JP2004239828A - フラックスゲート磁界センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な回路構成でオフセットの除去と信号の入出力間に存在するヒステリシスの大幅減少を可能にするフラックスゲート磁界センサを提供する。
【解決手段】測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体11と、細長い磁性体11に対して交番電流に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流す励磁手段12と、細長い磁性体11に巻回されて細長い磁性体11を通過する外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイル13と、検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段14を備えたフラックスゲート磁界センサ10において、励磁手段12に細長い磁性体11に流れる励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路16を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体11と、細長い磁性体11に対して交番電流に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流す励磁手段12と、細長い磁性体11に巻回されて細長い磁性体11を通過する外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイル13と、検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段14を備えたフラックスゲート磁界センサ10において、励磁手段12に細長い磁性体11に流れる励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路16を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば地磁気等を高感度に測定するのに用いられるフラックスゲート磁界センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁界センサは、磁界を情報媒体とするセンシング技術の基本となる構成要素である。近年、磁界センサはシステムに組み込まれて使用される傾向にあり、磁界センサの小型化、低電力消費化、低価格化が重要な開発項目になっている。磁界センサに関してはこれまで多くの研究が行われてきたが、小型化に適した方式の磁界センサとしてフラックスゲート磁界センサがある。
従来のフラックスゲート磁界センサは、磁界検出部と、受信回路及び励振回路を備えた制御回路部から構成されている。磁界検出部は、例えばパーマロイ等の高透磁率材料からなる軟磁性体コアの周囲に、それぞれ励磁コイル及び検出コイルを巻回した構造を有し、検出コイルは、例えば、軟磁性体コアの右半分と左半分で逆方向に巻回された差動検出コイルとなっている。励磁コイルには、交番する励振電流が制御回路部の励振回路から供給されており、これにより生じる励振磁界は励振電流と相似した形状となる。励振電流は励振磁界が軟磁性体コアを飽和させるのに十分な値に設定されているため、軟磁性体コア内部の磁束密度は周期的に飽和する。
【0003】
ここで、外部磁界(測定しようとする磁界)が存在しない場合、軟磁性体コア内部の磁束は励振磁界のみとなる。そして、差動検出コイルに発生する各誘導起電圧は、軟磁性体コアの右半分と左半分の各コイルの巻回方向が逆なので符号が反対となることから、検出コイルに発生する電圧はゼロとなる。
これに対して、外部磁界が存在する場合、軟磁性体コア内部の磁界は励振磁界に外部磁界の直流成分が重畳されたものとなるが、軟磁性体コアの右半分と左半分では外部磁界の直流成分の符号が逆になる。このことは、励振電流の下で、軟磁性体コアの右半分と左半分がそれぞれ飽和するのに必要な励振磁界に差が生じることを意味し、その結果、軟磁性体コアの右半分と左半分での磁束の時間変化に位相のずれが生じることになる。この位相のずれは外部磁界が大きいほど大きくなり、差動検出コイルで発生する誘導起電圧にも位相のずれが生じ、検出コイルには励振電流周波数の2倍の周波数で変化するパルス電圧信号が現れる。このパルス電圧信号を、制御回路部の受信回路の増幅器で増幅した後、例えば共振器に入力し励振電流周波数の2倍の周波数以外の周波数を有する信号を除去して、同期整流器にて励振電流周波数に同期した整流を行った後に計測信号として出力していた。
【0004】
しかし、フラックスゲート磁界センサでは、励振回路から得られる励振電流の周波数と、共振器の共振周波数との間にある程度以上の誤差が生じると、正確な測定結果を得ることができないため、発振器、同期整流器、及び共振器は精度が高いものを使用する必要があった。また、各回路が複雑になり、かつ高精度部品あるいは複雑な調整工程が必要となるため、製造コストを増加させる要因となっていた。
このため、検出コイルに発生する励振電流周波数の2倍の周波数で変化する交番力電圧のピーク電圧を検知するピーク電圧検知手段を設けることにより、簡単な回路構成で高精度の検出を行うことが可能になり、更に、軟磁性体コアの磁界と磁束の関係がバルクコアのように理想的でない場合であっても、高精度の磁界検出を可能にするフラックスゲート磁界センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−338210号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁界検出部に使用する高透磁率材料からなる軟磁性体コアには磁気異方性が存在するため、従来のフラックスゲート磁界センサにはオフセット(外部磁界が存在しないときでもフラックスゲート磁界センサの出力がゼロにならずに生じるゼロ点のずれ)が存在していた。そこで、このオフセットを除去するために、調整回路を設けて、製造時にオフセット除去のための調整を各フラックスゲート磁界センサ毎に行っていた。
このため、フラックスゲート磁界センサの構成が複雑になって部品点数が増加すること、及びオフセット調整作業を行うことによって、フラックスゲート磁界センサの製造コストが増加するという問題が生じていた。更に、従来のフラックスゲート磁界センサでは入出力間にヒステリシスが存在するためセンサ出力が変化し、再現性のよい高精度の測定を行うことが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、極めて簡単な回路構成でオフセットの除去と信号の入出力間に存在するヒステリシスの大幅減少を可能にするフラックスゲート磁界センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るフラックスゲート磁界センサは、測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体と、前記細長い磁性体に対して交番電流及びパルス列のいずれか1つに直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流す励磁手段と、前記細長い磁性体に巻回されて該細長い磁性体を通過する前記外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイルと、前記検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段を備えたフラックスゲート磁界センサにおいて、
