JP2010124793A - 餅食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】もち米を原料とする餅食品であって、高齢者食としても提供可能なように、咀嚼や嚥下が餅よりも容易であるとともに、餅本来の食味を味わうことのできる餅食品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、もち米と、ジャガイモまたはサツマイモ、および水を含有する生地からなる餅食品である。イモ由来の食物繊維等の効果により、伸びや付着性が小さくなり、咀嚼や嚥下が容易なようにテクスチャーが改善されている。イモは予め所定の工程で乾燥粉末イモとしてから用いることにより、餅らしさがより増大する。さらに、寒天および結晶セルロースを加えて品質を安定化した上で、急速冷凍による冷凍餅食品、および、凍結乾燥による乾燥餅食品として、大量供給性と保存性とに優れた餅食品を提供することが出来る。これらの餅食品は、高齢者食としてのみならず、宇宙食を始めとした制約された環境下での食事などにも適しており、幅広く利用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、もち米を原料として含んで製造される餅食品に関する。
従来より、日本の伝統的食品として、餅や餅食品が広く知られている。一般に餅は、もち米を水洗いして水に浸漬し、次に水切りしたもち米を蒸して蒸米とし、この蒸し米を適宜の手段で練って(搗いて)ゲル状の状態とすることにより製造される。また、餅食品は、もち米に加えてうるち米等の他の食物を原料としてこれらを混練し、または混合した後に蒸すなどの加熱処理を行ってゲル状の状態とすることにより製造される。
餅は、その軟らかな食感と淡白な食味からこれを好物とする人も多く、特に正月や節句などの祝い事の席において登場する機会が極めて多い食品の1つである。また、餅を材料として調理された大福餅、団子、おはぎなどの加工食品も広く親しまれている。
しかしながら、餅はその粘り(粘性)により、特に義歯や歯の欠損、麻痺の後遺症があり咀嚼性、嚥下性などの食べる機能が低下した高齢者にとって、噛み切りにくく、飲み込みにくい場合がある。そのため、餅、および餅を使用した加工食品は、上述のように広く親しまれているにもかかわらず、高齢者施設などにおいて提供が躊躇されている実情が存在する。
このような事情からいわゆる高齢者食に代表される餅の代用品として提供可能な食品に対する要求が存在し、それに対応して既にいくつかの提案が為されているが、十分とは言えない。例えば、特許文献1は、もち米と、オカラおよびヌカを混合して製造することにより粘性を弱めた餅食品を開示する。しかしながら、得られた餅食品は含有されるオカラ、ヌカによりもち米に由来する餅独特の食味が損なわれており、餅の代用としての要求を満たすものではない。また、当該餅食品は、製造してから時間が経過し、内部温度が低下すると餅同様に硬さが増加する。そのため、高齢者施設等で多量に提供することには適さないほか、安定した品質の餅食品を提供することが困難である。
また、特許文献2は、主原料であるうるち米と、うるち米100質量部に対し5〜15重量部であるもち米と、8〜15重量部であるα化うるち米とを水挽き磨砕後、もち米粉およびα化うるち米粉を添加し、混合、加熱処理することによって製造される餅食品を開示する。しかしながら、得られた餅食品はもち米の含有される量が非常に低く、その食味はうるち米に由来するところが大きい。そのため、もち米に由来する餅独特の食味はほとんど感じることができず、餅の代用として満足できるものではない。また、高齢者などにとっては、硬さ、付着性の点で、高齢者などの咀嚼機能低下者には依然として食べにくい。
特開2000−004813号公報 特開2003−135011号公報
本発明はこのような事情に基づきなされたものであり、もち米を原料米とする餅食品であって、高齢者食としても提供可能なように、咀嚼や嚥下が餅よりも容易であるとともに、餅のようなもち米に由来する独特の淡白な風味を味わうことができ、餅の代用品として使用可能である餅食品を提供することを目的とする。
上述のとおり、餅はその伸びる性質により噛み切りにくく、飲み込みにくい。したがって、餅の代替品としてはテクスチャーが改善されていること、すなわち餅よりも軟らかく、伸びが抑制され、付着性が弱いことにより、餅よりも咀嚼性や嚥下性に優れることが要求される。
加えて、本発明者が餅の代用品となり得る食品を着想するときの前提として、餅のようにもち米由来の淡白な食味を味わうことができることが望ましいと考えられた。すなわち、餅は趣向品としての側面も多く持ち合わせており、正月などのハレの日の食べ物として、食事の楽しみに欠かせない食品の1つである。したがって、餅の代用品となる餅食品を考案するにあたっては、もち米に由来する餅独特の食味を有することが重要となる。この点、上述したようにうるち米にわずかにもち米を混合しただけの餅食品では、もち米の食味をほどんど味わうことができない。また、もち米にオカラおよびヌカなどを混合した場合は、もち米に由来する食味をオカラおよびヌカが大きく阻害しており、好ましくない。
