JP3486896B2 - 保温器 - Google Patents

保温器

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JP3486896B2
JP3486896B2 JP16090799A JP16090799A JP3486896B2 JP 3486896 B2 JP3486896 B2 JP 3486896B2 JP 16090799 A JP16090799 A JP 16090799A JP 16090799 A JP16090799 A JP 16090799A JP 3486896 B2 JP3486896 B2 JP 3486896B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気ポットあるい
は保温釜などの保温器に関する。
【発明が解決しようとする課題】この種の保温器におい
て、保温性を改良してよりいっそうの省エネルギーを図
るには、断熱性を高めることが必要である。例えば特公
平3−55719号公報に記載のように、内部を真空に
した板状の断熱材を用いれば、断熱性を高めることはで
きる。保温器の外形が丸みを帯びたものである場合、こ
の形状に合せて断熱材を湾曲させなければならないが、
このように断熱材を湾曲させる場合、湾曲加工に際して
断熱材の外殻材料が破れないようにすることが製造上の
難点になっていた。すなわち、内部に真空層を形成する
断熱材は、形状保持のため外殻を硬く強固なものとしな
ければならないため、湾曲加工が面倒である。また、無
理に湾曲させようとすると、外殻が損傷したり、外殻に
クラックが生じたりして真空性が保てなおそれがあ
る。本発明は、このような問題点を解決しようとするも
ので、内部を真空にした板状の断熱材を用いた保温器に
おいて、断熱材の湾曲加工を容易にし、保温器本体の内
部への断熱材の装着性を改善するとともに、湾曲加工時
に断熱材が破損することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の保温器
は、前記目的を達成するために、保温器本体と、この
温器本体に収納される容器を加熱する電磁誘導コイル
と、前記保温器本体の内部に装着された断熱材とを備
え、この断熱材は、アルミニウムの金属シートで筐体の
外殻を形成し、所定の厚さで真空層を内部に形成した真
空部を有する板状部材に、厚さが前記真空部よりも薄い
非真空部を部分的に形成し、この板状部材を前記非真空
部で湾曲させて前記保温器本体内に装着してなるもので
ある。断熱材をなす板状部材は、アルミニウムの金属シ
ートで筐体の外殻を形成し、内部に真空層を形成するも
のであるため、ある程度硬く強固なものでなければなら
ないが、内部に真空層がなく比較的薄い非真空部では、
比較的容易に湾曲加工ができ、断熱材の装着性が向上す
る。また、湾曲を手加工で行うことも可能である。さら
に、真空層がない非真空部では、破損による真空性の低
下も問題とならない。請求項2の発明は、請求項1の発
明の保温器において、保温器本体の前面側に非真空部を
湾曲させて配設し、保温器本体の両側面部に真空部を配
設したものである。保温器本体の前面側が丸みのある形
状になっている場合、この前面側に非真空部を湾曲させ
て配設することにより、保温器本体の前面側に装着する
ための湾曲ないし折り曲げ加工が容易になり、断熱材の
装着性が向上する。請求項3の発明は、請求項1または
2の発明の保温器において、非真空部と保温器本体の外
殻または内枠との間に空気層を形成したものである。非
真空部は真空部に比べ断熱性が低下する問題があるが、
請求項3の発明のように、非真空部と保温器本体の外殻
または内枠との間に空気層を形成することにより断熱性
の低下が補われ、非真空部を形成したことによる断熱性
の大幅な低下が防止される。請求項4の発明は、請求項
1〜3のいずれかの発明の保温器において、板状部材の
横幅の中心で、左右のほぼ対称位置に非真空部を配設す
るか、あるいは、左右にほぼ対称形状に非真空部を形成
したものである。これにより、非真空部の位置管理が横
幅の中心を基準として管理できるようになり、製造性が
向上する。また、断熱材を保温器本体に装着するとき方
向性が極力なくなることにより、装着作業もより容易に
なる。請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発
明の保温器において、板状部材における非真空部の外皮
は、真空部を形成する外皮と一体に形成してなるもので
ある。これにより、非真空部を形成するための別部材が
不要となり、非真空部の形成が容易になる。請求項6の
発明の保温器は、前記目的を達成するために、保温器本
体と、この保温器本体に収納される容器を加熱する電磁
誘導コイルと、前記保温器本体の内部に装着された断熱
材とを備え、この断熱材は、アルミニウムの金属シート
で筐体の外殻を形成し、所定の厚さで真空層を内部に形
成した板状部材に、厚肉部と、厚さがこの厚肉部よりも
薄い薄肉部とを形成してなり、この板状部材を前記薄肉
部で湾曲させて前記保温器本体内に装着してなるもので
ある。断熱材をなす板状部材は、アルミニウムの金属シ
ートで筐体の外殻を形成し、内部に真空層を形成するも
のであるため、ある程度硬く強固なものでなければなら
ないが、比較的薄い薄肉部では、比較的容易に湾曲加工
ができ、断熱材の装着性が向上するとともに、湾曲加工
時の断熱材の破損が生じにくくなる。また、湾曲を手加
工で行うことも可能である。請求項7の発明は、請求項
6の発明の保温器において、保温器本体の前面側に薄肉
部を湾曲させて配設し、保温器本体の両側面部に厚肉部
を配設したものである。保温器本体の前面側が丸みのあ
る形状になっている場合、この前面側に薄肉部を湾曲さ
せて配設することにより、保温器本体の前面側に装着す
るための湾曲ないし折り曲げ加工が容易になり、断熱材
の装着性が向上する。請求項8の発明は、請求項6また
は7の発明の保温器において、薄肉部と保温器本体の外
殻または内枠との間に空気層を形成したものである。薄
肉部はより厚い厚肉部に比べ断熱性が低下する問題があ
るが、請求項8の発明のように、薄肉部と保温器本体の
外殻または内枠との間に空気層を形成することにより断
熱性の低下が補われ、薄肉部を形成したことによる断熱
性の大幅な低下が防止される。請求項9の発明は、請求
