JP2004242044A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、弾性表面波フィルタに関し、特にパッケージ寸法を小型にし、且つ、高品質な弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】圧電基板の主面上に弾性表面波を伝搬するためのIDTと該IDTと電気的に導通したボンディングパッドとを形成すると共に、該圧電基板に不要波を吸収するためのアブソーバを備えた弾性表面波フィルタ素子をパッケージ内にフリップチップボンディング実装した構造の弾性表面波フィルタにおいて、 前記アブソーバを弾性表面波フィルタ素子とパッケージとの間を固定する接着剤として機能させる。
【選択図】図1
【解決手段】圧電基板の主面上に弾性表面波を伝搬するためのIDTと該IDTと電気的に導通したボンディングパッドとを形成すると共に、該圧電基板に不要波を吸収するためのアブソーバを備えた弾性表面波フィルタ素子をパッケージ内にフリップチップボンディング実装した構造の弾性表面波フィルタにおいて、 前記アブソーバを弾性表面波フィルタ素子とパッケージとの間を固定する接着剤として機能させる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波フィルタに関し、特にパッケージ寸法を小型にした弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下、SAW)フィルタは移動体通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴があることから特に携帯電話等に多く用いられている。図3は、従来のトランスバーサルSAWフィルタの構成を示す平面図である。なお、実際にはパッケージ21の開口部が金属カバーによって封止されているがここでは図示を省略している。圧電基板22の主面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT23、24を所定の間隔を隔して配置すると共に、表面波の伝搬方向であって圧電基板22の両端に、端面からの表面波の反射を吸収するためのアブソーバ25が塗布されている。IDT23、24はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対の櫛形電極より形成され、入力用IDT23の一方のボンディングパッド26と端子電極30と、他方のボンディングパッド27と端子電極31とをそれぞれアルミあるいは金等の金属を材料とするボンディングワイヤを用いて電気的導通をとると共に、出力用IDT24の一方のボンディングパッド28と端子電極32と、他方のボンディングパッド29と端子電極33とをそれぞれボンディングワイヤを用いて電気的導通をとる。
【0003】図3に示すトランスバーサルSAWフィルタの動作は、周知のように、入力側IDT23に電気信号を印加すると、IDT23の電極周期に応じた表面波が励起され、該表面波が圧電基板22上を伝搬し、出力側IDT24によってピックアップされて、電気信号に変換されて機能するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の携帯電話の発展に伴い、主に携帯電話の中間段に用いられるIFフィルタは更なる小型化が要求されている。IFフィルタとして用いられるトランスバーサルSAWフィルタにおいて、所望のフィルタ特性を得るには数百本程度のIDT対数が必要であり、また、IFフィルタの使用周波数は低いため、圧電基板のSAWの伝搬速度と周波数により決定される電極1周期当りの波長が大きい。従って、SAWの伝搬方向に対して垂直方向よりも平行な方向のほうがSAWフィルタ素子の基板寸法は大きくなる。例えば、CDMA方式に使われる中心周波数が110MHzや183.6MHzのIFフィルタのパッケージ寸法は7×5mmが一般的で、パッケージに実装されているSAWフィルタ素子の基板寸法は5.5×2.0mm程度である。
【0005】従来のワイヤボンディング構造のトランスバーサルSAWフィルタにおいて、IDT対数を減らすことによりSAWの伝搬方向に対して平行な方向のSAWフィルタ素子の基板寸法を小さくすることができる。しかしながら、IDT対数を減らすと通過帯域内のリップルが大きくなり帯域内平坦度が劣化してしまうため、基板寸法の小型化には限界があった。
【0006】これに対して、SAWフィルタ素子の基板寸法を小さくせずにパッケージ寸法を小さくする方法として、フリップチップボンディング(FlipChip Bonding:以下FCB)構造がある。FCB構造は、比較的SAWフィルタ素子の基板寸法が小さいRFフィルタ等でよく使われている。図4は、トランスバーサルSAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時の断面図で、SAWフィルタ素子のIDT23、24やボンディングパッド27、29等のフィルタ機能部を形成した圧電基板22の主面をパッケージの内底面と対面させて、SAWフィルタ素子上のボンディングパッド27、29とパッケージの端子電極36、36とをAu等からなる金属バンプ34にて導通接続し、トランスバーサルSAWフィルタを構成したものである。
