JP2004250681A - 離型剤溶液および離型フィルム - Google Patents

離型剤溶液および離型フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥後に離型層の干渉縞発生せず、外観良好な離型フィルムを得ることが出来る離型剤溶液、および、当該離型剤溶液を使用して得られた離型フィルムを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系離型剤を有機溶媒に溶解して成る離型剤溶液であって、当該有機溶媒が炭化水素溶媒と当該炭化水素溶媒に溶解し且つヘテロ原子を含む極性溶媒との混合溶媒である離型剤溶液、および、基材の少なくとも片面に上記の離型剤溶液を塗工後に乾燥して成る離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、離型剤溶液および離型フィルムに関し、詳しくは、ポリオレフィン系離型剤を有機溶媒に溶解して成る離型剤溶液および当該離型剤溶液を使用して得られた離型フィルムに関する。
粘着シート類は、被着体に軽く圧着するだけで接着できるため、多くの分野で使用されているが、これらは、通常、片面側に粘着層を有する基材の背面側に離型層を設け、使用時の巻き戻しなどを容易にしている。また、両面粘着シート類などでは、支持体上に離型層を有する離型フィルムを使用し、粘着面の保護や使用時の巻き戻しなどを容易にしている。
上記の様な背面離型処理された粘着シート類や離型フィルムにおける離型層は、主に、シリコーン系、長鎖アルキル系、ワツクス系に分類され、用途に応じて各々の材料が使い分けられている。
近年、技術の進歩と共に、離型剤に対する要求も多様化し、軽剥離、粘着剤の残存接着力などの基本特性以外にも、非移行性、小剥離音であること等の高度な性能が求められる様になってきた。しかし、前述の離型剤はこれらの要求の全てを満たしていないため、新たな離型剤が幾つか提案されてきている。その一つとして、ポリオレフィン系重合体、特に、1分子中に疑似架橋構造とエラストマー構造を併せ持つポリオレフィン系重合体が挙げられ、そして、離型剤溶液の調製にはトルエンが使用されている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−338896号公報
しかしながら、上記の離型剤溶液を基材表面に塗布した場合、乾燥過程において基材上で溶液のむらが生じ、乾燥後に離型層の干渉縞として残り、外観が損なわれるという欠点がある。本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、その目的は、乾燥後に離型層の干渉縞発生せず、外観良好な離型フィルムを得ることが出来る離型剤溶液、および、当該離型剤溶液を使用して得られた離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、炭化水素溶媒にポリオレフィン系離型剤を溶解して成る離型剤溶液は、ポリオレフィン系離型剤の溶媒への親和性が高すぎるため、基材に塗工後の乾燥過程でポリオレフィンが溶媒から析出して固化(結晶化)するのに要する時間が長くなり、基材とのはじきが生じる。その結果、離型剤溶液の乾燥までに至る過程で、液膜の厚さ及び離型剤濃度の均一性が確保されず、離型層の光学的厚さ(屈折率×厚さ)が場所によって異なり、離型層の干渉縞が生じる。ところが、炭化水素溶媒に特定の溶媒を混合して使用するならば、ポリオレフィン系離型剤の溶媒への親和性が緩和され、上記の問題を一挙に解決することが出来る。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その第1の要旨は、ポリオレフィン系離型剤を有機溶媒に溶解して成る離型剤溶液であって、当該有機溶媒が炭化水素溶媒と当該炭化水素溶媒に溶解し且つヘテロ原子を含む極性溶媒との混合溶媒であることを特徴とする離型剤溶液に存する。
そして、本発明の第2の要旨は、基材の少なくとも片面に上記の離型剤溶液を塗工後に乾燥して成ることを特徴とする離型フィルムに存する。
本発明によれば、乾燥後に離型層の干渉縞発生せず、外観良好な離型フィルムを得ることが出来る離型剤溶液、および、当該離型剤溶液を使用して得られた離型フィルムが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明に係る離型剤溶液について説明する。本発明の離型剤溶液は、ポリオレフィン系離型剤を有機溶媒に溶解して成る。
上記の離型剤の成分であるポリオレフィン系重合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンの単独重合体および共重合体が挙げられる。また、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン等とエチレン等のα−オレフィンとの共重合体も挙げられる。更に、ポリイソプレンに代表されるリビング重合で得られたジエンゴム及びそれらを水素添加して得られたポリマー、環状オレフィンの開環重合によって得られたエラストマー等の炭化水素系エラストマーも使用することが出来る。
