JP2004251428A - 断熱体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属板1,2の表面の印刷面3を内面として複数の金属板1,2を重ね合わせ、圧延加工により金属板1,2間の非印刷面4,5を接合し、印刷面3に外気と連通する口部21を設ける。口部21より圧縮空気を挿入して膨張した密閉空間31を形成し、その後口部21より脱気して密閉空間31を減圧した真空層15として形成し、口部21を例えば溶接などで閉塞する。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、保温機能および保冷機能を備えた各種機器に設けられる断熱体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、保温機能を備えた電気ポット,炊飯器,保温ジャーなどの家電機器では、断熱性向上による省エネルギー性が重要な課題となっている。また、冷蔵庫,ワインクーラーなどの保冷機器では、保冷性を向上させることが省エネルギーのために必要となる。また、省エネルギーとしてではなく、外面温度を安全性のために下げる目的で、乾燥炉やボイラー,電気ヒータなどの機器においても、断熱性の向上は重要な要素である。こうした省エネルギーや断熱性向上の技術課題に関し、真空断熱が有効な手段の一つであることが知られている。
【0003】
真空層を形成する手段は多々あるが、減圧真空環境中で、複数の金属板間の端部を密閉結合させて真空にするか、あるいは複数の金属板間に口部となる吸引孔を設け、吸引孔から真空ポンプなどで脱気するなどが一般的である。現在、電気ポットなどでは次の2つの方法が採用されている。
【0004】
第1の方法は、断熱性を必要とする容器をステンレス製の真空容器にするもので、これは特許文献1などにおける金属製二重壁容器として知られている。この場合、製造に際しては、ステンレス製の内容器の外側に、所定の隙間を形成しつつステンレス製の外容器を向かい合わせ、内容器と外容器との端部を全周囲溶接した二重容器とすると共に、内部空間を減圧して真空にする。
【0005】
また第2の方法は、例えば特許文献2などにおいて開示されるシリカ粉末を利用した断熱体である。これは具体的には、不織布などの袋の内部に低熱伝導のシリカ粉末などを入れて筐体を形成し、この袋をアルミ箔などの金属シート袋内に入れて、減圧室内でシート袋の端部を封孔し、内部のシリカ粉末間を真空に形成するものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−223089号公報
【特許文献2】
特開昭62−13979号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1の方法は、真空容器としての強度を維持するために、材料厚さ(材厚)が0.5〜2.0mm以上のステンレス材を使用せざるを得ない。そのため、断熱体としての容器全体の重量が重い。また、内容器と外容器の端部全周囲を溶接しなければならず、加工工程が多くなる上に、溶接作業が伴なうので複雑な形状にすると製作が困難になる。さらに、内容器として耐食性の良いステンレス材を使用する関係で、外容器も溶接性を確保するためにステンレス材を使用しなければならないが、ステンレスはアルミニウムに比べて熱放射性が高く、保温時に外容器から熱が放散して断熱性が低下する要因になる。
【0008】
また、内容器の内部をフッ素塗料などで塗装すると、塗装乾燥時に真空容器が高温に晒されて外容器にテンパーカラー(ステンレスの酸化皮膜)が発生し、さらに熱放射性が高くなる。加えて、ステンレス製でしかもその全周端部を全て溶接するため、大きな形状のものを製造することが重量や価格の点から困難になる。そのため、小型製品の断熱材としての実施に限定され、より大型の例えば冷蔵庫や乾燥炉などには実質的に採用できない。
【0009】
一方、第2の方法は第1の方法に比べて、軽量なシート状断熱体を得ることができる反面、真空の筐体を保つために内部にシリカ粉末などを充填するので、このシリカ粉末の熱伝導により断熱性が悪化する問題がある。また、断熱体を曲げ加工すると、断熱体の外面部にあるアルミ箔が傷付きやすい上に、アルミ箔に形成される封孔は、アルミ箔自体が薄い材厚で溶接ができないため、加熱シールなどで行なわざるを得ず、結果的に封孔の信頼性が乏しい。そのため、こうした傷付き部や封孔部からのリークによって、内部の真空性が保持しにくくなる欠点を有する。
【0010】
また、アルミ箔などの金属シート袋が、最終的な断熱体の外形形状となるため、矩形状以外に真空層ひいては断熱体の形状を自在に変えるのが困難である。さらに、加熱シールで封孔を行なう際に、内部の材質と外部の材質は異なっており、それぞれの材質の熱膨張率に違いが有るため、使用環境が高温になったりヒートサイクルがある加熱シール部や、熱膨張の内外差に起因して、隙間ができやすくなり、結果的に上述のリーク性が低下しやすくなる。しかも、筐体保持部材としてのシリカ粉末は、断熱体の廃棄時に金属と分別する必要があり、リサイクル性に劣る。
【0011】
本発明は、上述した各問題点を解決しようとするものであり、真空層を自在な形状で簡単に加工して得ることができ、断熱性やリサイクル性にも優れた断熱体の製造方法を提供することを第1の目的とする。
【0012】
本発明の第2の目的は、軽量で大型の機器にも容易に組み込むことができる断熱体の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1における断熱体の製造方法では、金属体に印刷部を適宜パターンに施すことによって、真空層を自在な形状に形成できる。そのため、断熱体を使用する機器に応じて、四角や丸などの定形パターン以外の任意で且つ複雑な形状に形成できる。また、断熱体の内部にはシリカ粉末などの保持部材が存在しないため、断熱体の廃棄時に内部を分解・分別する必要がなく、金属体を溶解すればリサイクルが容易である。
【0014】
本発明の請求項2における断熱体の製造方法では、断熱体を使用する機器毎に、要求される断熱性能や断熱体の設置環境が異なるので、こうした断熱性能や設置環境に適した金属板の材料を、アルミニウム,ステンレス,チタンまたはその合金などから任意に選択することができる。例えば、高温多湿環境の場合には耐食性に優れたステンレスを選択し、軽量性が必要な場合にはチタンを選択する。また、被保温容器に接触させて使用せざるを得ない場合には、被保温容器と同じ材料のものを選択して電蝕を防止する。さらに、ステンレスはアルミニウムよりも熱伝導性が低いので、断熱体に熱伝導がある場合には、低熱伝導性のステンレスを選択する。また、断熱体を機器の外郭部材と兼用して使用する際も、強度や硬さが必要とされる場合は、ステンレスを選択する。さらに、金属アレルギーを防止するにはチタンを選択すればよい。
【0015】
