JP2004240421A - 現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】スメア、スティッキング、部材汚れ防止および被転写材の巻き付きを発生することなく、耐オフセット性、定着性、耐ブロッキング性、及び保存性が良好であり、加熱定着方式の画像形成装置に好適に使用し得る現像剤を得る。
【解決手段】バインダー樹脂中に、10〜50%の結晶化度を有する結晶性樹脂を含有し、昇温時のDSC吸熱ピークの温度と、降温時のDSC発熱ピークの温度とが異なる現像剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法等における静電荷像、磁気潜像を現像するための現像剤に係り、特に、加熱定着方式の画像形成装置に適する現像剤に関する。
近年の省エネルギー対策として、具体的には、薄肉の芯金を有する加熱ローラを使用し、加熱ローラ自体が保持し得る熱量すなわち熱容量を低減し、蓄熱までの時間を短縮するということが行われている。この場合、その低い熱容量のために、転写材例えば紙が通過する時に加熱ローラ表面の温度低下が顕著となる。
一方、トナーには、シリコンオイルの供給装置を使用することなく、そのかわりに、トナー中からオフセット防止剤を供給しようという考えがあり、トナー中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどの離型剤を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
使用されるワックス類は、トナーの低温時や高温時の耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向上に有効である。しかしながら、これらの性能を向上させる反面、耐ブロッキング性を悪化させ、また、画像形成装置内の昇温などによって熱にさらされると現像性を悪化させ、さらには長期放置時にワックスがグル−ミングして現像性を悪化させるといった問題があった。
このように、従来のトナーには、耐オフセット性、定着性、耐ブロッキング性、及び保存性等のすべてを満足するものは無く、何らかの問題点が生じていた。
特公昭52−3304号公報
本発明は、スメア、スティッキング、部材汚れ防止および被転写材の巻き付きを発生することなく、耐オフセット性、定着性、耐ブロッキング性、及び保存性が良好であり、加熱定着方式の画像形成装置に好適に使用し得る現像剤を得ることを目的とする。
本発明は、第1に、10〜50%の結晶化度を有する結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの温度と、降温時のDSC発熱ピークの温度とが異なる現像剤を提供する。
本発明は、第2に、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの温度が100ないし135℃、降温時のDSC発熱ピークの温度が70ないし120℃、DSC発熱ピークに対する該DSC吸熱ピークの熱量比が1ないし2である現像剤を提供する。
本発明は、第3に、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの立ち上がり温度が、DSC吸熱ピークの温度とDSC吸熱ピークの温度より30℃低い温度との間であり、かつ降温時のDSC発熱ピークの立ち上がり温度が、DSC発熱ピークの温度とDSC発熱ピークの温度より20℃高い温度との間である現像剤を提供する。
本発明は、第4に、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、降温時のDSC発熱ピークの温度をy、及びその降温速度をxとするとき、下記関係式を満足する現像剤を提供する。
y=−a×Ln(x)+b
0.5≦a≦10, 60≦b≦100
本発明によれば、優れた耐オフセット性が得られて、その定着可能温度域が広くなり、優れた定着性が得られて、定着率が高い現像剤が得られる。また、耐ブロッキング性、及び保存性が良好となる。
