JP3399185B2 - 磁気検知装置及び磁気検知方法 - Google Patents

磁気検知装置及び磁気検知方法

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JP3399185B2
JP3399185B2 JP26186295A JP26186295A JP3399185B2 JP 3399185 B2 JP3399185 B2 JP 3399185B2 JP 26186295 A JP26186295 A JP 26186295A JP 26186295 A JP26186295 A JP 26186295A JP 3399185 B2 JP3399185 B2 JP 3399185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界を検知す
る磁気検知装置に関し、特に磁性体にコイルが巻回され
てなる磁気センサを用いた磁気検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】外部磁界の変化を感知して何らかの応答
を示す磁気センサは、磁場検出器、各種測定器等の計測
用の装置から始まって近時においては磁気スイッチ、磁
気式ロータリ、エンコーダ、地磁気方位センサ等の民生
用のものとして広く使用されている。上記磁気センサの
主用部をなす磁気を検知する素子としては、ホール素
子、フラックスゲート・センサ、磁気抵抗効果素子等が
ある。
【0003】上記ホール素子は、いわゆるホール効果を
利用した素子であり、磁界の変化によって発生するホー
ル電圧を用いるものである。ホール素子の厚みをdとす
るとホール電圧Vhは、以下に示す数式で表される。
【0004】Vh=Rh・I・B/d (Rh:ホー
ル係数,I:電流,B:磁束) したがって、ホール係数Rhが大きく厚みdを小さくす
れば感度が向上するが、この感度は例えば地磁気程度の
微弱磁界(0.3ガウス程度)を検出するには不十分で
ある。
【0005】フラックスゲート・センサは、微弱磁界の
対してもヒステリシス・カーブがシフトする特殊な高透
磁率材料を使用した素子である。このフラックスゲート
・センサにおいては、励磁コイルにより交流バイアス磁
界HBをパーマロイコア中に発生させ、バイアス磁界が
反転したときに発生するパルス状の電圧を信号として検
出する。このパルス状電圧の電圧値は、地磁気の方位に
よって変化するので、地磁気センサとして利用すること
ができる。
【0006】しかしながら、このフラックスゲート・セ
ンサは、励磁コイルにより地磁気を電気信号に変換する
ため、感度を上げるためには電気信号出力用コイルの巻
き数を多くしたり、集束効果を高めるためにパーマロイ
コアの形状を大きくする必要がある。したがって、小型
化や低価格化は難しい。
【0007】磁気抵抗効果素子(MR素子)は、例えば
Ni−Zn合金等からなる強磁性薄膜の磁気抵抗効果を
利用した磁電変換素子であり、印加磁界の強度に応じて
その抵抗値が変化するという特性を有している。当該M
R素子に供給されるセンス電流Isの方向(MR素子の
長手方向)と外部磁界HによってこのMR素子が磁化さ
れる磁化Mの方向とのなす角をθとすると、この角θと
MR素子の抵抗値Rとの関係は以下に示す数式で表され
る。
【0008】R=R1+(R2−R1)cos2 θ 上記MR素子のもつ抵抗変化率の最大値は2〜3%程度
であり、適当な大きさのバイアス磁界を加えて感度の優
れたところで使用しても、地磁気程度の微弱磁界では
0.05%程度の変化しかしないため、微弱磁界の検出
には不十分である。さらに、MR素子は大きな温度係数
(約0.3%/℃)を有しているため、温度ドリフト等
の問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られる磁気センサでは、感度の点で不満を残しており、
また小型化、低価格化も難しい。
【0010】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたもので、実用的な感度を有し、しかも小型
化、低価格化が容易な磁気探知装置及び実用的な感度を
もって外部磁界を検知する磁気探知方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気探知装置
は、長尺の磁性体及び当該磁性体に巻回されてなる磁気
コイルを有してなる磁気センサを有するものである。
【0012】この磁気探知装置は、上記磁気センサの磁
気コイルに直流電流と交流電流とを共に供給して上記磁
性体に直流バイアス磁界と交流バイアス磁界とを共に発
生させ、外部磁界の変化に応じた電気信号に交流バイア
ス磁界に応じた電気信号が重畳された混合信号を上記磁
気コイルから出力させる混合信号出力手段と、混合信号
出力手段から出力された混合信号から交流バイアス磁界
に応じた電気信号を除去して外部磁界の変化に応じた電
気信号のみを取り出して出力する除去手段とを備えたも
のである。
【0013】この場合、上記磁気センサとして、複数の
長尺の磁性体が長尺の非磁性体に接合され、各磁性体が
接合された非磁性体に磁気コイルが巻回されてなるもの
を用いることも好適である。
【0014】具体的に、上記除去手段としては、磁気コ
イルに供給される正方向の直流電流を順次反転させて逆
方向に切り換え、直流電流が正方向に流れる場合と直流
電流が逆方向に流れる場合のそれぞれについて上記磁気
コイルから出力する各混合信号を順次検波し、当該各混
合信号の差動を取ることにより外部磁界の変化に応じた
電気信号のみを取り出して出力するものが好適である。
【0015】また、上記除去手段として、一端子が混合
信号出力手段と接続された磁気コイルの他端子と接続さ
れる可変直流電圧源と、磁気コイルの上記一端子と接続
され当該磁気コイルから出力する混合信号に対して正或
は負のピーク検波を行う検波回路とを備え、上記可変直
流電圧源における直流電圧値を調整することにより上記
検波回路から出力された電気信号から交流バイアス磁界
に応じた電気信号を除去して外部磁界の変化に応じた電
気信号のみを取り出して出力するものも好適である。
【0016】さらに、上記除去手段として、磁気センサ