前記励磁手段に前記細長い磁性体に流れる前記励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路を設けている。
【0008】
細長い磁性体に、例えば、交番電流に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流すと、図6に示すように、細長い磁性体内には周方向に、交番電流に対応した交番磁界Ha 及び直流バイアス電流に対応した静磁界Hd が重畳した励磁磁界(Ha +Hd )が発生する。更に、細長い磁性体内には、細長い磁性体の磁気異方性Ku が、例えば、細長い磁性体の周方向に対して角度αだけ傾いて存在している。
ここで、外部磁界He が細長い磁性体内を軸方向に通過する場合を考えると、細長い磁性体に発生する磁化Js は、次式で求まる磁気エネルギーEを最小化する方向を向く。なお、θはJs が周方向となす角度である。
E=−He Js sinθ−He Js cosθ+Ku sin2 (α−θ)
【0009】
図7に示すように、交番電流と直流バイアス電流の両方の極性を正にして細長い磁性体に励磁電流を流すと、細長い磁性体内に発生する励磁磁界が交番電流の変化に応じて周期的に変化して、Js は最初の半周期で(1)の方向に回転し、次の半周期で(2)の方向に回転する。そして、この周期は交番磁界Ha の周波数と同一である。一方、検知コイルは細長い磁性体に巻回されているので、検知コイルには、Js の軸方向成分Js sinθの時間微分に比例する検知信号の一例である誘起電圧V+ が誘起される。そして、この電圧V+ の周期も交番磁界Ha と同じ周波数となる。
従って、交番磁界Ha の周波数を参照信号として誘起電圧V+ の同期整流を行うと、外部磁界He に対応した出力を得ることができる。
【0010】
次に、図8に示すように、交番電流と直流バイアス電流の両方の極性を負にすると、すなわち励磁電流の方向を反転すると、Js は最初の半周期で(1)の方向に回転し、次の半周期で(2)の方向に回転する。ここで、図9に示す直流バイアス電流のみの極性を負にした(直流バイアス電流の方向のみを反転した)場合と比較すると、Js の回転方向は逆になり、検知コイルに誘導されるJs の軸方向成分Js sinθの時間微分に比例する検知信号の一例である誘導電圧V− は電圧V+ と同位相になる。
従って、交番磁界Ha の周波数を参照信号として誘起電圧V− の同期整流を行うと、外部磁界He に対応した出力を得ることができる。なお、電圧V− を交番磁界Ha の周波数を参照信号として同期整流して得られる出力電圧の極性、すなわち外部磁界He に対応した出力の極性は、励磁電流の極性、すなわち方向に関わらず同一になる。
【0011】
ここで、外部磁界He が存在せず、細長い磁性体に流す励磁電流の方向を反転した場合の磁化の状態を図10、図11に示す。なお、励磁電流の極性が正の場合を図10に、励磁電流の極性が負の場合を図11にそれぞれ示す。細長い磁性体の磁気異方性Ku が、細長い磁性体の周方向に対して角度αだけ傾いているため、外部磁界He がゼロでもJs はわずかに振動し、このため、オフセットが生じる。しかし、図10、図11では、Js の回転に伴うJs sinθの時間部分として得られる検知コイルの誘導電圧V+ とV− は、振幅が同一で位相が反転(逆位相)になっている。
【0012】
以上のことから、図7に示す励磁電流の方向、すなわち極性を正とし、図8に示す励磁電流の極性を負とすると、外部磁界He が存在する場合に検知コイルに発生する各誘導電圧V+ 、V− は、図12に示す関係となる。
従って、各誘導電圧V+ 、V− の和、あるいは平均を求めることにより、オフセットを打ち消すことができる。
【0013】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記切換回路は、前記細長い磁性体の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って該細長い磁性体の一端側から他端側に前記励磁電流を流す2つのスイッチを有する第1のスイッチ群と、前記細長い磁性体の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って該細長い磁性体の他端側から一端側に前記励磁電流を流す2つのスイッチを有する第2のスイッチ群と、前記第1及び第2のスイッチ群の各入り切り動作を交互に行う動作切換部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、動作切換部からの信号で第1のスイッチ群の各スイッチを共に入り状態とし、第2のスイッチ群の各スイッチを共に切り状態にすることにより、細長い磁性体の一端側から他端側に向けて励磁電流を流すことができる。また、動作切換部からの信号で第1のスイッチ群の各スイッチを共に切り状態とし、第2のスイッチ群の各スイッチを共に入り状態にすることにより、細長い磁性体の他端側から一端側に向けて励磁電流を流すことができる。そして、細長い磁性体に流れる励磁電流の方向を動作切換部の切換周期に一致させて変化させることにより、励磁電流の流れる方向を周期的に反転することができる。その結果、検知コイルの両端に、励磁電流の方向を反転させたときの各誘起電圧V+ 、V− の平均値を出力することができる。
【0014】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記信号処理手段の出力側には、前記交番電流と実質的に同期して整流を行う同期整流器が設けられていることが好ましい。
これによって、外部磁界に対応した出力信号のみを取り出すことができる。
【0015】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記信号処理手段の入力側には、増幅回路を設けることができる。
入力側に増幅回路を設けることにより、検知信号が小さい場合でも信号を処理して計測信号にすることができる。ここで、増幅器には、例えば、検知コイルの両端に生じる誘起電圧が入力信号として入力される差動増幅器を使用することができる。
【0016】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記細長い磁性体に無磁歪組成の非晶質磁性金属線を使用することが好ましい。
非晶質磁性金属線を使用することで細長い磁性体を小型化できると共に、励磁電流を細長い磁性体に直接流すことができる。また、無磁歪組成にすることにより、製造段階で細長い磁性体内に磁気異方性が生じにくいようにすることができる。ここで、無磁歪組成の非晶質磁性金属線には、例えば、コバルト基非晶質金属線を使用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサの説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサ10は、測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体11と、細長い磁性体11に対して励磁電流を流す励磁手段12と、細長い磁性体11に巻回されて外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイル13と、検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段14とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0018】