本発明者らは、上記従来技術の問題を改善すべく、鋭意検討を重ねた結果、現像剤に含まれるバインダー樹脂成分として、特定の熱的特性を有する結晶性物質(線状化合物)を使用することにより、優れた現像剤の耐オフセット性、定着性、耐ブロッキング性、及び保存性が得られることを見出し、かかる知見に基いて、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の観点に係る現像剤は、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含む現像剤であって、使用される結晶性樹脂は10〜50%の結晶化度を有し、また、この現像剤は、その示差走査熱量計を用いた示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピーク温度と、降温時のDSC発熱ピーク温度とが異なることを特徴とする。
本発明によれば、10〜50%の結晶化度を有する結晶性樹脂を含有し、昇温時のDSC吸熱ピーク温度と、降温時のDSC発熱ピーク温度とが異なる現像剤を使用することにより、優れた耐オフセット性が得られて、その定着可能温度域が広くなり、優れた定着性が得られて、定着率が高くなる。また、耐ブロッキング性、及び保存性が良好となる。耐オフセット性としては、定着器により加熱された直後に急激に粘度が低下してトナーの紙への定着性が向上するため低温オフセットが向上する。さらに、定着後、低い温度まで徐々に粘度が高くなってトナーの定着ローラへの付着が軽減されるため高温オフセットが良好になる。
本発明に係る現像剤を示差熱分析装置により測定して得られるDSC曲線の一例を図1に示す。
図中、曲線101は降温時の熱量の変化を、曲線102は昇温時の熱量の変化を示している。
示差熱分析装置による測定では、まず、0℃にて1分間放置した後、10℃/分で200℃まで昇温し、その際に測定される吸熱ピークを示す温度を求めることができる。次に、200℃にて1分間放置する。その後、10℃/分の条件で降温し、その際に測定される最大の発熱ピークを示す温度を求めることができる。示差熱分析装置としては、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7等を使用することが出来る。
曲線101に示すように、昇温時は、温度T1(以下、吸熱の立ち上がり温度という)まで昇温した場合に吸熱が始まり、その吸熱量は吸熱ピーク温度T2すなわち130℃で最大となる。さらに昇温すると吸熱量は急速に低下し、その後、熱量がほぼ一定となる。
また、曲線102に示すように、降温時は、温度T3(以下、発熱の立ち上がり温度という)まで降温した場合に発熱が始まり、その発熱量は発熱ピーク温度T4すなわち73.8℃で最大となる。さらに降温すると発熱量は急速に低下し、その後、熱量がほぼ一定となる。
現像剤のDSC曲線の挙動は、使用される結晶性樹脂の熱的特性に依存する。但し、結晶性樹脂の添加量が少ない場合には、十分なピークが得られない場合がある。
DSC発熱ピーク温度は、使用される結晶性の熱的特性の影響により、DSC吸熱ピーク温度よりも低温側にシフトし得る。
本発明に使用される結晶性樹脂は、例えばその結晶化度が約10ないし50%、好ましくは30ないし40%であり、非晶質の樹脂に比べ、温度の増加に対し、その粘度が急唆に減少する狭い温度領域を有する。結晶化度が10%より低いと溶融に時間がかかり、定着性の向上効果が低下する傾向がある。また、結晶化度が50%より高いと再結晶化までに時間がかかり、加熱溶融後にかなり低い温度まで冷却しないと再結晶化しないために、重ね合わせた画像が裏写りする現象が発生して、画像の品質を損ねてしまう傾向がある。尚、結晶化度はX線回折装置により得られる回折ピーク強度の大きさにより求められる。
本発明では、このような結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂が好ましく使用される。
ポリエステル樹脂について、結晶質特性と非晶質特性の違いを、その溶融特性を表すグラフを用いて示す。
図2に、結晶質特性を有し、120℃の軟化点を持つポリエステル樹脂の一例と、非晶質特性を有し、105℃の軟化点を持つポリエステル樹脂の一例についてその溶融粘度と温度との関係を表すグラフを示す。
図示するように、グラフ201で表される非晶質特性を有するポリエステル樹脂の粘度は、温度の増加に対し、広い温度領域でなだらかに減少する。これに対し、グラフ202で表される結晶質特性を有するポリエステル樹脂は、温度の増加に対し、その粘度が急唆に減少する狭い温度領域を有することがわかる。
また、本発明の第2の観点に係る現像剤は、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含む現像剤であって、昇温時のDSC吸熱ピーク温度が100ないし135℃、かつ降温時のDSC発熱ピーク温度が70ないし120℃、発熱量に対する吸熱量の熱量比が1ないし2である。