本発明者はまず、餅よりも咀嚼性や嚥下性に優れ、且つもち米由来の食味を餅と同様に味わうことができる餅食品を提供するために、その生地の水以外の主成分においてもち米を含み、且つ食したときに餅のような風味を味わうことができるように構成することを着想した。当該着想は、餅のテクスチャーが改善されるとともに餅のような風味を味わうことができるため、非常に画期的であるとともに、もち米を原料とする餅が咀嚼機能低下者等にとって噛み切りにくく、飲み込みにくいという当業者の認識からは大きく外れている。そして発明者は、上述の性質を有する餅食品とするためにさらに鋭意研究を重ねた結果、もち米にジャガイモまたはサツマイモを混合して生地を構成することにより当該性質を有する餅食品を得るに至り、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の1つの態様として、本発明はもち米、ジャガイモまたはサツマイモ、および水を含有する生地からなることを特徴とする餅食品である。なお、本明細書において生地とは、原料を混練、または混合して蒸すなどの加熱処理を行うことにより形成される、一様なゲル状の物体をいう。言い換えれば、生地とは、製造された餅食品そのものをさす。
本発明の餅食品は、もち米にジャガイモ、またはサツマイモを混合して生地を構成していることにより、イモ由来の食物繊維等の寄与によりテクスチャーが改善している。すなわち本発明の餅食品は、餅よりも硬さが小さく、伸びが抑制され、付着性が弱いため、咀嚼や嚥下が餅よりも容易である。
また、本発明の餅食品は、食したときにもち米由来の独特な食味を味わうことができる。したがって、本発明の餅食品は、餅の代替品となり得る性質を十分に満足する。
おいしさの評価については、近年では種々の客観的な評価法が提案されてきてはいるが、機械的な判定は難しく、最終的には人の官能により総合的に判断するよりない。また、例えば、砂糖で味付けされた小豆餡に食塩をほんの少し加えることで甘さが何倍にも増強されて感じられることがあるように、食材の組み合わせによっては、微小な成分が食品全体の味に大きく作用することすらもしばしばあり、食材と食材との未知の組み合わせについて味を事前に予測することは難しい。まれに、ある食材Aとある食材Bとを組み合わせて用いたとき、予想もしなかった絶妙な食味が得られることがあるが、これを食材Aと食材Bとの出会いと称することがある。本発明に際して開発者等は、テクスチャー調整に有用な食物繊維を豊富に含み、かつ、餅本来の食味を損なわない食材を探し求めて、様々な食材について検討し研究を進めた結果、もち米とジャガイモおよびサツマイモとの出会いを発見するに至った。本発明はこの発見を応用して完成したものである。
本発明の餅食品において、イモとしてジャガイモを用いた場合とサツマイモを用いた場合とでは、テクスチャーの改善については同様の効果が得られる。一方、食味については、若干の差異を生じるので、用途によって使い分けるとよい。すなわち、イモとしてジャガイモを用いた場合は、餅と比べて、イモ由来の風味や色合いの違いはほとんど感じられないため、白い餅をそのまま食するような場合を含むあらゆる用途に適している。もち米とジャガイモとは、本発明の餅食品とした場合、ジャガイモが餅本来の風味を阻害しないと言う点において稀有な組み合わせであるといえる。そして、この場合は、イモを予め所定の工程により乾燥粉末イモ(ジャガイモ粉末)としてから用いることにより、イモ由来の風味がより抑制され、さらに好ましい結果が得られる。
イモとしてサツマイモを用いた場合は、色味が少し黄色味を帯びるとともに味にごく僅かな甘味がほのかに感じられるようになる。食味については餅本来の食味が十分に生きてはいるが、喫食者は色から判断して何らかの先入観をもち、その先入観に影響されがちである点は無視すべきではない。ところが、一般に黄色は食欲を増進する色として知られており、また、サツマイモ由来の甘さや豊富な栄養素を連想させる効果もあり、この色味自体は決して欠点ではない。これらの特徴を生かして、餅菓子の一種として提供することや、お汁粉やみたらし団子等の調理に使用するのに適している。
ここで、もち米はもち粉として添加されるようにしてもよい。また、ジャガイモまたはサツマイモは、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末として添加されるようにしてもよい。さらに、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末が、前記もち米100質量部に対し11〜233質量部であるようにしてもよい。さらにまた、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末が、54〜100質量部であるようにしてもよい。
また、水が、もち粉として添加されたもち米100質量部に対し、400〜500質量部であるようにしてもよい。加えて、寒天がさらに含有されるようにしてもよい。寒天は、水100質量部に対し、0.5〜5質量部含有されるようにすることができる。
また、本発明の1つの態様として、本発明は上記の本発明による餅食品が冷凍された冷凍餅食品である。ここで、冷凍される餅食品の生地には、結晶セルロースがさらに含有されるようにすることができる。結晶セルロースは、水100質量部に対し、1〜10質量部含有されるようにしてもよい。
また、本発明の1つの態様として、本発明は上記の本発明による餅食品が凍結乾燥されたことを特徴とする凍結乾燥餅食品である。
