JP4498078B2 - カラートナー、及び、該カラートナーを用いたフルカラー画像形成方法 - Google Patents

カラートナー、及び、該カラートナーを用いたフルカラー画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるトナーに関するものである。
近年、複写機やプリンターは、省スペース及び省エネなどの要求から、より小型化、軽量化、高速化及び高信頼性が求められている。その結果、ハード構成は種々の点でシンプルな要素で構成されるようになっているのに対して、トナーに要求される性能はより高度になっている。つまり、トナーの性能向上が達成できなければ優れたハードを提供できなくなりつつある。特にトナーの性能に求められるのが転写能である。このトナーの転写能を向上させることで、トナー消費量低減、高画質化及びトナー回収システムの簡素化といったメリットを得られる。
そこで、トナーの転写能を向上させる手法の一つとして、トナーの形状を球形に近づけることが近年行われてきている。例えば懸濁重合や乳化重合などの重合法によって製造される重合トナーを用いることや、粉砕トナーを溶液中で球形化すること、また熱風により球形化すること(例えば、特許文献1参照。)や、機械的衝撃力で球形化すること(例えば、特許文献2参照。)が挙げられる。これら技術は、トナーの転写能の向上させるために非常に有効な手段ではあるが、それぞれ種々の課題がある。重合トナーを用いる場合、離型剤がトナー中に内包化されるため、定着時にトナーに適度に圧力をかけないと、離型剤がトナー表面に出にくくなり定着能が劣ってしまうことがある。また、粉砕トナーを機械的衝撃力で球形化させる場合、球形化を進めれば進めるほど、熱によりトナー中に含有している離型剤がトナー表面に溶出しやすくなり、電子写真特性に悪影響を及ぼすことがある。つまり、離型剤がトナー表面に溶出することで、トナーの流動性が悪化したり、また、トナー同士、及び/または、トナーとキャリアとの付着性が高まることで、転写能を損なってしまう。したがって、離型剤を内添しているトナーの球形化においては、球形化されやすいトナー構成材料の選定することや、球形化工程時のトナーへの熱履歴の影響を抑えることが重要となる。
上記のように、球形度を向上させた、離型剤を内添しているトナーを使いこなすために、例えば、特許文献3ではトナーの平均円形度と円形度分布をコントロールし、トナーの転写能及び帯電能をコントロールすることが提案されている。しかし、特許文献3では、トナーに用いられる結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂が用いられており、ポリエステルを主成分とするカラートナーについて言及されていなかった。
また、トナーの球形化の工程、特に機械的衝撃によるトナーの球形化の工程では、非常に小さな微粉(超微粉)が発生し易く、これらの超微粉が球形化されたトナーと再凝集するため、このトナーの球形化の工程以降に分級工程を施したとしてもトナーからこの超微粉を除去することは難しく、製品中に混入し易い。この超微粉は、現像工程において、過剰に帯電し、スリーブ或いは二成分現像方式におけるキャリアに静電付着によって汚染して、後から供給されるトナーの帯電不良を引き起こすこともあった。
こうした超微粉の量の抑える提案も数々されている。例えば、特許文献4及び特許文献5においては、分級工程後に機械的衝撃により超微粉をトナー表面に打ち込む方法が提案されている。しかし、長期の耐久による現像部及びトナー容器内での攪拌により、トナー表面に打ち込んだ超微粉の剥がれが発生し、現像性に悪影響を与えることがあった。
以上のことから、離型剤を含有するカラートナーにおいて、優れた転写能、耐久性及び帯電特性を有するカラートナーが求められていた。
特開2000−029241号公報 特開平07−181732号公報 特開平10−097095号公報 特開平10−232507号公報 特開平11−149174号公報
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決したトナーを提供することにある。つまり、本発明の目的は、トナー粒子の粒子形状及び表面性を制御し、転写特性、現像特性及び耐久安定性に優れたカラートナー及び該トナーを用いたフルカラー画像形成方法を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するカラートナーにおいて、
(i)該トナー粒子中の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が、0.920以上0.950未満であり、
(ii)該トナー粒子中の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が35%以下であり、
(iii)該トナー粒子中の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が25%以下であり、
(iv)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、0.1≦A<15.0を満たし、
(v)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)、及び、2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)が、0.5<B/C<4.0を満たし、
該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上35.0nm未満であり、該結着樹脂がポリエステルユニットを有し、該トナー粒子は、表面改質工程を経て得られ、該表面改質工程が、回分式の表面改質装置を用いて行われ、該回分式の表面改質装置には、所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有し、該微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、所定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを繰り返す工程であることを特徴とするカラートナーを提供することにある。
また、本発明の目的は、マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナー及びブラックトナーを少なくとも用いて画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、
該マゼンタトナー、該イエロートナー、該シアントナー及び該ブラックトナーからなる群より選択されるカラートナーのうち少なくとも一種が、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するカラートナーであり、
(i)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が、0.920以上0.950未満であり、
(ii)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が35%以下であり、
(iii)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が25%以下であるカラートナーであり、
(iv)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、0.1≦A<15.0を満たし、
(v)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)、及び、2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)が、0.5<B/C<4.0を満たし、
該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上35.0nm未満であり、該結着樹脂がポリエステルユニットを有し、該トナー粒子は、表面改質工程を経て得られ、該表面改質工程が、回分式の表面改質装置を用いて行われ、該回分式の表面改質装置には、所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有し、該微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、所定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを繰り返す工程であることを特徴とするフルカラー画像形成方法を提供することにある。
本発明によれば、トナー粒子の粒子形状及び表面性を制御したトナーを用いることにより、転写特性、現像特性及び耐久安定性に優れたカラートナーを提供することができる。また、十分な定着可能領域を有し、連続耐久においても十分な現像性が得られ、さらに容易に十分なクリーニングができるため、高画質な画像を形成できる。
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明において使用するトナーについて説明する。
本発明においてトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するカラートナーであって、
(i)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が、0.920以上0.950未満であり、
(ii)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が40%以下であり、
(iii)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が30%以下であることを特徴とするカラートナーである。
また、フロー式粒子像測定装置における円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が0.925以上0.940以下であることが好ましい。円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が35%以下であることが好ましい。円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が25%以下であることが好ましい。