細長い磁性体11には、無磁歪組成の非晶質磁性金属で形成した線、例えば、コバルト基非晶質金属線を使用することができる。無磁歪組成にすることにより、製造段階で細長い磁性体11内に磁気異方性が生じ難いようにすることができる。なお、細長い磁性体11としては線状に形成した磁性体以外に、例えば、中実又は中空の細い棒に形成した磁性体、短冊状に形成した磁性体を使用することができる。
励磁手段12は、励磁電流を流す電流源15と、細長い磁性体11に流す励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路16を有している。電流源15は、交番電流を形成する発振器17と、直流バイアス電流を形成する直流電流部18で構成することができる。これによって、交番電流に直流バイアス電流が重畳された励磁電流を形成して細長い磁性体11に流すことができる。なお、細長い磁性体11の電気抵抗と直流バイアス電流を調整して細長い磁性体11での消費電力を小さくすることができれば、直流電流部18には、例えば電池を使用することができる。
【0019】
切換回路16は、細長い磁性体11の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って細長い磁性体11の一端側から他端側に励磁電流を流すスイッチ19、20を有する第1のスイッチ群21と、細長い磁性体11の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って細長い磁性体11の他端側から一端側に励磁電流を流すスイッチ22、23を有する第2のスイッチ群24を有している。ここで、各スイッチ19、20、22、23は、例えば外部信号で動作するアナログスイッチを使用することができる。更に、切換回路16は、第1及び第2のスイッチ群21、24の各スイッチ19、20、22、23の外部信号入力端子に切換信号を入力する発振器25及びインバータ26を備えた動作切換部27を有している。このような構成とすることにより、発振器25の半周期毎に各スイッチ群21、24を交互に動作させることができる。
【0020】
検知コイル13は、細長い磁性体11の外周側に、例えば、銅線を100〜400回巻回すことにより形成されている。このようにすることにより、細長い磁性体11内を通過する磁束の変化に応じて、検知コイル13の両端に電圧を誘起させることができる。
信号処理手段14は、入力側に検知コイル13の両端に発生した誘起電圧が入力信号として入力される増幅回路の一例である差動増幅器28を有し、差動増幅器28からの出力信号が入力され発振器29からの信号を参照信号として同期整流を行う同期整流器30を出力側に有している。このような構成とすることにより、検知コイル13で発生した誘起電圧を増幅して同期整流器30に入力することができる。ここで、発振器29を、励磁手段12の電流源15に設けた発振器17に同期して発振させることにより、交番磁界の周波数に同期した整流を行うことができ、外部磁界に対応した出力が出力端子31から得ることができる。
【0021】
次に、本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサ10の使用方法について詳細に説明する。
励磁手段12の電流源15に設けた発振器17により交番電流を発生させ、直流電流部18で直流バイアス電流を発生させて励磁電流を形成し、細長い磁性体11に切換回路16を介して流す。また、切換回路16の動作切換部27に設けられた発振器25から切換信号を発生させ、スイッチ19、20の外部信号入力端子に入力する。また、発振器25から発生させた切換信号をインバータ26を介してスイッチ22、23の外部信号入力端子に入力する。その結果、細長い磁性体11には、切換信号の周期で反転する励磁電流が流れる。
【0022】
次いで、フラックスゲート磁界センサ10の細長い磁性体11を測定しようとする外部磁界が存在する領域に設置すると、外部磁界が細長い磁性体11内を通過する。このため、検知コイル13には、外部磁界に応じた誘起電圧が発生し、この誘起電圧を差動増幅器28に入力して増幅する。そして、差動増幅器28からの出力信号を同期整流器30に入力する。ここで、差動増幅器28からの出力信号は、交番電流の周波数と同じ周波数で変化しているので、交番電流と同一の周波数の信号を参照信号として同期整流器30で同期整流を行うと、出力端子31から得られる計測信号は外部磁界に対応した出力となる。
【0023】
【実施例】
細長い磁性体に、直径が120μm、長さが15mmのコバルト基非晶質金属線を使用して磁界検出部を構成し、図1に示すフラックスゲート磁界センサを作成した。
励磁手段の電流源に設けた発振器で振幅が3.5mAで周波数が58.4kHzの交番電流を発生させ、直流電流部で直流バイアス4mAの電流を発生させる。また、切換回路の動作切換部に設けた発振器から周波数1.825kHzの切換信号を発生させる。更に、差動増幅器の増幅率を690倍に設定した。
このときコバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の波形を図2に示す。図2から、切換回路により、コバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の方向が周期的に反転されることが確認できる。
【0024】
フラックスゲート磁界センサで−19〜19A/mの範囲で変化する外部磁界を測定した際の外部磁界と出力信号の関係を図3に示す。感度は、原点近傍で、約50mV/(A/m)、オフセットは1mV以下であった。
また、ヒステリシスの大きさを、外部磁界がゼロのときの出力電圧差の、フルスケール(外部磁界−19A/m及び19A/mを与えたときの出力電圧差)に対する割合で定義すると、ヒステリシスは約0.5%と小さくなることが確認できた。
更に、径方向のシールド比が約1000の円筒形磁気シールドの中に本フラックスゲート磁界センサを配置し、その出力信号をローパスフィルター(遮断周波数4.2Hz)を介して観測したときに得られる出力波形の時間変化を図4に示す。20分間のドリフトは約3nTであり、ゼロ点の安定性に関しても良好な結果が得られた。また、FFTにより求めた分解能は、0.1Hzにおいて約2nT/(Hz)1/2 であった。
【0025】
比較例として、前記実施例で使用したフラックスゲート磁界センサを用いて、切換回路に設けた一方のスイッチ群のみを入り状態にして、コバルト基非晶質金属線に流す励磁電流の方向を正又は負に固定したときに得られる外部磁界と出力信号の関係を求めた。その結果を、それぞれ図5(A)、(B)に示す。
図5(A)、(B)では、コバルト基非晶質金属線に内在する磁気異方性によって生じるオフセットが存在している。その値は、励磁電流が正のとき28mV(0.56A/mに相当)、励磁電流が負のとき25mV(0.5A/mに相当)であった。
このことから、前記実施例のように、励磁電流の極性を周期的に変化させることにより、コバルト基非晶質金属線に内在する磁気異方性の影響で生じるオフセットを除去できることが確認された。
【0026】
また、図5では、入出力間にヒステリシスが存在しており、その大きさは、励磁電流を正に固定したときは1.7%、負に固定したときは2.1%となる。一方、前記実施例では、ヒステリシスは約0.5%である。