項6〜8のいずれかの発明の保温器において、板状部材
の横幅の中心で、左右のほぼ対称位置に薄肉部を配設す
るか、あるいは、左右にほぼ対称形状に薄肉部を形成し
たものである。これにより、薄肉部の位置管理が横幅の
中心を基準として管理できるようになり、製造性が向上
する。また、断熱材を保温器本体に装着するとき方向性
が極力なくなることにより、装着作業もより容易にな
る。請求項10の発明は、請求項6〜9のいずれかの発
明の保温器において、板状部材における薄肉部の外皮
は、厚肉部を形成する外皮と一体に形成してなるもので
ある。これにより、薄肉部を形成するための別部材が不
要となり、薄肉部の形成が容易になる。請求項11の発
明の保温器は、前記目的を達成するために、保温器本体
と、この保温器本体に収納される容器を加熱する電磁誘
導コイルと、前記保温器本体の内部に装着された板状の
断熱材とを備え、この断熱材は、非弾性特性を有する
ルミニウムの金属シートで筐体の外殻を形成し、この外
殻の内部に低熱伝導率材からなる粉末を収容して前記筐
体の厚さを保持し、前記外殻を密閉して内部を真空にし
てなるとともに、内部が真空になった真空部に厚さが8
mm以下の部分を有し、前記保温器本体内の被保温容器の
外側に前記断熱材を前記厚さが8mm以下の真空部で湾曲
させて装着したものである。ステンレスのように弾力性
のある金属の場合、湾曲加工に強い力が必要になり、手
では容易に曲げにくい。また、いったん曲げた場合で
も、元に戻る力が強いため、湾曲加工性が悪くなる。こ
れに対して、非弾性特性を有する金属の一種であるアル
ミニウムは加工硬化性が高く、前記ステンレス、鉄、チ
タン、銅などに比べ、同一の厚さの場合、曲げ加工がし
やすく、またいったん曲げると元に戻りにくい特性があ
る反面、真空部の厚さが厚いと、曲げ加工が極めて困難
になる。しかしながら、真空部の厚さが8mm以下であれ
ば、比較的容易に曲げることができ、湾曲加工が容易に
できる。請求項12の発明は、請求項11の発明の保温
器において、断熱材の内部の真空度を0.5Torr以上にし
たものである。断熱材の内部の真空度が高いと、筐体の
形状を保つために、圧力に抗することができる外殻とす
ることが必要となり、その結果、断熱材が硬くなり、曲
げ加工しにくくなる。しかしながら、真空部の厚さが8
mm以下の場合、0.5Torr以上の真空度であれば、比較的
容易に曲げることができ、湾曲加工が容易にできる。請
求項13の発明は、請求項11または12の発明の保温
器において、断熱材は、真空部における湾曲した部分以
外の厚さを8mm以上にしたものである。真空部の厚さを
8mm以下に薄くすると、湾曲加工しやすくなる反面、断
熱性が悪くなる場合がある。これに対して、湾曲加工し
ない部分の真空部の厚さは厚くすることにより、断熱性
を向上させることができる。請求項14の発明の保温器
は、前記目的を達成するために、保温器本体と、この
温器本体に収納される容器を加熱する電磁誘導コイル
と、前記保温器本体の内部に装着された板状の断熱材と
を備え、この断熱材は、非弾性特性を有するアルミニウ
ムの金属シートで筐体の外殻を形成し、この外殻の内部
に低熱伝導率材からなる粉末を収容して前記筐体の厚さ
を保持し、前記外殻を密閉して内部を真空にしてなると
ともに、内部が真空になった真空部の外殻表面に溝部を
形成し、前記保温器本体内の被保温容器の外側に前記溝
部を主として前記断熱材を湾曲させて装着したものであ
る。ステンレスのように弾力性のある金属の場合、湾曲
加工に強い力が必要になり、手では容易に曲げにくい。
また、いったん曲げた場合でも、元に戻る力が強いた
め、湾曲加工性が悪くなる。これに対して、非弾性特性
を有する金属の一種であるアルミニウムは加工硬化性が
高く、前記ステンレス、鉄、チタン、銅などに比べ、同
一の厚さの場合、曲げ加工がしやすく、またいったん曲
げると元に戻りにくい特性がある反面、真空部の厚さが
厚いと、曲げ加工が極めて困難になる。しかしながら、
非弾性特性のために溝部の形成が容易であり、また、溝
部を形成しておくことにより、この溝部をきっかけとし
て容易に曲げ加工を行うことができる。請求項15の発
明は、請求項14の発明の保温器において、真空部の厚
さを8mm以下としたものである。真空部の厚さが8mm程
度以下と比較的薄い場合、曲げ加工は比較的しやすい
が、溝部を形成することによりさらに曲げ加工が容易に
なり、手で湾曲加工を行うことができるなど、湾曲加工
が極めて容易となる。請求項16の発明は、請求項14
または15の発明の保温器において、溝部は、湾曲加工
される部分の外殻の両面にそれぞれ形成したものであ
る。真空部の外殻表面には、片面にのみ溝部を設けても
よいが、湾曲加工を容易にするために溝部を深くする
と、反りが生じる場合がある。これに対して、両面に溝
部を設ければ、反りが生じないようにできる。これとと
もに、湾曲加工時の曲げ方向に表裏がなくなり、取り扱
い性がよくなる。請求項17の発明の保温器は、前記目
的を達成するために、保温器本体と、この保温器本体に
収納される容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温
器本体の内部に装着された板状の断熱材とを備え、この
断熱材は、非弾性特性を有するアルミニウムの金属シー
トで筐体の外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率
材からなる粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、前
記外殻を密閉して内部を真空にしてなるとともに、内部
が真空になった真空部を複数に区画し、この区画された
真空部のうち所定の真空部の厚さを8mm以下にし、前記
保温器本体内の被保温容器の外側に前記断熱材を前記厚
さが8mm以下の真空部で湾曲させて装着したものであ
る。このように真空部を区画すれば、真空部の厚さが8
mm以下で比較的簡単に曲げ加工ができる部分と、断熱性
を高めるために真空部を厚くした部分とを区画形成する
ことが、粉末の充填量の管理で容易に行うことができ
る。そして、湾曲加工が必要な部分のみ厚さを薄くする
ことにより、区画されている薄い部分の識別が容易にな
って、保温器本体への装着時にどの真空部を湾曲させれ
ばよいかがすぐに判別でき、手加工で容易に湾曲させて
保温器本体に装着できる。請求項18の発明の保温器