なお、本発明において、カラートナーとは、ブラックトナーを含む。
ここで、フロー式粒子像測定装置における円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度が0.920未満であると、トナー粒子同士、またトナーとキャリア間の接触面積が大きくなり、トナー離れを阻害してしまい、転写能悪化に繋がる。逆にフロー式粒子像測定装置における円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度が0.950以上であると、トナー粒子の形状が球形に近づくことで、クリーニングブレードをすり抜けるなど、クリーニング不良や、トナー同士、またトナーとキャリア間の摩擦帯電が困難となり非画像部へのカブリ、飛び散りの多い不鮮明な画像となる。
また、円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が40%を超えると、球形に近いトナーが多くなることで、クリーニング不良の原因となる。また、円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が30%を超えると、転写効率悪化に繋がる。さらに、円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が40%超、且つ、円形度0.920以下の個数頻度累積値が30%超になると、トナー粒子の表面形状がブロードになり、トナー粒子と、現像剤担持体、及び/または、感光体との接触面積が大きくなるため、トナーのチャージのリークが現像剤担持体、及び/または、感光体と接触した部分を通して起こり易くなり、結果としてトナーの帯電量が低下してしまうことがある。また、トナー粒子と感光体との接触面積が大きくなり、トナー粒子の感光体への付着力が増すため、十分な転写効率を得にくくなる。
つまり、フロー式粒子像測定装置における円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が0.920以上0.950未満となる範囲に制御されることで、トナー同士、及び/または、トナーとキャリア間の接触面積を減少させ、トナーの転写能及び帯電能の向上を図ることができる。さらに円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値を40%以下及び円形度0.920以下の個数頻度累積値を30%以下に制御することでトナーの帯電安定性を向上させることができる。そして、上記物性を組み合わせることで、トナー粒子と感光体との接触面積が小さくなりファンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下するため更に転写効率を高めることを見出した。
また、本発明は、該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、0.1≦A<15.0を満たすことが好ましく、より好ましくは、0.5≦A<12.0であり、更に好ましくは、1.0≦A<10.0である。0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、0.1(個数%)未満である場合、実質上、微粉が存在しないことを意味する。0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、15.0(個数%)以上である場合、微粉により現像スリーブ及び/または二成分現像方式におけるキャリアが汚染されることにより、トナーの帯電不良が発生しやすい。
さらに、本発明は、該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)、及び、2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)が、0.5<B/C<4.0を満たすことが好ましい。
円相当径3.00μm未満のトナー粒子は、クリーニング部のクリーニングブレードエッジ部に選択的に溜まり易く、中でも、より細かい円相当径2.00μm未満のトナー粒子は、エッジ先端部へと溜まりやすい。円相当径3.00μmのトナー粒子は、クリーニングブレードに沿って一定の幅を持った層を形成し、それにより、排トナーや、機内で生じる紙粉や塵をクリーニングブレードエッジ部で塞き止めてキャッチし、すり抜けを発生させることなく回収することができる。
しかしながら、円相当径2.00μm未満のトナー粒子の量が過剰になると、円相当径2.00μm未満のトナー粒子自体がクリーニングブレードエッジ部からすり抜け、すり抜けたトナー粒子が感光体の露光及び帯電を阻害したり、潜像の乱れを促したりすることがある。また、円相当径2.00μm以上3.00μm未満のトナー粒子が過剰になると、エッジ部先端への円相当径2.00μm未満のトナー粒子の供給が不足し、過疎状態になりブレードのビビリや捲れが発生しやすくなる。0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)と2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)を上記の比率にて存在させることで、長期の使用においてもクリーニング不良の発生が抑制される。
B/Cが0.5以下のとき、円相当径2.00μm以上3.00μm未満のトナー粒子の比率が増大し、ブレードのビビリや捲れ等のクリーニング不良を引き起こしやすい。またB/Cが4.0以上である場合、円相当径2.00μm未満のトナー粒子の量が多いことを意味し、ブレードすり抜けの如きクリーニング不良を引き起こし易い。
また、0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)は、0.1≦B<10.0であることが好ましく、より好ましくは、0.5≦B<8.0である。さらに、2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)は、0.1≦C<5.0であることが好ましく、より好ましくは、0.5≦C<3.0である。
Bが10.0個数%以上である場合、上記の理由で、クリーニングブレードからのすり抜けが発生し易い。またCが5.0個数%以上である場合、クリーニングブレードのビビリや捲れが発生し易い。
また、本発明において、該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上35.0nm未満であることが好ましく、より好ましくは10.0nm以上30.0nm未満、さらに好ましくは15.0nm以上30.0nm未満である。トナー粒子が適度な平均面粗さ(平滑さ)を有していることにより、トナー間に適度な空隙が生まれ、トナーの流動性を向上させることができ、より良好な現像性をもたらすことができる。特に本発明の平均円形度を有するトナー粒子において、前記平均面粗さを有していることにより優れた流動性をトナー粒子に付与することができる。トナー粒子の平均面粗さが5.0nm未満だと、トナー粒子表面が平滑になり過ぎて無機微粒子が付着しづらくなり、トナーの流動性が耐久により低下しやすくなり画像濃度が低下することがある。トナー粒子の平均面粗さが35.0nm以上だと、トナー粒子表面の凸凹が大きくなりトナー粒子間の空隙が多くなり過ぎることでトナーの飛び散りを生じやすくなる。
本発明のトナー粒子の粒子形状や表面性は、トナー粒子の大部分を占める結着樹脂の選定の影響も受ける。特にトナーの粉砕工程におけるトナー粒子の割れ易さを制御することはトナーの平均円形度に大きく関与する。スチレン−アクリル系樹脂を用いた場合、粉砕されやすくトナー表面形状は凹凸の度合いが大きく、本発明のトナーの粒子形状や表面性を得るには熱処理の如き表面形状操作が必要になるため現像の点から望ましくない。その点、結着樹脂が少なくともポリエステルユニットを有する樹脂を用いると、粉砕性は劣るが粉砕装置内でのトナーの循環により分級工程前の段階で凹凸の度合いを少なく押さえられる為、本発明のトナーの粒子形状や表面性を得るために好ましい。
本発明に用いられる結着樹脂としては、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、からなる群より選択される樹脂であることが好ましい。また、結着樹脂中に含まれるポリエステルユニットを有する樹脂の割合は、全結着樹脂に対して30質量%以上であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。
本発明で用いられる「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステルの如き酸モノマー成分である。また、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示し、ビニル系重合体ユニットを構成する成分としてはビニル基を有するモノマー成分である。
本発明のトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることを特徴とする。
ポリエステル樹脂を用いる場合は、アルコールと、カルボン酸、カルボン酸無水物またはカルボン酸エステルが原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如きビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA及び水素添加ビスフェノールAが挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価のカルボン酸モノマーとしては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸如き芳香族カルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基又はアルケニル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸及びビンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物の如き多価カルボン酸が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコール類が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記式(1)で示されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 0004498078