ここでいう発熱量とは、図1の斜線で示す領域1の面積、吸熱量とは、斜線で示す領域2の面積に相当する。
本発明の現像剤を適用し得る定着器の加熱温度は、約120℃ないし約230℃好ましくは約120ないし約190℃である。昇温時のDSC吸熱ピーク温度が100ないし135℃であると、加熱温度で溶融されたバインダー樹脂中の結晶性樹脂が、より低粘度化し得、現像剤が被転写材に接着し易くなる。また、降温時のDSC発熱ピーク温度が70ないし120℃であると、定着器内で加熱された状態の被転写材が、定着器から搬出されて冷却されたとき、冷却により固化されるバインダー樹脂中の結晶性樹脂がより迅速に固化し、良好な定着性が得られる。
さらに、本発明の第3の観点に係る現像剤は、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含む現像剤であって、昇温時のDSC吸熱ピークの立ち上がり温度T1が、DSC吸熱ピークの温度T2とDSC吸熱ピークの温度T2より30℃低い温度との間であり、かつ降温時のDSC発熱ピークの立ち上がり温度T3が、DSC発熱ピークの温度T4とDSC発熱ピークT4の温度より20℃高い温度との間である。
第3の観点に係る現像剤によれば、上述のように、DSC吸熱ピークの温度とDSC吸熱ピークの立ち上がり温度との差が小さく、吸熱の挙動が急嗟である方が好ましい。これにより、バインダー樹脂中の結晶性樹脂が、加熱時により迅速に低粘度化し得、かつ冷却時により迅速に固化し得ることから、定着性を良好にし得る。
さらにまた、本発明の第4の観点に係る現像剤は、結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含む現像剤であって、降温時のDSC発熱ピークの温度をy℃、及びその降温速度をx℃/分とするとき、下記関係式を満足する。
y=−a×Ln(x)+b
0.5≦a≦10, 60≦b≦100
DSC発熱ピークの温度は、降温速度により変化する。
示差熱分析により得られるDSC曲線において、昇温過程での吸熱ピーク温度と、降温過程(再結晶化)における発熱ピーク温度のうち、発熱ピーク温度は、降温速度によって変化する。
このとき、降温速度が早いほど発熱ピーク温度は低くなる。実際の画像形成装置の定着工程において、そのプロセス条件により多少の違いはあるけれども、現像剤が定着器内で加熱される時間は通常約1秒以下、定着温度は例えば約160℃である。定着された記録紙は、その後すぐに定着器から排紙され、これにより現像剤は160℃の高温環境から例えば25℃の環境に曝され、その温度は急速に降温する。このような早い降温速度で冷却される場合、記録紙上のトナーに含まれる結晶性樹脂の発熱ピーク温度は、排紙された紙の温度よりも低くなる場合がある。
この場合、排紙直後のトナー中に含有される結晶性樹脂は、結晶化されず、粘性を持った状態にある。このため、排紙されて積み重ねられたとき、隣接する記録紙の裏面に貼り付いて、トナーの裏写りという現象で生ずる場合がある。また、定着ローラとの離型性が悪い場合には、定着ローラに巻き付いたり、定着ローラ表面にトナーが付着していわゆるオフセットを生じることにより、画像を汚して、定着ローラのクリーニング機構の寿命を短くする場合がある。
このような不具合を解決するために、上記式を満足する現像剤を使用することが好ましい。
上記式は、DSC測定における降温速度x(℃/分)の対数と発熱ピークy(℃)が直線関係にあることを示している。
本発明の第4の観点によれば、この直線の傾きaと切片bが0.5≦a≦10,60≦b≦100の範囲であることにより、トナーの裏移り、記録紙の巻き付き、オフセット、及びクリーニング機構の寿命低下等の発生を防ぐことが出来る。
図3は、上記関係式で表される降温速度x(℃/分)の対数と発熱ピークy(℃)の範囲を表す図を示す。
切片bの範囲が重要であり、bが60℃よりも小さな値を示す場合には、トナー、特にトナー中に含有される結晶性樹脂は、結晶化されず、粘性を持った状態にあると考えられる。特に、排紙後に積み重ねられた記録紙の温度が60℃よりも高いとき、裏写りが起こる可能性がある。一方、bが100℃よりも大きな値を示す場合には、定着装置からの熱を受けたときに十分に粘性状態にならないために、定着強度が低下してしまう。
傾きaは、トナーが冷却されたときの、トナー、特にトナー中の溶融した結晶性樹脂再結晶化の程度を表している。
