JP2004258050A - 自動演奏装置及び自動演奏方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動演奏部10aによって、自動演奏データメモリ13に記憶された音符データが、押鍵に従って読み出され、自動演奏が行われる構成で、ヘルプスイッチ201が押されることで、リバース押鍵待機部10bにより、自動演奏の進行が戻されて、押された小節の頭まで押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏が上記自動演奏部10aによって行われ、該小節の頭まで自動演奏が進行した際に、演奏者の押鍵が検出されるのを待機する状態にする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子楽器に適用される自動演奏装置及び自動演奏方法に関し、特に自動演奏データに基づいて行われる自動演奏の進行を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動演奏装置は、複数の曲のそれぞれに対応する複数の自動演奏データをメモリに記憶している。各自動演奏データは、複数の音符データで構成されている。各音符データは、1音を発生するために使用され、例えば図16に示すように、キーナンバ、ステップタイム、ゲートタイム及びベロシティをそれぞれ指定するデータで構成されている。「キーナンバ」は例えば鍵盤装置の各鍵に付された番号に対応し、音高(音程)を指定するために使用される。「ステップタイム」は発音開始のタイミング(時刻)を指定するために使用される。「ゲートタイム」は発音の長さ(音長)を指定するために使用される。「ベロシティ」は、音の強さを指定するために使用される。1つの曲に対応する自動演奏データは、このような音符データがステップタイム順に並べられて構成されている。
【0003】
この自動演奏装置において1つの曲が選択され、自動演奏の開始が指示されると、自動演奏装置の制御部は、選択された曲に対応する自動演奏データをメモリから読み出し、この読み出した自動演奏データに基づいて発音する。これにより、選択された曲が自動的に演奏される。
【0004】
具体的には、自動演奏の開始が指示されると、シーケンサカウンタ(後述のSEQ_CNT)のカウントアップ動作が開始される。シーケンサカウンタは、1ステップ毎にインクリメントされる。1ステップは、例えば1拍の1/24、1/48、1/96等といった具合に機種によって固有に定義されている。1拍の実時間はテンポに従って定まる。従って、1ステップの実時間、つまりシーケンサカウンタのカウントアップの実時間間隔はテンポに従って決定されることになる。
【0005】
このシーケンサカウンタが動作している状態で、メモリから1つの音符データが読み出される。そして、音符データ中のステップタイムとシーケンサカウンタの内容とが比較される。そして、これらが一致しない場合は、その音符データは発音タイミングに至っていないものと判断される。そして、以下同様にして所定周期で比較動作が繰り返される。この比較動作の繰り返し実行中に、音符データ中のステップタイムとシーケンサカウンタの内容とが一致すると、その音符データは発音タイミングに至ったものと判断され、その音符データに基づく発音処理が行われる。この際、その音符データ中のゲートタイムデータがゲートタイム(後述のGate[Note])にセットされる。これにより、音符データ中のキーナンバで指定された音高及びベロシティで指定された強さを有する音の発生が開始される。1つの音符データ基づく発音の開始が完了すると、次の音符データがメモリから読み出され、上述したと同様の処理が繰り返される。
【0006】
一方、発音が開始された音は、音符データ中のゲートタイムで指定された時間が経過することにより消音される。即ち、上記発音処理においてゲートタイムデータがセットされたゲートタイムを、ゲートタイムカウンタで減算する。そして、ゲートタイムの内容がゼロ以下になった時に発音中の音を消すための消音処理が行われる。以上のようにして発音処理と消音処理とが次々に実行されることにより1つの曲が自動的に演奏される。
【0007】
ところで、近年、上述した自動演奏装置の技術を応用した、コンサートマジック機能(後述のCM)付き自動演奏装置が開発されている。ここに、「コンサートマジック機能」とは、演奏者によって指示されたタイミング、例えば押鍵されたタイミングで音符データをメモリから読み出し、この音符データに基づいて発音を開始させる機能である。このコンサートマジック機能付き自動演奏装置では、一般に、上述した従来の自動演奏装置で使用される自動演奏データが使用される。但し、自動演奏データを構成する各音符データ中のステップタイムデータは使用されない。その代わりに、発音タイミングは、外部から演奏者によって与えられる。
【0008】
また、コンサートマジック機能付き自動演奏装置においては、鍵盤装置は単に発音タイミングを与える手段として使用される。即ち、鍵盤装置の何れかの鍵が押されると、次のステップタイムデータを有する音符データに基づく発音処理が行われ、これにより自動演奏が進行する。
【0009】
要するに、コンサートマジック機能付きの自動演奏装置は、音高及び音長は自動演奏データに基づいて決定され、発音タイミングと音の強さは演奏者の指示によって決定される自動演奏装置ということができる。従来の自動演奏装置では、自動演奏が自動的に進行するので演奏者が介入する余地がない。これに対し、コンサートマジック機能付き自動演奏装置では、演奏者が発音タイミングを指示することによって自動演奏が進行するので、演奏者は、あたかも自分が演奏をしているような満足感を得ることができる。
【0010】
このような満足感の得られるコンサートマジック機能付きの自動演奏装置でも、演奏者が発音タイミングを指示することによって自動演奏が進行すると、自動演奏の進行を元に戻すことができない。従って、演奏者が誤って自動演奏を進行させると元に戻すことができないので、使い勝手に劣るという問題があった。
【0011】
そこで、本出願人は、リバーススイッチを押すなどの操作により、所定の指示が与えられる毎に、任意の位置まで小節単位でコンサートマジック演奏を戻すリバース処理が行われる構成につき提案を行った(特許文献1参照)。それにより演奏者が曲の途中で誤って自動演奏を進行させても元に戻すことができるので、使い勝手に優れたコンサートマジック演奏を行うことができるようになる。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−311989号公報(第9−11頁、図10及び図11)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成では、小節単位毎に所定の位置まで単に戻されるだけであり、演奏者にしてみればどこまで戻っているのかはっきり分からない場合が多い。従って自分が次に押鍵した場合、曲のどの位置から進行するのか分からなくなってしまい(演奏者にしてみればこれから弾こうとする場所が分からなくなってしまい)、当初予想していた以上の使い勝手の良さが引き出されるものではなかった。