環状オレフィンの開環重合によって得られたオレフィン系重合体としては、シクロペンテン、シクロオクテン、ノルボルネン等の脂環式オレフィンの開環重合体を挙げることが出来る。更に、スチレン・ブタジエン共重合体の核水素添加物、スチレンイソプレン共重合体の核水素添加物などの水素添加によって得られるポリオレフィンを使用することが出来る。
本発明においては、ポリオレフィン系エラストマー、特にメタロセン触媒によって重合して得られたポリオレフィン系エラストマーを使用することが好ましい。メタロセン触媒を使用して重合すれば、分子量分布が狭くて低分子量成分が少ないポリオレフィン系エラストマーを得ることが出来る。また、メタロセン触媒を使用すれば、均一な共重合が可能であり、コモノマー含有量が平均組成と著しく離れた低分子量成分の生成を抑制することが出来る。このため、離型層(塗膜)とした際のべた付きを抑えることが出来る上、塗膜へ耐薬品性を付与するための架橋基の導入が均一にでき、その結果、効率的なゲル化が可能であり、耐薬品性、耐熱性、塗膜強度の高い離型層が得られる。
メタロセン触媒の具体例としては、rac−イソプロピリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリルビス−1−(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリルビス−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、rac−ジメチルシリルビス−1−(2−メチル−4.5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−9−フルオレニルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド等を挙げることが出来る。
メタロセン触媒を使用した重合においては、一般に使用される助触媒類、すなわち、トリエチルアルミニウム、メチルアルモキサン等の有機アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することが出来る。
前記のポリオレフィン系エラストマーは変性ポリオレフィン系エラストマーであってもよい。変性ポリオレフィン系エラストマーとしては、オレフィンモノマーの単独重合体または共重合体に、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基などの環状エーテル基、または、イソシアネート基などの官能基を有する化合物を反応させたものが挙げられる。また、オレフィンを主たる成分として他の反応性モノマーと共重合した重合体なども挙げられる。
前記のポリオレフィンを製造するモノマーに対し、極性基を有するメタ(アクリレート)モノマーを共重合するか、または、上記のポリオレフィン系エラストマーを溶液中、溶融状態、或いは懸濁状態でラジカル開始剤の存在下に極性基を有するモノマーを反応させることにより、ポリオレフィン鎖に極性基を導入することが出来る。
本発明で使用する変性基は、主に架橋反応に消費されることを目的とした極性基、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基などの環状エーテル基、または、イソシアネート基を側鎖に有する(メタ)アクリレート単量体から形成されるが、好ましくは、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基である。アミノ基としては1級アミン又は2級アミンが好ましい。斯かる単量体としては、次の様な化合物が挙げられる。
水酸基を有する単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2−、3−又は4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体の具体例としては、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(エチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−(メチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(エチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−アミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(6−アミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
イソシアネート基を有する単量体の具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルイソシアネート、メチル−m−イソプロペニルベンジルイソシアネート、ジメチル−m−イソプロペニルベンジルイソシアネート、m−イソプロペニルフェネチルイソシアネート、m−イソプロペニルフェニルプロピルイソシアネート、2−イソシアナートエチルビニルエーテル、3−イソシアナートプロピルビニルエーテル等の含イソシアネートモノマー、これらをイソシアネートブロック化剤でブロック化したモノマー等が挙げられる。