が同方向に巻線が施されてなる2種の磁気コイルを備え
るとともに、各磁気コイルに供給される直流電流をそれ
ぞれ相異なる方向に調節し、それぞれの磁気コイルから
出力する各混合信号を順次検波し、当該各混合信号の差
動を取ることにより外部磁界の変化に応じた電気信号の
みを取り出して出力するものも好適である。
【0017】この場合、磁気センサが互いに巻回方向の
相異なる2種の磁気コイルを備えるとともに、各磁気コ
イルに供給される直流電流を同方向に調節し、それぞれ
の磁気コイルから出力する各混合信号を順次検波し、当
該各混合信号の差動を取ることにより外部磁界の変化に
応じた電気信号のみを取り出して出力するように上記除
去手段を構成しても好適である。
【0018】また、上記除去手段として、同方向に巻線
が施されてなる磁気コイルを有する2本の磁気センサが
互いに長手方向に平行に並設されるとともに、各磁気セ
ンサの磁気コイルに供給される直流電流をそれぞれ相異
なる方向に調節し、それぞれの磁気コイルから出力する
各混合信号の差動を取ることにより外部磁界の変化に応
じた電気信号のみを取り出して出力するものも好適であ
る。
【0019】この場合、それぞれ磁気コイルの巻回方向
が相異なる2本の磁気センサが互いに長手方向に平行に
並設されるとともに、各磁気センサの磁気コイルに供給
される直流電流を同方向に調節し、それぞれの磁気コイ
ルから出力する各混合信号の差動を取ることにより外部
磁界の変化に応じた電気信号のみを取り出して出力する
ように上記除去手段を構成することも好適である。
【0020】本発明の磁気探知装置は、例えば地磁気の
方位を検出する地磁気方位検知装置として用いることが
好適である。
【0021】この場合、例えば2本の磁気センサを互い
に直交する位置に配設し、X方向及びY方向の地磁気方
位をそれぞれ検知する。
【0022】また、本発明の磁気検知方法は、長尺の磁
性体及び当該磁性体に巻回されてなる磁気コイルを有し
てなる磁気センサを用いて、上記磁気コイルに直流電流
と交流電流とを共に供給して上記磁性体に直流バイアス
磁界と交流バイアス磁界とを共に発生させ、外部磁界の
変化に応じた電気信号に交流バイアス磁界に応じた電気
信号が重畳された混合信号を上記磁気コイルから出力さ
せるとともに、上記混合信号から交流バイアス磁界に応
じた電気信号を除去して外部磁界の変化に応じた電気信
号のみを取り出して出力し、上記電気信号の除去は、磁
気コイルに供給される正方向の直流電流を順次反転させ
て逆方向に切り換え、直流電流が正方向に流れる場合と
直流電流が逆方向に流れる場合のそれぞれについて上記
磁気コイルから出力する各混合信号を順次検波し、当該
各混合信号の差動を取ることにより行ない、外部磁界の
変化に応じた電気信号のみを取り出して出力するもので
ある。
【0023】本発明の磁気探知装置においては、混合信
号出力手段により磁気センサの磁気コイルに直流電流と
交流電流を供給すると上記磁性体に直流バイアス磁界と
交流バイアス磁界とが共に発生し、当該磁性体がその長
手方向に磁化される。この場合、外部磁界の変化に応じ
た電気信号は、外部磁界に比例し、当該外部磁界と直流
バイアス磁界とのなす角度に依存する。すなわち、外部
磁界のうち上記磁性体の長手方向成分のみが検出され、
この電気信号は方位情報を有している。このとき磁気コ
イルから出力される混合信号はこの外部磁界の変化に応
じた電気信号に交流バイアス磁界に応じた電気信号が重
畳されたものである。
【0024】そして、除去手段において、混合信号出力
手段から出力された混合信号から交流バイアス磁界に応
じた電気信号が除去されて外部磁界の変化に応じた電気
信号のみが取り出されて出力されるために、高感度な磁
気探知が実現されることになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した磁気探知
装置のいくつかの具体的な実施の形態について、図面を
参照しながら詳細に説明する。
【0026】第1の実施の形態 先ず、第1の実施の形態に係る磁気探知装置について述
べる。この磁気探知装置は、磁性体にコイルが巻回され
た磁気センサ1と、この磁気コイルに直流電流と交流電
流とを共に供給して上記磁性体に直流バイアス磁界と交
流バイアス磁界とを共に発生させ、外部磁界の変化に応
じた電気信号に交流バイアス磁界に応じた電気信号が重
畳された混合信号を上記磁気コイルから出力させる混合
信号出力手段2と、当該混合信号出力手段2から出力さ
れた混合信号から交流バイアス磁界に応じた電気信号を
除去して外部磁界の変化に応じた電気信号のみを取り出
して出力する除去手段6とから構成されている。
【0027】磁気センサ1は、図1に示すように、リボ
ン状或はワイヤ状とされた長尺の磁性体11と、当該磁
性体11に銅線等の線材が巻回されてなる磁気コイル1
2とから構成されている。
【0028】ここで、磁気コイル12の各端子C1,C
2に交流電流源13を接続し、外部磁界Hexを磁性体
11の長手方向に加える。このときの磁性体11への励
磁電流周波数fと磁気コイル12のインピーダンスZと
の関係を図2に示す。図示した各特性は、以下に示すも
のである。
【0029】特性1:外部磁界Hex=0のときの磁気
コイル12のインダクタンスの変化 特性2:外部磁界Hexが存するときの磁気コイル12
のインダクタンスの変化 特性3:外部磁界Hex=0のときの磁気コイル12の
交流抵抗の変化 特性4:外部磁界Hexが存するときの磁気コイル12
の交流抵抗の変化 磁気コイル12のインダクタンスは励磁電流周波数fが
高くなると小さくなり(特性1)、外部磁界Hexが印
加されると小さくなる(特性2)。また、磁気コイル1
2の交流抵抗は励磁電流周波数fが高くなると大きくな
り(特性3)、外部磁界Hexが印加されると小さくな
る(特性4)。
【0030】そこで、これらの特性のうち、交流抵抗変
化(特性3,4)に着目し、外部磁界Hexが磁性体1
1の長手方向に印加されたときに励磁電流周波数fのう
ち変化量が大きい周波数frにて磁気センサ1を動作さ
せ、外部磁界依存性について調べた。その結果、図3に
示すように、例えば地磁気程度の微弱な外部磁界(0.
