合、前記画像データに関連づけられた識別情報が付加された媒体を出力する媒体出力手段をさらに備え、
前記無効化手段は、外部から前記発行手段により発行された識別情報に対応する画像データに関する精算処理が終了したことを示す精算終了情報を受け付けた場合に、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データを無効化するよう構成してある
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記無効化手段による画像データの無効化に関する情報を外部へ出力する無効化情報出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
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