JP2004222546A - 麺類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】常法により製造した乾麺ないし半生麺からなる麺類を、60〜100℃の温度で、1〜20時間熟成させることにより、色調や食感において好ましい乾麺ないし半生麺からなる麺類を得るようにしたことを特徴とする麺類の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】この発明はそうめんやひやむぎに代表される細物の麺類の製造方法に関する。詳細には、弾力感があって歯切れの良い、良好な食感および食味を有し、厄を起こさせた手延べそうめんに匹敵する極めて良好な食感および食味を有する麺類を、機械製麺によって連続的に製造し、高品質の乾麺ないし半生麺からなる麺類を得ることができる麺類の乾燥方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】麺類は、通常、小麦粉等の穀粉類からなる主原料に、水および必要に応じて副原料や添加剤を混合した後、混ねつして麺生地を製造し、得られた麺生地を複合、圧延して麺帯を形成し、それを麺線の形状とすることによって製造される。
【0003】近年、製麺技術の進歩に伴って、機械製麺による場合でも、手延乾麺特有の、のどごしが良く、滑らかさ、歯ごたえのある食感および食味を得られるようになっているが、未だ不満足な面があり、食感および食味の一層良好な麺類が求められている。
【0004】一方、手延べそうめんは、通常、水および食塩を加えた小麦粉を混ねつして生地を作り、これを展延−いたぎ(切廻し)−巻き込み−ほそめ−こなし−かけば−こびき−はたかけ−引延し−乾燥−裁断−製束等の極めて複雑で手間のかかる工程を経て製造されている。そして、倉庫に貯蔵して高温多湿の梅雨期を越させることで、長い貯蔵期間中に起こる“厄”現象により、機械製麺では得られない独特の食感(硬めの歯ごたえのある、しっかりとした食感で、なめらかさを有した茹で伸びしにくい特徴を持っている)を有するそうめんが得られる。
【0005】しかし、手延べそうめんは、上記した製造方法からも明らかなように、複雑で手間がかかり、極めて長い時間を要する。そのため、「厄」を起こさせたそうめんのような優れた食惑および食味を有する細物の乾麺類を、機械製麺によって連続的に短時間で製造し得る方法が従来から求められてきた。
【0006】ところで、乾麺等の麺類の品質向上に関する特許においては、小麦粉等の穀粉類に対して、特定量の油脂顆およびリパーゼを添加するものがあり、製麺方法による品質向上にも言及されている(特開平5−292908号公報、特開平6−113771号公報、特開平9−70269号公報等参照)。
【0007】また、常法により得られた乾麺類をそのまま出荷せずに、40〜60℃の温度下に特定の短い期間保持するというものもあり、保存方法による品質向上に言及されている(特開平7−115926号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、手延べそうめんに匹敵するような良好な食惑および食味を有していて商品価値の高い細物の乾麺ないし半生麺からなる麺類を、機械製麺で連続的に短時間で製造し得ることのできる細物の麺類の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明では、そうめんに代表される細物の乾麺ないし半生麺からなる麺類について、いわゆる手延べそうめんの品質に匹敵する機械製麺製法を確立することを目指し、鋭意研究した結果、乾燥中、すなわち麺水分が30%以下まで乾燥した後の領域に着目し、この領域の経過如何によって、仕上がった乾麺ないし半生麺からなる麺類の品質が大きく変化することを発見した。すなわち、この領域の乾燥における温度履歴と乾燥時間が乾麺ないし半生麺からなる麺類における品質のかなりの部分を決定付けているといえる。
【0010】麺は、含有水分が比較的高い状態において高温に晒されると、色調の変化や麺質の硬化現象による食感の変化が起こる。これは乾燥初期の麺水分が高い状態で高温度帯に品温が上昇した場合、澱粉の加熱糊化や蛋白質の熱変性による着色、麺質の硬化等が起こるためである。また著しい落麺現象が起こる。
【0011】本発明者等はこの乾燥領域において、蛋白質の熱変性による着色や食感の硬化が起こり、麺線の落麺現象が起こらずに乾燥できる乾燥条件について検討を行い、麺水分12〜30%まで低下させた後、温度を60〜100℃、相対湿度を50〜80%に保ち、かつ1時間以上(1〜20時間)高温乾燥し熟成させることにより品質の優れた乾麺ないし半生麺からなる麺類を短時間で連続的に製造することが可能となる麺類の製造方法を見い出した。
【0012】ここで大切なことは温度、湿度についてはもちろんであるが、高温度帯に晒すときの麺水分と熟成時間を制御することでの品質の向上である。ある程度の高温に晒されても麺水分が12〜30%では、麺の伸びによる落麺は抑制され、麺表面からの水分蒸発が抑制されれば、麺からは水の蒸発潜熱が奪われないため、麺の品温は雰囲気温度まで上昇し、乾麺ないし半生麺からなる麺類は良好な熟成時間に保たれる。この温度、湿度、麺水分、熟成時間の4点の制御が乾麺ないし半生麺からなる麺類の品質を向上させる乾燥条件の基礎となっており、この発明はこの思想が元となっている。
【0013】乾麺ないし半生麺からなる麺類において麺水分を30%以下まで減少させた後は、以下の工程を経る。
1)乾燥温度をより上昇させることで、麺の品温を雰囲気温度まで上昇させ、かつ過度の表面乾燥を抑えるために乾燥湿度は高く保ちながら最終水分まで乾燥する工程
2)乾燥の最終工程において乾燥温度80〜100℃、乾燥湿度75〜85%の高湿度になる工程を設け、1〜20時間、麺線の熟成を促進させる工程
3)麺水分を増減することなく、品温を常温域まで降下させる工程