エポキシ基を有する単量体との具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA(メタ)アクリル酸モノエステル、ブチルグリシジルマレート、ブチルグリシジルフマレート、プロピルグリシジルマレート、N-[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド等が挙げられる。
本発明で使用するポリオレフィン系エラストマーは、離型特性を過度に低下させない程度に、架橋反応で消費されない官能基を有していてもよい。斯かる官能基としては、例えば、(メタ)アクリレート基、ビニル基、エーテル基、アルキル基、ハロゲン原子、エステル基、カルボニル基などを挙げることが出来る。これらは単独で又は2種以上が併存して存在していてもよい。なお、上記した以外のビニル化合物、例えばスチレン等が併存していても構わない。
前記の変性剤の使用量は、ポリオレフィン系エラストマー100重量部に対し、通常0.01〜40重量部、好ましくは0.05〜30重量部である。
ポリオレフィン系エラストマーに官能基を有する変性剤をグラフト重合させるのに必要なラジカル開始剤としては、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、過酸化カリウム、過酸化水素などの有機および無機過酸化物、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、ジクミル等の炭素ラジカル発生剤などを使用することが出来る。
ラジカル重合開始剤は、変性剤や反応条件との関連において適宜選択でき、2種以上を併用することも可能である。また、ラジカル重合開始剤は有機溶媒などに溶解して使用することも出来る。ラジカル重合開始剤の使用量は、ポリオレフィン系エラストマーに対し、通常0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜10重量部の範囲である。
変性反応は、反応基質の少なくとも一つが溶解する溶液で行われる溶液変性、反応基質の全てが溶解しない系で行われる懸濁変性、或いは溶融混練による方法の何れでもよいが、好ましくは溶液変性または溶融変性である。
溶融混練装置としては、押出機または撹拌機、具体的には、ラボプラストミルや一軸または二軸混練機、横型二軸多円板装置または横型二軸表面更新機の様な横型二軸撹拌機、或いはダブルヘリカルリボン撹拌機の様な縦型撹拌機などが挙げられる。溶融混練温度は、ポリオレフィン系エラストマーが溶融状態になる温度であれば任意の温度を採用し得るが、樹脂の劣化防止のため、通常300℃以下とされる。溶融混練時間は、通常0.1〜10分、好ましくは0.5〜5分である。また、劣化防止や未グラフト体除去のために、減圧条件下にて溶融混練を行ってもよい。この際の圧力は、通常200mmHg以下、好ましくは100mmHg以下である。
変性剤とラジカル重合開始剤の添加方法としては、ポリオレフィン系エラストマーとドライブレンドして一括混練する方法、変性剤またはラジカル重合開始剤の何れか一方とエラストマーとをドライブレンドし、混練途中に他方を添加する方法、溶融状態のエラストマーに変性剤とラジカル開始剤とを添加する方法などがある。また、反応効率を向上させるためにキシレン等の有機溶媒を少量添加してもよい。
本発明では、複数種のポリオレフィン系エラストマーを組み合わせて使用してもよい。また、この場合に同時に使用されるエラストマーは、上述の様に変性されていてもよいし、されていなくてもよい。
本発明で使用する(変性)ポリオレフィン系エラストマーの180℃におけるメルトフローインデックス(MFR)は、通常100g/10分以下とされる。MFRはオレフィン系エラストマーの平均分子量と相関があり、MFRが大きなものほど平均分子量は小さい。MFRが100g/10分を超えると、離型層を形成したときに十分な膜強度が得られなくなることがある。好ましいMFRは50g/10分以下であり、更に好ましいMFRは10g/10分以下である。なお、ポリオレフィン系エラストマーを変性する場合、変性によりMFR値下がる場合と上がる場合があるり、変性後に上記の値に入る様に適宜選ぶことが出来る。
本発明では、耐熱性、耐薬品性を高めるために、結晶性を有するポリオレフィン系エラストマーを使用することが出来る。ポリオレフィンの結晶性は、物理架橋点として機能し、耐熱性、耐薬品性、更には、膜強度を改善する。しかし、結晶性を有するポリオレフィン系エラストマーは、塗液として使用する際に結晶化によって塗液の保存性が損なわれる上、フィルム表面に塗布した際に塗膜の弾性率が高くなるため、剥離力が大きくなり、剥離性が低下してしまう傾向がある。従って、離型製に優れ、良好な耐薬品性と耐熱性を得るためには、ポリオレフィン系エラストマーの結晶性は要求特性に応じて調節することが好ましい。結晶性制御の手法としては、オレフィン重合体の立体規則性を適度に制御して結晶化度を調節する方法、共重合を行って結晶化度とガラス転移温度を制御する方法、ブレンドによって調節する方法などを使用することが出来る。また、ポリオレフィン系エラストマーを構成するモノマー組成や連鎖長を変化させることによって結晶性を調節することが可能である。