3ガウス程度)の変化を交流抵抗rの変化として検出す
るには、感度及び線形性を向上させるために磁性体11
に直流バイアス磁界Hbを印加することが必要であるこ
とがわかる。
【0031】この直流バイアス磁界Hbは、磁気コイル
12に直流電流Ibを供給することにより磁性体1に与
えられる。したがって、磁気コイル12に供給する電流
は、直流電流Ibと交流抵抗変化を検出するための交流
電流ibが必要である。磁気コイル12に直流電流Ib
及び交流電流ibを供給すると、磁性体11がその長手
方向に磁化される。外部磁界Hexの変化によって磁性
体11の磁化量も変化し、これが磁気コイル12の交流
抵抗rの変化として現れる。この抵抗rをもつ磁気コイ
ル12に直流電流Ibが供給されることにより電気信号
が当該磁気コイル12から出力される。すなわち、磁気
コイル12は、バイアス磁界が印加されるものであると
ともに磁電変換素子としても機能する。また、直流電流
Ibは直流バイアスを惹起させる電流であるとともに磁
気センサ1の磁気コイル12から電気信号を取り出すた
めのセンス電流としても機能する。
【0032】混合信号出力手段2は、図4に示すよう
に、オペアンプ21と、交流信号源22と、オペアンプ
21とともに帰還率1の負帰還アンプを構成するトラン
ジスタQ1を有し、当該トランジスタQ1のコレクタと
カスコード接続されて高値の周波数frに対応して周波
数特性を向上させる(トランジスタQ1のベースとコレ
クタ間の容量に生じるミラー効果を低減させる)トラン
ジスタQ2が設けられて構成されている。このトランジ
スタQ2のコレクタが磁気センサ1の磁気コイル12の
一端子と接続されている。
【0033】この混合信号出力手段2においては、トラ
ンジスタQ1のベースが入力端子、コレクタが出力端
子、エミッタがコモンのエミッタ接地アンプとされ、磁
気センサ1がコレクタ負荷抵抗となるように接続されて
いる。また、オペアンプ21はインピーダンス変換器の
役割も果しており、交流信号源22のインピーダンスR
vの影響が除去される。抵抗R1,R2はトランジスタ
Q1のエミッタ電位を決定するバイアス抵抗であり、そ
の中点電位がVbとされる。この中点電位Vbに交流信
号源22の交流電圧信号vbが重畳される。トランジス
タQ1のエミッタ抵抗をReとすると、磁気センサ1の
磁気コイル12に供給される各電流は以下に示すように
なる。
【0034】直流電流Ib=Vb/Re 交流電流ib=vb/Re 混合信号出力手段2によって得られた混合信号(出力電
圧)V0 の波形と磁性体11の長手方向に生じる磁化
(磁界)をベクトルで表したものとをそれぞれ図5,図
6に示す。磁気コイル12に交流電流ibを与えること
により生じる電気信号V0 bの振幅変化量が、外部磁界
Hexの変化に応じた電気信号V0 exとなる。この電
気信号V0 exは、外部磁界Hexの強度に比例し、当
該外部磁界Hexと直流バイアス磁界Hbとのなす角θ
に依存し、方位情報を有している。すなわち、外部磁界
Hexのうち、磁性体11の長手方向の成分のみが磁気
センサ1で検出されることになる。具体的に、電気信号
0 exは以下に示す数式で表される。
【0035】 V0 ex=α・Hex・cosθ (α:係数) したがって、混合信号V0 は、 V0 =V0 b+V0 ex となる。
【0036】ここで、必要な出力は電気信号V0 exの
みであるため、以下に示す除去手段6によって電気信号
0 bを除去する。
【0037】除去手段6は、磁気コイル12に供給され
る正方向の直流電流Ibを順次反転させて逆方向に切り
換え、直流電流Ibが正方向に流れる場合と直流電流I
bが逆方向に流れる場合のそれぞれについて磁気コイル
12から出力する各混合信号V0 1,V0 2を順次検波
し、当該各混合信号V0 1,V0 2の差動を取ることに
より外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V0 exの
みを取り出して出力するものである。
【0038】ここで、図5,図6に示す混合信号V0
波形と磁性体11の長手方向に生じる磁化(方向1の場
合)に対して、直流電流Ibの向きを正方向から逆方向
に反転させた場合において、混合信号出力手段2によっ
て得られた混合信号V0 の波形と磁性体11の長手方向
に生じる磁化(方向2の場合)をベクトルで表したもの
とをそれぞれ図7,図8に示す。直流バイアス磁界Hb
は磁気コイル12に直流電流Ibに供給されることによ
り磁性体11に印加される。
【0039】方向1の場合:直流バイアス磁界Hbの方
向と外部磁界Hexにより生じる磁化方向とが同一方向
となる。
【0040】方向2の場合:直流バイアス磁界Hbの方
向と外部磁界Hexにより生じる磁化方向とが逆方向と
なる。
【0041】このように、方向1の場合と方向2の場合
とにおいて、各々の電気信号V0 bは同じ大きさ且つ同
相の交流出力であり、各々の電気信号V0 exは同じ大
きさ且つ逆相の交流出力である。各混合信号V0 1,V
0 2を同時に出力させることはできないために、ピーク
検波や同期検波、サンプルホールド等の検波後に各混合
信号V0 1,V0 2の差動を取ることにより外部磁界H
exの変化に応じた電気信号V0 exのみが2倍の出力
として取り出される。すなわち、 方向1の場合:V0 1=V0 b+V0 ex 方向2の場合:V0 2=V0 b−V0 ex となる。
【0042】電気信号V0 exの上記角θに対する依存
性について図9に示す。ここでは、外部磁界Hexの向
きと直流バイアス磁界Hbの向きとが同一であるときに
方位角が0゜であると規定した。
【0043】このように、任意に選んだ方位1とこの方
位1の場合に直流バイアス磁界Hbの向きを反転させた
方位2は、それぞれ図示するような関係にあり、外部磁
界Hex=0に対して線対称となるため、両者は差動の
関係にあることがわかる。
【0044】ここで、混合信号出力手段2に接続された
磁気センサ1に対して、更に除去手段6が付加された磁
気探知装置を図10に示す。
【0045】除去手段6は、スイッチとして用いられる
MOSトランジスタQ3〜Q6と、各混合信号V0 1,
0 2の検波を行う検波回路23と、混合信号V0 1,
02の差動を行う差動アンプ24とから構成されてい
る。
【0046】この除去手段6において、MOSトランジ
スタQ3,Q6がオフ、MOSトランジスタQ4,Q5