は、前記目的を達成するために、保温器本体と、この
温器本体に収納される容器を加熱する電磁誘導コイル
と、前記保温器本体の内部に装着された板状の断熱材と
を備え、この断熱材は、非弾性特性を有するアルミニウ
ムの金属シートで筐体の外殻を形成し、この外殻の内部
に低熱伝導率材からなる粉末を収容して前記筐体の厚さ
を保持し、前記外殻を密閉して内部を真空にしてなると
ともに、内部が真空になった真空部を複数に区画し、こ
の区画された真空部のうち所定の真空部の外殻表面に溝
部を形成し、前記保温器本体内の被保温容器の外側に前
記溝部を主として前記断熱材を湾曲させて装着したもの
である。このように真空部を区画すれば、外殻表面に溝
部が設けてあって比較的簡単に曲げ加工できる部分と、
断熱性を高めるために溝部が設けてない部分とを区画形
成することが、粉末の充填量の管理で容易に行うことが
できる。そして、湾曲加工が必要な部分にのみ溝部を設
けることにより、区画されていて溝部を有する部分の識
別が容易になって、保温器本体への装着時にどの真空部
を湾曲させればよいかがすぐに判別でき、手加工で容易
に湾曲させて保温器本体に装着できる。請求項19の発
明は、請求項18の発明の保温器において、断熱材全体
で真空部を3つの真空部に区画し、中央の真空部を湾曲
加工する部分としたものである。このように湾曲させる
部分を中央にすることにより、湾曲させるべき部分が容
易に判別できる。
【発明の実施形態】以下、本発明の保温器の第1実施例
について図1および図2を参照しながら説明する。な
お、本実施例の保温器は、保温機能付き炊飯器である保
温釜に適用されたものである。図1において、1は保温
器本体で、この保温器本体1は、その外殻をなす外枠2
と、この外枠2内に設けられた容器状の内枠3とを備え
ている。これら外枠2と内枠3との間には隙間4が設け
られている。内枠3は、米および水を収容する被保温容
器である容器5が内部に着脱自在に収納される容器収納
部をなすものである。そして、内枠3の水平面への投影
形状がほぼ円形状になっているのに対して、外枠2の前
面部2aは、内枠3にほぼ平行に沿って水平面への投影形
状がほぼ半円形状をなすように湾曲している。一方、外
枠2の左右両側面部2bはほぼ平面状になっている。さら
に、外枠2と内枠3との間の隙間4は保温器本体1の後
部において大きくなっており、この後部の隙間4に制御
基板6やコードリール7が配設されている。また、前記
内枠3には、前記容器5を加熱する電磁誘導コイル8な
どの加熱手段(図示していない)が設けられている。さ
らに、前記保温器本体2の上側には、容器5を上側から
覆う蓋体(図示していない)が回動開閉自在に設けられ
ている。そして、前記保温器本体1内で外枠2と内枠3
との間の隙間4には、容器5または内枠3の外側周囲形
状に沿ってその保温性を向上させる板状の断熱材11が装
着されている。この断熱材11は、外枠2の前面部2aおよ
び左右両側面部2bの内面に沿って配設されているが、外
枠2と断熱材11との間およびこの断熱材11と内枠3との
間にはそれぞれ隙間が設けられていて空気層12,13が形
成されている。断熱材11は、外殻14内に真空層15を形成
した板状部材からなっている。さらに、外殻14は、外皮
である外袋16とこの外袋16の内面に重なった内袋17との
二重構造になっている。外袋16は、非弾性特性を有する
アルミニウム箔などの金属シートを主とし、内面にPP
(ポリプロピレン)、外面にPA(ポリアミド)などの
樹脂をコーティングしてなる。外袋16に内装された内袋
17は、通気性を有する不織布などからなり、低熱伝導率
材である粒径5〜20μm程度のシリカ粉末18を内部に収
容してある。そして、外袋16の内部は、密閉されて10To
rr以下程度の真空状態の真空層15を形成している。前記
シリカ粉末18は、筐体をなす外殻14の厚さを所定の厚さ
に保持するものであり、真空層15のある部分(真空部2
1)で断熱材11の厚さt1は5〜20mm程度になっている。
また、断熱材11の一部には、真空層15のない非真空部22
が形成されている。この非真空部22では、外殻14の内側
の部分と外側の部分とが熱溶着などの手段により接合さ
れており、非真空部22の厚さt2は非真空部22よりも薄く
なっている。真空部21および非真空部22に渡って前記外
殻14は一体的に形成されている。非真空部22は、断熱材
11の横幅の中心で左右のほぼ対称位置に配設されてい
る。これにより、真空部21は、複数の区画部分つまり2
つの区画部分に分割されている。なお、熱溶着部は、非
真空部22の全面であってもよいし、真空部21に近接する
部分的な部位のみでもよい。そして、非真空部22は、保
温器本体1内においてその前面側に位置しており、外枠
2の前面部2aの形状に沿って湾曲されている。一方、両
真空部21は、外枠2の左右両側面部2bに沿っており、ほ
ぼ平板状になっている。すなわち、断熱材11は、主に非
真空部22が湾曲されて保温器本体1内に装着されてい
る。また、前記空気層12,13をなす断熱材11と外枠2お
よび内枠3との間の隙間は、特に非真空部22において大
きくなっている。つぎに、前記の構成についてその作用
を説明する。使用時には、電磁誘導コイルへの通電など
により容器5が加熱され、炊飯が行われるとともに、こ
の炊飯後の保温が行われる。この保温時、断熱材11が容
器5を外側から覆っていることにより、容器5から外部
へ熱が逃げにくく、保温性が向上し、省エネルギーを達
成できる。ところで、本実施例のように容器5が丸形状
の場合、保温器本体1を小型にするには、保温器本体1
の形状を容器5に沿ったものとすることが有効である。
また、保温器本体1の後方部に各種制御基板6や蓋体の
軸支部やコードリール7などの各種部品を配設した場
合、保温器本体1の前方部は容器5の形状に沿って湾曲
した形状になる一方、保温器本体1の背面部は前記各種
部品を収容するためにほぼ平坦形状になる。したがっ
て、真空層15がなく薄くて湾曲加工が容易な非真空部22
を前面側に配設し、それほど湾曲させなくて済む両側面
側に真空部21を配設すれば、製造上断熱材11を保温器本
体1内に容易に装着できる。なお、各種制御基板や蓋体
の軸支部や基板の回路部品冷却用放熱器などを保温器本
体内の前方に配設した場合、保温器本体の外殻である外
枠と容器または容器収納部である内枠との間に、断熱材