傾きaの値が小さければ再結晶化しやすく、粘度の低下は急激に起こる。一方、傾きaの値が大きければ再結晶化しにくく、粘度の低下は緩やかに起こる。aが0.5よりも小さい場合には、粘性状態が短すぎて、定着強度が低下する傾向がある。逆に、aが10よりも大きい場合には、粘性状態が長すぎて、トナーの裏写りが発生する傾向がある。
また、図4に本発明の現像剤を適用し得る定着装置の構成の一例を表す図を示す。
この定着装置は、加熱ローラ40と、この加熱ローラ40に当接する加圧ローラ41とを備え、加熱ローラ40は、芯金44と、その表面にフッ素系樹脂からなる被覆層45を有し、内部に加熱体43を有する。また、加圧ローラ41は、芯金46と、その表面に被覆された例えばシリコンゴム層42を有し、加熱ローラ40に対し、所定の荷重で当接されている。
芯金44は、例えばアルミニウム、鉄および銅より選択された金属あるいはそれらの合金から構成され、その内径は例えば10〜50mmである。芯金44の肉厚は例えば約0.1〜2mmであり、この厚さは、省エネルギーのための薄肉化と、強度とのバランスを考慮して決定される。例えば0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を得るためには、アルミニウムよりなる芯金の場合、0.8mmの肉厚を必要とする。
被覆層45を構成するフッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン,PTFE,及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,PFA,などを例示することができる。被覆層45の厚みは50〜1000μmとされる。
熱源43としては、例えば電磁誘導コイル及びハロゲンヒーターを好適に使用することができる。なお、熱源は1本のみでなく、分割した複数の熱源を内包させて、通過する被転写材の幅に応じて配熱領域を変更できるような構成とすることも可能である。
加圧ローラ40は、芯金42と、その表面に被覆された例えばシリコンゴムからなる被覆層46とからなる。芯金42は、例えばアルミニウム、鉄などの金属またはそれらの合金から構成されている。被覆層46の厚みは、例えば1〜30mmである。被覆層46を構成するシリコンゴムのアスカーC硬度は例えば35〜90であり、シリコンスポンジゴムを適用することができる。
加熱ローラ40と加圧ローラ41との当接荷重(総荷重)は、例えば300〜900Nである。この当接荷重は、芯金44の肉厚による加圧ローラ40の強度を考慮して規定され、例えば0.3mm厚の鉄よりなる芯金を有する加圧ローラあっては、500N以下とすることが好ましい。
本発明の現像剤を用いて現像及び転写された現像剤像を有する被転写材を、上記定着装置に適用することにより、現像剤像を加熱及び溶融し、加圧することにより、被転写材上に定着することが出来る。
なお、耐オフセット性および定着性の観点から、定着装置のニップ幅は例えば4〜8mmである。
本発明の現像剤に使用されるバインダー樹脂は、好ましくは、上記結晶性樹脂と非晶質特性を有するバインダー樹脂を含有する。
非晶質特性を有するバインダー樹脂と結晶性樹脂とが互いに独立した状態で存在していることが好ましい。結晶性樹脂はシャープに溶解し、その溶融した状態で非晶質特性を有する樹脂を溶解する作用が働き、結果としてトナー全体の溶融粘度を下げて、定着性を向上することができる。また、非晶質特性を有するバインダー樹脂と結晶質特性を有する樹脂とが互いに独立して存在することにより、高温側での弾性率の低下を抑えることが可能となるため、耐オフセット性も損なうことがない。
バインダー樹脂全重量に対し、非晶質特性を有するバインダー樹脂は、好ましくはその含有量が70重量%ないし98重量%、さらに好ましくはその含有量が80重量%ないし95重量%である。結晶性樹脂は、バインダー樹脂全重量に対し、好ましくはその含有量が2重量%ないし30重量%、さらに好ましくはその含有量が5重量%ないし20重量%である。
非晶質特性を有する樹脂の含有量が98重量%を超えると、環境安定性は良いけれども、低温定着性、耐オフセット性が劣る傾向があり、70重量%未満であると、低温定着性は良いけれども、部材汚れ、保存性、耐ブロッキング性が劣る傾向がある。
結晶性樹脂の含有量が30重量%を超えると、低温定着性は良いけれども、スティッキング、保存性、耐ブロッキング性に劣る傾向があり、2重量%未満であると、低温定着性、耐オフセット性が劣る傾向がある。