これらの工程をすべて経て、はじめて最終水分まで乾燥でき、良好な品質を呈する乾麺ないし半生麺からなる麺類を得られる条件が成立する。
【0014】この条件に幅があるのは、対象となる麺の太さや添加食塩量により、個々に最適条件が異なるからである。さらに製造条件的には麺棒の間隔や麺棒に吊された麺線の形状によってもこの条件(特に風速)には調製が必要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下この発明の麺類の製造方法の実施の形態につき、実施例に基いて詳細に説明する。
【0016】
【実施例1】小麦粉(強力粉)25kgに、食塩250g、オリーブ油250gおよび水8.5kgを加え、混ねつ、複合、圧延した後、丸28番の切り刃ロールにて切り出し、カットして生麺線を得た(厚さおよび幅1.07mm)。次いで同生麺線を所定量ずつ竿掛けした後、表1の乾燥条件で乾燥し、5時間乾燥でのそうめんを得た。
【0017】
【表1】
*風速は全乾燥領域2.9m/s、麺棒間隔5cm
【0018】
【対照例1】実施例1と同様に生麺線を調製し、従来の当社の一般的なそうめんの乾燥条件である最高乾燥温度30℃、総乾燥時間15時間の条件で乾燥を行い、そうめんを得た。
上記実施例1および対照例1により得られたそうめん100gを、沸騰水1リットル中に入れて可食状態になるまで3分間茹でたサンプルについて、2点評価による官能評価を行った。評価は茹で直後の場合と茹で後30分間冷蔵放置した場合における官能検査をそれぞれ行った。
【0019】表2に示す「そうめん官能評価用紙」を使用して、色相、外観、食感、食味、総合評価の点でパネラー12人で対照例を基準として官能評価を行った。評価は基準とした対照例1に対する実施例1の評価について行い、各項目ごとに実施例1が対照例1より好ましければ+側に、劣っていれば−側に採点するという方法で行われた。
【0020】
【表2】そうめん官能評価表
結果を表3および表4に示す。
【0021】
【表3】基準(対照)品を設けた2点比較
茹で直後における対照例1に対する実施例1の評価
平均値の差に関する検定(t検定)
【0022】
【表4】基準(対照)品を設けた2点比較
茹で後30分経過後における対照例1に対する実施例1の評価
平均値の差に関する検定(t検定)
【0023】*茹で直後における対照例1に対する実施例1の評価
各項目とも、基準とした対照例1の品質と比較して、平均値はプラス側に位置しており、マイナス側の評価がまったく出ていない。対照例1が通常レベルの乾麺の品質と考えれば、実施例1の品質は良好な評価であることが伺える。実施例1の実際の評価を文章にして表すと、「色相は艶があり、食感はなめらかで、しっかりとした歯ごたえがあり、弾力感がある」といった表現になり、明らかに対照例1とは品質上の違いがあると判断された。統計的な面でも全項目に有意差が見られ、しかも硬さおよび弾力感、総合評価では、危険率1%という非常に高い確率であり、このことからも実施例1の品質が優れていると判断された。
【0024】*茹で後30分放置後における対照例1に対する実施例1の評価
茹で直後の評価と同様に、各項目とも基準とした対照例1の品質と比較して、平均値はプラス側に位置しており、良好な評価であることが伺える。30分経過後においても、茹で直後の評価と傾向は同様であり、特に硬さおよび弾力感は、30分経過後にも良好な評価となっており、茹で伸びしにくい麺質であることが伺える。
【0025】
【発明の効果】この発明の麺類の製造方法による場合は、茹でた場合に適度の硬さを有しかつ弾力性に富み、コシがあって歯切れが良く、茹で伸びしにくい特徴を持っており、厄を起こさせた手延べそうめんに匹敵する良好な食感および食味を有する乾麺ないし半生麺からなる麺類を、機械製麺などによって、連続的に製造し、高品質の麺類を得られるようになった。
Claims (3)
- 常法により製造した麺類を、熟成温度域に到達するまでに麺類の水分含量を12〜30%に調製した上、60〜100℃の温度で、連続的に1〜20時間以上かけて高温熟成することにより、色調や食感において好ましい麺類を得るようにしたことを特徴とする麺類の製造方法。
- 高温熟成のための工程を、麺類の包装前もしくは麺類の包装後に付加するようにしてなる請求項1に記載の麺類の製造方法。
- 常法により製造した麺類を、高温熟成前の工程中に油脂類を0.1〜3.0重量%添加することによって、色調や食感においてのみならず品質においても好ましい麺類を得るようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の麺類の製造方法。
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JP2003011726A JP2004222546A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 麺類の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010130980A (ja) * | 2008-12-08 | 2010-06-17 | Nisshin Foods Kk | 三層麺の製造方法 |
JP2010130979A (ja) * | 2008-12-08 | 2010-06-17 | Nisshin Foods Kk | 乾麺類の製造方法 |
JP2015042169A (ja) * | 2013-07-23 | 2015-03-05 | 日清フーズ株式会社 | 麺類の製造方法 |
US9826765B2 (en) | 2010-07-01 | 2017-11-28 | Toyo Suisan Kaisha, Ltd. | Dried noodle and process for producing the same |
-
2003
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