を収納するスペースが確保しにくいことがある。このよ
うな場合でも、材厚が薄い非真空部22を保温器本体1の
前面側に配設すれば、有効にスペースを利用することが
できる。前述のように内部に真空層15を形成した断熱材
11は、その形状保持のために外殻14を強固で硬いものに
する必要があり、湾曲加工は本来容易ではない。また、
無理に湾曲させるとストレスにより破損が生じ、真空性
が損なわれるおそれがある。これに対して、本保温器で
は、断熱材11に非真空部22を設けたことにより、この非
真空部22では比較的容易に湾曲加工が可能になるため、
上記の問題を解消できる。しかも、真空層15がない非真
空部22では、破損による真空性の低下も問題とならな
い。また、手作業でも容易に湾曲させることが可能にな
る。しかも、曲がりの大きい保温器本体1の前面側に非
真空部22を配設することにより、この非真空部22の湾曲
あるいは折り曲げ加工しやすさの効果を有効に発揮する
ことができる。また、非真空部22は真空部21に比べて断
熱性が低下する欠点があるが、非真空部22と保温器本体
1の外枠2および内枠3との間に空気層12,13を形成し
たので、この空気層12,13により断熱性の低下を補うこ
とができ、非真空部22を形成したことによる大幅な断熱
性の低下を防止できる。また、非真空部22は、断熱材11
の横幅の中心で左右のほぼ対称位置に配設されているの
で、非真空部22の位置管理が前記中心を基準として行う
ことができ、製造性が向上する。また、保温器本体1へ
の断熱材11の装着時に極力方向性がなくなることによ
り、装着作業が容易になる。さらに、非真空部22の外殻
14と真空部21を形成する外殻14と一体に形成したので、
非真空部22を形成するための別部材が不要となり、非真
空部22の形成が容易になる。つぎに、本発明の保温器の
第2実施例について、図3および図4を参照しながら説
明する。なお、保温器本体1の構成は前記第1実施例と
同様なので、説明を省略する。保温器本体1内で外枠2
と内枠3との間の隙間4には、容器5または内枠3の外
側周囲形状に沿ってその保温性を向上させる板状の断熱
材11が装着されている。この断熱材11は、外枠2の前面
部2aおよび左右両側面部2bの内面に沿って配設されてい
るが、外枠2と断熱材11との間およびこの断熱材11と内
枠3との間にはそれぞれ隙間が設けられていて空気層1
2,13が形成されている。断熱材11は、外殻14内に真空
層13を形成した板状部材からなっている。さらに、外殻
14は、外皮である外袋16とこの外袋16の内面に重なった
内袋17との二重構造になっている。外袋16は、非弾性特
性を有する厚さが200μm以下、好ましくは100μm以下、
例えば10〜20μm程度のアルミニウム箔などの金属シー
トを主とし、内面に厚さが30〜80μm程度のPP(ポリ
プロピレン)、外面に厚さが10〜20μm程度のPA(ポ
リアミド)などの樹脂をコーティングしてなる。外袋16
に内装された内袋17は、通気性を有する厚さが100〜200
μm程度の不織布などからなり、低熱伝導率材である粒
径5μm程度のシリカ粉末18を内部に収容してある。そ
して、外袋16の内部は、密閉されて10Torr以下程度、例
えば0.5〜10Torrの真空状態の真空層15を形成してい
る。前記シリカ粉末18は、筐体をなす外殻14の厚さを所
定の厚さに保持するものであり、真空層15のある部分
(真空部)で断熱材11の厚さは5〜20mm程度になってい
る。また、断熱材11は、真空部としての平板状の厚肉部
26と、この厚肉部26の厚さt3よりも厚さt4が薄い平板状
の薄肉部27とを有している。この薄肉部27の厚さt4は、
好ましくは8mm以下、例えば3〜7mmとする。一方、厚
肉部26の厚さt3は、8mm以上、例えば10〜15mm程度が好
ましい。また、前記薄肉部27は、その両側の厚肉部26と
隣接する部位で、外殻14の内側の部分と外側の部分とが
熱溶着などの手段により接合されている。この熱溶着部
28では、断熱材11の厚さは外袋16および内袋17のみの厚
さになっている。そして、前記厚肉部26の内部は真空層
15になっている。一方、前記薄肉部27の内部は非真空で
もよいが、真空状態に形成することが望ましい。また、
厚肉部26および薄肉部27に渡って前記外殻14は一体的に
形成されている。薄肉部27は、断熱材11の横幅の中心で
左右のほぼ対称位置に配設されている。これにより、厚
肉部26は、複数の区画部分つまり2つあるいは3つの区
画の部分に分割されている。そして、薄肉部27は、保温
器本体1内においてその前面側に位置しており、外枠2
の前面部2aの形状に沿って湾曲されている。一方、両厚
肉部26は、外枠2の左右両側面部2bに沿っており、ほぼ
平板状になっている。すなわち、断熱材11は、主に薄肉
部27が湾曲されて保温器本体1内に装着されている。ま
た、前記空気層12,13をなす断熱材11と外枠2および内
枠3との間の隙間は、特に薄肉部27において大きくなっ
ている。前述のように、一つの断熱材11において、厚さ
の異なる真空部すなわち厚肉部26および薄肉部27を形成
することは、前記熱溶着などの手段によって断熱材11内
の真空層15を複数の部屋に分割することにより実現でき
る。そして、各部屋毎に内部に充填するシリカ粉末18の
量を管理することにより、真空部の厚さを設定できる。
つまり、厚さを厚くする部分ではシリカ粉末18の量を多
くして筐体厚が厚くなり、厚さを薄くする部分ではシリ
カ粉末18の量を少なくして筐体厚が薄くなるようにすれ
ばよい。前記部屋の分割は、内袋17と外袋16とを組み付
ける前に予め内袋17単体の状態で行えばよい。これによ
り、例えば断熱材11の中央部の薄肉部27の厚さt4が4〜
6mm、両側の厚肉部26の厚さt3が8〜10mmといったよう
に、3つの厚さが異なる真空部を一体に備えた断熱材11
を構成できる。本第2実施例においても、前記第1実施
例と同様の作用効果が得られる。すなわち、保温器本体
1の前面が湾曲した丸みのある形状になっているのに対
して、厚肉部26よりも薄くて湾曲加工が容易な薄肉部27
を前面側に配設し、それほど湾曲させなくて済む両側面
側に厚肉部26を配設すれば、製造上断熱材11を保温器本
体1内に容易に装着できる。また、各種制御基板や蓋体
の軸支部や基板の回路部品冷却用放熱器などを保温器本
体内の前方に配設した場合、保温器本体の外殻である外