また、接合部が複数形成されていれば、接合部間の金属体間の梁強度によって、脱気減圧時に膨張させた金属体の非接合部における変形を抑制することができる。そのため、真空層の加工時に、一旦拡張させて形成した空間の容積を減少させてしまい、断熱性能を低下させる不具合を一掃できる。また、こうした変形を防止するのにわざわざ金属体を厚くすることもなく、断熱体全体の重量は増加しない。
【0016】
本発明の請求項3における断熱体の製造方法では、実験結果に基づき、接合部間の距離を最適な所定倍数以内に選定しておけば、種々の形状の断熱体を新規設計する際にも、再度の検討をわざわざ行なうことなく、脱気減圧時に膨張させた金属体の変形を防止できる。これにより、断熱体の内部にシリカ粉末などの別の保持部材を介在させることなく、望ましい断熱性能を有する真空層を形成した軽量の断熱体を製造できる。
【0017】
一方、真空層の断熱層を効率よく利用するには、金属体間での熱伝導を極力少なくすることが必要で、そのためには接合部の面積を小さくするのが好ましいが、逆にこの面積が少なすぎて、空気挿入時に接合部の剥離に伴なう金属体の破壊が生じると、真空層そのものが形成できなくなる致命的問題を生じる。そこで、実験結果に基づき、各接合部の面積を約5mm2以上とし、且つ接合部を曲線状に形成すれば、空気の注入時に接合部が剥離したり、金属体が破壊する不具合を確実に防止できる。
【0018】
本発明の請求項4における断熱体の製造方法では、例えば電気ポットなどの機器の容器外側へ断熱体を巻加工して装着する場合は、真空層どうしや、真空層と端部とを重ねて断熱部の端部を処理すると、真空層がある分だけ重なり部の厚さが厚くなり、断熱体を収容する機器本体が大きくなる問題があるが、接合端部どうしを接触して断熱体を巻加工すれば、必要以上に断熱体が厚くならず、機器本体を必要以上に大きくしなくて済む。また、接触部に真空層が存在しないので、この接触部をリベットなどの止着具で固定し、筒状の断熱体を予め形成すれば、容器などへの装着性を改善できる。
【0019】
本発明の請求項5における断熱体の製造方法では、金属体を平滑または光沢仕上げすることで、電磁波(赤外線)の反射性が向上するため、保温容器などからの熱放射を反射して、断熱体の熱吸収を抑制し、断熱体の断熱効果をより高めることができる。また、外観に断熱体が露出する場合にも外観性が向上する。
【0020】
本発明の請求項6における断熱体の製造方法では、金属体に印刷部を適宜パターンに施すことによって、真空層を自在な形状に形成できる。そのため、断熱体を使用する機器に応じて、四角や丸などの定形パターン以外の任意で且つ複雑な形状に形成できる。また、断熱体の内部にはシリカ粉末などの保持部材が存在しないため、断熱体の廃棄時に内部を分解・分別する必要がなく、金属体を溶解すればリサイクルが容易である。
【0021】
さらに、口部に金属板と同材料の筒体を溶接などで接合し、この筒体より圧縮空気を挿入して、印刷面に対応して非接合部となる箇所で、膨張した密閉空間を形成し、その後筒体より空気を抜いて密閉空間内を減圧して真空層を形成した後、筒体を溶接などで閉塞することで、所望の断熱体を得ることができる。そのため、共通する筒体により金属板間の内部拡張と密閉空間の減圧を兼用することができ、合理的で加工性を向上できる。
【0022】
また、筒体の径を所定値以下または真空層の外厚の所定倍数以下とすることで、圧縮空気の注入や、金属体間の脱気減圧に支障がなくなると共に、筒体の開口面積を極力小さくすることで、端部開口部における溶接密閉加工が容易になる。さらに、機器の内部に断熱体を収容したときにも、この筒体の収容空間が極力少なくなって、機器の大型化を防ぎ、また筒体の収容空間に筒体を位置させるための曲げ加工や潰し加工なども支障なく行える。
【0023】
さらに、筒体の径を真空層の内厚以上とすることにより、圧縮空気の注入や、金属板間の脱気減圧作業を円滑に行えると共に、筒体を金属体に挿入する際に金属体とのギャップが生じにくく、筒体を金属体に溶接などで簡単に接合できる。
【0024】
本発明の請求項7における断熱体の製造方法では、金属体の表面に印刷面を適宜パターンに施すことによって、真空層を自在な形状に形成できる。そのため、断熱体を使用する機器に応じて、四角や丸などの定形パターン以外の任意で且つ複雑な形状に形成できる。また、断熱体の内部にはシリカ粉末などの保持部材が存在しないため、断熱体の廃棄時に内部を分解・分別する必要がなく、金属体を溶解すればリサイクルが容易である。
【0025】
また、接合部の面積が約12mm2で、接合部間を所定値以内とし、金属板を所定厚さに加工し、口部より気体を挿入し、金属体を含めた材厚が所定値となるように空間を形成すれば、金属体の内部を拡張する際に、母材である金属体の破壊を防止できると共に、真空層となる空間を確実に形成できる。
【0026】
さらに、所定の真空度を有する真空層を形成すれば、真空層としての断熱性を確保できると共に、金属体の変形を防止でき、所定の真空容積を有し、しかも断熱性に優れた軽量の断熱体を製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における断熱体の製造方法に関する好ましい実施例について、添付図面を参照しながら説明する。図1〜図12は、本発明の一実施例を示すもので、以下の説明は、断熱体の製造方法の手順を示す図1のフローチャートに沿って行なう。
【0028】
圧延前の状態を示す図2において、1は断熱体の外郭部材となる金属板で、これはアルミニウム,ステンレス,チタン,あるいはこれらの金属の合金を主たる材料として形成される。またこの金属板1とは別に、主たる材料および材厚が同じで、断熱体の外郭部材となる金属板2が用意される(図3参照)。すなわち、ここでは断熱体の製造に際して、少なくとも2枚以上の金属板1,2を予め備えている。なお、以下の説明は、金属体である金属板1,2としてアルミニウム板を使用した例で行なうが、アルミニウム以外の同一材料で、または各々が異なる材料で各金属板1,2を形成してもよく、使用目的に応じて適宜最適な材料を選定すればよい。
【0029】
断熱体の製造工程として、先ず図1に示すように、後述する所望の真空層パターンを形成するための印刷工程(ステップS1)が行なわれる。これは、材厚が2〜6mm程度のアルミニウム板からなる金属板1の片面に、カーボン,シリカ,アルミナ,チタニア,シリコーン,フッ素などの耐熱性を有する塗料を、所定の形状に例えばシルク印刷などで印刷する工程である。これにより、金属板1の片面には任意パターンの連続した印刷部たる印刷面3が形成される。この印刷を施した箇所は、最終的に真空層15(図7参照)に対応したものとなるので、真空層15を形成する形状に印刷面3をパターン印刷する。したがって、金属板1の周囲には印刷を施さず、そこに後で接合端部となる非印刷面4を形成する。また、接合端部4以外にも、印刷面3に囲まれた印刷を施していない非印刷部たる非印刷面5を、接合部として意図的に形成する。
【0030】