さらに、ハイブリッド樹脂成分を有する結着樹脂を用いる場合、さらに良好なワックス分散性、低温定着性及び耐オフセット性が向上する。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
本発明におけるビニル系重合体ユニット又はビニル系重合体を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン及びp−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン及びイソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル及びフッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びメタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル及びアクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びメチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール及びN−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びアクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸及びメサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物及びアルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル及びメサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸及びジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン及び4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明におけるビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン及びジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明ではビニル系重合体又はビニル系重合体ユニット及び/又はポリエステル樹脂又はポリエステルユニット中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを構成するモノマーのうちビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットと反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸及びイタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットを構成するモノマーのうちポリエステル樹脂又はポリエステルユニットと反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含む重合体又は樹脂が存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の重合体又は樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
本発明のビニル系重合体、又はビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート及びジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
本発明のフルカラートナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されたポリエステルユニットとビニル系重合体を有するハイブリッド樹脂を得ることが出来る。
(2)ビニル系重合体製造後に、この存在下にポリエステル樹脂を生成し反応させ、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステル樹脂との反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、この存在下にビニル系重合体を生成し、反応させポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステル樹脂(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体との反応により製造される。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体及/又はポリエステル樹脂、又は更にハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合、前記ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(6)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
本発明において、ビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットは、ビニル系単重合体若しくはビニル系共重合体又はビニル系単重合体ユニット又はビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
本発明のトナーに使用される結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は40〜90℃、軟化温度(Tm)は、80〜150℃であることが、保存性、着色剤の分散性及び定着性を両立させる上で好ましい。
また該結着樹脂の酸価は2mgKOH/g以上50mgKOH/g未満であることが好ましい。酸価が2mgKOH/g未満ではポリエステル本来の負帯電性の優位性が十分得られず、定着性や耐オフセット性に劣ることがある。一方、50mgKOH/g以上では、高温高湿環境下での耐水性に劣り、カブリやトナー飛散といった問題を引き起こす要因に繋がることもある。
次に、本発明に用いられる離型剤としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;ベヘン酸ベヘニル及びステアリン酸ステアリルの如きエステルワックス、カルナバワックス及びモンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸及びモンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸及びバリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール及びメリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド及びラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド及びヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド及びN,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド及びN,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
本発明のトナーは、該トナーの示差熱分析熱量計(DSC)によって測定される吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークの温度が、60〜110℃であることが好ましい。より好ましくは70〜100℃の範囲にあることである。最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満である場合はトナーの耐ブロッキング性が悪くなることがあり、逆に最大吸熱ピークのピーク温度が110℃超の場合は定着性が低下してしまうことがある。離型剤は結着樹脂100質量部あたり0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
本発明のトナーは、一種または二種以上の離型剤を含有していることが好ましい。さらに、本発明のトナーは、低温定着性と耐ブロッキング性を両立するという観点から、前記離型剤が炭化水素系ワックスであることが好ましく、より好ましくはパラフィンワックスである。
また本発明のトナーは、該トナーをメタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率(%)が、10乃至80%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、15乃至70%である。
トナー表面近傍の離型剤の量は、簡易且つ精度の高い方法として、トナーをメタノール45体積%水溶液中に分散した分散液に対する600nmの波長の光の透過率を測定することで、トナー粒子全体を把握することができる。この測定方法はトナーを一度混合溶媒中で強制分散させて、トナー粒子一粒一粒の離型剤の存在量の特徴を出やすくした上で、一定時間後の透過率を測定することで、トナー全体の離型剤の存在量を正確に把握できるものである。つまり表面に疎水性である離型剤がトナー表面に多く存在すると、溶媒に分散しにくく凝集し沈殿するため、透過率が高い値になる。逆に離型剤がトナー表面に少なく存在すると、親水性である結着樹脂が多く存在するため、均一分散し透過率が10%未満のような小さな値になる。つまり、トナーのメタノール45体積%水溶液における透過率(%)によりトナー中での離型剤成分の存在状態を示すことになり、それを制御することにより幅広い定着領域を達成すると共に、離型剤成分のトナーからの脱離を防ぎ、長期の使用においても現像部材への汚染のないトナーをつくることができる。