本発明によれば、餅よりも咀嚼や嚥下が容易であり、もち米由来の食味を味わうことができるとともに、大量提供を実現可能な餅食品を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
本発明の好適な第1実施形態は、もち米と、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末と、水と、寒天とを含有する生地からなる餅食品である。本実施形態の餅食品は、餅よりも硬さや付着性が小さいとともに、餅のようなもち米由来の独特の食味を有している。
第1実施形態において生地に含有されるもち米は、精米や、もち粉としてもよい。もち米の品種等は特に限定されず、任意に設定可能である。ここで、本明細書においてもち粉とは、もち米を水分含有量を小さくして粉末状としたものであり、例えばもち米を水洗後、一晩水に浸してから水切りし、水を加えながら挽き、これにより得られる乳液をふるいにかけ、沈殿したものを圧搾脱水し、天日乾燥させたものをいう。
本実施形態においてはもち米として、もち粉を用いることが好ましい。もち米をもち粉の形態で原料米とすることにより、餅食品の含水率の制御が一層容易となるため、より餅食品が上述した性質を安定して有するようにすることが可能となる。また、後述するジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末と同様に、もち粉についても中間原料として保存することが可能であるため、大量調理を行う場合に工程をさらに簡素化することができる。さらに、精米等を用いた場合に必要となる、水洗い、浸漬、加熱の工程を省略でき、当該餅食品の製造工程を簡略化することができる。
本実施形態において、生地は、もち米とともに、ジャガイモまたはサツマイモを含有する。
ジャガイモまたはサツマイモを含有することにより、本実施形態の餅食品は、もち米のみを原料として製造された餅と比較して、伸びにくく、粘性が小さい。また、厚生労働省の定めた特別用途食品の高齢者用食品群別許可基準の咀嚼困難者用食品の硬さ(ゲル状については、5.0×104N/m2)よりも軟らかい。且つ、日本食品介護協議会の定めるユニバーサルデザインフード区分の歯茎で噛める硬さ(ゲル状については、2.0×104N/m2)よりも軟らかい。そのため、食べたときの粘りが弱く、餅と比較して容易に噛み切ることができ、喉ごしもよい。言い換えれば、餅よりも咀嚼性、嚥下性に優れる。
また、餅は冷めると硬くなる性質を有するが、本実施形態の餅食品は冷めても硬さがほぼ変わらない。そのため、本実施形態の餅食品自体、または本実施形態の餅食品を材料とした加工食品の大量提供が容易となる。
さらにまた、ジャガイモまたはサツマイモを含有することで、本実施形態の冷凍餅食品はこれらイモ由来の食物繊維やビタミンCを含有することとなるため、より栄養素に富んだ餅食品を提供することができる。すなわち、もち米は優れた食材ではあるが、それだけではすべての栄養素を摂取することはできない。従来は、餅などの餅食品を主菜とする場合は、副菜により足りない部分の栄養素を補う必要があった。ところが、本実施形態の餅食品は、食物繊維やビタミンCをはじめとした、イモ由来の各種の栄養素を予め含むので、その分だけ副菜に求められる狭義の栄養学的用件が緩和され、献立の自由度が広がるという利点をもたらす。
第1実施形態においては、ジャガイモまたはサツマイモは、ジャガイモ粉末あるいはサツマイモ粉末の形態で混合されることが好ましい。ここで、本明細書においてジャガイモ粉末あるいはサツマイモ粉末とは、ジャガイモまたはサツマイモに加熱・熟成等の前処理を施した上で水分含量を小さくして粉砕し、粉末状にしたものをいう。
イモを予めジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末としてから用いることにより、粉末化していないジャガイモまたはサツマイモを用いた場合と比較してイモ由来の香りが抑えられ、喫食者はもち米由来の餅のような淡白な食味をより味わうことができる。ここで、ジャガイモ粉末を用いた場合にイモ由来の香りがより一層抑えられ、餅のような食味をより一層味わうことができる。したがって、第1実施形態においてはイモはジャガイモ粉末とすることがさらに好ましい。
また、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末を混合することにより、含水率の制御が容易となるため、個体差や季節変動を原因とする含水率等の変化による餅食品の上記の性質のばらつきを抑え、上記性質をより安定して有するようにすることが可能となる。さらに、これらジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末は、中間原料として保存することが可能であるため、大量調理を行う場合に工程を簡素化することができる。
本実施形態において、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末は、もち米100質量部に対し、11〜233質量部含有されることが好ましく、54〜100質量部含有されることが一層好ましく、67〜100質量部含有されることがさらに一層好ましい。11質量部より少ない場合、範囲内にある場合と比較して餅食品の粘性が大きくなり、咀嚼性が低下する。また、233質量部より多い場合、範囲内にある場合と比較して餅のような淡白な食味を感じにくくなる。