がオンのとき、図10中の方向1の向きに直流電流Ib
が流れ、MOSトランジスタQ4,Q5がオフ、MOS
トランジスタQ3,Q6がオンのとき、図10中の方向
2の向きに直流電流Ibが流れる。したがって、この除
去手段6によれば、直流電流Ibの向きを反転させるこ
とが可能である。各混合信号V0 1,V0 2は磁気セン
サ1の端子電圧、すなわち磁気センサの構成要素である
磁気コイル12の端子C1−C2間の電圧である。上述
のように、各混合信号V0 1,V0 2を同時に出力させ
ることはできないため、検波回路23において検波を行
った後に、作動アンプ24において各混合信号V0 1,
0 2の差動を取り、所望の外部磁界Hexの変化に応
じた電気信号V0 exの2倍の振幅をもつ交流出力のみ
が得られることになる。
【0047】なお、上記除去手段としては、図10に示
すように、MOSトランジスタQ3〜Q6をバイポーラ
・トランジスタで構成した除去手段6aを用いてもよ
い。この場合、バイポーラ・トランジスタQ3,Q4
は、スイッチの他にカスコード接続の役割も果してい
る。また、ダイオードD1,D2は、バイポーラ・トラ
ンジスタQ3,Q4の飽和を防止するために設けられて
いる。
【0048】このように、本第1の実施の形態に示した
磁気探知装置においては、混合信号出力手段2により磁
気センサ1の磁気コイル12に直流電流Ibと交流電流
ibを供給すると磁性体11に直流バイアス磁界Hbと
交流バイアス磁界とが共に発生し、当該磁性体11がそ
の長手方向に磁化される。この場合、外部磁界Hexの
変化に応じた電気信号V0 exは、外部磁界Hexに比
例し、当該外部磁界Hexと直流バイアス磁界Hbとの
なす角θに依存する。すなわち、外部磁界のうち上記磁
性体の長手方向成分のみが検出され、この電気信号V0
exは方位情報を有している。このとき磁気コイル12
から出力される混合信号V0 はこの外部磁界Hexの変
化に応じた電気信号V0 exに交流バイアス磁界に応じ
た電気信号V0 bが重畳されたものである。
【0049】そして、除去手段6或は6aにおいて、混
合信号出力手段2から出力された混合信号V0 から交流
バイアス磁界Hbに応じた電気信号V0 bが除去されて
外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V0 exの2倍
の振幅をもつ交流出力のみが取り出されて出力されるた
めに、高感度な磁気探知が実現されることになる。
【0050】変形例 続いて、第1の実施の形態に係る磁気検知装置の変形例
について述べる。この磁気検知装置は、第1の実施の形
態に係る磁気検知装置とほぼ同様の構造を有するが、そ
の磁気センサの構造が異なる点で相違する。なお、第1
の実施の形態に示した部材等と同一のものについては同
符号を記して説明を省略する。
【0051】この磁気検知装置の構成要素である磁気セ
ンサ3は、図12に示すように、2本の長尺の磁性体1
5a,15bが長尺の非磁性体16に接合され、各磁性
体15a,15bが接合された非磁性体16に磁気コイ
ル12が巻回されて構成されている。
【0052】この場合、上記磁性体は2本に限定される
ものではなく、当該磁性体の本数が多いほど交流抵抗変
化量は大きくなる。
【0053】この変形例の磁気探知装置においては、本
第1の実施の形態の場合と同様に、混合信号出力手段2
により磁気センサ3の磁気コイル12に直流電流Ibと
交流電流ibを供給すると磁性体15a,15bに直流
バイアス磁界Hbと交流バイアス磁界とが共に発生し、
当該磁性体15a,15bがその長手方向に磁化され
る。この場合、外部磁界Hexの変化に応じた電気信号
0 exは、外部磁界Hexに比例し、当該外部磁界H
exと直流バイアス磁界Hbとのなす角θに依存する。
すなわち、外部磁界のうち上記磁性体の長手方向成分の
みが検出され、この電気信号V0 exは方位情報を有し
ている。このとき磁気コイル12から出力される混合信
号V0 はこの外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V
0 exに交流バイアス磁界に応じた電気信号V0 bが重
畳されたものである。
【0054】そして、除去手段6或は6aにおいて、混
合信号出力手段2から出力された混合信号V0 から交流
バイアス磁界Hbに応じた電気信号V0 bが除去されて
外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V0 exの2倍
の振幅をもつ交流出力のみが取り出されて出力されるた
めに、高感度な磁気探知が実現されることになる。
【0055】第2の実施の形態 続いて、第2の実施の形態に係る磁気検知装置について
述べる。この磁気検知装置は、第1の実施の形態に係る
磁気と検知装置ほぼ同様の構造を有するが、その構成要
素である除去手段が異なる点で相違する。なお、第1の
実施の形態に示した部材等と同一のものについては同符
号を記して説明を省略する。
【0056】混合信号出力手段2に接続された磁気セン
サ1に対して、更に除去手段7が付加された磁気探知装
置を図10に示す。
【0057】除去手段7は、図13に示すように、端子
C1が混合信号出力手段2と接続された磁気コイルの端
子C2と接続される可変直流電圧源26と、磁気コイル
12の上記一端子と接続され当該磁気コイル12から出
力する混合信号V0 に対して正或は負のピーク検波を行
う検波回路27とを備え、可変直流電圧源26の直流電
圧値V0 sを調整することにより検波回路27から出力
された電気信号V0 dから交流バイアス磁界に応じた電
気信号V0 bを除去して外部磁界Hexの変化に応じた
電気信号V0 exのみを取り出して出力するものであ
る。
【0058】この除去手段7は、可変直流電圧源26の
信号源インピーダンスR0 sの影響を除去するためのエ
ミッタフォロアとしてトランジスタQ3を配し、このト
ランジスタQ3のエミッタに磁気コイル12の端子C2
がコモン端子として接続される。さらに、除去手段7
は、検波回路27から出力された電気信号V0 dを以下
に示すように増幅するために、オペアンプ28,基準直
流電圧源29,及び抵抗R3〜R6を有して構成されて
いる。
【0059】混合信号出力手段2から端子C1に出力さ
れる混合信号V0 が正或は負のピーク検波を行う検波回