【0014】
本発明は以上のような実情に鑑み創案されたもので、演奏者が曲の途中で誤って自動演奏を進行させて元に戻す際に、さらに使い勝手に優れたコンサートマジック演奏を行うことができる自動演奏装置及び自動演奏方法を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動演奏装置は、
複数の音符データで成る自動演奏データを記憶する記憶手段と、
押鍵がなされたことを検出する押鍵検出手段と、
該押鍵検出手段により押鍵がなされたことが検出される毎に、該記憶手段から音符データを読み出し、該読み出された音符データに基づいて発音を行い、以て自動演奏を進行させる自動演奏手段と、
自動演奏の進行中に指示を与える指示手段と、
該指示手段による指示に応じて、自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を上記自動演奏手段に行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にするリバース押鍵待機手段と
を備えたことを基本的特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、上記指示手段で指示が与えられた際、上記リバース押鍵待機手段により、自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を上記自動演奏手段に行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にすることになるので、どこまで戻ったかを演奏者がカラオケ演奏状態で確認することができるので、曲調が解り、次の押鍵のタイミングもより適切に行うことができるようになる。
【0017】
上記指示手段による指示が与えられた際に、上記リバース押鍵待機手段は、それまで演奏中であった小節から任意の数小節(例えば1小節)前に自動演奏の進行を戻して、上記自動演奏手段により上記自動演奏データに従った自動演奏を行わせ、上記演奏中であった小節の前でその自動演奏の進行を止め、次の押鍵検出の待機状態に設定するようにする(表示もそこで止まっていることが分かるようにする)と、演奏者が曲の途中で誤って自動演奏を進行させても早期に元に戻すことができるようになる(請求項2)。
【0018】
また請求項3及び請求項4の構成は、上記請求項1及び請求項2の装置の構成を、方法の構成としてとらえ直し規定されたものである。
【0019】
すなわち請求項3の自動演奏方法の構成は、請求項1の構成に対応しており、より具体的には、複数の音符データで成る自動演奏データを記憶し、押鍵の検出毎に、該記憶された音符データを読み出して、それに基づいて発音を行い、以て自動演奏を進行させる自動演奏方法であって、押鍵検出毎に進行する自動演奏中に、所定の指示がなされた場合に、該指示に応じて自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にすることを特徴としている。
【0020】
また請求項4の自動演奏方法の構成は、請求項2の構成に対応しており、より具体的には、演奏者による指示が与えられた際に、それまで演奏中であった小節から任意の数小節前に自動演奏の進行を戻して、上記自動演奏データに従った自動演奏を行わせ、上記演奏中であった小節の前でその自動演奏の進行を止め、次の押鍵検出の待機状態に設定することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る自動演奏装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この自動演奏装置は独立した装置として構成できるが、以下では電子楽器に組み込まれた自動演奏装置について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る自動演奏装置が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。この電子楽器は、システムバス20で相互に接続された中央処理装置(以下、「CPU」という。)10、プログラムメモリ11、ワークメモリ12、自動演奏データメモリ13、鍵盤スキャン回路14、楽音発生回路15及びタイマ16で構成されている。CPU10には操作パネル101、外部インタフェース回路102が接続されている。また、このCPU10には、タイマ16から割込信号が供給される。鍵盤スキャン回路14には、鍵盤装置141が接続されている。更に、楽音発生回路15とシステムバス20との間にはキー&トーンアサイナ151が介在しており、また上記楽音発生回路15には増幅器152が接続され、この増幅器152にはスピーカ153が接続されている。
【0023】
CPU10は、プログラムメモリ11に記憶されている制御プログラムに従ってこの電子楽器の全体を制御する。このCPU10で行われる処理については、後にフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0024】
操作パネル101には、例えば図2に示すように、コンサートマジックスイッチ(以下、「CMスイッチ」という)200、本願構成の指示部に当たるヘルプスイッチ(HELPスイッチ)201、曲ボタン202が設けられている。なお、図示は省略してあるが、電子楽器にはこれらのスイッチ以外に例えば自動演奏スイッチ、音量スイッチ、音色選択スイッチ、残響効果選択スイッチ等が設けられている。また、操作パネル101には、種々のメッセージを表示するためのディスプレイ装置として使用されるLCD画面300が設けられている。
【0025】
CMスイッチ200は、コンサートマジック機能を使用するかどうかを指定するために使用される。このCMスイッチ200の設定状態は、後述するCMフラグで記憶される。このCMフラグは、CMスイッチ200が押される度に反転する。即ち、電子楽器が通常演奏モードにある時(CMフラグ=0)にCMスイッチ200が押されると、CMフラグが「1」にセットされてコンサートマジックモード(以下、「CMモード」という)に移る。一方、CMモードにある時(CMフラグ=1)にCMスイッチ200が押されるとCMフラグが「0」にクリアされて通常演奏モードに移る。
【0026】
ヘルプスイッチ(HELPスイッチ)201は、上記CPU10で構成されるリバース押鍵待機部10bに該リバース押鍵待機部の機能を実行させる指示を与えるために使用される。