このことから、前記実施例のように、コバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の方向を周期的に変化させることにより、コバルト基非晶質金属線の消磁効果があり、その結果ヒステリシスを低減させることが確認された。
【0027】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフラックスゲート磁界センサを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、細長い磁性体を励磁する際に、交番電流に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流したが、パルス列に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流して励磁することも可能である。また、細長い磁性体の材質として、無磁歪組成のコバルト基非晶質金属を使用したが、コバルト基以外の非晶質磁性金属、パーマロイ、スーパーマロイ、フェライト等の磁性体を使用することもできる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1〜5記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、励磁手段に細長い磁性体に流れる励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路を設けたので、細長い磁性体に内在する磁気異方性の影響によるオフセットが発生しない高性能なフラックスゲート磁界センサを構成でき、オフセットを除去する調整回路を不要にすることが可能になる。また、製造時に各フラックスゲート磁界センサ毎に行っていたオフセット除去のための調整作業を省くことが可能になる。その結果、フラックスゲート磁界センサの構成が簡単になって部品点数を減少させることができ、オフセット調整工程を省くことができ、フラックスゲート磁界センサの製造コストを大幅に低減させることが可能になる。
更に、本発明のフラックスゲート磁界センサを電圧計等の汎用計測器に組み込むことにより、容易に磁界計測機能を付加することができ、磁界計測を安価に、簡単に行うことができる。また、位置検出、近接ディテクタ、電流測定、車両検知、金属検知、セキュリティ、動体のトラッキング、磁気異常検出、過電流探傷、磁気イメージング等を有する各種システムに本フラックスゲート磁界センサを組み込むことによって、システムそのものの高性能化、低価格化や高機能化を達成でき、商品価値を向上させることができる。
【0029】
特に、請求項2記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、切換回路に、細長い磁性体の一端側から他端側に励磁電流を流す第1のスイッチ群と、細長い磁性体の他端側から一端側に励磁電流を流す第2のスイッチ群と、第1及び第2のスイッチ群の各入り切り動作を交互に行う動作切換部を有しているので、励磁電流の流れる方向を反転させた場合の各信号出力の平均を容易に求めることができ、簡単な回路構成で細長い磁性体に生じるオフセットを除去することが可能になる。その結果、フラックスゲート磁界センサの部品点数を減少させてフラックスゲート磁界センサの小型化、製造コストの減少が可能になる。
【0030】
請求項3記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、信号処理手段の出力側に、交番電流と実質的に同期して整流を行う同期整流器が設けられているので、外部磁界に対応する信号のみを出力することができ、外部磁界の強さを容易に知ることが可能になる。
【0031】
請求項4記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、信号処理手段の入力側に、増幅回路が設けられているので、検知信号が小さい場合でも信号を処理して計測信号にすることができ、精度のよい計測を安定して行うことが可能になる。更に、検知コイルを形成する際の細長い磁性体に巻回す回数を少なくすることができ、検知コイルの部分を小さくすることが可能になる。その結果、磁界検出部が小さくなってフラックスゲート磁界センサを小型化することが可能になる。
【0032】
請求項5記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、細長い磁性体に無磁歪組成の非晶質磁性金属線を使用するので、励磁電流を細長い磁性体に直接流すことができ、細長い磁性体を励磁する励磁コイルが不要になって磁界検出部が小さくなり、フラックスゲート磁界センサの小型化が達成されると共に、部品点数の減少が可能になる。その結果、フラックスゲート磁界センサの製造コストの減少が可能になる。
また、無磁歪組成のため細長い磁性体内に磁気異方性が生じ難いことに加えて、細長い磁性体に流す励磁電流の方向を周期的に反転することで細長い磁性体の消磁効果があり、入出力間に存在するヒステリシスを大幅に減少することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサの説明図である。
【図2】実施例におけるコバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の波形を示す説明図である。
【図3】実施例における外部磁界と出力信号の関係を示す説明図である。
【図4】実施例における出力信号の時間変動を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ比較例における励磁電流の極性を正、及び負に固定したときの外部磁界と出力信号の関係を示す説明図である。
【図6】細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図7】交番電流と直流バイアス電流の極性を共に正にした場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図8】交番電流と直流バイアス電流の極性を共に負にした場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図9】交番電流の極性を正、直流バイアス電流の極性を負にした場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図10】外部磁界が存在せず、交番電流と直流バイアス電流の極性が共に正である場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図11】外部磁界が存在せず、交番電流と直流バイアス電流の極性が共に負である場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図12】励磁電流の方向を換えたときに、外部磁界に対応して検知コイルにそれぞれ発生する誘起電圧の特性を示す説明図である。
【符号の説明】