本発明に使用される結晶性樹脂は、2価以上の多価カルボン酸化合物からなるカルボン酸成分を含有した単量体と、2価以上の多価アルコールからなるアルコール成分を用いて得られる。酸成分としてフマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、もしくはドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸およびこれらの酸の無水物、アルキルエステル等の誘導体があり、アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等の脂肪族ポリオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ポリオール、ビスフェノールA等のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物等をあげることができる。特に、炭素数16以上のアルキルもしくはアルケニル基を有したもの、炭素数2〜6のジオールを80モル%以上含有したアルコール成分とフマル酸を80モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、通常ワックス状の結晶性化合物であり、軟化点が110〜150℃、ガラス転移点100〜140℃で、融点とガラス転移点との差が0.1〜10℃の範囲内にある樹脂が望ましい。これらは1種類又は2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明に使用される非晶質特性を有するバインダー樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコン樹脂ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。好ましいバインダー樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
本発明に用いるワックスとしては、結晶性樹脂の融点よりも10℃以上低い融点を有する第2のワックスと、結晶性樹脂の融点よりも10℃以上高い第1のワックスの少なくとも2種類のワックスを用いることが好ましい。このようなワックスとして、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸価ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスの如き植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものがあげられる。
第1のワックスとしては、融点が120℃以上のワックス例えば高密度の低分子量ポリエチレン(124〜133℃)、低分子量ポリプロピレン(145〜164℃)などが例示される。
また、第2のワックスとして、融点が130℃以下のワックス例えばキャンデリラワックス(71℃)、カルナバワックス(83℃)、ライスワックス(79℃)、ホホバオイル(95℃)、白ロウ(53℃)、蜜ろう(64℃)、などの植物系ワックスや動物系ワックス、パラフィンワックス(80〜107℃)などの脂肪族炭化水素系ワックス、長鎖エステルワックス(90〜95℃)、脂肪酸エステルワックス(60〜82℃)、酸性基を有する(73℃)、ステアリン酸亜鉛(123℃)などの脂肪酸金属塩、モンタンワックス(79〜89℃)、モンタン酸エステルワックス(56〜92℃)、及び低密度の低分子量ポリエチレン(103〜124℃)などが例示される。
第1のワックスは、バインダー樹脂及び着色剤等の混練時に混入することができる。あるいは非晶質特性を有するバインダー樹脂の重合時に添加することができる。その添加量は、溶液中の樹脂固形分100重量部に対して、ワックス0.1〜8重量部であることが好ましい。この範囲であると、ワックスの分散がより良好になり、好ましい。
また、第2のワックスは、バインダー樹脂及び着色剤等の混練時に混入することができる。あるいは結晶性樹脂の重合時に添加することができる。その添加量は、溶液中の樹脂固形分100重量部に対して、0.1〜8重量部であることが好ましい。これにより、ワックスの分散がより良好になり得る。
上記各ワックスは、任意に組み合わせて用いることが出来る。融点の低いワックスは可塑化作用を発揮し得、トナーの低温定着性に寄与し、結晶性樹脂の効果をさらに高め得る。また、融点の高いワックスは離型作用に対する効果を発揮し得、耐高温オフセット性に寄与し得る。