【0027】
曲ボタン202は、演奏者がコンサートマジック演奏用の複数の曲の中から所望の曲を選択するために使用され、該ボタンを適宜回転させ、上記LCD画面300上に表示される曲の中から選択できることになる。この曲ボタン202によって選択された曲の曲番号は、後述する曲番号レジスタに記憶される。
【0028】
操作パネル101は、図示しないパネルインタフェース回路を含む。このパネルインタフェース回路は、CPU10からの指令に応じて操作パネル101上の各スイッチをスキャンする。そして、このスキャンにより得られた各スイッチの開閉状態を示す信号に基づいてパネルデータを作成する。このパネルデータの各ビットは、上記各スイッチに対応し、例えば「1」でスイッチオン、「0」でスイッチオフ状態を表す。このパネルデータは、操作パネル101上の各スイッチが押されたかどうかを判断するために使用される(詳細は後述する)。
【0029】
また、パネルインタフェース回路は、CPU10から送られてきた表示データを操作パネル101上のLCD画面300に送る。これにより、表示データに従ったメッセージがLCD画面300に表示される。
【0030】
外部インタフェース回路102は、CPU10と外部装置との間のデータの送受を制御する。この外部インタフェース回路102としては、外部に接続される機器の種類に応じて、例えばMIDIインタフェース、RS232Cインタフェース、SCSIインタフェース等の汎用インタフェース又は機種固有のインタフェースを用いることができる。外部装置としては、例えば他の電子楽器、パーソナルコンピュータ、シーケンサ等を用いることができる。この実施の形態では、外部インタフェース回路102としてMIDIインタフェース回路が用いられるものとする。
【0031】
更に、CPU10に接続されたタイマ16は、CPU10からセットされるデータに従った時間間隔で割込信号を発生する。従って、このタイマ16に、テンポに比例した時間間隔で割込信号を発生させることができる。この割込信号はCPU10に供給され、後述する各割込処理ルーチンを起動するトリガーとして使用される。
【0032】
プログラムメモリ11は、例えばリードオンリメモリ(以下、「ROM」という)で構成されている。このプログラムメモリ11には、上述した制御プログラムの他に、CPU10が使用する種々の固定データが記憶されている。このプログラムメモリ11には、更に音色を指定するための複数の音色パラメータが記憶されている。1つの音色パラメータは、所定の楽器音の所定の音域の音色を指定するために使用される。各音色パラメータは、例えば波形アドレス、周波数データ、エンベロープデータ、フィルタ係数等で構成されている。
【0033】
ワークメモリ12は、例えばランダムアクセスメモリ(以下、「RAM」という)で構成されている。このワークメモリ12は、CPU10が各種処理を行う際に、種々のデータを一時記憶するために使用される。具体的には、このワークメモリ12には、この電子楽器を制御するための各種レジスタ、カウンタ、フラグ等が定義されている。以下に主要なレジスタ、カウンタ、フラグ等を示す。なお、下記以外については、以下において出現する都度説明する。
【0034】
(1)自動演奏フラグ:この電子楽器が自動演奏モードにあるか通常演奏モードにあるかを記憶する。
(2)コンサートマジックフラグ(以下、「CMフラグ」という):この電子楽器がCMモードにあるか自動演奏モードにあるかを記憶する。
(3)曲番号レジスタ:コンサートマジック演奏用の曲の曲番号を記憶する。
(4)アドレスレジスタ(R_ADD):現在実行中の音符データが置かれている自動演奏データメモリ13上のアドレス(以下、「読出アドレス」という)を保持する。
(5)キーオンカウンタ:押鍵中の鍵の数を計数する。このキーオンカウンタは、押鍵によりインクリメントされ、離鍵によりデクリメントされる。このキーオンカウンタの内容がゼロの場合は、全鍵が離されていることを意味する。
(6)データ読出リクエストフラグ:押鍵があった場合にセットされるフラグであり、自動演奏データメモリ13から音符データを読み出すべきことを指示するために使用される。
(7)シーケンサカウンタ(SEQ_CNT):タイマ割込が発生する度にインクリメントされるカウンタである。
(8)ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT):1ステップタイム毎にインクリメントされるカウンタである。このゲートタイムカウンタの内容は、後述するコンサートマジック演奏処理において、ゲートタイムを減ずるタイミングが到来したかどうかを判断するために使用される。このゲートタイムカウンタの内容が変化した時に、ゲートタイムを減ずるタイミングであることが認識される。
(9)ステップバッファ(step_buf):読み出したノートデータのステップタイム値を保持する。
【0035】
鍵盤スキャン回路14には、複数の鍵を有する鍵盤装置141が接続されている。この鍵盤装置141は、通常演奏モードでは、押鍵によって発音を指示し、離鍵によって消音を指示するために使用される。一方、CMモードでは、コンサートマジック演奏を進めるトリガー(具体的には、次の音符データを読み出すトリガー)として使用される。この鍵盤装置141には、例えば、異なる押圧深さで夫々オンにされる第1及び第2のキースイッチを各鍵に備えた2接点方式が採用されている。
【0036】
上記鍵盤スキャン回路14は、CPU10からの指令に応じて鍵盤装置141上の各キースイッチをスキャンする。そして、このスキャンにより得られた各キースイッチの開閉状態を示す信号に基づいて、鍵盤データを作成する。鍵盤データは、各鍵を1ビットに対応させたビット列で成り、各ビットは、例えば「1」で押鍵中、「0」で離鍵中であることを表す。この際、例えば第1及び第2のキースイッチの双方がオンになっている場合に押鍵中であることを表す「1」のデータが作成され、それ以外の場合は離鍵中であることを表す「0」のデータが作成される。当該構成は、本発明の押鍵検出手段の構成に相当する。
【0037】
また、押鍵によって第1のキースイッチ(その鍵に備えられている第1のキースイッチ)がオンになってから第2のキースイッチ(同じくその鍵に備えられている第2のキースイッチ)がオンになるまでの時間が計測され、この計測された時間に基づいてベロシティデータが作成される。これら鍵盤データ及びベロシティデータは、システムバス20を介してCPU10に送られる。CPU10は、鍵盤データに基づいて押鍵/離鍵がなされたかどうかを判断する(詳細は後述する)。
【0038】