【0007】しかしながら、RFフィルタに比べてSAWフィルタ素子の基板寸法の大きいトランスバーサルSAWフィルタ等のIFフィルタをFCB実装する場合、SAWフィルタ素子上に設けた数個のバンプのみで基板全体を支持しているので、SAWフィルタ素子とパッケージの接着強度が弱い。そのため、落下などの衝撃に絶えられずSAWフィルタ素子がパッケージから剥れてしまうという問題が発生する。本発明は、以上の問題を解決したものであって、小型で高品質なSAWフィルタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明に係る弾性表面波フィルタの請求項1記載の発明は、 圧電基板の主面上に弾性表面波を伝搬するためのIDTと該IDTと電気的に導通したボンディングパッドとを形成すると共に、該圧電基板に不要波を吸収するためのアブソーバを備えた弾性表面波フィルタ素子をパッケージ内にフリップチップボンディング実装した構造の弾性表面波フィルタにおいて、前記アブソーバが弾性表面波フィルタ素子とパッケージとの間を固定する接着剤として機能していることを特徴とする弾性表面波フィルタである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アブソーバは、チキソトロピー性を有する接着剤であることを特徴とする弾性表面波フィルタである。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アブソーバは、熱硬化型接着剤であることを特徴とする弾性表面波フィルタである。 請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記金属バンプは、Auからなることを特徴とする弾性表面波フィルタである。請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記弾性表面波フィルタは、圧電基板の主面上に弾性表面波の伝搬方向に沿って2つのIDTを所定の間隔をおいて配置し、該圧電基板の弾性表面波の伝搬方向に沿った方向の両端部にアブソーバを配置したトランスバーサル型弾性表面波フィルタであることを特徴とする弾性表面波フィルタである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に図示した実施の形態例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る第1の実施例のSAWフィルタの構造を示す図であって、(a)はトランスバーサルSAWフィルタ素子の平面図、(b)はパッケージにFCB実装した時の断面図を示したものである。圧電基板2の主面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT3、4を所定の間隔を隔して配置すると共に、弾性表面波の伝搬方向に沿って圧電基板2の両端に端面からの表面波の反射を吸収するためのアブソーバ5が塗布されている。IDT3、4はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対の櫛形電極により形成され、IDT3の一方の櫛形電極は入力用ボンディングパッド6に接続し、他方の櫛形電極はアース用ボンディングパッド7に接続する。さらに、IDT4の一方の櫛形電極は出力用ボンディングパッド8に接続し、他方の櫛形電極はアース用ボンディングパッド9に接続して、トランスバーサルSAWフィルタ素子を構成する。そして、SAWフィルタ素子のIDT3、4及びボンディングパッド6〜9で構成されるフィルタ機能部とパッケージ1の内底面が対面するように、SAWフィルタ素子のボンディングパッド6〜9とパッケージの端子電極11とをAuからなる金属バンプ10を介して電気的導通をとる。本発明の特徴は、SAWフィルタ素子の圧電基板の両端部に塗布したアブソーバをパッケージに固着させることにより、金属バンプだけではなくアブソーバでもSAWフィルタ素子とパッケージとを接着固定したことである。
【0010】前記アブソーバは、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装する前に、予めアブソーバを圧電基板に塗布しておき、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時にアブソーバがパッケージに密着するようにアブソーバの厚みはSAWフィルタ素子とパッケージの底面との間隙よりも大きくする。また、本発明の構造においては、チキソトロピー性を持たせたエポキシ系、シリコン系、ポリイミド系等のアブソーバを用いる。チキソトロピー性とは、液に応力を加えて流動させると軟化が起きる、すなわち粘度が低下するが流動させることを止めると再び高粘度化する現象のことである。このようなチキソトロピー性を有する材料を攪拌して軟化させた状態で圧電基板上の所定の位置に塗布し、そのまま静止させることでアブソーバがその位置にとどまる。従って、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装する作業をしてもアブソーバが広がってIDTに接触してしまうことはない。また、FCB実装する際に圧力を加えることによりアブソーバが若干軟化するのでパッケージ下面になじんで接着剤として密着性が向上することになる。そして、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装後、乾燥することによりアブソーバを固着させる。
【0011】また、前記アブソーバを熱硬化型にすれば、SAWフィルタ素子をFCB実装する際に、金属バンプを導通固着させるために該SAWフィルタ素子を加熱するので、金属バンプとアブソーバとを同時に固着することができ、工数を削減することができる。
【0012】以上、本発明のSAWフィルタは、パッケージの小型化を実現すべくFCB構造にしたSAWフィルタにおいて、不要波を吸収するために基板に塗布するアブソーバを、SAWフィルタ素子とパッケージを固着するための接着剤としても機能させたことである。このような構造にすることでSAWフィルタ素子の基板上に設けたアブソーバによりSAWの不要波を吸収しフィルタ特性にノイズがはいるのを防止すると共に、SAWフィルタ素子を金属バンプのみならずアブソーバでも固着するためチップ剥れなどの不良品の発生を抑えることができ、更にはFCB構造なのでパッケージの小型化が実現できる。