本発明に用いる着色剤としては、カーボンブラックや有機もしくは無機の顔料や染料などが用いられる。カーボンブラックでは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチエンブラックなどを、顔染料としては、例えばファーストイエローG、ベンジジンイエロー、インドファストオレンジ、イルガジンレッド、カーミンFB、パーマネントボルドーFRR、ピグメントオレンジR、リソールレッド2G、レーキレッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブル−、ブリリアントグリーンB、フタロシアニングリーン、及びキナクリドン等を、単独で、あるいは混合して使用することができる。
本発明の現像剤には、摩擦帯電電荷量を制御するための帯電制御剤等を配合することができる。
帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、またはその混合物が好ましい。
また、例えば含金属サリチル酸誘導体化合物が用いられ、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、またはその混合物が好ましい。
また、本発明の現像剤には、結晶性を含有するバインダー樹脂及び着色剤を含むトナー粒子に、流動性や帯電性を付与するために、トナー粒子全重量に対し0.2〜3重量%の無機微粒子を混合することができる。
このような無機微粒子として、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム、及び酸化錫等を単独であるいは2種以上混合して使用することができる。無機微粒子は、疎水化剤で表面処理されたものを使用することが環境安定性向上の観点から好ましい。
また、このような無機酸化物以外に、トナー粒子に対し、例えば粒径1μm以下の樹脂微粒子を、クリーニング性向上のために、混合してもよい。
本発明の現像剤は、キャリアと混合した二成分現像剤として使用することができる。
キャリアとして、キャリア粒子が(MO)x(Fe23)Y、X/Y<1.0で、MはLi、Mg、Mn、Fe(II)、Co、Ni、Cu、Zn、Cd、Sr、Baからなる群から選ばれた1種または2種以上の金属からなるコア粒子に、シリコン樹脂が被覆され、250V/2.0mmギャップの抵抗値が、例えば1×1010〜3×1012である、約60〜30μmの粒子径を有するフェライトキャリアを好ましく用いることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
なお、文中、単に部とあるのは、重量部を意味する。
実施例
図4の同様の構成を有し、表面にPFAチューブ層を有する40mm径の加熱ローラと、この加圧ローラに700Nで圧接され、表面にシリコンゴム層を有する30mm径の加圧ローラとを有する定着装置を用意し、加熱ローラに接触されたサーミスタにより、160℃に温度調節した。ニップは6mmになるように加圧力を微調整をした。定着スピードは200mm/秒とした。
実施例1ないし9
トナー粒子材料組成
バインダー樹脂
(軟化点100℃と軟化点150℃のポリエステル樹脂を重量比6:4で混合したもの) 100部
下記表1−1,表1−2に示す熱的特性を有する
結晶性ポリエステルAないしI 5部
着色剤(銅フタロシアニン青色顔料) 6部
荷電制御剤(ジルコニウム塩有機金属化合物) 1部
第1のワックス ポリプロピレンワックス(融点150℃) 2部
第2のワックス ライスワックス(融点79℃) 2部
Figure 2004240421
Figure 2004240421
上記組成の材料をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押し出し機により溶融混練した。
得られた溶融混練り物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、次いで、ジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均径9μmのトナー粒子を得た。 得られたトナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と疎水性酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにより添加混合し、トナーを得た。
得られたトナーについて、以下のような試験、評価を行った。また、得られた結果を下記表2に示す。
定着最低温度
最低定着温度は、75%以上の定着残存率を得る温度とした。