自動演奏データメモリ13は、ROMで構成されている。この自動演奏データメモリ13には、コンサートマジック演奏用の複数の曲の夫々に対応する複数の自動演奏データが記憶されている。これらの自動演奏データは、通常の自動演奏、コンサートマジック機能を使用した自動演奏等に共通に使用される。各自動演奏データには曲番号が付されている。コンサートマジック演奏用の自動演奏データとしては、曲番号レジスタに格納されている曲番号と同一の曲番号を有する自動演奏データが選択される。これら各自動演奏データは、従来の技術の欄で説明したと同様に、音符データの集合で構成されている。
【0039】
CPU10は、上述のように、プログラムメモリ11から所定のプログラムを読み出し、ワークメモリ12を使用しながら、図1各部の制御を行うと共に、本実施例構成では、後述する本発明の自動演奏部10a及びリバース押鍵待機部10bを構成する。
【0040】
楽音発生回路15は、後述する自動演奏部10aからキー&トーンアサイナ151が受け取ったトーン・ボリューム、キーナンバ及びベロシティの各データに基づき、上記キー&トーンアサイナ151によって割り付けられた各チャンネル毎に上記データに基づき所定の音色データの読み出しが行われる波形メモリ(図示しない)を有する音源で構成されている。波形メモリは、各音色パラメータに対応する波形データを記憶している。波形データは、例えば自然楽器音に基づいて生成された楽音信号をパルスコード変調(PCM)することによって作成される。この波形メモリは、例えばROMで構成できる。
【0041】
キー&トーンアサイナ151は、発音を行う場合に、少なくとも1個のチャンネルを発音用に割り当て、この割り当てられたチャンネルに音色パラメータを供給する。音色パラメータを受け取ったチャンネルは、上記楽音発生回路15により波形メモリから波形データを順次読み出し、これにエンベロープを付加して楽音信号を生成する。この楽音信号は、増幅器152で増幅された後にスピーカ153に供給される。これにより、スピーカ153で音響信号に変換されて放音される。
【0042】
以上の構成では、本発明の構成は、図3のような機能ブロック構成として示されることになる。
【0043】
すなわち、本発明の構成は、複数の音符データで成る自動演奏データを記憶する自動演奏データメモリ13と、押鍵がなされたことを検出する上記鍵盤スキャン回路14で構成される押鍵検出部と、該押鍵検出部により押鍵がなされたことが検出される毎に、該自動演奏データメモリ13から音符データを読み出し、該読み出された音符データに基づいて、上記キー&トーンアサイナ151及び楽音発生回路15以降の回路構成から発音させ、以て自動演奏を進行させる自動演奏部10aと、自動演奏の進行中に指示を与える上記操作パネル101上のヘルプスイッチ(HELP SW)201で構成される指示部と、該指示部による指示に応じて、自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を上記自動演奏部10aに行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にするリバース押鍵待機部10bとを備えている。このうち、上記自動演奏部10aとリバース押鍵待機部10bとは、上述のように、上記CPU10で構成される。
【0044】
本実施例構成では、図4に示すように、例えば、演奏者が小節4の部分をコンサートマジックにより演奏(押鍵によるトリガーのみ与える状態)途中で、誤って自動演奏を進行させても、ヘルプスイッチ(HELP SW)201を押すことで、その1つ前の小節の表示に切り替わり、小節3から自動演奏が再生され、小節4の頭で鍵盤スキャン回路14の押鍵検出部による押鍵トリガ待機状態に設定されることになる。
【0045】
次に、上記の構成において、図5〜図15に示したフローチャートを参照しながらこの電子楽器の動作を詳細に説明する。なお、上記フローチャートに示された処理は、何れもCPU10により行われる。
【0046】
(1)メイン処理:図5はこの電子楽器のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理ルーチンは電源の投入により起動される。即ち、電源がONにされると、先ず、CPU10、RAM(ワークメモリ12)及びその他の初期化処理が行われる(ステップS101〜ステップS103)。これらの初期化処理では、CPU10の内部のハードウエアが初期状態に設定されると共に、ワークメモリ12に定義されているレジスタ、カウンタ、フラグ等に初期値が設定される。
【0047】
この初期化処理が終了すると、次いで、鍵盤処理が行われる(ステップS104)。この鍵盤処理では、詳細は後述するが、電子楽器が通常演奏モードにある場合は押鍵に応じた発音処理及び離鍵に応じた消音処理が行われる。一方、CMモードにある場合は、押鍵があった旨を、データ読出リクエストフラグで記憶する。
【0048】
その後パネルスイッチ処理が行われる(ステップS105)。このパネルスイッチ処理では、詳細は後述するが、操作パネル101上の各スイッチに割り当てられている機能を実現するための処理が行われる。
【0049】
そして自動演奏処理が行われる(ステップS106)。この自動演奏処理の詳細については後述する。
【0050】
次いで、「その他のメイン処理」が行われる(ステップS107)。この処理では、上述した以外の処理、ペダルのON/OFF処理、MIDI処理、DSP処理が行われる。
【0051】
その後ステップS104に戻り、以下ステップS104〜S107の処理が繰り返される。この繰り返し実行の過程で、操作パネル101の操作、鍵盤装置141の操作、外部インタフェース回路102でのMIDIデータの受信等があると、それらに応じた処理が行われることにより電子楽器及び自動演奏装置としての各種機能が実現されている。
【0052】
(2)割込処理:割込処理は、割込信号に応じて、上記メイン処理ルーチンの各処理に割り込んで行われる。本実施例の割込処理は、2つの割込処理が行われている。この割込処理の詳細は、図6及び図7のフローチャートに示されている。
【0053】
図6に示す2msec毎のタイマ割込処理は、タイマ16からの割込信号に応じて行われ、先ず、パネルスイッチ状態が取得され(ステップS201)、SW_NEWレジスタにそのパネルスイッチ状態が保存される(ステップS202)。そのパネルスイッチ状態に応じて、パネルのLED画面300にその状態が表示される(ステップS203)。
【0054】