透過率が10%より少ないと、トナー表面の離型剤が少なく定着時に離型効果が現れにくいため、省エネの観点から望まれる低温定着を行うことができず、また定着構成においてもかなりの圧力を要する負荷を必要とする。また逆に透過率が80%より大きいと、トナー表面の離型剤が多く帯電付与部材に離型剤が汚染し、例えば現像スリーブ上に融着することで高抵抗化することで、現像にかかる実際の現像バイアスの効力が下がり、しいては画像濃度の低下に繋がるものである。
次に、本発明のトナーに含有される着色剤としては公知の顔料または染料を用いることができる。特に限定されないが、顔料の種類としては例えば次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、112、114,119,136,147,148,150,164,170、238の如きアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド88、122、123,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド23,29,35の如き縮合多環顔料、C.I.ピグメントレッド81,83、C.I.バットレッド1、2の如きレーキ顔料が挙げられる。これら顔料の中ではアゾ顔料が好ましい。
また、かかる顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が好ましい。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,5,6,12,13,14,17,49,65,73,74,128,180の如きアゾ系顔料、C.I.ピグメントイエロー110,139,147,173,185の如き縮合多環顔料が挙げられる。これら顔料の中ではアゾ顔料が好ましい。
黒色着色剤としてはカーボンブラック、上記に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調色されたものが利用できる。
尚、着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜15質量部であることがより好ましい。
また、トナー粒子には必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知のものを使用できるが、芳香族カルボン酸誘導体及び芳香族カルボン酸金属化合物が挙げられる。例えば、芳香族カルボン酸金属化合物の金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属としてMg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+,が挙げられる。中でも、Zn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+,Ti4+,Zr4+,Si3+があげられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+,Cr3+であり、特に好ましいのはAl3+である。本発明においては、荷電制御剤として、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物が特に好ましい。
荷電制御剤は、トナーの質量基準で0.1〜10質量%使用すると、トナーの帯電量の初期変動が少なく、現像時に必要な絶対帯電量が得られやすく、結果的にカブリや画像濃度ダウンの如き画像品質の低下がなく好ましい。
さらに、本発明のトナーは、画質向上及び高温環境下での保存性を良好にさせるために、トナー粒子と共に無機微粒子を有している。無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン及び酸化アルミニウムの如き無機微粒子が好ましい。中でも特に前記トナー粒子の表面形状に対してトナー粒子への埋め込みやトナー粒子からの脱離といった現像時の無機微粉体劣化をおさえ、流動性及び帯電安定性を安定させる点から、該無機微粒子は酸化チタンであることが特に好ましい。
前記無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。疎水化剤としては、シラン化合物、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤及びジルコアルミネートカップリング剤の如きカップリング剤が挙げられる。
具体的に例えばシラン化合物としては、下記式
RmSiYn
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、フェニル基、メタアクリル基、アミノ基、エポキシ基及びメルカプト基又はこれらの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。〕
で表されるものが好ましい。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン及びn−オクタデシルトリメトキシシランを挙げることができる。
その疎水化の処理の量は、無機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部である。
本発明において特に好適なのは、一般式(8)で示される化合物であり、
Figure 0004498078
で示されるアルキルアルコキシシランである。前記アルキルアルコキシシランにおいて、nが4より小さいと、処理は容易となるが疎水化度が低めになる。nが12より大きいと、疎水性が十分になるが、無機微粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下しやすい。mは3より大きいと、前記アルキルアルコキシシランカップリング剤の反応性が低下して疎水化を良好に行いにくくなる。より好ましいアルキルアルコキシシランカップリング剤はnが4〜8であり、mが1〜2であるのが良い。
アルキルアルコキシシランカップリング剤の処理量も、無機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部が良い。
疎水化処理は1種類の疎水化剤単独で行っても良いし、2種類以上の疎水化剤を使用しても良い。例えば1種類の疎水化剤単独で疎水化処理を行っても良いし、2種類の疎水化剤で同時に、または一種の疎水化剤で疎水化処理を行った後、別の疎水化剤で更に疎水化処理を行っても良い。
該無機微粒子は、トナー粒子100質量部に対して0.01〜5質量部添加することが好ましく、0.05〜3質量部添加することがより好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤及び二成分系現像剤に適用できるものであり、特に何らこれを限定するものではないが、本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合に、併用されるキャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物及びフェライトなどが使用できる。
特に、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分として形成されるMn−Mg−Feの3元素の磁性フェライト粒子がキャリア粒子として好ましい。磁性キャリア粒子は、樹脂で被覆されていることが好ましく、樹脂としてはシリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール及びアミノアクリレート樹脂が挙げられるが、特にシリコーン樹脂好ましい。そのなかでも、含窒素シリコーン樹脂または、含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することにより生成した変性シリコーン樹脂が、本発明トナーへのマイナスの摩擦電荷の付与性、環境安定性、キャリアの表面の汚染に対する抑制の点で好ましい。
被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
磁性キャリアは、平均粒径が15乃至60μm(より好ましくは、25乃至50μm)がトナーの重量平均粒径との関係で好ましい。磁性粒子を上記の平均粒径及び特定の粒度分布を有するように調製する方法としては、例えば、篩を用いることによる分級によって行うことが可能である。特に、精度良く分級を行うために、適当な目開きの篩を用いて複数回くり返してふるうことが好ましい。また、メッシュの開口の形状をメッキ等によって制御したものを使うことも有効な手段である。
二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2%未満では画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える場合ではカブリや機内飛散が増加しやすい。
また、本発明のトナーは非磁性トナーであることが好ましい。
また、本発明のトナーは、マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナー及びブラックトナーを少なくとも用いて画像を形成するフルカラー画像形成方法に用いることが好ましい。このとき、フルカラー画像形成方法に用いられるトナーすべてが、本発明のトナーであることがより好ましい。また、本発明のトナーを用いた場合、中間転写体を介して記録材へ転写する画像形成方法であってもオリジナルを忠実に再現した良好なフルカラー画像を得ることができるため好ましい。
次に、トナーを製造する手順について説明する。
本発明のトナー粒子は、
少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練して混練物を得る混練工程、
得られた混練物を冷却する冷却工程、
冷却された混練物を粗粉砕して粗粉砕物を得る粗粉砕工程、
得られた粗粉砕を気流式粉砕手段を用いて微粉して微粉砕物を生成する微粉砕工程、
得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級手段を用いて分級して中粉体を得る分級工程、及び
得られた中粉体を表面改質装置を用いて粒子の表面改質を行う表面改質工程
を経由して得られたトナー粒子であることが好ましい。