路27に直流直結で入力され、直流の電気信号V0 dが
得られる。これが基準直流電圧源29及び抵抗R3〜R
6にて直流増幅され、電気信号V0 tが得られる。通常
では、R3=R5,R4=R6となるように各抵抗値が
設定され、このときの電気信号V0 tは、 V0 t=(R4/R3)・(V0 d−Vref)+Vr
ef となる。
【0060】ここで、除去手段7において正のピーク検
波を行う場合の電気信号V0 と電気信号V0 dのタイム
チャートを図14に示す。
【0061】電気信号V0 の直流電圧値Vsを中心に電
気信号V0 bが振れ、この振幅変化量が電気信号V0
xとなる。したがって、電気信号V0 dが外部磁界He
x=0のとき基準直流電圧源29の基準電圧値がVre
fとなるように可変直流電圧源26の直流電圧値V0
を調整することにより、すなわちV0 d=Vrefとな
るように可変直流電圧源26を調整することにより、電
気信号V0 tと基準電圧値Vrefとが等しくなる。こ
のとき、電気信号V0 exは外部磁界Hexの変化に応
じて基準電圧値Vrefを中心に振れることになり、し
たがって電気信号V0 から電気信号V0 bを除去して必
要な電気信号V0 exのみを得ることが可能となる。
【0062】なお、ここでは除去手段7において正のピ
ーク検波を行う場合について示したが、負のピーク検波
を行う場合でも、上述と同様に電気信号V0 から電気信
号V0 bを除去して必要な電気信号V0 exのみを得る
ことができる。
【0063】このように、本第2の実施の形態の磁気探
知装置においては、本第1の実施の形態の場合と同様
に、混合信号出力手段2により磁気センサ1の磁気コイ
ル12に直流電流Ibと交流電流ibを供給すると磁性
体11に直流バイアス磁界Hbと交流バイアス磁界とが
共に発生し、当該磁性体11がその長手方向に磁化され
る。この場合、外部磁界Hexの変化に応じた電気信号
0 exは、外部磁界Hexに比例し、当該外部磁界H
exと直流バイアス磁界Hbとのなす角θに依存する。
すなわち、外部磁界のうち上記磁性体の長手方向成分の
みが検出され、この電気信号V0 exは方位情報を有し
ている。このとき磁気コイル12から出力される混合信
号V0 はこの外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V
0 exに交流バイアス磁界に応じた電気信号V0 bが重
畳されたものである。
【0064】そして、除去手段7において、混合信号出
力手段2から出力された混合信号V0 から交流バイアス
磁界Hbに応じた電気信号V0 bが除去されて外部磁界
Hexの変化に応じた電気信号V0 exのみが取り出さ
れて出力されるために、高感度な磁気探知が実現される
ことになる。
【0065】第3の実施の形態 続いて、第3の実施の形態に係る磁気検知装置について
説明する。この磁気検知装置は、第1の実施の形態に係
る磁気と検知装置ほぼ同様の構造を有するが、その構成
要素である磁気センサ及び除去手段が若干異なる点で相
違する。なお、第1の実施の形態に示した部材等と同一
のものについては同符号を記して説明を省略する。
【0066】この磁気検知装置の構成要素である磁気セ
ンサ4は、図15に示すように、リボン状或はワイヤ状
とされた長尺の磁性体11と、各々同方向に巻線が施さ
れてなる2種の磁気コイル12a,12bとから構成さ
れている。
【0067】そして、混合信号出力手段2に接続された
磁気センサ4に対して、更に除去手段8が付加された当
該磁気探知装置を図16に示す。
【0068】この除去手段8は、各磁気コイル12a,
12bに供給される直流電流をそれぞれ相異なる方向に
調節し、それぞれの磁気コイル12a,12bから出力
する各混合信号V0 1,V0 2を順次検波し、当該各混
合信号V0 1,V0 2の差動を取ることにより外部磁界
Hexの変化に応じた電気信号V0 exのみを取り出し
て出力するものである。
【0069】この除去手段8は、スイッチとして用いら
れ各磁気コイル12a,12bに直流電流Ibを順次供
給するトランジスタQ3,Q4と、各混合信号V0 1,
02の検波を行う検波回路31と、混合信号V0 1,
0 2の差動を行う差動アンプ32とから構成されてい
る。
【0070】ここでは、混合信号出力手段2のトランジ
スタQ1,Q2のベースが入力、コレクタが出力、エミ
ッタがコモンのエミッタ接地アンプとしてそれぞれ各磁
気コイル12a,12bに接続されている。
【0071】この除去手段8において、トランジスタQ
3がオフ、トランジスタQ4がオンのとき、磁気コイル
12aに直流電流Ib及び交流電流ibが供給され、当
該磁気コイル12aから電気信号V0 1が出力される。
この場合、トランジスタQ2がオフの状態にあるために
磁気コイル12bには各電流は供給されない。
【0072】一方、トランジスタQ4がオフ、トランジ
スタQ3がオンのとき、磁気コイル12bに直流電流I
b及び交流電流ibが供給され、当該磁気コイル12b
から電気信号V0 2が出力される。この場合、トランジ
スタQ1がオフの状態にあるために磁気コイル12aに
は各電流は供給されない。
【0073】したがって、この除去手段8によれば、各
磁気コイル12a,12bに直流電流Ibを順次供給す
ることが可能である。このとき、上記第1の実施の形態
と同様に、各混合信号V0 1,V0 2を同時に出力させ
ることはできないため、検波回路31において検波を行
った後に、作動アンプ32において各混合信号V0 1,
0 2の差動を取り、所望の外部磁界Hexの2倍の振
幅をもつ交流出力のみが得られることになる。
【0074】ここで、各磁気コイル12a,12bの一
方の端子をコモンとして用いているため、いわゆるセン
ター・タップ化を行うことにより端子を3端子とするこ
とが可能である。
【0075】なお、ここでは磁気コイル12a,12b
を各々同方向に巻線が施されて形成されたものとした
が、巻回方向の相異なる2種の磁気コイルとしてもよ
い。この場合、各磁気コイルに供給される直流電流Ib
を同方向に調節し、それぞれの磁気コイルから出力する
各混合信号V0 1,V0 2を順次検波し、当該各混合信
号V0 1,V0 2の差動を取ることにより外部磁界He
xの変化に応じた電気信号V0 exのみを取り出して出
力するように上記除去手段を構成すればよい。
【0076】このように、本第3の実施の形態の磁気探
