JP2004245240A - 熱動弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】発熱体から熱感応素子への熱伝達の効率を高めて熱感応素子の応答性を高める。
【解決手段】第1のハウジング13に装着された駆動部11は、円筒形状の正特性サーミスタ19と、円筒形状の正特性サーミスタ19の端面に接合された一対の環状の電極20,21と、正特性サーミスタ19及び電極20,21を内蔵する絶縁体22と、熱感応素子23とからなる。熱感応素子23は、ワックス類を内部に含む熱感応部231と、熱感応部231に連結されたガイド筒232と、ガイド筒232の筒内にスライド可能に嵌合された駆動軸233とからなる。熱感応部231は、円筒形状の正特性サーミスタ19によって包囲されている。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のハウジング13に装着された駆動部11は、円筒形状の正特性サーミスタ19と、円筒形状の正特性サーミスタ19の端面に接合された一対の環状の電極20,21と、正特性サーミスタ19及び電極20,21を内蔵する絶縁体22と、熱感応素子23とからなる。熱感応素子23は、ワックス類を内部に含む熱感応部231と、熱感応部231に連結されたガイド筒232と、ガイド筒232の筒内にスライド可能に嵌合された駆動軸233とからなる。熱感応部231は、円筒形状の正特性サーミスタ19によって包囲されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を開閉する弁体と、通電によって発熱する発熱体と、前記発熱体の温度変化によって移動する駆動軸を有する熱感応素子とを備え、前記駆動軸を移動させて前記弁体を駆動する熱動弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱動弁が特許文献1及び特許文献2に開示されている。サーモエレメントを伸縮させるための発熱体には正特性サーミスタ(PTC)が用いられている。通電によって発熱する発熱体は、サーモエレメントに対して弁体とは反対側に配設されている。つまり、発熱体は、特許文献1においては作動部とは反対側のサーモエレメントの端面を、特許文献2においては伸長軸とは反対側のサーモエレメントの端面を加熱するように配設されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−208639号公報
【特許文献2】
特開2001−235055号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
流路を閉じている弁体を迅速に動かして流路を開くには、サーモエレメントの応答性を高める必要がある。そのためにはサーモエレメントの温度を迅速に上げる必要がある。
【0005】
本発明は、発熱体から熱感応素子への熱伝達の効率を高めて熱感応素子(サーモエレメント)の応答性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、流路を開閉する弁体と、通電によって発熱する発熱体と、前記発熱体の温度変化によって移動する駆動軸を有する熱感応素子とを備え、前記駆動軸を移動させて前記弁体を駆動する熱動弁を対象とし、前記駆動軸の軸線の周囲における前記熱感応素子の外周面に対向するように前記発熱体を配設した。
【0007】
発熱体と熱感応素子とが対向する部分の面積が大きいほど、発熱体から熱感応素子への単位時間当たりの熱伝達量が多くなる。単位時間当たりの熱伝達量が多くなるほど、熱感応素子の温度上昇が速くなり、熱感応素子の応答性が高まる。熱感応素子の外周面は、発熱体と熱感応素子とが対向する部分の面積を増やす上で好適な場所である。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1において、前記熱感応素子の外周面を環状の発熱体で包囲した。
環状の発熱体は、発熱体と熱感応素子とが対向する部分の面積を増やす上で好適な形状である。
【0009】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記発熱体を絶縁体の内部に埋設した。
発熱体からの漏電は、絶縁体によって阻止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0011】
図1(a),(b)に示すように、熱動弁10は、駆動部11と弁本体12とからなる。弁本体12を構成する第1のハウジング13には入力通路131が形成されており、弁本体12を構成する第2のハウジング14には出力通路141が形成されている。第1のハウジング13には弁孔132が形成されている。入力通路131と出力通路141とは、弁孔132を介して接続している。
【0012】
第1のハウジング13と第2のハウジング14との接続部にはシールリング15が介在されている。シールリング15は、第1のハウジング13と第2のハウジング14との接続部からの流体洩れを防止する。
【0013】
出力通路141内には弁体16及び復帰ばね17が収容されている。弁体16は、復帰ばね17のばね力によって弁孔132側へ付勢されている。弁体16は、弁孔132の周縁における環状の弁座133に接離可能である。入力通路131、出力通路141及び弁孔132は、弁体16によって開閉される流路Lを構成する。