第1実施形態においては、もち米およびジャガイモまたはサツマイモに加えて、寒天を生地に含有することが好ましい。これにより、歯切れがよくなるため、餅食品の咀嚼性がより改善される。ここで、寒天は、水100質量部に対し、0.5〜5質量部含有することが好ましい。0.5質量部より少ない場合、範囲内にある場合よりも歯切れが悪くなる。また、5質量部より多い場合、範囲内にあるよりも生地がもろくなり、食感が悪くなる。
ここで、寒天に代えて、ゼラチン等の他のゲル化剤を生地に含有させることも考えられる。しかしながら、これらを含有する場合、歯切れへの効果がなく、好ましくない。一方、寒天を含有する場合は、付着性を増すことなく、歯切れがよくなり、テクスチャーが改善される。
また、本実施形態においては、このほかに、デキストリンなどの安定剤、増粘多糖類等を添加することもできる。
続いて、第1実施形態の餅食品の製造方法について説明する。まず、精白したもち米を水に浸し、30分程度放置浸水させ、しかる後に釜で炊き上げる。このときの水の割合は、もち米100質量部に対し、例えば100質量部である。ジャガイモまたはサツマイモは、もち米100質量部に対し、例えば100質量部の割合で用意し、蒸しておく。続いて、これらの炊き上がったもち米と蒸したイモとを混練して(言い換えれば、杵等で搗いて)一様な生地とすることにより、餅食品を製造することができる。
また、生の状態のジャガイモまたはサツマイモに代えて、例えば以下のように調製したジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末を炊く前に米に混合するようにしてもよい。最初に、洗浄したジャガイモまたはサツマイモの皮をむき不良部分を取り除いた後、1cm程度の厚さに切断する。次に、切断したイモ片を熱湯中で茹でた後、冷水中に浸して冷却し、そのまま暫く冷水中に晒すことにより熟成させる。次に、イモ片を蒸し器で蒸した後、潰して(裏ごしして)、含水率が概ね8%以下になるまで乾燥する。最後に、得られた乾燥粘土状のイモを粉砕して粉末状にすることにより、ジャガイモ粉末、またはサツマイモ粉末とする。
さらにもち米としてもち粉を用いる場合、以下のように餅食品を製造することができる。
まず、もち粉は、もち米を水洗後、一晩水に浸してから水切りし、水を加えながら挽き、その乳液をふるいにかけ、沈殿したものを圧搾脱水し、天日乾燥させることにより調製することができる。
このようにして調製されたもち粉と、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末とをよく混ぜた後、これに、もち米(もち粉)100質量部に対し400〜450質量部の水を加えてさらに混合する。ここで寒天を添加する場合は水を加える前に粉末状の寒天を加えよく混ぜ合わせる。次に、当該混合液を容器に入れ、蒸して生地とする。ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末の混合する割合は、もち粉100質量部に対し、ジャガイモ粉末54〜233質量部である。
このようにして製造された第1実施形態の餅食品は、任意の形態に成形可能である。当該餅食品は、餅様の淡白な食味を有する。そのまま喫食することができるほか、大福餅、団子、雑煮など料理の材料として用いることもできる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、もち米、ジャガイモまたはサツマイモ、および寒天を含有する生地からなる冷凍餅食品である。なお、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。
第2実施形態においても、もち米は精米や、もち粉とすることができる。
また、ジャガイモまたはサツマイモについても、生の状態のジャガイモまたはサツマイモを用いることができるほか、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末を用いるようにしてもよい。ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末を用いる場合、もち米100質量部に対し、11〜233質量部含有されることが好ましく、54〜100質量部含有されることが一層好ましく、67〜100質量部含有されることがさらに一層好ましい。54質量部より少ない場合、範囲内にある場合と比較して餅食品の粘性が大きくなり、咀嚼性が低下する。また、233質量部より多い場合、範囲内にある場合と比較して餅のような淡白な食味を感じにくくなる。
さらに、第2実施形態においては生地にもち米、ジャガイモまたはサツマイモ、および寒天を含有する。生地に寒天を含有することにより、歯切れがよくなるため、咀嚼性がより改善される。また、寒天は、凝固材としての役割を果たし、それにより解凍後のドロップ(離水)が抑制されるため、冷凍餅食品の品質が安定する。ドリップの発生は食味を悪くするばかりでなくテクスチャーにも変化をもたらすので、本発明の目的に照らして避けなければならない本質的な課題の一つである。ここで、寒天は、水100質量部に対し、0.5〜5質量部含有することが好ましい。0.5質量部より少ない場合、範囲内にある場合よりも歯切れが悪くなる。また、5質量部より多い場合、範囲内にある場合よりも生地がもろくなり、食感が悪くなる。