【0013】図2は、本発明の第2の実施例であり、圧電基板13上に形成したIDT14、15及びボンディングパッド17等で構成されるフィルタ機能部とパッケージ12の底面が対面するように、SAWフィルタ素子のボンディングパッド17とパッケージの端子電極18とをAuからなる金属バンプ19でFCB実装した後、ディスペンサ等を用いて圧電基板13の両端部にアブソーバ16を充填した構成である。このように基板両端部にアブソーバを充填して被覆することで、SAWフィルタ素子とパッケージの接着をより強固なものとする。更に、両端部だけではなく圧電基板の全ての外周部にアブソーバを充填した構成にすれば、SAWフィルタ素子とパッケージ間の接着は完全なものとなる。
【0014】以上、トランスバーサルSAWフィルタの例について説明してきたが、本発明はそれのみに限らず、基板上にアブソーバを塗布したSAWフィルタ素子をFCB実装したSAWフィルタにおいても適用できることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように圧電基板上に不要波を吸収するためのアブソーバを設置したSAWフィルタ素子をFCB実装するにあたり、該アブソーバをSAWフィルタ素子とパッケージを固定する接着剤としたので、小型化、高品質化されたSAWフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るSAWフィルタの構造を示す図であり、(a)はトランスバーサルSAWフィルタ素子の平面図、(b)はパッケージにFCB実装した時の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る図であって、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時の断面図である。
【図3】従来のワイヤボンディング構造のSAWフィルタの平面図である。
【図4】従来のSAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時の断面図である。
【符号の説明】
1、12…パッケージ
2、13…圧電基板
3、4、14、15…IDT
5、16…アブソーバ
6、7、8、9、17…ボンディングパッド
10、19…金属バンプ
11、18…端子電極
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波フィルタに関し、特にパッケージ寸法を小型にした弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下、SAW)フィルタは移動体通信分野で広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴があることから特に携帯電話等に多く用いられている。図3は、従来のトランスバーサルSAWフィルタの構成を示す平面図である。なお、実際にはパッケージ21の開口部が金属カバーによって封止されているがここでは図示を省略している。圧電基板22の主面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT23、24を所定の間隔を隔して配置すると共に、表面波の伝搬方向であって圧電基板22の両端に、端面からの表面波の反射を吸収するためのアブソーバ25が塗布されている。IDT23、24はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対の櫛形電極より形成され、入力用IDT23の一方のボンディングパッド26と端子電極30と、他方のボンディングパッド27と端子電極31とをそれぞれアルミあるいは金等の金属を材料とするボンディングワイヤを用いて電気的導通をとると共に、出力用IDT24の一方のボンディングパッド28と端子電極32と、他方のボンディングパッド29と端子電極33とをそれぞれボンディングワイヤを用いて電気的導通をとる。
【0003】図3に示すトランスバーサルSAWフィルタの動作は、周知のように、入力側IDT23に電気信号を印加すると、IDT23の電極周期に応じた表面波が励起され、該表面波が圧電基板22上を伝搬し、出力側IDT24によってピックアップされて、電気信号に変換されて機能するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の携帯電話の発展に伴い、主に携帯電話の中間段に用いられるIFフィルタは更なる小型化が要求されている。IFフィルタとして用いられるトランスバーサルSAWフィルタにおいて、所望のフィルタ特性を得るには数百本程度のIDT対数が必要であり、また、IFフィルタの使用周波数は低いため、圧電基板のSAWの伝搬速度と周波数により決定される電極1周期当りの波長が大きい。従って、SAWの伝搬方向に対して垂直方向よりも平行な方向のほうがSAWフィルタ素子の基板寸法は大きくなる。例えば、CDMA方式に使われる中心周波数が110MHzや183.6MHzのIFフィルタのパッケージ寸法は7×5mmが一般的で、パッケージに実装されているSAWフィルタ素子の基板寸法は5.5×2.0mm程度である。
【0005】従来のワイヤボンディング構造のトランスバーサルSAWフィルタにおいて、IDT対数を減らすことによりSAWの伝搬方向に対して平行な方向のSAWフィルタ素子の基板寸法を小さくすることができる。しかしながら、IDT対数を減らすと通過帯域内のリップルが大きくなり帯域内平坦度が劣化してしまうため、基板寸法の小型化には限界があった。
