JP2004220009A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、感放射線性樹脂組成物として、2−アルキル−2−アダマンチル基、または1−アダマンチル−1−アルキルアダマンチル基で保護されたアルカリ可溶性を有し、それ自身ではアルカリに不溶または難溶であるが、酸の作用でアルカリに易溶となる樹脂と特定のスルホニウム塩系酸発生剤を含有する化学増幅型ポジ型レジスト組成物(特許文献1参照)。特定の基板密着性脂環式エステルと特定の脂環式骨格を有する酸脱離性のエステルに、第3成分として上記2成分の中間の極性を持つ特定の脂環式エステルを加えて3元共重合させたフォトレジスト用高分子化合物(特許文献2参照)、同じく脂環式骨格を有する特定構造の3種の単量体ユニットを特定の割合で含む樹脂(特許文献3参照)等が知られている。
上記酸解離性基含有樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量(以下Mwと略称する)と数平均分子量(以下Mnと略称する)との比(Mw/Mn)が1.5よりも小さいことを特徴とする。
本発明において、MwおよびMnは、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算平均分子量をいう。
また、上記酸解離性基含有樹脂は、該樹脂を構成する各繰り返し単位がランダムに重合された重合体であることを特徴とする。
その結果、本発明の感放射線性樹脂組成物は、活性放射線、特に、ArFエキシマレーザー(波長193nm)に代表される遠紫外線に感応する化学増幅型レジストとして、放射線に対する透明性が高く、しかも感度、解像度、ドライエッチング耐性、パターン形状も良好であるレジストとしての基本的性能を有しているだけでなく、第一に、レジスト溶剤への溶解性が極めて高く、第二に、現像後のパターン側壁のラフネスを低減することができる。
式(1)中の−C(R2)3を形成する官能基側鎖として好ましいものを挙げると、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−メチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エチルチルアダマンタン−2−イル基、2−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−n−プロピルアダマンタン−2−イル基、2−n−プロピル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−イソプロピルアダマンタン−2−イル基、2−イソプロピル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル基、2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル基、8−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル基、8−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル基、4−メチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル基、4−エチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル基、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチル基、1−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル)−1−メチルエチル基、1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル)−1−メチルエチル基、1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル基、1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル基、1,1−ジシクロヘキシルエチル基、1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)エチル基、1,1−ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル)エチル基、1,1−ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル)エチル基、1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチル基等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチル3−ヒドロキシアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチル3−ヒドロキシアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピル−アダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピル3−ヒドロキシアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピル3−ヒドロキシアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸8−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルエステル、(メタ)アクリル酸8−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルエステル、(メタ)アクリル酸4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル)−1−メチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジシクロヘキシルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチルエステルが挙げられる。
式(2)において、Aは単結合もしくは炭素数1〜6の置換基を有していてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、モノまたはジアルキレングリコール基、アルキレンエステル基を表し、Bは単結合もしくは炭素数1〜3の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキルオキシ基、酸素原子を表す。
式(3)において、Eは単結合もしくは炭素数1〜3の2価のアルキル基を表し、R3は相互に独立に水酸基、シアノ基、カルボキシル基、−COOR5、または−Y−R6を表し、R5は水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数3〜20の脂環式のアルキル基、Yは相互に独立に単結合もしくは炭素数1〜3の2価のアルキレン基を表し、R6は相互に独立に水素原子、水酸基、シアノ基、または−COOR7基を表す。ただし、少なくとも1つのR3が水素原子ではない。EおよびYとしては、単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
また、−COOR7基におけるR7としては、水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数3〜20の脂環式のアルキル基を表す。炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基を例示できる。炭素数3〜20の脂環式のアルキル基としては、−CnH2n-1(nは3〜20の整数)で表されるシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が、また、多環型脂環式アルキル基、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニル基、アダマンチル基等、または、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の1種以上あるいは1個以上でシクロアルキル基または多環型脂環式アルキル基の一部を置換した基等が挙げられる。
式(4)において、Gは単結合、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数4〜20の2価脂環式炭化水素基、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基を表す。炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