知装置においては、本第1の実施の形態の場合と同様
に、混合信号出力手段2により磁気センサ4の各磁気コ
イル12a,12bに直流電流Ibと交流電流ibを供
給すると磁性体11に直流バイアス磁界Hbと交流バイ
アス磁界とが共に発生し、当該磁性体11がその長手方
向に磁化される。この場合、外部磁界Hexの変化に応
じた電気信号V0 exは、外部磁界Hexに比例し、当
該外部磁界Hexと直流バイアス磁界Hbとのなす角θ
に依存する。すなわち、外部磁界のうち上記磁性体の長
手方向成分のみが検出され、この電気信号V0 exは方
位情報を有している。このとき各磁気コイル12a,1
2bから出力される混合信号V0 はこの外部磁界Hex
の変化に応じた電気信号V0 exに交流バイアス磁界に
応じた電気信号V0 bが重畳されたものである。
【0077】そして、除去手段8において、混合信号出
力手段2から出力された混合信号V0 から交流バイアス
磁界Hbに応じた電気信号V0 bが除去されて外部磁界
Hexの変化に応じた電気信号V0 exの2倍の振幅を
もつ交流出力のみが取り出されて出力されるために、高
感度な磁気探知が実現されることになる。
【0078】第4の実施の形態 続いて、第4の実施の形態に係る磁気検知装置について
説明する。この磁気検知装置は、第1の実施の形態に係
る磁気と検知装置ほぼ同様の構造を有するが、その構成
要素である磁気センサ及びその配置、並びに除去手段が
若干異なる点で相違する。なお、第1の実施の形態に示
した部材等と同一のものについては同符号を記して説明
を省略する。
【0079】この磁気検知装置は、磁気センサ1と同様
な磁気センサを2本有している。すなわち、各磁気セン
サ1a,1bが、図17に示すように、リボン状或はワ
イヤ状とされた長尺の磁性体11と、当該磁性体11に
銅線等の線材がそれぞれ同方向に巻回されてなる磁気コ
イル12とからそれぞれ構成されている。
【0080】そして、除去手段9は、各磁気センサ1
a,1bの磁気コイル12に供給される直流電流Ibを
それぞれ相異なる方向に調節し、それぞれの磁気コイル
12から出力する各混合信号V0 1,V0 2の差動を取
ることにより外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V
0 exのみを取り出して出力するものである。
【0081】具体的に、各混合信号出力手段2のトラン
ジスタQ2のコレクタに一端子が接続された各磁気セン
サ1a,1bに対して、更に除去手段9が付加された当
該磁気探知装置を図18に示す。
【0082】この除去手段8は、各混合信号V0 1,V
0 2の差動を取るための差動アンプ33を有して構成さ
れている。この場合、各混合信号出力手段2から各磁気
センサ1a,1bの磁気コイル12に供給される直流電
流Ibが互いに相異なる方向に流れるように設定されて
おり、したがって各磁気センサ1a,1bの磁性体11
には互いに逆方向の直流バイアス磁界Hbが印加される
ことになる。そして、差動アンプ33において各磁気コ
イル12から出力された混合信号V0 1,V02の差動
が取られて外部磁界Hexの変化に応じた電気信号V0
exの2倍の振幅をもつ交流出力のみが得られることに
なる。
【0083】このように、本第4の実施の形態の磁気探
知装置においては、本第1の実施の形態の場合と同様
に、混合信号出力手段2により各磁気センサ1a,1b
の磁気コイル12に直流電流Ibと交流電流ibを供給
すると磁性体11に直流バイアス磁界Hbと交流バイア
ス磁界とが共に発生し、当該磁性体11がその長手方向
に磁化される。この場合、外部磁界Hexの変化に応じ
た電気信号V0 exは、外部磁界Hexに比例し、当該
外部磁界Hexと直流バイアス磁界Hbとのなす角θに
依存する。すなわち、外部磁界のうち上記磁性体の長手
方向成分のみが検出され、この電気信号V0 exは方位
情報を有している。このとき各磁気コイル12a,12
bから出力される混合信号V0 はこの外部磁界Hexの
変化に応じた電気信号V0 exに交流バイアス磁界に応
じた電気信号V0 bが重畳されたものである。
【0084】そして、除去手段9において、混合信号出
力手段2から出力された混合信号V0 から交流バイアス
磁界Hbに応じた電気信号V0 bが除去されて外部磁界
Hexの変化に応じた電気信号V0 exの2倍の振幅を
もつ交流出力のみが取り出されて出力されるために、高
感度な磁気探知が実現されることになる。
【0085】以上、本発明を適用した実施の形態につい
て説明してきたが、本発明がこれらの実施の形態に限定
されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
形状、材質、寸法等、任意に変更することが可能であ
る。
【0086】
【実施例】以下、上記第1の実施の形態に示した磁気探
知装置を、地磁気の方位を検出する地磁気方位検知装置
として用いた具体的な実施例について説明する。なお、
第1の実施の形態に示した部材等と同一のものについて
は同符号を記して説明を省略する。
【0087】この地磁気方位検知装置は、互いに直交す
るX軸方向とY軸方向の地磁気方位出力V0 eX,V0
eYを得るために、少なくとも互いに直交する2本の磁
気センサを配置する必要がある。
【0088】本実施例の地磁気方位検知装置において
は、図19に示すように、磁気センサ1と同様のもにを
用いて、X軸方向及びY軸方向の地磁気方位出力V0
X,V0 eYをそれぞれ検出するための磁気センサ5
a,5bが互いに直交するように配置されている。
【0089】ここで、各地磁気方位出力V0 eX,V0
eYと地磁気HeとX軸方向検出用の磁気センサ5aの
印加される直流バイアス磁界Hbとななす角θとの関係
について図20に示す。ここでは、地磁気Heの方向と
直流バイアス磁界Hbの方向が同一であるときに方位が
0゜となるものと規定されている。
【0090】各地磁気方位出力V0 eX,V0 eYは地
磁気Heの方位により変化する。すなわち、各地磁気方
位出力V0 eX,V0 eYは、 V0 eX=α・He・cosθ V0 eX=α・He・sinθ となる。
【0091】この場合、V0 eYとV0 eXとの比V0
eY/V0 eXは、これら出力がHe・sinθ、He
・cosθに比例することから、sinθ/cosθで
表わすことができる。