上記ステップS1の印刷工程において、印刷に使用する塗料は、例えばカーボンや、シリカ,シリコーン,アルミナなどの微粉末を溶剤に混合してなり、この塗料を焼成することで溶剤が揮発し、図1に示すように、無機微粉末だけが印刷面3として所定のパターン状に残る。その際、シルクスクリーン印刷などで印刷面3を形成すれば、印刷パターンを任意に変えることで、最終的に得られる真空層15を自在な形状にすることができる。なお、塗料の材料としては上記のものに限らず、要は耐熱性を有するものであればよい。
【0031】
次のステップS2では、複数枚の金属板1,2を接触すなわち重ね合わせて例えば圧延する工程が行なわれる。この圧延工程では、図3に示すように、前記印刷面3を挟むようにして一対の金属板1,2を重ね合わせる。図3は、2枚の金属板1,2を重ね合わせた圧延前の状態を示しており、符号tは金属板1,2全体の材厚である。そして、この重ね合わせた2枚の金属板1,2を加熱させながら、図示しないローラ間に金属板1,2を加圧圧延して、金属板1,2全体の材厚t’を1/4程度に減厚させる。図4は、圧延後における状態を示しているが、このときの金属板1,2全体の材厚t’は圧延前の4分の1、すなわち1/4tとなっている。本実施例では、前述のように圧延前における個々の金属板1,2の材厚T(図2参照)が2〜6mmであり、その全体材厚tは4〜12mmになるので、圧延後の複合材としての金属板1,2の全体材厚t’は1/4t=1〜3mm程度となり、個々の金属板1,2の材厚T’は1/4T=0.5〜1.5mm(図5参照)となる。
【0032】
この加圧圧延により2枚の金属板1,2は、非印刷面4,5において同材料による分子間引力が作用して強力に結合するが、印刷面3を形成した箇所は、金属板2と印刷面3が異なる材質のため接合しない。すなわち加圧圧延後は、金属板1,2どうしが直接接触する非印刷面4,5により、それぞれ端部たる接合端部6と接合部7が形成されるのに対し、金属板2とこれに接触する印刷面3とにより非接合部8が形成され、前記接合端部6と接合部7とにより部分的に接合した複合体としての複合板9が得られる。
【0033】
前述の印刷面3は、連続して繋がったパターンで形成されているが、金属板1の端部の一部に幅および長さが3〜30mm程度の延長部10が形成される。この延長部10は、空気すなわち圧縮空気を挿入したり、脱気するのに利用する口部21を形成するものである。なお、ステップS2の圧延加工後、複合板9の周囲を最終的な製品の外形形状に合わせて切断し、その切断時に印刷面3の一部を複合板9の端部に露出するようにしてもよい。図2には、製品の外形(圧延後の抜き外形)形状となる切断箇所Cが示されている。本実施例では、複合板9の切断後に延長部10の先端が露出するように、この延長部10を突出形成しているが、延長部10を形成せず、切断時に印刷面3の一部を複合板9の端部に露出させてもよい。図5は、2枚の金属板1,2を圧延接合した後、複合板9を所望の形状に形抜き状態を示しているが、形抜きした後の複合板9の隅部は、角形状よりもむしろ曲面(R)形状が扱いやすく好ましい。
【0034】
次のステップS3は、所望の通気口11を作成する通気口作成工程で、これは日接合部8となる前記延長部10を利用する。先ず、延長部10に位置する複合板9の端部を、冶具(図示せず)を用いて拡張し、この拡張した口部21(図7参照)に、金属板1,2と同材料の例えばアルミニウム製の金属パイプ22を挿入した後、金属パイプ22の基端を溶接により複合板9と接合して、口部21と金属パイプ22とにより通気口23を形成する。接合後は図7に示すように、口部21の内面と金属パイプ22の基端側円周面に溶接部24が設けられる。なお、通気口23を閉塞する方法は溶接に限定されないが、溶接であれば従来の加熱シールに比べて隙間ができにくく、密閉の信頼性が高い。
【0035】
次のステップS4は、複合板9内への圧縮空気の注入工程である。これは、通気口23より少なくとも5Pa以上150Pa以下、好ましくは60〜120Paの範囲の圧力で、印刷面3により得られた複合板9内の非接合部8に圧縮空気を注入する工程で、通気口23より圧縮空気を注入した直後の状態を図6に示す。圧縮空気の注入時には、複合板9の上面(一側面)および下面(他側面)に、それぞれ押え型26,27を配設し、必要以上に複合板9が膨張しないように規制する。また、上側の押え型26と下側の押え型27との隙間dは、好ましくは2〜6mm程度にする。こうして、圧縮空気が複合板9内の非接合部8に注入されると、この空気の圧力にアルミニウム製の金属板1,2が外方に押されて膨張する。そして、複合板9がある程度膨張すると、金属板1,2の外面が押え型26,27に当接して膨らみが規制され、所定の厚さ寸法で複合板9の内部に空気層となる空間としての密閉空間31が形成される。
【0036】
なお、前述のステップS3における金属パイプ22の溶接接合は、金属板1,2を圧縮空気で拡張させた後に行なってもよい。この場合、延長部10に位置する複合板9の端部を冶具で部分的に拡張し、この拡張した口部21から圧縮空気の注入を直接行なう。
【0037】
また、前記ステップS4の工程で、注入する圧縮空気の圧力が小さいと、複合板9内部が十分に拡張せず、また圧縮空気の圧力が高すぎると、接合端部6を含めた接合部7が剥離したり、母材である金属板1,2自体が破壊する可能性があるので、金属板1,2の材料や材厚を考慮して、圧力を選定する必要がある。因みに、A1050系やA1100系のような99%以上の純度を有し、圧延前の材厚Tが約2mm(1.2〜2.8mmが好ましい)のアルミニウム板を母材とした場合、ステップS2の圧延工程で4倍圧延を行なうと、母材単体の材厚は0.5mm(好ましい範囲では0.3〜0.7mm)となるが、ここで得られた複合板9を、その後のステップS4の圧縮空気注入工程で、全体材厚Dが4mm(好ましい範囲では2〜6mm)となるように、かつ密閉空間31ひいては最終的な真空層15の厚さCが約3mmとなるように拡張させた実験では、圧縮空気の注入圧力が10Pa未満であると、十分に複合板9の内部が拡張せず、逆に130Pa以上になると、接合端部6や接合部7が剥離したり、母材である金属板1,2が破壊することが判明した。また、50Pa以下では、非接合部8の隅々にまで拡張させるのに多少時間が長く掛かり、作業性が劣化する。そのため、作業性が悪化せず、複合板9の内部を適正に膨らますことができるようにするには、圧縮空気の注入圧力を60〜120Paの範囲にするのが好ましい。
【0038】
しかし、圧縮空気の注入圧力が適正な範囲であっても、圧延工程による接合端部6や接合部7の面積が小さいと、接合強度が弱くなる関係で、その後の圧縮空気の注入工程で、こうした接合端部6や接合部7が剥離したり、母材である金属板1,2が破壊する虞れがある。そこで、前述と同様にA1050系やA1100系のような99%以上の純度を有し、圧延前の材厚Tが約2mmのアルミニウム板を母材として、母材単体の材厚T’が0.5mmとなるように、圧延工程で4倍圧延を行なったサンプル品では、略円形の接合部7の直径φ=2mm(面積S=約3mm2)の場合に、上記剥離や破壊が発生し、直径φ=2.5mm(面積S=約4.9mm2)の場合に、剥離ぎみではあるものの破壊はなく、何とか使用できる状態となり、直径φ=3mm(面積S=約7mm2)の場合に、剥離や破壊が発生せず問題がないという結果が得られた。したがって、接合部7の面積Sは5mm2、好ましくは7mm2以上とすれば、圧縮空気の注入時に接合部7が剥離したり、金属板1,2が破壊する不具合を確実に防止できる。