さらにまた、第2実施形態においては、生地に結晶セルロースを含有することが好ましい。ここで、結晶セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα-セルロースを、鉱酸で部分的に解重合し、精製したものをいう。結晶セルロースを含有させることにより、食感がより滑らかとなる。第2実施形態において、結晶セルロースは水100質量部に対し、1〜10質量部であることが好ましい。1質量部より小さい場合、範囲内にある場合よりもざらついた食感となる。また、10質量部より大きい場合、範囲内にある場合と比較して物性の変化が見られない。そのため、コスト等の面から、10質量部以下とすることが好ましい。
第2実施形態においては、第1実施形態と同様の方法で製造した生地を冷凍することにより、冷凍餅食品とする。冷凍方法、冷凍条件等については特に限定されず、種々選択することができるが、例えば、搗き上がった、若しくは蒸し上がった生地を急速冷却(90分以内に芯温3℃以下まで冷却)し、これを真空包装後に−18℃以下で冷凍することで冷凍餅食品とすることができる。なお、生地に結晶セルロースを添加する場合には、例えば寒天と併せて生地に添加される。
本実施形態の冷凍餅食品は、例えば流水解凍や常温解凍、冷蔵庫中における解凍によって解凍することができる。解凍された当該冷凍餅食品は、餅様の淡白な食味を有する。そのまま喫食することができるほか、大福餅、団子、雑煮など料理の材料として用いることもできる。なお、本実施形態の冷凍餅食品は、搗き上がった、または蒸し上がった後に成形することにより、任意の形状とすることができる。また、解凍後に成形することも可能である。
このようにして製造された冷凍餅食品は、硬さ、付着性が餅よりも小さいことにより咀嚼や嚥下が餅よりも容易であるとともに、解凍後の風味の劣化が抑制され、品質も安定している。また、本実施形態の冷凍餅食品は、餅のようなもち米由来の淡白な食味を有している。加えて、冷凍食品であり、長期保存が可能であり、喫食の際の調理も容易である。なお、公知の餅と同様に、本実施形態の冷凍餅食品においても着色料等によって色付けすることはもちろん可能である。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施形態とすることも可能である。例えば、第3実施形態として、第1実施形態と同様の方法で製造された生地を凍結乾燥することにより、凍結乾燥餅食品としてもよい。凍結乾燥法では、まず原料は急速凍結され、その水分を氷から液体を経ずに直接気化(昇華)させるために、雰囲気圧力は4.6mmHg以下に保たれる。一般に、凍結乾燥は0.1〜2mmHgの真空下において行われる。乾燥機は、凍結乾燥室と氷凝縮器とからなる。この方式により、氷は−10〜−14℃において直接昇華し、多孔性で溶解性のよい乾燥食品を得ることができる。発生した水蒸気は、その昇華温度以下の−15〜−20℃において凝縮器の表面に氷となって付着するので適宜除去する。用いる装置の性能にもよるが、最終的に水分量2〜3%の乾燥食品を得るのに、多くの場合、概ね10〜20時間を要する。
凍結乾燥餅食品では、乾燥が低温で進行するため、水分以外の成分変化はほとんどなく、色・味・栄養価も保持される。また、多孔質に内部からも乾燥するので、低水分まで乾燥でき、軽量で保存性や携行性に優れた保存食を提供することができる。本発明の凍結乾燥餅食品は、イモ由来の食物繊維の存在により、凍結乾燥に際してより安定な多孔質状に仕上るので、加水したときの復元性に優れている。そのため、テクスチャーもよく保持される傾向にある。凍結乾燥の前後でテクスチャーの保持される程度については、第2実施形態のときと同様に、適量の寒天の添加により高められ安定する。また、凍結乾燥により、僅かに残っていたイモ由来の風味がさらに減じるので、餅本来の食味がより強く感じられるようになる。一般に乾燥食品においては、風味の減退が欠点となり易いが、本発明においてはその性質を巧みに取り入れて、利点として活用している。なお、食味やテクスチャーに関する評価は、加水復元後の状態に対して行っており、特に断らない限り以下の実施例の記述についても同様である。
第3実施形態の凍結乾燥餅食品は、例えば、健常者の食事に供する場合であっても、環境等に制約があって、餅よりも咀嚼や嚥下が容易であることが好ましいときの食事に供するのに適している。そのなかでも特に、保存性や携帯性が要求される用途に適している。具体的には、機内食、幼児食、災害現場における給食、冒険・登山・サバイバル用携行食、宇宙食などが挙げられる。すなわち、第3実施形態の凍結乾燥餅食品は、咀嚼や嚥下が餅よりも容易で、なおかつ保存性のある食品として、通常の餅の替わりに用いることが可能である。
以下実施例によって本発明の冷凍餅食品をより具体的に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、もち米100質量部に対し、ジャガイモ100質量部、水100質量部を含有する冷凍餅食品を製造した。
具体的には、もち米100gを水100gに浸し、30分程度放置した。次に、ジャガイモ80gを混合し、当該混合物を炊飯器で炊いた後、すりこぎで搗いて生地とし、餅食品を製造した。
このようにして得られた実施例1の餅食品は市販の餅に比べて、伸びが抑制されており、後述するように49名のパネラーによる官能評価において、食べたときの口の中の粘りの強さが餅よりも少なく、喉越しがよいと評価が得られた。
(実施例1−2)