本発明では、耐熱性や耐薬品性を付与する目的で、変性ポリオレフィン系エラストマー中の官能基と反応可能な架橋剤、または、熱および/または活性エネルギー線の存在下に官能基を重合させる重合触媒などを使用することが出来る。
上記の架橋剤や重合触媒の種類は、限定されず、例えば、変性ポリオレフィン系エラストマー中のヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基などと反応可能なイソシアネート化合物、エポキシ基と反応可能なヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などを有する化合物、エポキシ化合物などの環状エーテルの開環重合触媒として作用するプロトン酸、炭素カチオン等が挙げられる。
上記のイソシアネート化合物としては、耐薬品性の観点から、1分子中に2官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を使用することが好ましく、特に好ましい耐溶媒性を付与するためには、1分子中にイソシアネート基を3個以上有する化合物を使用することが好ましい。
上記のポリイソシアネート化合物としては、ブロックされているか、または、ブロックされていないイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であって、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、これらのポリイソシアネート化合物の過剰量に、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物、これらのポリイソシアネート化合物の重合体、これらのブロック化されていないポリイソシアネート化合物をイソシアネートブロック化剤でブロック化したポリイソシアネート化合物が挙げられる。
本発明では、イソシアネート基を有する複数の化合物を組み合わせて使用しもよい。
本発明では、変性ポリオレフィン系エラストマーが有するイソシアネート基と反応可能な官能基数と、変性ポリオレフィン系エラストマーの分子内の全炭素数との比(官能基数/全炭素数)が0.00001〜0.15であることが好ましい。上記の比が0.15より多い場合は、架橋後でも剥離力が増大してしまう傾向があり、0.00001未満の場合は、架橋の効果が低下してしまう傾向がある。上記の比の更に好ましい範囲は0.00001〜0.02である。この官能基数と全炭素数は、NMRやIR法を始めとする方法により求めることが出来る。
本発明では、変性ポリオレフィン系エラストマーが有するイソシアネート基と反応可能な官能基の総数と、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基の総数の比が0.1〜10であることが好ましい。この範囲外では変性ポリオレフィン系エラストマー変性ポリオレフィン系エラストマーとイソシアネート化合物の架橋反応後に未反応官能基が多く残存してしまうため、剥離力が増大してしまう傾向がある。上記の比の更に好ましい範囲は0.25〜4であり、特に好ましい範囲は0.4〜2.5である。
架橋を促進するために、変性ポリオレフィン系エラストマー、イソシアネート化合物を溶媒に溶解する工程または加熱工程において、触媒を添加することが出来る。斯かる触媒の具体例としては、ジブチル錫オクタノエート、ジブチル錫ラウレート等の錫化合物、トリエチルアミン等の三級アミン等、通常イソシアネート化合物と反応を行う際に使用される触媒が挙げられる。触媒の濃度は、制限されないが、架橋溶液に対し通常10〜1000ppmである。
架橋の際の温度は、制限されないが、通常50℃〜200℃、好ましくは60℃〜180℃、更に好ましくは80℃〜150℃である。また、時間は、制限されないが、生産性、耐溶媒性能の保持の見地から、通常5秒から5分である。
エポキシ基と反応可能な官能基の種類は、制限されず、広範な反応性官能基の中から適宜選択することが可能である。例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する反応性化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2−,3−又は4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有の反応性モノマーで変性したポリオレフィンの他、多価アルコール化合物が挙げられる。
多価アルコール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などの各種ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、脂肪族ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリマーポリオールの他、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−各種(メタ)アクリレート共重合体などのヒドロキシル基を含有するモノマーを構成単位とするポリマー、ヒドロキシル基を適当量残したポリビニルアルコール変性体などが挙げられる。特に、水素添加ポリブタジエンポリオール又はポリカプロラクトンポリオールを使用するが好ましい。