【0039】
さらに、断熱性を考慮して後述の真空層15をできるだけ広く確保するためには、複合板9の外周に形成される接合端部6を可能な限り狭くしたいが、上述のような接合端部6からの剥離や、金属板1,2の破壊を確実に防止することも考慮すれば、少なくとも接合端部6の幅Wを、複合板9の全周囲に渡り2mm以上確保するのが好ましい。
【0040】
これに関連して、各接合部7のパターン形状において、その外周に先鋭な角部があると、圧縮空気の注入時に接合部7の角部に圧力が集中し、接合部7が剥離したり、金属板1,2が破壊する懸念を生じる。そこで図8に示すように、圧縮空気が挿入される前の段階で、非印刷面5により形成された各接合部7の外周に少なくとも半径R=1mm、好ましくは半径R=2mm以上の角R部36が形成されるようにして、各接合部7の外周を先鋭な角部のない曲線状にする。これにより、圧縮空気により複合板9の内部を拡張する際に、圧力を極力分散させること防いで、接合部7が剥離したり、金属板1,2が破壊する不具合を確実に防止できる。
【0041】
同様に、複合板9の周囲にある接合端部6と、その内側にある非接合部8との境界部も全て先鋭な角部のない曲線状にする。そのために本実施例では、圧縮空気が挿入される前の段階で、非接合部8の外周に少なくとも半径R=1mm、好ましくは半径R=2mm以上の角R部37が形成される。
【0042】
次のステップS5は、真空層形成工程である。真空層形成工程終了直後の状態を、図7に示す。この工程では、複合板9の内部に形成された密閉空間31を、通気口23より真空ポンプ(図示せず)にて脱気減圧し、その後、金属パイプ22の先端部をキャップして、さらに溶接やブレ−ジングにて封孔する。図7では、封孔の際の溶接部38が、金属パイプ22の端部開口部を閉塞している。こうして、複合板9間に所定の形状で約1Torr(1Torr=133Pa)程度、好ましくは1.5Torr〜O.1Torr(199.5〜13.3Pa)の真空度の真空層15を形成する。または別な製造方法として、減圧室内に複合板9を置いて通気口23を封孔し、内部が減圧した状態にして真空化を行なってもよい。真空層15を形成した状態では、図7に示すように、真空層15の厚さ(内厚)Cが約3mm、好ましくは1〜5mmの範囲となり、かつ真空層15を含めた全体材厚(外厚)Dが4mm、好ましくは2〜6mmの範囲となる断熱に優れた複合板9が得られることになる。
【0043】
内部に空気層である密閉空間31を形成する金属板1,2は、上記ステップS4の工程で圧縮空気により押圧され延ばされているため、加工硬化して強度が強くなり、脱気減圧の際の変形防止効果を得ることができる。
【0044】
ところで、圧延加工により接合部7を得るための非印刷面5は、所定間隔で複数個形成されると共に、圧縮空気の注入により金属板1,2を拡張した後の、接合部7間での金属板1,2の梁強度によって、前記ステップS5の真空層形成工程における内部減圧時に、膨張させた非接合部8(印刷面3)を取り囲む金属板1,2の箇所が、凹んでしまう変形を抑制するように形成される。
【0045】
なお、圧延前の材厚Tが約2mm(1.2〜2.8mmが好ましい)で、A1050系またはA1100系のアルミニウム板を母材の金属板1,2として使用し、圧延工程で4倍圧延(圧延後の母材単体の材厚T’は約0.5mmになる)を行い、さらに圧縮空気にて複合板9の内部を拡張させた後の内部減圧実験の結果では、内部を1Torrに減圧させた場合に、接合部7間の距離Lを5mm,8mm,12mm(材厚T’の24倍)としたときには、拡張した金属板1,2の凹みはなかった。一方、同じ条件で、接合部7間の距離Lを15mm,18mm,23mm(材厚T’の46倍)としたときには、拡張した金属板1,2にやや凹みが生じたが、真空層15を形成可能な程度の凹みであった。さらに、接合部7間の距離Lを27mm(材厚T’の54倍),30mmにすると、拡張した金属板1,2の凹みが大きく、2枚の金属板1,2が接触してしまい、最終的な真空層15の形成に難があった。以上の実験結果から、それぞれの接合部7間にある非接合部8の距離Lは、圧延後における属板1,2単体の材厚T’の50倍以下(L≦T’×50)、好ましくは25倍以下(L≦T’×50)とすることが望ましい。
【0046】
次に、上記実施例に伴なう変形例を列記する。図7に示すように、真空層15を含めた全体材厚Dは2〜6mm程度となるのが好ましいが、これは内部の減圧にて変形しない強度を有する厚さを選定すればよい。また、加圧圧延は1/4減厚で説明したが、圧延の程度は金属板1,2の接合強度などに応じて任意に選定すればよい。また、真空層15の厚みは、材料の伸び(切れ防止)と断熱性、および使用機器の複合板9の要求厚さなどに応じて選定すればよい。
【0047】
その他、真空層15内部の真空度は約1Torrで説明したが、これも使用する機器の要求される断熱性能に応じて適宜設定すればよい。
【0048】
また、最終的な真空層15の形状を決める印刷面3のパターン(模様形状)は、使用する機器の要求される断熱性能に応じて任意に設定すればよい。例えば、印刷面3のパターンに点状または線状などの非印刷面5を部分的に設け、これにより真空層15内の内部減圧による変形防止用の接合部7を設けてもよい。但し、強度向上のために設けた真空層15間の接合部7の面積が大きくなると、この接合部7による熱伝導により断熱効果が落ちるので、好ましくは極力少ない接合面積の方が、断熱性の点で都合がよい。
【0049】
また、場合によっては、複合体である複合板9の表面を、アルマイトや塗装にて防錆処理してもよい。
【0050】
ところで、前記ステップS3の通気口作成工程において、通気口23を構成する金属パイプ22の外径φ2が太くなると、金属板1,2間は金属パイプ22の外径φ2以上に拡張させて金属パイプ22を挿入させなければならないため、作業性が悪化するだけでなく、母材である金属板1,2が破壊する虞れがある。また、真空層15の外厚Cより金属パイプ22の外径φ2が太くなり過ぎると、機器の内部に断熱板である複合板9を装着したときに、金属パイプ22を収容するのに大きな空間が必要となり、機器本体の大型化をまねいてしまう。そのため、金属パイプ22は極力細い方が良いが、細すぎると圧縮空気の注入や真空ポンプによる減圧作業がしにくくなる問題がある。そこで、金属パイプ22の外径φ2に関し検討した結果、金属板1,2を含めた真空層15の外厚Dが4mmの場合は、外径φ2が5〜9mmの範囲が最も作業性が良く、外径φ2が5mm未満では、圧縮空気の注入や減圧作業の時間が長くなり、さらに外径φ2が10mm以上になると、金属パイプ22を収容する空間へ移動する後処理が困難(金属パイプ22が太くなって曲げ難くいなど)となる結果となった。