10:フラックスゲート磁界センサ、11:細長い磁性体、12:励磁手段、13:検知コイル、14:信号処理手段、15:電流源、16:切換回路、17:発振器、18:直流電流部、19、20:スイッチ、21:第1のスイッチ群、22、23:スイッチ、24:第2のスイッチ群、25:発振器、26:インバータ、27:動作切換部、28:差動増幅器、29:発振器、30:同期整流器、31:出力端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば地磁気等を高感度に測定するのに用いられるフラックスゲート磁界センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁界センサは、磁界を情報媒体とするセンシング技術の基本となる構成要素である。近年、磁界センサはシステムに組み込まれて使用される傾向にあり、磁界センサの小型化、低電力消費化、低価格化が重要な開発項目になっている。磁界センサに関してはこれまで多くの研究が行われてきたが、小型化に適した方式の磁界センサとしてフラックスゲート磁界センサがある。
従来のフラックスゲート磁界センサは、磁界検出部と、受信回路及び励振回路を備えた制御回路部から構成されている。磁界検出部は、例えばパーマロイ等の高透磁率材料からなる軟磁性体コアの周囲に、それぞれ励磁コイル及び検出コイルを巻回した構造を有し、検出コイルは、例えば、軟磁性体コアの右半分と左半分で逆方向に巻回された差動検出コイルとなっている。励磁コイルには、交番する励振電流が制御回路部の励振回路から供給されており、これにより生じる励振磁界は励振電流と相似した形状となる。励振電流は励振磁界が軟磁性体コアを飽和させるのに十分な値に設定されているため、軟磁性体コア内部の磁束密度は周期的に飽和する。
【0003】
ここで、外部磁界(測定しようとする磁界)が存在しない場合、軟磁性体コア内部の磁束は励振磁界のみとなる。そして、差動検出コイルに発生する各誘導起電圧は、軟磁性体コアの右半分と左半分の各コイルの巻回方向が逆なので符号が反対となることから、検出コイルに発生する電圧はゼロとなる。
これに対して、外部磁界が存在する場合、軟磁性体コア内部の磁界は励振磁界に外部磁界の直流成分が重畳されたものとなるが、軟磁性体コアの右半分と左半分では外部磁界の直流成分の符号が逆になる。このことは、励振電流の下で、軟磁性体コアの右半分と左半分がそれぞれ飽和するのに必要な励振磁界に差が生じることを意味し、その結果、軟磁性体コアの右半分と左半分での磁束の時間変化に位相のずれが生じることになる。この位相のずれは外部磁界が大きいほど大きくなり、差動検出コイルで発生する誘導起電圧にも位相のずれが生じ、検出コイルには励振電流周波数の2倍の周波数で変化するパルス電圧信号が現れる。このパルス電圧信号を、制御回路部の受信回路の増幅器で増幅した後、例えば共振器に入力し励振電流周波数の2倍の周波数以外の周波数を有する信号を除去して、同期整流器にて励振電流周波数に同期した整流を行った後に計測信号として出力していた。
【0004】
しかし、フラックスゲート磁界センサでは、励振回路から得られる励振電流の周波数と、共振器の共振周波数との間にある程度以上の誤差が生じると、正確な測定結果を得ることができないため、発振器、同期整流器、及び共振器は精度が高いものを使用する必要があった。また、各回路が複雑になり、かつ高精度部品あるいは複雑な調整工程が必要となるため、製造コストを増加させる要因となっていた。
このため、検出コイルに発生する励振電流周波数の2倍の周波数で変化する交番力電圧のピーク電圧を検知するピーク電圧検知手段を設けることにより、簡単な回路構成で高精度の検出を行うことが可能になり、更に、軟磁性体コアの磁界と磁束の関係がバルクコアのように理想的でない場合であっても、高精度の磁界検出を可能にするフラックスゲート磁界センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−338210号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁界検出部に使用する高透磁率材料からなる軟磁性体コアには磁気異方性が存在するため、従来のフラックスゲート磁界センサにはオフセット(外部磁界が存在しないときでもフラックスゲート磁界センサの出力がゼロにならずに生じるゼロ点のずれ)が存在していた。そこで、このオフセットを除去するために、調整回路を設けて、製造時にオフセット除去のための調整を各フラックスゲート磁界センサ毎に行っていた。
このため、フラックスゲート磁界センサの構成が複雑になって部品点数が増加すること、及びオフセット調整作業を行うことによって、フラックスゲート磁界センサの製造コストが増加するという問題が生じていた。更に、従来のフラックスゲート磁界センサでは入出力間にヒステリシスが存在するためセンサ出力が変化し、再現性のよい高精度の測定を行うことが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、極めて簡単な回路構成でオフセットの除去と信号の入出力間に存在するヒステリシスの大幅減少を可能にするフラックスゲート磁界センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るフラックスゲート磁界センサは、測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体と、前記細長い磁性体に対して交番電流及びパルス列のいずれか1つに直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流す励磁手段と、前記細長い磁性体に巻回されて該細長い磁性体を通過する前記外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイルと、前記検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段を備えたフラックスゲート磁界センサにおいて、
前記励磁手段に前記細長い磁性体に流れる前記励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路を設けている。
【0008】
細長い磁性体に、例えば、交番電流に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流すと、図6に示すように、細長い磁性体内には周方向に、交番電流に対応した交番磁界Ha 及び直流バイアス電流に対応した静磁界Hd が重畳した励磁磁界(Ha +Hd )が発生する。更に、細長い磁性体内には、細長い磁性体の磁気異方性Ku が、例えば、細長い磁性体の周方向に対して角度αだけ傾いて存在している。
ここで、外部磁界He が細長い磁性体内を軸方向に通過する場合を考えると、細長い磁性体に発生する磁化Js は、次式で求まる磁気エネルギーEを最小化する方向を向く。なお、θはJs が周方向となす角度である。
E=−He Js sinθ−He Js cosθ+Ku sin2 (α−θ)
【0009】
図7に示すように、交番電流と直流バイアス電流の両方の極性を正にして細長い磁性体に励磁電流を流すと、細長い磁性体内に発生する励磁磁界が交番電流の変化に応じて周期的に変化して、Js は最初の半周期で(1)の方向に回転し、次の半周期で(2)の方向に回転する。そして、この周期は交番磁界Ha の周波数と同一である。一方、検知コイルは細長い磁性体に巻回されているので、検知コイルには、Js の軸方向成分Js sinθの時間微分に比例する検知信号の一例である誘起電圧V+ が誘起される。そして、この電圧V+ の周期も交番磁界Ha と同じ周波数となる。
従って、交番磁界Ha の周波数を参照信号として誘起電圧V+ の同期整流を行うと、外部磁界He に対応した出力を得ることができる。
【0010】