まず、混練工程では、少なくとも、結着樹脂及び着色剤を所定量秤量して配合し、混合し、溶融混練して、結着樹脂を溶融し、その中に着色剤を分散させた混練物を得る。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー及びナウターミキサーがある。その混練工程では、例えば、加圧ニーダー及びバンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できるという優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機及びブス社製コ・ニーダーが一般的に使用される。更に、得られた混練物は、2本ロールで圧延され、水冷で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた上記で得られた混練物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミルまたはフェザーミルで粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローターで粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)分級機を用いて分級し、重量平均粒子径3乃至11μmの分級品(トナー粒子)を得る。必要に応じて、表面改質工程で、球形化処理(円形度調整)/平滑化処理(表面粗さ調整)、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを行い、分級品とすることもできる。
本発明のトナーを得るために本発明においては、冷却された混練物をまず粗粉砕して粗粉砕物を得る。得られた粗粉砕物をエアージェット式粉砕機の如き気流式粉砕手段にて複数回粉砕を繰り返して、微粉砕物を生成する。得られた微粉砕物を図4に示すエルボジェット分級機の如きコアンダ効果を利用した多分割分級手段を用いて粗粉体、中粉体及び微粉体の中から分級して中粉体を得る。なお、図4において、241及び242は側壁、243及び244は分級エッジブロック、245はコアンダブロック、246及び247は分級エッジ、248及び249は原料供給管、250は分級室上部壁、251は入気エッジ、252及び253は入気管、255は気体導入調節手段、256及び257は静圧計、258、259及び260は排出口を示す。得られた中粉体を図2及び図3に示す分級処理と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う表面改質装置を用いて粒子の表面改質を行い、重量平均粒子径3乃至11μmのトナー粒子を得ることが好ましい。
更に、無機微粒子の如き外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナー粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサーまたはスーパーミキサーの如き粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することによりトナーを得ることができる。
ここで本発明に好ましく用いられる図2に記載の表面改質装置について詳しく述べる。図2に示すように表面改質装置では、ケーシング30、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、表面改質手段である、ケーシング30内にあって中心回転軸に取りつけられた、上面に角型のディスク或いは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、更に、表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、更に、冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37、更に、分級手段である分級ローター31と表面改質手段である分散ローター36とライナー34との間の空間を、分級手段へ導入される前の第一の空間41と、分級手段により微粉を分級除去された粒子を表面処理手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39とから構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター4及びローター周辺部分が分級ゾーンである。
以上のように構成してなる表面改質装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から微粉砕品を投入すると、投入された微粉砕品は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり、表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた原料は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、分級ローター4により、再度微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明者らが検討した結果、排出弁開放までの時間(サイクルタイム)と分散ローターの回転数が、円形度と表面粗さをコントロールする上で重要なことが分かった。球形度を上げ、表面粗さを下げるには、サイクルタイムを長くするか、分散ローターの周速を上げるのが効果的である。また表面粗さ上げるには、逆にサイクルタイムを短くするか、周速を下げることが有効である。その中でも特に分散ローターの周速がある一定以上にならないと効率的に球形化できないため、サイクルタイムを長くして球形化しなければならず、その周速とは1.2×10mm/sec以上であり、サイクルタイムは15〜60秒が有効であった。
次に本発明における測定方法について説明する。
(1)トナー粒子の円相当径及び平均円形度の測定
トナー粒子の円相当径及び平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 0004498078
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは前記トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、平均円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0004498078
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.400〜1.000を0.010ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナー粒子の形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)により形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
FPIA2100を用いた平均円形度の具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更にトナー粒子を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、前記分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。測定時には、トナー粒子の濃度が3000〜1万個/μlとなる様に前記分散液濃度を調整し、1000個以上の粒子について計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径3.00μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
トナー粒子の円形度の個数頻度累積値は、上記した円形度0.400〜1.000まで61分割したクラスに分けのデータを用い、0.960以上及び0.920以下の個数頻度累積値を算出した。また、トナー粒子の円相当径の粒度分布は、円相当径を0.60μmから400μmまでの範囲で226分割した粒子径頻度データから、本願規定の範囲の円相当径を有する粒子の存在量を個数%で求めた。
(2)平均面粗さの測定
本発明において、トナー粒子の平均面粗さ、トナー粒子の最大高低差、表面積は、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される。以下に、測定方法の例を示す。
プローブステーション:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット:SPA400
測定モード:DFM(共振モード)形状像
カンチレバー:SI−DF40P
解像度:Xデータ数 256
Yデータ数 128
本発明においては、トナー粒子の表面の1μm四方のエリアを測定する。測定するエリアは、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子表面の、中央部の1μm四方のエリアとする。測定するトナー粒子は、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)に等しいトナー粒子をランダムに選択して、そのトナー粒子を測定する。測定されたデータは、2次補正を行う。異なるトナー粒子を5個以上測定し、得られたデータの平均値を算出して、そのトナー粒子の平均面粗さとする。
トナー粒子に無機微粒子の如き外添剤が外添されているトナーにおいて、トナー粒子の表面を走査型プローブ顕微鏡を用いて測定する場合は外添剤を取り除く必要があり、具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)トナー45mgをサンプル瓶に入れ、メタノールを10ml加える。
(2)超音波洗浄機で1分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
(3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。磁性体を含むトナーの場合は、磁石をサンプル瓶の底にあててトナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