【0014】
第1のハウジング13には取り付け孔18が形成されており、取り付け孔18の底部にはガイド孔181が形成されている。ガイド孔181は、弁孔132の延長上にある。弁体16には弁ロッド161が形成されている。弁ロッド161は、弁孔132及び入力通路131を通ってガイド孔181にスライド可能に嵌入されている。
【0015】
ねじ止め等によって第1のハウジング13に装着された駆動部11は、円筒形状の正特性サーミスタ19と、円筒形状の正特性サーミスタ19の端面に接合された一対の環状の電極20,21と、正特性サーミスタ19及び電極20,21を内蔵する絶縁体22と、熱感応素子23とからなる。電極20,21は、図示しない電線を介して図示しない給電手段に接続されている。絶縁体22は、エポキシ樹脂製あるいはPPC製である。絶縁体22は、型内に正特性サーミスタ19及び電極20,21を入れた状態で成形(インサート成形)される。熱感応素子23は、ワックス類を内部に含む熱感応部231と、熱感応部231に連結されたガイド筒232と、ガイド筒232の筒内にスライド可能に嵌合された駆動軸233とからなる。駆動軸233は、ガイド筒232から突出している。駆動軸233は、図2にも図示されている。
【0016】
絶縁体22には収容凹部24が形成されており、収容凹部24には熱感応部231が収容されている。収容凹部24に収容された熱感応部231は、円筒形状の正特性サーミスタ19によって包囲されており、正特性サーミスタ19の内周面191と熱感応部231の外周面234とが対向している。熱感応部231の外周面234は、駆動軸233の軸線236の周囲における熱感応素子23の外周面である。正特性サーミスタ19と電極20,21とから構成される発熱体と、熱感応素子23とは、非接触状態に配設されている。
【0017】
取り付け孔18にはガイド筒232が嵌入されている。ガイド筒232から突出する駆動軸233の先端部は、ガイド孔181にスライド可能に嵌入されている。ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間にはシールリング25が設けられている。シールリング25は、ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間からの流体洩れを防止する。
【0018】
図1(a)の状態では、発熱体を構成する正特性サーミスタ19への通電は行われておらず、弁体16は、弁座133に接して流路Lを閉じる閉位置にある。図1(a)の状態から正特性サーミスタ19への通電を開始すると、正特性サーミスタ19が発熱し、熱感応素子23の熱感応部231が加熱される。これにより熱感応部231の温度が上昇し、熱感応部231内のワックス類が熱膨張する。この熱膨張が駆動軸233を弁体16に向けて付勢し、ガイド筒232からの駆動軸233の突出量が増える。つまり、熱感応素子23が伸長する。
【0019】
ワックス類の熱膨張によって付勢された駆動軸233は、弁ロッド161を付勢する。これにより弁体16が復帰ばね17のばね力に抗して弁座133から離間する。図1(b)の状態では、弁体16が弁座133から離間した開位置にあり、流体が入力通路131から流入して出力通路141から流出可能である。
【0020】
正特性サーミスタ19への通電を停止すると、正特性サーミスタ19の発熱がなくなる。これにより熱感応部231の温度が低下してゆき、熱感応部231内のワックス類が熱収縮する。そのため、弁体16が復帰ばね17のばね力によって弁座133に向けて移動すると共に、駆動軸233がガイド筒232に入り込んでゆく。つまり、熱感応素子23が縮小する。
【0021】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)正特性サーミスタ19と熱感応素子23の熱感応部231とが対向する部分の面積が大きいほど、正特性サーミスタ19から熱感応部231への単位時間当たりの熱伝達量が多くなる。単位時間当たりの熱伝達量が多くなるほど、熱感応部231の温度上昇が速くなる。熱感応部231の温度上昇が速いほど、熱感応部231内のワックス類が速く熱膨張し、駆動軸233の移動速度が大きくなる。つまり、熱感応素子23の応答性が高まり、弁体16が閉位置から開位置へ迅速に移動する。
【0022】
熱感応部231の半径をrとし、熱感応部231の長さを熱感応部231の直径2rと同じとする。そうすると、熱感応部231の端面235の面積は、πr2であるが、熱感応部231の外周面234の面積は、4πr2である。熱感応部231の体積を変えないで熱感応部231の直径2rを例えば1/2にすると、熱感応部231の長さは4倍になる。熱感応部231の体積を変えないで熱感応部231の長さ2rを例えば1/2にすると、熱感応部231の直径は21/2倍になる。つまり、熱感応部231内のワックス類の量を変えないで熱感応部231の直径と長さとを大きく異ならせると、熱動弁が大型になりやすい。
【0023】