枠と容器または容器収納部である内枠との間に、断熱材
を収納するスペースが確保しにくいことがあるが、この
ような場合でも、材厚が薄い薄肉部27を保温器本体1の
前面側に配設すれば、有効にスペースを利用することが
できる。前述のように内部に真空層15を形成した断熱材
11は、その形状保持のために外殻14を強固で硬いものに
する必要があり、湾曲加工は本来容易ではない。また、
無理に湾曲させるとストレスにより破損が生じ、真空性
が損なわれるおそれがある。これに対して、本保温器で
は、断熱材11に薄肉部27を設けたことにより、この薄肉
部27では比較的容易に湾曲加工が可能になるため、上記
の問題を解消でき、断熱材の破損による真空性の低下も
防止できる。また、手作業でも容易に湾曲させることが
可能になる。しかも、曲がりの大きい保温器本体1の前
面側に薄肉部27を配設することにより、この薄肉部27の
湾曲あるいは折り曲げ加工しやすさの効果を有効に発揮
することができる。また、薄肉部27は厚肉部26に比べて
断熱性が低下する欠点があるが、薄肉部27と保温器本体
1の外枠2および内枠3との間に空気層12,13を形成し
たので、この空気層12,13により断熱性の低下を補うこ
とができ、薄肉部27を形成したことによる大幅な断熱性
の低下を防止できる。また、薄肉部27は、断熱材11の横
幅の中心で左右のほぼ対称位置に配設されているので、
薄肉部27の位置管理が前記中心を基準として行うことが
でき、製造性が向上する。また、保温器本体1への断熱
材11の装着時に極力方向性がなくなることにより、装着
作業が容易になる。さらに、薄肉部27の外殻14と厚肉部
26を形成する外殻14と一体に形成したので、薄肉部27を
形成するための別部材が不要となり、薄肉部27の形成が
容易になる。また、前記第1実施例と第2実施例とを比
較すると、第1実施例では、非真空部22内に真空層15が
ないことにより、この非真空部22の湾曲加工がより容易
にできる利点があり、一方、第2実施例では、薄肉部27
内にも真空層15を形成することにより、断熱性をより向
上できる利点がある。ところで、ステンレスのように弾
力性のある金属の場合、湾曲加工に強い力が必要にな
り、手では容易に曲げにくい。また、いったん曲げた場
合でも、元に戻る力が強いため、湾曲加工性が悪くな
る。これに対して、非弾性特性を有する金属の一種であ
るアルミニウムは加工硬化性が高く、前記ステンレス、
鉄、チタン、銅などに比べ、同一の厚さの場合、曲げ加
工がしやすく、またいったん曲げると元に戻りにくい特
性がある反面、断熱材11の真空部の厚さが厚いと、曲げ
加工が極めて困難になる。しかしながら、真空部である
薄肉部27の厚さt4が8mm以下であれば、この薄肉部27を
比較的容易に曲げることができ、湾曲加工が容易にでき
る。また、真空部の厚さを8mm以下に薄くすると、湾曲
加工しやすくなる反面、断熱性が悪くなる場合がある
が、湾曲加工しない部分の真空部である厚肉部26の厚さ
t3は8mm以上に厚くすることにより、断熱性を向上させ
ることができる。さらに、断熱材11の内部の真空度が高
いと、外殻2がなす筐体の形状を保つために、圧力に抗
することができる外殻2とすることが必要となり、その
結果、断熱材11が硬くなり、曲げ加工しにくくなる。し
かしながら、前述のように真空部である薄肉部27の厚さ
t4が8mm以下の場合、0.5〜10Torr程度の真空度であれ
ば、断熱材11が過度に硬くならず、比較的容易に曲げる
ことができ、湾曲加工が容易にできる。また、断熱材11
において、内袋17の熱溶着などの手段により真空部を複
数の部分に区画する構成としたので、真空部の厚さが8
mm以下で比較的簡単に曲げ加工ができる部分すなわち薄
肉部27と、断熱性を高めるために真空部を厚くした部分
すなわち厚肉部26とを区画形成することが、シリカ粉末
18の充填量の管理で容易に行うことができる。そして、
湾曲加工が必要な部分のみ厚さの薄い薄肉部27にするこ
とにより、区画されている薄肉部27の識別が容易になっ
て、保温器本体への装着時にどの真空部を湾曲させれば
よいかがすぐに判別でき、手加工で容易に湾曲させて保
温器本体11に装着できる。さらに、断熱材11全体で、真
空部を1つの薄肉部27と2つの厚肉部26との3つの真空
部に分割区画し、湾曲加工すべき薄肉部27を中央に配し
たので、断熱材11において湾曲加工すべき部分を容易に
判別できる。つぎに、本発明の保温器の第3実施例につ
いて、図5および図6、図7、図8を参照しながら説明
する。なお、本第3実施例は前記第2実施例とほぼ同様
の構成を有しているので、前記第2実施例と対応する部
分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる点を
主に説明する。本第3実施例は、断熱材11における湾曲
加工する部分である薄肉部27の外袋16の表面に複数の溝
部31を形成したものである。これらの溝部31は、上下方
向すなわち湾曲の軸方向に延びている。また、溝部31の
寸法は、例えば幅wが0.1〜20mm程度、深さdが0.01〜
3mm程度、溝部31間のピッチpが3〜30mm程度などであ
り、被装着部の形態などに応じて任意に設定すればよ
い。さらに、本第3実施例においては、溝部31を薄肉部
27の両面にそれぞれ形成している。また、溝部31は、断
熱材11の製造後に後加工で形成すればよい。例えば、所
定形状の型を用いて薄肉部27に型押しを行うことによ
り、溝部31を形成することができる。そして、溝部31を
主として薄肉部27を湾曲させて、断熱材11を保温器本体
1内に装着する。前述のように、断熱材11の外袋16の材
料にはアルミニウムを用いているが、非弾性特性を有す
る金属の一種であるアルミニウムは加工硬化性が高く、
前記ステンレス、鉄、チタン、銅などに比べ、同一の厚
さの場合、曲げ加工がしやすく、またいったん曲げると
元に戻りにくい特性がある反面、真空部の厚さが厚い
と、曲げ加工が極めて困難になる。しかしながら、非弾
性特性のために溝部31の形成は容易である。そして、断
熱材11における湾曲加工する部分である薄肉部27の表面
に複数の溝部31を形成しておくことにより、この溝部31
をきっかけとして容易に曲げ加工を行うことができる。
手でも簡単に薄肉部27を湾曲させることができる。ま
た、内部が真空になった真空部である薄肉部27の厚さt4