(4)上記(2)及び(3)を計3回行い、得られたトナー粒子を真空乾燥機で室温で十分に乾燥させる。
外添剤を取り除いたトナー粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、外添剤がなくなっているのを確認した後、走査型プローブ顕微鏡でトナー粒子の表面観察をすることができる。外添剤が十分に取り除ききれていない場合には、外添剤が十分に取り除かれるまで(2)及び(3)を繰り返し行った後に走査型プローブ顕微鏡でのトナー粒子の表面観察を行う。
(2)及び(3)に代わる外添剤を取り除く他の方法としては、アルカリで外添剤を溶解させる方法が挙げられる。アルカリとしては水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
本発明において平均面粗さ(Ra)は、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したものである。基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値で次式で表される。
Figure 0004498078
指定面とは、本発明においては1μm四方の測定エリアを意味する。
(3)離型剤及びトナーの最大吸熱ピークの測定
温度曲線: 昇温I(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
トナーの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)として、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃、昇温速度10℃/min、常温常湿下で測定を行う。トナーの最大吸熱ピークは、昇温IIの過程で、樹脂Tgの吸熱ピーク以上領域のベースラインからの高さが一番高いものを、若しくは樹脂Tgの吸熱ピークが別の吸熱ピークと重なり判別し難い場合、その重なるピークの極大ピークから高さが一番高いものを本発明のトナーの最大吸熱ピークとする。
(4)酸価の測定
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
1)試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、試料の重さをW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workst ation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
(5)樹脂のガラス転移温度の測定
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC測定装置)として、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明の樹脂のガラス転移温度Tgとする。
(6)樹脂の軟化点測定方法
JIS K 7210にのっとり、高化式フローテスターにより測定されるものを指す。具体的な測定方法を以下に示す。高化式フローテスター(島津製作所製)を用いて1cmの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m(20kg/cm)の荷重を与え、直径1mm,長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を樹脂の軟化点(Tm)とする。
(7)帯電安定性の評価方法
図1は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。底に30μm開口(500メッシュ)のスクリーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又はプリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の圧力を4kPaとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
(但し、測定条件は23℃,50%RHとする)
実際には、カラー複写機CLC−1000(キヤノン製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り外した改造機を用い、単色モードで常温低湿環境下(23℃/5%)、高温高湿環境下(30℃/80%)で画像面積比率7%のオリジナル原稿を用いて、5万枚の耐刷試験を行った。常温低湿環境下(23℃/5%)での初期、及び5万枚耐久後のスリーブ上トリボを以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:初期と5万枚耐久後のトリボ差がΔ5未満。
B:初期と5万枚耐久後のトリボ差がΔ5以上10未満。
C:初期と5万枚耐久後のトリボ差がΔ10以上15未満。
D:初期と5万枚耐久後のトリボ差がΔ15以上。
(8)GPC測定による分子量分布
結着樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.60質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、10〜2×10の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、10、10、10の組み合わせを挙げることができる。
(9)トナー粒度分布の測定
本発明において、トナー粒子の平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
(10)転写効率の評価方法
トナーの転写効率については、常温低湿環境下(23℃/5%)の5万枚耐久後、以下の評価方法、評価基準に基づいて評価した。カラー複写機CLC−1000(キヤノン社製)を使用し、感光体上に載り量が0.6mg/cmになるように感光体の電位コントラストを調整し、転写紙上に転写した画像と、感光体上の転写残の画像濃度を濃度計(X−rite 500Series)を用いて測定した。画像濃度から載り量を換算し転写紙上への転写効率をもとめた。なお、転写電流は転写効率が最高になるように調整した値を用いた。
ドラム上の転写残部分をテーピングし紙上に貼った濃度をD1、紙上に転写された上にテーピングした濃度をD2とする。
転写効率(%)=D2/(D1+D2)×100として算出した。
(評価基準)
A:5万枚耐久後の転写効率が92%以上。
B:5万枚耐久後の転写効率が87以上92%未満。
C:5万枚耐久後の転写効率が80以上87%未満。
D:5万枚耐久後の転写効率が80%未満。
(11)定着可能領域
レーザージェット4100(ヒューレットパッカード社製)の定着器の改造機を用い、定着ユニットは手動で定着温度が設定できるように改造した状態で定着試験を行った。画像はCLC1000で単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を1.2mg/cmになるよう現像コントラストを調整し、未定着画像を作成した。A4(CLC推奨紙であるTKCLA4)上に画像面積比率25%で画像を形成する。常温常湿度環境下(23℃/60%)において120℃から順に10℃づつ上げ、オフセットや巻きつきが生じない温度幅を定着可能領域とした。
(評価基準)
A:定着幅が50℃以上。
B:定着幅が40℃以上50℃未満。
C:定着幅が20℃以上40℃未満。
D:定着幅が20℃未満。
(12)耐ブロッキング特性
約10gのトナーを100mlのポリカップに入れ、50℃で3日放置した後、目視で評価した。
(評価基準)
A:凝集物は見られない。
B:凝集物は見られるが容易に崩れる。
C:凝集物は見られるが振れば崩れる。
D:凝集物をつかむことができ容易に崩れない。
(13)クリーニング不良
CLC1000での耐久一万枚のうちで、クリーニングされない残トナーのたて筋や斑点状が画像上に見えた時、クリーニング不良発生となる。
(評価基準)
A:画像欠陥はまったくない。
B:斑点状の模様が2〜3点発生。
C:斑点状あるいは筋状の模様が若干発生。
D:斑点状,筋状の模様、濃度ムラが発生。
(14)キャリアのトナースペント性評価
CLC−2150での1万枚複写後の現像剤から洗浄剤を用いてトナーを分離し、キャリアのみを取り出す。この洗浄キャリア20gから、20ccのメチルエチルケトンを用いて、被覆した樹脂とスペントしたトナー成分を抽出する。未使用のキャリアについても同様の処理を行った。この液を100mlとなるように希釈し、分光光度計を用いて500nmで透過率を測定した。未使用キャリアとの透過率の差により評価した。
A:透過率の差が7%未満。
B:透過率の差が7%以上12%未満。
C:透過率の差が12%以上17%未満。
D:透過率の差が17%以上21%未満。
E:透過率の差が21%以上。
(15)メタノール45体積%水溶液における透過率
(i)トナー分散液の調製
メタノール:水の体積混合比が45:55の水溶液を作製する。この水溶液10mlを30mlのサンプルビン(日電理化硝子:SV−30)に入れ、トナー20mgを液面上に侵しビンのフタをする。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD)により2.5S−1で5秒間振とうさせる。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。サンプルビンを取り出した後、30秒後の分散液を測定用分散液とする。
(ii)透過率測定
(i)で得た分散液を1cm角の石英セルに入れて分光光度計MPS2000(島津製作所社製)を用いて、10分後の分散液の波長600nmにおける透過率(%)を測定する。
透過率(%)=I/I0×100(I・・・透過光束 I0・・・入射光束)
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ハイブリッド樹脂製造例)
ビニル系重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び2−エチルヘキサン酸錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂(Tm=118℃、Tg=63℃、酸価=27mgKOH/g)を得た。得られたハイブリッド樹脂を樹脂Aとする。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