熱感応部231の直径と長さとが大きく異ならない場合には、熱感応部231の外周面234は、熱感応部231の表面積のうちの多くを占める。つまり、熱感応部231の外周面234は、正特性サーミスタ19と熱感応素子23とが対向する部分の面積を増やす上で好適な場所である。従って、熱感応部231の外周面234に対向するように正特性サーミスタ19を設ける構成は、熱感応素子23の応答性を高める上で有効である。
【0024】
(1−2)円筒形状の正特性サーミスタ19は、正特性サーミスタ19と熱感応部231とが対向する部分の面積を増やす上で好適な形状である。
(1−3)正特性サーミスタ19及び電極20,21は、絶縁体22の内部に埋設されているため、正特性サーミスタ19及び電極20,21からの漏電は生じない。
【0025】
(1−4)ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間からの流体洩れを防止するシールリング25は、ガイド筒232の外周面という不動部と取り付け孔18の周面という不動部との間に設けられている。弁ロッド161や駆動軸233などの可動部に摺接するようにシールリングを設けると、シール機能の低下やシールリングの劣化が早まる。ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間は、シールリング25の配設箇所として好適である。
【0026】
次に、図3の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
熱動弁10Aを構成する第1のハウジング13Aには収容孔26が形成されており、収容孔26の底部には嵌合孔261が形成されている。嵌合孔261は、ガイド孔181を介して入力通路131に接続している。収容孔26には駆動部11が収容されている。熱感応素子23のガイド筒232は、嵌合孔261に嵌入されており、駆動軸233は、ガイド孔181にスライド可能に嵌入されている。
【0027】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。第2の実施の形態では、駆動部11を第1のハウジング13Aに埋め込む構成としたので、熱動弁10Aの長さを第1の実施の形態の場合よりも短くすることができる。
【0028】
次に、図4の第3の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
略円筒形状の正特性サーミスタ19Bは、切り欠き形成された端部192,193を有し、端部192,193には電極27,28が接合されている。電極27,28は、互いに離間している。電極27,28は、図示しない電線を介して図示しない給電手段に接続されている。
【0029】
第3の実施の形態では、電極27,28間の間隔を小さくしてあるため、第1の実施の形態における(1−1)項及び(1−2)項と同様の効果が得られる。
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
【0030】
(1)第1及び第2の実施の形態において、樹脂製の絶縁体22を成形する場合には、熱感応素子23の熱感応部231を型内に入れて絶縁体22を成形するというインサート成形を行うこと。
【0031】
(2)熱感応素子23の熱感応部231の周囲に複数の正特性サーミスタを環状に並ぶように配設すること。
(3)第1〜第3の実施の形態において、正特性サーミスタ19,19Bに加えて、熱感応部231の端面235にも円板形状の正特性サーミスタを対向するように設けること。
【0032】
(4)正特性サーミスタ以外に、通電によって発熱する発熱体を用いること。
(5)ばね力によって弁座から離れる方向に付勢される弁体を熱感応素子の伸縮によって駆動する熱動弁に本発明を適用すること。この熱動弁は、常開型の開閉弁である。
【0033】
前記した実施の形態から把握できる発明について以下に記載する。
〔1〕請求項3において、前記絶縁体に収容凹部を形成し、前記収容凹部の周囲における前記絶縁体の部分に前記発熱体を埋設し、前記収容凹部に前記熱感応素子を入れた熱動弁。
【0034】
収容凹部に入れられた熱感応素子は、その周囲に配設された発熱体の発熱によって迅速に温度上昇する。発熱体からの漏電は、絶縁体によって阻止される。
〔2〕請求項1乃至請求項3及び前記〔1〕項において、前記熱感応素子は、ワックス類を内蔵する熱感応部と、前記熱感応部の温度変化によって変位する駆動軸と、前記駆動軸を変位可能に保持するガイド筒とを備え、前記ガイド筒の外周面にシールリングを配設した熱動弁。
【0035】
〔3〕請求項1乃至請求項3、前記〔1〕項及び前記〔2〕項において、前記熱感応素子と前記発熱体とを非接触状態に配設した熱動弁。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、発熱体から熱感応素子への熱伝達の効率を高めて熱感応素子の応答性を高めることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は、弁体が閉位置にある状態を示す断面図。(b)は、弁体が開位置にある状態を示す断面図。
【図2】要部分解斜視図。
【図3】第2の実施の形態を示す断面図。
【図4】第3の実施の形態を示す要部分解斜視図。
【符号の説明】