【0051】
よって、金属パイプ22の外径φ2は10mm以下、または真空層15の外厚Dの2.5倍以下(φ2≦D×2.5:外厚Dが4mmならば、外径φ2は10mm)とするのが好ましい。また、金属パイプ22を金属板1,2に溶接で接合する際に、真空層15の内厚Cよりも金属パイプ22が小さいと、金属パイプ22の装着時に金属パイプ22と金属板1,2とのギャップが大きくなって、溶接がしにくくなるので、金属パイプ22の外径φ2は、真空層15の内厚Cと同等かそれ以上の寸法(φ2≧C)とするのが好ましい。さらに、金属パイプ22の内径φ3は、注入する圧縮空気の圧力や、減圧時の圧力などを考慮して、3mm以上のものを使用する。
【0052】
金属板1,2の外周にある接合端部6は、前述の説明の通り、複合板9の拡張時に剥離や破壊が生じないように、2mmの幅Wを有することが望ましいが、こうして最終的に得られた断熱板としての複合板9を、機器本体内に設けた被保温容器や被保冷容器などの周囲に、巻加工などで包囲させて使用する場合は、複合板9の両端の真空層15を重ねて複合板9を巻装すると、この重なり部が厚くなって、機器本体への収納が困難になる問題があるが、金属板1,2の外周にある接合端部6の幅Wを積極的に広くし、この接合端部6を重ねて複合板9を筒状の状態で使用すれば、複合板9の重なり部の厚さを抑制でき、機器本体が大きくなる問題を防止できる。
【0053】
図9は、複合板9を曲げ加工した後の状態を示すものである。複合板9は前述のように、使用箇所の形状に合わせて、例えば円筒若しくは角筒状に巻加工される。図9に示すものは、曲げ加工により4箇所の曲げ部39a,39b,39c,39dを四隅に形成し、その後、複合板9の両端に形成された接合端部6を重ね合わせて、リベット40による固定を行なったものである。
【0054】
また、ステップS5において真空層15を内部に設けて、最終的な断熱材となる複合板9を加工した後、断熱材の外面となる金属板1,2の表面は、電解研磨やバフ研磨などで平滑面処理を施したり、または平滑面にした結果の光沢処理を施してもよい。このように、金属板1,2の表面の平滑性が向上することで、この金属板1,2の表面での電磁波(赤外線)の乱反射が抑制されると共に、電磁波の吸収面積が低減することで、熱エネルギーの反射性が高くなり、断熱性がより向上する。特に、金属板1,2としてアルミニウムを使用した場合は、元来アルミニウムがステンレスよりも熱エネルギーの反射効率が高い材質であることから、断熱性がより向上できることになる。
【0055】
次に、上記説明で得られた複合板9の、各種機器への応用について説明する。図10は、湯を沸かして保温する電気ポットや、炊飯を行いご飯を保温する炊飯器、またはご飯を保温するジャーなどの煮水装置の縦断面を表した模式図である。51は煮水器の本体、52は本体の上部開口部を覆う蓋体であり、これらの各部材の外郭は樹脂などで形成されている。本体51の内部には、被加熱物を収容する容器53が設けられている。この容器53はステンレス製であって、内面にはフッ素樹脂の塗装が施されて塗装皮膜54が形成されている。この塗装皮膜54は容器53の防腐食性を向上させるために形成されたものであり、フッ素樹脂以外の耐熱性の樹脂、例えば、シリコーン樹脂で塗装皮膜54を形成してもよい。また、容器53も、ステンレス製以外の金属製、例えば、アルミニウム製であってもよい。なお、蓋体52の容器53に対向している下面52aは、ステンレス製などの金属板で形成されている。また、容器53は、側面部53aと底面部53bが溶接部53cで溶接接合されて容器状に形成されている。
【0056】
容器53の底面部53bの下方には、加熱手段たる電熱ヒータ55が設けられている。この電熱ヒータ55は容器53の底面を加熱するものである。なお、加熱手段を電熱ヒータ55の代わりに電磁誘導用の加熱コイルで構成してもよい。加熱手段を加熱コイルで構成した場合、加熱コイルに対向して、容器53の少なくとも一部を電磁誘導で発熱する磁性金属で構成する。こうすれば、加熱コイルに高周波電流を供給したときに、この加熱コイルからの交番磁界によって容器53の磁性金属部が発熱し、容器53を直接加熱することができる。
【0057】
そして、容器53の周囲には、前述のアルミニウム板から形成された複合板9が設けられている。容器53の側面部53aには、複合板9aが非接触に近接して設けられている。すなわち、複合板9aと容器53の側面部53aとの間には隙間58が形成される。このように、複合板9aを非接触に配置する理由は、アルミニウムは熱放射が少ない反面、熱伝導性が良いので、アルミニウム製の複合板9を被保温体である容器53と接触状態に置くと、熱伝導で容器53の熱が逃げやすくなり断熱性が低下するからである。また隙間58の寸法は、静止空気層が形成される0.5〜9mmとするのが好ましく、これよりも大きいと隙間9内で熱対流が生じ断熱性が低下する。
【0058】
また、被保温体である容器53がステンレスを母材とする場合、容器そのものはステンレスで熱放射が大きいものの、複合板9の外郭部材であるアルミニウム性の金属板1,2は熱反射性が良好なので、容器53から放射される熱が、その外側にある複合板9で反射され、複合板9による真空断熱性を伴なって極めて効率のよい容器53の断熱効果を得ることができる。また、ステンレス性の容器53の内面にフッ素またはシリコーンの塗装皮膜54を形成した場合には、塗布乾燥時に容器53の外面にテンパ−カラーが発生し、これが熱放射を促進するが、上述のような複合板9の特性により、有効な断熱構造を得ることが可能になる。また、複合板9aを非接触に配置することで、異なる金属(ステンレスとアルミニウム)間での電気腐蝕も防止できる。
【0059】
その他、電熱ヒータ55の外側たる下方には複合板9bが非接触に近接して設けられ、蓋体52の下面52aの上方には複合板9cが非接触に近接して設けられている。すなわち、複合板9bと電熱ヒータ55の下面との間に隙間59が形成され、また、複合板9cと蓋体52の下面52aとの間にも隙間60が形成されている。
【0060】
複合板9(9a,9b,9c)は、2枚のアルミニウム性の金属板1,2を接合して形成されたものであり、内部に真空層15(15a,15b,15c)を有している。このように、容器53は四方の側面,底面,上面から複合板9に囲まれて覆われており、かつ、複合板9が容器53と非接触状態に保たれることで、容器53の熱が外部へ放散することが確実に防止されるようになっている。
【0061】