【0092】 V0 eY/V0 eX=sinθ/cosθ=tanθ このとき、 θ=tan-1(V0 eY/V0 eX) (ただし、0≦θ≦180゜のときV0 eY≧0、18
0゜<θ<360゜のときV0 eY<0である。)とな
る。したがって、地磁気Heの方位θを知ることができ
る。
【0093】続いて、混合信号出力手段2に接続された
各磁気センサ5a,5bに対して、更に除去手段10a
が付加された磁気探知装置を図21に示す。
【0094】スイッチとして用いられるトランジスタQ
3A〜Q6A,Q3B〜Q6Bと、各磁気センサ5a,
5bの磁気コイル12に供給する直流バイアス電流Ib
を切り換えるための切換信号発生器37と、各混合信号
0 1,V0 2の検波を行う検波回路34と、混合信号
0 1,V0 2の差動を行う各差動アンプ35,36と
から構成されている。
【0095】ここで、トランジスタQ3A〜Q6AはX
軸方向検出用の磁気センサ5aのスイッチとして、トラ
ンジスタQ3B〜Q6BはY軸方向検出用の磁気センサ
5bのスイッチとして機能する。また、混合信号出力手
段2のトランジスタQ1A,Q1Bはカレントミラーと
され、これらトランジスタQ1A,Q1Bには同一の電
流が流れることになる。さらに、トランジスタQ3A,
Q4A及びQ3B,Q4Bはそれぞれカスコード接続の
役割も果している。
【0096】なお、各地磁気方位出力V0 eX,V0
Yは同様な回路によって出力されるものであるので、こ
こでは地磁気方位出力V0 eXを検出する場合について
のみ説明することにする。
【0097】この除去手段10aにおいて、トランジス
タQ3A,Q6Aがオフ、トランジスタQ4A,Q5A
がオンのとき、図21中の方向1の向きに直流電流Ib
が流れ、トランジスタQ4A,Q5Aがオフ、トランジ
スタQ3A,Q6Aがオンのとき、図21中の方向2の
向きに直流電流Ibが流れる。したがって、この除去手
段10aによれば、直流電流Ibの向きを反転させるこ
とが可能である。各混合信号V0 1,V0 2は磁気セン
サ5aの端子電圧、すなわち磁気センサの構成要素であ
る磁気コイル12の端子C1−C2間の電圧である。上
述のように、各混合信号V0 1,V0 2を同時に出力さ
せることはできないため、検波回路34において検波を
行った後に、作動アンプ35において各混合信号V
0 1,V0 2の差動を取り、所望の地磁気Heの変化に
応じた地磁気方位出力V0 eXの2倍の振幅をもつ交流
出力のみが得られることになる。
【0098】なお、当該地磁気方位探知装置としては、
そのX軸検出用回路とY軸検出用回路を共通化したもの
を用いてもよい。すなわち、図22に示すように、混合
信号出力手段2において各磁気センサ5a,5bを駆動
するトランジスタをトランジスタQ1のみに共通化し、
さらに直流電流Ibの方向を反転させるためのトランジ
スタをトランジスタQ3〜Q8に共通化する。
【0099】この場合、地磁気方位出力V0 eXを検出
するときには、トランジスタQ3〜Q6が動作し、トラ
ンジスタQ7,Q8はオフの状態とされる。また、地磁
気方位出力V0 eYを検出するときには、トランジスタ
Q5〜Q8が動作し、トランジスタQ3,Q4はオフの
状態とされる。その他の動作については上述の場合と同
様である。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、実用的な感度を有し、
しかも小型化、低価格化が容易な磁気探知装置及び実用
的な感度をもって外部磁界を検知する磁気探知方法を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係る磁気
探知装置の構成要素である磁気センサを模式的に示す正
面図である。
【図2】磁気コイルの励磁電流周波数とインピーダンス
との関係を示す特性図である。
【図3】外部磁界と磁気コイルの交流抵抗との関係を示
す特性図である。
【図4】磁気探知装置の構成要素である混合信号出力手
段を模式的に示す回路図である。
【図5】混合信号出力手段によって得られた電気信号波
形を示す特性図である。
【図6】磁性体の長手方向に生じる磁化をベクトル表示
した特性図である。
【図7】磁気コイルに図5の場合と逆方向に直流電流を
供給した場合において、混合信号出力手段によって得ら
れた電気信号波形を示す特性図である。
【図8】磁気コイルに図6の場合と逆方向に直流電流を
供給した場合において、磁性体の長手方向に生じる磁化
をベクトル表示した特性図である。
【図9】方位角と出力電圧との関係を示す特性図であ
る。
【図10】第1の実施の形態において、混合信号出力手
段に接続された磁気センサに対して、更に除去手段が付
加された磁気探知装置を模式的に示す回路図である。
【図11】混合信号出力手段に接続された磁気センサに
対して、図10の場合と異なる除去手段が付加された磁
気探知装置を模式的に示す回路図である。
【図12】第1の実施の形態の変形例に係る磁気探知装
置の構成要素である磁気センサを模式的に示す斜視図で
ある。
【図13】第2の実施の形態において、混合信号出力手
段に接続された磁気センサに対して、更に除去手段が付
加された磁気探知装置を模式的に示す回路図である。
【図14】正のピーク検波を行う場合のタイムチャート
を示す特性図である。
【図15】第3の実施の形態に係る磁気探知装置の構成
要素である磁気センサを模式的に示す正面図である。
【図16】第3の実施の形態において、混合信号出力手
段に接続された磁気センサに対して、更に除去手段が付
加された磁気探知装置を模式的に示す回路図である。
【図17】第4の実施の形態に係る磁気探知装置の構成
要素である磁気センサを模式的に示す正面図である。
【図18】第4の実施の形態において、混合信号出力手
段に接続された磁気センサに対して、更に除去手段が付
加された磁気探知装置を模式的に示す回路図である。
【図19】本実施例に係る地磁気方位探知装置の構成要
素である各磁気センサを模式的に示す平面図である。
【図20】地磁気方位と出力電圧との関係を示す特性図
である。
【図21】本実施例に係る地磁気方位探知装置を模式的
に示す回路図である。
【図22】本実施例に係る地磁気方位探知装置におい
て、その構成要素である除去手段を一部に他の構成を有