式(5)において、Jは単結合、炭素数1〜20の置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基を表す。
式(6)において、Lは単結合、炭素数1〜20の置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成したものを表す。qは1または2である。
式(7)において、N、Mはそれぞれ独立して単結合、炭素数1〜20の置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基を表す。直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。pは0または1である。
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタンエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−シアノアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−カルボキシルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−シアノ−5−ヒドロキシメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシメチル−5−カルボキシルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシメチル−5−メトキシカルボニルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−シアノアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジシアノアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−シアノ−5−カルボキシルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−シアノ−5−メトキシカルボニルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジカルボキシルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシル−5−メトキシカルボニルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−メトキシカルボニルアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3、5−ジメトキシカルボニルアダマンタン−1−イルメチルエステル、
式(4−1)で表される単量体の中で、特に好適な単量体としては、下記式(4−1−1)〜式(4−1−8)で表される単量体が挙げられる。
式(5−1)で表される単量体の中で、特に好適な単量体としては、下記式(5−1−1)〜式(5−1−4)で表される単量体が挙げられる。
式(6−1)で表される単量体の中で、特に好適な単量体としては、下記式(6−1−1)〜式(6−1−15)で表される単量体が挙げられる。
式(7−1)で表される単量体の中で、特に好適な単量体としては、下記式(7−1−1)〜式(7−1−9)で表される単量体が挙げられる。
他の繰り返し単位を与える単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルエステル、1−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチルエステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−5(6)−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9(10)−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イル、(メタ)アクリル酸カルボキシルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−カルボキシルエチルエステル、(メタ)アクリル酸−3−カルボキシアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5(6)−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9(10)−カルボキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸シアノメチルエステル、1−(メタ)アクリル酸−2−シアノエチルエステル、(メタ)アクリル酸−3−シアノアダマンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸−5(6)−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9(10)−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸アダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルエステル;
繰り返し単位(1)の共重合体中での割合は、全繰り返し単位に対して、15〜70モル%、好ましくは15〜25モル%である。15モル%未満では、レジストとしての解像性が劣化する傾向であり、70モル%をこえるとレジストとしての現像性が低下する傾向にある。
繰り返し単位(2)を共重合体中に有する場合における、繰り返し単位(2)の割合は、全繰り返し単位に対して、5〜70モル%、好ましくは5〜60モル%;
繰り返し単位(3)を共重合体中に有する場合における、繰り返し単位(3)の割合は、全繰り返し単位に対して、5〜70モル%、好ましくは5〜50モル%;
繰り返し単位(4)を共重合体中に有する場合における、繰り返し単位(4)の割合は、全繰り返し単位に対して、5〜70モル%、好ましくは5〜50モル%;
繰り返し単位(5)を共重合体中に有する場合における、繰り返し単位(5)の割合は、全繰り返し単位に対して、5〜70モル%、好ましくは5〜50モル%;
繰り返し単位(6)を共重合体中に有する場合における、繰り返し単位(6)の割合は、全繰り返し単位に対して、5〜70モル%、好ましくは5〜50モル%;
繰り返し単位(7)を共重合体中に有する場合における、繰り返し単位(7)の割合は、全繰り返し単位に対して、5〜70モル%、好ましくは5〜50モル%である。
繰り返し単位(2)の含有率が70モル%をこえると解像度の劣化およびレジスト溶媒への溶解性が低下する傾向にある。繰り返し単位(3)の含有率が70モル%をこえると現像性が低下する傾向にある。繰り返し単位(4)の含有率が70モル%をこえるとドライエッチング耐性が低下する傾向にある。繰り返し単位(5)の含有率が70モル%をこえると解像度が低下する傾向にある。繰り返し単位(6)の含有率が70モル%をこえると現像性が低下する傾向にある。繰り返し単位(7)の含有率が70モル%をこえると現像性が低下する傾向にある。
本発明に用いるリビングラジカル重合としては、重合末端の活性が失われることなく維持されるラジカル重合を意味する。リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。リビングラジカル重合は近年様々な研究グループで積極的に研究がなされている。その例としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(J.Am.Chem.Soc.1994、116、7943)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules、1994、27、7228)、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(特開2002−145972、特開2002−80523、特開2001−261733、特開2000−264914)、RCSSを成長末端に有するもの(WO9801478A1、WO9858974A1、WO9935177A1、WO9931144、US6380335B1)などが挙げられる。
酸解離性基含有樹脂を製造するためのリビングラジカル重合のうちで、まず、熱ラジカル発生剤とニトロキシド化合物を開始剤に用いる例において、リビングラジカル重合開始剤のニトロキシド化合物におけるラジカル捕捉剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。
具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いることもできる。