なお、煮水装置が炊飯器のような容器53を本体51から着脱できる構造の場合、鍋である容器53を収容する凹状の容器収容部を本体51内に設け、この容器収容部の外周に複合板9を設置してもよい。また、容器53の底部に加熱手段を備えるが、この加熱手段の外側下方に複合板9bを備える。他に加熱手段が容器53や容器収容部の側面に配置される場合は、加熱手段の外側に複合板9aを配置するのが好ましい。また、蓋体2の内部に加熱手段を配置してもよいが、この場合も、加熱手段の外側に真空断熱板6を配置するのが好ましい。いずれの場合も、複合板9と加熱手段との隙間を確保するために、点状や線状の接触はやむを得ないものの、極力非接触状態で複合板9を所望の位置に設けるのが好ましい。
【0062】
さらに、加熱手段として前述の電磁誘導用の加熱コイルを用いた場合、加熱コイルの外側に複合板9bを配置すれば、複合板9bの材質が防磁効果を有するアルミニウムであることから、磁束の漏れを防止し、容器53の加熱効率を向上させることができる。
【0063】
別な例として、複合板9をオーブン付電子レンジの庫内の外面に備えれば、オーブン調理時に加熱効率が向上し、省エネルギーとすることができる。また、ホットプレートの下面に複合板9を備えれば、テーブル面の温度上昇を抑制できるためにホットプレートの面を従来よりも低く設定することができる。さらに、電磁誘導式コンロにおいて、加熱手段の下方に複合板9を備えれば、アルミニウムからなる金属板1,2の防磁効果によって、加熱効率の向上と共に床面への磁束の漏れを防止できる。こうして、各種の加熱および保温機器に対する断熱性の向上、断熱性および防磁性の向上、および省エネルギー性の改善などに寄与することができる。
【0064】
図11は、冷蔵庫への適用例を示したものである。同図において、61は被保冷容器である庫内62を形成する本体、63は庫内62の前面開口部を塞ぐ開閉自在な扉で、庫内62の後方には、冷凍サイクルを構成する熱交換器64および冷却手段65が配置される。また66は、庫内62に設置された冷気放熱器で、ここから冷気が庫内62に放散されるようになっている。そして、前述の複合板9は、庫内62の天井面,底面および外面(後面および両側面)にそれぞれ設けられると共に、扉63の内部にも設けられ、庫内62のほぼ全周を取り囲んでいる。これらの断熱板9は、冷蔵庫外部から庫内62への熱を遮断し、庫内62の保冷性を良好に維持する。なお、冷蔵庫に限らず、ワインクーラーなど他の保冷機器にも同様に適用できる。
【0065】
なお、冷蔵庫のような大型の機器に対しては、大きな複合板9が必要であるが、その場合は分割した複数の複合板9を組み込めばよい。また、乾燥炉やボイラーなどの断熱用として複合板9を用いる場合は、人間が接触する恐れのある高温部箇所に、断熱用遮蔽部材として複合板9を組み込めばよい。
【0066】
図12は、複合板9を加熱手段の反射板として利用した例を示している。同図において、71は加熱手段としての電気ヒータ、72はこの電気ヒータ71により加熱される基台73に載置された被加熱体で、電気ヒータ71を挟んで被加熱体72の反対側に反射板としての複合板9を配置する。この場合の複合板9の外郭部材(金属板1,2)は、熱反射性の良好なアルミニウムを選択する。電気ヒータ71の輻射熱は、直接被加熱体72に向かうと共に、複合板9により反射した輻射熱も被加熱体72に向かう。そのため、被加熱体72をより効率よく加熱することができる。加えて、電気ヒータ71を配置していない複合板9の外側面の温度上昇は抑制され、例えば乾燥炉に応用した場合には、機器外郭の温度が低減できて安全性が向上すると共に、被加熱体71への加熱効率も向上する。
【0067】
以上のように、本実施例における断熱体の製造方法は、例えばアルミニウムを材料とする金属板1,2の表面に印刷を施し、この印刷面3を内面として複数の金属板1,2を重ね合わせ、圧延加工により金属板1,2間の非印刷面4,5を接合し、印刷面3に外気と連通する口部21を設け、この口部21より圧縮空気を挿入して金属板1,2間の印刷面3により膨張した密閉空間31を形成し、その後口部21より脱気して密閉空間31を減圧した真空層15として形成し、口部21を例えば溶接などで閉塞している。
【0068】
この場合、重ね合わせた複数の金属板1,2の被印刷面4,5を圧延加工により接合するので、接合の信頼性が高く、非印刷面4,5により形成される接合部(接合端部6と接合部7)における隙間もできにくい。また、真空層15を形成する上での密閉空間31の形成は、溶接ではなく圧延によるものなので、加工が容易で、密閉の信頼性も高く、長期にわたり真空層15による断熱の効果を確保することができる。さらに、この真空層15は、金属板1,2の表面に印刷面3を適宜パターンに施すことによって、自在な形状に形成できる。そのため、断熱体を使用する機器に応じて、四角や丸などの定形パターン以外の任意で且つ複雑な形状に形成できる。また、断熱体の内部にはシリカ粉末などの保持部材が存在しないため、断熱体の廃棄時に内部を分解・分別する必要がなく、金属板1,2を溶解すればリサイクルが容易である。
【0069】
なお、金属板1,2の材料としてアルミニウムを選択すれば、ステンレスなどの重量の重い金属に比べて軽量化が図れ、大型の機器に容易に組み込むことができる。また、アルミニウムはステンレスよりも外面からの熱放射が少ないので、断熱性をより高めることができる。
【0070】
さらに、ステンレス製の容器や鍋の周囲に包囲して断熱体を使用する場合は、こうした容器や鍋の内面塗装などで、その外面にテンパーカラーが発生しても、断熱体が熱を逃がさないようにするので、断熱性に悪影響を与えないようにすることができる。
【0071】
また、このような製造方法においては、アルミニウム,ステンレス,チタンまたはその合金のいずれかから金属板1,2の材料を選択すると共に、圧延加工による接合部7を複数形成するのが好ましい。
【0072】
こうすると、断熱体を使用する機器毎に、要求される断熱性能や断熱体の設置環境が異なるので、こうした断熱性能や設置環境に適した金属板1,2の材料を、アルミニウム,ステンレス,チタンまたはその合金などから任意に選択することができる。例えば、高温多湿環境の場合には耐食性に優れたステンレスを選択し、軽量性が必要な場合にはチタンを選択する。また、被保温容器に接触させて使用せざるを得ない場合には、被保温容器と同じ材料のものを選択して電蝕を防止する。さらに、ステンレスはアルミニウムよりも熱伝導性が低いので、断熱体に熱伝導がある場合には、低熱伝導性のステンレスを選択する。また、断熱体を機器の外郭部材と兼用して使用する際も、強度や硬さが必要とされる場合は、ステンレスを選択する。さらに、金属アレルギーを防止するにはチタンを選択すればよい。
【0073】
また、圧延加工による接合部8が複数形成されていれば、接合部7の金属板1,2間の梁強度によって、脱気減圧時に膨張させた金属板1,2の非接合部8における変形を抑制することができる。そのため、真空層15の加工時に、一旦拡張させて形成した密閉空間31の容積を減少させてしまい、断熱性能を低下させる不具合を一掃できる。また、こうした変形を防止するのにわざわざ金属板1,2を厚くすることもなく、断熱体全体の重量は増加しない。