定着残存率は、定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で、加重400N、ニップ幅7.5mm、定着送り速度200mm/secの条件でトナー像を転写した転写用紙を定着器により定着処理を行い、形成された定着画像に対して画像部の画像濃度を測定し、その画像部を100%コットンパットで摩擦を施した後、画像濃度を再度測定して、以下の式で算出することにより求めた。
定着残存率=摩擦後の画像濃度/摩擦前の画像濃度×100(%)
非オフセット領域
非オフセット範囲の測定は、トナー像を転写して上記条件で定着処理を行い、トナーの汚れが生ずるか否かを観察する操作を、定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で行い、低温度域で発生する低温オフセット、高温度領域で発生する高温オフセットのいずれも発生しない温度領域を非オフセット範囲とした。
スメアレベル
スメアレベルの測定は、スメアレベルを10段階に分けた見本を作成し、これと照合して評価した。ここでは、スメアレベルは、非オフセット範囲温度における平均値とした。このスメアレベルは、値が小さい程、良好であることを示す。
スティッキングレベル
スティッキングは、800枚連続印字し、排紙画像を排紙トレイに積み上げ、一定時間後に下の画像が、上の記録紙の裏面に裏写りしているかどうかを100枚おきに観察し、評価した。
裏写りが全くない場合を二重丸、裏写りがほとんどない場合を○、裏写りはないが非転写材同士が張り付いて剥がすときに音が出る場合を△、裏写りした画像が明らかにわかる場合を×として各々評価した。
部材汚れ
部材汚れは、10万枚印字後の加圧ローラ、定着分離爪、サーミスタの表面へのトナーなどの汚染物の付着と記録紙の表/裏の画像汚れの状況を総合的に観察した。
付着物が無く、記録紙の画像汚れもない場合を二重丸、付着物がほとんどなく、記録紙の画像汚れもほとんどない場合を○、付着物はあるが、転写材への画像汚れは見られない場合を△、及び付着物が多く、画像汚れによる欠陥が生じる場合、サーミスタの温度検知異常が生じる場合、あるいは爪部分でジャムが発生する場合を×と各々評価した。
保存性
100ccのポリビンに20gのトナーを計り入れ、これを55℃の温水中に浸漬して8時間後、室温まで放冷したトナーを60メッシュの振動ふるいで30秒間篩った後の篩い上の残量を計量した。この値が2g以下あるとき良好であることを示す。
耐ブロッキング性
100mlのガラス瓶に20gのトナーを入れ、温度50℃、湿度90%に設定した環境槽に200時間放置した後のトナーの状態を観察した。全くブロッキングが発生しない場合を○、ソフトケーキングしている場合を△、ハードケーキングしている場合を×と各々評価した。
Figure 2004240421
実施例1ないし5は、第1ないし第4の発明に係る条件すなわち
(1)現像剤の発熱ピーク温度と吸熱ピーク温度が異なること、
(2)現像剤のDSC吸熱ピークの温度が100ないし135℃、その降温時のDSC発熱ピークの温度が70ないし120℃、及びこのDSC発熱ピークに対するDSC吸熱ピークの熱量比が1ないし2であること、
(3)現像剤のDSC吸熱ピークの立ち上がり温度が、そのDSC吸熱ピークの温度とDSC吸熱ピークの温度より30℃低い温度との間であり、その降温時のDSC発熱ピークの立ち上がり温度が、DSC発熱ピークの温度とDSC発熱ピークの温度より20℃高い温度との間であること、及び
(4)降温時のDSC発熱ピークの温度及びその降温速度が、下記関係式を満足すること
y=−a×Ln(x)+b
0.5≦a≦10, 60≦b≦100
の全てを満足していた。
この実施例1ないし5に係る現像剤は、最低定着温度も問題がなく、非オフセット範囲が広く、スメアレベル、スティッキングレベル、部材汚れ、保存性、及び耐ブロッキング性共に良好であった。上記条件(1)ないし(4)を満足する現像剤を用いることにより、良好な定着性を確保し、耐オフセット性、耐スメア性、耐スティッキング性、部材汚れ防止および巻き付き防止の向上を図り、長期にわたり鮮明な画像を形成し得ることがわかった。
実施例6は、結晶化度が50%を超えていることから、上記条件(1)を満足せず、吸熱ピーク温度が100℃以下であり、熱量比が2以上であることから条件(2)を満足せず、a値が10以上,b値が60未満であることから条件(4)を満足していなかった実施例6では、全てにおいて実施例1ないし5よりも劣った評価となった。