また別の自動演奏クロック割込処理は図7によって説明される。すなわち、シーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の内容がインクリメントされる(ステップS301)。従って、このシーケンサカウンタ(SEQ_CNT)は、テンポに比例した時間間隔でインクリメントされる。次いで、自動演奏中であるか否かがチェックされる(ステップS302)。このステップS302で、自動演奏中であると判断される(ステップS302;Y)と、ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の内容がインクリメントされる(ステップS303)。その後、このクロック割込処理ルーチンからメイン処理ルーチンの割り込まれた位置にリターンする。上記ステップS302で自動演奏中でないことが判断されたとき(ステップS302;N)も、このクロック割込処理ルーチンからリターンする。以上の処理により、ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の内容は、1ステップタイム毎にインクリメントされることになる。
【0055】
(3)鍵盤処理:次に、メイン処理ルーチンのステップS104で行われる鍵盤処理の詳細を、図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
この鍵盤処理では、先ず、鍵盤スキャン回路14から鍵盤データ(以下、「新鍵盤データ」という)が取り込まれ、キーオンイベントマップが作成される。このキーオンイベントマップは、新鍵盤データと、前回の鍵盤処理で取り込まれて既にワークメモリ12に設けられた旧鍵盤データレジスタに記憶されている鍵盤データ(以下、「旧鍵盤データ」という)との排他的論理和をとることにより作成される。
【0057】
それを基にキーオンイベントがあるかどうかがチェックされる(ステップS401)。これは、上記のようにして作成されたキーオンイベントマップがゼロであるかどうかを調べることにより行われる。ここで、キーオンイベントがない、つまりキーオンイベントマップがゼロであることが判断される(ステップS401;N)と、シーケンスはキーオフイベントがあるか否かがチェックされる(ステップS405)。キーオフイベントがある場合(ステップS405;Y)、鍵盤消音処理がなされ(ステップS406)、メインルーチンに復帰する。またキーオフイベントがない場合(ステップS405;N)も、そのままメインルーチンへ復帰する。
【0058】
一方、キーオンイベントがある、つまりイベントマップ中に「1」であるビットが少なくとも1つ存在することが判断される(ステップS401;Y)と、CMフラグの状態がチェックされ、CMモードであるかどうか、すなわちコンサートマジック中であるか否かが判断される(ステップS402)。
【0059】
ここで、CMモードでないことが判断される(ステップS402;N)と、通常演奏モードであることが認識され、通常の鍵盤発音処理が行われる(ステップS403)。
【0060】
この通常の発音処理では、鍵イベントマップ中の「1」になっているビットに対応する鍵のキーナンバが算出されると共に、鍵盤スキャン回路14から当該鍵に対応するベロシティデータが読み込まれる。そして、このキーナンバに対応する音色パラメータがプログラムメモリ11から読み出され、ベロシティデータと一緒にキー&トーンアサイナ151を介して楽音発生回路15に送られる。これにより、押鍵に応じた音が押鍵に応じた強さでスピーカ153から発生される。
【0061】
一方、ステップS402でCMモードであることが判断される(ステップS402;Y)と、後述するコンサートマジック曲進行処理(ステップS404)に移行する。該CMモードでは、発音中の音はゲートタイムに従って消音される。この消音を行うための処理は、後述するコンサートマジック演奏処理において行われる。従って、CMモードでは離鍵イベントがあっても何らの処理も行われない。その後、シーケンスは上記ステップS405に進む。
【0062】
なお、上記では、説明を簡単にするために1つ押鍵又は離鍵があった場合について説明したが、複数の押鍵又は離鍵があった場合は、ステップS401以下の処理を鍵イベントの数だけ繰り返して実行するように構成すればよい。
【0063】
(4)パネルスイッチ処理:次に、メイン処理ルーチンのステップS105で行われるパネル処理の詳細を、図9のフローチャートを参照しながら説明する。このパネル処理では、操作パネル101上の各スイッチに割り当てられている機能を実現するための処理が実行される。
【0064】
このパネル処理では、先ず操作パネル101からパネルデータ(以下、「新パネルデータ」という)が新パネルデータレジスタ(SW_NEW)に取り込まれ、この新パネルデータと前回のパネル処理で取り込まれて既にワークメモリ12に設けられた旧パネルデータレジスタ(SW_OLD)に記憶されているパネルデータ(以下、「旧パネルデータ」という)との排他的論理和をとることにより、オンイベントマップが作成される(ステップS501)。
【0065】
次いで、このオンイベントマップから、後述するコンサートマジックスイッチのオンイベント処理がなされる(ステップS502)。
【0066】
さらに上記オンイベントマップから、後述するヘルプスイッチのオンイベント処理がなされる(ステップS503)。
【0067】
その後、その他のスイッチオンイベント処理がなされ(ステップS504)、最後に新パネルデータレジスタ(SW_NEW)の内容は、旧パネルデータレジスタ(SW_OLD)の内容として旧パネルデータレジスタ(SW_OLD)に格納される。この旧パネルデータレジスタ(SW_OLD)の内容は、次回のパネルスイッチ処理で参照される。そしてシーケンスはメイン処理ルーチンのステップS106にリターンする。
【0068】
(5)コンサートマジックスイッチオンイベント処理:上記図9のステップS502で示されたコンサートマジックスイッチオンイベント処理につき、図10を使用して説明する。
【0069】
上記のようにして作成されたオンイベントマップから、コンサートマジックスイッチオンイベントがあるか否かがチェックされる(ステップS601)。このオンイベントがなければ(ステップS601;N)、シーケンスは上記ステップS503にリターンする。
【0070】
反対にコンサートマジックスイッチオンイベントがあれば(ステップS601;Y)、CMフラグが参照され、現在コンサートマジック中か否かがチェックされる(ステップS602)。現在コンサートマジック中であれば(ステップS602;Y)、コンサートマジック処理は終了され(ステップS605)、シーケンスは上記ステップS503にリターンする。
【0071】
逆に現在コンサートマジック中でなければ(ステップS602;N)、曲番号レジスタが参照されてその曲番号からコンサートマジック演奏用の曲の音符データが読み出され、曲初期設定がなされる(ステップS603)。その後コンサートマジック中の状態に設定され(ステップS604)、シーケンスは上記ステップS503にリターンする。
【0072】