する除去手段に代えた様子を模式的に示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1,3,4,5a,5b 磁気センサ 2,混合信号出力手段 6,6a,7,8,9,10a,10b 除去手段 11 磁性体 12 磁気コイル V0 混合信号 V0 b,V0 ex 電気信号 Hex 外部磁界 Hb 直流バイアス磁界 Ib 直流電流 ib 交流電流 He 地磁気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−158967(JP,A) 稲田和志、外四名,負磁歪アモルファ スMI素子マルチバイブレータによるモ ータ磁束センサ,電気学会研究会資料 マグネティックス研究会 MAG−93− 216〜223,日本,社団法人電気学会, 1993年11月19日,49−58 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/02 - 33/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の磁性体及び当該磁性体に巻回され
    てなる磁気コイルを有してなる磁気センサと、 上記磁気コイルに直流電流と交流電流とを共に供給して
    上記磁性体に直流バイアス磁界と交流バイアス磁界とを
    共に発生させ、外部磁界の変化に応じた電気信号に交流
    バイアス磁界に応じた電気信号が重畳された混合信号を
    上記磁気コイルから出力させる混合信号出力手段と、 混合信号出力手段から出力された混合信号から交流バイ
    アス磁界に応じた電気信号を除去して外部磁界の変化に
    応じた電気信号のみを取り出して出力する除去手段とを
    備え、上記除去手段は、磁気コイルに供給される正方向の直流
    電流を順次反転させて逆方向に切り換え、直流電流が正
    方向に流れる場合と直流電流が逆方向に流れる場合のそ
    れぞれについて上記磁気コイルから出力する各混合信号
    を順次検波し、当該各混合信号の差動を取ることにより
    外部磁界の変化に応じた電気信号のみを取り出して出力
    することを特徴とする磁気検知装置。
  2. 【請求項2】 除去手段は、一端子が混合信号出力手段
    と接続された磁気コイルの他端子と接続される可変直流
    電圧源と、磁気コイルの上記一端子と接続され当該磁気
    コイルから出力する混合信号に対して正或は負のピーク
    検波を行う検波回路とを備え、 上記可変直流電圧源における直流電圧値を調整すること
    により上記検波回路から出力された電気信号から交流バ
    イアス磁界に応じた電気信号を除去して外部磁界の変化
    に応じた電気信号のみを取り出して出力することを特徴
    とする請求項1記載の磁気検知装置。
  3. 【請求項3】 磁気センサが同方向に巻線が施されてな
    る2種の磁気コイルを備えるとともに、 除去手段は、各磁気コイルに供給される直流電流をそれ
    ぞれ相異なる方向に調節し、それぞれの磁気コイルから
    出力する各混合信号を順次検波し、当該各混合信号の差
    動を取ることにより外部磁界の変化に応じた電気信号の
    みを取り出して出力することを特徴とする請求項1記載
    の磁気検知装置。
  4. 【請求項4】 磁気センサが互いに巻回方向の相異なる
    2種の磁気コイルを備えるとともに、 除去手段は、各磁気コイルに供給される直流電流を同方
    向に調節し、それぞれの磁気コイルから出力する各混合
    信号を順次検波し、当該各混合信号の差動を取ることに
    より外部磁界の変化に応じた電気信号のみを取り出して
    出力することを特徴とする請求項1記載の磁気検知装
    置。
  5. 【請求項5】 同方向に巻線が施されてなる磁気コイル
    を有する2本の磁気センサが互いに長手方向に平行に並
    設されるとともに、 除去手段は、各磁気センサの磁気コイルに供給される直
    流電流をそれぞれ相異なる方向に調節し、それぞれの磁
    気コイルから出力する各混合信号の差動を取ることによ
    り外部磁界の変化に応じた電気信号のみを取り出して出
    力することを特徴とする請求項1記載の磁気検知装置。
  6. 【請求項6】 それぞれ磁気コイルの巻回方向が相異な
    る2本の磁気センサが互いに長手方向に平行に並設され
    るとともに、 除去手段は、各磁気センサの磁気コイルに供給される直
    流電流を同方向に調節し、それぞれの磁気コイルから出
    力する各混合信号の差動を取ることにより外部磁界の変
    化に応じた電気信号のみを取り出して出力することを特
    徴とする請求項1記載の磁気検知装置。
  7. 【請求項7】 複数の長尺の磁性体が長尺の非磁性体に
    接合され、非磁性体に接合された磁性体に磁気コイルが
    巻回されてなることを特徴とする請求項1記載の磁気検
    知装置。
  8. 【請求項8】 地磁気の方位を検出する地磁気方位検知
    装置として用いられることを特徴とする請求項1記載の
    磁気検知装置。
  9. 【請求項9】 2本の磁気センサを互いに直交する位置
    に配設することを特徴とする請求項8記載の磁気検知装
    置。
  10. 【請求項10】 長尺の磁性体及び当該磁性体に巻回さ
    れてなる磁気コイルを有してなる磁気センサを用いて、 上記磁気コイルに直流電流と交流電流とを共に供給して
    上記磁性体に直流バイアス磁界と交流バイアス磁界とを
    共に発生させ、外部磁界の変化に応じた電気信号に交流
    バイアス磁界に応じた電気信号が重畳された混合信号を
    上記磁気コイルから出力させるとともに、 上記混合信号から交流バイアス磁界に応じた電気信号を
    除去して外部磁界の変化に応じた電気信号のみを取り出
    して出力し、上記電気信号の除去は、磁気コイルに供給される正方向
    の直流電流を順次反転させて逆方向に切り換え、直流電
    流が正方向に流れる場合と直流電流が逆方向に流れる場
    合のそれぞれについて上記磁気コイルから出力する各混
    合信号を順次検波し、当該各混合信号の差動を取ること
    により行ない、外部磁界の変化に応じた電気信号のみを
    取り出して出力する ことを特徴とする磁気検知方法。
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