10,10A…熱動弁。16…弁体。19,19B…発熱体を構成する正特性サーミスタ。22…絶縁体。23…熱感応素子。233…駆動軸。234…外周面。236…軸線。L…流路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を開閉する弁体と、通電によって発熱する発熱体と、前記発熱体の温度変化によって移動する駆動軸を有する熱感応素子とを備え、前記駆動軸を移動させて前記弁体を駆動する熱動弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱動弁が特許文献1及び特許文献2に開示されている。サーモエレメントを伸縮させるための発熱体には正特性サーミスタ(PTC)が用いられている。通電によって発熱する発熱体は、サーモエレメントに対して弁体とは反対側に配設されている。つまり、発熱体は、特許文献1においては作動部とは反対側のサーモエレメントの端面を、特許文献2においては伸長軸とは反対側のサーモエレメントの端面を加熱するように配設されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−208639号公報
【特許文献2】
特開2001−235055号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
流路を閉じている弁体を迅速に動かして流路を開くには、サーモエレメントの応答性を高める必要がある。そのためにはサーモエレメントの温度を迅速に上げる必要がある。
【0005】
本発明は、発熱体から熱感応素子への熱伝達の効率を高めて熱感応素子(サーモエレメント)の応答性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、流路を開閉する弁体と、通電によって発熱する発熱体と、前記発熱体の温度変化によって移動する駆動軸を有する熱感応素子とを備え、前記駆動軸を移動させて前記弁体を駆動する熱動弁を対象とし、前記駆動軸の軸線の周囲における前記熱感応素子の外周面に対向するように前記発熱体を配設した。
【0007】
発熱体と熱感応素子とが対向する部分の面積が大きいほど、発熱体から熱感応素子への単位時間当たりの熱伝達量が多くなる。単位時間当たりの熱伝達量が多くなるほど、熱感応素子の温度上昇が速くなり、熱感応素子の応答性が高まる。熱感応素子の外周面は、発熱体と熱感応素子とが対向する部分の面積を増やす上で好適な場所である。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1において、前記熱感応素子の外周面を環状の発熱体で包囲した。
環状の発熱体は、発熱体と熱感応素子とが対向する部分の面積を増やす上で好適な形状である。
【0009】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記発熱体を絶縁体の内部に埋設した。
発熱体からの漏電は、絶縁体によって阻止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0011】
図1(a),(b)に示すように、熱動弁10は、駆動部11と弁本体12とからなる。弁本体12を構成する第1のハウジング13には入力通路131が形成されており、弁本体12を構成する第2のハウジング14には出力通路141が形成されている。第1のハウジング13には弁孔132が形成されている。入力通路131と出力通路141とは、弁孔132を介して接続している。
【0012】
第1のハウジング13と第2のハウジング14との接続部にはシールリング15が介在されている。シールリング15は、第1のハウジング13と第2のハウジング14との接続部からの流体洩れを防止する。
【0013】
出力通路141内には弁体16及び復帰ばね17が収容されている。弁体16は、復帰ばね17のばね力によって弁孔132側へ付勢されている。弁体16は、弁孔132の周縁における環状の弁座133に接離可能である。入力通路131、出力通路141及び弁孔132は、弁体16によって開閉される流路Lを構成する。
【0014】
第1のハウジング13には取り付け孔18が形成されており、取り付け孔18の底部にはガイド孔181が形成されている。ガイド孔181は、弁孔132の延長上にある。弁体16には弁ロッド161が形成されている。弁ロッド161は、弁孔132及び入力通路131を通ってガイド孔181にスライド可能に嵌入されている。
【0015】
ねじ止め等によって第1のハウジング13に装着された駆動部11は、円筒形状の正特性サーミスタ19と、円筒形状の正特性サーミスタ19の端面に接合された一対の環状の電極20,21と、正特性サーミスタ19及び電極20,21を内蔵する絶縁体22と、熱感応素子23とからなる。電極20,21は、図示しない電線を介して図示しない給電手段に接続されている。絶縁体22は、エポキシ樹脂製あるいはPPC製である。絶縁体22は、型内に正特性サーミスタ19及び電極20,21を入れた状態で成形(インサート成形)される。熱感応素子23は、ワックス類を内部に含む熱感応部231と、熱感応部231に連結されたガイド筒232と、ガイド筒232の筒内にスライド可能に嵌合された駆動軸233とからなる。駆動軸233は、ガイド筒232から突出している。駆動軸233は、図2にも図示されている。