次に、図8に示すように、交番電流と直流バイアス電流の両方の極性を負にすると、すなわち励磁電流の方向を反転すると、Js は最初の半周期で(1)の方向に回転し、次の半周期で(2)の方向に回転する。ここで、図9に示す直流バイアス電流のみの極性を負にした(直流バイアス電流の方向のみを反転した)場合と比較すると、Js の回転方向は逆になり、検知コイルに誘導されるJs の軸方向成分Js sinθの時間微分に比例する検知信号の一例である誘導電圧V− は電圧V+ と同位相になる。
従って、交番磁界Ha の周波数を参照信号として誘起電圧V− の同期整流を行うと、外部磁界He に対応した出力を得ることができる。なお、電圧V− を交番磁界Ha の周波数を参照信号として同期整流して得られる出力電圧の極性、すなわち外部磁界He に対応した出力の極性は、励磁電流の極性、すなわち方向に関わらず同一になる。
【0011】
ここで、外部磁界He が存在せず、細長い磁性体に流す励磁電流の方向を反転した場合の磁化の状態を図10、図11に示す。なお、励磁電流の極性が正の場合を図10に、励磁電流の極性が負の場合を図11にそれぞれ示す。細長い磁性体の磁気異方性Ku が、細長い磁性体の周方向に対して角度αだけ傾いているため、外部磁界He がゼロでもJs はわずかに振動し、このため、オフセットが生じる。しかし、図10、図11では、Js の回転に伴うJs sinθの時間部分として得られる検知コイルの誘導電圧V+ とV− は、振幅が同一で位相が反転(逆位相)になっている。
【0012】
以上のことから、図7に示す励磁電流の方向、すなわち極性を正とし、図8に示す励磁電流の極性を負とすると、外部磁界He が存在する場合に検知コイルに発生する各誘導電圧V+ 、V− は、図12に示す関係となる。
従って、各誘導電圧V+ 、V− の和、あるいは平均を求めることにより、オフセットを打ち消すことができる。
【0013】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記切換回路は、前記細長い磁性体の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って該細長い磁性体の一端側から他端側に前記励磁電流を流す2つのスイッチを有する第1のスイッチ群と、前記細長い磁性体の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って該細長い磁性体の他端側から一端側に前記励磁電流を流す2つのスイッチを有する第2のスイッチ群と、前記第1及び第2のスイッチ群の各入り切り動作を交互に行う動作切換部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、動作切換部からの信号で第1のスイッチ群の各スイッチを共に入り状態とし、第2のスイッチ群の各スイッチを共に切り状態にすることにより、細長い磁性体の一端側から他端側に向けて励磁電流を流すことができる。また、動作切換部からの信号で第1のスイッチ群の各スイッチを共に切り状態とし、第2のスイッチ群の各スイッチを共に入り状態にすることにより、細長い磁性体の他端側から一端側に向けて励磁電流を流すことができる。そして、細長い磁性体に流れる励磁電流の方向を動作切換部の切換周期に一致させて変化させることにより、励磁電流の流れる方向を周期的に反転することができる。その結果、検知コイルの両端に、励磁電流の方向を反転させたときの各誘起電圧V+ 、V− の平均値を出力することができる。
【0014】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記信号処理手段の出力側には、前記交番電流と実質的に同期して整流を行う同期整流器が設けられていることが好ましい。
これによって、外部磁界に対応した出力信号のみを取り出すことができる。
【0015】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記信号処理手段の入力側には、増幅回路を設けることができる。
入力側に増幅回路を設けることにより、検知信号が小さい場合でも信号を処理して計測信号にすることができる。ここで、増幅器には、例えば、検知コイルの両端に生じる誘起電圧が入力信号として入力される差動増幅器を使用することができる。
【0016】
本発明に係るフラックスゲート磁界センサにおいて、前記細長い磁性体に無磁歪組成の非晶質磁性金属線を使用することが好ましい。
非晶質磁性金属線を使用することで細長い磁性体を小型化できると共に、励磁電流を細長い磁性体に直接流すことができる。また、無磁歪組成にすることにより、製造段階で細長い磁性体内に磁気異方性が生じにくいようにすることができる。ここで、無磁歪組成の非晶質磁性金属線には、例えば、コバルト基非晶質金属線を使用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサの説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサ10は、測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体11と、細長い磁性体11に対して励磁電流を流す励磁手段12と、細長い磁性体11に巻回されて外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイル13と、検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段14とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0018】
細長い磁性体11には、無磁歪組成の非晶質磁性金属で形成した線、例えば、コバルト基非晶質金属線を使用することができる。無磁歪組成にすることにより、製造段階で細長い磁性体11内に磁気異方性が生じ難いようにすることができる。なお、細長い磁性体11としては線状に形成した磁性体以外に、例えば、中実又は中空の細い棒に形成した磁性体、短冊状に形成した磁性体を使用することができる。
励磁手段12は、励磁電流を流す電流源15と、細長い磁性体11に流す励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路16を有している。電流源15は、交番電流を形成する発振器17と、直流バイアス電流を形成する直流電流部18で構成することができる。これによって、交番電流に直流バイアス電流が重畳された励磁電流を形成して細長い磁性体11に流すことができる。なお、細長い磁性体11の電気抵抗と直流バイアス電流を調整して細長い磁性体11での消費電力を小さくすることができれば、直流電流部18には、例えば電池を使用することができる。
【0019】
切換回路16は、細長い磁性体11の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って細長い磁性体11の一端側から他端側に励磁電流を流すスイッチ19、20を有する第1のスイッチ群21と、細長い磁性体11の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って細長い磁性体11の他端側から一端側に励磁電流を流すスイッチ22、23を有する第2のスイッチ群24を有している。ここで、各スイッチ19、20、22、23は、例えば外部信号で動作するアナログスイッチを使用することができる。更に、切換回路16は、第1及び第2のスイッチ群21、24の各スイッチ19、20、22、23の外部信号入力端子に切換信号を入力する発振器25及びインバータ26を備えた動作切換部27を有している。このような構成とすることにより、発振器25の半周期毎に各スイッチ群21、24を交互に動作させることができる。