アミノ基を有する反応性化合物としては、一級アミン或いは二級アミンを有する化合物が好ましい。これらの具体例としては、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(エチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−(メチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(エチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−アミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(6−アミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド等を使用して変性したポリオレフィンの他、多価アミン化合物が挙げられる。
多価アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン等の低分子アミン、ポリエチレングリコールジアミン、ポリプロピレンジアミン等の高分子アミン、トリメチロールプロパンやグリセリンへのポリアミノエチレングリコール、ポリアミノプロピレングリコール付加体などが挙げられる。
カルボキシル基を有する反応性化合物としては、アルキル(メタ)アクリル酸で変性したポリオレフィンや多価カルボキシル化合物が挙げられる。ポリオレフィン系多価カルボキシル化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、トリカルバリル酸などの脂肪族多価カルボン酸、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマーを構成単位として含むポリカルボン酸重合体などが挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、分子内に1個、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物であって、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられる。
本発明では、エポキシ基と反応可能な官能基を有する複数の化合物を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ化合物などの環状エーテルの開環重合の触媒としては、プロトン酸、炭素カチオン、加熱または活性エネルギー線(紫外線または電子線)の照射によりプロトン酸や炭素カチオンを生成するものが挙げられる。これらは特にエポキシ基同士の反応に利用される。
本発明では、オニウム塩系硬化触媒を配合し、加熱するか又は紫外線を照射してもよい。オニウム塩系硬化触媒は、ArN2 + Q- 、Y3 S+ Q- 又はY2I+ Q-〔式中、Arはビス(ドデシルフエニル)基などのアリール基、Yはアルキル基もしくは上記同様のアリール基、Q- はBF4 - 、PF6 - 、As F6- 、SbF6 - 、SbCl6 - 、HSO4 - 、Cl等の非塩基性かつ求核性の陰イオンである〕で表されるジアゾニウム塩、スルホニウム塩またはヨードニウム塩などが使用される。
紫外線を照射して反応させる場合、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の適宜の紫外線源が使用される。照射量は、通常は50mJ〜5J/cm2である。その際、必要により、短波長側の紫外線をカツトするフイルタやポリエステルシートを使用してもよい。
架橋を促進するために、ポリオレフィン系エラストマー、反応性化合物を溶媒に溶解する工程または加熱工程に触媒を添加することが出来る。斯かる触媒としては、トリエチルアミン等の三級アミン等、通常エポキシ化合物と反応を行う際に使用される触媒が挙げられる。触媒の濃度は、架橋溶液に対し、通常10〜1000ppmである。
本発明の最大の特徴は、離型剤溶液の調製溶媒として、炭化水素溶媒と当該炭化水素溶媒に溶解し且つヘテロ原子を含む極性溶媒との混合溶媒を使用する点にある。
炭化水素溶媒としては、ポリオレフィン系離型剤を溶解し得るものであればその種類は制限されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素などが挙げられる。ポリオレフィン系エラストマーの溶解性、コスト、沸点などを考慮すると、特に、トルエン又はキシレンが好ましい。
ヘテロ原子を含む極性溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等が挙げられる。炭化水素系溶媒に対して少なくとも1重量%溶解する極性溶媒が使用される。コスト、沸点などを考慮すると、特に、酢酸エチルまたはメチルエチルケトンが好ましい。これらは単独で使用してもよいし、併用してもよい。
炭化水素溶媒と極性溶媒との混合比(重量比)は、通常99:1〜50:50、好ましくは、95:5〜70:30である。炭化水素系溶媒の割合が少なすぎる場合は、室温またはそれ以下で保存した際に増粘やゲル化が起こり易くなり、経時安定性が劣る。また、極性溶媒が少なすぎる場合は、塗工むらが生じ、外観に優れた離型フィルムを生産することが困難になる。