【0016】
絶縁体22には収容凹部24が形成されており、収容凹部24には熱感応部231が収容されている。収容凹部24に収容された熱感応部231は、円筒形状の正特性サーミスタ19によって包囲されており、正特性サーミスタ19の内周面191と熱感応部231の外周面234とが対向している。熱感応部231の外周面234は、駆動軸233の軸線236の周囲における熱感応素子23の外周面である。正特性サーミスタ19と電極20,21とから構成される発熱体と、熱感応素子23とは、非接触状態に配設されている。
【0017】
取り付け孔18にはガイド筒232が嵌入されている。ガイド筒232から突出する駆動軸233の先端部は、ガイド孔181にスライド可能に嵌入されている。ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間にはシールリング25が設けられている。シールリング25は、ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間からの流体洩れを防止する。
【0018】
図1(a)の状態では、発熱体を構成する正特性サーミスタ19への通電は行われておらず、弁体16は、弁座133に接して流路Lを閉じる閉位置にある。図1(a)の状態から正特性サーミスタ19への通電を開始すると、正特性サーミスタ19が発熱し、熱感応素子23の熱感応部231が加熱される。これにより熱感応部231の温度が上昇し、熱感応部231内のワックス類が熱膨張する。この熱膨張が駆動軸233を弁体16に向けて付勢し、ガイド筒232からの駆動軸233の突出量が増える。つまり、熱感応素子23が伸長する。
【0019】
ワックス類の熱膨張によって付勢された駆動軸233は、弁ロッド161を付勢する。これにより弁体16が復帰ばね17のばね力に抗して弁座133から離間する。図1(b)の状態では、弁体16が弁座133から離間した開位置にあり、流体が入力通路131から流入して出力通路141から流出可能である。
【0020】
正特性サーミスタ19への通電を停止すると、正特性サーミスタ19の発熱がなくなる。これにより熱感応部231の温度が低下してゆき、熱感応部231内のワックス類が熱収縮する。そのため、弁体16が復帰ばね17のばね力によって弁座133に向けて移動すると共に、駆動軸233がガイド筒232に入り込んでゆく。つまり、熱感応素子23が縮小する。
【0021】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)正特性サーミスタ19と熱感応素子23の熱感応部231とが対向する部分の面積が大きいほど、正特性サーミスタ19から熱感応部231への単位時間当たりの熱伝達量が多くなる。単位時間当たりの熱伝達量が多くなるほど、熱感応部231の温度上昇が速くなる。熱感応部231の温度上昇が速いほど、熱感応部231内のワックス類が速く熱膨張し、駆動軸233の移動速度が大きくなる。つまり、熱感応素子23の応答性が高まり、弁体16が閉位置から開位置へ迅速に移動する。
【0022】
熱感応部231の半径をrとし、熱感応部231の長さを熱感応部231の直径2rと同じとする。そうすると、熱感応部231の端面235の面積は、πr2であるが、熱感応部231の外周面234の面積は、4πr2である。熱感応部231の体積を変えないで熱感応部231の直径2rを例えば1/2にすると、熱感応部231の長さは4倍になる。熱感応部231の体積を変えないで熱感応部231の長さ2rを例えば1/2にすると、熱感応部231の直径は21/2倍になる。つまり、熱感応部231内のワックス類の量を変えないで熱感応部231の直径と長さとを大きく異ならせると、熱動弁が大型になりやすい。
【0023】
熱感応部231の直径と長さとが大きく異ならない場合には、熱感応部231の外周面234は、熱感応部231の表面積のうちの多くを占める。つまり、熱感応部231の外周面234は、正特性サーミスタ19と熱感応素子23とが対向する部分の面積を増やす上で好適な場所である。従って、熱感応部231の外周面234に対向するように正特性サーミスタ19を設ける構成は、熱感応素子23の応答性を高める上で有効である。
【0024】
(1−2)円筒形状の正特性サーミスタ19は、正特性サーミスタ19と熱感応部231とが対向する部分の面積を増やす上で好適な形状である。
(1−3)正特性サーミスタ19及び電極20,21は、絶縁体22の内部に埋設されているため、正特性サーミスタ19及び電極20,21からの漏電は生じない。
【0025】
(1−4)ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間からの流体洩れを防止するシールリング25は、ガイド筒232の外周面という不動部と取り付け孔18の周面という不動部との間に設けられている。弁ロッド161や駆動軸233などの可動部に摺接するようにシールリングを設けると、シール機能の低下やシールリングの劣化が早まる。ガイド筒232の外周面と取り付け孔18の周面との間は、シールリング25の配設箇所として好適である。
【0026】
次に、図3の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