熱ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカルを発生しうるパーオキシドやアゾ化合物が好ましい。このパーオキシドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類;ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類;t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。アゾ化合物としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソ酪酸ジメチル等が挙げられ、特にアゾビスイソ酪酸ジメチルが好ましい。
上記のニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられる単量体、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わない。
遷移金属錯体を構成する中心金属としては、鉄、銅、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、レニウム等の周期律表第7〜11族元素(日本化学会編「化学便覧基礎編I改訂第4版」(1993年)記載の周期律表による)が好ましく挙げられる。中でもルテニウムや銅が好ましい。
ルテニウムを中心金属とする遷移金属錯体の具体例としては、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロベンゼンルテニウム、ジクロロp−シメンルテニウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)ルテニウム、シス−ジクロロビス(2,2'−ビピリジン)ルテニウム、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられ、特にジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム又はクロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムが好ましく挙げられる。
アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン等の脂肪族第1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族第3級アミン等の脂肪族アミン;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン等の脂肪族ポリアミン;アニリン、トルイジンなどの芳香族第1級アミン、ジフェニルアミンなどの芳香族第2級アミン、トリフェニルアミンなどの芳香族第3級アミン等の芳香族アミンなどを挙げることができる。中でも、脂肪族アミンが好ましく、特にブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミンなどが好ましい。
上記リビングラジカル重合開始剤系は、通常、使用直前に遷移金属錯体、有機ハロゲン化合物の重合開始剤、およびルイス酸またはアミンの活性化剤を常法により混合することにより調製することができる。また、遷移金属錯体、重合開始剤および活性化剤をそれぞれ別々に保管しておき、重合反応系中にそれぞれ別々に添加し、重合反応系中で混合してリビングラジカル重合開始剤系として機能するようにしてもよい。
R'として、Yが単結合の場合に特に好ましいものの具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、ジノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基などが挙げられる。
Yが酸素原子の場合に特に好ましいものの具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、ジノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基などが挙げられる。
Yが窒素原子の場合、上記式(8)中のR'−Y−は(R')(R')N−となるが、そのときのR'の特に好ましいものの具体例として、独立してメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、ジノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、ピペリジニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アセトアミド基などが挙げられる。また、R'が環を形成していてもよく、その場合、式(8−1)〜式(8−3)で表される基が挙げられる。
また、R''の特に好ましいものの具体例として、式(8−4)〜式(8−8)で表される基が挙げられる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、上記重合における反応温度は、通常、40〜150℃、好ましくは50〜130℃であり、反応時間は、通常、1〜96時間、好ましくは1〜48時間である。
各繰り返し単位を構成する単量体をランダムに重合する手段としては、上記式(1)ないし(7)で表される繰り返し単位を生成する単量体を一括して、または混合したものを滴下して重合することにより得られる。
得られた酸解離性基含有樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が既定値以下、例えばHPLCで0.1重量%等であることが好ましく、それによりレジストとしての感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができるだけでなく、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。
使用できるラジカル重合開始剤は、分子鎖末端基処理の条件でラジカルが発生できるものであれば使用できる。ラジカル発生条件としては、熱、光、ガンマ線または電子ビームなどのような高エネルギー放射線が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の具体例としてはパーオキシドやアゾ化合物などの開始剤が挙げられる。特に限定しないが、具体的なラジカル重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤が用いられる場合は、樹脂末端基処理反応の温度が約20〜200℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜100℃である。反応の雰囲気は、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気、または大気雰囲気である。反応の圧力は常圧または加圧することができる。ラジカル重合開始剤の量は、ラジカル重合開始剤が発生するラジカル量として、末端処理される重合体に存在する残基の総モル数の1〜800%モル、好ましくは50〜400%モル、より好ましくは100〜300%モル、さらにより好ましくは200〜300%モルになるように導入できる。
末端処理の反応時間は0.5〜72時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜12時間である。重合体末端からチオグループなどの残基の除去は少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは85%、さらにより好ましくは95%である。末端処理された重合体は末端に新しいラジカル種、例えば末端処理反応で使用されたラジカル開始剤から由来するラジカル開始剤の断片に置換される。得られた重合体は末端に新しいグループがあり、用途に応じて使用できる。
なお、重合体末端処理は国際公開公報WO02/090397に記載の方法によっても重合開始剤由来の残基を除去できる。
上記再沈澱法に用いられる貧溶媒としては、精製する樹脂の物性等に左右され一概には例示することはできない。適宜、貧溶媒は選定されるものである。
また、樹脂のMwとMnとの比(Mw/Mn)は、1〜1.5未満、好ましくは1〜1.3である。
本発明において、酸解離性基含有樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
感放射線性酸発生剤として好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムN,N−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、