【0006】これに対して、SAWフィルタ素子の基板寸法を小さくせずにパッケージ寸法を小さくする方法として、フリップチップボンディング(FlipChip Bonding:以下FCB)構造がある。FCB構造は、比較的SAWフィルタ素子の基板寸法が小さいRFフィルタ等でよく使われている。図4は、トランスバーサルSAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時の断面図で、SAWフィルタ素子のIDT23、24やボンディングパッド27、29等のフィルタ機能部を形成した圧電基板22の主面をパッケージの内底面と対面させて、SAWフィルタ素子上のボンディングパッド27、29とパッケージの端子電極36、36とをAu等からなる金属バンプ34にて導通接続し、トランスバーサルSAWフィルタを構成したものである。
【0007】しかしながら、RFフィルタに比べてSAWフィルタ素子の基板寸法の大きいトランスバーサルSAWフィルタ等のIFフィルタをFCB実装する場合、SAWフィルタ素子上に設けた数個のバンプのみで基板全体を支持しているので、SAWフィルタ素子とパッケージの接着強度が弱い。そのため、落下などの衝撃に絶えられずSAWフィルタ素子がパッケージから剥れてしまうという問題が発生する。本発明は、以上の問題を解決したものであって、小型で高品質なSAWフィルタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明に係る弾性表面波フィルタの請求項1記載の発明は、 圧電基板の主面上に弾性表面波を伝搬するためのIDTと該IDTと電気的に導通したボンディングパッドとを形成すると共に、該圧電基板に不要波を吸収するためのアブソーバを備えた弾性表面波フィルタ素子をパッケージ内にフリップチップボンディング実装した構造の弾性表面波フィルタにおいて、前記アブソーバが弾性表面波フィルタ素子とパッケージとの間を固定する接着剤として機能していることを特徴とする弾性表面波フィルタである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アブソーバは、チキソトロピー性を有する接着剤であることを特徴とする弾性表面波フィルタである。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記アブソーバは、熱硬化型接着剤であることを特徴とする弾性表面波フィルタである。 請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記金属バンプは、Auからなることを特徴とする弾性表面波フィルタである。請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記弾性表面波フィルタは、圧電基板の主面上に弾性表面波の伝搬方向に沿って2つのIDTを所定の間隔をおいて配置し、該圧電基板の弾性表面波の伝搬方向に沿った方向の両端部にアブソーバを配置したトランスバーサル型弾性表面波フィルタであることを特徴とする弾性表面波フィルタである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に図示した実施の形態例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る第1の実施例のSAWフィルタの構造を示す図であって、(a)はトランスバーサルSAWフィルタ素子の平面図、(b)はパッケージにFCB実装した時の断面図を示したものである。圧電基板2の主面上に表面波の伝搬方向に沿ってIDT3、4を所定の間隔を隔して配置すると共に、弾性表面波の伝搬方向に沿って圧電基板2の両端に端面からの表面波の反射を吸収するためのアブソーバ5が塗布されている。IDT3、4はそれぞれ互いに間挿し合う複数の電極指を有する一対の櫛形電極により形成され、IDT3の一方の櫛形電極は入力用ボンディングパッド6に接続し、他方の櫛形電極はアース用ボンディングパッド7に接続する。さらに、IDT4の一方の櫛形電極は出力用ボンディングパッド8に接続し、他方の櫛形電極はアース用ボンディングパッド9に接続して、トランスバーサルSAWフィルタ素子を構成する。そして、SAWフィルタ素子のIDT3、4及びボンディングパッド6〜9で構成されるフィルタ機能部とパッケージ1の内底面が対面するように、SAWフィルタ素子のボンディングパッド6〜9とパッケージの端子電極11とをAuからなる金属バンプ10を介して電気的導通をとる。本発明の特徴は、SAWフィルタ素子の圧電基板の両端部に塗布したアブソーバをパッケージに固着させることにより、金属バンプだけではなくアブソーバでもSAWフィルタ素子とパッケージとを接着固定したことである。
【0010】前記アブソーバは、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装する前に、予めアブソーバを圧電基板に塗布しておき、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時にアブソーバがパッケージに密着するようにアブソーバの厚みはSAWフィルタ素子とパッケージの底面との間隙よりも大きくする。また、本発明の構造においては、チキソトロピー性を持たせたエポキシ系、シリコン系、ポリイミド系等のアブソーバを用いる。チキソトロピー性とは、液に応力を加えて流動させると軟化が起きる、すなわち粘度が低下するが流動させることを止めると再び高粘度化する現象のことである。このようなチキソトロピー性を有する材料を攪拌して軟化させた状態で圧電基板上の所定の位置に塗布し、そのまま静止させることでアブソーバがその位置にとどまる。従って、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装する作業をしてもアブソーバが広がってIDTに接触してしまうことはない。また、FCB実装する際に圧力を加えることによりアブソーバが若干軟化するのでパッケージ下面になじんで接着剤として密着性が向上することになる。そして、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装後、乾燥することによりアブソーバを固着させる。