【0020】
検知コイル13は、細長い磁性体11の外周側に、例えば、銅線を100〜400回巻回すことにより形成されている。このようにすることにより、細長い磁性体11内を通過する磁束の変化に応じて、検知コイル13の両端に電圧を誘起させることができる。
信号処理手段14は、入力側に検知コイル13の両端に発生した誘起電圧が入力信号として入力される増幅回路の一例である差動増幅器28を有し、差動増幅器28からの出力信号が入力され発振器29からの信号を参照信号として同期整流を行う同期整流器30を出力側に有している。このような構成とすることにより、検知コイル13で発生した誘起電圧を増幅して同期整流器30に入力することができる。ここで、発振器29を、励磁手段12の電流源15に設けた発振器17に同期して発振させることにより、交番磁界の周波数に同期した整流を行うことができ、外部磁界に対応した出力が出力端子31から得ることができる。
【0021】
次に、本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサ10の使用方法について詳細に説明する。
励磁手段12の電流源15に設けた発振器17により交番電流を発生させ、直流電流部18で直流バイアス電流を発生させて励磁電流を形成し、細長い磁性体11に切換回路16を介して流す。また、切換回路16の動作切換部27に設けられた発振器25から切換信号を発生させ、スイッチ19、20の外部信号入力端子に入力する。また、発振器25から発生させた切換信号をインバータ26を介してスイッチ22、23の外部信号入力端子に入力する。その結果、細長い磁性体11には、切換信号の周期で反転する励磁電流が流れる。
【0022】
次いで、フラックスゲート磁界センサ10の細長い磁性体11を測定しようとする外部磁界が存在する領域に設置すると、外部磁界が細長い磁性体11内を通過する。このため、検知コイル13には、外部磁界に応じた誘起電圧が発生し、この誘起電圧を差動増幅器28に入力して増幅する。そして、差動増幅器28からの出力信号を同期整流器30に入力する。ここで、差動増幅器28からの出力信号は、交番電流の周波数と同じ周波数で変化しているので、交番電流と同一の周波数の信号を参照信号として同期整流器30で同期整流を行うと、出力端子31から得られる計測信号は外部磁界に対応した出力となる。
【0023】
【実施例】
細長い磁性体に、直径が120μm、長さが15mmのコバルト基非晶質金属線を使用して磁界検出部を構成し、図1に示すフラックスゲート磁界センサを作成した。
励磁手段の電流源に設けた発振器で振幅が3.5mAで周波数が58.4kHzの交番電流を発生させ、直流電流部で直流バイアス4mAの電流を発生させる。また、切換回路の動作切換部に設けた発振器から周波数1.825kHzの切換信号を発生させる。更に、差動増幅器の増幅率を690倍に設定した。
このときコバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の波形を図2に示す。図2から、切換回路により、コバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の方向が周期的に反転されることが確認できる。
【0024】
フラックスゲート磁界センサで−19〜19A/mの範囲で変化する外部磁界を測定した際の外部磁界と出力信号の関係を図3に示す。感度は、原点近傍で、約50mV/(A/m)、オフセットは1mV以下であった。
また、ヒステリシスの大きさを、外部磁界がゼロのときの出力電圧差の、フルスケール(外部磁界−19A/m及び19A/mを与えたときの出力電圧差)に対する割合で定義すると、ヒステリシスは約0.5%と小さくなることが確認できた。
更に、径方向のシールド比が約1000の円筒形磁気シールドの中に本フラックスゲート磁界センサを配置し、その出力信号をローパスフィルター(遮断周波数4.2Hz)を介して観測したときに得られる出力波形の時間変化を図4に示す。20分間のドリフトは約3nTであり、ゼロ点の安定性に関しても良好な結果が得られた。また、FFTにより求めた分解能は、0.1Hzにおいて約2nT/(Hz)1/2 であった。
【0025】
比較例として、前記実施例で使用したフラックスゲート磁界センサを用いて、切換回路に設けた一方のスイッチ群のみを入り状態にして、コバルト基非晶質金属線に流す励磁電流の方向を正又は負に固定したときに得られる外部磁界と出力信号の関係を求めた。その結果を、それぞれ図5(A)、(B)に示す。
図5(A)、(B)では、コバルト基非晶質金属線に内在する磁気異方性によって生じるオフセットが存在している。その値は、励磁電流が正のとき28mV(0.56A/mに相当)、励磁電流が負のとき25mV(0.5A/mに相当)であった。
このことから、前記実施例のように、励磁電流の極性を周期的に変化させることにより、コバルト基非晶質金属線に内在する磁気異方性の影響で生じるオフセットを除去できることが確認された。
【0026】
また、図5では、入出力間にヒステリシスが存在しており、その大きさは、励磁電流を正に固定したときは1.7%、負に固定したときは2.1%となる。一方、前記実施例では、ヒステリシスは約0.5%である。
このことから、前記実施例のように、コバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の方向を周期的に変化させることにより、コバルト基非晶質金属線の消磁効果があり、その結果ヒステリシスを低減させることが確認された。
【0027】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフラックスゲート磁界センサを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、細長い磁性体を励磁する際に、交番電流に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流したが、パルス列に直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流して励磁することも可能である。また、細長い磁性体の材質として、無磁歪組成のコバルト基非晶質金属を使用したが、コバルト基以外の非晶質磁性金属、パーマロイ、スーパーマロイ、フェライト等の磁性体を使用することもできる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1〜5記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、励磁手段に細長い磁性体に流れる励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路を設けたので、細長い磁性体に内在する磁気異方性の影響によるオフセットが発生しない高性能なフラックスゲート磁界センサを構成でき、オフセットを除去する調整回路を不要にすることが可能になる。また、製造時に各フラックスゲート磁界センサ毎に行っていたオフセット除去のための調整作業を省くことが可能になる。その結果、フラックスゲート磁界センサの構成が簡単になって部品点数を減少させることができ、オフセット調整工程を省くことができ、フラックスゲート磁界センサの製造コストを大幅に低減させることが可能になる。