を8mm以下と比較的薄くすれば、もとより曲げ加工がし
やすいが、前述のように溝部31を形成することによりさ
らに容易に曲げ加工することができ、湾曲加工が極めて
容易になる。さらに、真空部の厚さが8mm以上と厚い場
合でも、溝部31がなければ湾曲加工が困難であるのに対
して、溝部31を形成することにより湾曲加工を比較的容
易にできる。薄肉部27などの真空部の外殻14の表面に
は、片面にのみ溝部31を設けてもよいが、片面にのみ形
成した場合、湾曲加工を容易にするために溝部31を深く
すると、断熱材11に反りが生じる場合がある。これに対
して、両面に溝部31を設ければ、反りが生じないように
できる。これとともに、湾曲加工時の曲げ方向に表裏が
なくなり、取り扱い性がよくなる。さらに、前述のよう
に断熱材11の真空部が1つの薄肉部27と2つの厚肉部26
とに区画されているのに対して、湾曲加工が必要な薄肉
部27にのみ溝部31を設けることにより、区画されていて
溝部31を有する部分の識別が容易になり、保温器本体1
への装着時にどの真空部を湾曲させればよいかがすぐに
判別できる。したがって、保温器本体1への断熱材11の
装着性がよりいっそう向上する。なお、本発明は、前記
実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可
能である。例えば、前記各実施例では、断熱材11の非真
空部22または薄肉部27と保温器本体1の外枠2および内
枠3との間にそれぞれ空気層12,13を形成したが、非真
空部22または薄肉部27と外枠2との間あるいは非真空部
22または薄肉部27と内枠3との間のいずれか一方にのみ
空気層12,13を形成してもよい。また、前記各実施例で
は、断熱材11において非真空部22または薄肉部27を1つ
のみ形成したが、複数形成してもよい。複数形成する場
合でも、断熱材11において左右にほぼ対称形状に非真空
部22または薄肉部27を形成することにより、製造に際し
ての位置管理上有利である。さらに、前記実施例では、
保温器として保温機能付き炊飯器を例に採って説明した
が、本発明は、炊飯器以外にも電気ポットなどの適宜の
保温器に適用できる。
【発明の効果】請求項1の発明の保温器によれば、断熱
材は、アルミニウムの金属シートで筐体の外殻を形成
し、所定の厚さで真空層を内部に形成した真空部を有す
る板状部材に、厚さが真空部よりも薄い非真空部を部分
的に形成し、この板状部材を非真空部で湾曲させて保温
器本体内に装着してなるので、断熱材をなす板状部材の
湾曲加工が容易にでき、保温器本体内への断熱材の装着
性が向上する。また、湾曲加工時に断熱材がストレスに
よって破損することにより真空性が低下することを防止
できる。さらに、請求項2の発明の保温器によれば、保
温器本体の前面側に非真空部を湾曲させて配設し、保温
器本体の両側面部に真空部を配設したので、保温器本体
の前面側が丸みのある形状になっている場合でも、断熱
材の湾曲加工が容易にでき、保温器本体内への断熱材の
装着性が向上する。また、請求項3の発明の保温器によ
れば、非真空部と保温器本体の外殻または内枠との間に
空気層を形成したので、非真空部における断熱性の低下
を空気層により補うことができ、断熱性を向上できる。
また、請求項4の発明の保温器によれば、板状部材の横
幅の中心で、左右のほぼ対称位置に非真空部を配設する
か、あるいは、左右にほぼ対称形状に非真空部を形成し
たので、非真空部の位置管理が横幅の中心を基準として
管理できるようになることにより、製造性が向上する。
また、断熱材を保温器本体に装着するとき方向性が極力
なくなることにより、装着作業もより容易になる。ま
た、請求項5の発明の保温器によれば、板状部材におけ
る非真空部の外皮は、真空部を形成する外皮と一体に形
成したので、非真空部を形成するための別部材が不要と
なることにより、非真空部を容易に形成できる。請求項
6の発明の保温器によれば、断熱材は、アルミニウムの
金属シートで筐体の外殻を形成し、所定の厚さで真空層
を内部に形成した板状部材に、厚肉部と、厚さがこの厚
肉部よりも薄い薄肉部とを形成してなり、この板状部材
を薄肉部で湾曲させて保温器本体内に装着してなるの
で、断熱材をなす板状部材の湾曲加工が容易にでき、保
温器本体内への断熱材の装着性が向上する。また、湾曲
加工時に断熱材の外表面に加わるストレスが低減される
ことにより、このストレスによる断熱材の破損を防止で
き、真空性の低下を防止できる。さらに、請求項7の発
明の保温器によれば、保温器本体の前面側に薄肉部を湾
曲させて配設し、保温器本体の両側面部に厚肉部を配設
したので、保温器本体の前面側が丸みのある形状になっ
ている場合でも、断熱材の湾曲加工が容易にでき、保温
器本体内への断熱材の装着性が向上する。また、請求項
8の発明の保温器によれば、薄肉部と保温器本体の外殻
または内枠との間に空気層を形成したので、非真空部に
おける断熱性の低下を空気層により補うことができ、断
熱性を向上できる。また、請求項9の発明の保温器によ
れば、板状部材の横幅の中心で、左右のほぼ対称位置に
薄肉部を配設するか、あるいは、左右にほぼ対称形状に
薄肉部を形成したので、非真空部の位置管理が横幅の中
心を基準として管理できるようになることにより、製造
性が向上する。また、断熱材を保温器本体に装着すると
き方向性が極力なくなることにより、装着作業もより容
易になる。また、請求項10の発明の保温器によれば、
板状部材における薄肉部の外皮は、厚肉部を形成する外
皮と一体に形成したので、非真空部を形成するための別
部材が不要となることにより、非真空部を容易に形成で
きる。請求項11の発明の保温器によれば、断熱材は、
非弾性特性を有するアルミニウムの金属シートで筐体の
外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率材からなる
粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、前記外殻を密
閉して内部を真空にしてなるとともに、内部が真空にな
った真空部に厚さが8mm以下の部分を有し、保温器本体
内の被保温容器の外側に断熱材を前記厚さが8mm以下の
真空部で湾曲させて装着したので、この断熱材の外殻の
湾曲加工が容易にでき、保温器本体内への断熱材の装着
性が向上する。また、湾曲加工時に断熱材の外表面に加