(6)自動演奏処理:次に、メイン処理ルーチンのステップS106で行われる自動演奏処理の詳細を、図11のフローチャートを参照しながら説明する。この自動演奏処理では、上記パネルスイッチ処理により設定される自動演奏フラグが参照され自動演奏中か否かがチェックされる(ステップS701)。自動演奏中でなければ(ステップS701;N)、シーケンスはメイン処理ルーチンのステップS107にリターンする。
【0073】
自動演奏中であれば(ステップS701;Y)、後述する自動演奏消音処理が実施される(ステップS702)。
【0074】
そしてアドレスレジスタ(R_ADD)の示すアドレスから、音符データが読み込まれ(ステップS703)、そのデータがデータエンドマークであるか否かがチェックされる(ステップS704)。データエンドマークであれば(ステップS704;Y)、コンサートマジック処理が終了せしめられ(ステップS705)、シーケンスはメイン処理ルーチンのステップS107にリターンする。
【0075】
データエンドマークでなければ(ステップS704;N)、読み出されたデータがバーマーク乃至ビートマークか否かがチェックされる(ステップS706)。
【0076】
読み出されたデータがバーマーク乃至ビートマークであれば(ステップS706;Y)、シーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値が本自動演奏装置で1拍を示す96以上の値であるか否かがチェックされる(ステップS707)。シーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値が96より小さい値である場合(ステップS707;N)、シーケンスはメイン処理ルーチンのステップS107にリターンする。
【0077】
反対にシーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値が96より大きい値であれば(ステップS707;Y)、次の音符データを読み出すため、シーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値が0にセットされ(ステップS708)、アドレスレジスタ(R_ADD)の値がインクリメントされ、その値が保存される(ステップS709)。そしてアドレスレジスタ(R_ADD)の値が曲の終わりを示すストップアドレス値(STOP_ADD)になったか否かがチェックされる(ステップS710)。
【0078】
アドレスレジスタ(R_ADD)の値がストップアドレス値(STOP_ADD)になっていなければ(ステップS710;N)、シーケンスはメイン処理ルーチンのステップS107にリターンする。
【0079】
反対にアドレスレジスタ(R_ADD)の値がストップアドレス値(STOP_ADD)になっていれば(ステップS710;Y)、自動演奏処理が中止(終了)される(ステップS711)。そしてシーケンスはメイン処理ルーチンのステップS107にリターンする。
【0080】
上記ステップS706で、読み出された音符データがバーマーク乃至ビートマークでなければ(ステップS706;N)、シーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値が音符データのステップタイムの値以上であるか否かがチェックされる(ステップS712)。
【0081】
シーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値がステップタイムの値以上でなければ(ステップS712;N)、シーケンスはメイン処理ルーチンのステップS107にリターンする。
【0082】
反対にシーケンサカウンタ(SEQ_CNT)の値がステップタイムの値以上であれば(ステップS712;Y)、発音などの処理が行われ、同時に読み出されたデータが音符データであればその現在鳴っている音のゲートタイム(Gate[note])が保存される(ステップS713)。
【0083】
そしてアドレスレジスタ(R_ADD)の値がインクリメントされ、その値が保存され(ステップS714)、上記ステップS703に復帰し、以上の処理を繰り返す。
【0084】
(7)自動演奏消音処理:上記自動演奏処理ルーチンのステップS702で行われる自動演奏消音処理の詳細を、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0085】
この自動演奏消音処理では、最初に割込処理が禁止され(ステップS801)、現在発音されている全てのゲートタイム(Gate[note])がゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の値で減算される(ステップS802)。
【0086】
そして該ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の値が0にセットされ(ステップS803)、その後に割込処理が許可されることになる(ステップS804)。
【0087】
その後ゲートタイム(Gate[note])の値が0以下の音符データが消音される(ステップS805)。
【0088】
(8)コンサートマジック曲進行処理:図8の鍵盤処理で行われるステップS404のコンサートマジック曲進行処理を、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0089】
このコンサートマジック曲進行処理では、上記パネルスイッチ処理により設定される自動演奏処理フラグが参照され自動演奏中か否かがチェックされる(ステップS901)。自動演奏中であれば(ステップS901;Y)、シーケンスは鍵盤処理ルーチンのステップS405にリターンする。
【0090】
自動演奏中でなければ(ステップS901;N)、後述するコンサートマジック消音処理が実施される(ステップS902)。
【0091】
そしてノートオンデータ(note_on)の値が0に、またステップ変数(step)の値が0xffの値にセットされる(ステップS903)。
【0092】
その後アドレスレジスタ(R_ADD)が示すアドレスから、音符データが読み込まれ(ステップS904)、そのデータがデータエンドマークであるか否かがチェックされる(ステップS905)。データエンドマークであれば(ステップS905;Y)、コンサートマジック処理が終了せしめられ(ステップS906)、シーケンスは鍵盤処理ルーチンのステップS405にリターンする。
【0093】
データエンドマークでなければ(ステップS905;N)、読み出されたデータがバーマーク乃至ビートマークか否かがチェックされる(ステップS907)。
【0094】