(ポリエステル樹脂製造例)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.7mol、無水トリメリット酸1.1mol、フマル酸2.4mol及び2−エチルヘキサン酸錫0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂(Tm=110℃、Tg=52℃、酸価=15mgKOH/g)を得た。得られたポリエステル樹脂を樹脂Bとする。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
(スチレン−アクリル樹脂製造例)
・スチレン 70質量部
・アクリル酸n−ブチル 24質量部
・マレイン酸モノブチル 6質量部
・ジーt−ブチルパーオキサイド 1質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた後3.5時間かけて滴下した。更にキシレン還流後下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、スチレン−アクリル樹脂(Tm=105℃、Tg=60℃、酸価=1.5mgKOH/g)を得た。得られたスチレン−アクリル樹脂を樹脂Cとする。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
Figure 0004498078
本発明に用いたワックスを表2に示す。
Figure 0004498078
<実施例1>
以下の方法でシアントナー1を調製した。
(第一の混練工程)
・樹脂A 70質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3を含有する顔料スラリーから水をある程度除去し、ただの一度も乾燥工程を経ずに得た固形分30質量%の第1のペースト状顔料(残りの70質量%は水) 100質量部
上記の原材料を上記の処方でまずニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温させる。最高温度(ペースト中の溶媒の沸点により必然的に決定される。この場合は90〜100℃程度)に達した時点で水相中の顔料が、溶融樹脂相に分配もしくは移行し、これを確認した後、さらに30分間加熱溶融混練させ、ペースト中の顔料を充分に移行させる。その後、一旦、ミキサーを停止させ、熱水を排出した後、さらに130℃まで昇温させ、約30分間加熱溶融混練を行い、顔料を分散させるとともに水分を留去し、前記工程を終了した後、冷却させ、混練物を取り出し第1の混練物を得た。この第1の混練物の含水量は0.5質量%程度であった。
(第二の混練工程)
・上記第1の混練物(顔料粒子の含有量30質量%) 10.0質量部
・樹脂A 100.0質量部
・ワックス(A) 5.0質量部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤) 1.0質量部
上記の処方で十分ヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出し混練機で温度を100℃に設定し溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で二回粉砕を繰り返し、20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物をエルボジェット分級機で分級し、中粉体を得た。該中粉体を分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う表面改質装置にて分級および球形化し、粒度分布における体積平均径が7.2μm、平均円形度0.935、平均面粗さ22.5nmのトナー粒子であるシアン系樹脂粒子(分級品)を得た。
その後、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した1次粒子径50nmの酸化チタンを、上記シアン系樹脂粒子(トナー粒子)100質量部に対して、1.5質量部を外添混合してシアントナー1とした。トナー粒子形状の測定結果を表3に示す。
さらに、シアントナー1と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径45μm)とを、トナー濃度が7質量%になるように混合し、二成分系シアン現像剤1とした。表5に示すように転写効率が良好で、定着可能領域も良かった。さらに5万枚の耐久後でも初期との帯電変動も小さく、クリーニング性にも問題なく、オリジナルを忠実に再現するシアン画像が得られた。
<実施例2>
離型剤にワックス(B)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー2を作製し、同様にしてシアン現像剤2を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
参考例1
離型剤にワックス(C)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー3を作製し、同様にしてシアン現像剤3を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
<実施例4>
着色剤にC.I.ピグメントレッド57を使用したこと以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナー1を作製し、同様にしてマゼンタ現像剤1を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
<実施例5>
着色剤にC.I.ピグメントイエロー74を使用したこと以外は実施例1と同様にしてイエロートナー1を作製し、同様にしてイエロー現像剤1を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
参考例2
着色剤にカーボンブラックを使用したこと以外は実施例1と同様にしてブラックトナー1を作製し、同様にしてブラック現像剤1を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
参考例3
実施例4において、離型剤にワックス(D)を、着色剤にC.I.ピグメントレッド122を用いたこと以外は同様にしてマゼンタトナー2を作製し、同様にしてマゼンタ現像剤2を得た。評価結果を表3及び4に示した。
参考例4
実施例5において、離型剤にワックス(E)を、着色剤にC.I.ピグメントイエロー110を用いたこと以外は同様にしてイエロートナー2を作製し、同様にしてイエロー現像剤2を得た。評価結果を表3及び4に示した。
参考例5
実施例1において、結着樹脂として樹脂Aと樹脂Bのブレンド品(ブレンド比=50部/50部)を使用し、離型剤にワックス(D)を使用した以外は実施例1と同様にしてシアントナー4を作製し、同様にしてシアン現像剤4を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
参考例6
実施例1において、結着樹脂として樹脂Bを使用し、離型剤としてワックス(E)、無機微粒子として酸化チタンとシリカを併用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー5を作製し、同様にしてシアン現像剤5を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
参考例7
実施例1において、結着樹脂として樹脂Aと樹脂Cのブレンド品(ブレンド比=50部/50部)を使用し、離型剤としてワックス(D)、無機微粒子として酸化チタンとシリカを併用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー6を作製し、同様にしてシアン現像剤6を得た。実施例1と同様に各種評価し、評価結果を表3及び4に示した。
<比較例1>
実施例11において、分級と機械式衝撃力を用いる表面平滑処理を同時に行う装置を用いる代わりに、分級装置としてエルボジェット分級機を用い、無機微粒子として酸化チタン単独で使用した以外は実施例11と同様にしてシアントナー7を作製し、同様にシアン現像剤7を得た。エルボジェット分級機では平均円形度が上がらず、転写効率が著しく劣った。評価結果を表3及び4に示した。
<比較例2>
実施例10において、離型剤としてワックス(F)を使用し、無機微粒子としてシリカ単体を用いたこと以外は同様にしてシアントナー8を作製し、同様にシアン現像剤8を得た。シリカのトナーへの埋め込みが激しためか、帯電安定性が大きく劣った。評価結果を表3及び4に示した。
<比較例3>
実施例1において、結着樹脂として樹脂C、離型剤としてワックス(G)、無機微粒子としてシリカ単体、分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う表面改質装置を用いる代わりに、エルボジェット分級と熱球形化装置を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー9を作製し、同様にシアン現像剤9を得た。表3及び4に示すように各評価項目とも著しく悪化した。
<比較例4>
実施例1において、結着樹脂として樹脂C、離型剤としてワックス(G)、無機微粒子としてシリカ単体を用いた以外は同様にしてシアントナー10を作製し、同様にシアン現像剤10を得た。表4及び5に示すように、クリーニング不良から帯電低下し、その他各評価項目とも著しく悪化した。
<実施例12>
マゼンタ現像剤1、イエロー現像剤1、シアン現像剤1及びブラック現像剤1を用いて図5に示した画像形成装置CLC1000(4連タンデム型、中間転写体なし)を使用して画出しを行ったところ、オリジナルを忠実に再現したフルカラー画像を得ることができた。さらに5万枚の耐久後でも初期と同様に、オリジナルを忠実に再現したフルカラー画像が得られた。なお、図5において、1a、1b、1c及び1dは感光ドラム、2a、2b、2c及び2dは帯電器、3a、3b、3c及び3dは現像器、4a、4b、4c及び4dは転写ブレード、5は記録材、6は定着器、61は定着ローラー、62は加圧ローラー、63はクリーニングウエッブ、64はオイル塗布ローラー、65は定着オイル、66はサーモスイッチ、67は加熱体、7は記録材担持体、8は転写ベルトクリーニング装置、9は駆動ローラー、10はベルト除電機、11はレジストローラー、12は分離帯電器、13a、13b、13c及び13dは除電器、14はポリゴンミラー、15a、15b、15c及び15dはイレース露光器、16は記録材ホルダーを示す。