実施例1においては、もち米100質量部に対し、サツマイモ100質量部、水100質量部を含有する餅食品を製造した。
具体的には、もち米100gを水100gに浸し、30分程度放置した。次に、サツマイモ80gを混合し、当該混合物を炊飯器で炊いた後、すりこぎで搗いて生地とし、餅食品を製造した。
このようにして得られた実施例1の餅食品は市販の餅に比べて、伸びにくく、後述するように45名のパネラーによる官能評価において、食べたときの口の中の粘りの強さが少なく、喉越しがよいと評価が得られた。
(実施例2)
実施例2においては、もち粉100質量部に対し、ジャガイモ粉末80質量部、水435質量部を含有する餅食品を製造した。
ジャガイモ粉末は以下のように調製した。まず、洗浄したジャガイモの皮をむき不良部分を取り除いた後、略1cmの厚さに切断してジャガイモ片とした。次に、ジャガイモ片を熱湯中で20分間茹でた後、冷水中に浸して冷却し、そのまま20分間冷水中で放置し熟成させた。続いて、ジャガイモ片を蒸し器で30分間蒸し、裏ごしして潰し、ドラム式乾燥機により、含水率が8%以下になるまで乾燥した。得られた乾燥粘土状の態様のジャガイモをグラインダで粉砕して粉末状にすることにより、ジャガイモ粉末を得た。
次に、もち粉100g、ジャガイモ粉末80gを予めよく混ぜた後、水435mlを加えてさらに混合した。当該混合液を耐熱性・耐寒性を有する容器に移し、蒸し機100℃で45分加熱し、中心温度が90℃となったことを確認して加熱を終了した。加熱後の容器内のゲル状の物体が生地であり、当該生地が実施例2の餅食品である。
このようにして得られた実施例2の餅食品は、実施例1に比べて、もち米を蒸す、搗くといった製造工程が不要で、大量調理、生産性の向上に有益であり、実施例1と同様に、餅よりも喉越しがよく、噛み切りやすいという評価が得られた。さらに、実施例1よりも、一層餅のような風味を味わうことができ、さらにおいしいという評価が得られた。
(実施例3)
実施例3においては、もち粉とジャガイモ粉末と寒天を含有する生地からなり、もち米100重量部(100g)に対し、ジャガイモ粉末が80質量部(80g)、水が435質量部(435ml)、水100重量部に対し、寒天2.8質量部(12g)である餅食品を製造した。寒天を予めジャガイモ粉末によく混合しておくことにより用いたほかは実施例2と同様の方法で製造した。実施例1および2と同様に、喉越し、噛み切りやすさについて、従来餅より良好である。
(実施例3−2)
実施例3−2においては、実施例3の餅食品を急速冷却(90分以内に芯温3℃以下まで冷却)し、真空包装後に−18℃以下で冷凍して冷凍餅食品とした。実施例2を冷凍した場合は、解凍時にドリップが見られたり、解凍後にパサついたりしてしまうが、実施例3では寒天を添加することによりドリップやパサついてしまうことが抑制される。
(実施例4−1)
実施例4においては、もち粉とジャガイモ粉末と寒天、結晶セルロースを含有する生地からなり、もち粉100質量部(100g)に対し、ジャガイモ粉末が80質量部(80g)、水が435質量部(435ml)、水100質量部に対し、寒天2.8質量部(12g)、結晶セルロース5.7質量部(25g、旭化成 セオラス)である冷凍餅食品を製造した。具体的には、寒天および結晶セルロースを予め混合したジャガイモ粉末を用いたほかは実施例2と同様に餅食品を製造し、これを急速冷却(90分以内に芯温3℃以下まで冷却)し、真空包装後に−18℃以下で冷凍した。実施例2を冷凍した場合は、解凍時にドリップが見られたり、解凍後にパサついたりしてしまうが、実施例4−1では寒天および結晶セルロースを添加することによりドリップの発生やパサつきが生じる点について、実施例3よりも一層抑制された。したがって、実施例4の冷凍餅食品は、温度変化による硬さの影響も受けにくく、付着性が抑えられ、且つ餅の風味や食味を損なわない、大量生産に効率的な餅食品である。
なお、後述するテクスチャー試験のために、実施例4のもち粉およびジャガイモ粉末の割合を変更した実施例4−2〜4−11についても同様の方法で製造した。具体的な割合については後述する表3に記載した。
(実施例5)
実施例5においては、もち米とジャガイモ粉末を含有する生地からなり、もち粉100質量部(100g)に対し、ジャガイモ粉末が80質量部(80g)、水が435質量部(435ml)を含有する生地を調整し、これを凍結乾燥することにより凍結乾燥餅食品を製造した。これを加水復元したものでは実施例2と同等の食感が得られた。
(実施例6)
実施例6においては、もち米とジャガイモ粉末と寒天を含有する生地からなり、もち粉100質量部(100g)に対し、ジャガイモ粉末が80質量部(80g)、水が435質量部(435ml)、水100質量部に対し、寒天2.8質量部(12g)を含有する生地を調整し、これを凍結乾燥することにより凍結乾燥餅食品を製造した。これを加水復元したものでは、実施例5に比べて、より歯切れのよい食感が得られた。
(実施例7)
実施例7においては、もち米とジャガイモと寒天を含有する生地からなり、もち米100質量部(100g)に対し、ジャガイモが100質量部(100g)、水100質量部(100ml)、水100質量部に対し、寒天2.8質量部(12g)であることを特徴とする餅食品を製造した。寒天はジャガイモともち米の混合物を炊く前に混合させたほかは、実施例1−1と同様の方法で製造した。実施例1−1に比べて、より歯切れのよい食感が得られた。