実施例7は、結晶化度が10%未満であることから上記条件(1)を満足せず、吸熱ピーク温度が130℃より高く、発熱ピーク温度が120℃よりも高いことから条件(2)を満足しておらず、a値が0.5未満、b値が100℃を超えることから条件(4)を満足していなかった。実施例1ないし実施例5の現像剤と比較すると、スティッキングレベル及び部材汚れは、それほど低下しなかったけれども、最低定着温度が多少高く、非オフセット領域が多少狭くなり、スメアが多少発生し、保存性及び耐ブロッキング性が多少低下していた。
実施例8は、結晶化度が10%未満であることから上記条件(1)を満足せず、発熱ピークが70℃より低いことから条件(2)を満足せず、発熱ピークの立ち上がり温度と発熱ピーク温度との差が20℃を超えていることから条件(3)を満足せず、a値が0.5より低く、b値が60より低いことから条件(4)を満足していなかった。実施例1ないし実施例5の現像剤と比較すると、実施例8に係る現像剤の評価は全体的にやや劣っていた。
また、実施例9は、結晶化度が50%を超えていることから条件(1)を満足せず吸熱ピーク温度が130℃より高く、発熱ピーク温度が120℃よりも高く、熱量比が2を超えていることから条件(2)を満足せず、吸熱ピークの立ち上がり温度と吸熱ピーク温度との差が30℃を超えてていることから条件(3)を満足せず、a値が10より高く、b値が100より高いことから条件(4)を満足していなかった。実施例9に係る現像剤は、裏写りは発生せず、保存性、耐ブロッキング性も良好であるけれども、実施例1ないし実施例5の現像剤と比較すると、最低定着温度が高く、非オフセット領域が狭く、スメア、部材汚れが多少発生していた。
実施例1ないし9に示すように、例えばバインダー樹脂として結晶性ポリエステルを用いると、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの温度と、降温時のDSC発熱ピークの温度が異なる現像剤が得られる。
また、実施例1ないし9から、単に結晶性樹脂を含有する現像剤ならば何でも良いわけではなく、結晶性樹脂の物性例えば結晶化度、及び現像剤の物性例えばDSC吸熱ピークの温度、DSC発熱ピークの温度、DSC発熱ピークに対するDSC吸熱ピークの熱量比、DSC吸熱ピークの立ち上がり温度、DSC発熱ピークの立ち上がり温度、及びDSC発熱ピークの温度と降温速度の関係等により、現像剤特性が異なることがわかる。さらに、本願発明に係る上記条件(1)ないし(4)のうち少なくとも1つを満足することにより、より良好な特性を有する現像剤が得られ、全てを満足する場合はさらに優れた特性を有する現像剤が得られることがわかる。
本発明の現像剤のDSC曲線の一例を表すグラフ図 結晶質及び非晶質ポリエステル樹脂の一例についてその溶融粘度と温度との関係を表すグラフ図 降温速度x(℃/分)の対数と発熱ピークy(℃)の範囲を表すグラフ図 本発明の現像剤を適用し得る定着装置の構成の一例を表す図
符号の説明
1…、2…、40…加熱ローラ、41…加圧ローラ、42…シリコンゴム層、43…加熱体、44,46…芯金、45…被覆層

Claims (4)

  1. 10〜50%の結晶化度を有する結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの温度と、降温時のDSC発熱ピークの温度とが異なる現像剤。
  2. 結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの温度が100ないし135℃、降温時のDSC発熱ピークの温度が70ないし120℃、該DSC発熱ピークに対する該DSC吸熱ピークの熱量比が1ないし2である現像剤。
  3. 結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、昇温時のDSC吸熱ピークの立ち上がり温度が、DSC吸熱ピークの温度と該DSC吸熱ピークの温度より30℃低い温度との間であり、かつ降温時のDSC発熱ピークの立ち上がり温度が、DSC発熱ピークの温度と該DSC発熱ピークの温度より20℃高い温度との間である現像剤。
  4. 結晶性樹脂を含有するバインダー樹脂、及び着色剤を含み、その示差熱分析装置により測定されるDSC曲線において、降温時のDSC発熱ピークの温度をy、及びその降温速度をxとするとき、下記関係式を満足する現像剤。
    y=−a×Ln(x)+b
    0.5≦a≦10, 60≦b≦100
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