【0011】また、前記アブソーバを熱硬化型にすれば、SAWフィルタ素子をFCB実装する際に、金属バンプを導通固着させるために該SAWフィルタ素子を加熱するので、金属バンプとアブソーバとを同時に固着することができ、工数を削減することができる。
【0012】以上、本発明のSAWフィルタは、パッケージの小型化を実現すべくFCB構造にしたSAWフィルタにおいて、不要波を吸収するために基板に塗布するアブソーバを、SAWフィルタ素子とパッケージを固着するための接着剤としても機能させたことである。このような構造にすることでSAWフィルタ素子の基板上に設けたアブソーバによりSAWの不要波を吸収しフィルタ特性にノイズがはいるのを防止すると共に、SAWフィルタ素子を金属バンプのみならずアブソーバでも固着するためチップ剥れなどの不良品の発生を抑えることができ、更にはFCB構造なのでパッケージの小型化が実現できる。
【0013】図2は、本発明の第2の実施例であり、圧電基板13上に形成したIDT14、15及びボンディングパッド17等で構成されるフィルタ機能部とパッケージ12の底面が対面するように、SAWフィルタ素子のボンディングパッド17とパッケージの端子電極18とをAuからなる金属バンプ19でFCB実装した後、ディスペンサ等を用いて圧電基板13の両端部にアブソーバ16を充填した構成である。このように基板両端部にアブソーバを充填して被覆することで、SAWフィルタ素子とパッケージの接着をより強固なものとする。更に、両端部だけではなく圧電基板の全ての外周部にアブソーバを充填した構成にすれば、SAWフィルタ素子とパッケージ間の接着は完全なものとなる。
【0014】以上、トランスバーサルSAWフィルタの例について説明してきたが、本発明はそれのみに限らず、基板上にアブソーバを塗布したSAWフィルタ素子をFCB実装したSAWフィルタにおいても適用できることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように圧電基板上に不要波を吸収するためのアブソーバを設置したSAWフィルタ素子をFCB実装するにあたり、該アブソーバをSAWフィルタ素子とパッケージを固定する接着剤としたので、小型化、高品質化されたSAWフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るSAWフィルタの構造を示す図であり、(a)はトランスバーサルSAWフィルタ素子の平面図、(b)はパッケージにFCB実装した時の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る図であって、SAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時の断面図である。
【図3】従来のワイヤボンディング構造のSAWフィルタの平面図である。
【図4】従来のSAWフィルタ素子をパッケージにFCB実装した時の断面図である。
【符号の説明】
1、12…パッケージ
2、13…圧電基板
3、4、14、15…IDT
5、16…アブソーバ
6、7、8、9、17…ボンディングパッド
10、19…金属バンプ
11、18…端子電極
Claims (5)
- 圧電基板の主面上に弾性表面波を伝搬するためのIDTと該IDTと電気的に導通したボンディングパッドとを形成すると共に、該圧電基板に不要波を吸収するためのアブソーバを備えた弾性表面波フィルタ素子をパッケージ内にフリップチップボンディング実装した構造の弾性表面波フィルタにおいて、
前記アブソーバが弾性表面波フィルタ素子とパッケージとの間を固定する接着剤として機能していることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 請求項1記載の発明において、前記アブソーバは、チキソトロピー性を有する接着剤であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
- 請求項1記載の発明において、前記アブソーバは、熱硬化型接着剤であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
- 請求項1記載の発明において、前記金属バンプは、Auからなることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記弾性表面波フィルタは、圧電基板の主面上に弾性表面波の伝搬方向に沿って2つのIDTを所定の間隔をおいて配置し、該圧電基板の弾性表面波の伝搬方向に沿った方向の両端部にアブソーバを配置したトランスバーサル型弾性表面波フィルタであることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016104659A1 (ja) * | 2014-12-24 | 2016-06-30 | シチズンホールディングス株式会社 | 弾性表面波デバイス |
CN106525963A (zh) * | 2016-11-23 | 2017-03-22 | 北京无线电计量测试研究所 | 一种污水有害气体传感器和方法 |
-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003028956A patent/JP2004242044A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107112978A (zh) * | 2014-12-24 | 2017-08-29 | 西铁城时计株式会社 | 表面声波器件 |
JPWO2016104659A1 (ja) * | 2014-12-24 | 2017-10-05 | シチズン時計株式会社 | 弾性表面波デバイス |
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