【0074】
特に、比較的強度が弱いとされるアルミニウムを金属板1,2の材料として選定した場合でも、金属板の変形を抑止して真空層15の形成が可能であり、軽量で且つ断熱性に優れた真空の断熱体が形成可能になる。
【0075】
また、このような製造方法においては、圧延加工による接合部7を複数形成し、各接合部7間の距離を圧延加工後における金属板1,2の材料厚さT‘の50倍以内とし、各接合部7の面積Sを5mm2以上とすると共に、各接合部1,2の外周を例えば角R部36のような曲線状に形成するのが好ましい。
【0076】
このように、事前の実験結果に基づき、複数の接合部7間の距離を最適な50倍以内に選定しておけば、種々の形状の断熱体を新規設計する際にも、再度の検討をわざわざ行なうことなく、脱気減圧時に膨張させた金属板1,2の変形を防止できる。これにより、断熱体の内部にシリカ粉末などの別の保持部材を介在させることなく、望ましい断熱性能を有する真空層15を形成した軽量の断熱体を製造できる。
【0077】
一方、真空層15の断熱層を効率よく利用するには、金属板1,2間での熱伝導を極力少なくすることが必要で、そのためには接合部7の面積Sを小さくするのが好ましいが、逆にこの面積Sが少なすぎて、圧縮空気31の挿入時に接合部7の剥離に伴なう金属板1,2の破壊が生じると、真空層15そのものが形成できなくなる致命的問題を生じる。そこで、このような相反する問題を実験で実証した結果に基づき、各接合部7の面積Sを5mm2以上とし、且つ各接合部7の外周を曲線状に形成すれば、圧縮空気31の注入時に接合部7が剥離したり、金属板1,2が破壊する不具合を確実に防止できる。
【0078】
また、このような製造方法においては、複数の金属板1,2の外周に圧延加工による接合端部6を2mm以上の幅Wで形成し、この接合端部6どうしを重ね合わせて断熱体を筒状に形成するのが好ましい。
【0079】
真空層15の断熱層を効率よく利用するには、金属板1,2間での熱伝導を極力少なくすることが必要で、そのためには接合端部6の面積を小さくするのが好ましいが、逆にこの面積が少なすぎて、圧縮空気31の挿入時に接合端部6の剥離に伴なう金属板1,2の破壊が生じると、真空層15そのものが形成できなくなる致命的問題を生じる。そこで、このような相反する問題を実験で実証した結果に基づき、圧延加工により複数の金属板1,2間の外周に形成される接合端部7を2mm以上の幅Wとすることにより、圧縮空気31の注入時に接合端部6が剥離したり、金属板1,2が破壊する不具合を確実に防止できる。
【0080】
また、例えば電気ポットなどの機器の容器外側へ断熱体である完成した複合板9を巻加工して装着する場合は、真空層15どうしや、真空層15と接合端部6とを重ねて複合板9の端部を処理すると、真空層15がある分だけ重なり部の厚さが厚くなり、複合板9を収容する機器本体が大きくなる問題があるが、接合端部6どうしを重ねて複合板9を巻加工すれば、必要以上に複合板9が厚くならず、機器本体を必要以上に大きくしなくて済む。また、重なり部に真空層15が存在しないので、この重なり部をリベットなどの止着具で固定し、筒状の複合板9を予め形成すれば、容器などへの装着性を改善できる。
【0081】
また、このような製造方法においては、口部21を閉塞した後、金属板1,2の外面を平滑面または光沢面仕上げする後処理工程を追加して行うのが好ましい。
【0082】
この場合、金属板1,2の外面を平滑面または光沢面仕上げすることで、電磁波(赤外線)の反射性が向上するため、保温容器などからの熱放射を反射して、複合板9の熱吸収を抑制し、複合板9の断熱効果をより高めることができる。また、外観に複合板9が露出する場合にも外観性が向上する。
【0083】
また、本実施例における製造方法は、金属板1,2の表面に印刷を施し、この印刷面3を内面として前記複数の金属板1,2を重ね合わせ、圧延加工により金属板1,2間の非印刷面を接合し、印刷面3に外気と連通する口部21を設け、この口部21に金属板3と同材料の筒体としての金属パイプ22を接合し、この金属パイプ22より圧縮空気を挿入して金属板1,2間の印刷面3により膨張した密閉空間31を形成し、その後金属パイプ22より脱気して密閉空間31を減圧した真空層15として形成し、金属パイプ22を閉塞すると共に、金属パイプ22は真空層15の内厚C以上で、10mm以下または真空層15の外厚Dの2.5倍以下の外径φ2を有している。
【0084】
さらに、口部21に金属板1,2と同材料の金属パイプ22を溶接などで接合し、この筒体より圧縮空気を挿入して、印刷面に対応して非接合部8となる箇所で、膨張した密閉空間31を形成し、その後金属パイプ22より空気を抜いて密閉空間内を減圧して真空層15を形成した後、金属パイプ22を溶接などで閉塞することで、所望の複合板9を得ることができる。そのため、共通する金属パイプ22により金属板1,2間の内部拡張と密閉空間31の減圧を兼用することができ、合理的で加工性を向上できる。
【0085】
また、金属パイプ22の外径を10mm以下または真空層15の外厚の2.5倍以下とすることで、圧縮空気31の注入や、金属板1,2間の脱気減圧に支障がなくなると共に、金属パイプ22の開口面積を極力小さくすることで、金属パイプ22の端部開口部における溶接密閉加工が容易になる。さらに、機器の内部に複合板9を収容したときにも、この金属パイプ22の収容空間が極力少なくなって、機器の大型化を防ぎ、また金属パイプ22の収容空間に金属パイプ22を位置させるための曲げ加工や潰し加工なども支障なく行える。
【0086】
さらに、金属パイプ22の外径を真空層15の内厚以上とすることにより、圧縮空気の注入や、金属板1,2間の脱気減圧作業を円滑に行えると共に、金属パイプ22を金属板1,2に挿入する際に金属板1,2とのギャップが生じにくく、金属パイプ22を同じ材料からなる金属板1,2に溶接などで簡単に接合できる。
【0087】
また、本実施例における断熱体は、材厚Tが1.2〜2.8mmで純度99%以上の純アルミニウムからなる金属板1,2の表面に印刷を施し、この印刷面3を内面として複数の金属板1,2を重ね合わせ、各接合部7の面積Sが約12mm2で、接合部7間の距離Lが15mm以内となり、且つ金属板1,2が1/4の材厚になるように約4倍に圧延加工して、金属板1,2間の非印刷面5を接合し、印刷面3に外気と連通する口部21を設け、この口部21より60〜120Paの圧縮空気を挿入して、金属板1,2を含めた材厚Dが約4mmとなるように、金属板1,2間の印刷面3により膨張した約3mmの厚さを有する密閉空間31を形成し、その後口部21より脱気して密閉空間31を減圧した約133Paの内部真空度を有する真空層15として形成し、口部21を閉塞して製造される。
【0088】