<実施例13>
実施例12で用いたCLC1000を図6に示すように中間転写体を有するように改造した画像形成装置を使用した以外は実施例12と同様に画出しを行ったところ、オリジナルを忠実に再現したフルカラー画像を得ることができた。さらに5万枚の耐久後でも初期と同様に、オリジナルを忠実に再現したフルカラー画像が得られた。なお、図6において101a、101b、101c及び101dは感光ドラム、102はテンションローラ、103は駆動ローラ、104は2次転写対向ローラ、105は2次転写ローラ、106はベルトクリーニング手段、107は中間転写ベルト(中間転写体)、108は記録材、109は記録材収納部を示す。
Figure 0004498078
Figure 0004498078
摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。 本発明の表面改質工程において使用される表面改質装置の一例の概略断面図である。 図2に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 本発明の分級工程において使用される多分割分級手段の一例の概略断面図である。 本発明の画像形成方法を実施した画像形成装置の概略図である。 本発明の画像形成方法を実施した画像形成装置の中間転写体付近の概略図である。
符号の説明
51 吸引機
52 測定容器
53 スクリーン
54 フタ
55 真空計
56 風量調節弁
57 吸引口
58 コンデンサー
59 電位計
30 ケーシング
31 分級ローター
32 微粉回収
33 原料供給口
34 ライナー
35 冷風導入口
36 分散ローター
37 粉体排出口
38 排出弁
39 ガイドリング
40 ピン
41 第一の空間
42 第二の空間
241、242 側壁
243、244 分級エッジブロック
245 コアンダブロック
246、247 分級エッジ
248、249 原料供給管
250 分級室上部壁
251 入気エッジ
252、253 入気管
255 気体導入調節手段
256、257 静圧計
258、259、260 排出口
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
2a、2b、2c、2d 帯電器
3a、3b、3c、3d 現像器
4a、4b、4c、4d 転写ブレード
5 記録材
6 定着器
61 定着ローラー
62 加圧ローラー
63 クリーニングウエッブ
64 オイル塗布ローラー
65 定着オイル
66 サーモスイッチ
67 加熱体
7 記録材担持体
8 転写ベルトクリーニング装置
9 駆動ローラー
10 ベルト除電機
11 レジストローラー
12 分離帯電器
13a、13b、13c、13d 除電器
14 ポリゴンミラー
15a、15b、15c及び15d イレース露光器
16 記録材ホルダー
101a、101b、101c、101d 感光ドラム
102 テンションローラ
103 駆動ローラ
104 2次転写対向ローラ
105 2次転写ローラ
106 ベルトクリーニング手段
107 中間転写ベルト(中間転写体)
108 記録材
109 記録材収納部

Claims (8)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するカラートナーにおいて、
    (i)該トナー粒子中の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が、0.920以上0.950未満であり、
    (ii)該トナー粒子中の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が35%以下であり、
    (iii)該トナー粒子中の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が25%以下であり、
    (iv)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、0.1≦A<15.0を満たし、
    (v)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)、及び、2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)が、0.5<B/C<4.0を満たし、
    該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上35.0nm未満であり、
    該結着樹脂がポリエステルユニットを有し、
    該トナー粒子は、表面改質工程を経て得られ、
    該表面改質工程が、回分式の表面改質装置を用いて行われ、該回分式の表面改質装置には、所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有し、該微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、所定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを繰り返す工程であることを特徴とするカラートナー。
  2. 該トナーの示差熱分析熱量計(DSC)によって測定される吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークの温度が、60〜110℃であることを特徴とする請求項1に記載のカラートナー。
  3. 該結着樹脂が、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、からなる群より選択される樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラートナー。
  4. 該離型剤が、炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  5. 該無機微粒子が、少なくとも酸化チタンを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  6. 該カラートナーが非磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  7. 該トナー粒子は、
    少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練して混練物を得る混練工程、
    得られた混練物を冷却する冷却工程、
    冷却された混練物を粗粉砕して粗粉砕物を得る粗粉砕工程、
    得られた粗粉砕を気流式粉砕手段を用いて微粉して微粉砕物を生成する微粉砕工程、
    得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級手段を用いて分級して中粉体を得る分級工程、を経た後に、
    表面改質工程
    を経由して得られたトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  8. マゼンタトナー、イエロートナー、シアントナー及びブラックトナーを少なくとも用いて画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、
    該マゼンタトナー、該イエロートナー、該シアントナー及び該ブラックトナーからなる群より選択されるカラートナーのうち少なくとも一種が、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有するカラートナーであり、
    (i)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における平均円形度が、0.920以上0.950未満であり、
    (ii)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.960以上の個数頻度累積値が35%以下であり、
    (iii)該トナー粒子の円相当径3.00μm以上のトナー粒子における円形度0.920以下の個数頻度累積値が25%以下であるカラートナーであり、
    (iv)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量A(個数%)が、0.1≦A<15.0を満たし、
    (v)該トナー粒子の円相当径の粒度分布において、0.60μm以上2.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量B(個数%)、及び、2.00μm以上3.00μm未満の円相当径のトナー粒子の全トナー粒子に対する存在量C(個数%)が、0.5<B/C<4.0を満たし、
    該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上35.0nm未満であり、
    該結着樹脂がポリエステルユニットを有し、
    該トナー粒子は、表面改質工程を経て得られ、
    該表面改質工程が、回分式の表面改質装置を用いて行われ、該回分式の表面改質装置には、所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有し、該微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粒子を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、所定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを繰り返す工程であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
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