読み出されたデータがバーマーク乃至ビートマークであれば(ステップS907;Y)、上記ステップ変数(step)の値が0xffの値にセットされ(ステップS908)、ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)が、1拍の値96からステップバッファ(step_buf)のカウント値を引いた値にセットされる(ステップS909)。そしてステップバッファ(step_buf)のカウント値が0にセットされ(ステップS910)、アドレスレジスタ(R_ADD)の値がインクリメントされ、その値が保存される(ステップS911)。その後上記ステップS904に復帰する。
【0095】
上記ステップS907で、読み出されたデータがバーマーク乃至ビートマークでなければ(ステップS907;N)、読み出されたデータがノートオンデータであるか否かがチェックされる(ステップS912)。ノートオンデータでなければ(ステップS912;N)、アドレスレジスタ(R_ADD)の値がインクリメントされ、その値が保存される(ステップS920)。その後上記ステップS904に復帰する。
【0096】
一方読み出されたデータがノートオンデータであれば(ステップS912;Y)、読み出されたデータが和音を構成するノートオンデータであるか否かを判断するため、ノートオンデータ(note_on)の値が0であるか否かがチェックされ(ステップS913)、まず最初の音であるか否かが判断される。
【0097】
ノートオンデータ(note_on)の値が0であれば(ステップS913;Y)、ノートオンデータ(note_on)の値が1に、実際のステップタイムが上記ステップ変数(step)と同一に、またその値がステップバッファ(step_buf)の値に、さらにゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の値が0にセットされる(ステップS914)。
【0098】
その後自動演奏データとしての音符データに規定されたゲートタイムが各ノートオンデータのゲートタイムの値(Gate[note])にセットされ(ステップS915)、発音処理がなされる(ステップS916)。その後アドレスレジスタ(R_ADD)の値がインクリメントされ、その値が保存され(ステップS917)、上記ステップS904に復帰する。
【0099】
上記ステップS913でノートオンデータ(note_on)の値が0でなければ(ステップS913;N)、ステップタイムが一致する和音であるかを判別するため、ステップ変数(step)の値が音符データのステップタイムと一致しているか否かがチェックされる(ステップS918)。
【0100】
ステップ変数(step)の値がステップタイムと一致していれば(ステップS918;Y)、上記ステップS915に移行する。反対に一致していなければ(ステップS918;N)、和音以外の音に相当するので、ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の値が、(ステップタイム−step_buf)の値にセットされ(ステップS919)、シーケンスは鍵盤処理ルーチンのステップS405にリターンする。
【0101】
(9)コンサートマジック消音処理:図13のコンサートマジック曲進行処理で行われるステップS902のコンサートマジック消音処理を、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0102】
このコンサートマジック消音処理では、現在発音されている全ての音符データのゲートタイム(Gate[note])がゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)の値で減算される(ステップS1001)。
【0103】
そしてゲートタイム(Gate[note])の値が0以下の音符データが消音される(ステップS1002)。
【0104】
(10)ヘルプスイッチオンイベント処理:上記図9のステップS503で示されたヘルプスイッチオンイベント処理につき、図15を使用して説明する。
【0105】
上記のようにして作成されたオンイベントマップから、ヘルプスイッチオンイベントがあるか否かがチェックされる(ステップS1101)。このオンイベントがなければ(ステップS1101;N)、シーケンスは上記ステップS504にリターンする。
【0106】
反対にヘルプスイッチオンイベントがあれば(ステップS1101;Y)、CMフラグが参照され、現在コンサートマジック中か否かがチェックされる(ステップS1102)。現在コンサートマジック中でなければ(ステップS1102;N)、シーケンスは上記ステップS504にリターンする。また現在コンサートマジック中であれば(ステップS1102;Y)、自動演奏中であるか否かがチェックされる(ステップS1103)。自動演奏中であれば(ステップS1103;Y)、シーケンスは上記ステップS504にリターンする。
【0107】
逆に自動演奏中でなければ(ステップS1103;N)、上記本発明構成のリバース押鍵待機部10bにより以下の処理が実施される。
【0108】
まず、現在発音中の音全てが消音される(ステップS1104)。その後バーカウンタ(Bar_CNT)、ゲートタイムカウンタ(Gate_CNT)、ステップバッファ(step_buf)及び現在実行中の音符データのゲートタイム(Gate[Note])が全て0にセットされる(ステップS1105)。
【0109】
現在読み込まれているアドレスレジスタ(R_ADD)の示すアドレスがその曲の先頭アドレス(SongTopAdd)より大きいか否かがチェックされる(ステップS1106)。その曲の先頭アドレス(SongTopAdd)より大きくなければ(ステップS1106;N)、シーケンスは上記ステップS504にリターンする。
【0110】
逆にその曲の先頭アドレス(SongTopAdd)より大きければ(ステップS1106;Y)、アドレスレジスタ(R_ADD)が示すアドレスが減算される(ステップS1107)。
【0111】
そして減算された結果が現在弾いていた小節の先頭のバー(図4の例では小節4の先頭のバー)に当たったか否かの判断のため、アドレスレジスタ(R_ADD)のアドレスが示すデータがバーであるか否かがチェックされる(ステップS1108)。アドレスレジスタ(R_ADD)のアドレスが示すデータがバーでなければ(図4の例では手前の演奏音か伴奏音)(ステップS1108;N)、上記ステップS1106に戻り、現在弾いていた小節の先頭のバーがくるまで、以上の処理が繰り返される。
【0112】
反対にアドレスレジスタ(R_ADD)のアドレスが示すデータがバーであれば(ステップS1108;Y)、バーカウンタ(Bar_CNT)がインクリメントされ(ステップS1109)、さらにバーカウンタ(Bar_CNT)が1であるか否かがチェックされる(ステップS1110)。
【0113】