更に、本発明のフラックスゲート磁界センサを電圧計等の汎用計測器に組み込むことにより、容易に磁界計測機能を付加することができ、磁界計測を安価に、簡単に行うことができる。また、位置検出、近接ディテクタ、電流測定、車両検知、金属検知、セキュリティ、動体のトラッキング、磁気異常検出、過電流探傷、磁気イメージング等を有する各種システムに本フラックスゲート磁界センサを組み込むことによって、システムそのものの高性能化、低価格化や高機能化を達成でき、商品価値を向上させることができる。
【0029】
特に、請求項2記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、切換回路に、細長い磁性体の一端側から他端側に励磁電流を流す第1のスイッチ群と、細長い磁性体の他端側から一端側に励磁電流を流す第2のスイッチ群と、第1及び第2のスイッチ群の各入り切り動作を交互に行う動作切換部を有しているので、励磁電流の流れる方向を反転させた場合の各信号出力の平均を容易に求めることができ、簡単な回路構成で細長い磁性体に生じるオフセットを除去することが可能になる。その結果、フラックスゲート磁界センサの部品点数を減少させてフラックスゲート磁界センサの小型化、製造コストの減少が可能になる。
【0030】
請求項3記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、信号処理手段の出力側に、交番電流と実質的に同期して整流を行う同期整流器が設けられているので、外部磁界に対応する信号のみを出力することができ、外部磁界の強さを容易に知ることが可能になる。
【0031】
請求項4記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、信号処理手段の入力側に、増幅回路が設けられているので、検知信号が小さい場合でも信号を処理して計測信号にすることができ、精度のよい計測を安定して行うことが可能になる。更に、検知コイルを形成する際の細長い磁性体に巻回す回数を少なくすることができ、検知コイルの部分を小さくすることが可能になる。その結果、磁界検出部が小さくなってフラックスゲート磁界センサを小型化することが可能になる。
【0032】
請求項5記載のフラックスゲート磁界センサにおいては、細長い磁性体に無磁歪組成の非晶質磁性金属線を使用するので、励磁電流を細長い磁性体に直接流すことができ、細長い磁性体を励磁する励磁コイルが不要になって磁界検出部が小さくなり、フラックスゲート磁界センサの小型化が達成されると共に、部品点数の減少が可能になる。その結果、フラックスゲート磁界センサの製造コストの減少が可能になる。
また、無磁歪組成のため細長い磁性体内に磁気異方性が生じ難いことに加えて、細長い磁性体に流す励磁電流の方向を周期的に反転することで細長い磁性体の消磁効果があり、入出力間に存在するヒステリシスを大幅に減少することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフラックスゲート磁界センサの説明図である。
【図2】実施例におけるコバルト基非晶質金属線に流れる励磁電流の波形を示す説明図である。
【図3】実施例における外部磁界と出力信号の関係を示す説明図である。
【図4】実施例における出力信号の時間変動を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ比較例における励磁電流の極性を正、及び負に固定したときの外部磁界と出力信号の関係を示す説明図である。
【図6】細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図7】交番電流と直流バイアス電流の極性を共に正にした場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図8】交番電流と直流バイアス電流の極性を共に負にした場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図9】交番電流の極性を正、直流バイアス電流の極性を負にした場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図10】外部磁界が存在せず、交番電流と直流バイアス電流の極性が共に正である場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図11】外部磁界が存在せず、交番電流と直流バイアス電流の極性が共に負である場合の細長い磁性体に発生する磁界の関係を示す説明図である。
【図12】励磁電流の方向を換えたときに、外部磁界に対応して検知コイルにそれぞれ発生する誘起電圧の特性を示す説明図である。
【符号の説明】
10:フラックスゲート磁界センサ、11:細長い磁性体、12:励磁手段、13:検知コイル、14:信号処理手段、15:電流源、16:切換回路、17:発振器、18:直流電流部、19、20:スイッチ、21:第1のスイッチ群、22、23:スイッチ、24:第2のスイッチ群、25:発振器、26:インバータ、27:動作切換部、28:差動増幅器、29:発振器、30:同期整流器、31:出力端子
Claims (5)
- 測定しようとする外部磁界が通過する細長い磁性体と、前記細長い磁性体に対して交番電流及びパルス列のいずれか1つに直流バイアス電流を重畳した励磁電流を流す励磁手段と、前記細長い磁性体に巻回されて該細長い磁性体を通過する前記外部磁界に応じた検知信号を出力する検知コイルと、前記検知信号を処理して計測信号にする信号処理手段を備えたフラックスゲート磁界センサにおいて、
前記励磁手段に前記細長い磁性体に流れる前記励磁電流の方向を周期的に反転する切換回路を設けたことを特徴とするフラックスゲート磁界センサ。 - 請求項1記載のフラックスゲート磁界センサにおいて、前記切換回路は、前記細長い磁性体の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って該細長い磁性体の一端側から他端側に前記励磁電流を流す2つのスイッチを有する第1のスイッチ群と、前記細長い磁性体の両端にそれぞれ接続され同時に入り切り動作を行って該細長い磁性体の他端側から一端側に前記励磁電流を流す2つのスイッチを有する第2のスイッチ群と、前記第1及び第2のスイッチ群の各入り切り動作を交互に行う動作切換部を有していることを特徴とするフラックスゲート磁界センサ。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のフラックスゲート磁界センサにおいて、前記信号処理手段の出力側には、前記交番電流と実質的に同期して整流を行う同期整流器が設けられていることを特徴とするフラックスゲート磁界センサ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラックスゲート磁界センサにおいて、前記信号処理手段の入力側には、増幅回路が設けられていることを特徴とするフラックスゲート磁界センサ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラックスゲート磁界センサにおいて、前記細長い磁性体に無磁歪組成の非晶質磁性金属線を使用することを特徴とするフラックスゲート磁界センサ。
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