感放射線性酸発生剤の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、酸解離性基含有樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜7重量部である。この場合、感放射線性酸発生剤の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下する傾向があり、一方20重量部をこえると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、「3級アミン化合物」、「アミド基含有化合物」、「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」、「含窒素複素環化合物」等を挙げることができる。
「含窒素複素環化合物」としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、通常、15重量部以下、好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が15重量部をこえると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
このような添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン、デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル、リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等を挙げることができる。
これらの脂環族添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
脂環族添加剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、脂環族添加剤の配合量が50重量部をこえると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
さらに、上記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、例中、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スプレー塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行なったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、例えば、紫外線、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(極紫外線、波長13nm等)等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線等を適宜選択して使用することができるが、これらのうち遠紫外線、電子線が好ましい。また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
次いで、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
現像に使用される現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%をこえると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
実施例および比較例における各測定・評価は、下記の方法で行なった。
(1)Mw、Mnおよび重合体への変換率:
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。重合体への変換率は各ピークの面積比により算出した。
(2)感度:
ArF光源にて露光を行なう場合、ウエハー表面に膜厚78nmのARC29(Brewer Science社製)膜を形成したシリコーンウエハー(ARC29)を用い、各組成物溶液を、基板上にスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、表4に示す条件でPBを行なって形成した膜厚340nmのレジスト被膜に、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.55)を用い、マスクパターンを介して露光した。その後、表4に示す条件でPEBを行なったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で60秒間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅160nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
(3)側壁ラフネス(LER)観測:
最適露光量にて解像した160nm1L/1Sパターンの観測において、日立製測長SEM:S9220にてパターン上部から観察する際、線幅を任意のポイントで観測し、その測定ばらつきを3シグマで表現した。
(4)分子量ロット間差:
各合成例において、同一の条件で酸解離性基含有樹脂を5回合成し、それぞれ得られた樹脂のMwを測定した。測定数5の標準偏差を求め、分子量ロット間差とした。
滴下終了後さらに4時間攪拌した。攪拌後2、4時間後におけるMw、Mw/Mn、重合体への変換率を測定した。
重合終了後、重合溶液は放冷することにより30℃以下に冷却した。その後ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.277gを重合溶液に加え、80℃に加熱し3時間攪拌して末端処理をした。末端処理後のMw、Mw/Mn、重合体への変換率を測定した。
反応終了後、溶液は放冷し30℃以下に冷却し、1000gのイソプロピルアルコールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度500gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体(A−25)を得た(17g、収率85%)。反応追跡した結果をまとめて表1に示す。
滴下終了後さらに4時間攪拌した。攪拌後2、4時間後におけるMw、Mw/Mn、重合体への変換率を測定した。
重合終了後、重合溶液は放冷することにより30℃以下に冷却した。その後ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.23gを重合溶液に加え、80℃に加熱し3時間攪拌して末端処理をした。末端処理後のMw、Mw/Mn、重合体への変換率を測定した。
反応終了後、溶液は放冷し30℃以下に冷却し、1000gのイソプロピルアルコールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度500gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体(A−26)を得た(16g、収率80%)。反応追跡した結果をまとめて表2に示す。
合成例1〜合成例26、および比較合成例1で得られた各重合体と、以下に示す酸発生剤と、他の成分とを表3に示す割合で配合して各感放射線性樹脂組成物溶液を得た。得られた感放射線性樹脂組成物溶液について各種評価を行なった。評価結果を表4に示す。ここで、部は、特記しない限り重量基準である。
酸発生剤(B)
(B−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
酸拡散制御剤(C)
(C−1):トリエタノールアミン
溶剤(D)
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−2):シクロヘキサノン
Claims (2)
- アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性であって酸の作用によりアルカリ易溶性となる酸解離性基含有樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、
前記酸解離性基含有樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量と数平均分子量との比(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5よりも小さいことを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
- 前記酸解離性基含有樹脂がリビングラジカル重合開始剤を用いて得られる重合体であることを特徴とする請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
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