バーカウンタ(Bar_CNT)が1であれば(ステップS1110;Y)、アドレスレジスタ(R_ADD)の値がストップアドレス値(STOP_ADD)にセットされ(ステップS1111)、前記図11のステップS710及びステップS711において自動演奏による演奏がストップされて待機状態になるようにセットしておいて、ステップS1106に復帰し、以上の処理が繰り返されることで、さらに1小節前のバーの所(図4の例では小節3の先頭のバー)まで戻されることになる。
【0114】
その間にバーカウンタ(Bar_CNT)はステップS1109のインクリメントにより1より大きくなっているため、上記ステップS1110で、バーカウンタ(Bar_CNT)が1でないため(ステップS1110;N)、自動演奏中の状態になり(ステップS1012)、シーケンスは上記ステップS504にリターンする。この自動演奏は、上述のように、図11のステップS710及びステップS711で、ヘルプスイッチ(HELP SW)が押された小節の先頭のバー(図4の例では小節4の先頭のバー)の所で、その演奏がストップされ、待機状態となる。
【0115】
尚、LCD画面300には、図4の小節4の頭にポインタを置くなど、そこで止まっていることが分かるように表示されるようにすると良い。
【0116】
このように、コンサートマジック曲進行処理中にヘルプスイッチ(HELP SW)が押されることで、演奏者が現在弾いている小節の1つ前の小節に戻り、そこから1小節分カラオケ状態で自動演奏がなされ、次の小節の頭でキーオンイベント待ちの状態になるため、どこまで戻ったかを演奏者が自動演奏音を聞くことで、素早く確認することができるようになり、曲調に慣れ、次の押鍵のタイミングもより適切に行うことができるようになる。
【0117】
尚、本発明の自動演奏装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0118】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、演奏者が曲の途中で誤って自動演奏を進行させても、指示手段で指示が与えられることで、上記リバース押鍵待機手段により、自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を上記自動演奏手段に行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にセットされるので、どこまで戻ったかを演奏者がカラオケ演奏状態で確認することができ、次の押鍵のタイミングがより適切に行うことができるようになるため、使い勝手に優れた自動演奏装置及び自動演奏方法を提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動演奏装置が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】操作パネル101の構成を示す平面概要図である。
【図3】本発明の実施例構成における機能ブロックを示すブロック図である。
【図4】実際の自動演奏データのコンサートマジックによる演奏で、本実施例構成が適用された場合の状態を示す説明図である。
【図5】本電子楽器のメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】2msec毎のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】自動演奏クロック割込処理を示すフローチャートである。
【図8】鍵盤処理を示すフローチャートである。
【図9】パネルスイッチ処理を示すフローチャートである。
【図10】コンサートマジックスイッチオンイベント処理を示すフローチャートである。
【図11】自動演奏処理を示すフローチャートである。
【図12】自動演奏消音処理を示すフローチャートである。
【図13】コンサートマジック曲進行処理を示すフローチャートである。
【図14】コンサートマジック消音処理を示すフローチャートである。
【図15】ヘルプスイッチオンイベント処理を示すフローチャートである。
【図16】音符データの形式を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 CPU
10a 自動演奏部
10b リバース押鍵待機部
11 プログラムメモリ
12 ワークメモリ
13 自動演奏データメモリ
14 鍵盤スキャン回路
15 楽音発生回路
16 タイマ
20 システムバス
101 操作パネル
102 外部インタフェース回路
141 鍵盤装置
151 キー&トーンアサイナ
152 増幅器
153 スピーカ
200 CMスイッチ
201 ヘルプスイッチ
202 曲ボタン
300 LCD画面
Claims (4)
- 複数の音符データで成る自動演奏データを記憶する記憶手段と、
押鍵がなされたことを検出する押鍵検出手段と、
該押鍵検出手段により押鍵がなされたことが検出される毎に、該記憶手段から音符データを読み出し、該読み出された音符データに基づいて発音を行い、以て自動演奏を進行させる自動演奏手段と、
自動演奏の進行中に指示を与える指示手段と、
該指示手段による指示に応じて、自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を上記自動演奏手段に行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にするリバース押鍵待機手段と
を備えたことを特徴とする自動演奏装置。 - 上記指示手段による指示が与えられた際に、上記リバース押鍵待機手段は、それまで演奏中であった小節から任意の数小節前に自動演奏の進行を戻して、上記自動演奏手段により上記自動演奏データに従った自動演奏を行わせ、上記演奏中であった小節の前でその自動演奏の進行を止め、次の押鍵検出の待機状態に設定することを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。
- 複数の音符データで成る自動演奏データを記憶し、押鍵の検出毎に、該記憶された音符データを読み出して、それに基づいて発音を行い、以て自動演奏を進行させる自動演奏方法であって、押鍵検出毎に進行する自動演奏中に、所定の指示がなされた場合に、該指示に応じて自動演奏の進行を戻して、所定の位置までは押鍵の検出によらずに上記自動演奏データに従った自動演奏を行わせ、該位置まで自動演奏が進行した際に押鍵の検出を待機する状態にすることを特徴とする自動演奏方法。
- 演奏者による指示が与えられた際に、それまで演奏中であった小節から任意の数小節前に自動演奏の進行を戻して、上記自動演奏データに従った自動演奏を行わせ、上記演奏中であった小節の前でその自動演奏の進行を止め、次の押鍵検出の待機状態に設定することを特徴とする請求項3記載の自動演奏方法。
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