(実施例8)
実施例8においては、もち米とジャガイモと寒天を含有する生地からなり、もち米100質量部(100g)に対し、ジャガイモが80質量部(80g)、水100質量部(100g)、水100質量部に対し、寒天2.8質量部(12g)であることを特徴とする冷凍餅食品を製造した。具体的には、ジャガイモを80質量部としたほかは実施例7と同様の方法で餅食品を製造し、実施例4と同様の方法で冷凍餅食品とした。このようにして製造された実施例8の冷凍餅食品は、実施例4と同様の食感が得られた。また、実施例1−1と同様の餅のような風味が得られた。
(実施例9)
実施例9においては、もち米とジャガイモを含有する生地からなり、もち米100質量部(100g)に対し、ジャガイモが80質量部(80g)、水100質量部(100g)であることを特徴とする凍結乾燥餅食品を製造した。具体的には、ジャガイモを80質量部としたほかは実施例1−1と同様の方法で餅食品を製造し、実施例5と同様の方法で凍結乾燥餅食品とした。実施例5と同様に、従来の餅に比べて噛み切りやすく、嚥下も容易であり、凍結乾燥させることにより、餅食品、冷凍餅食品と同様に有用性の高いものである。
以上の実施例を用いて、以下の試験を行った。
(実施例1−1および1−2の官能評価)
実施例1−1および1−2について、官能評価の結果を表1に示す。官能評価は、実施例1−1および1−2の餅食品が、餅よりも粘りが弱いかおよび餅よりも喉越しがよいかについて評価を行った。多くの被験者が実施例1−1および1−2の餅食品の方が餅よりも粘りが弱く喉越しがよいと回答しており、この結果はこれらの実施例による餅食品のテクスチャーが改善されていることを示している。
Figure 2010124793
(伸ばし試験)
さらに、実施例1−1および1−2について、ジャガイモまたはサツマイモのもち米に対する割合を変更した実施例を製造した。次いで、以下に示す伸ばし試験を行った。
まず、実施例1−1および1−2と、それぞれについてイモの割合を50質量部とした実施例を調製した。また、比較例としてもち米から製造された餅を用いた。これら5種類の実施例および比較例について、直径4cm厚さ1.5cmの団子状に丸めた。次いで、8個ずつ作成された5つの試料を手で水平に引き伸ばし、ちぎれる直前の長さを求めた。結果を表2に示す。
Figure 2010124793
表2に示すようにもち米とジャガイモを1:1(100質量部)の割合で混合させた実施例1−1を伸ばし実験した結果(平均)は、19.9cm、もち米とサツマイモを1:1の割合で混合させた実施例1−2の平均は18.3cmで、比較例1の餅の結果(26.9cm)と比較すると、明らかに伸びにくくなっており、実施例1−1および1−2が比較例1よりも噛み切りやすさの面で改良され、もちらしいモチモチ感を維持しながらも、適度な噛み切りやすさを持ちあわせていることが示された。また、もち米とジャガイモを1:0.5(50重量部)としたものともち米とサツマイモを1:0.5としたものについては、伸びはそれぞれ、25.0cmと25.1cmであった。これらは比較例1と比較して僅かに小さな値であり、この混合割合の前後でイモの混合によるテクスチャーの変化が生じ始めていることを示している。
(実施例4−1〜4−11のテクスチャー試験)
実施例4−1〜4−11について、これら実施例を解凍したときの硬さ、凝集性、付着性について試験をおこなった。具体的には、実施例4−1〜4−11は、前日に冷蔵庫にて解凍したものを縦3cm×横3cm×高1.5cmの略直方体形状に成形後、恒温器に入れ20℃に調整した。次に、実施例4−1〜4−11について、沸騰した湯の中に入れ、中心温度を50℃に調整した。続いて、実施例4−1〜4−11を湯の中から取り出し、クリープメーター(株式会社山電)を用いて、テクスチャー特性の測定を行った。クリアランスは、5mmに設定した。プランジャーは直径20mm円柱型を用い、圧縮速度は、10mm/secとした。硬さ・付着性・凝集性は、付属の解析ソフトウェア(TPU解析)を用いて算出した。結果を表3に示す。
Figure 2010124793
表3に示すように、実施例4−1〜11はいずれも厚生労働省の定めた特別用途食品の高齢者用食品群別許可基準の咀嚼困難者用食品の硬さ(ゲル状については、5.0×104N/m2)よりも軟らかい。且つ、日本食品介護協議会の定めるユニバーサルデザインフード区分の歯茎で噛める硬さ(ゲル状については、2.0×104N/m2)よりも軟らかい。特に、もち粉100質量部に対し54質量部以上としたときにより好ましい硬さが得られた。
(実施例4−1〜4−11の官能試験)
実施例4−6を除く実施例4−1〜4−11について、噛み切りやすさ、喉越しのよさ、および餅のような食味について12人のパネラーによる官能試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2010124793
ここで、表4の結果に基づいてジャガイモ粉末の配合割合の望ましい範囲ついてについて議論する。喉越しの良さに着目すると、ジャガイモ粉末の配合割合の最大値はもち粉100質量部に対し233質量部であるといえる。平均点から判断すると、望ましい範囲は、11質量部〜233質量部であるといえる。咀嚼性にもっとも影響を与える噛み切りやすさに着目すると、望ましい範囲は、54質量部〜100質量部であるといえる。以上を総合して、本発明の目的に照らして最も好ましいジャガイモ粉末の配合割合の範囲は、もち粉100質量部に対して54質量部〜100質量部であるといえる。