この場合、重ね合わせた複数の金属板1,2の被印刷面4,5を圧延加工により接合するので、接合の信頼性が高く、非印刷面4,5により形成される接合部(接合端部6と接合部7)における隙間もできにくい。また、真空層15を形成する上での密閉空間31の形成は、溶接ではなく圧延によるものなので、加工が容易で、密閉の信頼性も高く、長期にわたり真空層15による断熱の効果を確保することができる。さらに、この真空層15は、金属板1,2の表面に印刷面3を適宜パターンに施すことによって、自在な形状に形成できる。そのため、断熱体を使用する機器に応じて、四角や丸などの定形パターン以外の任意で且つ複雑な形状に形成できる。また、断熱体の内部にはシリカ粉末などの保持部材が存在しないため、断熱体の廃棄時に内部を分解・分別する必要がなく、金属板1,2を溶解すればリサイクルが容易である。
【0089】
また、金属板1,2として材厚Tが1.2〜2.8mmの純アルミニウムを選択し、各接合部6の面積Sが約12mm2で、接合部6間の距離Lを15mm以内とし、金属板1,2を約4倍に圧延加工し、口部21より60〜120Paの圧縮空気を挿入し、金属板1,2を含めた材厚Dが約4mmとなるように、約3mmの厚さを有する密閉空間31を形成すれば、金属板1,2の内部を拡張する際に、母材である金属板1,2の破壊を防止できると共に、真空層15となる密閉空間31を確実に形成できる。
【0090】
さらに、アルミニウムからなる金属板1,2の場合、199.5Pa以下、好ましくは約133Pa以下の内部真空度を有する真空層を形成すれば、真空層15としての断熱性を確保できる。逆に、真空度が高くなると、減圧時に密閉空間31を形成した箇所で金属板1,2の変形が起きやすくなるが、13.3Pa以上の真空度があれば、こうした変形を防止でき、所定の真空容積を有し、しかも断熱性に優れた軽量の複合板9を製造することができる。
【0091】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜変更が可能である。
【0092】
【発明の効果】
本発明の請求項1における断熱体の製造方法によれば、真空層を自在な形状で簡単に加工して得ることができ、断熱性やリサイクル性にも優れた断熱体を得ることができる。
【0093】
本発明の請求項2における断熱体の製造方法によれば、断熱性能や設置環境に適した金属体の材料を任意に選択することができる。また、金属体を厚くすることなく、真空層の加工時において断熱性能を低下させる不具合を一掃できる。
【0094】
本発明の請求項3における断熱体の製造方法によれば、望ましい断熱性能を有する真空層を形成した軽量の断熱体を製造できる。また、空気の注入時に接合部が剥離したり、金属体が破壊する不具合を確実に防止できる。
【0095】
本発明の請求項4における断熱体の製造方法によれば、断熱体を巻加工したときに、必要以上に断熱体が厚くならず、また容器などへの装着性を改善できる。
【0096】
本発明の請求項5における断熱体の製造方法によれば、断熱体の断熱効果をより高めることができると共に、断熱体が外部に露出する場合に外観性を向上できる。
【0097】
本発明の請求項6における断熱体の製造方法によれば、真空層を自在な形状で簡単に加工して得ることができ、断熱性やリサイクル性にも優れた断熱体を得ることができる。また、共通する筒体により金属体間の内部拡張と空間の減圧を兼用することができ、合理的で加工性を向上できる。さらに、金属体間の脱気減圧,端部開口部における溶接密閉加工,および筒体の曲げ加工や潰し加工なども支障なく行なうことができる。
【0098】
本発明の請求項7における断熱体の製造方法によれば、真空層を自在な形状で簡単に加工して得ることができ、断熱性やリサイクル性にも優れた断熱体を得ることができる。また、金属体の内部を拡張する際に、母材である金属体の破壊を防止できると共に、真空層となる空間を確実に形成でき、さらに真空層としての断熱性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施例における断熱体の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
【図2】同上、圧延加工前の金属板へシルク印刷を施した状態の平面図である。
【図3】同上、圧延加工前の2枚の金属板を重ね合わせた状態の正面図である。
【図4】同上、圧延加工後に得られた複合板の断面図である。
【図5】同上、圧延加工後の外形抜きを行なった後の複合板の平面図である。
【図6】同上、通気口より圧縮空気を注入した後の断面図である。
【図7】同上、真空層形成工程の終了直後における複合板の断面図である。
【図8】同上、図5における要部の拡大図である。
【図9】同上、曲げ加工後における複合板の断面図および側面図である。
【図10】同上、複合板を組み込んだ煮水器の縦断面の模式図である。
【図11】同上、複合板を組み込んだ冷蔵庫の縦断面の模式図である。
【図12】同上、複合板を電気ヒータの反射板として適用した側面図である。
【符号の説明】
1,2 金属板(金属体)
4,5 非印刷面(非印刷部)
6 接合端部(端部)
7 接合部
15 真空層
21 口部
22 金属パイプ(筒体)
31 密閉空間(空間)
Claims (7)
- 印刷を施し、金属体を接触させ、非印刷部を接合し、口部を設け、空間を形成し、脱気して前記空間を減圧した真空層として形成し、前記口部を閉塞したことを特徴とする断熱体の製造方法。
- 前記金属体はアルミニウム,ステンレス,チタンまたはその合金などのいずれかからなると共に、接合部を複数形成したことを特徴とする請求項1記載の断熱体の製造方法。
- 接合部を複数形成し、接合部間を厚さの所定倍数以内とし、面積を約5mm2以上とすると共に、前記接合部を曲線状に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の断熱体の製造方法。
- 端部を形成し、この端部どうしを接触させて前記断熱体を筒状に形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の断熱体の製造方法。
- 前記口部を閉塞した後、前記金属体を平滑または光沢仕上げしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の断熱体の製造方法。
- 印刷を施し、金属体を接触させ、非印刷部を接合し、口部を設け、筒体を接合し、空間を形成し、脱気して前記空間を減圧した真空層として形成し、前記筒体を閉塞すると共に、前記筒体は前記真空層の内厚以上で、所定値以下または外厚の所定倍数以下の径を有することを特徴とする断熱体の製造方法。
- 金属体に印刷を施し、金属体を接触させ、接合部の面積が約12mm2で、接合部間が所定値以内となり、且つ所定厚さになるように加工して、非印刷部を接合し、口部を設け、気体を挿入して、厚さが所定値となるように空間を形成し、脱気して減圧した所定の真空度を有する真空層として形成し、前記口部を閉塞したことを特徴とする断熱体の製造方法。
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