離型剤溶液中の離型剤の濃度は、溶解する限りにおいて任意であり、例えば、従来の様な1重量%程度あるいはそれ以下の濃度とすることも出来るが、5重量%以上の高濃度としても常温またはそれ以下の低温条件下に放置しても増粘し難いため、保存や塗工の際の支障とはならない。離型剤溶液中の離型剤の濃度は、通常0.1〜50重量%である。
本発明の離型剤溶液の調製方法は、特に制限されない。例えば、離型剤を炭化水素系溶媒に溶解後にヘテロ原子を含む極性溶媒を添加してもよいし、両溶媒の混合溶媒に離型剤を溶解させてもよい。
次に、本発明の離型フィルムについて説明する。本発明の離型フィルムは、基材の少なくとも片面に上記の離型剤溶液を塗工後に乾燥して成ることを特徴とする。
上記の基材は、コート基材としての剛性強度があれば如何なる材質のものであってもよい。典型的には、樹脂などのフィルムを使用することが出来、コロナ処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理などが施されたものであってもよい。具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン等の延伸物、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂の延伸物、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン等のフィルム又はシートが挙げられる。また、紙、合成紙を基材として使用することも可能であり、表面平滑化のために、ポリエチレンやポリビニルアルコールで表面処理した紙やグラシン紙などを使用することが出来る。特に、熱可塑性ポリエステルフィルム、または、コロナ処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理などが施されて表面に官能基を持つ基材が好ましい。
基材に離型剤溶液を塗工する方法としては、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等の公知の方法を採用することが出来る。また、離型剤溶液を塗布した後の乾燥は、通常、室温から基材の融点またはガラス転移温度までの範囲内で、好ましくは室温から100℃までの範囲内で数十秒から数十分程度行なう。
離型層の膜厚(乾燥後の基材の重量増分を基に、離型剤の比重を1.0g/mlとして計算された値)は、通常0.01〜5μm、好ましくは0.05〜5μmである。0.05μm未満では基材の影響で剥離力が高くなり、5μmを超えると塗膜がフィルムから剥がれ易くなる傾向がある。
本発明の離型フィルムは、様々な用途に使用することが出来、粘着面に使用することも出来る。特に、本発明の離型フィルムは、半導体やセラミックグリーンシートの製造工程に好ましく使用される。本発明の離型フィルムを適用する粘着面の種類は、特に制限されない。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤などの種々の粘着剤から成る粘着面に適用することが可能である。また、本発明により形成された離型層に対して粘着剤溶液を転写塗工した後に乾燥して粘着剤層を形成することも可能である。
例えば、本発明の離型フィルムは、半導体集積回路(IC)等に使用されるシリコンウエハ等を加工する際に使用する表面保護用粘着シートやダイシング用粘着シート等の粘着シート用離型フィルムとして使用することが出来る。また、本発明の離型フィルムは、半導体樹脂封止用離型フィルムとして使用することも出来る。すなわち、半導体チップの被封止面と金型との間に本発明の離型フィルムを介在させて使用することも出来る。
セラミックグリーンシートを製造する場合には、本発明の離型フィルムの離型層上に、セラミックスラリーを塗工することが出来る。この様にして本発明の離型フィルム上に形成されたグリーンシートには、例えば、パラジウム、銀、ニッケル等から成る電極をスクリ−ン印刷などで設けることが出来る。また、この様な加工を施した後に、セラミックグリーンシート上に再びセラミックスラリーを塗工して電極を設ける工程を繰り返して多層構造を形成することも出来る。これらの工程を適宜行った後、グリーンシートから離型フィルムを剥離し、適宜積層、切断してチップとした後、焼成、加工することにより、コンデンサー、積層インダクタ素子、圧電部品、サーミスタ、バリスタ等のセラミック電子部品を得ることが出来る。
以下、実施例、比較例、試験例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することが出来る。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。また、以下に記載される膜厚は、コート剤を塗布して乾燥する前と後の重量変化を基に、離型剤の比重を1.0g/mlとして計算することにより求めた値である。
実施例1:
エチレンプロピレン共重合体(JSR株式会社製「EP02P」、エチレン/プロピレン=81/19(モル比)、重量平均分子量96700(ポリスチレン換算)、分子量分布2.24、MFR=3.2g/10分)2gを、トルエン、メチルエチルケトンの混合溶媒100g(トルエン/メチルエチルケトン=85/15(重量比))に溶解して均一溶液を得た。これを厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の膜厚が0.2μmになる様にバーコーターにより25℃で塗布した。これを熱風循環式乾燥機によって150℃で20秒間加熱して被膜を形成させることにより、離型フィルムを作成した。
実施例2:
実施例1で使用したのと同様のエチレンプロピレン共重合体4gを、トルエン、酢酸エチルエステルの混合溶媒100g(トルエン/酢酸エチルエステル=97/3(重量比))に溶解して均一溶液を得た。これを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の膜厚が0.2μmになる様に塗布し、更に、実施例1と同様と同様に操作し、離型フィルムを作成した。
実施例3:
実施例1で使用したのと同様のエチレンプロピレン共重合体40g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、 HEMAと略記する)1.2g、ラジカル開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン0.06gをドライブレンドした後、ラボプラストミル混練機(東洋精機製作所製)を使用し、反応温度180℃、回転数100rpmの条件下にて3分混練し、ヒドロキシル基を有するエチレンプロピレンランダム共重合体を得た。この重合体をプレス成形してフィルムとし、IRスペクトルにより、検量線(1724cm−1のカルボニル基の特性吸収により作成した)
を使用し、HEMAの含有量を測定した結果、0.9重量%であった。この変性エチレンプロピレン共重合体2gを、キシレン、メチルエチルケトンの混合溶媒100g(キシレン/メチルエチルケトン=95/5(重量比))に溶解して均一溶液を得た。これを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の膜厚が0.1μmになる様に塗布し、更に、実施例1と同様に操作し、離型フィルムを作成した。
実施例4:
実施例3で調製した変性エチレンプロピレン共重合体0.5gと、市販のエチレンプロピレン共重合体(JSR社製「EP01P」:エチレン/プロピレン=84/16(モル比)、重量平均分子量:80000(ポリスチレン換算)、分子量分布:2.28、MFR=3.6g/10分)0.5gとを、トルエン、酢酸エチルエステルの混合溶媒100g(トルエン/酢酸エチルエステル=75/25(重量比))に溶解して均一溶液を得た。これを厚さが2mmで300mm四方のポリカーポネートシートに塗布し、更に、速やかに熱風乾燥機中120℃2分乾燥し、離型層の厚さが0.1μmの離型フィルムを作成した。
比較例1:
実施例1において、溶媒をトルエン100gとした以外は、全く同様に被膜を形成させることにより、離型フィルムを作成した。
比較例2:
実施例1において、離型剤として、トランスオクテネマーゴム(ポリエチレン鎖/炭素−炭素二重結合鎖=75/25(重量比)、重量平均分子量12万)10gを使用し、離型剤溶液中の濃度を10重量%に変更した以外は、実施例1と同様に操作して離型フィルムを作成した。
<干渉縞の観察>
上記の実施例および比較例で得られた離型フィルムの外観を目視により確認した。そして、全く干渉縞が見られない場合を○、光線の方向によっては見られる場合を△、明確な干渉縞が見られる場合を×として評価した。
<保存安定性試験>
上記の実施例および比較例で使用した離型剤溶液を5℃の条件下に7日間放置し、粘性の向上程度やゲル化の有無および程度を目視にて観察した。そして、調製時と略同様の粘性を示した場合を○、増粘するが流動性がある場合を△、ゲル化した場合を×として評価した。ここで、ゲル化とは、室温で流動しない状態(溶液を入れたサンプル瓶を逆さにして10秒後でも液面が殆ど動かない状態)を言う。
<剥離試験>
上記の実施例および比較例で得られた離型フィルムを幅30mm、長さ150mmに切断し、これに幅25mmの市販粘着テープ(日東電工(株)製「ニットーテープNo.502」)を重さ2kgのゴムローラを1往復させて圧着した。その後、引張試験機により、粘着テープを固定し、23℃で300mm/分の速度でセパレータを180°剥離し、その剥離に要する力すなわち剥離力(5個の試料の平均値)を測定した。

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系離型剤を有機溶媒に溶解して成る離型剤溶液であって、当該有機溶媒が炭化水素溶媒と当該炭化水素溶媒に溶解し且つヘテロ原子を含む極性溶媒との混合溶媒であることを特徴とする離型剤溶液。
  2. 炭化水素溶媒と極性溶媒との重量比が99:1〜50:50である請求項1に記載の離型剤溶液。
  3. 離型剤溶液中の離型剤の濃度が0.1〜50重量%である請求項1又は2に記載の離型剤溶液。
  4. 基材の少なくとも片面に請求項1〜3の何れかに記載の離型剤溶液を塗工後に乾燥して成ることを特徴とする離型フィルム。
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