わるストレスが低減されることにより、このストレスに
よる断熱材の破損を防止でき、真空性の低下を防止でき
る。さらに、請求項12の発明の保温器によれば、断熱
材の内部の真空度を0.5Torr以上にしたので、断熱材が
過度に硬くならず、したがって、湾曲加工をより容易に
できる。また、請求項13の発明の保温器によれば、断
熱材は、真空部における湾曲した部分以外の厚さを8mm
以上にしたので、湾曲加工を難しくすることなく、断熱
性をいっそう向上させることができる。請求項14の発
明の保温器によれば、断熱材は、非弾性特性を有する
ルミニウムの金属シートで筐体の外殻を形成し、この外
殻の内部に低熱伝導率材からなる粉末を収容して筐体の
厚さを保持し、外殻を密閉して内部を真空にしてなると
ともに、内部が真空になった真空部の外殻表面に溝部を
形成し、保温器本体内の被保温容器の外側に溝部を主と
して断熱材を湾曲させて装着したので、この断熱材の外
殻の湾曲加工が容易にでき、保温器本体内への断熱材の
装着性が向上する。また、湾曲加工時に断熱材の外表面
に加わるストレスが低減されることにより、このストレ
スによる断熱材の破損を防止でき、真空性の低下を防止
できる。さらに、請求項15の発明の保温器によれば、
真空部の厚さを8mm以下としたので、湾曲加工が極めて
容易にできる。また、請求項16の発明の保温器によれ
ば、溝部は、湾曲加工される部分の外殻の両面にそれぞ
れ形成したので、反りが生じにくく、また、湾曲加工時
の曲げ方向に表裏がなくなることにより、取り扱い性が
向上する。請求項17の発明の保温器によれば、断熱材
は、非弾性特性を有するアルミニウムの金属シートで筐
体の外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率材から
なる粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、外殻を密
閉して内部を真空にしてなるとともに、内部が真空にな
った真空部を複数に区画し、この区画された真空部のう
ち所定の真空部の厚さを8mm以下にし、保温器本体内の
被保温容器の外側に断熱材を厚さが8mm以下の真空部で
湾曲させて装着したので、どの真空部を湾曲させればよ
いかの判別も容易で、断熱材の外殻の湾曲加工が容易に
でき、保温器本体内への断熱材の装着性が向上する。ま
た、湾曲加工時に断熱材の外表面に加わるストレスが低
減されることにより、このストレスによる断熱材の破損
を防止でき、真空性の低下を防止できる。請求項18の
発明の保温器によれば、断熱材は、非弾性特性を有する
アルミニウムの金属シートで筐体の外殻を形成し、この
外殻の内部に低熱伝導率材からなる粉末を収容して筐体
の厚さを保持し、外殻を密閉して内部を真空にしてなる
とともに、内部が真空になった真空部を複数に区画し、
この区画された真空部のうち所定の真空部の外殻表面に
溝部を形成し、保温器本体内の被保温容器の外側に溝部
を主として断熱材を湾曲させて装着したので、どの真空
部を湾曲させればよいかの判別も容易で、この断熱材の
外殻の湾曲加工が容易にでき、保温器本体内への断熱材
の装着性が向上する。また、湾曲加工時に断熱材の外表
面に加わるストレスが低減されることにより、このスト
レスによる断熱材の破損を防止でき、真空性の低下を防
止できる。さらに、請求項19の発明の保温器によれ
ば、断熱材全体で真空部を3つの真空部に区画し、中央
の真空部を湾曲加工する部分としたので、湾曲させるべ
き部分の判別がよりいっそう容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保温器の第1実施例を示す水平断面図
である。
【図2】同上断熱材の断面図である。
【図3】本発明の保温器の第2実施例を示す水平断面図
である。
【図4】同上断熱材の断面図である。
【図5】本発明の保温器の第3実施例を示すもので、断
熱材の平面図である。
【図6】同上断熱材の側面図である。
【図7】同上断熱材の一部の拡大平面図である。
【図8】同上湾曲加工後の断熱材の平面図である。
【符号の説明】
1 保温器本体 2 外枠(外殻) 3 内枠 11 断熱材 12 空気層 13 空気層 14 外殻 16 外袋(外皮) 15 真空層 18 シリカ粉末(粉末) 21 真空部 22 非真空部 26 厚肉部 27 薄肉部 31 溝部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−19392(JP,A) 特開 昭62−68425(JP,A) 特開 平7−96566(JP,A) 実開 昭60−168418(JP,U) 実開 昭60−167892(JP,U) 実開 昭61−167129(JP,U) 特表 平11−503774(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21 101

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保温器本体と、この保温器本体に収納さ
    れる容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温器本体
    の内部に装着された断熱材とを備え、この断熱材は、
    ルミニウムの金属シートで筐体の外殻を形成し、所定の
    厚さで真空層を内部に形成した真空部を有する板状部材
    に、厚さが前記真空部よりも薄い非真空部を部分的に形
    成し、この板状部材を前記非真空部で湾曲させて前記保
    温器本体内に装着してなることを特徴とする保温器。
  2. 【請求項2】 保温器本体の前面側に非真空部を湾曲さ
    せて配設し、保温器本体の両側面部に真空部を配設した
    ことを特徴とする請求項1記載の保温器。
  3. 【請求項3】 非真空部と保温器本体の外殻または内枠
    との間に空気層を形成したことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の保温器。
  4. 【請求項4】 板状部材の横幅の中心で、左右のほぼ対
    称位置に非真空部を配設するか、あるいは、左右にほぼ
    対称形状に非真空部を形成したことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の保温器。