(実施例4−1の餅食品と、餅、および既存の餅食品とのテクスチャー比較)
実施例4−1の餅食品(縦3(cm)×横3(cm)×高1.5(cm)の略直方体形状)と餅(縦3(cm)×横3(cm)×高1.5(cm)の略直方体形状、以下比較例2と称す)、および既存の餅食品(キッセイ薬品工業株式会社 やわらか福もち、直径2.5cm、高さ1.5cmの略円柱形状、以下比較例3と称す)を用いて、硬さおよび付着エネルギーの比較、および咀嚼回数の測定を行った。
具体的には、上述の3つの実施例および比較例について、容器に入れられた沸騰したお湯の中で3分間加熱した。次に室温(20℃)で放置した後、100℃のお湯を容器の中に注入し、実施例および比較例の内部温度が30℃、40℃、および50℃となるように調整した。続いて、当該実施例および比較例をお湯から取り出し、硬さおよび付着エネルギーを測定した。
また、20〜30代の摂食機能が正常な女性6名が各実施例および比較例を口に入れ、飲み込む直前まで咀嚼したものを食塊とした。このときの咀嚼回数を筋電図測定を用い測定するとともに、食塊についても硬さおよび付着エネルギーを測定した。結果を図1、および図2に示す。
図1および図2に基づき、実施例4−1の餅食品は、内部温度が50℃から30℃に低下した場合も、硬さおよび付着エネルギーの変化が非常に小さいことが理解される。これに対し、比較例2および3は温度が低くなるについて、硬さ、付着エネルギーともに大きく増加する。
また、実施例4−1の餅食品は、比較例2および3との比較から明らかなとおり、被験者が飲み込める硬さまで咀嚼したときの硬さ、および付着エネルギーの変化が非常に小さい。言い換えれば、硬さおよび付着エネルギーは噛む前と噛んだ後とではほとんど変化しない。
(実施例4−1の餅食品と、餅、および既存の餅食品の官能試験)
実施例4−1、比較例2、および比較例3について、20〜30代の女性9人により、これらを歯で噛んだ場合と噛まない場合の官能試験を行った。実施例4−1、比較例2、および比較例3は、100℃の湯浴中で茹でた後、だし汁中に入れて、中心温度50℃に調整したものを用いた。
評価は実施例および比較例について相対的に、以下のポイントを付与することによって行った。結果を図3に示す。
硬さ(最も硬い:1ポイント、中間:2ポイント、最も軟らかい:3ポイント)
口の中でのばらつき感(最も多い:1ポイント、中間:2ポイント、最も少ない:3ポイント)
飲み込んだ後の残留感(最も多い:1ポイント、中間:2ポイント、最も少ない:3ポイント)
おいしさ(最もすき:1ポイント、中間:2ポイント、最もきらい:3ポイント)
図3に示すように、実施例4−1の餅食品は、噛まない場合も3つの試料の中で相対的に一番軟らかいという結果が得られた。また、噛まないで食した場合において、実施例4−1の餅食品は飲み込んだ後の残留感が少なく、また、最もおいしいという評価が得られた。
実施例4−1の餅食品と、餅、および既存の餅食品の硬さおよび付着エネルギーを表すグラフである。 実施例4−1の餅食品と、餅、および既存の餅食品の硬さおよび付着エネルギーを表すグラフである。 実施例4−1の餅食品と、餅、および既存の餅食品の官能試験の結果を示す図である。

Claims (12)

  1. もち米、ジャガイモまたはサツマイモ、および水を原料として含有する生地からなることを特徴とする餅食品。
  2. 前記もち米は、もち粉として添加されることを特徴とする請求項1に記載の餅食品。
  3. 前記ジャガイモまたはサツマイモは、ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末として添加されることを特徴とする請求項1または2に記載の餅食品。
  4. 前記ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末が、前記もち米またはもち粉100質量部に対し11〜233質量部であることを特徴とする請求項3に記載の餅食品。
  5. 前記ジャガイモ粉末またはサツマイモ粉末が、前記もち米またはもち粉100質量部に対し54〜100質量部であることを特徴とする請求項3に記載の餅食品。
  6. 前記水が前記もち米またはもち粉100質量部に対し400〜500質量部であることを特徴とする請求項3から5のいずれか1つに記載の餅食品。
  7. 寒天がさらに含有されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の餅食品。
  8. 前記寒天は、水100質量部に対し、0.5〜5質量部含有されることを特徴とする請求項7に記載の餅食品。
  9. 請求項1から8の餅食品が冷凍されたことを特徴とする冷凍餅食品。
  10. 前記餅食品の生地には、結晶セルロースがさらに含有されることを特徴とする請求項9に記載の冷凍餅食品。
  11. 前記結晶セルロースは、水100質量部に対し、1〜10質量部含有されることを特徴と請求項10に記載の冷凍餅食品。
  12. 請求項1から8の餅食品が凍結乾燥されたことを特徴とする凍結乾燥餅食品。
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