熱動弁10Aを構成する第1のハウジング13Aには収容孔26が形成されており、収容孔26の底部には嵌合孔261が形成されている。嵌合孔261は、ガイド孔181を介して入力通路131に接続している。収容孔26には駆動部11が収容されている。熱感応素子23のガイド筒232は、嵌合孔261に嵌入されており、駆動軸233は、ガイド孔181にスライド可能に嵌入されている。
【0027】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。第2の実施の形態では、駆動部11を第1のハウジング13Aに埋め込む構成としたので、熱動弁10Aの長さを第1の実施の形態の場合よりも短くすることができる。
【0028】
次に、図4の第3の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
略円筒形状の正特性サーミスタ19Bは、切り欠き形成された端部192,193を有し、端部192,193には電極27,28が接合されている。電極27,28は、互いに離間している。電極27,28は、図示しない電線を介して図示しない給電手段に接続されている。
【0029】
第3の実施の形態では、電極27,28間の間隔を小さくしてあるため、第1の実施の形態における(1−1)項及び(1−2)項と同様の効果が得られる。
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
【0030】
(1)第1及び第2の実施の形態において、樹脂製の絶縁体22を成形する場合には、熱感応素子23の熱感応部231を型内に入れて絶縁体22を成形するというインサート成形を行うこと。
【0031】
(2)熱感応素子23の熱感応部231の周囲に複数の正特性サーミスタを環状に並ぶように配設すること。
(3)第1〜第3の実施の形態において、正特性サーミスタ19,19Bに加えて、熱感応部231の端面235にも円板形状の正特性サーミスタを対向するように設けること。
【0032】
(4)正特性サーミスタ以外に、通電によって発熱する発熱体を用いること。
(5)ばね力によって弁座から離れる方向に付勢される弁体を熱感応素子の伸縮によって駆動する熱動弁に本発明を適用すること。この熱動弁は、常開型の開閉弁である。
【0033】
前記した実施の形態から把握できる発明について以下に記載する。
〔1〕請求項3において、前記絶縁体に収容凹部を形成し、前記収容凹部の周囲における前記絶縁体の部分に前記発熱体を埋設し、前記収容凹部に前記熱感応素子を入れた熱動弁。
【0034】
収容凹部に入れられた熱感応素子は、その周囲に配設された発熱体の発熱によって迅速に温度上昇する。発熱体からの漏電は、絶縁体によって阻止される。
〔2〕請求項1乃至請求項3及び前記〔1〕項において、前記熱感応素子は、ワックス類を内蔵する熱感応部と、前記熱感応部の温度変化によって変位する駆動軸と、前記駆動軸を変位可能に保持するガイド筒とを備え、前記ガイド筒の外周面にシールリングを配設した熱動弁。
【0035】
〔3〕請求項1乃至請求項3、前記〔1〕項及び前記〔2〕項において、前記熱感応素子と前記発熱体とを非接触状態に配設した熱動弁。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、発熱体から熱感応素子への熱伝達の効率を高めて熱感応素子の応答性を高めることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は、弁体が閉位置にある状態を示す断面図。(b)は、弁体が開位置にある状態を示す断面図。
【図2】要部分解斜視図。
【図3】第2の実施の形態を示す断面図。
【図4】第3の実施の形態を示す要部分解斜視図。
【符号の説明】
10,10A…熱動弁。16…弁体。19,19B…発熱体を構成する正特性サーミスタ。22…絶縁体。23…熱感応素子。233…駆動軸。234…外周面。236…軸線。L…流路。
Claims (3)
- 流路を開閉する弁体と、通電によって発熱する発熱体と、前記発熱体の温度変化によって移動する駆動軸を有する熱感応素子とを備え、前記駆動軸を移動させて前記弁体を駆動する熱動弁において、
前記駆動軸の軸線の周囲における前記熱感応素子の外周面に対向するように前記発熱体を配設した熱動弁。 - 前記熱感応素子の外周面を環状の発熱体で包囲した請求項1に記載の熱動弁。
- 前記発熱体を絶縁体の内部に埋設した請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の熱動弁。
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JP2003032720A JP2004245240A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 熱動弁 |
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- 2003-02-10 JP JP2003032720A patent/JP2004245240A/ja active Pending
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