  5. 【請求項5】 板状部材における非真空部の外皮は、真
    空部を形成する外皮と一体に形成してなることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の保温器。
  6. 【請求項6】 保温器本体と、この保温器本体に収納さ
    れる容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温器本体
    の内部に装着された断熱材とを備え、この断熱材は、
    ルミニウムの金属シートで筐体の外殻を形成し、所定の
    厚さで真空層を内部に形成した板状部材に、厚肉部と、
    厚さがこの厚肉部よりも薄い薄肉部とを形成してなり、
    この板状部材を前記薄肉部で湾曲させて前記保温器本体
    内に装着してなることを特徴とする保温器。
  7. 【請求項7】 保温器本体の前面側に薄肉部を湾曲させ
    て配設し、保温器本体の両側面部に厚肉部を配設したこ
    とを特徴とする請求項6記載の保温器。
  8. 【請求項8】 薄肉部と保温器本体の外殻または内枠と
    の間に空気層を形成したことを特徴とする請求項6また
    は7記載の保温器。
  9. 【請求項9】 板状部材の横幅の中心で、左右のほぼ対
    称位置に薄肉部を配設するか、あるいは、左右にほぼ対
    称形状に薄肉部を形成したことを特徴とする請求項6〜
    8のいずれか1項に記載の保温器。
  10. 【請求項10】 板状部材における薄肉部の外皮は、厚
    肉部を形成する外皮と一体に形成してなることを特徴と
    する請求項6〜9のいずれか1項に記載の保温器。
  11. 【請求項11】 保温器本体と、この保温器本体に収納
    される容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温器本
    体の内部に装着された板状の断熱材とを備え、この断熱
    材は、非弾性特性を有するアルミニウムの金属シートで
    筐体の外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率材か
    らなる粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、前記外
    殻を密閉して内部を真空にしてなるとともに、内部が真
    空になった真空部に厚さが8mm以下の部分を有し、前記
    保温器本体内の被保温容器の外側に前記断熱材を前記厚
    さが8mm以下の真空部で湾曲させて装着したことを特徴
    とする保温器。
  12. 【請求項12】 断熱材の内部の真空度を0.5Torr以上
    にしたことを特徴とする請求項11記載の保温器。
  13. 【請求項13】 断熱材は、真空部における湾曲した部
    分以外の厚さを8mm以上にしたことを特徴とする請求項
    11または12記載の保温器。
  14. 【請求項14】 保温器本体と、この保温器本体に収納
    される容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温器本
    体の内部に装着された板状の断熱材とを備え、この断熱
    材は、非弾性特性を有するアルミニウムの金属シートで
    筐体の外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率材か
    らなる粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、前記外
    殻を密閉して内部を真空にしてなるとともに、内部が真
    空になった真空部の外殻表面に溝部を形成し、前記保温
    器本体内の被保温容器の外側に前記溝部を主として前記
    断熱材を湾曲させて装着したことを特徴とする保温器。
  15. 【請求項15】 真空部の厚さを8mm以下としたことを
    特徴とする請求項14記載の保温器。
  16. 【請求項16】 溝部は、湾曲加工される部分の外殻の
    両面にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項14ま
    たは15記載の保温器。
  17. 【請求項17】 保温器本体と、この保温器本体に収納
    される容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温器本
    体の内部に装着された板状の断熱材とを備え、この断熱
    材は、非弾性特性を有するアルミニウムの金属シートで
    筐体の外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率材か
    らなる粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、前記外
    殻を密閉して内部を真空にしてなるとともに、内部が真
    空になった真空部を複数に区画し、この区画された真空
    部のうち所定の真空部の厚さを8mm以下にし、前記保温
    器本体内の被保温容器の外側に前記断熱材を前記厚さが
    8mm以下の真空部で湾曲させて装着したことを特徴とす
    る保温器。
  18. 【請求項18】 保温器本体と、この保温器本体に収納
    される容器を加熱する電磁誘導コイルと、前記保温器本
    体の内部に装着された板状の断熱材とを備え、この断熱
    材は、非弾性特性を有するアルミニウムの金属シートで
    筐体の外殻を形成し、この外殻の内部に低熱伝導率材か
    らなる粉末を収容して前記筐体の厚さを保持し、前記外
    殻を密閉して内部を真空にしてなるとともに、内部が真
    空になった真空部を複数に区画し、この区画された真空
    部のうち所定の真空部の外殻表面に溝部を形成し、前記
    保温器本体内の被保温容器の外側に前記溝部を主として
    前記断熱材を湾曲させて装着したことを特徴とする保温
    器。
  19. 【請求項19】 断熱材全体で真空部を3つの真空部に
    区画し、中央の真空部を湾曲加工する部分としたことを
    特徴とする請求項18記載の保温器。
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